◆Szasz,Thomas S [1970]1991 Ideology and Insanity: Essays on the Psychiatric Dehumanization of Man, Syracuse: Syracuse University Press, 265+xiiip. ISBN-10: 0815602561 ISBN-13: 978-0815602569 [amazon]/[kinokuniya] m
=1975,石井 毅・広田 伊蘇夫 訳 『狂気の思想――人間性を剥奪する精神医学』,新泉社,300p. ASIN: B000JA1LPO [amazon]
◆Valenstein, Elliot S 1998 Blaming the Brain: The Truth about Drugs & Mental Health, New York: The Free Press, 292+xip. ISBN-10: 0743237870 ISBN-13: 978-0743237871 [amazon]/[kinokuniya]=20080212 功刀 浩 監訳,中塚 公子 訳,『精神疾患は脳の病気か?――向精神薬の科学と虚構』,みすず書房,325+xivp. ISBN-10: 4622073617 ISBN-13: 978-4622073611 \4410 [amazon]/[kinokuniya] ※ m. d07d.
翻訳者あとがき 長野英子
「たとえば薬の問題があります。抗精神病薬はじめすべての向精神薬を否定するサバイバーであっても、「すぐに薬をゴミ箱に捨てること」をすすめているわけではありません。抗精神病薬や向精神薬をやめた際の症状は多様でありかつ苦痛に満ちており、生命の危険すら伴います。ドイツのサバイバーであるP・レーマンは「向精神薬の中断に伴う離脱症状」という文章の中で、医療的な体調監視の下で、慎重に少しずつ薬を減らすこと、そして鍼やマッサージ、ヨガなどの代替医療、環境調整や援助者の必要性を強調しています("Deprived of our humanity --the case against neuroleptic drugs" 「人間性の剥奪――反抗精神病薬の症例(邦訳なし)」より)。日本ではわたしの知る限り、薬からの離脱を助ける専門家もあるいは運動体、援助システムも存在していません。それゆえ薬の問題を実践的かつ建設的に議論し解決する前提が欠けているのが実態であると思います。この点は今後日本のサバイバーが欧米のサバイバー運動から学んでいかなければならない点でしょう。」