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東日本大震災 障害者関連政策・報道… 2013年1月

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災害と障害者・病者:東日本大震災

 last update:20130204
新聞記事見出し

新聞記事本文
◇災害弱者情報を常時開示 避難支援見直し案 市町村と民間 共有
(2013.01.30 読売新聞東京朝刊 二面 02頁)
 自力で避難できない高齢者や障害者などの災害弱者を迅速に助けるため、内閣府は29日、「災害時要援護者の避難支援ガイドライン」の見直し案を有識者検討会に示した。名簿などの個人情報を緊急時だけでなく平常時から民間団体に開示できるようにするのが柱で、そのために必要となる災害対策基本法の改正案を今通常国会に提出する方針だ。
 改正案には、避難誘導や安否確認などを素早く的確に行うために、市町村が災害弱者の名簿を作成することを盛り込む。また、平常時から町内会や民間福祉団体など第三者と名簿を共有することも可能にする予定だ。名簿の作成は、現行では法的に位置づけられておらず、市町村の裁量に任されている。
 東日本大震災では、災害弱者を支援しようと民間団体が市町村に個人情報の開示を求めたが、個人情報保護を理由に断られ、支援が遅れるケースが目立った。


◇災害時要援護者:地域の支援者へ、平時に名簿提供−−提言案
(2013.01.30 毎日新聞東京朝刊 6頁 経済面)
 自力で避難できない障害者や高齢者ら「災害時要援護者」の支援に関する内閣府の検討会は29日、市町村で要援護者の名簿作成を進めるよう法律などを整備し、平常時も地域の支援者に守秘義務を課すなどしたうえで名簿を提供するよう促す提言案をまとめた。東日本大震災を受けた対応で、内閣府は現行の「災害時要援護者避難支援ガイドライン」を近く改正する。
 災害時要援護者名簿を作成済みの市町村は64%(12年4月現在)にとどまっているうえ、個人情報保護を理由に行政以外に開示されにくく「避難の計画作りや訓練が進みにくい」と指摘されてきた。
 提言案は名簿を作成する市町村が、都道府県など関係機関から情報収集をしやすくする法的な手当てが必要とした。市町村は同意を得た「災害時要援護者」の名簿を消防団や民生委員、福祉団体などに提供するようにし、併せて目的外使用や漏えいの防止策を講じるべきだとした。地域で避難支援に当たれる人を推計すべきだとも提言している。また、支援者の安全確保も明確にするよう求めた。【野倉恵】


◇障害者、高齢者の防災とは 来月16日多摩で講演会=多摩
(2013.01.29 読売新聞東京朝刊 多摩2 30頁)
 東日本大震災で被災した福島県の介護事業所の理事長を迎えた講演会「しょうがいを持つ人の防災」が2月16日、多摩市立永山公民館で開催される。
 講師は、東京電力福島第一原発から、約40キロに位置する同県田村市の介護事業所「ケアステーションゆうとぴあ」の理事長・鈴木絹江さん。自らの経験から高齢者や障害者にとって必要な防災について語る。身体障害や知的障害といった障害の種類に応じた支援など、地域の防災計画や支援マニュアル作りに欠かせないポイントにもふれる予定。
 午後2時?4時半。参加費無料。定員150人。手話通訳と要約筆記あり。問い合わせは、自立ステーションつばさ(042・389・6491)へ。


◇福祉避難所 石巻市が協定 6法人と=宮城
(2013.01.29 読売新聞東京朝刊 宮城2 30頁)
 石巻市は、市内外の6社会福祉法人と、災害時に障害者や高齢者を受け入れる福祉避難所の設置や運営管理などに関する協定を結んだ。震災直後に同様の協定を結んだ法人と合わせ、計19法人の26施設が福祉避難所となり、数百人の受け入れが可能になるという。
 協定を結んだのは、同市の和仁福祉会など6法人が運営する特別養護老人ホームや障害者支援施設など11施設。登米市の障害者施設や美里町の特別養護老人ホームなど内陸部の施設も含まれる。
 市内で援護が必要な対象者は約5000人とみられるため、市福祉部は今後も市外を含め社会福祉法人に福祉避難所の設置の協力をお願いする方針。石巻祥心会の宍戸義光理事長は「一時的に多目的ホールなどを活用して対応した経緯もあり、臨機応変にやりくりして協力したい」と話した。
 

◇障害者施設:南相馬で8事業所、職員募集の説明会 /福島
(2013.01.28 毎日新聞地方版/福島 24頁)
 原発事故で足りなくなった職員を募集しようと、南相馬市と相馬市の障害者施設の説明会が26日、南相馬市で開かれた。8事業所が1〜9人を求めてブースを設け、業務や待遇を説明。求職者は約20人が訪れて真剣にやりとりし「仕事の楽しさ」を考える場となった。
 主催は、JDF被災地障がい者支援センターふくしま(郡山市)。同センターによると、事故後、浜通りなどの施設は、職員不足を全国の応援(延べ計約2500人)でしのいできた。しかし、応援は1週間交代などが一般的。障害者の避難先での就職活動や、体調悪化などに対応するため、地元の職員が欠かせない。
 会場では、南相馬市の自立研修所、えんどう豆の佐藤定広所長(50)らが現場の仕事内容などを紹介した。建築会社から7年前に転職した佐藤所長は「普通はお金を稼ぐために働くが、福祉の人は違う視点で魅力的だった。障害を持つ人に何ができるか悩んだこともあったが、みんなで一緒に生きている、と感じられるのが楽しい」と話した。
 求職者も、時間ぎりぎりまで複数のブースを回る熱心さ。市内の40代の女性は、昨年秋まで避難した首都圏で福祉に携わり「やりがいを感じたので、資格を取って本格的に働きたい」と語った。震災で営業の職場を失った40代の男性は「給料だけを考えると厳しい職種だと思う。しかし、震災で自分の考え方も変わった」と話した。
 説明会は、いわき市労働福祉会館でも来月2日午後0時半〜同4時に開催。入場無料。問い合わせは同事務局電話024・925・2428。【高橋秀郎】


◇障害者施設:南相馬で8事業所、職員募集の説明会 /福島
(2013.01.28 毎日新聞地方版/福島 24頁)
 原発事故で足りなくなった職員を募集しようと、南相馬市と相馬市の障害者施設の説明会が26日、南相馬市で開かれた。8事業所が1〜9人を求めてブースを設け、業務や待遇を説明。求職者は約20人が訪れて真剣にやりとりし「仕事の楽しさ」を考える場となった。
 主催は、JDF被災地障がい者支援センターふくしま(郡山市)。同センターによると、事故後、浜通りなどの施設は、職員不足を全国の応援(延べ計約2500人)でしのいできた。しかし、応援は1週間交代などが一般的。障害者の避難先での就職活動や、体調悪化などに対応するため、地元の職員が欠かせない。
 会場では、南相馬市の自立研修所、えんどう豆の佐藤定広所長(50)らが現場の仕事内容などを紹介した。建築会社から7年前に転職した佐藤所長は「普通はお金を稼ぐために働くが、福祉の人は違う視点で魅力的だった。障害を持つ人に何ができるか悩んだこともあったが、みんなで一緒に生きている、と感じられるのが楽しい」と話した。
 求職者も、時間ぎりぎりまで複数のブースを回る熱心さ。市内の40代の女性は、昨年秋まで避難した首都圏で福祉に携わり「やりがいを感じたので、資格を取って本格的に働きたい」と語った。震災で営業の職場を失った40代の男性は「給料だけを考えると厳しい職種だと思う。しかし、震災で自分の考え方も変わった」と話した。
 説明会は、いわき市労働福祉会館でも来月2日午後0時半〜同4時に開催。入場無料。問い合わせは同事務局電話024・925・2428。【高橋秀郎】


◇[ひゅーまん@香川]防災情報点字で届ける 有田幹子さん=香川
(2013.01.28 読売新聞大阪朝刊 香川 35頁)
 ◇点訳サークル「コスモス」代表 有田幹子さん 60(さぬき市) 
 点訳サークル「コスモス」が、東日本大震災後に注目が集まっている「稲むらの火」の点字絵本を完成させた。「目の見えない人が災害の恐ろしさを肌で感じ、防災意識を高める手助けをしたい」と話す。
 「稲むらの火」は、安政の南海地震(1854年)の際、和歌山県広川町の庄屋が、高台にあった稲束に火を放って住民を誘導し、津波から救った史実を基にした物語だ。
 今回の絵本は、絵本作家高村忠範さんの作品を基に製作。挿絵は、盛り上がった点で描く点図で表現した。半年かけて昨年12月に完成させ、県立盲学校(高松市扇町)や福祉施設に提供した。
 子育てが一段落した40歳代後半から「社会の役に立ちたい」と点字を学び始めた。2005年にコスモスを設立。30?70歳代の14人のメンバーが、市の広報誌や図書館の蔵書などを点訳している。東日本大震災後には「防災情報のバリアフリー」を目標に、新聞の防災記事の点訳も手掛けている。
 「楽しみでやっていることで、役に立ててうれしい。点字で読める書物を増やすために、これからもこつこつと続け、点訳者の育成もしていきたい」。絵本は、視覚障害者には市社会福祉協議会を通じて無料配布している。(有好宏文)


◇語る・つなぐ)しゃべる線量計で支援 中村雅彦さん 東日本大震災
(2013年01月28日 朝日新聞 朝刊 4社会 037)
 福島県盲人協会専務理事
 オレンジ色のボタンを押すと、女性の声が流れてきた。「ゼロ テン イチ ニ マイクロシーベルト」。集まった約30人の視覚障害者から拍手が起きた。
 目が不自由な人が放射線量を測ることができる「しゃべる線量計」だ。日本盲人会連合(東京)が18日、福島県盲人協会に104台を贈った。
 1時間あたりの放射線量を0・01マイクロシーベルト単位で読み上げる線量計は、同協会で専務理事を務める中村雅彦さん(66)が奔走してできあがった。
 養護学校の教員を経て短大教授になった後の2011年3月11日、東日本大震災が起きた。9日後、辞表を出して障害がある被災者の支援に走り回った。車の走行距離は3カ月で1万キロを超えた。
 「自分で線量を測りたい」。視覚障害者にこうした要望があることを知り、線量計の製造実績を持つ県内の機械メーカーに相談した。ボタンの色や位置は? 声色は男性のほうがいいのか、それとも女性か? メーカーに20回以上通い、「しゃべる線量計」を完成させた。
 昨年1月に販売を始め、県内や関東などで約350台が売れた。5万円だった価格は、今月から3万8千円に値下げした。「もっと多くの障害者の元に届けられるはず」。中村さんはこう思っている。
 支援に駆け回る中、もうひとつ形にしたものがある。
 かつての教え子や知り合いの障害者が津波の犠牲になった。「なぜ助けられなかったのか」という疑問に駆られた。障害者の避難と被害の記録を残そう――。教え子ら100人以上の話を聞き、「あと少しの支援があれば」(ジアース教育新社)にまとめた。
 たびたび障害者宅を訪ね、復興に関する資料を説明したり原発事故の賠償請求を手伝ったりしている。「声を出すことなく我慢している障害者が多い。彼らの代わりに物を申していきたい」(野瀬輝彦)


◇状況報告に「ひな型」・実務担当に必ず女性 避難所運営、県が指針改訂 /和歌山県
(2013年01月24日 朝日新聞 朝刊 和歌山3・1地方 031)
 県は今月、2011年の東日本大震災や台風12号水害を受け、災害時の避難所運営マニュアルを市町村が作る際の指針を大幅に改めた。避難所の状況を、地元の住民らだけでも速やかに市町村へ報告できるよう内容をあらかじめ決めておくことや、避難所運営に女性の意見を採り入れるため実務担当者に必ず女性を加えることなどを明記した。
 県は2008年3月に作成した指針をもとに、総合防災課、青少年・男女共同参画課、長寿社会課、障害福祉課など12課の職員らで震災や台風の教訓を踏まえて検討し、見直した。
 県によると、県内30市町村のなかで避難所運営マニュアルを作っているのは昨年末の時点で、田辺市など17市町。有田市、すさみ町など13市町村は作成中という。県総合防災課は2月1日に市町村の防災担当者らを集めて指針の内容を説明し、今年度中のマニュアルの作成や改訂を求めていく。
 同課によると、台風12号水害の際、対応にあたる市町村職員が道路の寸断などで、すぐにたどり着けない避難所があった。県は状況を把握するために直接職員を避難所に派遣したが、到着するまでは避難所の状況を正確に把握することが難しかったという。
 このため指針には新たに、避難所の「状況報告書」の作成を盛り込んだ。避難者数や要援護者数▽水道、電気、ガス、電話の状況▽運営状況や要望など、報告する内容もあらかじめ定めており、地元の住民らが対応しても、避難所の状況を報告しやすいという。
 また、女性や支援が必要な高齢者や障害者への対応も充実させた。東日本大震災の際、施設の外に作った仮設トイレまでの道が暗いなど防犯上の問題点があったため、屋外照明をつけることを求めた。避難所の運営に女性の意見をより反映するため、食料や衛生面などを管理する実務班に必ず女性を参加させることも求めている。
 県総合防災課の高瀬一郎課長は、「避難所の情報を正確に把握し、住民がトラブルなく安全な避難所生活を送ってもらうために指針を改めた。市町村は避難所運営のマニュアル作りに生かしてほしい」と話している。
 (遠藤雄司)


◇福島・桜染め、希望の復活 避難の障害者、富岡で販売目指す 「前向きに」 /群馬県
(2013年01月23日 朝日新聞 朝刊 群馬全県・1地方 029)
 福島県内から高崎市に集団避難している知的障害者施設のメンバーが、福島で取り組んでいた「桜染め」を復活させた。桜の葉を使うシルク製品などの染め物で、施設が福島県富岡町にあったことにちなみ、世界文化遺産をめざす富岡製糸場での販売が目標だ。なお帰郷のめどは立たないが、一歩ずつ歩みを進めている。
 東日本大震災前、社会福祉法人「友愛会」は知的障害者入所施設など4施設を福島県富岡町などで運営していた。富岡町は東京電力福島第一、第二原子力発電所から20キロ圏内で、入所者は高崎市の国立重度知的障害者総合施設「のぞみの園」に集団避難した。
 今も入所者ら利用者68人と職員34人、職員の家族19人の計121人が高崎市内で暮らし、町は昨年、「今後5年間は帰還できない」と宣言した。
 「原発城下町」だった富岡町。職員は、地元の観光協会と協力し、入所者の活動を通じて何か新しい名物を作りたいと知恵を絞った。そして考案したのが、多くの花見客を集める町内の「夜の森公園」の桜の剪定(せんてい)で出る枝葉を活用した「夜の森桜染め」だった。
 桜の葉を煮出した汁でシルク生地を染め上げると、薄ピンク色に染まる。コサージュやスカーフなどの商品は、福島県の物産品コンクールで県知事賞に輝き、町の名物に。入所者のみならず、地元の人向けの教室もにぎわっていた。
 だが、そのすべてが震災で失われた。
 「心も体も半分は福島にいる状態。でも、いつまでも被災者ではいられない」。友愛会の寺島利文事務局長(59)らは昨年4月から、再開に向け準備を始めた。9月に富岡製糸場内の桜から葉を集め、10月に桜染めの復活を果たした。
 染めるのは群馬のオリジナル生糸「ぐんま200」。富岡町で培った技術を富岡製糸場の桜と「群馬ブランド」の糸と融合させ、世界遺産登録を控えた場内での販売をめざす。
 ただ、ほぼ毎日稼働し、年間80万円ほど売り上げがあった震災前とは勝手が違う。今は避難先の作業所の関係で週2回程度。作業にあたれる入所者も4人と以前の半分に減った。
 それでも、桜染めの作業を補助する瀬田川和枝さん(48)は「生産が間に合わないが、『置かせてほしい』という声が多く寄せられている」と感謝する。
 みんなで帰郷する願いを胸に、桜染めの復活を見守る寺島さんは「前向きに、ここでできることを精いっぱいやっていきたい」と話した。(牛尾梓)


◇個人情報:災害時の取り扱いめぐりシンポ 「弱者」救助に役立てて−−日弁連など、名古屋で28日 /愛知
(2013.01.22 毎日新聞地方版/愛知 18頁)
 大規模災害が発生した際、高齢者や障害者などの災害弱者を救うのに役立てようと、日弁連と県弁護士会などは28日、「災害時における個人情報の適切な取り扱い」と題したシンポジウムを名古屋市で開催する。
 震災直後から施設に通う障害者たちの避難を支援した福島県南相馬市の障害者支援を行うNPO法人「さぽーとセンターぴあ」の青田由幸代表理事や、被災地の自治体担当者による報告会のほか、パネルディスカッションが行われる。シンポジウムは東京と大阪で開かれ、名古屋で3回目となる。
 東日本大震災では、障害者や高齢者のリストなどの開示を求める福祉団体などに対し、自治体が個人情報を理由に拒否するケースがあり、災害発生時でも保護しようとする姿勢が、災害弱者救助の支障となったと指摘された。
 また、毎日新聞、関西学院大などが11年12月から12年2月にかけて、東日本大震災の避難者受け入れをテーマに全国の自治体にアンケートしたところ、県外避難者名簿を支援団体や他の避難者に「公開・提供」と答えた自治体は1割未満にとどまった。一方、個人情報保護制度の見直しに「賛成」とした自治体は4割以上に上り、制度が活動の壁となっている実情が浮き彫りとなった。
 日弁連は12年10月、災害時の個人情報の取り扱いについて、「個人情報保護法があっても、要援護者の安否確認に必要な個人情報と避難後の支援を促進するための個人情報を自治体と支援機関の間で共有することは問題ない」とするガイドラインを策定した。
 シンポジウムは午後1時半(開場午後1時)から名古屋市中区丸の内2の1の33、東建ホールで開かれ、参加費は無料。申し込みは、氏名・連絡先・参加希望人数を記載し、日弁連人権2課(ファクス03・3580・2896)へ。問い合わせは同課(電話03・3580・9982)。【沢田勇】


◇災害時にも難聴者支援 要約筆記 手話頼らず意思疎通=栃木
(2013.01.20 読売新聞東京朝刊 栃木1 21頁)
 耳が聞こえにくい人に、音声情報を文字で伝える「要約筆記」を研究している「全国要約筆記問題研究会」県支部が、災害時の聴覚障害者の安全確保に向けて調査を進めている。避難所や救護場所での環境整備を進めるため、今年行われる県の防災訓練への参加も目指している。
 県障害福祉課によると、県内には約7900人(障害者手帳を持つ人、昨年4月現在)の聴覚障害者がいる。東日本大震災の際、県は地元テレビ局に手話放送と字幕放送を依頼し、手話通訳者や要約筆記者のボランティアの派遣をとりまとめた。宇都宮市では、手話通訳者2人が常駐し、窓口に筆談用のホワイトボードを設置した。
 同支部によると、大勢が集まる避難所では、けがの程度をうまく伝えられなかったり、避難や配給の連絡が聞こえなかったりと、耳が不自由な人に情報が行き届かないことが多いという。特に、後天的に耳が聞こえなくなった人は話ができるため、健常者と勘違いされやすい。同支部の安田房代代表(58)は「聴覚障害者は警報も聞こえないので、人知れず命を落とす危険もある」と話す。
 同支部は昨年9月、県の防災訓練に聴覚障害者を参加させ、どんな不便を感じたかなどを調査して県に報告書を提出した。報告書は「音声だけでは避難の場所、方法などがわからない」「救護時に声で話しかけてくる」などと問題点を挙げ、救助者らが小型のホワイトボードを持って意思疎通を図れるようにすることや、避難所に要約筆記者を配置することなどの必要性を指摘した。県が今年実施する防災訓練に聴覚障害者を参加させ、要約筆記のブースを設置することなども求めた。
 20歳で突発性難聴になった大田原市の磯島都子さん(61)は50歳頃に要約筆記を知るまで、イベント会場などで聴覚障害者に配慮がないことに落ち込み、外出する意欲を失っていたという。「目にするのは手話ばかり。要約筆記を初めて知ったときは感動した」と話す。災害発生時の情報提供について、「サイレンで危険を知らせるだけでなく、目で見てわかる情報を増やしてほしい」と語る。
 要約筆記は、高齢による難聴者や、手話ができない健常者などにも大きな助けになる。安田代表は「外から症状が分かりにくい聴覚障害に、社会の目が届くようにしたい」と話している。
 〈要約筆記〉
 発言者が話している内容をその場で要約し、文字として聴覚障害者に伝える方法。手話がわからない聴覚障害者の意思疎通を手助けする。要約筆記者は都道府県が認定する資格で、県内には132人(昨年10月現在)いる。会議や講演会などでも活躍している。
 

◇説明会・相談会:障害者施設の職員募集 南相馬で26日、いわきで来月2日 /福島
(2013.01.19 毎日新聞地方版/福島)
 「私たちと一緒に働きませんか」。JDF被災地障がい者支援センターふくしま(事務局・郡山市)は、南相馬市で今月26日、いわき市で2月2日、障害者施設の仕事を紹介する説明会・相談会を開く。原発事故に伴う避難などで職員不足が続いており、広く一般から募集する。
 県の補助を得て実施する福祉・介護職員マッチング事業。会場では新人職員や転職者の体験談、ベテラン職員と利用者の意見交換などで福祉現場を紹介。南相馬では8団体、いわきでは15団体が参加、ブースを設けて個別の相談を受け付ける。担当者は「仕事に携わるのは、福祉の学校の卒業生や経験者ばかりではありません。関心のあるみなさんは参加してください」とPR。
 南相馬はロイヤルホテル丸屋で26日午後1時半〜同4時、いわきは市労働福祉会館で2日午後0時半〜同4時に開く。入場無料。問い合わせは同事務局電話024・925・2428。【高橋秀郎】


◇障害者世帯などに優先枠 石巻市 災害住宅の入居方法決定=宮城
(2013.01.19 読売新聞東京朝刊 仙台 31頁)
 石巻市は、災害公営住宅への入居や集団移転先の土地割り当ての方法を決めた。希望先を登録し、希望が重複して抽選になった場合、震災前の居住地が、河川堤防や高盛土道路など津波防御施設の建設予定地にあった被災者を最優先にする。
 災害公営住宅では、障害者世帯や高齢者のみの世帯を対象とする優先枠を設けるほか、母子・父子世帯なども抽選で配慮する。集団移転では、被災前や仮設住宅に移り住んだ後の人間関係を重視し、2?10戸単位でまとまった入居を優先する。
 市は今年9月頃、第1弾となる災害公営住宅の建設場所や集団移転先の区画などの情報を公表し、被災者に希望する移転先を仮登録してもらう。その後、仮登録の状況を公表し、その結果を踏まえたうえで本登録してもらう。
 市は、住宅整備がおおむね完了する2016年度まで毎年1回、災害公営住宅などの情報を公表する。


◇やさしさ継ぐ 復興へ18年、先達の遺志 阪神大震災 【大阪】
(2013年01月17日 朝日新聞 夕刊 1社会 013)
 阪神大震災から18年。被災者支援や復興に力を尽くしてきた先達たちが一人、また一人と亡くなっている。時が流れ、街は変わり、人も代替わりしていく。けれども、彼らの遺志は阪神で、東日本で、受け継がれ、しっかりと息づいている。▼1面参照
◎灯り絶やさない
 午前5時46分。神戸市中央区の東遊園地に、竹灯籠(どうろう)の「1・17」の文字が浮かび上がった。
 灯籠の灯(あか)りを囲む人の輪の中に、1999年に始まった1・17のつどい実行委員会事務局長の高橋正幸さん(64)の姿があった。「あの2人と一緒に準備したことを思い出すね」
 高橋さんが「戦友」とも言う2人とは、初代実行委員長の梶明さんと、2代目の中島正義さんだ。
 梶さんは兵庫区、中島さんは中央区で被災し、ともに仮設住宅でリーダー役を務めた。住民らと「神戸・市民交流会」を作り、神戸市生活再建本部の調整担当課長だった高橋さんら行政側に被災者の声を届けた。
 98年、市民交流会が元避難所だった小学校でろうそくを使ったつどいを開いた。自宅近くの山へ登るのを日課にしていた梶さんが「この火を消さずにいよう」と、山の中腹の寺に火を運んでランタンで1年間保管。それが、翌年初めて東遊園地で開かれたつどいの火となった。
 梶さんは2009年に87歳で、中島さんは11年に73歳で亡くなった。失った存在の大きさに高橋さんは、事務局長をやめようかとさえ思ったが、「2人に怒られる」と思い直した。
 「人が替わっていくのはやむを得ない。けれども、震災と復興への気持ちは途切れさせてはいけない。火を絶やさないように」
◎孤独死から守る診療所
 高層の復興住宅が立ち並ぶ神戸市西区の西神南ニュータウン。その一角で、高齢化した被災者を見守り続ける診療所「クリニック希望」の所長、伊佐秀夫さん(61)は17日も、ふだん通りに午前9時前に出勤し、診察衣に腕を通した。「きっと、額田先生も天国から『今日もしっかりやれよ』と言っている」
 クリニック希望は震災の年の8月、西区にあった仮設住宅の敷地内で、遠くの医療機関へ行けない入居者を診ようと、西区の「みどり病院」の理事長、額田勲さんが開業。大学の後輩で勤務医だった伊佐さんが所長を務め、約4年間でのべ約2万5千人が受診した。
 額田さんは仮設住宅で相次ぐ孤独死問題にも取り組み、社会に警鐘を鳴らした。しかし、一昨年の秋にがんが見つかり、昨年7月、72歳で亡くなった。
 東日本大震災後、被災地をたびたび訪れていた。家族を失い、仕事も失ってアルコールにおぼれ、孤独死する――。仮設住宅を阪神でのような陸の孤島にしてはいけない、という思いがあった。
 伊佐さんも東日本大震災後、宮城県石巻市を2度訪れている。「孤独死が相次ぐ条件はそろっている」。阪神の教訓をどう生かすか、震災で立ち上がったクリニックとしての役割を模索し続けている。
◎障害者は主人公
 「みんなどうしているんだ。無事か? だいじょうぶか? この通信が届いてくれることを願っている」
 昨年7月に61歳で亡くなった兵庫県姫路市の大賀重太郎さんが震災当日、知り合いの障害者らに郵送したB5判1枚の手紙には、混乱と焦燥が刻まれている。翌日から障害者らの安否や生活情報を載せたファクスを半年以上発信し続けた。
 学生時代から障害者支援に取り組んできた。震災2週間後には神戸市と兵庫県西宮市を拠点に「被災地障害者センター」を立ち上げ、障害者の安否確認や自宅での生活再開を支えた。
 脳性まひがある福永年久さん(60)は、大賀さんとは20歳のころからのつきあい。車いすで全国40カ所以上を回り、支援を呼びかけた。今はセンターが「拓人(たくと)こうべ」と名を変えたNPO法人の代表を務める。
 大賀さんは04年に交通事故に遭ってから体調が優れず、東日本大震災後は「被災地に行きたい」と話していたが、かなわなかった。
 福永さんは東北で障害者の支援拠点作りや、福島の障害者を沖縄に受け入れる橋渡しをした。17日朝、「まだやらなきゃいけないことがある」と話す。大賀さんが常々言っていた言葉を胸に刻む。「障害者は助けられるだけ、支援されるだけの存在ではない。自ら救援・復活活動をする主人公だ」(佐藤卓史、堀田浩一)


◇要援護者 安全避難先を 県、福祉関連団体と協定 災害時の連携強化へ=和歌山
(2013.01.14 読売新聞大阪朝刊 セ和歌 31頁)
 巨大地震などの際、障害を抱えている人やお年寄り、赤ちゃんや子どもら要援護者の避難先を確保しようと、県と県内の障害者や児童福祉の関連団体が、地域の安心の確保に関する協定を相次いで締結した。今後、各市町村が、地元にある施設との具体的な連携を進める。(上田貴夫)
 昨年12月、県知的障害者施設協会(海南市、44施設)、県療護施設連絡協議会(橋本市、4施設)、県児童福祉施設連絡協議会(岩出市、25施設)が県と協定を結んだ。
 各団体は、会員施設に対し、災害時には、施設の特性に応じて知的・身体障害者や乳幼児、体の不自由な高齢者らを受け入れるよう要請。被災施設や一般の避難所に応援の職員を派遣することも求める。発生直後に、要援護者の被災状況に関する情報収集も期待されている。
 また、日頃から、高齢者の徘徊(はいかい)や子どもの非行、虐待などの防止に向け、地域での見守り活動を行うよう求める。
 県によると、東日本大震災では、被災した要援護者を専門に受け入れる「福祉避難所」や避難生活での心身のケアに当たる人材の不足が課題となったという。今後、各団体と連携し、市町村と会員施設に対し、具体的な協力内容を盛り込んだ個別の協定を結ぶよう働きかけていく。
 県児童福祉施設連絡協議会の森下宣明会長は「各地にある会員施設を災害拠点として利用してもらいたい。紀北の施設が津波被害の想定される紀南を応援することも想定している」と話していた。
 2010年10月にも、県は県老人福祉施設協議会と同様の協定を結ぶなど、要援護者の被災対策を強化している。
 県子ども未来課は「震災では乳児の泣き声や障害によるパニックなどが避難所でトラブルになった例もあり、大災害時には各地域に福祉避難所を設けることが理想的だ」としている。


◇水戸市:24老人福祉施設と避難所設営の覚書 /茨城
(2013.01.12 毎日新聞地方版/茨城 25頁)
 災害時に一般の避難所での生活が困難な高齢者や障害者など要援護者の支援体制を強化するため、水戸市は11日、市内の24の老人福祉施設と福祉避難所の設置運営に関する覚書を締結した。これにより、最大約3500人の収容が可能となる。県によると、県内の自治体ではひたちなか市の約4600人に次ぐ規模という。
 覚書では、大規模な地震、風水害などの災害発生時や、災害発生の恐れがあり、要援護者の避難が必要な場合、市が福祉施設に要請し、避難所として使用するとしている。
 市によると、12年2月に市老人福祉施設連絡会(武藤邦彦代表)に覚書締結を打診。市職員が全施設を回って説明を行い、締結に至ったという。福祉避難所の指定はこれまで14施設で地域的に偏りがあったが、今回の締結で38施設に増え、市全域をカバーできるという。
 高橋靖市長は「東日本大震災時に高齢者や障害者への適切なケアが完全だったとは言えない。整備が整っており、専門知識のある職員がいるので適切な支援ができる」と話した。【杣谷健太】


◇東日本大震災:相模原の障害者自立支援「きこり」、福島の避難者招き「施設」交流−−来月1日 /神奈川
(2013.01.12 毎日新聞地方版/神奈川 24頁) 
◎手話コーラスなど音楽会 震災支援契機に「利用者」らと
 障害者の生活介護・就労施設「ウディーショップきこり」(相模原市中央区相生)が2月1日、福島第1原発事故のため福島県二本松市に避難して活動している障害者福祉サービス施設の利用者たちを相模原市に招く。手話コーラスなどの音楽会を開いて交流するほか、「きこり」での組み木作りを紹介するワークショップをJR相模原駅ビルの相模原市民ギャラリー(中央区相模原)で開催する。【高橋和夫】
 招待されるのは、原発事故で計画的避難区域に指定された福島県浪江町から二本松市に避難した「アクセスホームさくら」(渡辺幸江所長)の利用者10人と付き添いの保護者ら7人。事故後、20人いた施設利用者は別々の避難を余儀なくされた。二本松市には12人が避難し、11年8月から仮事業所を設けてラスクなど菓子作りの活動を再開した。
 「きこり」を運営するNPO法人が昨年、福島知的障害者協会に支援金100万円を贈ったことが交流のきっかけ。今回の音楽会で初めて、両施設の利用者が一緒に活動する。
 音楽会は2月1日午前10時〜正午、JR橋本駅脇のミウィ橋本にある「杜のホールはしもと」(緑区橋本)で開かれる。「さくら」の利用者は「負けないで」など3曲、「きこり」のメンバーは「世界に一つだけの花」など2曲を、それぞれCDの演奏に合わせて手話コーラスで披露。観客も一緒に楽しめる音楽会を各地で開いている岡倉ゆかりさんが特別参加する。
 相模原市民ギャラリーで開催するワークショップは、「きこり」の活動を支援する組み木デザイナーの小黒三郎さん(熊本県小国町在住)が今月31日と2月1日の両日、組み木作りを実演し、体験コーナーも設ける。「きこり」の利用者がクレヨンなどで描いた作品15点も展示する。
 また、市民ギャラリーでは「風しもの村」展も開かれる。避難生活を送る「さくら」との交流から、「きこり」が人々に東日本大震災と原発事故の記憶を持ち続けてほしいと考え、「福島を思う」をテーマに行う。
 原発事故後、福島県飯舘村で取材したフォトジャーナリスト、森住卓(たかし)さんの「福島第1原発写真」(40点)を展示。ソ連時代の86年に炉心溶融・爆発事故が起きたウクライナのチェルノブイリ原発について92年から現地で取材を続ける画家、貝原(かいはら)浩さんのスケッチ画(絵巻15点とスケッチ画など9点)も並ぶ。
 「きこり」は障害者の自立支援を目的に、87年に民家を借りて開設された。現在、22〜44歳の男女15人が木製の壁掛けなどを製作している。震災後、「みんなで助けたい」と少ない給料から義援金を送った。昨年2月には小黒さんと一緒に宮城県石巻市立釜小を訪れ、6年生の卒業記念品作りを手伝った。
 音楽会、ワークショップ、「風しもの村」展は、いずれも入場無料。問い合わせは「きこり」(080・5902・1455)。


◇福祉避難所:災害弱者収容 奈良市、40法人・団体と協定 /奈良
(2013.01.10 毎日新聞地方版/奈良 21頁)
 奈良市は先月、地震などの災害発生時に、お年寄りや障害者ら災害弱者が、専門性の高い介護などを受けられる「福祉避難所」を確保するため、社会福祉法人など40法人・団体と協定を結んだ。東日本大震災の被災地では、避難所で体調を崩したり亡くなったりする災害弱者が相次いだ。こうした問題を防ぐのが狙いで、看護師や介護士らが避難者を一人一人確認し、一般の避難所では生活に困難が生じる人を収容する予定。【釣田祐喜】


◇神戸市、入居延長を検討 要介護者らを対象 阪神大震災借り上げ復興住宅 【大阪】
(2013年01月10日 朝日新聞 夕刊 1総合 001)
 神戸市は10日、阪神大震災の被災者向けに都市再生機構(UR)や民間事業者から借り上げた公営住宅が20年間の契約期限を迎えた後も、引き続き要介護者ら転居困難者の入居を検討すると発表した。今月末にも学識者らの懇談会を立ち上げ、早期に方針を決めるとしている。
 市は従来、約3千世帯の入居者を期限までにすべて退去させる方針を打ち出していたが、今後はURなどとの契約更新も選択肢として検討されることになる。
 三木太志・住宅整備担当部長は「原則転居を求める大方針に変わりはない」としたうえで「入居者や議会の要望を受け、要介護者や障害者らへの配慮が必要だと判断した」としている。
 市の借り上げ住宅は昨年末現在で3741戸あり、低所得の被災者を中心に2968世帯が暮らす。URなどオーナーとの契約は、2016年1月から順次期限切れを迎える。市によると、入居者から徴収する家賃と、市がオーナーに支払う借り上げ料との差額は年約24億円。このうち国の交付税を除いた約14億円が市の財政負担になっている。
 一方、高齢者を中心に「体力的にも経済的にも転居は難しい」「震災後ようやく築いた地域のつながりが絶たれる」と、転居要請に反発する声は強い。
 朝日新聞の調べでは、復興のための借り上げ公営住宅は、大阪・兵庫両府県に約6600戸あり、15年4月から順次期限切れを迎える。約2千戸を抱える兵庫県は昨年末、URとの契約更新などによって、転居困難者の入居継続を図る方針を打ち出している。(宮武努)


*作成:
UP:20130204 REV:,
災害と障害者・病者:東日本大震災 
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