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薬害C型肝炎 2008

医療と社会
以下は、学術目的のために、新聞記事・ブログのエントリを引用・掲載しています。

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last update:20151212


■目次

生存学関係者の成果 ◇新聞記事・ブログの引用 ◇文献


■生存学関係者の成果

北村 健太郎 20140930  『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』,生活書院,304p.  ISBN-10: 4865000305 ISBN-13: 978-4-86500-030-6 3000+税  [amazon][kinokuniya][Space96][Junkudo][Honyaclub][honto][Rakuten][Yahoo!] ※

◆北村 健太郎 20081101 「救済する法=引き裂く法?」
 『現代思想』36-14(2008-11):238

◆北村 健太郎 20081010 「C型肝炎特別措置法に引き裂かれる人たち」
 山本 崇記・北村 健太郎 編 『不和に就て――医療裁判×性同一性障害/身体×社会』:69-70. 生存学研究センター報告3,199p. ISSN 1882-6539 ※

◆北村 健太郎 20080201 「C型肝炎特別措置法の功罪」
 『現代思想』36-2(2008-2):143-147
http://www.livingroom.ne.jp/kk/gs0802.htm

◆C型肝炎特別措置法 アーカイヴ
http://www.livingroom.ne.jp/h/080111.htm


■新聞記事・ブログの引用

薬害C型肝炎:田辺三菱が合意書案を全面受け入れ(毎日新聞)
 薬害C型肝炎訴訟の被告企業「田辺三菱製薬」(旧ミドリ十字、本社・大阪市)が、全国原告団が提示した和解の基本合意書案を全面的に受け入れる姿勢を示していることが分かった。13日、福岡市で開かれた原告団会議で弁護団が報告した。月内にも開かれる同社の取締役会で合意書案が了承されれば、同社側と原告団が出席する謝罪集会が8月下旬にも開かれ、合意書の正式締結となる見通し。
 13日の原告団会議の後、報道陣の取材に応じた山西美明・大阪訴訟弁護団事務局長によると、同社側から「基本合意書は100%原告案で取締役会にかけたい」と連絡があった。また、大阪高裁での和解期日は8月下旬から9月初めの見通しという。
 会議後、山口美智子・原告団代表は「再発防止や恒久対策も含めた心からの謝罪を原告全員にしてもらいたい」と語った。
 同訴訟は2月に国と最初の和解が成立。同社との和解交渉は難航したが、6月23日の直接交渉で原告団が提示した基本合意書案を受け入れる意向が示されていた。合意書案には「被害が生じ、被害を防止出来なかったことの責任を認め、被害者と遺族に深くおわびする」と明記され、再発防止を誓う内容になっている。【松本光央】

毎日新聞 2008年7月13日 19時32分(最終更新 7月14日 9時31分)
http://mainichi.jp/select/today/news/20080714k0000m040029000c.html



薬害C型肝炎:カルテない女性、遺伝子型証拠に国を提訴 救済対象の確認求め/新潟(毎日新聞)
 汚染された血液製剤で薬害C型肝炎に感染したとして、カルテがない県内の女性が4日、肝炎ウィルスの遺伝子型を主な証拠に、国を相手取り、被害者救済法による給付金の支給対象であることの確認を求める訴訟を新潟地裁に起こした。
 訴状などによると、女性は89年に県内の病院で出産した際、止血のため血液製剤フィブリノゲンを投与されて感染。現在、慢性肝炎を発症している。女性の肝炎ウィルスの遺伝子型が、米国から輸入された血液製剤による感染に多い「1a型」であることから、血液製剤の投与によって感染したと主張している。【岡田英】

毎日新聞 2008年7月5日 地方版
http://mainichi.jp/area/niigata/archive/news/2008/07/05/20080705ddlk15040097000c.html



肝炎治療助成:「家を売るしか…」 治療ためらう患者も(毎日新聞)
 「7年以内に治療待ち患者をゼロにする」。厚生労働省の肝炎医療費助成はそんな触れ込みで始まったが、現実には、経済的理由から治療をためらったり、治療したくても助成対象にならない患者は多い。与野党が救済策を競って出し合った国会も薬害肝炎訴訟の和解を境に議論が途絶え、患者は「肝炎問題が忘れられてしまう」と不安を強めている。【吉永磨美、清水健二】
 「治療するには家を売るしかない」。4年前にC型肝炎感染を知った宮崎市の60代の女性は、ため息をついた。
 夫は前立腺がんを患う15年前に自宅を新築した直後、夫が営む製造業代理店の経営が悪化し、多額の負債と住宅ローンを抱えた。夫婦の年金は借金返済に充てられ、生活の柱は、女性が包装の内職で得ている月約6万円の代金。
 医師はインターフェロン治療を勧めるが、半年に1度の検査費用7000円を出すのがやっとで、月1万円を自己負担で払うのは苦しい。副作用がきつくて仕事が続けられなくなれば、収入源が失われる。「治療に専念したくてもできない。死ぬまで今の状態で働ければ……」。
 ◇重い自己負担
 4月から治療を始めた薬害肝炎訴訟原告の小林邦丘(くにたか)さん(36)も、治療と仕事の両立に苦しむ。福岡市のごみ処理施設の非正規職員としての月収は約18万円。本来なら自己負担は月1万円だが、同居する父(67)の収入も合算されるため、月3万円になる。さらに治療中は週1回欠勤しなければならず、月収は2〜3万円減る。副作用で高熱が出る注射の翌日も休めない。
 多くの肝炎患者と接してきた小林さんは「今の制度では、一部の人しか治療に踏み切れない」と感じる。肝硬変や肝がんの重症患者は対象外。無症候の感染者(キャリアー)は、慢性肝炎まで悪化しないと助成を受けられないという矛盾も抱えている。
 国の肝炎対策の責務をうたった法律は、与野党が出した法案の一本化協議が決裂し、国会で審議すらされなかった。小林さんは「肝炎患者の大半は不適切な医療行為で感染させられた被害者。国は肝炎訴訟の和解で『医療提供体制を整備する』とした約束を守り、確かな恒久対策を作ってほしい」と訴える。

毎日新聞 2008年7月8日 15時00分(最終更新 7月8日 15時00分)
http://mainichi.jp/select/science/news/20080708k0000e040076000c.html
毎日新聞 2008年7月8日 東京夕刊
http://mainichi.jp/select/science/news/20080708dde041040006000c.html



肝炎治療助成:申請、想定の12%のみ 周知不足や自己負担響く(毎日新聞)
 今年度から始まったB、C型肝炎患者を対象としたインターフェロン治療の助成制度の申請が5月末で、想定していた年間10万人のうち、約12%にとどまっていることが、毎日新聞の調査で分かった。厚生労働省が既に治療中とみている5万人にもほど遠く、周知不足がうかがえる。患者団体は「自己負担が重く、治療開始をためらっている患者も多い」と指摘している。
 薬害C型肝炎訴訟の原告らの要望を受けて導入された治療費助成は、月7万円程度の自己負担額を所得に応じて1、3、5万円までとし、超過分を国と自治体が折半する仕組み。
 厚労省は年間約5万人だった治療中の肝炎患者が、助成によって10万人に倍増し、7年後には治療を要する患者がゼロになると見込んでいる。
 毎日新聞が各都道府県の実績を集計したところ、4〜5月の申請は1万2382人。前年度から治療を続けている人にも適用されるため、患者数の多い大阪府などでは「治療中の患者の申請が集中する」と予想していたが、出足は鈍かった。厚労省が05年の患者調査から試算した見込みと比べて申請率が低い青森、山形県などは、受け付け開始が4月1日に間に合わなかった。
 今後は「周知が進めば増える」(岐阜県など)との見方がある一方、鳥取県の担当者は「新たに治療を始める人の申請だけになり、右肩下がりになる可能性もある」と話す。
 厚労省肝炎対策推進室は「7年で患者ゼロというのは、あくまで机上の計算。年末の来年度予算案編成までに実績を調べ、申請を増やすための周知方法などを考えたい」と話す。
 これに対し、日本肝臓病患者団体協議会の高畠譲二事務局長は「本人に収入がなくても世帯の課税額で自己負担額が決まるため、『払えない』という患者が少なくない。助成期間の1年間では治療が終わらない場合もあり、患者の実態に沿った制度に変えてほしい」と話している。【清水健二、吉永磨美】

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 ■インターフェロン治療費助成の申請状況■
都道府県 申請数(人) 年間申請見込み(人) 申請率(%)
北海道    246       3911    6.3
青森      15        782    1.9
岩手      97        782   12.4
宮城     257       1726   14.9
秋田     181        782   23.1
山形      23       1196    1.9
福島     198       1817   10.9
茨城     275       2185   12.6
栃木      83       1358    6.1
群馬     157       1151   13.6
埼玉     659       4209   15.7
千葉     589       2922   20.2
東京     520       5981    8.7
神奈川    748       5108   14.6
新潟     230        989   23.3
富山     123        575   21.4
石川     193        782   24.7
福井     132        989   13.3
山梨     120        782   15.3
長野     106       1610    6.6
岐阜     184       2024    9.1
静岡     408       2392   17.1
愛知     578       4255   13.6
三重     257        989   26.0
滋賀     105        621   16.9
京都     220       1887   11.7
大阪    1160      10377   11.2
兵庫     280       5728    4.9
奈良     186       1196   15.6
和歌山    244       1403   17.4
鳥取      85        575   14.8
島根     137        782   17.5
岡山     243       2392   10.2
広島     577       5522   10.4
山口     250       1403   17.8
徳島     147        989   14.9
香川     141        782   18.0
愛媛     185       1610   11.5
高知     115        782   14.7
福岡     930       5658   16.4
佐賀     200       1449   13.8
長崎      99       1196    8.3
熊本     165       2024    8.2
大分     207       1403   14.8
宮崎     144        989   14.6
鹿児島    110       1726    6.4
沖縄      73        207   35.3
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
計    12382     100000   12.4

 ※5月末現在。見込みは患者調査に基づく厚労省試算で小数点以下を切り捨てた数字。自治体独自の助成制度もある北海道、東京都、長野県は、国と自治体の助成を合わせた申請数

毎日新聞 2008年7月8日 東京夕刊
http://mainichi.jp/select/science/news/20080708dde001040053000c.html
毎日新聞 2008年7月8日 15時00分(最終更新 7月8日 15時00分)
http://mainichi.jp/select/science/news/20080708k0000e040075000c.html



薬害C型肝炎:肝がんの田中さん、立証困難 “カルテの壁”救済遠く/奈良(毎日新聞)
 ◇「対応の差、大きすぎる」
 薬害C型肝炎の被害者救済法が成立した一方で、カルテがないために救済の可能性が低い患者がいる。92年に受けた手術後にC型肝炎を発症し、肝がん患者となった田中博さん(74)=奈良市月ケ瀬石打=は「同じ病気で苦しんでいるのに、対応の差が大きすぎる」と訴えている。【高瀬浩平】
 田中さんは92年4月と7月、京都府内の病院で、鎖骨を除去する手術を受けた。92年秋の健康診断で、C型肝炎を発症したことが分かった。05年3月に肝硬変となり、昨年11月に肝がんが見つかった。主治医から「余命5年」と宣告された。
 「なぜC型肝炎になったのか知りたい」。田中さんは昨年5月ごろから、16年前に入院や通院した3病院にカルテや手術記録を探すよう頼んだ。いずれの病院も「カルテはありません」。医師法によるカルテの保存期間は5年間で、時間の壁が立ちはだかっていた。 田中さんは、血液製剤「フィブリノゲン」が納入された医療機関を県や市に問い合わせ、少しでも手掛かりになる情報を集め続けた。
 16年前の執刀医が勤務する病院が分かり、かすかな望みを抱いて「手術で血液製剤を使ったかどうか知りたい。証明してほしい」と頼み込んだ。医師本人は電話に出ず、受付の女性が「昔のことなので分からない」と答えただけ。田中さんは「つれない返事ばかり。これ以上調べようがない。せめて証言してほしかった」と肩を落とした。
 救済法が成立し、被害者に1200万〜4000万円が支給されることになった。被害者が国家賠償請求訴訟を起こし、裁判所が製剤投与の事実と因果関係を確認すれば、支給への道が開ける。
 薬害肝炎訴訟大阪弁護団の山西美明事務局長は「カルテなどの記録がない場合、個別の救済は非常に厳しい」と話す。救済法の対象とならない患者については、裁判よりも、肝硬変や肝がん患者の生活支援や治療体制の充実を求めて厚生労働省と協議する考えだ。
 田中さんは今月15日、薬害肝炎奈良弁護団の説明会に参加した。生命保険会社にカルテが保存されていないか照会するようアドバイスを受けた。田中さんは「最後の望み」にかけている。

毎日新聞 2008年3月25日 地方版
http://mainichi.jp/area/nara/news/20080325ddlk29040159000c.html



薬害C型肝炎:患者ら切実な声 救済法に質問相次ぐ−−長崎で説明会/長崎(毎日新聞)
 汚染された血液製剤を投与されてC型肝炎ウイルスに感染した「薬害C型肝炎」に関する説明会が20日、長崎市の県勤労福祉会館であった。被害者らに給付金を支給する「薬害肝炎救済法」が今年1月に施行され、同法や訴訟手続きに関する相談が多数寄せられていることから、県が主催。肝炎に感染した患者や家族ら約300人が参加した。
 説明会では薬害肝炎訴訟九州弁護団の古賀克重事務局長が救済法の概要について説明。参加者からは「母子手帳では血液製剤の投与を証明できるか」「血液製剤の投与と輸血を同時に行っているがどちらからの感染か」などといった切実な質問が相次いだ。
 同訴訟の九州原告の一人で長崎市出身の福田衣里子さん(27)も会場を訪れ、「どんな感染経路であろうと肝炎の苦しみは同じ。患者が安心して治療を受けられる体制を獲得できるよう頑張りたい」とあいさつした。
 説明会のほか、個別相談や専門医による肝炎の治療法の紹介もあった。7〜8年前にC型肝炎と診断されたという市内の男性(65)は「手術が40年以上も前なのでカルテがない。何かいい方法がないかと思って参加した」と話した。
 県は各保健所など12カ所に相談窓口を設置しているほか、薬害肝炎九州弁護団事務局(092・735・1193)でも相談を受け付けている。【阿部弘賢】
〔長崎版〕

毎日新聞 2008年3月21日
http://mainichi.jp/area/nagasaki/news/20080321ddlk42040281000c.html



薬害C型肝炎:「つらい思いしてきた」 個別相談会に300人−−岡山弁護団/岡山(毎日新聞)
 県内の弁護士有志らでつくる薬害C型肝炎の岡山弁護団が20日、岡山弁護士会館(岡山市南方1)で無料個別相談会を開いた。
 相談に訪れたのは約300人。最初に血液製剤の投与を受けた時期や病院、確認できるカルテや母子手帳の有無などを書面に記入し、順番を待った。同会館に集まった弁護士26人は2人1組になって、ひっきりなしに相談に応じていた。岡山市の女性(79)は「医師以外に相談するのは初めて。約50年間、精神的にも肉体的にもつらい思いをしてきた」と苦しみを吐露していた。
 薬害C型肝炎訴訟を巡っては被害者の救済特別措置法が成立。国と原告団の和解合意を受けて、県内でもC型肝炎に関する相談が寄せられたため、弁護士有志らは先月、患者向けの集団説明会を岡山で初開催した。予想を上回る約700人が出席し、具体的な救済策などを聞く個別相談会の開催が切望されていた。【横山三加子】

毎日新聞 2008年3月21日
http://mainichi.jp/area/okayama/news/20080321ddlk33040323000c.html



C型肝炎症例記録、旧ミドリ十字がさらに78人分保管(読売新聞)
 血液製剤「フィブリノゲン」の投与でC型肝炎に感染した疑いの強い418人の症例リストが放置されていた問題で、旧ミドリ十字(現田辺三菱製薬)がリストにない78人分の感染症例記録を保管していたことが、11日わかった。
 同社は2002年に、厚生労働省の指示でリストなど投与患者に関する資料を提出。78人分はその後、新たに医療機関から報告のあった症例で厚労省にも順次報告していたが、418人の症例リストが5年間放置されていたことが問題化した後も存在を明らかにしていなかった。
 同社によると、418人の症例リストは02年5月までの集計。一方の78人の症例は同年6月以降、医療機関から同社に寄せられた情報をまとめたもので、1990年代前半までにフィブリノゲンを投与された症例を、医療機関が過去のカルテを調べるなどして報告したとみられる。
 418人についてはリスト放置が問題化した昨年10月以降、医療機関を通じて該当者に投与事実を告知し、告知状況を週1度、公表しているが、78人分は昨年12月から同様に告知作業を始めたものの、公表していなかった。同じく第9因子製剤でC型肝炎に感染した疑いの強い29人分の症例記録も保管されていた。
 同社は「78人についても同様に告知作業を進めている」と説明している。

2008年3月11日14時37分
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080311-OYT1T00399.htm



薬害肝炎・名古屋訴訟、原告8人と国の和解成立(読売新聞)
 薬害C型肝炎の名古屋訴訟で、原告8人と国との和解が10日、名古屋高裁(西島幸夫裁判長)で成立した。
 和解したのは愛知、岐阜、静岡3県の20〜70歳代の男女。1982年3月〜87年10月に出産や手術時の止血剤として、血液製剤を投与された。今年1月に施行された被害者救済法に基づき、国は原告の症状に応じて計1億7200万円(弁護士費用を除く)の給付金を原告側に支払う。
 昨年7月の1審・名古屋地裁判決は、8人全員について国の責任を認め、総額1億3200万円の賠償を命じた。

2008年3月10日20時34分
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080310-OYT1T00445.htm



フィブリン糊で肝炎新たに64人、国が8896人調査着手(読売新聞)
 薬害C型肝炎問題で、北陸地方の民間病院が縫合用接着剤「フィブリン糊(のり)」を628人に使っており、このうち64人の感染が8日わかった。
 都内の民間病院でも輸血併用を含め「糊」を使った57人の感染が今年1月に判明している。血液製剤フィブリノゲンに他の薬品を混ぜて使う「糊」は推計7万9000人に使用されたが、被害調査は大幅に遅れ、厚生労働省も感染者は50人弱しか把握していなかった。今月に入り厚労省は研究班を作り、記録が残る「糊」を含めたフィブリノゲン使用者8896人の本格的な被害実態調査に乗り出した。
 新たに感染がわかった北陸の病院では、1977年から89年にかけて心臓手術をした約1200人のカルテを調査した。628人が血管接合などに「糊」を使っていたことが判明。検査結果がわかった227人のうち64人が感染していた。
 227人の多くが輸血も併用しているため、全員が「糊」による感染と断定はできないが、病院幹部は「一般的な輸血より感染率が高く、『糊』が関与した可能性が高い」としている。全体の3分の1にあたる21人が87年の手術で使われていた。この年は青森県内の医院で集団感染が確認されるなど、フィブリノゲンによる肝炎の集団発生が問題になった時期だった。
 主に出産時の止血剤として静脈注射で使うフィブリノゲンは薬事法で承認されていたが、「糊」としての使用法は、当時、承認されていないにもかかわらず、発売元の旧ミドリ十字は小冊子を作るなどし、広く使用法を紹介。さらに同社は89年の時点で「糊」による感染者が19人いることを把握しながら、厚生省(当時)に「糊による感染者はゼロ」と虚偽報告。医療機関の実態調査も遅れていた。厚労省では調査の遅れを重視。肝炎の専門家らによる研究班を作り、「糊」を含めたフィブリノゲンによる被害実態を調べる作業を始めた。
 対象は、昨年11月から厚労省が再調査して判明した、製剤を使った個人を特定できる記録が残っていた644医療機関、患者数8896人(2月1日現在)。
 これらの医療機関に直接調査用紙を送り、〈1〉使用したのは「糊」か、静脈注射か〈2〉感染の有無〈3〉本人へ使用した事実を伝えたか、などを調べる。これまでの調査は、医療機関に「投与者に告知し、検査するように」と指導するにとどまっていた。今回は、投与に関する情報を研究班が集約し、結果をチェック。患者への告知・検査を徹底させ、早期発見・治療につなげる。厚労省は人件費などとして1施設10万円、投与患者1人あたり3000円の調査費を医療機関に支給する。
 この問題では今年1月に都内の民間病院でも「糊」の使用者57人の感染が判明。舛添厚労相は「薬害に変わりはない。調査をしていきたい」と述べていた。

2008年3月8日14時33分
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080308-OYT1T00367.htm



薬害肝炎・仙台訴訟、原告5人と国の和解が成立(読売新聞)
 薬害C型肝炎の仙台訴訟で、原告5人(うち1人死亡)と国との和解が7日、仙台高裁(大橋弘裁判長)で成立した。
 大阪、福岡、東京に続き高裁では4件目。
 名古屋高裁の8人も10日に和解する見通し。
 7日に和解したのは、国の責任を認めなかった仙台地裁判決を不服として仙台高裁に控訴していた6人のうち慢性肝炎の患者4人と無症状の感染者1人。
 1月に成立した被害者救済法に基づく合意で、症状に応じて給付金計8200万円などが支払われる。残る1人は、過去に慢性肝炎にかかっていた感染者で、給付額の協議を続けている。
 記者会見した原告の仙台市宮城野区、小松チヨコさん(70)はC型肝炎ウイルスに感染し、76歳で亡くなった夫忠雄さんの遺影を前に「本人が生きていないのが心残り」としながらも、「心の中で何回も万歳した。長い苦しみからようやく解き放たれた気持ち」と笑顔を見せた。
 大阪、福岡2地裁と福岡簡裁でも和解・調停が成立しており、名古屋地裁では原告23人のうち一部が11日に、仙台地裁の8人も順次和解する見通し。

2008年3月7日19時28分
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080307-OYT1T00402.htm



フィブリノゲン投与記録、9176人に増える…厚労省が確認(読売新聞)
 薬害C型肝炎問題で、厚生労働省は29日、感染の原因となった血液製剤「フィブリノゲン」の投与を示す記録について、今月15日時点で9176人分の保管が確認されたと発表した。
 厚労省が昨年11月に実施した医療機関に対する調査の中間まとめで、前回公表の今月1日時点から280人増えた。回答率は約94%で、最終的には1万人程度になる見通しだ。
 まとめによると、カルテや処方せんなど何らかの記録が保存されており、患者個人を特定できる投与記録がある医療機関は697か所(前回比53か所増)で9176人分。この40%に当たる3683人(同51人増)には各医療機関が事実関係を告知している。19%を占める1749人(同38人増)はすでに死亡していた。

2008年2月29日15時33分
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080229-OYT1T00498.htm



薬害肝炎「東京訴訟」が和解、国側が21人に計5億円支払い(読売新聞)
 血液製剤「フィブリノゲン」などを投与され、C型肝炎に感染した患者らが国と製薬会社に損害賠償を求めた「薬害C型肝炎集団訴訟」で、東京訴訟の原告21人と国が29日、東京高裁(小林克已裁判長)で和解した。
 今年1月に施行された被害者救済法に基づき、国は症状に応じて計5億2360万円(弁護士費用を含む)を原告側に支払う。
 21人の内訳は、肝がんによる死亡者と肝硬変患者が各2人、慢性肝炎が14人、無症状の感染者が3人。この日の和解で、国との和解・調停が成立した原告は全国で108人となった。
 和解後、記者会見した原告の山本信子さん(41)は「つらい時期もあったが、今日、和解できて本当にうれしい。同じ肝炎患者でもカルテがなく救済されない人もたくさんいる。今後はそういう人たちの力になりたい」と話した。

2008年2月29日13時47分
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080229-OYT1T00386.htm



薬害肝炎、66人が追加提訴…東京の6人はフィブリン糊(読売新聞)
 血液製剤「フィブリノゲン」などを投与され、C型肝炎に感染した患者らが国と製薬会社に損害賠償を求めた「薬害C型肝炎集団訴訟」で、新たに66人の患者らが28日、東京、仙台、名古屋など5地裁に追加提訴した。
 このうち東京地裁に提訴した6人は、フィブリノゲンに複数の薬品を調合して作られる縫合用接着剤「フィブリン糊(のり)」を投与された患者で、同訴訟で国との和解成立後、初めての提訴となった。
 手術時の「糊」の使用で感染した患者については、近く25人が東京地裁に集団提訴する見通し。薬害肝炎東京弁護団は「糊による被害の実態は明らかになっていない。被害者は全国に多数いるため、今後も提訴者は増えていく」としている。
 今回の追加提訴により、提訴者数は計304人となった。

2008年2月28日23時08分
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080228-OYT1T00611.htm



【社会】厚労相「同じ問題繰り返し」 血液製剤の投与資料放置(中日新聞)
 厚生労働省が血液製剤フィブリノゲンを投与された3859人分の症例資料を製薬会社が保管していることを知りながら、患者に告知せずに放置していた問題で、舛添要一厚労相は27日、記者団に対し「(昨年10月に発覚した)418人のリスト放置問題と同じ繰り返しだ。統計データを取るような感覚でしかなかった」と述べ、当時の対応に問題があったとの認識を示した。
 問題の資料は、フィブリノゲンを製造販売した旧ミドリ十字が1987−92年にかけて、投与患者の経過を半年にわたり追跡調査した結果を基に作成。肝炎発症の有無や患者のイニシャルや病院名、投与日時などが記されていた。同社を引き継いだ三菱ウェルファーマは2001年、急性症状の有無について発症者159人、未発症者3700人と患者数のみを厚労省に報告。同省は患者への告知などを同社側に指示していなかった。
 同省医薬食品局の中沢一隆総務課長は同日、民主党の会合で「資料そのものは厚労省に届いておらず、放置したとの認識はない」と強調した。

2008年2月27日 夕刊
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008022702090988.html



【社会】血液製剤投与 厚労省が3700人の資料放置(中日新聞)
 薬害C型肝炎問題で、厚生労働省が血液製剤フィブリノゲンを投与され急性症状がなかった患者約3700人分の資料を製薬会社が保管していることを2001年に知りながら、患者に知らせずに放置していたことが分かった。
 この中には今月中旬になって投与事実を知らされた熊本県内の女性2人も含まれていた。2人は1987年の投与後、慢性肝炎となり、薬害肝炎九州訴訟の原告に加わっていた。
 薬害肝炎患者418人のリスト放置に続き、国の対応のずさんさがあらためて浮き彫りとなった形。同訴訟全国弁護団の鈴木利広代表は「1990年以降はウイルス検査技術が確立されており、国は検査を呼び掛けるべきだった」と批判している。
 フィブリノゲンを製造販売した旧ミドリ十字が加熱製剤の販売に合わせ、厚生省(当時)の指示で1987−92年に投与患者の経過を半年間にわたり追跡調査。同社を引き継いだ三菱ウェルファーマが01年、投与患者計3859人のうち159人が発症し、未発症者は3700人に上るとの調査結果を同省に報告していた。
【血液製剤の投与告知】C型肝炎の感染原因となった血液製剤フィブリノゲンの投与をめぐり、厚生労働省が2002年、製造販売元の三菱ウェルファーマから投与後に発症した418人の患者一覧を提出されたが患者本人に告知していなかったことが問題化。同社の調べで、今年2月22日現在、301人の身元が特定され、このうち61人が死亡したことが明らかになった。告知の遅れで症状が悪化した可能性があり、厚労省が死亡経緯を含め418人の追跡調査を進めている。

2008年2月27日 朝刊
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008022702090759.html



薬害肝炎訴訟で舛添氏に発言訂正求める( nikkansports.com )
 薬害肝炎訴訟全国弁護団(鈴木利広代表)は22日、弁護団が和解対象者を1000人程度と試算したなどとする舛添要一厚生労働相の発言について、事実と異なるとして、文書で訂正を求めた。
 舛添厚労相は今月15日の閣議後会見で、血液製剤フィブリノゲン納入先の医療機関に対する調査の結果、約8900人の投与が確認できたと説明。和解対象者が当初見込みの約1000人より増える可能性に触れ、「弁護団も悪意にうそをついたということではないと思う。カルテが残っている人を一生懸命調べたけれども、せいぜい1000人だと(いうことだった)」と述べた。
 これについて弁護団は「1000人という数字は、厚労省が発表した製薬会社の推計などを基にしたもので、舛添厚労相の発言は、弁護団が独自に調査したと誤解しているように読み取ることができる」としている。

2008年2月22日20時47分
http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20080222-325610.html



フィブリノゲン投与記録「ある」、前回調査の3倍以上に(読売新聞)
 薬害C型肝炎問題で、血液製剤フィブリノゲンについて投与記録の有無を問う厚生労働省の調査に、「ある」と答えた医療機関が急増したことがわかった。
 前回2004年調査の3倍以上となる約1600か所。このうち約1100か所は前回「ない」としており、この変化が数字を押し上げた。投与の記録は感染被害を裏付ける重要な証拠となる。感染・患者側が照会しやすくなったことで、投与を証明できる薬害被害者が推計より増える可能性も出てきた。
 フィブリノゲンは出産や手術時の止血剤などとして投与され、薬害C型肝炎の原因となった。製造販売元の旧ミドリ十字(現田辺三菱製薬)の推計では、約28万人に投与され、このうち約1万人が感染したとされる。しかし、感染に気付いていない人も多いとみられるため、同省が04年12月、納入先医療機関名とカルテなど記録の有無を調査した上で公表した。
 フィブリノゲンの納入先として特定された医療機関は約6700か所。前回調査では、カルテなどの記録が残っているとした医療機関数は、約7%の約470か所にとどまった。
 ところが、同省が昨年11月以降、調査をやり直したところ、「ない」との前回答を改め、何らかの記録(1994年以前)が保存されているとした医療機関が約1100か所に上った。前回「ある」としたところも含めると、記録が残る医療機関は全体の20%を超えた。
 今回の調査では、カルテや手術記録、分娩(ぶんべん)記録、処方せんなどの有無について前回よりも具体的に質問した。厚労省では「書類名を具体的に示して聞くなど質問の仕方を変えたため、結果が変わってきたのではないか」としている。集団訴訟の弁護団などはかつて、記録なしとしていた医療機関に問い合わせ、実際に記録を見つけ出しており、「調査がずさん」と指摘していた。
 薬害C型肝炎を巡っては、集団訴訟の解決策として先月、被害者救済法が施行された。同法に基づき、被害を受けた患者・感染者は給付金を受けられるが、血液製剤の投与を証明できることが条件。原告側では、前回調査の7%という数字を基に、投与を証明できるのは「最大で1000人ほど」と推計しており、政府側にとっても金銭負担を考える一つの目安になっている。
 再調査で投与記録が出てきた人のうち、どの程度がC型肝炎に感染しているかは不明だが、投与を証明できるケースが推計を超えることも予想される。
 再調査で「記録がある」と回答を変えた東京大医学部付属病院は「大きな社会問題となったのを機に各診療科をよく調べたところ、かなり古い記録の一部が見つかった」。
 東京都立豊島病院は「前回調査は、あるかないかといったおおざっぱな表現だった。一部記録があっても全部ではない場合、誤解を招かないよう『ない』と回答したのだろう」と説明している。

2008年2月15日03時02分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080214-OYT1T00766.htm?from=main1



C型肝炎陽性4割 南空知・人口2000人の地区 注射器の消毒不十分?(北海道新聞)
 空知管内南部の自治体の人口約二千人の地区で、C型肝炎ウイルスの陽性率が四割と推定されることが、札幌緑愛病院(札幌市清田区)の研究グループの調査でわかった。消毒が不十分な注射器の使用が原因とみられ、不明な部分が多いC型肝炎の感染ルート解明の手がかりとなりそうだ。十六日に札幌市で開かれる日本超音波医学会道地方会で発表する。
 研究グループは、同地区に肝がん患者が多い点に注目。二〇〇六年十一月から〇七年十月にかけて、輸血歴のない二十−八十代の百七十九人を対象に調査した。血液検査でウイルスの抗体を調べたほか、かかりつけの医院や感染源を聞いた。
 その結果、陽性は38・5%。この中には感染者のほか、過去に感染し、治癒した人も含まれる。研究グループによると、地区の年齢構成や男女比などを考慮した疫学調査のため、実際とほぼ同じ傾向がみられるという。
 厚生労働省が一九九五−二〇〇〇年に初めて献血した全国三百四十八万人を対象にした調査では、陽性率は0・5%だった。
 同地区には戦前、戦後通じ三つの医院があったが、A医院(一九三六年から八一年まで開業)で受診歴のある人の陽性率は70・4%と飛び抜けて高かった。また、A医院で疲労回復や神経痛に効果がある成分を含む「ホット注射」を受けていた人の86%が陽性だった。
 聞き取り調査では「A医院はお湯ですすいだだけの注射器を使っていた」「A医院は往診の時、ほとんど消毒せずに注射していた」などの証言が寄せられた。
 A医院が開業時、医学界では注射器は使用するたびに、一〇〇度の湯で十五分間、煮沸消毒することが奨励されていた。同グループは「調査対象者は輸血による感染は考えられない。A医院の煮沸が不十分で、注射器に残ったウイルスが死滅せずに他人にうつったのでは」とみている。
 C型肝炎の原因の四割は輸血や血液製剤とされるが、B型を含め、予防接種の際の注射の回し打ちも指摘されている。札幌緑愛病院の美馬聡昭副院長は「注射で感染した人が献血し、その血が輸血に使われ、被害が拡大した可能性がある。他地域にも同様の例があるはずだ。医師のモラルとともに、不衛生な実態を放置した医療行政も責任が問われるのではないか」と話している。

02/14 06:43 北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/society/75995.html



薬害肝炎でカルテの提供要請(新潟日報)
 薬害肝炎問題で、県弁護士会は13日、県医師会と県病院協会に、C型肝炎患者が薬害肝炎救済法の適用を受けるのに必要なカルテなどを提供するよう要請した。
 同法で給付金の支払いを受けるには、国を相手取った訴訟を起こし、血液製剤の投与を記録したカルテなどの資料提出が不可欠。しかし、カルテの保存期間が過ぎていたり、医師がいなくなったりするケースが多い。
 県弁護士会にはこうした相談が多く寄せられており、医療機関に要望書を提出し協力を求めた。
 内容は(1)カルテ以外でも投薬指示書や手術記録、看護記録、紹介状などあれば幅広く提供してほしい(2)資料がない場合でも、当時の担当医師が血液製剤を使用した記憶がある場合の証言をしてほしい―など。
 同日、新潟市の県医師会館を訪れた藤田善六・県弁護士会長は、佐々木繁・県医師会長に「カルテの保存期間が過ぎていても薬剤のデータが倉庫に残っている場合がある。個別具体的な調査をしてほしい」と訴えた。
 佐々木会長は「全面的に協力したい」と述べ、県内の1465医療機関に要請を告知することを伝えた。

 佐々木繁県医師会長(右)にカルテ提出の協力を要請する藤田善六県弁護士会長=13日、新潟市中央区医学町通2の県医師会館

新潟日報2008年2月13日
http://www.niigata-nippo.co.jp/pref/index.asp?cateNo=1&newsNo=108167



薬害肝炎 救済法説明会に500人 岡山 認定条件など質疑交わす(読売新聞)
 薬害C型肝炎被害者救済法の説明会が10日、岡山市で開かれた。県弁護士会有志が開催。約500人が詰めかけ、薬害C型肝炎訴訟大阪弁護団の山西美明事務局長と原告の女性が、被害者としての認定の条件などを説明した。
 救済法では、裁判所が血液製剤「フィブリノゲン」などの投与を認定した被害者に、症状に応じ1200万〜4000万円を給付する。事務局によると、証拠となるカルテなどが残る患者は、各地の原告団を除き、全国で約800人程度に限られるという。
 山西事務局長は「病院でカルテを保存しているケースはまれ。救済法の対象になるのは相談者の100人に1人いるかいないか」との状況を説明した。
 この問題について、参加者から「カルテがない場合、証明できないのか」との質問が出され、山西事務局長が「母子手帳や医師の記憶も証拠になる」などと答えた。
 全国にはウイルス性肝炎患者が約350万人いるとされ、山西事務局長は「今後も治療体制、休業制度の整備を国に求めていく」。原告女性も「皆さんの声が国を動かす力になる」と呼びかけた。
 大阪弁護団への相談は、電話(06・6315・9988)、ファクス(06・6315・9996)で平日正午〜午後3時に受け付けている。

2008年2月11日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/okayama/news/20080210-OYT8T00548.htm



製薬企業も速やかに謝罪せよ(公明新聞)

◇ようやく一区切り
 「本当によく戦ったと思う」「青春を取り戻し、普通の女の子として恋をしたり、旅行をしたり、仕事をしたい」――。閉廷後の記者会見で万感の思いを吐露する原告らの姿に、思わず涙した人も多くいたことだろう。
 汚染された血液製剤の投与でC型肝炎に感染したとして、患者らが国と製薬会社に損害賠償を求めていた薬害肝炎集団訴訟で、原告と国の初の和解が4日、大阪、福岡両高裁で成立した。各地で係争中の訴訟も順次、和解手続きに入る見通しで、全国5高裁・5地裁で争われてきた一連の訴訟は、2002年の初提訴から5年余を経てようやく一区切りをつける。
 粘り強く懸命の活動を続けてきた原告一人一人の長年の労苦に、「お疲れさまでした」と心からねぎらいと喜びの言葉を送りたい。
 今回の和解は、C型肝炎感染被害者らに給付金を支給することなどを柱とする特別措置法が1月に成立したことを受けたもので、原告側と国は和解の枠組みをまとめた基本合意書を交わし、訴訟を終結させることを確認していた。これを機に、国は恒久的な薬害防止策の確立に全力を注いでほしい。
 和解を受けて、患者・相続人らへの具体的な救済が始まるが、本格救済にはなお多くの課題が残っていることを見逃すわけにはいかない。
 最大の問題は、国とともに被告になっている製薬会社の対応がいまだに不透明で、原告と製薬会社との間の和解に道筋が見えていないことだ。
 製薬会社は、責任の取り方や謝罪のありようだけでなく、国とともに拠出する原告への給付金についても、国が要求する額に難色を示しているとされる。この日の大阪高裁での口頭弁論でも、血液製剤を製造した旧ミドリ十字を引き継いだ被告の田辺三菱製薬は、「(和解については)努力したい」と答えただけで、明確な態度を示さなかった。1月31日までの回答を求めて、原告側が同社など被告3社に提出してある1月7日付の要求書に対しても、3社ともいまだに回答していない。
 薬害の一義的責任を負う立場にある者として、被告3社は国との負担金の割合について早急に結論を出すとともに、加害責任を認める明確な謝罪と、説得性ある自発的な再発防止策を速やかに示すべきである。

◇名実ともの一律救済へ
 特別措置法の枠組みから外れた被害者に、どのように救済の道を開くかという問題も残っている。
 同法の対象となるのは原告団を含む1000人程度で、約1万人と推定される全被害者の1割程度にすぎない。既にカルテが廃棄され、投与の事実や因果関係の有無を確認できない人々が大半を占めているためだ。
 全国で350万人ともいわれるB型、C型を合わせた全感染者の救済をも視野に入れた、名実ともの「全員一律救済」を今こそ真剣に考えなければならない。
 とりわけ、患者にとって切実な問題である医療費の負担軽減については、一層の支援が欠かせない。高額医療費の還付制度を柔軟に運用するなどの工夫がもっとあっていいのではないか。
 新年度予算案に盛り込まれているB型、C型肝炎患者に対するインターフェロン治療費の助成制度を機縁に、より幅広く患者を支える総合的な救済策が一刻も早く確立されることを期待したい。

公明新聞:2008年2月7日
http://www.komei.or.jp/news/2008/0207/10727.html



本人も当惑!? 薬害肝炎患者がヒロイン扱いに!(日刊サイゾー)
 1月11日の「薬害肝炎被害者救済特別措置法」の成立を受けて、2月4日、薬害C型肝炎集団訴訟で初めて原告と国の間で和解が成立した。これにより、弁護士費用を除く総額5億7600万円の給付金が原告ら29人に対して支払われることになる。
 まだ製薬会社との和解には至っていないが、これまで懸命に闘ってきたC型肝炎患者たちは、その努力がようやく報われてほっと一息というところだろう。
 ところで、薬害肝炎に関する一連の報道を通して一躍有名になったある女性患者のことをご存知だろうか。
 その女性の名は、福田衣里子さん(27)。自ら実名を公表して『報道ステーション』(テレビ朝日系)に出演したり、「DAYS JAPAN」(08年1月号)の表紙を飾るなど、積極的にメディアに露出し、薬害肝炎訴訟の支援を訴え続けてきた。そんな彼女だが、一方でその“萌え系”のルックスによっても、一部から大いに注目を集めていたのだ。
 「全国からものすごい数のファンレターが集まったそうです。中には、“個人的に援助をしたい”と、50万円の援助を申し出る紳士もいたそうですよ」(社会事件担当記者)
 ネット上でも、「いりこちゃん萌え〜」「あんなにかわいい子を国は見殺しにするのか!」「めがねっ子最高」などと、アイドル並みの人気ぶり。中には「薬害肝炎問題は解決してほしいけど、衣里子ちゃんをもう見られなくなっちゃうのは残念……」などというちょっと不謹慎な声も。がんばる彼女を応援しようと、mixiにコミュニティができたり、彼女を応援するコメントがブログに多数掲載されるなど、薬害肝炎問題に対する世間の認知を高める上で、彼女が一役買ったのは間違いないだろう。
 彼女のブログ「Piquer 〜Ennrico's room」は2月3日が最終投稿となっており、2月4日の和解以後の投稿はまだないが、きっと今頃喜びを噛み締めているはず。今後も彼女の動きには(いろんな意味で)要注目だ!
(編集部)

 なんと雑誌の表紙にも登場「DAYS JAPAN」(08年1月号)

2008.02.06 水
http://www.cyzo.com/2008/02/post_309.html



薬害C型肝炎訴訟:和解までの道のり 二度と繰り返させぬ 闘い5年、迎えたこの日(毎日新聞)
 汚染された血液製剤による肝炎感染の責任を問う「薬害C型肝炎訴訟」で、国と原告側の和解が4日、大阪、福岡両高裁で初めて成立し、5年余に及ぶ患者たちの闘いは大きな節目を迎えた。製薬会社との和解協議は残るものの、今後は両者が結んだ基本合意書に基づき、一般肝炎対策の強化や薬害を起こした国の責任の検証作業に焦点が移る。裁判の経過と残された課題をまとめた。【清水健二、江刺正嘉】

 ◇発端
 薬害肝炎は、薬害エイズの「残された宿題」だった。
 エイズ訴訟が和解した96年以降、HIV(エイズウイルス)感染は新たな治療法の普及で「死の病」ではなくなった。その結果、被害者にとってはHIVと同じ血液製剤で感染したC型肝炎が深刻な問題になった。
 00年8月、旧厚生省前で開かれた第1回「薬害根絶デー」。薬害被害者が再発防止を訴えるこの集会で、1人の青年が血液製剤による肝炎感染を公表、「救済の道を開いて」と訴えた。これを機に、エイズ訴訟を手がけた弁護士らが肝炎問題研究会を発足。電話相談を行うと、HIVの汚染は免れていた血液製剤フィブリノゲンで、大量の肝炎感染者がいることが分かった。
 フィブリノゲンを巡っては、76年に名称変更により国の再審査を免れたことや、77年に米国で承認を取り消されていたことなど、ずさんな実態が次々浮かんだ。厚生労働省は安全対策上の責任はなかったとする立場を取ったが、02年10月、東京と大阪で計16人が初の提訴に踏み切った。
 弁護団の中には、輸血による感染も争うべきだとする意見もあったが、訴訟の長期化を避けるため、原告は血液製剤による感染者に絞られた。「血液製剤で風穴を開け、肝炎患者全体の救済に」というのが当初からの目標だった。
 両訴訟の中心になった鈴木利広弁護士は、こう語る。「(肝炎訴訟でも対象とされた)第9因子製剤が承認された72年に適切な肝炎対策がされていれば、エイズ問題は起きなかった。逆にエイズが社会問題化した83〜85年に血液製剤の安全対策が見直されていれば、その後の肝炎集団発生はなかった。薬害肝炎は、薬害エイズのプロローグであり、エピローグでもあった」

 ◇攻防
 5地裁で始まった裁判の最大の争点は「血液製剤は本当に効くのか」だった。通常の薬害裁判は、医薬品の効能(有効性)と副作用(危険性)の比較を問題にする。しかし原告側は「そもそも大量出血時の止血に対する有効性はなく、承認してはいけなかった」と主張した。
 サリドマイド、スモン、HIVなど過去の薬害は、短期間に被害者が集中した。しかし血液製剤によるC型肝炎は、30年以上前から感染者がいる。承認時からの違法性を認めさせなければ、全員救済ができないからだった。
 06年6月の大阪地裁判決、同年8月の福岡地裁判決は、それぞれ85年8月、80年11月の時点で、フィブリノゲンの危険性が有効性を上回ったとして、国と製薬会社の責任を認めた。原告の勝敗が感染時期で分かれたのは、薬害裁判史上初めてだった。弁護側は、次の東京地裁では主張の力点を変えて「警告義務違反」を訴えたが、またも線引きが残った。名古屋地裁判決でようやく全面勝訴したが、仙台地裁判決は国に全面敗訴。食い違う司法判断に原告は戸惑い、国側も「落としどころ」を探しあぐねた。

 ◇決着
 07年10月、大阪高裁が和解に向け動き出した。弁護団はこのタイミングを狙って「爆弾」を落とす。国が被害者の個人情報を持ちながら放置していた「418人リスト問題」だ。民主党が「命のリスト」と名付けて追及を始め、世論の追い風が吹いた。
 ところが、高裁は国敗訴の4判決のうち、救済範囲が最も狭い東京地裁判決を基準とする和解案を示した。訴訟費用名目で全員に和解金は行き渡る内容だったが、全員一律救済を求める原告側に受け入れる余地はなかった。
 原告たちは「政治決断」を求めて首相官邸まで押しかけたが、高裁が「東京地裁基準」を司法判断とした以上、それを超える救済は不可能というのが官僚側の論理だった。協議は年末に決裂するが、その3日後、福田康夫首相の議員立法指示で、解決へと急転回した。最後に飛び出した「政治決断」だった。

 ◇「救済範囲拡大」「国の責任追及」残された二つの課題
 肝炎問題を巡る残された課題は多い。中でも重要なのが、患者の救済範囲の拡大と、感染被害を防げなかった国の責任の検証という二つのテーマだ。
 ウイルス性肝炎患者はB型とC型を合わせて約350万人に上り、その多くが医療行為で感染した「医原病」。しかし、薬害肝炎救済法の対象は、カルテや医師の証言により、フィブリノゲンなどの血液製剤の投与が証明できるケースに限られる。製剤の投与時期は80年代が大半で、すでにほとんどの医療機関でカルテなどが廃棄されており、同法で救済されるのは1000人程度にとどまる見通しだ。
 また、感染原因で最も多い輸血のほか、同じフィブリノゲンを使っていた血友病患者も「止血や出血予防のために欠かせない治療薬だった」として対象外とされた。
 そもそも救済法は訴訟の解決を目的としており、救済範囲の拡大には限界がある。対象とならない患者のためにも、肝炎の一般対策を定めた法律の制定が不可欠だ。与党の「肝炎対策基本法案」と、民主党の対案「特定肝炎対策緊急措置法案」が先の臨時国会に提出されたが、今国会でも審議が進んでいない。
 肝炎患者全員の救済を目指す原告たちは、二つの法案を一本化して早急に成立させるよう与野党に働きかけるとともに、来年度から始まるインターフェロン治療費助成制度の対象となっていない肝硬変や肝がんについても治療費の助成を認めるよう求めていく。
 一方、もう一つの課題である薬害肝炎を起こした国の責任の検証は、原告団と国とが結んだ基本合意書に基づき、今後、第三者機関を設置して行われる。
 厚労省は418人の感染者リスト放置問題でも責任を認めず、批判を浴びた。しかも、その後、福田康夫首相の指示で議員主導により救済法や基本合意が成立したため、同省の責任追及があいまいなまま決着した。
 ハンセン病訴訟でも国の敗訴を受け、隔離政策の誤りを検証する第三者機関が設置され、報告書がまとめられた。その提言に基づき、別の第三者機関が患者の権利の法制化の必要性などについて検討を進めている。
 原告団は訴訟を「薬害を根絶する最後の闘い」と位置づけており、再発防止策に結びつく検証作業を重視。血液製剤を製造承認し、被害を拡大させた歴代の官僚らの責任を徹底追及する構えだ。

 ◇肝炎患者350万人のため 原告の崇高な理念が実った−−弁護団副代表・大阪訴訟事務局長、山西美明氏に聞く
 薬害C型肝炎訴訟を闘った意義や、原告たちの果たした役割をどう評価するのか。全国弁護団の副代表として原告たちを支えてきた山西美明(よしあき)・大阪訴訟事務局長に聞いた。【川辺康広】
 −−解決に5年かかると想定していたか。
 ◆当初、提訴から2年程度で解決できると思っていた。厚生労働省は02年8月、肝炎問題に関し「国の安全対策に問題はなかった」との報告書を公表したが、資料を分析した結果、80年代半ばには省内で「フィブリノゲンは、先天性疾患の患者以外には有効性に疑問がある」という議論をしていたことが分かったからだ。
 −−予想以上に解決が難航した理由は。
 ◆裁判で国がその見解を翻したためだ。予想を超える困難な訴訟になったが、目標を達成できたのは、原告たちが350万人の肝炎患者のためにという崇高な理念を持ち続けてくれたからだ。
 −−弁護活動の苦労は。
 ◆肝炎患者は一見、元気そうにみえる。その深刻さを裁判所に伝えるのが大変だった。苦悩を封印している人が多く、弁護団は何十回と原告や家族の元に足を運んだ。「もう勘弁して」と言われたこともあった。肝炎を他人に感染させまいと、何年も歯医者に行くのを我慢していた人や、病状を理解してもらえず家庭が崩壊した人。書面作りには苦労したが、弁護士としてその悲惨さを肌で実感し、原告の本当の思いを裁判所に伝えることができたと思う。
 −−原告は普通の主婦が多い。なぜ闘う意志を持続できたのか。
 ◆02年10月の初提訴の時、大阪訴訟の原告はたった3人、東京は13人だった。カルテが既に廃棄されて原告になれなかった人が多く、「あなたたちは肝炎患者の代表選手。そのことを自覚して訴訟に参加してほしい」と何度も原告を鼓舞してきたし、署名活動やビラ配りを通じ意識が高まった。和解交渉で原告全員の一律救済が暗礁に乗り上げた時には、「妥協したらこれまでの活動が無になる」と逆に弁護団が叱咤(しった)される場面もあった。
 −−今後の取り組みは。
 ◆勝ち取った成果を土台にして、誇るべき原告たちとともに、すべての肝炎患者が安心して治療を受けられる仕組みを築いていく。

 ◇薬害C型肝炎訴訟を巡る主な経過
64年 6月 日本ブラッド・バンク(ミドリ十字の前身)の非加熱フィブリノゲンを国が製造承認
76年12月 ミドリ十字の非加熱濃縮第9因子製剤を国が製造承認
77年12月 米食品医薬品局(FDA)がフィブリノゲンの製造承認取り消し
87年 3月 青森県で非加熱フィブリノゲンによる肝炎集団感染発生
88年 6月 ミドリ十字が旧厚生省の指示でフィブリノゲンの緊急安全性情報を配布し、返品を要請
98年 3月 旧厚生省がフィブリノゲンの適用を先天性疾患に限定
02年10月 東京、大阪両地裁に患者らが国や製薬企業に賠償を求め提訴
04年12月 厚生労働省がフィブリノゲンの納入先の医療機関を公表
06年 6月 大阪地裁が国と企業に賠償命令。5地裁で初の判決
07年 6月 安倍晋三首相(当時)が厚労省に早急対策を指示
   10月 厚労省が、製薬企業から受け取った感染者418人分のリストを放置していたことが発覚
       舛添要一厚労相がインターフェロン治療費助成方針を表明
       福田康夫首相が国の責任を初めて認め、全面解決の意向示す
   11月 大阪高裁が初の和解勧告。福岡高裁も和解勧告
       418人リスト放置問題で、厚労省の調査チームが国の責任を否定
   12月 舛添厚労相が原告団に初めて謝罪(4日)
       大阪高裁が、東京地裁判決を基準に血液製剤の投与時期で救済対象者を区切る和解骨子案を提示。原告側は受け入れ拒否(13日)
       舛添厚労相が東京地裁判決基準から外れた被害者に30億円の基金創設を表明。原告側は「全員一律救済でない」と拒み、交渉決裂(20日)
       福田首相が議員立法で被害者全員一律救済を図る方針を表明(23日)
       福田首相が原告団と面談し謝罪(25日)
       与党プロジェクトチームが、国の責任と謝罪を明記し、裁判所で血液製剤投与が認定された患者に4000万〜1200万円の給付金を支払う議員立法の骨子をまとめ、原告側と合意(28日)
08年 1月 薬害C型肝炎被害者救済法が成立(11日)
       原告・弁護団と国が和解基本合意書締結。国が再発防止を誓約(15日)
    2月 福岡高裁、大阪高裁で原告側と国の和解が成立(4日)

 ◇過去の主な薬害と被害者救済の経緯
 (カッコ内はおおよその被害時期と推定被害者数)
 ◆サリドマイド(1959〜62年、約300人)
 74年、各地の訴訟の1審判決前に和解成立
 ◆スモン(55〜70年、約1万1000人)
 78〜79年、9地裁で原告勝訴判決が相次ぎ和解成立
 ◆クロロキン(55〜69年、約1000人)
 88年、製薬会社の敗訴確定。95年の最高裁判決は国の責任否定
 ◆ソリブジン(93年、約20人)
 94年までに製薬会社と示談成立。国の責任は問われず
 ◆エイズ(83〜85年、約2000人)
 96年、東京、大阪訴訟の1審判決前に和解成立
 ◆クロイツフェルト・ヤコブ病(87〜97年、約130人)
 02年、東京、大津訴訟の1審判決前に和解成立
 ◆新3種混合(MMR)ワクチン(89〜93年、約1000人)
 03年、製造元と和解。06年の大阪高裁判決で国の責任確定
 ◆C型肝炎(64〜93年、1万人以上)
 06〜07年、4地裁で国敗訴。08年1月に議員立法で救済法成立

毎日新聞 2008年2月5日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080205ddm010040053000c.html



薬害肝炎訴訟きょう初の和解へ 給付問い合わせ相次ぐ(アサヒ・コム)
 薬害C型肝炎訴訟は4日午後、大阪、福岡の両高裁で、原告側と国の和解が初めて成立する。行政や市民団体には、施行された救済法にもとづく給付金について問い合わせが相次いでいるが、対象にならない人たちは多く、訴訟を起こす動きもある。
 給付金を支給する厚生労働省の外郭団体「医薬品医療機器総合機構」が設置した相談窓口(0120・780・400)には、肝炎患者らからの電話が相次いでいる。
 申請手続きに関する相談を受け付けているが、2週間で1万件超。20台の専用電話では対応しきれず、10台増やした。
 幅広い相談に応じている厚労省の相談窓口(0120・509・002)にも、約1万8000件の電話があった。
 行政ばかりでない。各地の訴訟弁護団にも「自分も該当するのでは」と尋ねる電話などが相次ぐ。「数は集計しきれません」
 救済法の対象は、C型肝炎患者で、血液製剤のフィブリノゲンか第9因子製剤が投与されたと裁判所に認められる必要がある。カルテなど投薬の証明が必要だ。
 新潟県で先月30日、「薬害C型肝炎新潟の会」が結成された。カルテなどがない患者や家族ら約200人が会員となって新潟市で集会。救済認定を求め、認められない場合は訴訟を起こしていく考えだ。
 設立に携わった坪谷昭子さん(64)=新潟県加茂市=は、C型肝炎が進行した肝がんのため02年、生体肝移植を受けた。提供者は三男。出産時に使われた止血剤が感染原因と考えられ、「三男は幼い頃から『自分のせいで母親が感染した』と責任を感じていた」と坪谷さんは涙ぐむ。だが移植後もウイルスは消えず、再び慢性肝炎となった。「カルテがないだけで捨てられて良いのでしょうか」。入会相談は県外からもあり、会員は400人近くにふくらむ見通しだ。
 手立てが見つからず、悩み続ける家族もある。千葉県に住む60代の女性は80年、大学病院で抜歯後、急性肝炎に。その後も入退院を繰り返し、肝硬変に近い状態で、「インターフェロン治療は無理」と告げられた。自宅で大半の時間を横になって過ごす。
 原因は止血剤として使われた第8因子製剤とみられ、投与記録も残っていた。だが、救済法ではこの製剤は対象外。女性は血が止まりにくい病気と診断されており、この点でも対象から外れる。
 新年度からB型・C型肝炎の患者を対象に、インターフェロン治療にかかる医療費の一部を公費で負担する助成制度が始まるが、女性はこの恩恵も受けられない。「日常的に使われたわけではない私も、対象外なのはなぜなのでしょう」。女性は訴えかけている。

2008年02月04日13時29分
http://www.asahi.com/national/update/0204/TKY200802040133.html



薬害肝炎の相談3000件 血液製剤納入先公表で急増(読売新聞)
 薬害C型肝炎問題で、厚生労働省が感染源となった血液製剤「フィブリノゲン」を納入した医療機関などを公表してから、県や県内の保健所に寄せられる相談が急増している。「出産や手術で使われていなかったか」などの不安の声は3000件を超えた。検査も900件以上の申し込みがあり、職員らは対応に追われている。
 県健康推進課などによると、国は1月17日、新聞の折り込み広告でフィブリノゲン投与の可能性のある県内の医療機関などを公表。処置が適正に行われるようになった1994年以前に大量出血した人らに検査を求めている。
 その後、相談が殺到。同31日までに3080件の相談が寄せられ、検査の申し込みも約930件に上る。「出産で出血したがフィブリン糊(のり)が使われていなかったか不安」「手術で輸血を受けたが大丈夫か」などの声が集まった。
 金沢市保健所には、約700件の相談があり、検査の申し込みは約350件で例年の約15倍にも上るという。週2回の検査日を急きょ3回に増やすなどして対応している。同保健所は「不安があれば気軽に相談をし、検査を受けてほしい」と呼び掛けている。

▽南加賀保健福祉センター(小松市)0761・22・0796
▽石川中央保健福祉センター(白山市)076・275・2250
▽能登中部保健福祉センター(七尾市)0767・53・2482
▽能登北部保健福祉センター(輪島市)0768・22・2011
▽金沢市保健所 076・234・5102

2008年2月3日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ishikawa/news/20080203-OYT8T00109.htm



C型薬害肝炎で新たに32人が一斉提訴 東京地裁(MSN産経ニュース)
 汚染された血液製剤でC型肝炎に感染したとして、患者が国と製薬会社に損害賠償を求めた薬害肝炎訴訟で、新たに32人の患者が31日、東京地裁など全国5地裁に一斉提訴した。薬害C型肝炎患者を一律救済する「薬害被害者救済特別措置法」が11日に成立して以降、提訴は初めて。
 提訴したのは男性3人、女性29人の計32人。内訳は、東京4人▽大阪14人▽名古屋4人▽福岡5人▽仙台5人。請求額の総額は計21億4500万円。今回の提訴で全国の原告は計238人となった。
 この日、東京地裁に提訴した中島小波さん(76)は昭和40年に長男を出産した際、フィブリノゲンを投与された。現在は慢性肝炎になっている。中島さんは「去年11月にカルテが残っていることが分かった。しばらく考えたが、カルテの残っていない人のためになるのならと思って提訴した」と話した。
 同訴訟では、特措法の成立を受けて、国と原告団が15日、和解の枠組みを定めた基本合意書に調印。2月4日に大阪、福岡の両高裁で国との和解が成立する見通し。

2008.1.31 20:12
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080131/trl0801312013010-n1.htm



救済漏れ薬害肝炎被害者に「医療費 公的支援を」(中国新聞)
 ▽備後肝友会、3日に相談会
 薬害肝炎訴訟は、「薬害肝炎被害者救済特別措置法」の成立で患者らの救済の道が開けた。しかし、血液製剤での感染が証明できなかったり、カルテが廃棄されたりして、救済を速やかに受けられそうにない患者が多い。医療費の自己負担がのしかかる中、公的な支援を求める声は中国地方でも高まっている。
 「どうすれば救済の対象となるのか」。特別措置法の成立に続き、訴訟をめぐり原告・弁護団と国が十五日に和解の合意文書を交わした直後から、福山市をはじめ広島県東部の患者らでつくる「備後肝友会」には、相談の電話が殺到している。肝炎に長く苦しむ患者らの怒り、不安はぬぐえていない。
 救済の対象となるにはカルテが必要だが、医療機関での保存義務は五年間。肝友会事務局長の石田彰子さん(63)=福山市=と世話人の大元惟子(のぶこ)さん(68)=同=は「高齢の患者が多く、カルテが残っている方がまれ」という。二人ともカルテは持っていない。
 石田さんらは、相談にのる中で「手術記録」や「投薬指示書」を病院に求めるようアドバイスしている。かかっていた医療機関が廃院した場合でも、「医師や看護師、薬剤師を探して記録や証言を得れば証拠となる可能性がある」と助言する。
 フィブリノゲンなどの血液製剤は出産や手術時の止血に使われたケースが多い。広島市安佐北区の女性(59)は一九七二年に帝王切開で出産した折にフィブリノゲンを投与され感染したという。病院は二年前に廃院した。
 「被害者すべての救済になって初めて、措置法は意味を持つ」と訴える。肝硬変を患い、四年前に吐血して仕事も辞めるしかなかった。自宅で療養を続け、二日間に一回の通院で月二万〜十五万円の治療費がかかる。
 石田さんも、三度にわたる帝王切開時に感染したとみられる。カルテがないため、所持している「母子手帳」の記述に望みをつなぐ。「カルテなどの記録による立証は患者の責任ではないはず」と、国や自治体による医療費支援を強く求める。
 備後肝友会は二月三日午後二時から、福山市のイコールふくやまで「薬害C型肝炎よろず相談会」を開く。薬害肝炎訴訟の原告弁護団の弁護士も参加する。同会Tel084(924)7826。(上杉智己、樋口浩二)

 ●クリック 薬害肝炎被害者救済特別措置法
 1月16日に施行。血液製剤フィブリノゲンと血液凝固第九因子製剤の投与でC型肝炎ウイルスに感染した人と死亡した患者の相続人が対象。給付金を受けるには国などを相手に提訴し、投与の事実、感染との因果関係について裁判所で確認を得なくてはならない。感染被害者は1万人を超えるとみられるが、被害を証明できるのは一連の訴訟の原告約200人を含む1000人ともいわれている。

【写真説明】「早めに手を打てなかった国の責任は重い。誰もが安心して治療を受けられる施策を」と話す備後肝友会の大元さん(左)と石田さん

'08/1/31
http://www.chugoku-np.co.jp/Health/An200801310465.html



被害者認定本格化へ 立証道のり険しく(佐賀新聞)
 薬害C型肝炎問題で被害者救済の特別措置法が16日に施行され、法に基づく被害者認定が本格化する。対象は血液製剤フィブリノゲンと血液凝固第九因子製剤(クリスマシンなど)の投与で感染した人で、全国で約1万人と推定されている。認定されれば症状に応じて1200万円―4000万円が支給されるが、提訴して製剤投与だけでなく、感染との因果関係を立証しなければならず、道のりは険しい。
 特別措置法は、国と製薬企業を相手取った賠償訴訟の賠償ルールを定めたもの。被害を訴える人は国家賠償請求訴訟を起こし、薬害であることを自ら立証しなければ国に給付金を請求できない。
 フィブリノゲンや第九因子製剤は主に止血剤として使用され、大量出血を伴った出産時に使われたケースが多い。重篤なけがや外科手術に使われたこともあるが、原告の多くは出産時の投与で感染している。1964年から、ウイルスの死滅処理が導入される94年までに製造された血液製剤に感染のおそれがある。
 原告になるには、その製剤投与を証明する客観的な資料が必要となる。カルテや手術・分娩(ぶんべん)記録、製剤使用簿、処方せん、レセプト(診療報酬明細書)の写しのほか、母子手帳でも立証材料になる。当時の医師や看護師らの証言も証拠になるといわれているが、九州訴訟原告団の古賀克重弁護士は「証言は記憶に頼る部分が大きく、補強材料にしかならない」とあくまで医療記録が必要と指摘する。
 提訴した上で投与の事実、血液製剤と発症との因果関係に争いがなければ和解が成立するが、因果関係の立証にもハードルがある。C型肝炎感染には血液製剤投与のほか、輸血による事例も多い。救済法はあくまで製剤投与による感染者が対象で、輸血感染は対象外だ。
 精度が高いウイルス検査が導入された92年以前は、この輸血による感染の可能性もある。1960年代後半から70年代は輸血後肝炎発症率(B型も含む)が14―16%。「手術時に輸血と製剤投与が同時に行われたケースは立証のハードルも高くなる」(古賀弁護士)という。
 薬害肝炎訴訟九州弁護団では無料電話相談窓口を開設。連日100―150件もの問い合わせが相次いでいるが、原告になりうるケースは1、2件ほど。多くは「カルテなど医療記録が見つからない」との理由からだ。
 血液製剤の出荷実績や、これまでの感染率などから薬害被害者は全国で1万人程度と見られるが、カルテなどで立証できるのは今の原告を含め1000人ほどになる見通しだ。
 医療機関の中には患者の問い合わせにも腰が重いところもあり、古賀弁護士は「患者が粘り強く問い合わせて医療記録が見つかったということもある」と指摘。医療機関に対しては「法的責任はないが、道義的責任はあるはず。積極的に医療記録の再調査、患者への情報提供をしてほしい」と訴える。
   ◇   ◇
 九州弁護団相談窓口の電話は、092(735)1193(月〜金曜日、午前10時から午後5時まで)

佐賀新聞 1月21日
http://www.saga-s.co.jp/view.php?pageId=4158&blockId=769100&newsMode=article



肝炎治療:「これで終わりじゃない」 重い自己負担、「薬害」以外も救済を/神奈川(毎日新聞)
 ◇サリドマイド被害者の間宮さん訴える
 薬害肝炎問題は国会で救済法が成立し、裁判も和解した。だが、横浜市南区に在住する財団法人職員、間宮清さん(44)は訴える。「これで終わりじゃない」。間宮さんは1950年代後半から60年代前半にかけて社会問題化した「薬害サリドマイド事件」の被害者で、両腕に障害を持って生まれた。そして11年ほど前、医師からC型肝炎にかかっているとも告げられた。【須山勉】

 「シーガタカンエン? 何じゃそりゃ? という感じでしたね。自覚症状もないし、本当に無頓着だった」
 間宮さんは97年2月、医師からC型肝炎ウイルス(HCV)に感染していると告げられた。食中毒にかかって入院した際の検査で判明した。しかしC型肝炎がどんな病気かという知識はほとんどなく、そのまま放置。99年、風邪をきっかけに受けた血液検査でHCVの量が非常に増えていることが分かってから治療を開始した。
 「半年間、インターフェロン注射による治療を続けたけど、これがつらかった。筋肉に注射するから痛いし、間もなく副作用が出る。家に帰っても何もする気がせず、すぐへたりこんじゃう。頭が痛かったり、腕が痛くなったりもした。それでも週3日注射しないと効果はないと言われ、1日おきに病院に通いました。それも結構負担なんですよね」
 半年後、HCVはほぼ消えた。しかし2カ月後の検査で再び増加していることが判明し「がっくりきた」。現在までインターフェロンと抗ウイルス薬による治療を計3回繰り返したが、完治はしていない。
 「それでも自分は軽い方かな。インターフェロンがつらくて、続けられない人も結構いますから」
    *
 間宮さんは63年2月生まれ。間宮さんを妊娠していたことを知らなかった母親が薬局で勧められて飲んだ胃腸薬「プロバンM」(サリドマイド)の副作用で、生まれつき両腕が短く、4本ずつしかない手の指も十分に動かない。サリドマイドは57年から世界中で販売されたが、深刻な副作用被害を受けて各国が販売を中止する中、日本では62年9月まで販売が続けられた。国の怠慢が引き起こした典型的な「薬害」被害だった。
 「手首の関節がしっかりしていなかったので、2歳の時に足の腓骨(ひこつ)を手首に移植する手術を横浜市立大病院で受けた。母親に聞くと、その時『輸血します』と言われたそうです。その際にHCVに感染したんでしょう。血液製剤も投与されたかもしれない。カルテはなくなっているかもしれないけど、照会はしてみようと思っています」
 C型肝炎はHCVが混入した血液を輸血するなど不適切な医療行為により感染する「医原病」だ。間宮さんが知る限り、同じサリドマイド被害者でC型肝炎にかかった人はほかに2人いる。うち1人は肝硬変になって既に亡くなった。障害を持って生まれたサリドマイド被害者の多くは何らかの手術を受けており、ほかにも感染者がいるかもしれないという。
 「検査を受けていない人は多いと思う。自分も今だって自覚症状はないから」
    *
 薬害肝炎の被害者救済法が11日成立した。血液製剤「フィブリノゲン」などの投与が原因で感染した被害者に1200万〜4000万円を支給するなどの内容だ。
 「病院へ行くと、すごくたくさん肝炎の治療を受けている人がいる。原因がはっきりしない感染者、患者の中には救済法を不公平と考えている人が少なくないのでは。厚生労働省に『なぜ私は救済されないのか』という抗議も多く寄せられているようです」
 救済法が成立して裁判も和解し、「一件落着」の空気が流れることを間宮さんは懸念する。インターフェロンは月ごとの自己負担額が8万円程度と高額だ。治療が必要なB、C型肝炎を発症した患者約60万人のうち、実際にインターフェロン治療を受けている人は約5万人に過ぎないとみられている。
 「医原病ですから、本来は治療費を無料にすべき。裁判が終わると、マスコミも含めてそれまで騒いでいた人がサーッと引いてしまうことがある。結局、救済されない肝炎患者たちが、ここからどこまで頑張れるか、なんだと思います」

毎日新聞 2008年1月20日
http://mainichi.jp/area/kanagawa/archive/news/2008/01/20/20080120ddlk14040292000c.html



薬害肝炎:カルテなく訴訟外の患者ら「光当てて」と訴え(院長のひとりごと 日々の診療について)
 薬害肝炎訴訟の大きな壁は「カルテの保存」です。20年以上も前のことを今討論しています。何度も書きましたがカルテが全体で7%しか保存されていないためにどうしようもありません。
 薬害肝炎訴訟で、私が不思議に思うのは全然「全員救済」ではないということです。国が和解交渉の席に着かないと言われたときの原告の「涙」はいったい何だったのでしょう?なんと、全員救済でもない和解案を「笑顔」で受け入れてしまいました。
 フィブリノゲンによる薬害患者数はは約1万人と推定されているわけですので、1万人の救済が彼女らの言う全員救済であったはず。しかし、ある時はB型C型肝炎患者350万人を全員救済と言ったり、恐らく彼女らは見えない「大きな力」にうまく利用されただけではないのかと思える事さえあります。最終的には全員救済とはほど遠い、おそらく多くても500名くらいしかこのままでは救済されないでしょう。
 しかし、現実C型肝炎に苦しんでいる患者さんは実際いるわけで、またC型肝炎ウイルスに知らないうちに感染して未だにその事実を知らない患者さんもいるわけで、その患者さんを補償など言わずに、まず救済することを考えなければならないのではないでしょうか?
 ウイルス性肝炎は日本の国民病でもあります。ウイルス性肝炎は、フィブリノゲンばかりが原因ではなく、輸血(2000年以降はほとんどない。1万人に1人くらい発症)をはじめ、タトゥー、ピアス、歯科の医療機器、鍼灸院の針、理髪店のカミソリ、歯ブラシの使いまわし、母乳,産道内感染、性生活など様々な原因があります。肝炎発症後の医療費は莫大にかかるはず。インターフェロン治療でウイルスが消えるのであれば、一人でも多くの患者さんを早期に発見し治療すべきなのです。
 C型肝炎にかかっているか、まず検査するべきだと思います。そして陽性の場合、可能な限りの治療に対する補助を国はすべきなのです。まず救済をしていくほうが、解決の早道のように思えてなりません。

薬害肝炎:カルテなく訴訟外の患者ら「光当てて」と訴え
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080116k0000m040130000c.html
 薬害C型肝炎訴訟が15日、和解に基本合意されたが、ウイルスに汚染された血液製剤を投与された疑いがあるのに、カルテなどがなく、訴訟に加われなかった人たちもいる。そうした患者でつくる「C型肝炎患者21世紀の会」代表の尾上悦子さん(71)=京都市伏見区=は「私たちを置き去りにしないでほしい」と訴える。
 C型肝炎感染者は血液製剤「フィブリノゲン」だけでも推定1万人に上るが、同訴訟の原告はわずか207人。「原告は肝炎患者のほんの一握り」と話す尾上さんも原告になれなかった一人だ。
 尾上さんは89年に子宮筋腫の手術を受け、その7年後、血液検査でC型肝炎と分かった。血が止まりにくい体質で、手術時、医師に伝えたところ、血液製剤のようなものを点滴された記憶があるという。しかし、訴訟準備のため何度もカルテ開示などを頼んだ病院の回答は「(カルテは)残っていない」。原告への道は閉ざされた。この病院は厚労省が04年12月に公表した、フィブリノゲンの納入先に入っていた。
 福田康夫首相が「全員一律救済」を表明した昨年12月末以降、全国からの相談は急増し、30件以上の相談が寄せられる日もある。「カルテがないが救済されるのだろうか」という内容がほとんどだ。会員数も約100人から約150人に膨れ上がった。
 尾上さんは「私たちの苦しみは何も変わっていない。患者全員の救済を実現してほしい」と願う。同会の連絡先は075・572・8565(ファクス兼用)。【川辺康広】
毎日新聞 2008年1月15日 21時32分

2008年01月19日
http://blog.livedoor.jp/adachiclinic/archives/2008-01.html#20080119



C型肝炎:厚労省の相談電話、朝からパンク状態に(院長のひとりごと 日々の診療について)
 当院でも昨日13件の電話の問い合わせがありました。出産時に出血が多くなく、輸血もしていない患者さんが取りあえず電話してみたとの問い合わせも多くあります。

 今回厚労省が呼びかけている患者さんは、
 ▼ 平成6年以前に公表医療機関で治療を受け、下記(1)〜(5)に該当された方
 (1)妊娠中又は出産時に大量の出血をされた方。
 (2)大量に出血するような手術を受けた方。
 (3)食道静脈瘤の破裂、消化器系疾患、外傷などにより大量の出血をされた方。
 (4)がん、白血病、肝疾患などの病気で「血が止まりにくい」と指摘を受けた方。
 (5)特殊な腎結石・胆石除去、気胸での胸膜接着、腱・骨折片などの接着、血が止まりにくい部分の止血などの治療を受けた方

 ですので、よく確認されてください。
 しかし、厚労省の電話回線が20回線というのはあまりにも数が少ないと思います。これでは回線は間違いなくパンクしますね。
 心配な方は、まず取りあえずC型肝炎の検査を受けるようにすると良いと思います。こちらの方が、結果が早く分かります。それから、対象病院へ確認でも遅くはありません。
 また、カルテは全国で7%の施設しか残されておらず、投与されたかどうか確認できる方はほとんどいないと思われます。「患者自身が医療機関に問い合わせ、どこまで感染源を調べられるかにかかっている。」とかいてありますが、これは本当に困難な作業です。
 どちらかというと、国や厚労省はC型肝炎ウイルスの感染が確認された患者さんに対して、その感染経路がいかなる場合でも、補償と言うよりどれだけの補助をして救済が出来るかだと思います。このような救済にお金をかけるべきだと思うのですが.......

C型肝炎:厚労省の相談電話、朝からパンク状態に
http://mainichi.jp/select/today/news/20080117k0000e040025000c.html
 C型肝炎感染の危険がある血液製剤納入先の医療機関を一覧にした政府広報が17日に各戸配布されたのを受け、厚生労働省が設けた相談電話(0120・509・002)が朝からパンク状態になった。
 厚労省はこれまでも医療機関名をホームページで公表し、11月から電話対応もしてきたが、薬害肝炎訴訟の事実上の解決で国民の関心が高まったとみられる。午前9時半の受け付け開始から20回線すべてがふさがり「リスト記載の病院で過去に手術を受けたが大丈夫か」「治療費の助成はしてもらえるのか」といった質問に職員が対応に追われた。
 血液製剤投与によるC型肝炎感染者は推計1万人以上だが、被害者と判明しているのは肝炎訴訟の原告約200人と、国の放置が問題になった418人リストの対象者の一部だけ。薬害の実態解明は、患者自身が医療機関に問い合わせ、どこまで感染源を調べられるかにかかっている。【清水健二】
毎日新聞 2008年1月17日 10時46分

2008年01月18日
http://blog.livedoor.jp/adachiclinic/archives/2008-01.html#20080118



当院におけるフィブリノゲンの使用について(院長のひとりごと 日々の診療について)
 本日、新聞折り込みの政府公報でC型肝炎感染の危険がある血液製剤が納入された約7500の医療機関のリストが公表されました。今回で3度目の公表になります。
 当院では、旧三菱ウェルファーマの資料によりますと1980年(昭和55年)2月-1987年(昭和62年)11月まで納入された記録はあります。(有効期間は3年ですので、最高1990年11月まで投与された可能性はあります)。
 私は1993年(平成5年4月)から当院に勤務していますが、その当時の院長は既に死亡しており、また勤務している職員も既にいません。その当時のカルテの保存はされておらず(医師法24条にカルテの保存義務は5年とされている)、患者さんにフィブリノゲン製剤が投与されたかどうかについて確認できません。(カルテが保存されている医療機関は7%といわれています)
 C型肝炎は、フィブリノゲンの投与ばかりではなく、輸血や予防接種などでも感染する可能性があります。ご心配でしたら、C型肝炎の検査を受けられることをお勧めします。

 詳しくは厚生労働省のホームページも参照されてください。

*C型肝炎ウイルス検査受診の呼びかけ
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/12/h1209-1/index.html
*基本的なQ&A
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/12/h1209-1/qa.html
*C型肝炎について
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou09/02.html


厚労省:血液製剤の納入病院リストを配布
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080117k0000m010038000c.html
 厚生労働省は17日、C型肝炎感染の危険がある血液製剤が納入された約7500の医療機関のリストを、新聞折り込みの政府広報(8ページ)として全国約3000万世帯に配布する。医療機関名は01年3月と04年12月に公表されたが、国民に直接届けるのは初めてで、治療を受けた人に早期検査を呼び掛ける。
 リスト配布は、薬害肝炎訴訟に関する国会質疑で、舛添要一厚生労働相が感染実態把握の方法として表明していた。該当の医療機関は、80〜01年のフィブリノゲン納入先6726施設と、72〜88年に非加熱第8、第9因子製剤を使った可能性がある805施設。
 このうち1449施設は廃院か休止、1520施設は名称が変わっており、リストに注記がある。投与の人数、当時のカルテの保存状況などは分量の関係で掲載されず、専用フリーダイヤル(0120・509・002)で問い合わせに応じる。厚労省ホームページでも確認できる。
 新たに検査を受けて感染が判明し、投与の証明がある人は薬害被害者として給付金を受けられるが、政府広報に説明はない。医薬食品局は「救済法成立が直前で時間がなかった」と説明している。【清水健二】
毎日新聞 2008年1月16日 18時43分

2008年01月17日
http://blog.livedoor.jp/adachiclinic/archives/2008-01.html#20080117



肝炎法成立 原告、拍手・涙・笑顔 B型患者は置き去り(朝日新聞)
 待ち望んだ薬害C型肝炎感染被害者の救済法が成立した。原告らは11日、「反対ゼロ」の採決に、手を握り合って涙と笑顔を見せた。一方、同じく国の責任で感染したとされるB型肝炎患者らは、複雑な思いでその時を迎えた。
    ◆
 原告らはこの日、弁護団や支援者とともに参院本会議場の傍聴席の最前列に陣取った。「賛成239、反対0」。投票結果が電子掲示板に示され、全会一致で可決・成立したことが決まると、議場から拍手がわき起こった。あふれてくる涙をハンカチで押さえていた原告らの表情も、次第に笑顔に変わった。
 全国原告団代表の山口美智子さん(51)は「これまでの5年間の苦しみも全部吹き飛んでしまいました。代表としての自分の役目、大義を果たせ、一安心です」と声を詰まらせた。今後の活動については「この法律が一般肝炎対策につながっていくのを見極めるまで闘っていくつもりです」と話した。
 涙をぬぐって取材に応じた九州訴訟原告の出田妙子さん(49)は「反対ゼロと表示され、衆参すべての議員が賛成したことを実感した。これまでの活動が国会に認められた」と振り返った。
    ◆
 「肝炎患者全体にとっては一歩前進で歓迎すべき。しかし、B型肝炎の私たちには何も対策が講じられていない」。木村伸一さん(43)=札幌市=は、救済法が成立した11日午前、国会議員らへの陳情活動を続けていた。
 B型肝炎患者。昨年、3度目のインターフェロン治療を3カ月続けたが、ウイルスを抑え込むことはできず、いつ肝がんを発症するかとおびえる日々が続いている。
 幼少時の集団予防接種が原因でB型ウイルスに感染したとして国を相手取り、損害賠償を求めて起こした訴訟は06年6月、最高裁で勝訴が確定した。木村さんら5人の原告について判決は、国が注射針の使い回しを放置した結果、感染した被害者だと認定した。
 だがC型肝炎訴訟の原告は福田首相や舛添厚労相と面会して謝罪を受けたのに、B型肝炎訴訟の患者は面会すら実現していない。「私たちは無視されている」と、参考人として出席した10日の参議院厚生労働委員会などで訴えた。
 国の支援策も進んでいない。B型肝炎の治療では00年から抗ウイルス薬が保険適用になった。完治はできなくとも、この薬でウイルスの増殖を抑えることができる。だが薬剤費だけでも保険診療の3割負担で月約1万〜2万円。服用を始めれば、ずっと飲み続けなければならない。
 薬害C型肝炎訴訟などを受けて、国は新年度からインターフェロン治療への医療費助成を実施するが、この抗ウイルス薬は対象外だ。
 木村さんら原告や弁護団には、全国300人以上のB型肝炎患者から問い合わせがある。一部は今後、提訴が見込まれるという。原告弁護団は11日、「国の責任でB型肝炎ウイルスに感染させられた被害者も早急に等しく救済することを要求する」との声明を出した。

2008年01月11日13時34分
http://www.asahi.com/national/update/0111/TKY200801110176.html



救済法案除外、受け入れ難い・血友病患者らが意見書(日本経済新聞)
 薬害C型肝炎問題で、被害者救済法案の対象から漏れる血友病など先天性血液凝固異常の患者らが7日、衆参議長あてに意見書を提出した。
 提出したのは全国23の患者団体。血液を固めるためのフィブリノゲンや第9、第八因子製剤を投与され、C型肝炎に感染している人は約2700人に上る。しかし、今回の対象は後天性の患者に限られている。
 記者会見した「京都ヘモフィリア友の会」の佐野竜介会長は「薬害肝炎患者が法律で救済されることは喜ばしい。ただ、同じ血液製剤を投与された我々が、はなから除外されているのは受け入れがたい」と話している。(07:02)

2008.01.08
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080108AT1G0703607012008.html



血友病患者ら救済の対象外 薬害肝炎法案(朝日新聞)
 法案の対象から外れた患者からは不安の声も上がる。同じ血液製剤で肝炎に感染しても、血友病治療などで投与された患者については「治療としては有効だった」として対象外。血友病の患者会など23団体は7日、「一律救済の目的と離反し、法の下の平等にもとる」とする意見書を衆参両院議長に提出した。
 また1万人以上と推定される血液製剤による感染者のうち、法案の対象はカルテや投薬証明が残る人らに限られる。原告以外では800人程度にとどまるとみられる。
 350万人前後と推定されるB型・C型肝炎患者・感染者の多くは、輸血や注射針の使い回しなど医療行為が原因とみられるが、政府は薬害と認めていない。幅広い肝炎患者が対象の措置は、特定の肝炎治療について新年度から7年間医療費を助成する制度に限られる。

2008年01月08日01時36分
http://www.asahi.com/politics/update/0108/TKY200801070360.html



血友病患者は薬害認定から除外?(申栄一日誌)
 薬害C型肝炎の患者を一律救済する法案が作成され、患者サイドとの合意が進んでいるとの報道があったが、それに併せて、血友病患者が救済から除外されたことについて、血友病患者からの異議申し立ても伝えられている。生まれつきの障害である血友病に罹患している人は血液製剤を使わざるを得ない立場にある。血友病の患者は、同じC型肝炎になっても治療の効果のために使っていたのだから仕方ない、一定の治療効果も上がっていたのだから認めない、我慢しなさいという訳だ。

 こんなことが法律で定められるということは、血友病になった人が悪いのであって、非は本人にある、ということを社会が認定してしまうということになってしまうのではないだろうか。自分の子供が、自分の妹が兄が、自分の妻が夫が血友病であったということを想像してみればどうだろう。自分の命をかけても護りたい対象が人として等分に生きる価値を認められないという宣告を受ける。これほど悲しいことがあるだろうか。

 血友病の患者団体は抗議している。23の患者団体が、「一律救済の目的と離反し、法の下の平等にもとる」とする意見書を衆参両院議長に提出した。(朝日新聞1月8日の記事)当然だと感じる。血友病に罹患しているという事実だけで薬害認定から除外されるのである。理不尽という言葉を法律で認可し、不可解な除外認定を法律で正当化するという暴挙以外の何物でもない。

 民主主義社会であるはずの日本で、こういう民を分断する施策が進んでいる。ワーキングプアと呼ばれる人たちがもう既に1000万人を超えたという報道も聞いたが、その発端となる規制緩和を推進した小泉元首相は未だに何のとがめもない。とがめどころか未だに国会議員で年間約6400万円もの収入を保証され、潤沢な議員年金の受給も予定されている。

 やさしさ、思いやりというものを日本の政治は忘れてしまったようにみえる。格差社会が収まるどころかますます進行する中で、確実に社会全体が疲弊し、国のスタンス、基盤力が弱まっていく。教育にかける金が削られ、軍備増強に回され、役人政治家官僚の懐が潤沢となる。刹那のつじつま合わせさえ都合をつけられればそれでいい、問題はすべて先送り、ややこしくなったころには自分たちは生きてない、そういう感覚がまかり通っているように感じられるのは私ばかりだろうか。

 もう少し、これはおかしいのではないか、こんなことがまかり通って本当に日本は大丈夫なんだろうか、そう感じる人が増えていってほしいと思っている。でも、こういう話題、なかなか日常的に交わす機会が少ない。無理もないかもしれない。多くの人たちがいまこの日を生き延びることに汲々としている実態がある。国の施策として生かさず殺さずというバランスを設定しているのだろうか。

 少なくとも疑問の声をあげるというくらいの行動は必要かと。選挙に行くという行動も必要かと。30台40台になって、選挙に行ったことがないと豪語(しているつもり?)する人をたまに見かけるが、これはひょっとしたら大きな勘違いなのかもしれない、ということも時には考えてみてほしい。もっともそういう人を今の政権は頼みにしているのかもしれないが。

2008年01月08日
http://blog.goo.ne.jp/ocean35910/e/dec41147daf1e1055492dbce645b0040



C型肝炎に罹患するということ その13(梶本洋子のつぶやき2)
 肝炎救済法案が衆議院で承認された。
 恐らく参議院でも承認されるだろう。

 薬害型肝炎訴訟の原告として今まで頑張ってこられた方の貢献度は計り知れない。
 川田龍平氏の行動力の素晴らしさも評価したい。
 原告の方々がそれぞれに応じた給付金を受け取られることも当然、妥当だと思ってもいる。

 私がブログで訴えていることは、前者の方々を否定するものでは断じてない。
 asahi.com「肝炎救済法案、衆院を通過」によると、
薬害C型肝炎被害者を一律救済する特別措置法案が8日午後、衆院本会議で全会一致で可決された。同日午前の衆院厚生労働委員会の審議では、薬害訴訟の原告や肝炎患者団体代表らが参考人として意見を述べた。
救済対象となる薬害C型肝炎訴訟全国原告団の山口美智子代表は「国の責任を認め、投与時期を問わず一律救済することは評価する」と述べたうえで、「肝炎患者が安心して治療を受けられる体制づくり、薬害の真相究明などが実現するまで監視する」と話した。

 この文章のどこにも、「取り残された350万人ともいわれるBC型肝炎罹患者」の話はでてきていない。
 なぜなのか。
 全国弁護団の山口美智子代表を責めるなどもってのほかである。
 しかしながら、全国弁護団に私はメールを投げた。
 原告になり得ない(カルテという免罪符を持たない)BC型肝炎罹患者を見捨てるのですかと。
 一弁護士である方はメールでこう答えている。
「一個人としては救済される方向が良いと思っています。」と。
「しかしながらそれは全国弁護団の総意ではないのです。」とも。
 その答えは私に大きな失意をもたらすとともに、道を分かつ必要を感じさせた。

 一方、血友病など先天性疾患の患者の多くは、原告団と同じ血液製剤で肝炎に感染したが、「治療として有用だった」として法案の救済対象から外れた。そうした患者を代表し、京都ヘモフィリア友の会の佐野竜介会長は「同じように感染し、苦しんできた私たちにとって法案は受け入れがたい」と不満を表明した。
 また、集団予防接種でB型肝炎に感染し、最高裁で国に勝訴した訴訟の原告だった木村伸一さん(43)は「国からはいまだに原告への謝罪もない。薬害以外の肝炎患者全体を救済してほしい」と述べた。日本肝臓病患者団体協議会の高畠譲二事務局長も肝炎患者全体の支援策拡充を求め、「B型肝炎の治療薬も医療費助成の対象にしてほしい」と話した。
 こうした意見を踏まえ、委員会では「先天性傷病の感染者への必要な措置を早急に検討する」などとした付帯決議も採択された。

 京都ヘモフィリア友の会の佐野竜介会長、そして木村伸一さんへ。
 私も同席しとうございました。
 置き去りにされたBC型肝炎罹患者について、一行たりとも記載のないことが、社会的に公知されていない私たちの存在を浮き彫りにしています。
 BC型肝炎を医原病と認めたのなら、BC型肝炎罹患者すべてが被害者のはずです。
 それが、あらゆるメディアの方、国会議員、有識者の方々、いずれの方もすでにそれはご存じのように思うのは私だけでしょうか。
 それなのに、蚊帳の外に置こうとする。
 たかが1ページの記事と侮らないでいただきたいのです。
 350万人といえば、メディアの方、国会議員、有識者。
 皆さんの周りにも、お友達、知人、先輩、後輩、親族におられるレベルです。
 どうか、そのことを軽んじないでいただきたい。
 まずは、BC型罹患者はすべて医原病の被害者であること。
 これが社会的に公知されることが先決だと。
 そう思われませんか。

コメント
 先天性血液凝固異常症患者の一人です。我々23団体が連名で両院議長あてに提出した意見書の結語は、以下の通りです。

「国民病」「医原病」とも呼ばれる肝炎と闘うあらゆる人々に対する分け隔てのない手厚い支援の招来をも期すべく、本法案の審議に当たりましては、血液製剤等々による総てのC型肝炎感染者に対する実質的な救済及び支援を国民に約束する国会決議の実行などの対応を強く要望致します。

投稿 患者の一人です。 2008年1月 8日 (火) 21時14分


「患者の一人です。」様
 コメントありがとうございます。

> 先天性血液凝固異常症患者の一人です。
> 我々23団体が連名で両院議長あてに提出した
> 意見書の結語は、以下の通りです。

 私と相棒(主人)からいたしますと、百歩も千歩も先を行っておられて両議院長あてに意見書まで提出されている由、心から尊敬いたします。
 たかがメールでさえ、毎日のように送付することは私たちにとっては大変なことです。
 まだまだ道は遠く厳しいことを、改めて実感いたしました。

> 「国民病」「医原病」とも呼ばれる肝炎と闘う
> あらゆる人々に対する分け隔てのない手厚い
> 支援の招来をも期すべく、本法案の審議に
> 当たりましては、血液製剤等々による総ての
> C型肝炎感染者に対する実質的な救済及び支援
> を国民に約束する国会決議の実行などの対応を
> 強く要望致します。

 結語に深く感銘いたしました。
 言葉を選んでのことと感じ入ります。
 私たちカルテという免罪符のないBC型肝炎罹患者に取りまして、これほどの要望書はございません。
 一肝炎罹患者として、厚く御礼申し上げますとともに、私たちも微力ではありますが、頑張っていきたいと存じます。

投稿 梶本洋子 2008年1月 9日 (水) 08時02分

2008年1月 8日 (火)
http://kajimotoyoko.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/c13_a611.html



薬害C型肝炎−それでも救済されない人達(ツカサネット新聞)
 C型肝炎ウイルスが混入した血液製剤『フィブリノゲン』等を投与されたため肝炎に感染した人達が、国等に対して損害賠償請求を求めていた、いわゆる薬害C型肝炎訴訟は、政治決断による議員立法により、一律全面救済という形で決着を見る可能性が極めて高くなってきた。
 薬害C型肝炎は、極めて大雑把に言えば、病気の治療等のために『病院に行ったら、病気にされてしまった。』というとんでもない話しで、高度の政治的判断により、被害者救済の方向で立法的解決がなされる見通しが付いたことは、これまで散々苦労されてきた薬害C型肝炎原告団の方たちの心情を慮れば素直に喜ぶべきことであり、原告団を支援してきた全ての人々、特に薬害という国の重大な怠慢を認めさせる上で大きな役割を果たしこられた原告弁護団の地道な努力には敬意を表すべきだろう。
 確かに、今回の国と原告団との和解においては、国の責任の有無については、有るとも無いとも言える玉虫色の解決という面は否めないが、そもそも和解が当事者が互いの主張を譲り合う自主的な紛争解決であることに加えて、現に肝炎やもっと重篤な病気に苦しんでおり、もはや一刻の猶予も許されない患者さんが少なくないことに照らせば、国の法的責任の明確化に拘泥することは得策ではないといえ、致し方がないと言える。
 また、本来薬事行政の過ちという『政府の責任』により発生した被害を、なぜ議員立法で解決するのか釈然としないものが残ることは事実であるが、『副作用があるからといって国の過失が認められるのでは、新薬の承認が難しくなる』などと主張して、肝炎患者等の一律公平な全面救済に『抵抗する勢力』が存在するらしいことに鑑みれば、議員立法というやや変則的な解決も止むを得まい。
 問題なのは、一般に『薬害C型肝炎患者の一律公平な救済』と報道されているが、本当に薬害C型肝炎患者が一律に救済されるのかどうかは、未知数と言わざるを得ないという点である。
 今回、原告団と国との間で成立した和解によれば、血液製剤『フィブリノゲン』等の投与により、C型肝炎に感染したと認定された人達に対しては、症状に応じて一定額の和解金(補償金)が支払われ、今後更に症状が悪化した場合には、別立てで補償がなされるようである。
 しかしそれは、あくまで『フィブリノゲン』等の投与によりC型肝炎に感染したものと『認定』された人達に限られる。
 裏を返せば、『フィブリノゲン』等の投与によりC型肝炎に感染したものと『認定』されなかった人は、幾ら薬害被害であると主張しても救済されないということである。
 血液製剤『フィブリノゲン』等の投与により『C型肝炎』に感染したのか否かを最終的に認定判断する機関は裁判所とされるようであるが、一般論としては、裁判所が公平かつ客観的な第三者として薬害の有無を判断する限り、認定機関としての資格要件は充たしいると言えるだろう。
 しかし、一般に裁判所における訴訟手続においては、救済を求める側に証明責任が課されるため、裁判所の認定判断が余りにも硬直したものである場合、理念としては、訴訟提起の有無等に係りのない被害者の一律公平な救済であるとしても、現実には救済からあぶれる人達が多数出てくる可能性が否定できない。
 というのは、『フィブリノゲン』等が投与されたという『カルテ』が存在すれば自らの肝炎は薬害であるとの立証は比較的容易であろうが、薬害肝炎の認定を受ける上で極めて重要な意味を持つ『カルテ』がない人が少なくないからである。
 肝臓というのはタフな臓器らしく黙々と働き続けるのだそうであるが、それがかえってあだになり、肝炎ウイルスに感染しても直ぐには自覚症状が出ないことが多く、感染から発症まで20年以上ものタイムラグがある人も珍しくないため、発症した時には既に手遅れという人も稀ではないそうなのだ。
 ところが、カルテの法定保存期間は5年と極めて短い。
 そのため、『フィブリノゲン』等の納入先として公表されている病院で出産したり手術を受けたりして、その際に止血剤として『フィブリノゲン』等が投与された蓋然性があるのにもかかわらず、証拠となるカルテ等が既に廃棄されているため、薬害C型肝炎であることの立証が極めて困難な立場におかれている人も多数存在する可能性は極めて高い。
 したがって、『フィブリノゲン』等の納入先の病院で出産等を経験した後に肝炎を発症した人と国との間で薬害か否かの主張が対立し、最終的に裁判所で決着をつけるという流れになった場合、裁判所が通常の訴訟手続におけるのと同様の厳格な証明を救済を求める人に要求するならば、真実は『フィブリノゲン』等の投与が原因である薬害C型肝炎であるにもかかわらず、このたび原告団と国との間で成立した和解に基づく議員立法により救済されない人が多数出てくる可能性があり、そうなれば、薬害C型肝炎患者の一律公平な全面救済は絵に描いた餅に堕する危険が大きいのである。
 このような問題の解決は、究極的には、裁判所の認定判断が、今回の議員立法が薬害C型肝炎患者救済のための特別法であるという立法趣旨に乗っ取って行われるかどうかに帰着すると言えるが、いわゆる事実上の推定の法理により、証明責任の所在を国側に転換するということも検討されて然るべきではなかろうか。
 すなわち、例えば、ある病院で出産や手術を経験したがその際に大量出血をした経験があり、かつ、その病院が『フィブリノゲン』等の納入先であるとされている場合、その後に発症した肝炎についてはカルテ等の決め手となる証拠がなくても、薬害C型肝炎であると事実上推定する規定を、救済立法の中に盛り込む。
 そうすることにより、逆に国の側で、血液製剤『フィブリノゲン』等の投与が原因で発症した肝炎ではないことを基礎付ける特別の事情を証明できない限り、薬害C型肝炎患者と認定して救済を図るのである。
 このような証明責任の転換規定は、今回の議員立法の中に既に盛り込まれているのかもしれないが、もし盛り込まれていないのであれば、被害者の一律公平な救済という原告団が最後まで拘って勝ち取った今回の和解の趣旨を実現するために是非検討して頂きたいと思う。
 勿論、日本の国家財政は非常に厳しく、薬害C型肝炎患者の救済のために費やすことができる財源にも限界があることは事実だ。
 しかし、『フィブリノゲン』等の投与について被害者には何の落ち度もないばかりか、『フィブリノゲン』等の投与について説明と同意が欠けていた『問答無用の投与』や、投与の有無自体を知らない人達が少なくないことに照らせば、カルテ等を病院が法定保存期間を超えて保存していたか否かというような偶然の事情により救済の有無が左右されるのはあまりにも公平を欠くといわざるを得ない。
 誰もが、薬害C型肝炎に感染していた可能性があるのだ。
 彼らは我々なのである。
 議員立法の中身に注目したい。


補足
投稿者:海老フライ定食 投稿日:2008/01/09 11:02:06
 この記事を投稿した時点では、未だ、薬害C型肝炎被害者救済のための議員立法は衆議院を通過していませんでしたが、平成20年1月8日、衆議院本会議にて全会一致で可決され、参議院に送られ、今週中にも『特別法』が成立する見通しだそうです。
 この議員立法による『特別法』は被害者救済という点においては画期的なものですが、本文中に書いたように、カルテを病院が長期にわたり保存していてくれたか否か(病院自体が既に閉鎖されている場合も少なくない)というような偶然の事情により、救済されるか否か正反対の結論になりかねないという問題に加え、先天的な原因により肝炎を患っている患者さんからは、『特別法』について『差別的な立法』という批判もなされているようです。
 すなわち、先天的な理由による肝炎患者さんも、勿論今回の議員立法の意義を否定するのではないのでしょうが、先天的な理由か、後天的に『フィブリノゲン』等を投与されて肝炎になったかという『偶然の事情』によって、救済されないのはおかしい、自分達先天的原因による肝炎患者にも救済の手を差し伸べて欲しいと主張されており、今回の『特別法』により、先天的な肝炎患者は救済しなくとも構わないという方向に向かってしまうのではないか、その意味で今回の議員立法は『差別的』ではないか、と批判されていますので、この点も補足させていただきます。

01月09日10時14分配信 この記事の記者:海老フライ定食
http://www.222.co.jp/netnews/article.aspx?asn=9299



[薬害肝炎]1000人のみの救済案(中村てつじの「日本再構築」)
 薬害肝炎訴訟の原告団を救済する法案が、昨日、衆議院に提出され、本日、衆議院の厚生労働委員会と本会議を通過しました。
 参議院では、明後日1月10日に審議され、採決される予定です。1月11日に参議院の本会議が開かれれば、可決・成立される見込みです。

 原告の皆様(+原告と同様の条件を備えた、まだ提訴をしていない人たち)の救済を考えれば、民主党も、法案に反対するところまでは行きませんが、実は、今回の与党案では、約1000人の方しか救済されません。

 例えば、血友病などの先天性の傷病を持っていて、血液製剤を投与された人は、同じ薬害の被害者であるにもかかわらず、救済の対象外となりました。この点について、民主党は衆議院で後天性の傷病に限っている部分の修正を求めましたが、与党から拒絶されました。その数、約2000人。
 また、カルテが残っている人というのは、たまたまかかった病院に恵まれていたというだけで、20年も経っていれば、カルテの保存義務期間5年をとっくに過ぎており、大半の被害者は、証明されないで救済の対象外になります。その数、約1万人。

 何よりも、原因不明でB型・C型肝炎にかかってしまった人は、合計350万人いらっしゃいます。原因不明といっても、おそらくは、集団予防接種や治療の時に使われた輸血や血液製剤が原因です。治療費の助成が必要です。早期に治療に当っていただくことで、将来、肝硬変・肝ガンになったときの高額な治療費を予防することができます。

 民主党は、肝炎患者の皆様がインターフェロン治療などを受けても、自己負担が少なくて済む法案をすでに提出しています。この民主党の議員立法提出を受ける形で、政府与党は、今年4月から、助成を予算措置で行うこととしました。一歩前進と言えますが、自己負担額も大きく、また、予算措置で行うため政府に対する強制力はなく、来年以降の助成がどうなるかは不透明です。

 因果関係が分かっている薬害肝炎だけでなく、因果関係が証明できないその他の多くの患者さんたちを救済できるしくみを早く実現するべきです。与党は、民主党との協議を止めています。このような問題は、与党がメンツを捨てて、きちんと歩み寄って協議をするべきです。

2008-01-08
http://d.hatena.ne.jp/NakamuraTetsuji/20080108



薬害肝炎救済法案、弁護団も了解…今国会で成立へ(読売新聞)
 「与党肝炎対策プロジェクトチーム」(座長=川崎二郎・元厚生労働相)は4日、国会内で会合を開き、薬害C型肝炎訴訟の被害者の一律救済法案(議員立法)を了承した。
 会合には原告側弁護団も出席し、法案を了解した。法案は7日に衆院へ提出され、今国会で成立する見通しだ。
 同チームは12月28日に救済法案の骨子を固めており、この日は骨子に基づく正式な法案を了承した。救済法案の正式名称は「特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第9因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法案」とした。
 救済法案は、<1>フィブリノゲンなど血液製剤による肝炎被害者らに、国と製薬会社の拠出で作る基金から、症状に応じて4000万円〜1200万円(弁護士費用除く)の給付金を支給する<2>救済の対象者かどうかの認定は裁判所が行う――などが柱だ。
 民主党内には、「救済対象の範囲を広げるべきだ」などとして、救済法案の賛成に慎重な意見があるため、7日以降、与党と民主党で協議する。
 一方、与党は4日、救済法案とは別にすでに衆院へ提出している「肝炎対策基本法案」の修正案を決めた。修正案は、前文にC型肝炎被害者に対して「国の責任において、一律救済の道を開いた」などの文言を加えた。与党は、修正案も7日に衆院へ提出する予定だ。

2008年1月4日19時6分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080104i411.htm?from=main4



救済法案、7日に提出 薬害肝炎、原告側も了承(中日新聞)
 薬害肝炎被害者の一律救済に向け、与党プロジェクトチーム(PT)は4日午後、国会内で原告側と会い、今国会に提出する救済法案を提示、原告側の了解を得た。これを受けて与党は法案を7日に衆院へ提出する方針を決めた。
 PT座長の川崎二郎元厚生労働相は「野党の協力を得て来週中には確実に成立させたい」と強調した。
 原告側との会談後、与党は法案を民主党など野党各党に提示。7日に衆院厚生労働委員会理事懇談会を開いて今後の扱いを協議するが、野党も法案に同意する見通しで、衆院厚労委員長提案の形で成立させる案も浮上している。
 原告弁護団も7日に都内で和解に向けた対応を協議する。
 救済法案は薬害肝炎訴訟の対象となっている血液製剤フィブリノゲンと第9因子製剤の投与によるC型肝炎ウイルス感染者に対し、国と製薬企業が症状に応じて4000万−1200万円を給付金として支払うなどの内容。
(共同)

2008年1月4日 17時29分
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2008010401000462.html




■文献

朝日新聞社 2007「医療と司法――対立するしかないのか」朝日新聞社[2007:183-224]
朝日新聞社 2007『論座』12月号 朝日新聞社
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*作成:北村 健太郎
UP:20080209 REV:20080216,23,20151212
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