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著作権に関連する新聞記事(〜1999年)
情報・コミュニケーション/と障害者
■作成:
植村 要
以下は、著作権についての新聞記事のうち、ユーザーによる著作物の複写に関連するものを中心に収集。
(以下、学術利用を目的として、記事本文を掲載する)
◆『朝日新聞』1987.12.01. 地名データベース、主務官庁まき込み対立
自治省の認可法人・流用出版は困る
運輸省の外郭団体・著作権侵害せず
全国の地名を入力したデータベースは著作権法で保護されるかどうかをめぐって、データベースを製作した自治省の認可法人と、自動車登録業務にそのデー使用した運輸省の外郭団体が、対立を続けている。製作者側は「地名であっても編集加工しており、膨大な手間をかけている」として先週末、東京地裁に「流用」データの出版差し止めを求める仮処分を申請しようとした。ところが、この申請が認められると自動車登録や課税徴収事務に支障をきたすため、主務官庁の自治省と、運輸省が間に入り、「何とか円満解決を」と、仮処分申請に待ったをかけた。ただ、製作者側は、なお仮処分申請をする意向で話し合いに臨んでおり、トラブルは今後も尾をひきそうだ。
[略] 。
国土地理協会側の説明によると、協会は官報や [略] 全国の最新の地名約42万件をコード別にコンピューターに入力。『全国町・字(あざ)ファイル』として、磁気テープ1本を250万円、印刷したコードブック9分冊を6万8000円で販売している。
自動車検査登録協力会は、 [略] その主要部分「カナ地名、漢字地名」をそっくりコピーし、自動車登録業務に使う磁気テープとコードブックを製作、このほど発行した。
これに対し国土地理協会は「地名であっても、さまざまな情報を総合して加工しており、データベースとして保護の対象になる。無断流用だ」と抗議を申し入れた。しかし、自動車検査登録協力会側は「全国町・字ファイル」を参考にしたことは認めながらも、「著作権侵害にはあたらない」と反論。 [以下略]
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◆『読売新聞』1989.01.17. 「版面権」確立になお時間も 利用者負担増と反対意見(解説)
学術書を中心とした“違法コピー”に頭を悩ます出版界は、「日本複写権センター」の設立を機に、出版社の権利である「版面権」認知も求めようとしているが、実現にはなお時間が必要のようだ。(文化部 吉弘 幸介
「版面権」は出版物の装丁やレイアウトなど出版社の意匠権ともいえるもので、著作者の持っている第一義的な著作権と違い、それを出版物にした際の組み版形式に対する権利といっていい。 [略] 出版界では、著作権そのものに対する保護意識は、江戸末期の「版権」的な考え方以来、なかったわけではないが、隣接権については、最近になるまでほとんど問題にされていなかった。
それが、出版界で検討され始めたのは、やはり、コピーの普及と増加が背景にある。コピーは著作権そのものを侵害しているだけでなく、出版社の持つ固有の権利も侵しているという意識が出てきたわけである。
特に、最近では出版物のビジュアル化が進み、版面そのものに対する出版社の権利を主張してもいいという見方が強くなってきた。
日本書籍出版協会など出版四団体がまとめた調査(六十三年三月)によると、全国の上場企業、大学、研究機関などで行われている出版物の複写は年間約十枚にのぼり、それによる出版社の損害は三百四十九億円に達するという。著作権のみならず、出版社の権利も大きな侵害をうけているという主張が強くなってきたのもうなずける。
こうした流れをうけて、版面権の法制化を検討している著作権審議会第八小委員会では、版面権を認めるべきだとする中間報告をまとめ、先ごろ公表した。これに対して、経団連から「版面権を認めれば、出版物のファクシミリ送信をはじめ新聞のスクラップ・コピーなどを利用する際にも対価を徴収されることになる。企業負担を増大させるだけでなく、情報の流通を抑制するなど時代に逆行するもの」とした反対意見が出された。
確かに、利用者の負担は増えるだろうし、EL(電子図書館)への影響なども考えられる。版面権の正式認知には、もう少し時間が必要な部分もあるだろう。だが、勢いとしては、その方向に進みつつあるといえよう。
版面権が認められた場合、その対価報酬徴収の受け皿と期待されているのが、旧冬、設立発起人総会を開いた「日本複写権センター」だ。今年五月創設を目準備を進めているが、いくつかの問題を抱えている。その第一が、財政的な基盤となる入会金等の問題だ。 [略]
「知的所有権」という考え方に、多数の人がなじむには、まだまだ時間がかかりそうだ。
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◆『朝日新聞』1991.11.26. 複写権 無断コピーに歯止め必要、センター発足(なんでもQ&A)
最近、「日本複写権センター」が発足しました。著作者を保護するためコピー利用者から一括して料金を徴収し、野放しの「コピー天国」に一定の歯止めをかけようというものです。
Q 複写権って聞き慣れない言葉ですが。
A 著作権法のもとで、文化的な創作物の著作者は、その著作物の複製を許諾する権利を持っています。複製といってもいろいろありますが、センターではこのうち複写機による出版物のコピー利用の権利を問題にしています。
[略]
[略]
Q どんな影響がありますか?
A 深刻なのは出版社です。ある証券会社は社債に関する本を300部も無断で抜粋、コピーしていました。見本教材を教師が無断でコピーして生徒に使わ例も後を絶ちません。1冊1万円の医学書が複製され、10分の1の値段で売られていた例もあります。
Q 著作権への無知や善意の行為が結果的にアダになっているわけですね。
A 文化庁の著作権審議会第8小委員会は昨年、装丁やレイアウトなどに関する権利を、著作権とは別の「著作隣接権(版面権)」として出版者に認めるべという最終報告をまとめました。しかし、負担増を警戒する経済界の反対もあり、実現してはいません。
[略]
A センターの目的は権利者側が一体となって窓口を作り、集中処理することにあります。著作者から権利委託され、企業や大学などと契約を結びます。コピー利用者は使用料をセンターに支払い、それが著作者に分配されます。
Q 料金の徴収方法は?
A 「コピー1枚につき2円とする個別許諾方式」「コピー機1台につき2000円と従業員1人につき20円を年間契約料とする包括許諾簡易方式」など4 種類のうちから1つを利用者側が選びます。
Q 外国ではどうなのですか?
A 18カ国で集中処理機関が活動中です。最も早く設立されたドイツ(1958年)では大学や図書館を中心にコピー枚数に応じて料金を徴収しています。 フランスでは複写機に税金のような課徴金も掛けています。米国は78年に設立、主に大企業が対象です。
Q うまくいくでしょうか。
A いままで実質タダだったものが有料になるのですから、複写権をPRして契約を増やし、料金徴収対象者の底辺を広げる必要があります。徴収の負担が業や大学ばかりになれば不満が出てくるでしょう。出版物コピーの利用形態の実態調査や徴収料金の分配方法の規約作りなども急務です。
Q CD−ROMなどの電子出版物のコピーも問題では。
A パソコンの急速な普及で市販のソフトを違法コピーするケースも多い。70年の著作権改正以降、録音・録画機器などの発達に伴い、「貸与権」を新設、 データベースを著作物に加えるなど、時代の変化に対応しています、が、技術の進歩が早過ぎて……。
Q 特許や商標なども含めた知的所有権が、経済摩擦とからんで議論されていますが。
A 国際的なルール作りが重要です。コピー機や用紙に金は払うが、その中身には支払わないという考えは通りません。創作物を保護し、その対価を支払うう社会的コンセンサスが必要ですね。
(調査部 汲田和久、鈴木真由美)
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◆『朝日新聞』1992.03.24. サンプリングが芸術を解体する デジタル芸術
デジタル技術が芸術の世界を変革している。
他人の作品から素材をとって再構成する手法である。
これはコピーか、それとも創造か。
(編集部・烏賀陽弘道 写真・太田善博)
キヤノン製のデジタル・カラーコピー。
それが、相内啓司さん(42)の絵筆でありパレットである。
2月に東京で開いた展覧会のテーマは「受胎告知」だった。
救世主イエス・キリストを宿したことを聖母マリアに告げる大天使ガブリエル。宗教史上の大事件の瞬間を描いた、レオナルド・ダ・ビンチの傑作が素材である。
相内さんは、これをサンプリングして新しい命を吹き込んだ。
○「オリジナル」が意味失う時代
制作法はこうだ。
[略]
「オリジナル・コピー・アート」。相内さんは、自分の作品をそんな風刺を込めた名で呼んでいる。
「現代は『オリジナル』が意味を失う時代なのです」
ダ・ビンチの「受胎告知」は広く知られた名画だ。でも、本物の絵(オリジナル)を見た人はほとんどいない。知っているように思っても、じつは本やテレ上の虚像(情報)を知っているにすぎないのだ。
相内さんがコピーアートを始めたのは、まだここ4年ほどのことだ。それまではコピー機の性能が悪く、色などの仕上がりに満足できなかったからだ。
[略]
●自作の引用さえ見つけにくい 技術に追いつかない著作権法
[略]
文化庁著作権課によると、写真を読み込む行為は「複製権」の侵害にあたる。が、その先どこまでが著作権侵害なのか、線引きはまだ不明瞭。判例の積み重、業界の慣例ができあがるのを待つしかない、という。
日本の著作権法は、1970年の施行。コピーが普及する以前の法律であり、サンプリングという新技術にはまったく追いついていないのが現状だ。
まして、CGやサンプラーのように、音や形を完全に変えてしまう高性能の機材の前では、原作者が自分の作品がサンプリングされていることを発見するこら、困難だ。
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◆『朝日新聞』1993.06.27. 業者テスト複写 校内試験で鳥取の中学校 著作権を侵害
文部省が業者テストに中学校が関与することを全面的に禁止したことで、鳥取県内の複数の中学校が、代わりに過去の業者テストをコピーして「自作問題」として使っていたことが二十六日、わかった。著作権の侵害にあたるが、学校側は「急に禁止されて、教師には問題を作る余裕もない」と説明している。
業者テストをコピーしていたのは、米子市立の福米、加茂の両中学校。福米中は五月十日の校内テストで、前年同時期に実施した福武書店(本社・岡山市)のテスト問題を五教科すべてコピーして実施、外部にもれないよう、試験終了後、問題用紙を回収していた。富士原寿和校長は「業者から事前に承諾をとらなかった。 [略]
文部省職業教育課は「業者テストの複製は、明らかに著作権を侵害している。現場の声は理解できるが、従来が異常な状態だったのだから、改めなくてはならない。能力のある人を教員に採用しているはずで、努力をしてもらうしかない」と話している。
問題をコピーされた福武書店社長室は「複製は明らかに著作権侵害。しかし事実を確認していない段階なので、なんとも言えない」としている。
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◆『朝日新聞』1993.12.14. 著作権侵害で県などを訴え 「刊行物に無断引用」 /神奈川
地質学の研究団体として行った調査に基づくデータをもとに、平塚市博物館の学芸員が県や同市の刊行物などに論文を掲載したのは著作権侵害にあたるとして、団体と会員らが、出版物の差し止め・回収や損害賠償を求める裁判を十三日、横浜地裁に起こした。
訴えたのは、大学の研究者や小中高校の教師ら約百九十人でつくる民間の地質学研究団体「関東第四紀研究会」(羽鳥謙三代表)と会員十一人。訴えられているのは、神奈川県と平塚市、研究会の元会員で平塚市博物館の学芸員(四三)など。
訴状によると、この学芸員は一九七六年から八三年まで、同研究会が団体・共同研究として行った平塚市近辺の地質構造などに関する調査に会員として参加。その後、平塚市や県などが発行した本や雑誌計四冊に、自分の名前で同研究会の機関紙を無断引用、未発表データを使ったりした。「会員が論文などを発表 する機会を奪われた」としている。
[以下略]
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◆『朝日新聞』1994.05.10. デジタルブック続々 “加工”できぬ難点
フロッピーディスクで読む本「デジタルブック」が刊行されて半年。百点余のタイトルが出そろった。軽いノリの企画が目立つ中、売れ行きは地味でも、安部公房、筒井康隆氏らの作品集など十三点をそろえた新潮社の文学路線が光る。ディスプレーで小説やエッセーを読む新しい読書スタイルの提示だが、使い勝手の悪さがネックとなっている。
デジタルブックは専用プレーヤーかパソコンで起動して読む。問題は文字データがいわば暗号化され、しかもコピーできないように「プロテクト」がかけられていること。このためテキストファイルとしてワープロ画面に読み込み、必要部分を切り抜いて印刷するなど、本来なら電子テキストの特性と言える自在な加工処理ができない。著作権侵害防止のためとはいえ、電子ブックの可能性が狭められてしまう。
[略]
やはり文学路線を行く米国の電子ブック規格「エキスパンド・ブック」の場合、プロテクトはなく、簡単にコピーできる。それが近々パソコン通信で電話回線を通じて購入できるようになる。購入者が違法コピーをばらまくと、それを別の人が起動するたびに、違法コピーした最初の人のパソコン通信用ID番号が表示される。いわば道義的に自制を求めるわけだ。
新潮社の西村洋三メディア室長は「悩ましい問題です。売り上げ部数が増えれば、コピーする気も起きないほど安くできて、プロテクトの必要はなくなるのだが」と話す。これも新メディア誕生に伴う産みの苦しみなのかも知れない。
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◆『朝日新聞』1995.07.31. コンピューターネットにも「警察」を トラブル対策で学会などが提言
コンピューター網に「ネット警察」を――電子情報通信学会が、こんな提言を盛り込んだ中間報告を今月、まとめた。パソコン通信や、世界的なコンピューターネットであるインターネット利用者の急増を背景に、コンピューター網の悪用対策や、既存の社会制度とどう折り合いをつけるかが重要な検討課題になってきた。パソコン通信の業界団体も、電子社会の新秩序構築に向けて動き始めている。
電子情報通信学会の中間報告は、学会の「マルチメディア・インフラストラクチャ&サービスに関する時限研究会」(研究専門委員長=松下温・慶応大理工学 部教授)が作成した。
コンピューター網を利用した犯罪や著作権侵害などのトラブルに対処するため、ネットワーク警察やネットワーク裁判所、電子公証人の設置を提言。利用者に対するネットワーク上の倫理教育や不正利用を検出する技術の開発でも対応しきれないものについては、新しい種類の警察機構が必要だとしている。
[以下略]
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◆『朝日新聞』1996.03.30. 電子館:4 赤池学(匠の博物館 MONOSEUM)
雑音がなく、何度録音を繰り返しても、そのままの音が再現でき、音質の劣化がほとんど起こらない。デジタル・オーディオ・テープ(DAT)は、こんな文句で世に出された。七年前、知人の音楽プロデュサーに教えられ、FMで放送された江差追分からレゲエまで、様々な音を、このDATで録音、再生して。従来のテープの音と比べると、その音質は格段に向上していた。CDと比べても、そん色はないどころか、ライブ演奏を録音した場合、CDをはるかに超音質と臨場感をDATはもたらしてくれる。
ところが、DATはほとんど売れていない。理由は三つある。ひとつは、非常に優れた音のコピーができることから、CDからのダビングを恐れたレコード業界から著作権侵害の可能性があるとクレームがついたから。 [以下略]
(ジャーナリスト)
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◆『読売新聞』1996.06.03. マルチメディアの著作権を一元管理 文化庁が2000年メドに新法人
◆画像・音声など幅広く
二十一世紀初めには一兆円市場突破が予測されるマルチメディアソフトの著作権保護などを目的に、文化庁は、新たな公益法人「著作権権利情報集中機構 (J―CIS)(仮称)」を、二〇〇〇年をめどに設立することを決めた。画像、音声、データなど幅広い分野にわたる著作権を一元管理するシステムは世界試みで、マルチメディアソフト業界の健全育成に向けての環境整備が期待される。
同庁がこのほどまとめたJ―CISの構想(概要)では、同機構がソフト利用者に提供する著作権情報は大別すると、次の二通り。
まず、音楽など著作権の集中管理が進められている分野については、権利者団体のデータベースとオンラインで接続。さらに、写真など集中管理が未整備の分野は、情報収集したうえで新たなデータベースをJ―CIS内に構築し、各分野の著作権情報を網羅する。
[以下略]
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◆『朝日新聞』1996.07.05. 情報化と知的財産権保護 加藤幹之(論壇)
世界では、四千万人以上の人々がコンピューターと通信が融合したインターネットを通じて国境を越えた通信を享受し、全く新しいビジネス形態やネットワークの利用が可能となってきている。それと同時に、著作権を中心とした知的財産権をどう保護していくかが大きな関心事となっている。ネットワークを取り巻術やその中を流通する情報の知的財産権を十分に守ることは必要だが、半面、保護の範囲を広げ過ぎてネットワークと情報の利用が妨げられてはならない。者と利用者間の利害のバランスを取りながら「情報化社会」が発展し、だれもが利益を受けられることが重要である。
国連専門機関の一つである世界知的所有権機関(WIPO)では現在、著作権に関するベルヌ条約の見直しを審議しており、十二月には新たな条約が結ばれる予定である。今回の改正の柱の一つは、「コンピュータープログラムや創作性のあるデータベースの著作権をいかに保護するか」である。デジタルネットワー時代になるとアナログの場合と異なり、世界中どこからでも高品質のコピーが作れる。このため、違法コピーを防止するための統一的な基本ルールを各国が採用し、取り締まることが特に重要になる。
しかし、WIPOでの審議には、いくつかの懸念事項がある。コンピューターを作動させたり画像をスクリーン上に表示させたりするためには、プログラム号を瞬間的にせよコンピューターに記憶させる必要がある。随時読み出し書き込みメモリー(RAM)にインプットするわけだが、五月の事務レベル会合で連合(EU)は、これが著作物の「複製」に当たると主張した。しかし、この行為が「複製」に当たるとすれば、保守会社がコンピューターの保守のために電 源を入れただけで、著作権の侵害になってしまう。プログラムを自動的にRAMに読み込むからである。また、情報を一般に公開するため告知板のように用いているワールド・ワイド・ウェブをのぞくだけで、著作権侵害になる恐れもある。
[以下略]
(かとう・まさのぶ 富士通ワシントン事務所長、米ニューヨーク州弁護士=投稿)
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◆『読売新聞』1996.07.31. [電子出版の世界]映像の複製、容易に 海賊版横行、侵害される著作権
「ピカソの絵画を複製し、インターネットのホームページに掲載できるでしょうか」。電子社会”での法律上の問題を考えようと、一年前電子機器メーカーの 社員やマスコミ関係者らでスタートした「情報社会と法研究会」主宰の弁護士、木村哲也氏に寄せられた質問の一つだ。
約三十人が参加する研究会の月に一度の勉強会でも、電子社会での著作権問題に関心が集まる。
「マルチメディア時代には、大量の情報が流通し、その複製や加工が容易になるという利点がある。しかし、そこには著作権が簡単に侵害されるという危険ある。オリジナルと同じ精度でコピーできるため、すぐに海賊版がつくれ、原本を少し加工してまったく違ったソフトも作成できる。実際、電子出版で発表イラストが、外国の雑誌に盗用されたケースもあるようです」と、氏は“無法状態”を指摘する
最初の質問に対する法律上の答えは「できない」。ホームページが不特定多数の人に開かれているため、勝手にピカソの作品を掲載することは著作権侵害だ。
[略]
マルチメディアは映像、音声、文字など多彩な情報の複合体。現行の著作権法は複合使用を想定しておらず、現状では著作権の処理が複雑になる一方だ。
「だから、法律の再編が不可欠ですが、その際、著作物の法的保護と、情報の流通という相反する要求のバランスをどのようにとるかが大きな課題です」
マルチメディア時代に、法律の方も追いつくことができるだろうか。
(木村 未来記者)
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◆『朝日新聞』1996.08.28. 著作権侵害防ぐ電子透かし技術、2000年実用化へ 郵政省・NTT
郵政省は一九九七年度からNTTと協力して、インターネット振興策に着手する。インターネット上の著作物の不正利用を防ぐ「電子透かし技術」の開発や 「電子印鑑技術」を使った電子マネーの実験など。インターネットでの買い物や銀行決済に不可欠な「他者から侵入されないための安全の確保」と、大容量の通信をスムーズにさばくための利用環境を整えようとの狙いだ。
[略]
セキュリティーの確保で柱となるのは、インターネット上での著作権侵害を防ぐ「電子透かし技術」の研究開発と、「電子マネー」の実証実験だ。
電子透かし技術の開発は、映像や音楽などホームページの制作物が無断で二次利用されるのを防ぐためだ。画像にあらかじめ制作者を示すマークや文字などり込んでおき、違法に画像が再利用された場合にはこうしたマークがあぶり出される仕組みだ。電子マネーはネットワークで流通させる電子的な通貨で、イーネット上の買い物や支払いに使われる。NTTがこのほど「電子印鑑」による本人確認や不正利用防止のシステムを技術開発したため、実際に使ってみるで実用化につなげる。
装置面では、電話の交換機に当たるインターネットの通信中継装置「ルータ」を改善し、毎秒ギガビット(メガの千倍)の超高速・大容量の情報でも瞬時に処理できるようにする。現在はメガビット級の中継処理能力しかなく、動画などを多数の利用者に同時に瞬時に送るといった需要には応じられない。
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◆『読売新聞』1996.11.27. 著作権守る「電子すかし」 加工不能、検出も困難 見えない“防犯カメラ
CD―ROMに納まった映像などのマルチメディア作品を、不正コピーによる著作権侵害から守るため、作者名など目印になるデータを、画像中にこっそり込ませておく「電子すかし」技術が、注目されている。画像データを圧縮したり、切り取ったり、加工しても、「すかし」は消えないし、検出も難しい。不海賊版作りの“抑止力”になりそうだ
[略]
最近発売された米アドビシステムズ社の画像編集ソフトの最新版は、電子すかしを入れられる機能付きになった。日本語版は十二月発売の予定。本物と同じーが簡単に作れるマルチメディアの世界で、「電子すかし」技術は今後、著作権保護の「黒子(くろこ)」役を発揮しそうだ。(高野 義雄)
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◆『朝日新聞』1997.04.23. 著作権めぐり訴訟 世界の電子ニュースを広告付きで無断提供 米国
インターネットのホームページにほかのメディアのニュースを黙って取り込み、自社の商標と広告を付けて流しているサービスをめぐり、米国で著作権侵害とする訴訟が起きている。いわば電子的に他社の記事を切り張りして流しているようなもの。取り込まれた中には日本のメディアも含まれる。日本の著作権予想していない技術によるもので、わが国で問題になってもただちに違法とはいえず、専門家も当惑気味だ。(調査研究室・松浦康彦)
訴えたのはワシントン・ポスト、タイム、CNN、タイムミラー、ダウジョーンズ、ロイターというインターネットでニュースを提供している米国の代表的聞、雑誌、テレビ、通信社六社。訴えられたのは、アリゾナ州フェニックスに本社を置くトータルニュース社という従業員数人の情報サービス会社だ。
トータルニュース社の画面は、左側にL字形の枠が設けられている。枠の縦にはCNNやUSAトゥデイなどのボタンが十個並び、下側には横長の広告、左下 隅にはトータルニュース社の商標が配されている。これらのボタンをクリックすると、目指す新聞や雑誌の画面が枠内に取り込まれる。
一方、画面中央には羅針盤形のデザインで政治、スポーツ、天気、娯楽、ビジネス、国際、国内などに分けられた目次がある。ここからも千二百に及ぶ世界の新聞、雑誌、放送会社が提供するニュースを呼び込める。
日本のメディアでは朝日、読売、毎日、日経、産経、共同通信、ジャパンタイムズなど十三社の情報サービスが呼び込めるようになっている。
[略]
ワシントン・ポストなど六社は、「著名な新聞、雑誌、テレビ、ラジオ会社が集めたニュースや番組素材を盗用し、それにただ乗りして広告収入を得るとい賊行為にほかならない」として、著作権侵害、登録商標侵害、不実表示、虚偽広告違反などで二月二十日、ニューヨーク市マンハッタン地区にある連邦地裁訴した。
これに対してトータルニュース社側は、「メディア各社のインターネット情報にリンクするというサービスを提供しているに過ぎず、内容の改変、加筆などは一切していない。各社はかえって読者が増えているはず。大手メディアは、競合関係にあるインターネットの発展を意図的にコントロールしようとしている」と反論している。
またワシントン・ポストは紙面で、「トータルニュース社は種もまかないで収穫だけしているインターネットの寄生虫」と、糾弾した。これに対して著名ジャーナリストが「世界各地の新聞へのリンク情報サイトとしては、最もよく整理されたものだ。こうした訴訟は、インターネット上での自由な情報流通をおかす」と受けて立つなど、法廷外でも論争が展開されている。
○著作権法で対応困難 「規制は慎重に」との声も 日本
[略] 知的財産権問題を手掛ける弁護士らも、「著作権法の複製権侵害とか送信権の侵害だとするには無理がある」という。
通常のリンク張りと違って、「他人の著作物によって広告料を得ている以上、不正競争防止法などで争えないことはないのでは」などという見方もあるが、りと当てはまる条項や判例は見あたらない。朝日新聞のインターネット情報サービス「アサヒ・コム」を運営する電子電波メディア局は、「勝手に借り物をネスに使うのはやはり納得がいかない。米国での訴訟の行方を見守りたい」としている。
著作権法学者らは、インターネット上での自由な情報の流通を保つ観点から、新たな規制には慎重だ。関西大学の名和小太郎教授は「たとえ法改正が可能とも反対です。学術情報は引用の連鎖でできている。インターネット環境でさらに発展していく可能性を阻みかねない」と話す。
岡本薫・文化庁国際著作権室長は、「リンク行為は現行法では著作権侵害にはならないと考えられる。インターネット上で情報を公開する人は、基本的にそ報を知ってほしいわけだから、営利目的による利用を防止したいのであれば、そうした行為を禁止する旨を常に表示しておくことをお勧めします」という。
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◆『読売新聞』1997.12.17. 読売など5社が米ニュース社に抗議 「ネット上の著作権侵害」
読売新聞社と朝日、毎日、日経、産経の五社は十五日(米国東部時間)、米国のトータルニュース社に対し、インターネット上での不正行為の中止を求める連名の抗議文書を、ニューヨークの弁護士事務所を通じて送付した。ト社のホームページは、世界各国ニュースサイトへのリンクを売り物にし、広告を集めてい、一切承諾を得ずに行われている。このため五社は、著作権、商標権など新聞社の権利を侵害しているだけでなく、不当表示や不正競争にも当たるとして、今月二十九日までの回答によっては、提訴も検討する。
[略]
特に問題にしているのは、ト社が、自社のロゴや広告などの入ったフレームの中に各社のニュース画面を取り込むという手法を採用している点。これによっ社の意図とは違った表示の仕方でニュースなどが流されたり、発信元も不明確になっているとしている。
また、ト社はニュース画面を利用して広告を集めているが、これが五社の信用を低下させているほか、コンテンツを作る努力をせずに広告を集めているこ、広告の不正取得にも当たると指摘した。
[以下略]
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◆『読売新聞』1998.02.03. [テクノ・センサー]ネット上の著作権侵害考えよう 5日に東京・品川でシンポ
パソコン通信やインターネットの普及に伴って増えつつある著作権侵害の問題を利用者が自ら考えようと、社団法人「コンピュータソフトウェア著作権協会」 は5日、東京・品川の新高輪プリンスホテルで、「ネットワーカーのための著作権シンポジウム」(通産省など後援)を開催する。
デジタルデータは、完全な複製を容易に作れるだけに、著作権の侵害が発生しやすい。また、最近はホームページで情報を発信する個人が増え、他人の著作物の無断引用も多い。新聞記事もホームページに無断で引用されるケースが相次ぎ、日本新聞協会ではネットワーク上の著作権についての考え方をまとめ、ホーージ(http://www.pressnet.or.jp/)で公表するなど、著作権問題がクローズアップされてきた。
[以下略]
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◆『朝日新聞』1998.05.11. デジタル放送で海賊版 岐阜の容疑者逮捕 島根県警 【名古屋】
島根県警生活保安課は十一日、通信衛星(CS)による有料デジタル放送の音楽をミニディスク(MD)やカセットテープに不正に複製、インターネットの電子メールで募集した客に販売したとして、岐阜市日野東六丁目、会社員***容疑者(四六)を著作権法違反の疑いで逮捕した。デジタル放送をデジタル方MDで録音すると音質の劣化がほとんどない特性を利用した手口で、摘発は全国で初めてという。
[以下略]
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◆『朝日新聞』1998.05.16. インターネットで日本の漫画、世界を駆ける
自動車やハイテク製品と並んで、日本のアニメや漫画は世界に知られるようになりました。でも、その割には海外で、日本の大手漫画出版社が版権ビジネスを積極的に展開しているとはいえない状況のようです。そうしたなかで、発表の機会を世界に求める漫画家たちが、インターネットを使って、独自に作品を発表めました。ネットは、日本の漫画が本格的な国際産業となるきっかけになるのでしうか。(加藤祐子)
[略]
○著作権が頭痛のタネ
[略]
インターネット上の著作権問題に詳しい弁護士の内田晴康さんは「著作権者が損害賠償を請求できるケースがほとんどですが、訴訟にもちこんだところで、認定される賠償額が訴訟費用に見合わず、割に合わないとみなされる場合が多い。また作家本人が多数のホームページをチェックして回るのも無理でしょう。本、出版社や著作権代理人などが、責任をもって対応すべきなのでは」と話す。
漫画家、内田春菊さんのホームページには、本の表紙以外、作品の画像は一切載っていない。マネジャーの大久保忠淳さんは「内田の絵が見たい人は、本を買ってください」と笑う。「著作権侵害を招くような状況を、自ら進んでつくることはない」ともいう。
一方で、一般のファンにダウンロードされるのは覚悟の上だという漫画家もいる。が、それ以前に「漫画の著作権について、出版社はあいまいな認識しか持いない。ホームページよりもまず、パロディーの商業出版が書店に並んでいるのを野放しにしているのは明らかに問題」(井上雄彦さん)と注文をつける声い。
○海外出版、まだ途上 アニメは世界で人気
[略]
「少年マガジン」などの自社雑誌の現地版を出版するなど、海外でのビジネスにも積極的だ。
「米国や中南米など、市場開拓の余地はまだまだある」と、同社国際室の阿久津勝次長。しかし同時に「信頼できる出版社探しから始まって契約の手続きや、翻訳・印刷の仕上がりのチェックなど、仕事の量があまりに多い」という悩みもある。大手でも「海外の出版社から依頼があったら対応するが、こちらから仕るつもりはない」という出版社もある。
アニメや漫画などのソフトへの需要は「多チャンネル時代を迎えて国際的に高まる」(通産省新映像産業室)。その時代にインターネットは、出版社と作家う従来の枠組みを超えて、日本の漫画が世界を駆けめぐる芽の一つかもしれない。
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◆『読売新聞』1998.08.03. [マルチ読書インターネット]青の会議室 「市民力としての…」牧野二郎著
◆CD並み音質で人気
インターネット上で、市販のCD(コンパクトディスク)などの音楽データを無断で配信する〈違法サイト〉が急増、日本音楽著作権協会(JASRAC、小野清子理事長)などの音楽関係六団体は十日までに、「著作権の侵害」として、約四十のホームページ開設者に対し、配信中止を求める「警告メール」を送。悪質な開設者については今後、損害賠償請求などの法的措置も辞さないとしている。インターネットを使った毒劇物販売やねずみ講などの事件が相次ぐ中、電脳世界の問題点がまた一つ浮き彫りになった。
音楽著作権を一括管理しているJASRACによると、一九九七年夏ごろからパソコンで音楽CDやヒット曲を無料で取り込めるようにした個人開設のホーージが増加。音楽データは、サイズが約十分の一に圧縮されており、ダウンロード(自分のパソコンに取り込む)の際に転送時間が大幅に短縮されるうえ、音声品質が通常のCD並みに保たれていることから、利用者の人気を集めている。
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ほとんどは営利目的ではないとみられるが、JASRACや日本レコード協会などは昨年十月から、「著作権者らの許諾を得ていないインターネットでの音楽配信は違法」として、 プロバイダーに違法なホームページを開設させないよう要請。
開設者には▽音楽データの配信中止▽ホームページへの謝罪文の掲載――を求める電子メールを送信。従わない場合には、著作権料などの損害賠償を求める民事訴訟の提訴や著作権法違反容疑での刑事告発に踏み切ると通告した。
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また、JASRACなどが法的手続きを取るにしても、プロバイダーが通信の秘密やプライバシーの保護を理由に、開設者を特定する住所や氏名などの情報を 開示しないことも予想され、インターネットの匿名性が違法サイトの乱立に拍車をかける状態になっているという。
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◆法整備追いつかず
著作権問題に詳しい阿部浩二・岡山商大教授(無体財産法)の話「だれでもが自由に音楽データをパソコンに取り込むような事態になるとは、これまで予想なかった。インターネット上での著作権などの法整備がメディアの急速な進歩に追い付いていない現状を表している。音楽については利用者の側も著作権がことを忘れがちだが、結局は他人の知的財産を侵害しないという意識を様々な機会に育てていくしかない」
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◆『朝日新聞』1999.05.26. ネットで人気曲無断配信、警察庁が摘発方針 MP3でコピー
インターネット上で宇多田ヒカルやB’zなど人気アーティストのヒット曲をCDに近い音質のまま、無断複製して流す違法なホームページが急増している、警察庁は、著作権法違反の疑いがある悪質なケースについては権利者に告訴するよう働きかけるとともに、各都道府県警にも摘発強化の指示を出した。違法行為が急増している背景には、CDなどのデジタル音声を約十分の一に圧縮できる「MP3」という技術の普及がある。この技術は公開されているため、だれ「海賊版の生産者」になりうる。インターネット利用者は国内だけでも一千四百万人を超え、放置すれ著作権侵害の程度は計り知れず、日本音楽著作権協会(JASRAC)などは、違法ホームページの開設者への警告を強めている。(30面に関係記事)
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世界知的所有権機関(WIPO)は一九九六年、著作権者と著作隣接権者(レコード製作者や実演家)にインターネットなどで著作物を送信できるようにす利として「送信可能化権」を与えることを採択。これを受けて国内でも昨年一月、改正著作権法が施行された。この改正によって、著作権者に無断で音楽ームページに載せる行為は、著作権などの侵害になることが明記された。違反すれば三年以下の懲役か三百万円以下の罰金が科せられる。
また、ホームページに音楽を無断で転載する行為は、(1)複製権、録音権の侵害(2)公衆送信権の侵害にもあたるとされる。
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◆『朝日新聞』1999.05.26. MP3、音楽業界に危機感 ルール作り模索の動き
インターネットにつなぐことができるパソコンさえあれば、好きなアーティストの新曲をただ同然で自分のパソコンに取り込むことができ、音楽CDに近い音質で楽しむことができる――。「MP3」という新技術の普及に今、音楽業界は「音楽産業の発展が危ぶまれる事態だ」と強い危機感を抱いている。デジタータを複製、加工してネット上でやりとりする技術は、「一年がかつての七年に匹敵する」ともいわれる日進月歩の世界だ。デジタル化社会に対応した法のとともに、関係者は「違法なホームページからデータを取得すること自体が、著作権侵害を助長することになるということを、パソコンユーザーや音楽ファン一人ひとりが認識して欲しい」と訴えている。(1面参照)
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インターネットでの音楽配信に関心を持つ企業団体が集まって一九九七年八月に設立した「ネットワーク音楽著作権連絡協議会」(NMRC)は、違法なページを取り締まるだけでなく、合法的なMP3の利用を進めるためのルールづくりをJASRACに求めてきた。
一方、今国会に著作権法改正案が提出された。音楽CDやビデオソフトの海賊版流通防止のため、ビデオソフトなどの技術的保護手段(コピープロテクト)を 解除する装置などの製造や販売を禁止し、違反者に一年以下の懲役または百万円以下の罰金を科すことなどを柱にしている。
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◆『読売新聞』1999.05.27. 人気歌手のCDを「MP3」使いネットに流す 著作権侵害容疑、18歳摘発
人気歌手らのCDを「MP3」と呼ばれる音声デジタル信号の圧縮技術を使ってインターネットに流していたとして、愛知県警生活経済課などは二十七日ま、札幌市に住む会社員の少年(18)の自宅を著作権法違反(公衆送信権の侵害)容疑で家宅捜索、パソコン二台や音楽CD十数枚などを押収した。同課での少年を近く同容疑で書類送検する。「MP3」を使った著作権侵害事件の摘発は全国初という。
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◆『読売新聞』1999.08.18. 年内に「音楽ネット」有料配信へ パソコン使って、自宅で曲を買う時代
インターネットが音楽の新しい流通形態として注目を集めている。デジタル技術の発展で、家庭のパソコンを使って、聴きたい音楽をインターネットから取り 込み、録音することが可能になったためだ。ソニー・ミュージックエンタテインメントなど大手レコード会社は、年内に人気アーティストの曲の有料配信を始方針だ。コンピューター業界なども音楽配信ビジネスを新たな収益源にしようとしている。(経済部 小山守生)
◆音楽データを高音質で圧縮
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◆「CD売れぬ」最初は反対も
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◆不法な配信が促進の引き金
ところが、不法行為の横行が、逆に、正規の販売を促進する切っ掛けになった。昨年から、悪質なマニアらが、ヒット曲を著作権者に無許可でネットに流す不 法行為が目立ち始め、こうしたホームページが高い人気を集めたため、危機感を抱いたアメリカの音楽業界の呼び掛けで、今年二月、合法的な配信事業の枠組考える国際業界団体「SDMI」(主導的デジタル音楽保護活動、本部・ワシントン)が発足した。
レコード会社や家電メーカーなど約百五十社が協議を重ねた結果、今年七月に不正コピー防止の技術仕様がまとまり、音楽データを暗号化するなどの仕掛けって、著作権侵害を防ぐことになった。
◆1曲数百円でサービス開始
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◇ビジネスチャンスと今後の課題
◆「電機・ハイテク」も“参戦”
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◆高い通信料金がネックに
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◆『読売新聞』1999.09.07. 桃学大経済学部開設のホームページ騒動 法大研究所作成のデータベース無断流用
◆学部長が引責辞任
桃山学院大学(大阪府和泉市)の経済学部教授(52)が、学部長を務めていた間、インターネット上に開設した同学部ホームページ(HP)=写真=に、大学大原社会問題研究所(東京都町田市)の文献データベースを無断流用していたことが七日、明らかになった。教授は今年七月、その責任をとって学部長を辞任していた。インターネットでは、公開された情報を引き出して簡単にコピーできるが、情報の集積であるデータベースについては通常の著作権が適用されどうか明確になっておらず、専門家は「法による何らかの規制が必要ではないか」と指摘している。
関係者によると、この教授は一九九八年に学部長に就任したが、その前年の七月、同学部の公式ホームページ内に、自分を〈著作権者〉とする「経済学文献データ検索」を設けた。文献の著者名やタイトル、日付などが検索できる内容で、開設時のデータは二万数千件だったが、今年初めまでに約五万件に達した。
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流用した件数について、教授は「覚えていない」とし、「データベース全体は著作権保護の対象だが、名前やタイトルなど個々のデータに著作権はないと考。ただ、データを無断でコピーしたのは配慮が十分でなかった」と話している。
桃山学院大の芝村篤樹・経済学部長代理は「研究者の便宜を図る目的であっても、データの無断流用は問題だ。今後の教訓にしたい」と話し、同研究所は「ネット上の問題は、ネット上で対応しており、それ以上は説明できない」としている。
社団法人・コンピュータソフトウェア著作権協会の話「データそのものの流用がただちに著作権侵害にあたるとは言えないが、データベース作成に労力を投人が保護されなくてよいのかという議論もある。今回のケースは、今後の法制化を考える上で参考になる」
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◆『読売新聞』1999.11.12. 音楽のネット配信ビジネス 参入続々、競争激化へ 不正コピー防止策決定で
インターネットによる音楽配信ビジネスが、日本で年末から来春にかけていよいよ本格化する。すでに一部ベンチャーが有料配信を始めているほか、年末には音楽業界最大手のソニー・ミュージックエンタテインメント(東京・新宿)も参入。さらにソフトバンクも新会社を設立、来夏からサービスを始める。これらきは不正コピー防止の技術仕様を盛り込んだ新たな標準規格が固まったことから加速必至。国内家電メーカーもこの規格に合わせ新製品の開発を急いでおり、音楽市場はソフト、ハード両面でのシェア争いが展開されそうだ。(愛敬珠樹)
「十月中のアクセス数は九月より倍増し、六百万件に達した。特にロック調の『君が代』で話題になった忌野清志郎やジョー山中などの人気はかなりのも。ネット発のヒット曲を少しでも早く誕生させたい」
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◎ 独自規格のプレーヤー発売も ◎
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この規格に基づき各家電メーカーも、対応ソフトや携帯型プレーヤーの開発を急いでいるが、規格は複数の圧縮技術やコピーガード技術を認めているため、技術を採用するかが焦点になる。
ソニーは他社に先駆けて来月、独自の圧縮規格「アトラック3」を使用した携帯型プレーヤー、「メモリースティックウォークマン」を発売するが、これって標準規格をめぐる争いも激しさを増しそうだ。
◎ どの技術を採用するかが焦点 ◎
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◆『読売新聞』1999.12.03. 著作権審報告案の要旨
著作権審議会がまとめた報告案の主な内容は次の通り。(本文記事3面)
1権利の執行・罰則
(1)文書提出命令の拡充
著作権侵害事件で、侵害行為の立証のため必要であれば、営業秘密等が記載されている文書でも裁判所への提出を義務付ける。
(2)計算鑑定人制度の導入(略)
(3)具体的事情を考慮した使用料相当額の認定
損害賠償額は、侵害者が著作権料と同額を賠償すればよい現状を改め、具体的事情を考慮した「相当」の使用料を認定する。
(4)弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づいた相当な損害額の認定(略)
(5)法人重課の導入
法人等業務主に対する罰金の上限額を、行為者に対する罰金の上限額(三百万円)より高くする。
2障害者の著作物利用にかかわる権利制限規定の見直しについて
(1)視覚障害者関係
点字データのコンピューターへの蓄積、ネットワークを通じた点字データの提供を自由に認める。
(2)聴覚障害者関係
放送の音声内容を字幕化する「リアルタイム字幕」は自由化が適当。
3保護期間の延長等
(1)保護期間の延長について
プログラムやデータベースの著作物等は社会全体の技術発展の観点から長期間の保護になじまない。
(2)写真の著作物の保護の復活について(略)
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◆『朝日新聞』1999.12.10. ソフト違法コピーの罰金、最高1億円も 文化庁が著作権法強化方針
横行している海賊ビデオやパソコンソフトの違法コピーなどを防ぐため、文化庁の著作権審議会は九日、著作権侵害の罪に問われた法人に対する罰金を、現行の最高三百万円から一億円程度にまで引き上げるべきだとする報告書をまとめた。企業内で、市販のパソコンソフトを大量に違法コピーし、業務で使っているがあるとされるが、今後は、こうした行為も億単位の罰金で責任が追及されることになる。
同審議会はまた、障害者が活字や映像に触れる機会を広げられるよう、新聞・雑誌などを点字翻訳したり、テレビ番組のセリフを字幕化したりしたデータをターネットで配信することを無償で認めることも打ち出した。
これを受けて文化庁は、二〇〇一年一月からの実施を目指し、次の通常国会に著作権法などの改正案を提出する。
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著作権審議会の報告書は、障害者に配慮し、(1)活字メディアについて、文章をパソコンソフトで点字データに変換し、インターネットを通じて視覚障害者 に配信することを無償で認める(2)テレビ番組について、あらかじめ政令で指定した機関に限って、音声を文字にし、インターネットで聴覚障害をもつ人に配信することを無償で認める――の二点を提言した。「障害をもつ人たちの暮らしを支援するためには、著作者の権利を部分的に制限することも認められる」と考えからだ。
実現すれば、配信されたデータを点字プリンターで印字すれば、自宅にいながらにして色々な新聞や雑誌、書籍などを読めるようになる。
音声を文字化したものの配信は地上波、衛星放送、ケーブルテレビのすべてについて認める方針で、受信者は、テレビ画面とパソコンの画面を並べて見れば、番組の内容を理解しやすくなる。
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UP:20070929 REV:20231126,27,28
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