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シンポジウム・震災と停電をどう生き延びたか
福島の在宅難病患者・人工呼吸器ユーザー(他)を招いて
2011/09/18 於:京都市ハートピア京都大会議室 13:00
災害と障害者・病者:東日本大震災
/
電気/停電関連
*専用ブログ:
http://shinsaiteiden.blog.fc2.com/
*転送歓迎です。/*
チラシ[MS Word]
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趣旨
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プログラム/報告
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関連報道・開催前/記者会見原稿
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関連報道・開催後
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『医療機器と一緒に 街で暮らすために――シンポジウム報告書 震災と停電をどう生き延びたか 〜福島の在宅難病患者・人工呼吸器ユーザーらを招いて〜』
[別ページ]
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【趣旨】
東日本大震災後では、停電時に山形県尾花沢市で人工呼吸器を使用している人が死亡するなど、在宅で人工呼吸器や痰吸引機などを使って暮らす人たちの生命を脅かす事態を招きました。
日本ALS協会福島県支部では、外部バッテリー1台ではしのぎきれない長時間停電で、医療機関や呼吸器の業者も被災し、在宅患者がSOSを発信することも困難だったことから、地域ごとに充電済みバッテリーを配備するなど取り組みを始めています。また千葉市のALS患者らが利用者する介護事業所によると、突然の計画停電実施により、地域の障害者のケア態勢は大きな混乱に陥り、内蔵バッテリーが説明書に書いてある持続時間より保たなかったり、エアマットも空気が抜けてしまうなど、対応に追われたそうです。
電力供給の不足が関西電力のエリアでも叫ばれる中、京都で人工呼吸器を使って在宅で暮らす重度障害者らに幅広く呼びかけ、東日本大震災で停電に会った福島県や、計画停電が実施された千葉県で生命の危機に直面した人工呼吸器やたん吸引機を使う人たちを京都に招き、その経験からどう暮らしを守り、地域で守る大切なものは何かを学びます。
【開催日時】 2011年 9月18日(日曜) 午後1時半〜
【場所】 ハートピア京都 大会議室
京都市中京区烏丸通丸太町下がる(地下鉄丸太町駅すぐ)
http://www.heartpiakyoto.jp/access/index.html
【参加費】 500円
【パネリスト】
「震災と福島 在宅を支える絆」
佐川優子さん/ALS協会福島支部長
安田智美さん/ALS協会福島支部理事(患者家族)
中手聖一さん/ILセンター福島・子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク代表
長谷川詩織さん/いわき自立生活センター
「使えなかった非常時の備え
〜千葉県での計画停電による在宅療養生活への影響と対策」
伊藤佳世子さん(千葉市の介護事業所「りべるたす」/千葉県のALS在宅患者)
【申し込み・注意】
開催要綱は今後、変更される可能性があります。
申し込み方法を含めて、
ブログ
http://shinsaiteiden.blog.fc2.com/
でお知らせします。
会場には看護師が待機しますが、車椅子や医療機器を使われている方は事前連絡を
e-mail:
shinsaiteiden@gmail.com
にお願いします
【呼びかけ人】 ALS協会近畿ブロック幹事 増田英明/NPO法人「ゆに」*代表 佐藤謙
*
http://www18.atpages.jp/~npounikyoto/?page_id=2
【主催】 シンポジウム「震災と停電をどう生き抜いたか」実行委員会 【協賛】
日本ALS協会近畿ブロック
/
立命館大学生存学研究センター
【賛同者】
NPO法人ゆに/
日本自立生活センター
・小泉浩子/かりん燈・渡邉琢/
立命館大学大学院・西田美紀/ 京都工芸繊維大・阪田弘一ほか
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■プログラム/報告
13:30 開会 司会:
西田美紀
/立命館大
実行委員会 代表あいさつ 増田英明/ALS協会近畿ブロック幹事
13:45〜14:30 「使えなかった非常時の備え 千葉県での計画停電による在宅療養生活への影響と対策」
三島みゆきさん/千葉県在住のALS当事者
伊藤佳世子
さん/千葉市の介護事業所「りべるたす」
14:30〜14:50 質疑応答 (ファシリテーター・
立岩真也
/立命館大学生存学研究センター教授)
14:50〜15:10 休憩
15:10〜16:10 「震災と福島 在宅を支える絆」
佐川優子さん/ALS協会福島支部長
安田智美さん/ALS協会福島支部(患者家族)
中手聖一さん/ILセンター福島・子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク代表
長谷川詩織さん/いわき自立生活センター
16:10〜16:55 質疑
16:55 閉会あいさつ 佐藤謙/NPO法人「ゆに」代表
17:00〜 交流会
◆閉会の挨拶 佐藤 謙(NPO法人ゆに)
今日は、大変貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございます。緊急時の対応や今後の生活を考えていく上で、とても勉強になりました。
報告の中で特に印象に残ったのは、震災時には電話が繋がらず、関係機関との連絡が取れないことや、ガソリンが不足し、訪問看護師もヘルパーも一時は来なかった、というお話です。(当日の話の流れで内容変わる)
日頃から、緊急時はどこに連絡したらいいのか、どこに相談するのかということを決めていても、今回のような震災が起きてしまえば、機能しなくなるということが分かりました。
そういうときに大事になってくるのは、普段からの近隣者との関わり、在宅生活を支援する人達とのチームワーク、様々な人達との地域交流・支え合いの精神ではないかと思います。
今日は、想いを持ちながらも会場に来られなかった重度障害者や難病患者さんもおられます。このシンポジウムをきっかけに、呼吸器ユーザーや医療度の高い方、多様な障害の方々とのつながりを、皆様と共に作っていきたいと思っています。
また、普段から安定的な生活ができ、緊急時の対応を当事者・家族だけでなく、地域の方々と連携していけるよう、京都でのネットワークを広げていきたいと思います。そうした活動をする上で、震災で亡くなられた呼吸器ユーザーの無念さをいつまでも忘れずにしていきたいです。皆様、今後ともよろしくお願い致します。
最後になりましたが、震災・停電の貴重な体験を聞かせていただき、本当にありがとうございます。被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。会場にお越し頂いた皆様、ありがとうございます。これで閉会の挨拶とさせていただきます。
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■関連報道・開催前/記者会見原稿
◆2011/08/08 「「停電弱者」の輪 育て 人工呼吸器使う京のALS患者ら集会計画 「突然の電力供給停止 生命危機」 被災地から招く」
『京都新聞』2011年8月8日付朝刊社会面
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20110808000019
「電力の供給不足が問題になる中、京都市で人工呼吸器を使い在宅で暮らす難病患者や重度障害者が、東日本大震災の被災地の福島県や計画停電が実施された千葉県で生命の危機に直面した人工呼吸器患者を京都に招き、9月に集会を開く。府内では在宅で人工呼吸器や吸引機を使う「停電弱者」の実態さえ把握されておらず、当事者同士で連携の構築を目指す。
呼びかけているのは、
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
患者の増田英明さん(68)=左京区=と、
筋ジストロフィー
患者でNPO法人「ゆに」代表の佐藤謙さん(27)=右京区=。ともに人工呼吸器を装着し、在宅でヘルパーの介助を受け暮らしている。
増田さんは「どう危機をしのいだのか、経験に学び、京都でも平時から人の輪を築くきっかけにしたい」と話している。
千葉市のALS患者などが利用する介護事業所は「突然の計画停電で、呼吸器の内蔵電源が説明書の半分しか持たなかったり、エアマットの空気が抜けるなど対応に追われた。懐中電灯で照らしながらのたん吸引は綱渡りだった」と振り返る。
増田さんなどの呼びかけに、障害者でつくる
日本自立生活センター
(JCIL・南区)や難病患者支援者、
立命館大生存学研究センター
が応じ、9月18日開催へ向け準備を進めている。福島市で独居生活するALS患者らの参加を予定している。
バッテリーなど停電への備えについても情報交換する予定。問い合わせは、JCIL自立支援事業所TEL075(682)7950。(岡本晃明)
京都府内 実態把握されず
国は、震災後に起きた停電で山形県の人工呼吸器使用者が自宅で死亡したことを受け、医療機器の貸し出しや連絡態勢の構築を進めるよう都道府県に通達を出した。
京都府が業者から聞き取ったところ、人工呼吸器や在宅酸素療法などを使う患者は、府内で約3500人いる。しかし府健康対策課が把握している在宅の人工呼吸器装着者は6月時点でALSなど特定疾患の患者約30人に過ぎない。特定疾患に指定されていない筋ジストロフィー患者や、事故や脳血管障害などの後遺症で人工呼吸器を使う在宅者の情報は把握できていないという。
京都市保健医療課も、厚労省通達を受け、医療度の高い46人を把握した。ただ、「特定疾患以外の人は把握が難しい」という。
一方、兵庫県は、2004年の台風23号による長時間停電で、在宅患者の人工呼吸器が停止寸前になる例があったことから、神戸市など政令市と共同で、在宅の人工呼吸器装着者の災害時支援指針を作った。バッテリーの持続時間や介護者の状況を含めたリストづくりを進め151人を把握、73人が登録されている。
写真説明 人工呼吸器を使って在宅で暮らすALS患者増田さん(写真右)と筋ジストロフィーの佐藤さん(写真中央)=京都市北区・立命館大」(全文)
◆2011/08/25 記者会見
○増田 英明
私はALS患者の増田英明と申します。
私達、在宅で生活する呼吸器装着者は電力に頼って生きています。
呼吸器のみならず吸引器や電動ベット、エアマットなども電気を使用します。
この度の大震災では私達がふだん何とかしてくれると頼りにしている行政や
病院自体が被災し、大変な事態になっているのをテレビや新聞で見聞き
しました。 これは人ごとではありません。停電は即、命に関わります。
私達自らも非常時に備えた考えや行動を起こす必要があります。
新聞報道によると、京都府には3000人以上の在宅で医療機器を使って
暮らす人がいます。
いまの在宅生活には、ヘルパー不足や医療面、福祉制度などで大きな
困難と不安に日々向き合っています。行き場をなくし、孤立している
人たちがいます。
平時から安心できる暮らしを築かないとなりません。
私はその第一歩として、京都での停電弱者の横のつながりを築いて
いきたいと思いました。京都では今まで人工呼吸器装着者どうしの
顔の見える集まりはありませんでした。外出が困難な患者も多く
容易なことではありませんが少しずつでも進めていきたいと思います。
そのためにも今回、震災や停電の体験者をお呼びして学ばせて
いただきたいと思っています
増田英明 拜
○佐藤謙
筋ジストロフィーという障害で、24時間人工呼吸器を使っている、佐藤謙と申します。私は停電になった場合、呼吸器の電源が取れるように、バッテリーを3台持っています。いつでも使えるように充電はしていますが、3つ合わせても6時間半しかもちません。バッテリーは1台で3万円と高額です。今のバッテリーではそれを複数購入しないといけないので、医療機器メーカーには価格が安くて長時間もつバッテリーを提供していただきたいです。
私のように在宅で生活している呼吸器ユーザーは、長時間停電するような事態になれば、バッテリーのあるうちに自家発電のある病院に緊急で行くしかありません。最悪バッテリーがすべて切れた場合、手動で空気を送る器具を押し空気を送り続けないといけません。
呼吸器と同様に普段から使っているものは、痰を吸引する吸引器です。今私が使っているものはコンセントを抜いた状態で1時間半しかバッテリーは持ちません。また、私は普段ベッドの上にいる時は、電気で空気を送り込むエアマットを使っています。停電した場合、勝手に空気が抜けてしまい、ベッドの上では過ごせなくなります。
発電機を購入する方法もありますが、高額なものですし、それを呼吸器ユーザーが個人で用意するのは難しいです。緊急事態の場合に、行政や業者から発電機をリースしてもらえる体制を作っていただきたいです。
◆2011/09/17 「東日本大震災:在宅難病患者の経験に学ぶ あす中京で当事者招きシンポ /京都」
毎日新聞2011.9.17
「◇停電で生命の危機に直面 京都の男性2人「電動の医療機器は命綱」
在宅で人工呼吸器を使う難病男性らが、東日本大震災や計画停電で影響を受けた患者の経験に学ぼうと、18日午後1時半から京都市中京区でシンポジウムを開く。「電力で動く医療機器は私たちにとって命の綱」と、当事者の声を伝えようと意気込んでいる。【成田有佳】
シンポの呼び掛け人は、筋委縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)患者の増田英明さん(68)=左京区=と筋ジストロフィー患者の佐藤謙さん(27)=北区=の2人。このうち、増田さんは全身の筋肉が徐々に動かなくなるALSを60歳ごろに発症。日ごろは、5年前から使っている人工呼吸器だけでなく、唾液やたんの吸引器、床ずれを防ぐためのエアーマットなど、医療機器に囲まれて生活を送る。増田さんにとって、今回の大震災に伴う停電によって生命の危機に直面する体験をした患者の話は、人ごとではなかった。
その後、福島市やいわき市の患者団体などが地域ごとに充電済みのバッテリーを配備するなどの取り組みを始めたことを知った。「ぜひ彼らの経験から今後のあり方を学び、平時から横のつながりを作りたい」とシンポを企画した。
当日は、福島県の人工呼吸器ユーザーやその家族、計画停電の影響を受けた千葉県のALS患者ら6人を招く。
18日午後1時半から、中京区のハートピア京都大会議室で。参加費500円。会場には看護師が待機するので、車椅子や医療機器を使う人にも多く参加してほしいとしている。医療器具などを使用する人はメール(shinsaiteiden@gmail.com)で事前連絡を。
問い合わせはNPO法人日本自立生活センター(075・682・7950)まで。」(全文)
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■関連報道・開催後
◆2011/08/18 「停電と在宅療養考えるシンポ」
NHKONLINE・NHK京都放送局・京都府のニュース
http://www.nhk.or.jp/lnews/kyoto/2015607261.html
「人工呼吸器など命を支える機器を自宅で使用している患者が、災害時などの停電にどう備えるのかを考えるシンポジウムが18日京都市で開かれました。
シンポジウムは人工呼吸器など命を支える機器を自宅で使っている人たちが東日本大震災や計画停電を通して得た教訓をいかそうと開かれ、京都市中京区の会場には京都府内で人工呼吸器などを使う患者やその家族など、230人が集まりました。
この中では千葉県で人工呼吸器を使っている患者が、震災のあとの計画停電の発表が突然で準備する時間がなく、行政や電力会社、それに病院のいずれも具体的な相談には乗ってくれなかったと体験談を語りました。
また福島県で在宅で療養する患者を支援している団体の担当者は、震災を教訓にバッテリーや発電機を用意し停電が起きたときには患者に届ける事業を始めたことを紹介し、参加者が真剣な表情で聞き入っていました。
シンポジウムの呼びかけ人の立命館大学の立岩真也教授は「電力供給が不安定になることが懸念される中で、他人事ではない。停電にどう備えるか、みんなで考えていかなくてはいけない」と話しています。」09月18日 19時09分(全文)
*立岩はよびかけ人ではありません。
◆2011/09/19 「在宅医療 停電への備えを」
NHKONLINE・NHK滋賀放送局・滋賀県のニュース
http://blog.goo.ne.jp/iniciative/e/623954e287f656df0550da9d6211a1cf?fm=entry_awc
人工呼吸器など命を支える機器を自宅で使用している患者が、災害時などの停電にどう備えるのかを考えるシンポジウムが18日に京都市で開かれました。
シンポジウムは、人工呼吸器など命を支える機器を自宅で使っている人たちが、東日本大震災や計画停電を通して得た教訓をいかそうと開かれ、京都市中京区の会場には、京都府内で人工呼吸器などを使う患者やその家族など、230人が集まりました。
この中では、千葉県で人工呼吸器を使っている患者が、震災のあとの計画停電の発表が突然で準備する時間がなく、行政や電力会社、それに病院のいずれも、具体的な相談には乗ってくれなかったと体験談を語りました。
また、福島県で在宅で療養する患者を支援している団体の担当者は、震災を教訓にバッテリーや発電機を用意し、停電が起きた時に患者に届ける事業を始めたことが紹介され、参加者が真剣な表情で聞き入っていました。
シンポジウムの呼びかけ人の立命館大学の立岩真也教授は「電力供給が不安定になることが懸念される中で、他人事ではない。停電にどう備えるか、みんなで考えていかなくてはいけない」と話していました。」09月19日 08時31分
*立岩はよびかけ人ではありません。
◆2011/08/18 「人工呼吸患者と震災の停電シンポジウム」
KBS京都ニュース 2011年9月18日 18:00
http://www.kbs-kyoto.co.jp/contents/news/2011/09/post-7067.htm
「東日本大震災による停電で命の危険にさらされた人工呼吸器患者などが体験談を語るシンポジウムがきょう、京都市内で開かれました。
このシンポジウムは人工呼吸器患者が停電の対策を議論するもので、会場には、患者や医療・介護関係者ら200人以上が集まりました。
冒頭に筋ジストロフィ患者などでつくるALS協会近畿ブロック長の増田英明さんは、「停電は即、私たちの命に関わります。この機会にぜひ停電弱者同士のつながりを作りたい」と切実な思いを語りました。
続いて福島県在住の患者や、計画停電を経験した千葉県の在宅患者が機械音声で体験談を語り、停電が実施されるまでの準備期間が短く、十分な医療環境を整えることができなかった点や、行政のずさんな対応を挙げ、外部バッテリーの準備など、具体的な緊急マニュアルの作成が必要だと訴えました。[…]」
*ALS協会はALSの人たちと関係者の協会で筋ジストロフィーの人たちの協会は別にあります。また増田さんは近畿ブロックの会長ではありません(幹事です)。
◆2011/09/19 「難病 命つないだ予備電源 京都でシンポ 在宅の被災患者 体験談」
『読売新聞』大阪版朝刊 震災面
記事・画像(pdf)
「自宅で人工呼吸器を使う難病患者が、東日本大震災後の電力供給不安を抱え、どのように生き延びたのかを学ぶシンポジウムが18日、京都市内であり、普段から代わりの電源を準備しておく大切さが話し合われた。
シンポは、全身の筋肉が衰える難病・筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者で京都市の増田英明さん(68)が、余震の停電で、酸素吸入をしていた山形県尾花沢市の患者が亡くなったことを聞き企画。ALS患者や支援者ら計約230人が参加した。
このうち、千葉県から参加したALS患者の三島みゆきさん(38)は、大震災直後に停電に見舞われ、準備していたバッテリーで乗り切った体験を報告。
「いつ電気が戻るのかとても不安だった」と振り返り、「車のバッテリーを電源にすることが可能で、日頃の練習も大切」とアドバイスした。
福島県いわき市の障害者支援団体職員、長谷川詩織さん(32)は「行政が、災害対策として予備のバッテリーや発電機を準備することを考えてほしい」と訴えた。
会場では参加者らが熱心に聞き入り、神経難病で人工呼吸器を使う京都市の青野浩美さん(28)は「電気が使えなくなるなんて考えたこともなかった。経験者の話を聞くことができ、参考になった」と話していた。
ALS患者の在宅医療を研究している立岩真也・立命館大教授は「行政は患者支援団体と協力して患者情報を共有し、緊急時のマニュアルを作成するなど、サポートしやすい環境を作るべきだ」と語った。」(全文)
写真=東日本大震災と停電をALS患者らがどう生き延びたかという議題に患
者本人も大勢詰めかけた(18日、京都市内で)=川崎公太撮影
◆2011/09/19 「「停電弱者」存在知って 難病患者、障害者らシンポ 中京」
『京都新聞』2011-9-19朝刊
「人工呼吸器を使い在宅で暮らす難病患者や重度障害者らによるシンポジウム「震災と停電をどう生き延びたか」が18日、京都市中京区のハートピア京都で行われた。生命維持に電力が欠かせない「停電弱者」が、ポータブル電源などの確保や普段のつながりを強めるなど災害時の停電に備える必要性を訴えた。
京都市在住の筋萎縮性側索硬化症(ALS)や筋ジストロフィーの患者らが「平時から輪を築くきっかけに」と、被災地などの当事者を招き約200人が参加した。千葉県の支援者が、東日本大震災後に実施された計画停電時に、バッテリーを持たなかったり、使用の経験がなかった人が多くいたことや東京電力の対応が不十分で苦労した事例が紹介された。ALS患者三島みゆきさんは「有事の際に何が必要かを把握するため一度家から出て旅行をしてほしい。電力会社は停電弱者の存在を認識して」と訴えた。
在宅で父親の介護をする日本ALS協会福島支部の安田智美さんは、県内では、会員が患者全体の約2割だとし「支援物資を患者に届けたかったが、会員以外の情報を行政は教えてくれなかった。個人情報保護が緊急時に患者の命を守るのか。一方、多くの障害者団体が協力してくれ、つながりの重要性を実感した」と述べた。(藤松奈美) 」(全文)
写真説明 計画停電中の苦労や今後の課題を語る在宅の難病患者や介助者たち(京都市中京区・ハートピア京都)
◆2011/09/19 「停電時 電源どう確保 中京 在宅難病患者シンポ」
『朝日新聞』2011-9-19朝刊・京都版
東日本大震災に伴う停電で、生命の危機にさらされた難病患者らを招いたシンポジウムが18日、中京区であった。日ごろの備えや地域との結びつきなどの話に、京都在住の難病患者ら約230人が聴き入った。
人工呼吸器を使う患者らが企画。被災した福島県の患者や、計画停電が実施された千葉県の患者らがパネリストとして参加した。
「使えなかった非常時の備え」と題した報告会では、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の妻と登壇した三島正剛さん(39)=千葉県鎌ケ谷市=は、計画停電が始まる前に非常用電源の確保に奔走したエピソードを紹介。「携帯型の発電機などで何とか乗り切れた」と振り返り、「行政は停電弱者の情報をつかむことが欠かせない」と話した。
日本ALS協会福島県支部の安田智美さん(40)=福島県郡山市=は「行政は避難所の対応で手いっぱい。支えてくれたのは障害者の支援団体。横のつながりで掬われた」と、患者団体の連携の充実を訴えた。
傍聴した難病患者の高橋剛司さん(35)=南区=は「停電時の備えはしているが、行政が貸与する制度があれば安心できる」と話した。(堀田浩一)
◆2011/09/21 「停電弱者」[今日のノート]
『読売新聞』大阪版2011-09-21朝刊 気流面
記事・画像(pdf)
ライフラインという言葉は阪神大震災以来、よく使われるようになった。電気や水道、ガス、電話など生活に欠かせないサービスの供給網のことだ。
なかでも電気が文字通り、生命線になっている人たちがいる。人工呼吸器や酸素吸入器を使って在宅で暮らしている重い病気の人たちだ。
「停電は即、命にかかわります」
全身の筋肉が動かなくなるALS(筋萎縮性側索硬化症)の増田英明さん(68)(京都市左京区)は、そう強調する。
東日本大震災に伴う停電では、手動で空気を送る蘇生バッグを家族が押し続ける、車の電源につなぐといった方法でしのいだ人たちもいたが、山形県では4月の余震後の停電で63歳の女性が死亡した。病院へ緊急搬送された人も多かった。
人工呼吸器の内蔵バッテリーがもつのは1時間程度。予備バッテリーは数万円、燃料を使う発電機は10万〜20万円もする。みんなが自前で用意しておくのは難しい。
厚生労働省は、発電機などを医療施設や保健所に備えて患者に貸し出す事業を始めたが、東京電力と東北電力のエリア以外は自治体と施設の費用負担が必要で、進んでいない。東京都は独自に、予備バッテリーや蘇生バッグを全額公費で無償貸与する事業を開始した。
「停電弱者」への支援は、急いで進めないといけない。行政だけでなく電力会社や機器メーカーも協力してほしい。(編集委員
原昌平
)」(全文)
◆
http://kurumaisyu.exblog.jp/16886899/
◆報告
立命館大学グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点メールマガジン 第19号
本学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程6回生の
西田美紀
による報告です。
2011年9月18日(日)、シンポジウム「震災と停電をどう生き延びたか 福島の在宅難病患者・人工呼吸器ユーザー(他)を招いて」が開催されました。会場には予想を超え約230名という大勢の方々が参加されました。
シンポジウムの前半では「使えなかった非常時の備え 千葉県での計画停電による在宅療養生活への影響と対策」を、後半は「震災と福島 在宅を支える絆」について報告がありました。質疑応答の時間を設け、参加者とのディスカッションもありました。印象に残ったのは、パネリストそれそれが、震災・停電時の報告に加え、平時の生活を振り返り、問題意識を持っていたことでした。予備電源等の器具の知識やその備えをどうしていくかという課題と同時に、平時からの障害者/難病患者らが安心できる生活環境と、地域や社会との繋がりの重要性を認識しました。
パネリストの方には貴重な体験を報告していただきまして、本当にありがとうございました。被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。シンポジウムのご協力くださった方々、会場にお越し頂いた皆様も、ありがとうございました。
*当日は、会場に来れなかった重度障害者や難病患者・家族の方々もいました。シンポジウムのメンバーらは、いろんな人達の声やニーズを拾い上げ、今後につなげていけたらと思い、アンケートの協力をお願いしました。その結果も当日の配布資料に加え、会場で報告しました。
UP:20110809 REV:20110821, 0902, 19, 24, 26, 20120531, 0607
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東日本大震災:電気/停電関連
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災害と障害者・病者:東日本大震災
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東日本大震災:本拠点の活動関連
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病・障害
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生存・生活
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