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東日本大震災 障害者関連報道 2012年7月

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災害と障害者・病者:東日本大震災

 last update:20121127
新聞記事見出し

新聞記事本文
◇災害弱者 進まぬ名簿作り 整備率 全国ワースト1=千葉
(2012.07.31  読売新聞東京朝刊 京葉)
 ◎避難や安否確認に不可欠 
 県内市町村で、災害時に支援が必要な障害者や高齢者を事前に登録する災害時要援護者名簿の作成が、他県に比べて遅れている。総務省消防庁の4月1日現在のまとめでは、名簿が完成したのは54市町村のうち千葉市や市川市など19市町村(35・2%)で、整備率は全国ワースト1位。全国平均の64・1%も大きく下回り、県防災計画課は「整備が進まない理由を分析して市町村の作成を支援する」と話している。
 政府は2005年に災害弱者の支援に関する指針をまとめ、全市町村に早急な名簿作成を求めた。市町村は名簿を民生委員や消防団、町内会などにも提供し、災害弱者の支援で連携する。名簿登録者の決定方法や、名簿の提供範囲は市町村の判断に委ねている。
 同庁によると、昨年9月、台風12号の豪雨被害を受けた奈良県十津川村では、村職員や民生委員が名簿を基に対象世帯に電話して安否を確認。医薬品の供給や、人工透析患者の村外移送に役立ったという。同村福祉事務所は「名簿を作る前は障害者や高齢者などをそれぞれ違う部署が把握しており統率のとれた対応が難しかった」と話している。
 県内で名簿が未完成の35市町のうち、31市町は作成に着手したが、このうち25市町は10年度以前から1年以上も作業を続けている。作成に時間がかかるのは、個人情報保護への配慮で名簿登載を住民の自主性に委ねる例が多いためだ。
 茂原市は昨年12月から広報紙と市ホームページで、75歳以上の独居世帯などに登録を呼び掛けたが、希望者はわずか7人。同市は「こんなに少なくては名簿を作ることも出来ない」として、民生委員やケアマネジャーが戸別訪問して登録を促す方法に切り替えた。
 一方、東日本大震災で津波被害を受けた旭市は、同じ12月に名簿登録の同意を求める文書を対象者に直接送った。「震災で防災意識が高まった」(同市)こともあり約6割の同意が集まった。名簿は近く完成する。
 県外では、都道府県が主導することで整備が進んでいる例も多いため、県も今後、対象者の同意を得る具体的な方法の助言などにより、名簿の普及を促す。
 名簿整備率が9割を超える神奈川県では、県が市町村に対し、〈1〉認知症などで本人の同意を得にくい場合は家族に理解を求める〈2〉条例に関連規定を設けて同意を得ずに名簿を作成できるようにする??など、具体的な作成方法を示しているという。


◇シンポジウム:訓練に要援護者参加を 水戸で「大震災と防災」 /茨城
(2012.07.30 毎日新聞地方版/茨城) 
 東日本大震災で浮かび上がった防災面での課題を考えるシンポジウム「大震災と防災 茨城からの発信」(県地方自治研究センター主催)が28日、水戸市のフェリヴェール・サンシャインで行われ、茨城大地域総合研究所の有賀絵理客員研究員が、高齢者や障害者などの災害時要援護者について報告。自治体による避難訓練に要援護者が参加していない現状を指摘し、参加の必要性を訴えた。
 有賀研究員は、災害時の避難先に指定されることが多い公園で、入り口にバイクなどの進入を防ぐ鉄棒があるために、車椅子利用者が避難できない事例を挙げ、「気づかない、知らない、分からないがゆえに起こすバリアーがある」と指摘。自治体による避難訓練に要援護者が参加していない現状については「『参加してください』との文言があるだけでも参加しやすくなる」と述べた。
 このほか、茨城大の帯刀治名誉教授が講演。町村合併などで自治体職員の人員が減少しているとして「ボランティアやNPOとのパートナーシップが必要で、具体的に検討しなければならない」と述べた。【杣谷健太】


◇糸島市:要援護者対象「福祉避難所」23施設と協定 市防災計画に基づき締結 /福岡
(2012.07.30 毎日新聞地方版/福岡) 
 糸島市は、災害時に要援護者が支障なく避難生活ができる「福祉避難所」を設置するための協定を、市内27の福祉施設のうち23施設と締結した。県内で同様の協定は飯塚市が結んでいるという。
 協定は市地域防災計画に基づいたもので、対象は、災害時に市が指定する一般の避難所での生活に特別の配慮が必要な高齢者や障害者。市は約6500人の要援護者を把握しているが、受け入れ可能なのは約100人。
 福祉避難所だけで収容できない場合は、市外の福祉施設などへの特別受け入れを要請する。開設期間は7日以内だが、閉鎖が困難な場合は必要最小限の延長ができる。松本嶺男市長は「収容人数は今後増やしたい」と語った。【竹田定倫】


◇行政区単位で自主防災組織 矢板市が推進へ=栃木
(2012.07.26  読売新聞東京朝刊  栃木1)
 矢板市は、今年度から3か年計画で、行政区単位の自主防災組織の設置を推進していくことになった。25日の記者会見で遠藤忠市長が明らかにした。大地震、風水害など自然災害の初動で、高齢者や障害者など災害弱者の安否確認や避難活動などに積極的に対応してもらう。
 同市は、ハンドマイクやテント、発電機など必要な資機材購入費を助成(70万円上限)するほか、防災訓練、組織運営経費にも補助金を交付する。市はすでに各行政区長に組織設置の手引きを配布して説明。長井、第1農場、第2農場など山岳部の地区や、木幡東、木幡西の新興住宅地など8行政区で組織化の検討に入っている。市内の68行政区で設置を目指している。


◇[復興を問う・災害公営住宅](上)入居者の地域性 考慮(連載)=岩手
(2012.07.24    読売新聞東京朝刊  岩手)
 東日本大震災の被災者向けに整備が進められている災害公営住宅(復興住宅)の入居者の選定方法を巡り、釜石市役所で13日に開かれた検討会。初会合となったこの日、市側は住民代表らに説明した。「震災前に居住していた地区への入居希望が最優先。これが基本です」
      ◎
 阪神大震災の被災者たちが暮らす兵庫県の復興住宅では、65歳以上の割合を示す高齢化率が47・4%(昨年3月時点)で、2人に1人が高齢者という状況が続いている。同県住宅管理課によると、一般の県営住宅では25・0%。復興住宅が倍近いのは、入居時に高齢者を優先したのが一番の理由だ。
 「その結果、見知らぬ人が隣同士になり、孤独死などの問題も起きた」と同課の担当者。「コミュニティーごとに入居してもらい、顔見知り同士が一緒に住むのがいい」とも語った。
      ◎
 「阪神の教訓」を生かそうとする動きが、県内の被災自治体で広がりつつある。
 沿岸部では約5300戸の復興住宅が整備される。県はこのうち3000戸余りを建設し、半数を市町村に有償で譲渡する計画だ。市町村営になれば、地域性を優先し、建設場所の地域住民に絞って入居させることも可能になる。岩手独自の取り組みという。
 大槌町も、地域性の強い4地区で地域住民の入居を優先する考えだ。碇川豊町長は17日、250戸の譲渡を受ける覚書を県と取り交わし、「大変有利な形。感謝している」と喜んだ。
 しかし、復興住宅は一度に全戸が完成するわけではない。地域性を重視しつつ、移る順番を決める必要がある。町は、高齢世帯や母子家庭などに対する優先入居枠の設定を検討するとしているが、仮設住まいの会社員男性(30)は「理解はできるが、若い世代は後回しにされてしまうのか」と気をもむ。
      ◎
 釜石市の検討会を受けて、19日夜、同市平田第6仮設団地の自治会長、森谷勲さん(70)ら役員9人が仮設団地の談話室に集まった。同団地に住むのは釜石、大船渡、陸前高田、大槌、山田5市町の約220世帯。役員らは、普段から耳にしている住民の声を持ち寄った。
 「釜石に住みたい、という市外の被災者がいる」「自宅を再建しようか迷っている人もいる」「市に(買い上げる)土地価格を出してもらわないと復興住宅に移るか判断がつかないという声もある」「内陸部に土地を確保し、希望する住宅がきつければ出ていく人もいるようだ」
 同団地としては、市の「地元最優先」の方針を了承することでまとまったが、住民たちの不安や迷い、入居に向けての課題は尽きない。「こうした意見を市に伝えたい」と森谷さん。
      ◎
 市は8月上旬にも意向調査を行い、建設場所と戸数を具体的に決める計画だ。「調査である程度の戸数を把握しないと、建設が遅れる」と野田武則市長。「全員の希望をかなえるのは難しいが、限られた時間で、できる限り透明で公平な仕組みを作らなければ」。担当者は語った。
 ◎孤立化防止のために
 ◇平山洋介・神戸大教授
 被災地の住宅問題に詳しく、釜石市の検討会にオブザーバーとして参加している神戸大の平山洋介教授(住宅政策)に、復興住宅を巡る地域性の重要性を聞いた。
 「阪神大震災では地域性を全く考えず、被災者の中から高齢者や障害者をまず抽出し、その人たちで希望する住宅を抽選する形だった。その結果、両隣の住民が誰なのかを互いに知らない状況となり、孤独死などの問題が起きた」
 「神戸市の被災者は8割が借家人だったが、東日本大震災は逆に被災者の8割が持ち家。一口には言えないが、東北では元の土地への帰属意識が高く、地域一帯となって昔から生活しているから、元の土地に戻りたいという人が多い。東北の人からは、『先祖代々の土地だから』という声をよく耳にする」
 「住民の孤立化を防ぎ、今後のまちづくりを進めるためにも、地域性を維持することは重要だ」
 「仮設住宅ではボランティアやNPO関係者が巡回し、入居者と頻繁に顔を合わせることができるが、各部屋が鉄の扉で閉ざされた復興住宅では、お年寄りら災害弱者を見守り、サポートする仕組み作りが大切だ」
      ◇
 復興住宅の建設が6月、釜石市で始まった。県によると、沿岸11市町村で2015年度までに整備される計画だが、入居者の選び方や立地の選択、建設にあたっての規制など、様々なハードルが待ち受ける。自治体が直面する課題を報告する。
 
 〈災害公営住宅(復興住宅)〉
 自宅の再建が困難な被災者のため、自治体が建設して賃貸する住宅。自宅が全壊したり、修復できないほど半壊したりしたほか、集団移転事業などで移転の必要が生じた被災者が入居できる。一般の公営住宅と異なり、収入による入居制限はないが、収入に応じて賃料が変わる。同じ階に様々な間取りを用意して、1DKに独りで暮らす高齢者を3DKの家庭が見守れるようにしたり、払い下げができるよう戸建てを整備したりするなど、工夫を凝らした住宅建設が計画されている。


◇山形市と老人ホーム 「福祉避難所」で協定=山形
(2012.07.21 読売新聞東京朝刊 山形南)
 山形市は、災害時に「福祉避難所」として高齢者や障害者らを受け入れてもらうため、市内の特別養護老人ホームなど24施設と8月24日に協定を結ぶと発表した。市は今年3月に地域防災計画を見直し、民間施設を活用した福祉避難所の設置を盛り込んでおり、今回の協定は初のケースとなる。
 市特別養護老人ホーム施設長連絡会からの申し出で実現した。市防災対策課によると、福祉避難所の入所対象者は、重度障害者や介護が必要な高齢者ら約1万6000人いる。


◇九州北部豪雨 災害支援情報=熊本
(2012.07.21 読売新聞西部朝刊 二熊本)
 <国、県>
 ◎被災住宅への支援金支給 国、県が被災者生活再建支援法に基づき支給する。住宅が全壊したか、被災でやむを得ず解体した世帯などが対象。全壊世帯には100万円を支給する。問い合わせは各自治体へ。
 ◎県営住宅の提供 住宅が半壊以上となった被災者を対象に、熊本、合志両市と菊陽町で空いている部屋を提供する。家賃や駐車場代、敷金は無料。共益費、光熱費は入居者負担。入居期間は原則半年以内。(県住宅課=096・333・2550)
 ◎農林漁業者への相談窓口 県団体支援課は、豪雨災害で被害を受けた農林漁業者を対象とした融資制度の相談窓口(096・333・2371)を設置した。
 ◎中小企業への金融相談窓口 県商工振興金融課は被災した中小企業や、取引先が被災するなどで売り上げが減少した中小企業などの相談窓口(096・333・2325)を設けた。
 ◎被災地ボランティア募集 県災害ボランティアセンターは、豪雨で被災した住宅などを清掃するボランティアを募っている。問い合わせは同センター(096・324・5436)。関連情報はホームページ(http://www.fukushi‐kumamoto.or.jp/top/default_c3.asp)にも掲載している。
 ◎熊本広域大水害義援金の募集 県が8月31日まで、県庁本館1階受付や出先の振興局に義援金箱を設置している。振り込みでも受け付けており、口座は「肥後銀行 県庁支店 普通預金 1609410」か「熊本ファミリー銀行 県庁支店 普通預金 3005840」へ。(県福祉のまちづくり室=096・333・2201)
 <九州電力>
 ◎電気料金の特別措置 九州電力は、阿蘇市や熊本市など災害救助法が適用された市町村と、隣接する市町村で被災した世帯を対象に〈1〉電気料金支払期限の1か月延長〈2〉電気を全く使用しない場合にも必要な最低料金の免除??などの特別措置を実施している。罹災(りさい)証明書などを添えて申し込みが必要。(フリーダイヤル=0120・986・602)
 <熊本市>
 ◎市営住宅や市特定優良賃貸住宅の提供 住宅が全半壊した世帯が対象。期間は3か月で、駐車場使用料、光熱費などは入居者負担。(市住宅課=096・328・2461)
 ◎民間賃貸住宅の借り上げ提供 住宅が全壊、もしくは半壊して取り壊す世帯が対象。原則1年間、無償提供する。家賃は4人家族までが6万円、5人家族以上は9万円以下であることが条件。(市建築計画課=096・328・2438)
 ◎住み替えの相談窓口 27日まで、土日除く午前9時?午後5時。熊本市北区の龍田出張所で相談員が対応する。
 ◎福祉避難所を開設 避難所で生活する65歳以上の高齢者や妊産婦と、障害者、乳幼児を抱えた保護者らが対象。ビジネスホテルを中心に60室以上を確保しており、避難所が閉鎖されるまで利用できる。(市健康福祉政策課=096・328・2297)
 ◎生活必需品の支給 寝具や衣類、紙おむつ、調理器具、食器類など。(市健康福祉政策課=096・328・2297)
 ◎家屋の消毒 家屋内で消毒薬を噴霧する。消毒薬の配布も。(市保健所=096・364・3189)
 ◎罹災(りさい)証明の発行 窓口は各区役所福祉課と総合出張所。(市健康福祉政策課=096・328・2297)
 ◎豪雨災害特別融資 被害を受けた中小企業が対象。限度額は1500万円で、期間は7年間。利率は年2・20%以内。(熊本市産業政策課=096・328・2375)
 ◎災害ボランティア募集 (市社会福祉協議会=080・1531・9032、096・322・2331)
 ◎無料託児 21日?8月3日、白川の氾濫被害を受けた北区龍田地区の龍田児童館に無料託児所を設ける。復旧作業にあたる住民を支援する目的。午前9時半?午後4時半で、基本的に未就学児が対象。小学生の託児も相談に応じる。23日以降は3日前までの予約が必要。食事などは各自に用意してもらう。(龍田児童館=096・339・3323)
 <阿蘇市>
 ◎土砂運搬などの費用を負担 土砂やがれきを運搬する際の重機使用料や人件費、リース代を市が負担する。(市総務課=0967・22・3111)
 ◎災害ボランティア募集 (総合窓口=050・3481・7073)
 <南阿蘇村>
 ◎災害ボランティア募集 活動日は一部地域で発令中の避難指示の状況をみて調整する。(災害ボランティアセンター=0967・68・0750)


◇災害時支援協定:柴田町、町水道OB会と締結 /宮城
(2012.07.21 毎日新聞地方版/宮城) 
 柴田町と町水道(現上下水道課)OB職員で組織する「水和会」は、大規模災害で全町が断水した際、水道給水活動支援に関する協定を締結した。災害時、断水時の迅速な復旧には現職員19人だけでの対応が難しく、OB職員の豊富な技術や経験を生かす。東日本大震災時、同町では全世帯約1万4600が最大で16日間断水した。
 協定の内容は、水和会のOB職員48人が山田沢配水場と船迫中など3カ所で給水活動を行うことなど。
 町役場での調印式では、滝口茂町長と小室速男・水和会会長が協定書を交わした。滝口町長は「協定で災害に強い水道網を整備したい」、小室会長は「我々の技能を生かしたい」とあいさつした。
 また同町は、大規模災害時に高齢者や障害者ら災害弱者の避難場所確保を図るため、町内で福祉施設を運営する5事業所と「福祉避難所の設置運営等に関する協定」も結んだ。【豊田英夫】


◇復興住宅 地元の人最優先 釜石市 社会的弱者らにも配慮=岩手
(2012.07.14 読売新聞東京朝刊 岩手)
 釜石市は13日、被災者が入居する災害公営住宅(復興住宅)の入居者選定方法の検討会を開いた。建設地の住民を最優先した入居枠を確保し、続いて都市計画で移転が必要な住民、建設地以外の地域に住んでいた高齢者や障害者ら社会的弱者を優先する案を示した。
 検討会には仮設団地の自治会長や専門家らが出席。野田武則市長は「仮設住宅の入居基準が分かりにくいという反省を基に、検討会を作った。戸数は不透明だが、徐々に基準を組み立てていきたい」と述べた。
 市では段差をなくすなど全世帯をバリアフリー化し、3階以上の住宅にエレベーターを設置する考え。国の補助を受けた後の家賃(月額)は収入に応じ、1LDK6700円?5万7200円、2LDK8000円?6万8000円、戸建て住宅6800円?5万8300円が見込まれるという。
 市はポイント制の導入も検討しており、26日の次回検討会で具体案を示す。


◇第二なぎの木園:台風禍乗り越え再出発 あす開所式−−新宮 /和歌山
(2012.07.13 毎日新聞地方版/和歌山) 
 昨年の台風12号で被害を受けた新宮市の多機能型事業所「第二なぎの木園」が同市新宮に新築、移転し、14日に開所式が行われる。
 社会福祉法人「熊野緑会」が運営し、障害者自立支援法などに基づき▽就労移行支援事業▽自立訓練事業▽放課後等デイサービス――を実施している。同市木ノ川にあったが台風12号による土石流で建物2棟が壊滅的な被害を受け、冷蔵庫などの備品や車も流出した。被災から25日後、地元の承諾を得て旧木ノ川区区民会館で再開していた。
 その後、市有地822平方メートルを借り、鉄骨2階建ての建物(延べ348・18平方メートル)を、県社会福祉施設等災害復旧費補助金と自己資金で建設。今月9日に移転した。
 管理者・施設長の大前裕一さん(55)は「他施設からお見舞いを頂いたり、行政の力添えでスムーズに進み、喜んでいる。立派な建物ができ感無量」と話している。【藤原弘】


◇入居優先度ポイントで判別 家族構成など 復興住宅、釜石市が導入案=岩手
(2012.07.12 読売新聞東京朝刊 岩手)
 東日本大震災の被災者向けに整備される災害公営住宅(復興住宅)で、釜石市が入居希望世帯の年齢や家族構成などをポイント化し、優先度を決める案を検討していることが11日分かった。13日に入居者の選定基準を協議する検討会の初会合で素案を示す。県によると、復興住宅の入居者の選定基準を明確に定めている被災自治体は県内になく、モデルケースとして注目される。
 市によると、市内には1050戸の復興住宅が整備される。地域コミュニティーを維持するため、復興住宅が建設される地域の住民向けに一定数の入居枠を設ける。その上で、入居希望世帯のうち、高齢者や障害者、小さい子どもなどがいる世帯にそれぞれポイントを与え、合計ポイントの多い世帯から優先的に入居させる。
 ポイント制の導入で、高齢者らが仮設住宅から復興住宅に早く移ることができるよう配慮できるという。
 市は仮設住宅の入居に際しても、入居希望者が競合した際にポイント制を導入。この際、「同じ条件の人が入居できたのに、自分は入居できなかった」などの不満の声も相次いだため、市はより客観的な基準を設け、公平性を保つ考えだ。
 検討会には、仮設団地の自治会長や社会福祉協議会のメンバー、大学教授らが参加し、素案をたたき台にして協議する。
 国土交通省によると、ポイント制は、東京都などの一般公営住宅でも導入されている。不正を防ぐため、詳細を公開していない自治体が多いという。


◇災害時要援護者:「名簿」全国平均上回る 個別計画は下回る−−県内自治体、避難支援策 /三重
(2012.07.11 毎日新聞地方版/三重) 
 県は、障害者や高齢者など災害時に支援が必要な「要援護者」に対する避難支援対策について、県内自治体の計画策定状況(4月1日現在)をまとめた。
 要援護者対策の基本方針や対象範囲などを定める全体計画は全29市町が策定済みで、要援護者名簿の策定率も全国平均を上回ったが、具体的な支援策を定める個別計画の策定率は全国平均以下になっている。
 全体計画は昨年度調査で2市が未策定だったが、いなべ市が昨年6月、松阪市が同8月に策定。策定率は100%となり、全国平均(83・5%)を大きく上回った。
 要援護者の名簿作成も昨年度の11市町から22市町(75・9%)に倍増し、全国平均(64・1%)を上回った。全国的には3・3%の市区町村が未着手だが、県内では未作成の桑名、いなべ、鳥羽、志摩市と菰野、川越、紀宝町の7市町も整備中だという。
 しかし、個別計画まで策定済みなのは四日市、鈴鹿、亀山、伊賀市と朝日、多気、明和、大台町の8市町(27・6%)にとどまり、全国平均(28・8%)を下回った。残る21市町は策定途中で、未着手の市町はなかった。
 県防災企画・地域支援課は「個別計画がないと、災害時に有効に機能しない。東日本大震災や紀伊半島大水害を受け、要援護者支援に対する県民意識は高まっている。早急に策定を進めて訓練などを通じて検証し、問題点があれば見直し、災害に備えてほしい」と話している。【田中功一】


◇スコープ2012:福祉避難所、山積する課題 「命を守ること」そのもの 指定増えても機能しなければ無意味 /岡山
(2012.07.02 毎日新聞地方版/岡山) 
 東日本大震災の後、災害時に介護が必要な高齢者や障害者を受け入れる「福祉避難所」の重要性が高まっている。背景には、長引く避難生活で高齢者らが持病を悪化させた「震災関連死」の問題化がある。県は5月、災害弱者対策のため福祉避難所の指定を推進するよう市町村に通知したが、専門家は「指定が増えても機能しなければ意味がない。県は支援体制を整えるべきだ」と指摘する。【坂根真理】
 厚生労働省は08年に定めたガイドラインで、各市町村が老人福祉施設などを福祉避難所に指定するよう求めた。県によると、県内27市町村中、福祉施設などと協定を結んで福祉避難所に指定したのは7市2町の24カ所(4月1日現在)。内訳は、岡山市1▽井原市8▽総社市1▽高梁市5▽新見市1▽備前市1▽瀬戸内市4▽早島町1▽吉備中央町2で、全体の収容人数は約300人と少ない。
 岡山市は3月、老人ホーム「旭川敬老園」(北区祇園)と協定を結んだ。災害時に介護が必要な高齢者を最低20人は受け入れ、1階ホールにベッドを置いて職員がケアをする。同園は「介護のノウハウを生かしたい。今後は児童院でも受け入れていく」と前向きだ。
 一方、川崎医療福祉大の三徳和子教授は「施設側は職員が多様な障害の特徴や配慮点、対応方法などを学ぶ研修会を開いてほしい」と話す。人材の育成も欠かせないからだ。
 また「県は避難所が機能するためのマニュアルを策定し、支援体制を整えるべきだ」と訴える。県は5年後までに各市町村に最低1カ所の福祉避難所を指定するよう求めているが、具体的な運営マニュアルは策定していない。福祉避難所を地域にどうやってPRするのか、移送手段をどう確保するのかなど課題は多く、判断は自治体に委ねられている。
 三徳教授は「福祉避難所は命を守るというメッセージそのもの。県が中心となって運営方法を考えないと、市町村だけでは対応しきれない場合もある」と強調している。


◇避難所運営マニュアル 「障害者、女性らに配慮を」 有識者委員会=三重
(2012.07.01 毎日新聞中部朝刊 北勢)
 ◎県指針に改定案 
 災害時に避難所を運営する手順を示そうと県が作成した「避難所運営マニュアル策定指針」の改定について話し合う有識者委員会(委員長=阿部郁男・富士常葉大准教授)の初会合が30日、県庁で開かれ、障害者や高齢者、女性などへの配慮を指針に盛り込むことを決めた。年内に計3回の委員会を開き、県に改定案を提言する。(福島春菜)
 県は2004年3月に現行の指針を作成したが、女性などへの配慮については具体的な記述がほとんどない。東海・東南海・南海地震などの大規模災害に備え、より円滑な避難所運営を目指そうと指針を改定することにした。
 委員には福祉や医療、自主防災組織の関係者ら計14人が就任。障害者でつくるNPO法人「ピアサポートみえ」理事長の松田慎二さんは「障害の程度や特性によって支援の仕方が違ってくる。運営者は定期的に障害者や家族の声を聞く必要がある」と指摘した。
 また、男女共同参画社会の実現を目指す「イコールネット仙台」代表理事の宗片恵美子さんは「避難所の運営者は男性が多く、女性の視点が欠けてしまう。女性が運営に関わることをマニュアルに明記すべきだ」と述べた。
 委員会は今後、阪神大震災や東日本大震災で被災した自治体の関係者から意見を聞くなどして、改定案をまとめる。


*作成:
UP:20120720 REV:20121127,
災害と障害者・病者:東日本大震災 

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