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死刑関連ニュース(2007) 



*以下、作成中のファイルです。


◆韓国政府、元財閥会長らの特赦決定 死刑囚6人も減刑
2007.12.31 20:53 産経ニュース
 韓国政府は31日の閣議で、巨額粉飾決算事件で懲役刑などが確定した元財閥、大宇グループの金宇中元会長ら計75人の特別赦免や復権を決めた。経済人や 元政府高官のほか、死刑囚6人の無期懲役への減刑も含まれ、1月1日に実施する。
 盧武鉉大統領の任期中、最後の特赦。韓国では金大中政権以来、死刑執行が中断されているが、現政権下での死刑囚への特別減刑は初めて。
 青瓦台(大統領官邸)報道官は、金元会長ら経済人の赦免について、1997年の通貨危機から10年の節目を迎えたことを指摘、「国家発展に参与する機会 を与える」と説明した。
 一方、野党ハンナラ党は盧大統領の元側近らも対象となったことを「赦免権の乱用」と非難した。(共同)


◆フセイン元大統領処刑から1年、イラクで消えぬ宗派対立
 【カイロ=宮明敬】イラクのフセイン元大統領が判決確定後わずか4日で絞首刑に処せられてから、30日で1年が過ぎた。
 死刑執行人がイスラム教スンニ派の元大統領をののしり、シーア派指導者を礼賛する映像がネットで流され、死刑は宗派対立をさらにあおる結果になったが、 シーア派主導のマリキ政権は1年後の今も、その傷を癒やし、国民和解を実現する政治的措置を講じられないでいる。
 テロと宗派対立に揺れる「フセイン後のイラク」で、国民和解を進める施策として注目された「非バース化」緩和法案は今年11月、国民議会に提出された が、成立の見通しは立っていない。フセイン政権を担ったために公職追放された旧バース党員(スンニ派が主流)を、再び公職に復帰させる法案だが、シーア派 強硬派指導者ムクタダ・サドル師の影響下にある議員らが強く反発しているからだ。
 仮に成立しても、国民和解の特効薬になるかどうかも不透明だ。過去の経歴を隠して生活する旧バース党員は本紙バグダッド通信員に、「宗派間の憎悪が消え ない中で、(公務員になるために)名乗り出るのは自殺行為に等しい」と語った。
 産油都市が南部と北部に集中するイラクで、石油収入の公平な分配を目指す石油法案も、宙に浮いたままになっている。今年2月に閣議で了承されたが、外国 企業との採掘契約締結を単独で進めるクルド自治政府などとの利害対立が続いているからだ。北部産油都市キルクークのクルド自治区編入の是非を問う住民投票 も、憲法が定めた年内実施ができず、半年延期された。
 ブッシュ米政権がイラク民主化進展の一里塚として期待した地方選挙の制度整備と実施も実現していない。マリキ首相は今年7月、年末までに実施すると表明 したが、空手形に終わった。
 イラク治安部隊は30日、フセイン元大統領が眠る故郷のオウジャ村や支持者が今も多い近郊のティクリートで、騒乱にそなえて厳戒態勢をとった。大きな混 乱はなかったが、ティクリートでは、家の外壁にペンキで書かれたばかりのスローガンが目についたという。「我々はフセイン大統領の仇(かたき)をとる」
 スンニ派が多いバグダッドのアザミヤ地区でも、元大統領のポスターが何枚かはられた。イラクは宗派間の怨念(おんねん)をそのままに、国民和解のための 政治課題を積み残したまま、2008年を迎える。
(2007年12月30日21時23分 読売新聞)


◆韓国が「死刑廃止国」に 中断10年で人権団体認定
2007.12.30 19:21 産経ニュース
30日、ソウルの国会議事堂前で開かれた死刑執行停止10年を記念する式典(共同)
 1997年を最後に死刑を行っていない韓国が30日、執行中断10年を迎え、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(本部ロンドン)が定める 「事実上の死刑廃止国」になった。死刑廃止を求める宗教者や市民団体は国会前で記念式典を開き、李明博・次期政権が死刑制度自体を廃止するよう求めた。
 韓国では97年12月30日に金泳三政権が23人の死刑を執行したが、翌年大統領に就任した金大中氏は、自身が民主化運動の中で死刑宣告を受けた経験と カトリック信者としての信念から死刑を許さず、盧武鉉政権も執行中断を続けた。
 式典には75年に政権転覆容疑が当局にでっち上げられた「人民革命党事件」で処刑され、今年再審で無罪が確定した民主化運動家の妻、李英嬌さん(70) も参加。「名誉が回復されても夫は戻らない。二度と繰り返さないために死刑制度はなくしてほしい」と訴えた。
 韓国国会では過去に2回、死刑廃止法案が廃案になり、2004年に新たに法案が提出されたが審議は進まず廃案になる見通しが強まっている。李明博氏は犯 罪予防のため死刑制度維持は必要との見解を表明している。
 式典で参加者らは、韓国が「人権先進国」になったと宣言、現在64人の確定死刑囚の助命を求め同じ数のハトを放った。廃止運動に取り組む李相赫弁護士は 「10年の執行中断が実現した以上、次期政権の執行再開は難しくなったが、完全な廃止のため法整備の努力が必要だ」と話した。(共同)


◆’07記者メモ帳から:「死」の重さ 向き合う姿勢感じられぬ /秋田
 「あなたの言う『死にたい』は軽いんじゃないか」と検察官が迫る。母は「現実から逃げている」と嘆き、弟は「楽な道を選んでいるとしか思えない」と責め る。しかし彼女は最後も結局、「死」という言葉を口にした。「死刑に処される方がいい」。静まる法廷でむなしさを感じた。
 藤里町の連続児童殺害事件で、殺人罪などに問われた畠山鈴香被告(34)の秋田地裁公判は21日、証拠調べを終えた。傍聴席から見る被告は振る舞いがど こか人ごとで、口にする「死」に重みが感じられない。留置場で自殺を試みたと遺族あての手紙に書き、法廷では、それを疑う検察官に「本気で何度も自殺しよ うとした」とむきになって反論。揚げ句は「死刑にしてほしい」。悩み、反省したことを示したいのだろうが、「死」を軽々に口にする姿から、長女彩香ちゃん (当時9歳)と米山豪憲君(当時7歳)の死をも軽くみている印象を受けた。
 「簡単に死刑になって、それで終わっていいのかなとも思う」とも述べた畠山被告。自分の命が裁きの天秤(てんびん)にかけられているのに、死刑を「簡 単」と表現した被告が、子供2人の死の意味を自分に問いかけているとは思えない。
 豪憲君の父米山勝弘さん(41)は証言台で、被告が日記に「今すぐ家族の元に帰れなければ死を選ぶ」と書いたことに触れ、「彼女の言う死はその程度。死 刑でも決して足りるものではない」と怒りに声を震わせた。かけがえない息子を失った米山さんの言う「死」は重い。
 傍聴席で打ちひしがれながら姉を見つめ、証言台では「人殺しの家族と周りに言われる。自分と同じ思いをさせたくないから、結婚はしない」と述べた弟の言 葉にもまた、違う重みがあった。「下された刑以上に罪を償ってほしい。たとえ死刑だとしても」
 判決は3月19日。我が身に「死」が突きつけられるまでその重さに気付けないのだとしたら、悲しい。【百武信幸】=おわり
毎日新聞 2007年12月30日


◆岩手この1年:/中 事件・事故 /岩手
 ◆勝訴の男性、判決前自殺
 ◇42年ぶりの死刑判決と強殺事件の発生
 洋野町で06年、母娘2人を殺害し現金を盗んだ青森県の男に4月、盛岡地裁で42年ぶりの死刑判決。6月には一関市東山町の寺で強盗殺人事件が発生。同 町内の女が逮捕、同罪で起訴された。
 ◇遺族の願い、無念
 学生無年金障害者訴訟控訴審で仙台高裁は2月26日、国に支払いを命令。勝訴の男性は県内の川で遺体で見つかった。判決前に自殺したとみられる。
 また仙台高裁は翌27日、パトカー追跡巻き添え死訴訟で、警察官による事故結果の予見可能性と救護義務違反は認めたが、立証が不十分として損害賠償請求 を退けた。
 ◇無理心中相次ぐ
 花巻市の女が1月、息子2人を刃物で刺して殺害。8月にも一関市大東町の男が将来を悲観し妻と弟、母を殺害。ガス自殺した。
 ◇男児、行方不明に
 盛岡市の北上川近くで県立みたけ養護学校小学部の滝村隆規君(当時7歳)が行方不明に。両親、学校関係者、県警が捜索するが現在も見つからず。
 ◇記録的な暖冬
 盛岡は、観測史上初めて前年12月から3カ月間真冬日がなかった。雪不足でスキー場は開店休場状態に。【山口圭一】
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 1・14 花巻市内のアパートで兄弟の男児2人が殺害される。8日後、無理心中を図ったとしてパートの母親を殺人容疑で逮捕
 2・ 5 盛岡市前九年の北上川近くで雪遊びをしていた県立みたけ養護学校小学部の滝村隆規君(当時7歳)が行方不明に
 2・15 八幡平市の東北道弘前線田山トンネル付近で吹雪による視界不良で、大型トラックとトラック、乗用車など計8台が絡む玉突き事故が発生
 2・26 学生時代に統合失調症と診断された県内男性が、国民年金の未加入を理由に年金を受けられないのは違憲だとして支給を求めた控訴審で、仙台高裁 は盛岡地裁の判決を支持、国に支払いを命じた。国が上告した
 2・27 盛岡市の国道交差点で94年、パトカー追跡の車に追突され男女が死亡した事故で、仙台高裁は警察官の事故結果の予見可能性や救護義務違反を認 めたが、立証が不十分として損害賠償請求を退けた。遺族側が控訴した
 2・28 エルニーニョ現象の影響で記録的暖冬。盛岡では、1924年の観測開始以来初めて前年12月から3カ月続けて真冬日がなかった
 4・24 洋野町の母娘2人を殺害、現金などを盗んだとして強盗殺人罪などに問われた青森県八戸市の男に盛岡地裁が求刑通り死刑判決。同地裁での死刑判 決は42年ぶり。男は量刑不当として控訴
 5・ 2 岩手山に入山した岡山県玉野市の夫婦が行方不明に。凍死した2人は山頂付近で見つかる
 6・ 4 認知症だった盛岡市の女性(当時85歳)の預金口座から預金を引き出し、だまし取ったとして準詐欺と窃盗の罪に問われた花巻市の元ホームヘル パーの女に対し、盛岡地裁は懲役7年の判決。女は事実誤認として控訴
 6・ 5 雫石町議選に絡み、有権者に現金を渡した同町議を公選法違反容疑で逮捕。7月までに同法違反の罪で町内の有権者42人が書類送検され、元町議 ら8人が起訴された
 6・14 一関市東山町田河津の遠応寺で、住職の鈴木秀良さん(59)と母ウメ子さん(81)が腹部などを刺され、遺体で発見された。県警は物色した跡 があったことなどから強盗殺人事件とみて捜査。12月5日、同容疑で同市東山町長坂の女(45)を逮捕。同26日に同罪で起訴
 7・17 花巻市で8月、兄の農業男性宅に放火し、家族4人にけがを負わせたとして、現住建造物等放火と殺人未遂などの罪に問われた同市の弟に盛岡地裁 が懲役16年の判決
 7・27 北上市の和賀中央農協(当時)の不正融資問題に絡み、農協が元組合長と元理事に損害賠償を求めた訴訟で、盛岡地裁は「担保を過大評価し不適切 だった」として計約8億4680万円を支払うよう命じる
 8・29 一関市大東町で大工の男性(56)宅で男性とフィリピン人の妻(41)、弟(47)、母(78)の4人の遺体が見つかる。男性の無理心中とみ て11月に殺人容疑で書類送検。12月26日に被疑者死亡のため不起訴
 9・17 秋雨前線の影響で北東北で20日まで記録的大雨。北上川沿岸で床上浸水など相次ぐ。同じ月の台風9号と合わせ、被害は計約122億円に
 9・27 大槌町発注の土木工事の指名競争入札で、談合したとして同町内の土木業者2人を逮捕。町内にある他の全12業者も談合容疑で書類送検。町が町 内全業者を指名停止とする事態に
11・20 同居の男性(23)を殴るけるなどして死亡させたとして、花巻市の大学生ら2人を傷害致死容疑で逮捕
11・30 東北大医学部などに総額2900万円を返還させる請求をするよう釜石市に求めた市民病院寄付金返還訴訟で、盛岡地裁は住民請求を棄却
毎日新聞 2007年12月30日


◆福岡・今年の重大ニュース:政治経済 北九州市長に北橋氏/博多井筒屋が閉店 /福岡
 ◇北九州市長に北橋氏
 「事件」では1位の得票率が74%だったのに対し、今回の「政治・経済」では1位でも26%と、得票率の低さが目立つ。参院選での自民惨敗や安倍前首相 退陣、福田新内閣発足など国政は激動の1年だったが、県内では参院選が事実上の無風区だったことなどの事情からか、政治や経済のニュースは強いインパクト に欠けたようだ。
 その中で、5期20年で引退した末吉興一・前北九州市長の後を受け、民主党衆院議員だった北橋健治氏の同市長初当選が1位に推された。それまでの自民と 民主の相乗り構図が崩れ、国政と同じく「自民・公明」対「民主・社民」の激しい選挙戦となったことが関心を集めたとみられる。市長選の投票率も過去最低 だった前回(38・32%)を大幅に上回る56・57%だった。
 民主は統一地方選での躍進が5位にランクされたほか、参院選で公認候補の岩本司氏が福岡選挙区で100万票を超えてトップ当選したニュースも次点(11 位)となっており、全体的な得票率が低調な中でも、国政と同じような傾向を示した。
 一方、自民の話題はやはり地元選出議員の言動。麻生太郎氏の総裁選での善戦のほか、8月に安倍改造内閣で法相に就任した鳩山邦夫氏の「死刑発言」「テロ リスト発言」が相次いで10位以内にランクイン。法相発言の是非をめぐる意見は寄せられなかったが、いずれも物議をかもしたのは間違いない。
 ◇博多井筒屋が閉店
 経済ニュースでは、41年間にわたり福岡の玄関口の百貨店として親しまれてきた「博多井筒屋」が駅ビル建て替えに伴い閉店されたことが関心を呼んだ。福 岡銀行などの「ふくおかフィナンシャルグループ」の発足やベスト電器の資本・業務提携、タクシー運賃値上げなどは、生活に直結したり、その延長線上のこと として興味を集めたとみられる。「小倉伊勢丹」の撤退表明は年末ぎりぎりだったため、ランキングに間に合わなかった。
 10位以下は▽福岡市の人工島整備事業を見直し(9月)▽航空自衛隊築城基地で在日米軍再編後初の日米共同訓練実施(3月)▽福岡空港の将来像を拡充か 海上移転かに絞る(9月)▽JR九州が導入するICカードは「SUGOCA」(10月)、西鉄は「nimoca」(7月)に▽ドレッシングメーカーでレス トラン経営のピエトロ(福岡市)が食用油最大手の日清オイリオグループと資本・業務提携(9月)▽九州新幹線で最長の筑紫トンネルが貫通(12月)−−な どだった。
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 【福岡この1年・政治経済10大ニュース】(%は得票率)
 (1)北九州市長選で北橋健治氏が初当選(2月)26%
 (2)博多駅の井筒屋が41年の歴史に幕(3月)23%
 (3)福岡市のベスト電器が東京のビックカメラと資本・業務提携で合意(9月)18%
 (4)自民党総裁選に麻生太郎氏が出馬し善戦(9月)16%
 (5)九州電力の新社長に14人抜きで眞部利應氏が昇格(4月)13%
 (5)ふくおかフィナンシャルグループが発足。のちに親和銀行の買収を発表、国内最大の地銀グループに(4、5月)13%
 (5)統一選の県議選で民主躍進(4月)13%
 (5)タクシーの初乗り運賃を値上げ(11月)13%
 (5)鳩山邦夫法相が「死刑執行は自動的に」と発言し波紋(9月)13%
(10)鳩山邦夫法相が「日本にテロリストがいる」と発言(11月)7%
〔福岡都市圏版〕
毎日新聞 2007年12月30日


◆死刑判決:07年は47人…80年以降最多 厳罰化傾向
 全国の裁判所で今年死刑を言い渡された被告が47人に上り、最高裁にデータがある80年以降最多だったことが毎日新聞の調べで分かった。拘置所に収容さ れている死刑確定者も107人に上り、年末としては戦後最多となった。被害者感情を重視し、厳罰化傾向が進んでいることが背景にあるとみられる。
 47人の内訳は▽1審で15人▽2審で14人▽上告審の最高裁で18人。死刑判決を受けた被告数は80年以降、年間5〜23人だったが、01年に30人 に達してからは▽02年24人▽03年30人▽04年42人▽05年38人▽06年44人−−と増え続けている。
 主な死刑判決は▽仮釈放中に再び殺人事件を起こした西山省三死刑囚(54)=4月10日、最高裁▽地下鉄サリン事件の散布役では初めて死刑が確定した元 オウム真理教幹部、横山真人死刑囚(44)=7月20日、同▽前橋スナック乱射事件の矢野治被告(59)=12月10日、東京地裁−−など。
 今年死刑が確定したのは、自ら控訴を取り下げた5人と、最高裁が上告を棄却した18人の計23人。今年は9人に死刑が執行されたが、年末の収容数は昨年 の94人から更に増えた。【高倉友彰】
 ▽渥美東洋・京都産業大法科大学院教授(刑事法)の話 メディアの犯罪報道などによって社会に厳罰主義の流れが進み、司法判断も影響を受けていること が、死刑判決増加の背景にある。刑法犯の認知件数は減ってきているのに、全く落ち度がない子供が被害者になるような残忍な犯罪が増えていることも理由の一 つだ。幼少期のうちから、集団の構成員となるために必要な価値や規範を身に着けられるような福祉的活動や行政サービスを充実させ、死刑に相当する残忍な事 件を減らしていく社会全体の努力が必要になっている。
毎日新聞 2007年12月29日 2時30分


◆オフタイム:年末ワイド版 早過ぎた死=田中英雄 /福島
 ◇死刑執行に同僚思う
 今夏、いわき市出身の男性を暴行し、車のトランク内に監禁して熱中症で死亡させた上、遺体を造成地に埋める事件があり、かかわった男4人のうち3人に今 月、懲役13〜9年の判決が確定した。このうち1人は殺人罪で服役出所した2カ月後に事件に関与していた。裁判長が糾弾した「規範意識の鈍磨」という言葉 が、傍聴した私にも重く聞こえた。
 判決3日後の新聞紙上で、懐かしい名前を見つけた。と言っても友人・知人の名前ではない。四半世紀前に取材した殺人事件を起こした死刑囚だ。5人を刺殺 したとして死刑が執行され、戦後初めて氏名が公表された。「まだ生きていたのか」と、これまで死刑になっていなかったことが意外に感じられた。
 同時に、10年以上も前に亡くなった同僚の顔が浮かんだ。薄暗い仕事場で、彼とこの事件の情報を交換した。彼は若くしてがんを患い、最後は病院を抜け出 し、やつれ果てた姿で別れを告げに来た。近くで見ると、背広の上から骨格が分かるほどだった。「病院にいなくていいのか」と詰問すると、「退屈でな」。彼 の目は柔和になごみ、「病気などどこ吹く風」という気概があった。来年定年を迎える私と同い年だったが、その日が彼との別れになった。
 「天道、是か非か」とは、司馬遷が書いた重い言葉だが、死刑執行の記事を見ながら、同僚の早過ぎた死を思い、また、死刑囚に家族を殺された遺族は、元気 なうちにこの記事を読めただろうかと考えた。年が明けたら、同僚の墓前を掃苔(そうたい)して来ようと決めた。
毎日新聞 2007年12月29日


◆大逆事件:刑死者を名誉市民に…人権擁護の先駆者 新宮
 大逆事件で処刑された医師、大石誠之助(1867〜1911)を人権擁護の先駆者として名誉市民にしようとする動きが、出身地の和歌山県新宮市で広がっ ている。刑死者を名誉市民とするのは極めて異例だが、市や市議会も前向きだ。
 大石は現在の新宮市仲之町で医院を開業。貧しい人を無料で診察し、反戦・反差別などの主張で知られ、文学者でもあった。近年の研究で、天皇暗殺計画とは 無関係の冤罪(えんざい)だったことが明らかになっている。
 01年8月、当時新宮市立図書館長だった二河通夫さん(77)らが「『大逆事件』の犠牲者を顕彰する会」を結成し、「大石らは軍国主義下での自由・社会 主義者弾圧事件の犠牲者だ」と市に訴えた。市議会は翌月、名誉回復宣言を決議した。
 更に「自由・平等・人権の先覚者として功績を表彰すべきだ」などと声が上がり、2011年の刑死100年を機に名誉市民にしようと、勉強会や市議会への 要請活動などに向けた準備が始まった。
 名誉市民は、顕著な功労があった地元出身者の栄誉をたたえる制度。多くの自治体は条例で「禁固以上の刑に処せられたときは資格を失う」と定めているが、 新宮市にはこの規定がない。佐藤春陽市長は「大石の行動や思想は名誉市民にふさわしいと思う」と話している。【奥村隆、神門稔】
 ▽大逆事件 1910年に幸徳秋水らが明治天皇暗殺を企てたとして逮捕され、社会主義者ら24人が死刑判決を受けた言論弾圧事件。大石誠之助も共同謀議 の罪で翌年処刑された。
毎日新聞 2007年12月28日 20時13分


◆後藤被告の内心見えず 上申書事件 死刑囚の告白に翻弄
2007年12月28日 東京新聞
 死刑判決を受け上告中(当時)の元暴力団幹部後藤良次被告(49)が、県警に提出した上申書で発覚した殺人事件。死刑囚が未発覚の殺人事件を告白すると いう全国でも例がない事件の展開に振り回され、翻弄(ほんろう)された一年だった。
 県警は一月、阿見町のカーテン販売会社社長栗山裕さん=当時(67)=を保険金目的で殺害したとして、殺人容疑で後藤被告ほか事件の首謀者とされる元不 動産ブローカー三上静男被告(58)や栗山さんの家族ら計八人を逮捕した。家族三人はそれぞれ懲役十五−十三年の有罪判決を受け、すでに服役している。
 一家の公判では、「善良な市民」だった三人が、犯罪者に落ちていく姿が明らかにされた。身内を手にかけてまで得た約一億円もの保険金の大部分は、三上被 告らの手に渡った。三人が借金を返した後に残った保険金はわずかだったという。
 栗山さんが遺体で見つかった際、司法解剖をしていれば全容解明がここまで遅れることはなかったかもしれない。県警のミスを指摘するのは簡単だが、検視・ 司法解剖のシステムが他の先進国に比べ大きく劣っている事実も分かった。死因究明に向けての制度改善が急がれている。
 県警は栗山さんとは別の残る二件の事件を解決するため、北茨城市内の空き地に男性を埋めたとされる事件で、四月に現地で大規模な捜索を行ったが、発見に は至らず立件は厳しい情勢となっている。
 栗山さん殺害事件では、後藤、三上両被告は現在、公判前整理手続きの最中で初公判の見通しが立っていない。事件当初から否認を続ける三上被告の事情はま だ理解できるとしても、自ら上申書を提出したにもかかわらず、一部否認に転じる構えを見せている後藤被告は一体、何を考えているのだろうか。自分への刑の 執行を遅らせる展開となったことで、内心ほくそ笑んでいるのだろうか。
 十二月、後藤被告が栃木県内で新たな殺人事件に関与したとする上申書を茨城県警に提出。栃木県警が捜査を始めるという新たな展開を迎えた。 (沢田佳 孝)=おわり
 水戸、宇都宮両市で5人を殺傷した罪などに問われ、拘置中だった後藤被告が2005年10月、県警に3件の殺人、死体遺棄事件にかかわったとする上申書 を提出。栗山さん事件のほか、1999年に(1)金銭トラブルで絞殺された60歳前後の男性の遺体の処理を頼まれ、石岡市内の会社で焼却(2)70歳代の 資産家の男性を山中に生き埋めにして殺害したなどと、これまで未発覚の事件への関与を上申書で告白した。


◆前橋のスナック4人射殺:矢野被告が控訴 /群馬
 前橋市のスナックで市民ら4人が射殺された事件などの指揮役として殺人罪に問われ、1審の東京地裁で死刑を言い渡された指定暴力団住吉会系矢野睦会会 長、矢野治被告(59)が27日までに、判決を不服として東京高裁に控訴した。東京地裁は判決で、矢野被告を一連の事件の首謀者と認め「全事件で指示があ り、刑事責任は実行犯を上回る」とした。矢野被告は一貫して関与を否認していた。

毎日新聞 2007年12月28日


◆『何となく流されていった』 名古屋女性拉致殺害 川岸被告、本紙に手紙
2007年12月26日 東京新聞夕刊
 名古屋市の会社員磯谷利恵さん=当時(31)=が八月、男三人に拉致、殺害された事件で、共犯者二人とともに強盗殺人などの罪に問われた無職川岸健治被 告(41)が、本紙に数回にわたり手紙を寄せた。携帯電話の闇サイトで仲間を募った理由を「多人数なら一人よりもやれることが広がり、互いに名前や身分を 明かす必要もない」「犯罪が発覚する恐れも少ない」と書いた。「(犯罪は)ばれなきゃやる」と過去に三度、闇サイトを使って詐欺などの犯罪行為をしたこと も明かした。
 川岸被告は八月中旬、携帯電話のサイト「闇の職業安定所」に「何かやりませんか」と書き込んだ。応じてきた三人と相談し、同月二十四日夜、そのうちの二 人とともに帰宅途中の磯谷さんを拉致しキャッシュカードなどを奪って殺害した。
 川岸被告は手紙で「何となく書き込んだら人が集まり、何となく流されていった」と犯行に及んだ経緯を説明。当初は金庫破りなども計画したが、過去に殺人 や拉致を経験したことをほのめかした共犯者が、女性を拉致して金を引き出すことを提案したという。「その意見に従い、(殺人という)一線を越えてしまっ た。三人の罪は一列と思う」とつづった。
 犯行の動機は金目的とした上で、「集まってきた人物は自分と同類項だった」とし、そのうち一人が非常に金に困っていたため、すぐに犯罪で金を得る行動に 走ったという。自分は中学時代にいじめられたのをきっかけに「三十年近く虚勢を張ってきた」と振り返り、共犯者との虚勢の張り合いで、自制心が働かなかっ たことを示唆した。
 犯行後、愛知県警に電話して自首したことについては「死刑が怖かったわけではない。善と悪の心の葛藤(かっとう)があった。この時は善の部分が出た」と 説明。「責任は取る」と判決を受け入れる心境も語った。
 被害者の磯谷さんについては、「常に毅然(きぜん)としていて、泣き叫んだり取り乱したりはしなかった」と記す。一方で、「遺族は言いたいこともあるだ ろう。しかし私は口先だけの反省や謝罪をするつもりはない」とも語っている。


◆光母子殺人差し戻し控訴審結審<記者座談会>
弁護側新主張どう判断、「永山基準」枠広がるか
 光市の会社員本村洋さん(31)方で、妻の弥生さん(当時23歳)と長女の夕夏ちゃん(同11か月)が殺害された事件で、殺人や強姦(ごうかん)致死な どの罪に問われた元会社員(26)の差し戻し控訴審は、来年4月22日に判決が言い渡される。座談会2回目は、一連の公判の与える影響について話し合っ た。
 安田 最高裁が1、2審で認定された事実に誤りはないとしたため、差し戻し控訴審では事実関係については審理されないことも考えられた。
 白岩 しかし、弁護側が事実誤認を主張した。結果としては、事実関係を審理したことは正解だった。1、2審の事実認定の一部に誤りがあるようにも思える からだ。
 竹田 公判中、光市の事件現場を訪ねてみた。本村さん方と元会社員の自宅との距離は、ほんのわずか。近所であるばかりか、同じ企業の社宅でもあり、周囲 の人間関係は濃密だったはず。犯行が計画的だったのかは、疑問に思った。
 仁井 私も現場で同じ印象を受けた。しかも、本村さん方のベランダは敷地外の道路から見える場所で、玄関からは向かいの団地のベランダが見える。顔見知 りがいるであろう場所で、日中、計画性を持って侵入するということがあり得るのか。1、2審で認定された事実に、首をかしげる部分があるのは確かだ。
 網本 弥生さんや夕夏ちゃんの遺体の外傷についても同じことが言える。本当に1、2審で認定された行為でついた傷なのか。
 仁井 1、2審では、弁護側が事実関係を争うことはしなかった。「少年事件だから死刑判決はない」として取った戦術で、理解はできる。しかし、結果的に 事件の真相が明らかにならず、裁判を長引かせてしまった感は否めない。
 網本 その意味で、結審後に弁護側が「実質的に今回が1審」とした言葉にはうなずける面もある。
 安田 とは言え、事件からすでに8年半以上がたつ。では、今までの期間に司法は何をしていたのか。今回の判決の内容次第では、国民からの司法への批判は 免れないだろう。
 白岩 〈死刑の基準〉という観点からも注目が集まる。被害者の人数、犯行時の年齢などを示し、死刑判決の目安となる「永山基準」では、元会社員は死刑に なる可能性は低かった。永山基準の枠が広がるのかにも注目したい。
 仁井 刑事裁判に一般国民が参加する裁判員制度の開始を約1年半後に控え、「もし自分が裁判員だったらどう判断するだろう」と関心を寄せる人も増えてい るはずだ。判決次第では、司法への信頼が揺らぐことにもなりかねず、裁判所がどのような判断を下すのかをよく見届けたい。
 白岩 全12回の公判で、双方が主張を全面的にぶつけ合い、審理は尽くされたと感じた。最高裁の判決に拘束される部分はあるのだろうが、証拠に基づき、 弁護側の新しい主張を裁判所がどのように判断するか、注目したい。
(2007年12月26日 読売新聞)


◆トランク遺体懲役23年求刑
 八戸市の線路上で昨年7月、乗用車が焼かれてトランクから飲食業木村直美さん(当時33歳)(三沢市東町)が遺体で見つかった事件で、殺人などの罪に問 われた木村さんの元夫で元米兵のウィリアム・スコット・オマリ・マカリスター被告(26)の論告求刑公判が25日、青森地裁(渡辺英敬裁判長)であった。 検察側は「殺意は明らか」として懲役23年を求刑した。判決は来年2月1日。
 検察側は論告の中で、同被告について「初めは一切の供述調書の作成を拒み、いまだにうそをついているなど、反省の色は見られない」と述べた。一方、弁護 側は「突発的犯行で殺意もなく、十分に反省している」として傷害致死罪の適用を主張。マカリスター被告は最終弁論で「許されることなら、木村さんの家族を 経済的に援助したい」と謝罪した。
 この日は、論告に先立って木村さんの母親が意見を述べ、「娘の遺影をじっと見つめる孫がかわいそうでならない。できることなら被告人を死刑にしてほし い」と涙ながらに訴えた。
(2007年12月26日 読売新聞)


◆メモ帳から・ワイド:死刑制度の是非 /山口
 ◇もっと知らされねば
 9月29日、8年前に起きたJR下関駅通り魔事件で亡くなった男性(当時79歳)の次女夫婦に事件現場で再会した。
 夫婦は花束をホームに供え、手を合わせた。父の無念を思い、涙を浮かべた次女は帰り際、取材のたびに口にする言葉をまた残した。「被告には極刑以外あり 得ないと思っています」
 事件で15人が死傷した。被害者らがJR西日本にも求めた損害賠償訴訟は今年1月、被害者側の事実上の敗訴が確定。一方、刑事裁判は被告が1、2審の死 刑判決を不服として上告中。発生から8年余り。厳罰を望む遺族が最高裁判決を待つ今、死刑制度を取り巻く状況は変化している。
 今月18日、国連総会が死刑執行の一時停止を求める決議を賛成多数で採択した。賛成はEUなど104カ国、反対は日米など54カ国、棄権が29カ国だっ た。今後、死刑制度を持つ国への目は厳しくなりそうだ。
 一方、内閣府の世論調査では存続を認める声が8割を超える。法務省は7日、今までの方針を変えて刑を執行した死刑囚の名前などを公表した。だが、これま で名前すら明かさなかった中で8割が賛成していたと考えると恐ろしさも感じた。今後の存廃を含めた議論の中では、私たちは自国の制度をもっと知らされなく てはいけないし、知ろうとしなくてはいけないはずだ。【福島祥】
〔下関版〕
毎日新聞 2007年12月26日


◆福岡・大牟田の4人殺害:「人命軽視甚だしい」 妻、次男の死刑支持−−高裁
 福岡県大牟田市で04年に起きた4人連続殺害事件で強盗殺人罪などに問われた元暴力団幹部、北村実雄被告(63)一家4被告のうち妻真美(48)、次男 孝紘(23)両被告の控訴審で、福岡高裁は25日、いずれも死刑の1審・福岡地裁久留米支部判決(06年10月)を支持し、控訴を棄却した。正木勝彦裁判 長は「利欲的で人命軽視も甚だしく刑事責任は極めて重大。死刑はやむを得ない」と述べた。両被告の弁護人は上告する方針。
 正木裁判長は真美被告について「日ごろから小夜子さんへの憤まんを漏らすなど、言動が一連の事件の契機となった。重要な役割を積極的に果たした」と指摘 した。孝紘被告については「4人をわずか2日間のうちに殺害した実行犯で、刑事責任は特に重い。顕著な人命軽視と極端な暴力肯定の態度が明白に認められ る」と述べた。
 ◇判決の認定事実
 (1)04年9月16日、孝紘、長男孝(27)両被告が共謀し、高見小夜子さん(当時58歳)の次男穣吏さん(同15歳)を首を絞めるなどして殺害し貴 金属を強奪=強盗殺人罪(2)同18日、4被告が共謀し▽小夜子さん▽長男の龍幸さん(同18歳)▽龍幸さんの友人の原純一さん(同17歳)を拳銃で射殺 するなどして現金を奪った=強盗殺人罪、殺人罪(3)4被告が共謀し拳銃を所持し発砲=銃刀法違反罪(4)4被告で共謀し、遺体を川に遺棄=死体遺棄罪。
 ◇孝紘被告「メリークリスマス!」
 北村真美被告はワイン色の上着にベージュのズボン姿、孝紘被告は黒のスーツに白地に黒のヒョウ柄コートを羽織ってそれぞれ入廷した。孝紘被告は青のサン グラスをかけ、長髪をうしろに束ね、一つ息を吐き着席した。
 「本件各控訴を棄却する」。主文が読み上げられると、真美被告は身動きせず判決理由に聴き入った。対照的に孝紘被告は、落ち着かないように母を見たり、 傍聴席に視線を送ったり。閉廷後は、弁護人に「先生、メリークリスマス!」と声を掛けて法廷を後にした。
 傍聴した高見さんの遺族は「犯人が死刑になっても、遺族の心が休まるわけではない。孝紘被告は最初から一つも変わらず反省がない。一家には人間社会から 退場してほしい」と声を震わせた。【石川淳一】
毎日新聞 2007年12月26日 西部朝刊


◆死刑を不服とし矢野被告が控訴 前橋のスナック 4人射殺事件
2007年12月26日 東京新聞
 前橋市のスナックで二〇〇三年一月、市民ら四人が射殺された拳銃乱射事件で、首謀者として殺人罪などに問われた指定暴力団住吉会系矢野睦会会長矢野治被 告(59)の弁護側は二十五日、求刑通り死刑を言い渡した十日の東京地裁判決を不服として、東京高裁に控訴した。
 判決では「具体的に犯行の指示をしており、刑事責任は実行犯を上回る」と指摘。「公判で供述を拒み、謝罪の態度も示さないなど、反社会的な人格は誠に根 深い。極刑をもって臨むほかない」としていた。
 弁護側は「実行役とされる組幹部らの供述は虚偽で、事件は身に覚えがない」などと無罪を主張していた。


◆大牟田4人連続殺害:妻と次男に控訴審も死刑判決 福岡
 福岡県大牟田市で04年に起きた4人連続殺害事件で、強盗殺人罪などに問われた元暴力団幹部、北村実雄被告(63)一家4被告のうち妻真美(48)、次 男孝紘(23)両被告の控訴審で、福岡高裁は25日、いずれも死刑の1審・福岡地裁久留米支部判決(06年10月)を支持し、控訴を棄却した。正木勝彦裁 判長は「利欲的で人命軽視も甚だしく刑事責任は極めて重大。死刑はやむを得ない」と述べた。両被告の弁護人は上告する方針。
 判決によると(1)04年9月16日、孝紘被告が長男孝被告(27)と共謀し、高見小夜子さん(当時58歳)の次男穣吏さん(同15歳)を首を絞めるな どして殺害し貴金属を強奪=強盗殺人罪(2)同18日、一家4被告が共謀し▽小夜子さん▽長男龍幸さん(同18歳)▽龍幸さんの友人の原純一さん(同17 歳)を拳銃で射殺するなどし現金を奪った=強盗殺人罪、殺人罪。銃刀法違反と死体遺棄の両罪も認定された。
 正木裁判長は真美被告について「日ごろから小夜子さんへの憤まんを漏らすなど、言動が一連の事件の契機となった。重要な役割を積極的に果たした」と指 摘。孝紘被告については「4人をわずか2日間のうちに殺害した実行犯で、刑事責任は特に重い。顕著な人命軽視と極端な暴力肯定の態度が明白に認められる」 と述べた。
 ともに1審で死刑の実雄、孝両被告=分離公判中=の控訴審判決は来年3月27日に言い渡される。実雄被告は控訴審で起訴事実をほぼ認めたが、孝被告は無 罪主張を続けている。【石川淳一】
毎日新聞 2007年12月25日 19時00分 (最終更新時間 12月25日 19時20分)


◆福岡・大牟田の4人殺害:妻と次男、2審も死刑−−高裁判決
 福岡県大牟田市で04年に起きた4人連続殺害事件で、強盗殺人などの罪に問われた元暴力団幹部、北村実雄被告(63)一家4被告のうち、妻真美 (48)、次男孝紘(23)両被告の控訴審で、福岡高裁(正木勝彦裁判長)は25日、いずれも死刑とした1審・福岡地裁久留米支部判決(06年10月)を 支持し、両被告の控訴を棄却した。
 1審判決によると、(1)04年9月16日、孝紘被告が長男孝被告(27)と共謀し、高見小夜子さん(当時58歳)の次男穣吏さん(同15歳)を殺害し 貴金属を強奪=強盗殺人罪(2)同18日、真美被告と孝紘被告が実雄被告、孝被告と共謀し▽小夜子さん▽長男の龍幸さん(同18歳)▽龍幸さんの友人の原 純一さん(同17歳)を殺害し現金を奪った=強盗殺人罪、殺人罪。ほかに銃刀法違反と死体遺棄罪も認定された。
 控訴審で2被告の弁護人はいずれも「事件の従属的立場にあった」などと述べ、死刑回避を主張。真美被告側は「事件の全容を正直に話し、解明に貢献し た」、孝紘被告側は「一家の手足として行動した」と主張した。1審は真美被告を「動機面の中心的存在」、孝紘被告を「4人全員の殺害を実行した」として 「冷酷非道、極めて凶悪」と指摘した。
 4被告のうち、ともに1審で死刑の元暴力団幹部、実雄と孝の2被告の控訴審判決は来年3月27日に言い渡される。実雄被告は起訴事実を控訴審で一転して 認めたが、孝被告は無罪主張を続けている。【石川淳一】
毎日新聞 2007年12月25日 西部夕刊


◆母と二男に2審も死刑判決 福岡・大牟田の4人殺害で高裁
2007.12.25 14:02 産経ニュース
 福岡県大牟田市で平成16年、母子ら4人が殺害された事件で、強盗殺人罪などに問われた一家4人のうち、母親、北村真美(48)、二男、孝紘(23)両 被告の控訴審判決が25日、福岡高裁であり、正木勝彦裁判長は求刑通り死刑を言い渡した1審・福岡地裁久留米支部判決を支持、被告側の控訴を棄却した。
 両被告は1審から起訴事実を認めているが「役割は従属的だった」として量刑不当を主張、死刑回避を求めていた。
 ともに1審で死刑判決を受けた父親の元暴力団幹部、実雄(63)、長男、孝(27)両被告の控訴審も既に結審し、来年3月に判決の予定。実雄被告は強盗 目的を否認、孝被告は犯行への関与自体を否定し無罪を主張している。
 1審判決によると、4被告は共謀し、16年9月18日、知人の高見小夜子さん=当時(58)=に睡眠薬入りの弁当を食べさせて絞殺。長男、龍幸さん=同 (18)=と友人の原純一さん=同(17)=を拳銃で撃つなどして殺し、3人の遺体を車ごと川に沈めた。孝、孝紘両被告は同月16日、高見さんの二男、穣 吏さん=同(15)=を絞殺し、遺体を川に遺棄した。
 4人の公判は途中で分離された。18年10月の判決は真美被告を「事件の中心的存在」、孝紘被告を「すべての殺害の実行行為者」と認定、「人命軽視の冷 酷で残虐な犯行。極刑しかない」と判断していた。


◆光母子殺人差し戻し控訴審結審…記者座談会(上)
 光市の会社員本村洋さん(31)方で、妻の弥生さん(当時23歳)と長女の夕夏ちゃん(同11か月)が殺害された事件で、殺人や強姦(ごうかん)致死な どの罪に問われた元会社員(26)の差し戻し控訴審は、4日の弁護側の最終弁論で結審した。審理は1、2審と異なり、検察側は「死刑を回避すべき特別な事 情を一切見いだすことはできない」、弁護側は「精神的に極めて幼い少年が起こした偶発的な事件」として、双方の主張が鋭く対立した。取材した記者が「死刑 回避の特別な事情」と「公判の与える影響」の二つのテーマで振り返る。
 仁井 元会社員の情状面については、9月18〜20日の3日間に行われた被告人質問、遺族の本村さんらの意見陳述などの中で審理された。元会社員の反省 の度合い、更生の可能性が見えてきただろうか。
 安田 元会社員は、本村さんが「君の犯した罪は、万死に値する」と語りかけた意見陳述の後に行われた被告人質問の中で、涙ぐみながら「生きたい。生きて 償いたい」と話した。
 竹田 弁護団の一人が「元会社員の中に初めて『生きたい』という思いが生まれた」としたが、1、2審の弁護人も事実関係を争わなかったのは「死刑回避」 が大きな理由だったはず。であれば元会社員には当初から生きたいという気持ちがあったと思われ、弁護側の説明は説得力に欠ける。
 網本 反省の度合いを考える上では、最後となった9月20日の被告人質問の終わりに、厳しい質問をした検察官に対する「なめないでいただきたい」という 発言に集約される。心から反省し更生を誓うのなら、遺族の前であのような発言ができるだろうか。
 安田 本村さんはその発言の直前に、意見陳述で「君が裁判で発言できる機会は残り少ない。よく考えて発言してほしい」と語りかけていた。「本村さんに 会って謝りたい」と元会社員は述べたが、本当に本村さんが法廷で話した言葉を聞いていたのか疑問だ。
 白岩 弁護側によると、閉廷後すぐに接見した際、元会社員は冷静になっていて、遺族や裁判所に謝罪の言葉を口にしたという。弁護側は「自分の過ち、至ら なさを率直に認めて謝罪する成長ぶりを、理解してもらいたい」と最終弁論で訴えた。裁判官は、これをどのように受け止めるだろう。
 仁井 捜査段階で自分の主張を受け入れてもらえず、検察官への不信感はあったというが、5〜12月の公判全体を通じて、検察官の質問に対して反発する姿 が目立った。
 網本 弁護団が言うように教誨(きょうかい)を受けるなどして更生の兆しはあるかもしれないが、反省しているとはどうしても思えなかった。
 竹田 最後の被告人質問で、元会社員が「モンスターのような僕ではなく、本当の僕を見てほしい」と、か細い声で訴えた。下手だが丁寧な言葉で話そうとす る姿が印象的だった。
 安田 公判で見た元会社員は「モンスター」ではなく、父親からの暴力に悩んだ「人間」だった。しかし、犯罪の結果が重すぎる。検察側は、不合理な弁解を するなど、自分のしたことに向き合わないまま示す反省は、真の反省ではないと批判した。
 仁井 虐待など様々な事情はあっただろうが、それが果たして死刑を回避するほどのものか、ということが、法廷で取材し続けた印象だ。裁判所がどのように 判断するかに注目したい。
 座談会には広島総局 仁井慎治、竹田直人、安田栄一、福山支局三原通信部 白岩秀基、周南支局 網本健二郎が参加しました。
(2007年12月25日 読売新聞)


◆公判の与える影響 記者座談会(下)
光母子殺人差し戻し控訴審結審
 山口県光市の会社員本村洋さん(31)方で、妻の弥生さん(当時23歳)と長女の夕夏ちゃん(同11か月)が殺害された事件で、殺人や強姦(ごうかん) 致死などの罪に問われた元会社員(26)の差し戻し控訴審は、来年4月22日に判決が言い渡される。座談会2回目は、一連の公判の与える影響について話し 合った。
 安田 最高裁が1、2審で認定された事実に誤りはないとしたため、差し戻し控訴審では事実関係については審理されないことも考えられた。
 白岩 しかし弁護側が事実誤認を主張した。結果としては、事実関係を審理したことは正解だった。1、2審の事実認定の一部に誤りがあるようにも思えるか らだ。
 竹田 公判中、光市の事件現場を訪れてみた。本村さん方と元会社員の自宅との距離は、ほんのわずか。近所であるばかりか、同じ企業の社宅でもあり、周囲 の人間関係は濃密だったはず。犯行が計画的だったのかは、疑問に思った。
 仁井 私も現場で同じ印象を受けた。しかも、本村さん方のベランダは敷地外の道路から見える場所で、玄関からは向かいの団地のベランダが見える。顔見知 りがいるであろう場所で、日中、計画性を持って侵入するということがあり得るのか。1、2審で認定された事実に、首をかしげる部分があるのは確かだ。
 網本 弥生さんや夕夏ちゃんの遺体の外傷についても同じことが言える。本当に1、2審で認定された行為でついた傷なのか。
 仁井 1、2審では、弁護側が事実関係を争うことはしなかった。「少年事件だから死刑判決はない」として取った戦術で、理解はできる。しかし、結果的に 事件の真相が明らかにならず、裁判を長引かせてしまった感は否めない。
 網本 その意味で、結審後に弁護側が「実質的に今回が1審」とした言葉にはうなずける面もある。
 安田 とは言え、事件からすでに8年半以上がたつ。では、今までの期間に司法は何をしていたのか。今回の判決の内容次第では、国民からの司法への批判は 免れないだろう。
 白岩 〈死刑の基準〉という観点からも注目が集まる。被害者の人数、犯行時の年齢などを示し、死刑判決の目安となる「永山基準」では、元会社員は死刑に なる可能性は低かった。永山基準の枠が広がるのかにも注目したい。
 仁井 刑事裁判に一般国民が参加する裁判員制度の開始を約1年半後に控え、「もし自分が裁判員だったらどう判断するだろう」と関心を寄せる人も増えてい るはずだ。判決次第では、司法への信頼が揺らぐことにもなりかねず、裁判所がどのような判断を下すのかをよく見届けたい。
 白岩 全12回の公判で、双方が主張を全面的にぶつけ合い、審理は尽くされたと感じた。最高裁の判決に拘束される部分はあるのだろうが、証拠に基づき、 弁護側の新しい主張を裁判所がどのように判断するか、注目したい。 
        ◇
 座談会には広島総局 仁井慎治、竹田直人、安田栄一、福山支局三原通信部 白岩秀基、周南支局 網本健二郎が参加しました。
(2007年12月25日 読売新聞)


◆増える死刑確定者 今年は23人に (1/2ページ)
2007.12.24 18:04 産経ニュース
 今年1年の死刑確定者数が、「永山基準」といわれる死刑の判断基準ができた昭和58年以降で最も多い23人に上ることが24日、分かった。最高裁のまと めによると、下級審の死刑判決も高い水準で推移しており、来年以降も年間確定者が急減することはないとみられる。死刑判決増加は、凶悪事件の増加や、量刑 判断基準の変化が影響しているとの指摘もある。
 産経新聞のまとめでは、今年の死刑確定者は23人(24日現在)。法務省がまとめている検察統計年報によると、昭和58年以降の死刑確定は、63年に2 ケタの12人になったほかは、平成15年までは1ケタ台で推移していた。ところが、16年に14人と急増。昨年は21人と20人台に乗り、今年は昨年を超 えた。
 今年の死刑確定者の内訳をみると、自ら控訴を取り下げた被告が5人。上告棄却は18人で、最高裁まで争われる場合が多いことが見て取れる。
 一方、下級審の死刑判決を最高裁が「量刑不当」と判断したのはごく少数にとどまる。このため、下級審の死刑判決数が今後の死刑確定者数を左右することに なる。
 最高裁のまとめでは、昭和58年以降、控訴審で死刑判決を受けた被告は、平成12年までは1ケタだったが、13年に16人になり、以後は14年を除いて は2ケタ台で推移。今年も9月末現在ですでに10人に達している。
 このため、来年以降も死刑確定が急減することはないとみられる。
 元最高検検事で白鴎大学法科大学院院長の土本武司氏は、死刑確定が増加している原因として(1)悪質な凶悪犯罪の増加(2)裁判所の量刑判断の変化−の 2点を挙げる。
 (2)については、「殺害された被害者が1人なら懲役、2人はボーダーライン、3人なら死刑」との見方が法曹界では一般的だった。しかし、土本氏は「国 民世論が死刑を容認している中、被害者の数をとくに重視する傾向にあった裁判所の量刑判断が変化している」と指摘する。
 例えば、静岡県三島市で女子短大生に生きたまま火をつけて殺害したとして、殺人などの罪で起訴され、今月17日に最高裁で弁論が開かれた服部純也被告 (35)のケースでは、被害者は1人で、1審判決は無期懲役だったが、2審は死刑を言い渡している。
 一方、「究極の刑罰の死刑はバランスを考えて判断しており、基準はブレていないと思う」(あるベテラン裁判官)と、裁判所の変化を否定する声もある。
 ■永山基準 昭和58年7月、最高裁が連続4人射殺事件の永山則夫元死刑囚の判決で示した死刑適用の判断基準。犯行の動機や殺害方法の残虐性▽被害者の 数▽遺族の被害感情▽前科−など9項目を死刑適用の判断材料として挙げている。


◆光母子殺人差し戻し控訴審結審 記者座談会 (上)
率直に謝罪し成長 弁護側 真の反省見られず 検察側
 山口県光市の会社員本村洋さん(31)方で、妻の弥生さん(当時23歳)と長女の夕夏ちゃん(同11か月)が殺害された事件で、殺人や強姦(ごうかん) 致死などの罪に問われた元会社員(26)の差し戻し控訴審は、4日の弁護側の最終弁論で結審した。審理は1、2審と異なり、検察側は「死刑を回避すべき特 別な事情を一切見いだすことはできない」、弁護側は「精神的に極めて幼い少年が起こした偶発的な事件」として、双方の主張が鋭く対立した。取材した記者が 「死刑回避の特別な事情」と「公判の与える影響」の二つのテーマで振り返る。
 仁井 元会社員の情状面については、9月18〜20日の3日間に行われた被告人質問、遺族の本村さんらの意見陳述などの中で審理された。元会社員の反省 の度合い、更生の可能性が見えてきただろうか。
 安田 元会社員は、本村さんが「君の犯した罪は、万死に値する」と語りかけた意見陳述の後に行われた被告人質問の中で、涙ぐみながら「生きたい。生きて 償いたい」と話した。
 竹田 弁護団の一人が「元会社員の中に初めて『生きたい』という思いが生まれた」としたが、1、2審の弁護人も事実関係を争わなかったのは「死刑回避」 が大きな理由だったはず。であれば元会社員には当初から生きたいという気持ちがあったと思われ、弁護側の説明は説得力に欠ける。
 網本 反省度合いを考える上では、最後となった9月20日の被告人質問の終わりに、厳しい質問をした検察官に対して行った「なめないでいただきたい」と いう発言に集約される。心から反省し更生を誓うなら、遺族の前であのような発言ができるだろうか。
 安田 本村さんはその発言の直前に、意見陳述で「君が裁判で発言できる機会は残り少ない。よく考えて発言してほしい」と語りかけていた。「本村さんに 会って謝りたい」と元会社員は述べたが、本当に本村さんが法廷で話した言葉を聞いていたのか疑問だ。
 白岩 弁護側によると、閉廷後すぐに接見した際、元会社員は冷静になっていて、遺族や裁判所に謝罪の言葉を口にしたという。弁護側は「自分の過ち、至ら なさを率直に認めて謝罪する成長ぶりを、理解してもらいたい」と最終弁論で訴えた。裁判官は、これをどのように受け止めるだろう。
 仁井 捜査段階で自分の主張を受け入れてもらえず、検察官への不信感はあったというが、5〜12月の公判全体を通じて、検察官の質問に対して反発する姿 が目立った。
 網本 弁護団が言うように教誨(きょうかい)を受けるなどして更生の兆しはあるかもしれないが、反省しているとはどうしても思えなかった。
 竹田 最後の被告人質問で、元会社員が「モンスターのような僕ではなく、本当の僕を見てほしい」と、か細い声で訴えた。下手だが丁寧な言葉で話そうとす る姿が印象的だった。
 安田 公判で見た元会社員は「モンスター」ではなく、父親からの暴力に悩んだ「人間」だった。しかし、犯罪の結果が重すぎる。検察側は、不合理な弁解を するなど、自分のしたことに向き合わないまま示す反省は、真の反省ではないと批判した。
 仁井 虐待など様々な事情はあっただろうが、それが果たして死刑を回避するほどのものか、ということが、法廷で取材し続けた印象だ。裁判所がどのように 判断するかに注目したい。
 座談会には広島総局 仁井慎治、竹田直人、安田栄一、福山支局三原通信部 白岩秀基、周南支局 網本健二郎が参加しました。
(2007年12月24日 読売新聞)


◆死刑制度:「存続すべき」9割 ネット調査
 毎日新聞がNTTレゾナントの協力を得て行ったインターネット調査で、死刑制度について質問したところ、「存続すべきだ」が90%に上り、「廃止すべき だ」は10%にとどまった。国連総会は死刑執行の一時停止を求める決議案を採択したが、国内では死刑制度の存続を求める声は根強いようだ。
 「存続すべきだ」と答えた人に理由を尋ねると「命で償うべきだ」が48%で最多。次いで「凶悪犯罪の抑止になる」24%、「再犯の可能性がある」 15%、「被害者の遺族感情がおさまらない」13%。
 「廃止すべきだ」と回答した人の理由は(1)「死刑にせずに罪を償わせるべきだ」42%(2)「国家が人を殺すことになる」22%(3)「裁判に誤りが あると取り返しがつかない」21%(4)「凶悪犯罪の抑止にならない」15%−−の順だった。
 また、09年春にスタートする裁判員制度で、無作為に選ばれる市民が死刑などが定められた重大事件を裁くことに対しては、「負担に思う」が73%で、 「負担に思わない」が27%だった。【中山裕司】
 <調査の方法>14〜15日、gooリサーチのモニターから無作為で選んだ20歳以上を対象にインターネットで調べ、1092人から回答を得た。
毎日新聞 2007年12月22日 18時03分 http://mainichi.jp/select/today/news/20071223k0000m040021000c.html  (最終更新時間 12月22日 18時38分)


◆公安庁:北朝鮮の核で曲折予想 08年版「内外情勢の回顧と展望」で
 公安調査庁は国内外の治安情勢をまとめた08年版「内外情勢の回顧と展望」を公表した。無能力化に向けた作業が始まった北朝鮮の核問題について、 「『核問題進展』をアピールし、最大限の実利獲得をめざすとみられるが、完全放棄実現には多くの問題が残されており、曲折が予想される」と分析している。
 国内では、オウム真理教(アーレフに改称)について、上祐史浩元代表を支持する信者が主流派から分かれ、新団体を設立した動きに言及。主流派は松 本智津夫(麻原彰晃)死刑囚への絶対的帰依を強めており、上祐派も教材の分析などから依然として同死刑囚の影響下にある、と指摘している。
毎日新聞 2007年12月22日 東京朝刊 http://mainichi.jp/select/wadai/news/20071222ddm012010070000c.html


◆秋田・藤里町の2児殺害:来年3月19日判決 鈴香被告「娘殺害認定なら控訴」
 ◇公判
 秋田県藤里町で昨年4、5月に起きた連続児童殺害事件で、殺人と死体遺棄の罪に問われた畠山鈴香被告(34)の秋田地裁(藤井俊郎裁判長)公判は21日 の第12回で証拠調べが終了した。来年1月25日に論告求刑が行われ、判決は3月19日に言い渡される。
 被告人質問で畠山被告は殺害した米山豪憲君(当時7歳)の両親の思いに触れ「米山さんが死刑を望むのは当然で、死刑に処される方がいいと思うが、 家族を思うと簡単に死刑になっていいのか二つの心を持っている」と表明した。一方で長女彩香ちゃん(当時9歳)の橋からの転落を事故だと主張していること から「(判決で)娘を殺したと認定されたら、たぶん控訴する」と述べた。
 この日の公判では被告の精神鑑定をした青森市の精神科医、西脇巽医師の証人尋問が行われた。
 西脇医師は彩香ちゃんの転落について「心中未遂とみている。自分が殺意を持ったことを忘れたいと思い、即時健忘に等しい状態になった」と述べた。 米山豪憲君の殺害・死体遺棄当時の責任能力は「あまり減弱していない」とし、殺害は「衝動的。無差別的なものではなく、娘の遊び相手を与えるためと考える と整合性がある」と説明した。また被告に人格障害があると指摘し「社会に対し閉じこもりがちで、身内に過敏」と述べた。【百武信幸、岡田悟】
毎日新聞 2007年12月22日 東京朝刊 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20071222ddm012040073000c.html


◆売春強要の元女性教師死刑判決
2007年12月22日 朝刊 東京新聞 http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2007122202074156.html
 新華社電によると、中国貴州省の畢節地区中級人民法院(地裁)は今月十四日、女子小中学生ら二十五人に売春を強要した小学校の元女性教師、趙慶梅被告 (28)に死刑判決を言い渡した。
 判決によると、趙被告は中学校教師の夫(執行猶予付き死刑判決)らと共謀し、十一−十七歳の女子児童、生徒らを「農作業を手伝って」などとだまし て旅館に連れ込み売春をさせた。「言うことを聞かないと家に帰さない」などと脅したほか、客に乱暴をさせた事例もあった。犯行後も「家族に話したら殺す」 と口封じをしていた。 (北京・鈴木孝昌)


◆秋田連続児童殺害:証拠調べ終了、3月19日に判決
 秋田県藤里町で昨年4、5月に起きた連続児童殺害事件で、殺人と死体遺棄の罪に問われた畠山鈴香被告(34)の秋田地裁(藤井俊郎裁判長)公判は21日 の第12回で証拠調べが終了した。来年1月25日に論告求刑が行われ、判決は3月19日に言い渡される。
 被告人質問で畠山被告は殺害した米山豪憲君(当時7歳)の両親の思いに触れ「米山さんが死刑を望むのは当然で、死刑に処される方がいいと思うが、 家族を思うと簡単に死刑になっていいのか二つの心を持っている」と表明した。一方で長女彩香ちゃん(当時9歳)の橋からの転落を事故だと主張していること から「(判決で)娘を殺したと認定されたら、たぶん控訴する」と述べた。
 この日の公判では被告の精神鑑定をした青森市の精神科医、西脇巽医師の証人尋問が行われた。
 西脇医師は彩香ちゃんの転落について「心中未遂とみている。自分が殺意を持ったことを忘れたいと思い、即時健忘に等しい状態になった」と述べた。 米山豪憲君の殺害・死体遺棄当時の責任能力については「あまり減弱していない」と判断し、殺害は「計画的ではなく衝動的。無差別的なものではなく、娘の遊 び相手を与えるためと考えると整合性がある」と説明した。また被告に人格障害があると指摘し「社会に対しては閉じこもりがちで、身内には過敏」などと述べ た。【百武信幸、岡田悟】
毎日新聞 2007年12月21日 21時15分 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20071222k0000m040102000c.html


◆生徒に売春強要の教師死刑 中国の貧困山村
2007.12.21 13:50 産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/world/china/071221/chn0712211351000-n1.htm
 21日付の中国紙、京華時報によると、中国貴州省畢節の中級法院(地裁)は14日、貧困山村の生徒や児童23人に売春をさせ、強制売春の罪に問われた元 小学校教師の女(28)に死刑判決を言い渡した。
 女は少数民族が住む貧困地区で2006年3月から同6月までの間、中学校教師の夫や学校の元同僚らと結託し、11−17歳の教え子を地方都市に連れて行 き、売春をさせて約32000元(約50万円)を稼いだ。
 夫は執行猶予付きの死刑判決を受けたほか、強制売春に関与した女の元同僚や友人ら16人が無期懲役などの有罪判決を受けた。(共同)


◆父と長男に来年3月判決 4人殺害、控訴審結審
2007.12.20 17:15 産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071220/trl0712201715030-n1.htm
 福岡県大牟田市で金目当てに知人ら4人を殺害したとして、強盗殺人などの罪に問われ、1審福岡地裁久留米支部で死刑 判決を受けた一家4人のうち、父親の元暴力団幹部、北村実雄(63)、長男、孝(27)両被告の控訴審が20日、福岡高裁(正木勝彦裁判長)で結審した。 判決は来年3月27日。
 この日の公判で、孝被告の弁護側は「共犯者の供述は信用できるとは言い難く、犯行時にアリバイもある」とあらためて無罪を訴えた。
 実雄被告は、一審では自身の単独犯行としていたが、控訴審では妻の真美被告(48)らとの共謀を認めた上で「金品を奪うつもりはなかった」と主張を変更 している。
 起訴事実を認めている真美、二男の孝紘(23)両被告の控訴審は既に結審しており、今月25日に判決が言い渡される。
  1審判決によると、4被告は共謀し、平成16年9月18日、知人女性=当時(58)=を絞殺。その長男=同(18)=と友人=同(17)=を拳銃(けん じゅう)で撃つなどして殺害し、3人の遺体を車ごと川に沈めた。孝、孝紘両被告は同月16日、女性の二男=同(15)=を殺害し、遺体を川に遺棄した。


◆【セレブ妻バラバラ初公判(9)完】地獄の結婚生活「私 VS だんな側の人間」(12:00〜12:25)
2007.12.20 13:48 産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071220/trl0712201348025-n2.htm
 《正午を回ったが、弁護側による証拠の読み上げが続いた。次々に明かされていくのは、事件前の結婚生活で、三橋歌織 被告が書いたとみられる手帳、メモ類の内容だ。暴力をふるっていたとされる夫の祐輔さんに対し、殺意につながる鬱憤を蓄積していくまでの過程が列挙されて いく》
 弁護側「『まさに地獄の生活に身を置くだけ。もう決心しよう』『夜、おなかがすいたとうるさいので、みそ汁を作った』……」
 《弁護側によるメモ類の読み上げは続く。歌織被告が、夫婦間のトラブルが、自分の思う通りに周囲に伝わっていないことに、孤立感を深めていた印象を与え る記述もあった》
 弁護側「(祐輔さんが)勝手に知人に連絡し、一方的に都合のいい言い分を、事実と違う形で伝えていた」
 「一見優しいが、信じられないくらい二重人格」
 「以前は『私 VS だんな』だったが、今は『私 VS だんな側の人間』で包囲されるような状況。いかに有利に別れられるか、必死に自己防衛してい る」
 《泥沼の夫婦生活を書いた、自身のものとみられるメモ類が読み上げられている間、歌織被告は、目をつぶって下を向いていた》
 その後、河本雅也裁判長が協議のため休廷することを告げると、歌織被告は顔に手を当て、髪をかき上げたりして落ち着かない。
 裁判長らが退席すると、右隣の女性刑務官に何かを尋ね、刑務官が答えると、目を閉じて再開を待った。
裁判長「再開します」
 数分後に再び現れた裁判長は、検察側と弁護側を近くに呼んだ。
 歌織被告はその様子をしばらく見ていたが、再び目を閉じたまま待った。
 相談が終わると、裁判長は証人尋問の際に、必要に応じて証人を匿名にしたり、目隠しして見えなくなるようにする措置を取ることを決めた。
 さらに、公判前整理手続きで弁護側、検察側双方から請求があった精神鑑定の実施を認めたことを告げた。
 《午後0時25分、12月25日の次回公判のスケジュールを説明して審理は終わった》
 《たびたび泣いていた被告の目は赤く、遠目からでも腫れぼったくなっていた。手錠と腰縄をつけられ退席しようとする歌織被告は、傍聴席にいた祐輔さんの 両親と目を合わせようとはしなかったが、父が遺影を突きつけるようにすると、一瞬気づいたように振り返った》


◆【セレブ妻バラバラ初公判(8)】母「歌織は悪魔だ」(11:45〜12:00)
2007.12.20 13:34 産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071220/trl0712201334022-n1.htm
 《検察側は、さらに祐輔さんの母親の供述調書を読み続けた》
 検察側「刑事から『バラバラの遺体が、事前に私から採取したDNAと50%ほど一致した』といわれた。『本当の所はどうなんですか? (完全に)一致し たのか?』と訪ねると、刑 事は『まあ、個人的な感想では8割方は息子さんと一致したと思う。しかし、父親のDNAも採取して確認するからまだはっきりとはいえない』といわれた。刑 事は気を使っているな、という印象だった」
 「夫は、刑事からの電話を横で聞いていて、突然、『うおぉー』と泣き叫んで2階に駆け上がって いった。私も希望の糸が断ち切れ、頭は真っ白。祐輔との日々が走馬燈のように浮かんだ。『祐輔は何をしたの? 歌織はなんてひどいことをしてくれたの?  』と同じことを何度も心の中で叫んだ。その後、歌織が警察に逮捕され、祐輔を殺したことを認めたと知った。大事な祐輔がこんなことになったという悔しさ と、祐輔がこの世にいない悲しさ。なぜバラバラにされなければいけなかったのか」
 《歌織被告は、またハンカチで鼻を押さえ、うつむいた》
  検察側「歌織が祐輔の頭を切断し、町田市の公園に運んだと報道で知った。町田市に祐輔の頭を運ぶ歌織を想像し、憎しみで体がはじけそうになった。そんなこ とを普通の感覚でできるのか? 歌織は悪魔なのか? こんなに人のことを憎めるのかと言うくらい、歌織が憎かった。テレビでは『祐輔が暴力夫で、歌織はや むを得ず犯行に及んだ』みたいな感じで報道されていたが、うちの祐輔は暴力夫ではない。そういった報道が真実のように流されていたので傷ついた」
《祐輔さんの母親の供述調書は、改めて息子への思いにも触れている》
 検察側「祐輔が結婚したことで、やっと一人前になったと、親の最低限の責任を果たしたとひと安心していた。私の友人には孫の話をする人もいるが、これか らは聞いているだけでなく、その会話に入れるのではないかと。祐輔に子供ができることを楽しみにしていた」
  「私は祐輔が東京で暮らし、好きな仕事をして好きな人と暮らし、たまに孫を見せに北九州に帰ってきてくれればいいと思っていた。どこの家にもある幸せを味 わいたかった。どうして殺されたのが祐輔じゃないといけないのか。被害者がよその人ならばいいわけではないが、納得できない」
 「歌織は夫 を殺してバラバラにして捨てた。とても普通の人にはできない。歌織は悪魔だ。そんな人は社会で暮らす権利はない。死刑にしてほしいが、それでは一瞬の苦し みでおしまいだ。そんなものではなく、一生苦しみ続けてほしい。私たちは祐輔を一生背負っていかなければならない。歌織を死ぬまで刑務所に閉じこめて、罪 を償わせてほしい。刑務所から戻り、祐輔のことを忘れ、自分の人生を歩むことなど許さない」
 《祐輔さんの母親の訴えを、歌織被告はうなだれながら聞いていた》
  =(9)へ続く


◆【セレブ妻バラバラ初公判(6)】ノコギリ見せられ「私のものです」 スクリーンにかつてのわが家…(11時15分〜11時30分)
2007.12.20 13:07 産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071220/trl0712201307020-n1.htm
 《続いて検察側は、解剖の報告書や遺体の鑑定書を証拠として示し、夫だった祐輔さんの頭部に10カ所の傷があり、死 因は脳挫傷の可能性がもっとも高いことを明らかにした。犯行当時のことを思いだしたのか、歌織被告は鼻に手をやったり、ハンカチを鼻に当てたりして落ち着 かない。体を震わせることもあった。検察側は犯行後に実家に送ったブルーシートや祐輔さんが寝ていたマットレスを証拠として示し、凄惨な犯行現場の様子を 表現した》
 検察側「(マットレスは)赤黒く変色していた」
 《マットレスの説明が続く間、歌 織被告はしばらく目を閉じた。1、2分後に目を開けると、再びうつろな表情で前を見つめた。その後、検察側が証拠品として示したのは、歌織被告が祐輔さん の遺体を切断する際に使用したノコギリ。法廷中央に移動する歌織被告。ノコギリを手にした検察側とのやり取りが始まった》
 検察側「見えますか」
 被告「はい」
 検察側「このノコギリで切断したのか」
 被告「はい」
 検察側「これは誰のもの」
 被告「私です」
 検察側「あなたが買ったものですね」
  《消え入りそうな細い声で歌織被告は答え、元の席に戻った。続いて証拠として示されたのは祐輔さんと被告が暮らしていたマンションの検証調書。スクリーン にマンションの外観や内部の写真が映し出された。かつてのわが家の様子を、歌織被告はじっと表情も変えず見つめた。その後検察側は犯行後の隠蔽(いんぺ い)工作の証拠として、クローゼットなどを回収した業者や床の張り替え作業をした業者の供述調書を示した》
     =(7)に続く


◆【セレブ妻バラバラ初公判(4)】「暴行と謝罪で逃げられず」食い違う弁護側冒陳「検察は被告を『汚い奴』」(10:45〜11:00)
2007.12.20 12:37 産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071220/trl0712201238016-n1.htm
 《弁護側の冒頭陳述が続く。弁護人は夫、祐輔さんの歌織被告に対する振る舞いは「DVの典型」と主張した》
  弁護側「祐輔さんは酒を飲んだりして帰宅も遅く、歌織被告は風呂にも入れなかった。また、化粧をしていると、外出して浮気をしているのではないかと疑い、 歌織被告は化粧をすることもできなかった。祐輔さんは浮気をしていないか疑い、追及し、歌織被告の外出先でも領収書を取っておくように命令。携帯の履歴を 確認したりして疑った。暴力も振るわれて常に恐れ、緊張した状態だった」
 《ここで弁護士は一呼吸おいて、語気を強めて語り出す》
 弁護側「『逃げればいいのでは』と考える人はDVに無理解だ。祐輔さんはDVをしないときは全くの別人で、歌織被告に謝罪した。歌織被告が出ていこうと すると追いかけて連れ戻し、謝罪する。だから歌織被告も信じようと思った、そしてまた暴力。これは、DVの典型だ」
 《歌織被告と父親の関係についても言及する》
  弁護側「歌織被告は父親と確執があり、実家にだけは戻れないと考えていた。しかし平成16年、祐輔さんの暴力に耐えきれず、一度、実家に。しかし父親と衝 突して『実家にも逃げることができない』とまた家に戻った。平成17年6月27日深夜に、歌織被告は祐輔さんから顔面を殴られ、『てめぇ、逃げられると 思っているのか、今日こそ、ぶっ殺してやる』といわれ、裸足で隣の病院に逃げた。鼻骨骨折して警察に保護され、シェルターに避難した」
 《祐輔さんとの結婚生活を振り返る弁護士の冒頭陳述を聞きながら当時を思いだしたのか、歌織被告はハンカチで顔を抑え、何度も嗚咽(おえつ)を漏らし た》
 弁護側「シェルターから戻ると、さらに祐輔さんの束縛が強くなった。離婚にも応じてくれず、歌織被告は祐輔さんから名前を呼ばれただけで恐怖を感じるよ うになっていった。歌織は暴力に使われそうなものを隠し、いつでも逃げられるように携帯を持って生活していた」
 「その後、歌織被告は、離婚するために、自宅にICレコーダーを置いて、祐輔さんが浮気相手と会話する決定的な会話を録音。証拠をつかんだと思い、その 日は『早く帰宅して』と祐輔さんに電話した。しかし、同時に殺されるのではと怖くなった」
  「結局、祐輔さんは午前4時ごろに帰宅。寝ている祐輔さんを見て、殺されるのではと緊張し、もう逃げられないと思い、自分の行動をコントロールできず、ワ インの瓶で祐輔さんの頭を殴打した。周囲は血で染まり、動かない祐輔さんを見ても、まだ怖くて、早く祐輔さんを消し去りたいと考え、運搬を計画。しかし、 運ぶことができず、損壊した。これが事件の真相だ」
 《弁護士は、警察、検察批判も行う》
 弁 護側「われわれの主張が、検察の冒頭陳述となぜ異なるか。それは、取り調べに問題があったから。本来、真実を解明するのは検察の義務。しかし、警察、検察 は、本件がなぜ起こったか、耳を傾けることがなかった。検察官の1人は歌織被告を『汚い奴が、囲い者が』と侮辱。歌織被告の話に耳を傾けず、真実知る努力 を放棄した」
  =(5)へ続く


◆【セレブ妻バラバラ初公判(3)】弁護側はDV主張「夫、被告の匂いかぎ監視」(10:30〜10:45)
2007.12.20 12:15 産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071220/trl0712201215014-n1.htm
 《検察側の冒頭陳述が引き続き行われ、三橋歌織被告の犯行後に行った証拠隠滅について説明した》
  検察側「平成18年12月13日ころ、被害者の無断欠勤を心配した被害者の上司から、捜索願を出すように言われたが、すでに捜索願を出したと嘘を言った。 実際に出していないことがばれ、15日に警察署に捜索願を提出した際、被害者の左胸上に手術痕があるなどと嘘をついた」
 《検察側はさらに、被害者が生きているように偽装するため、被害者の携帯電話からメールを送ったことなどを明らかにしていく。歌織被告は動揺した様子は みせず、正面にあるスクリーンを見つめる》
  検察側「弁護人は『被害者の被告人への一方的、継続的な暴力や監視、束縛によって、PTSDになり、被告人は心神喪失か心神耗弱の状態にあった』と主張し ているため、被告人の責任能力が争点になる。しかし、検察官は、これまで述べた事実と証拠により、弁護人の主張するようなDVはなく、犯行当時もPTSD になっておらず、完全責任能力があったことを明らかにします」
 《続いて、弁護側の冒頭陳述が始まった。歌織被告の後ろで、座っていた弁護人が立ち上がる》
  弁護側「歌織さんと祐輔さんは夫婦であり、妻が夫を殺害するという痛ましい事件。2人の間に何があったのか。結論から言えば、結婚から暴力があった。肉体 的暴力、束縛、監視というDVがあった。歌織さんは暴力から逃れたい一心で、事件を起こした。2人には事件に至るまでの歴史があった」
 《DVはなかったという検察側と、真っ向から対立する主張で始まった冒頭陳述。弁護側はDVの詳しい内容について語り続ける》
 弁護側「2人は15年3月に結婚した。歌織さんへのDVは結婚前からあり、結婚してからエスカレートした。たとえば、結婚当初、歌織さんが知人で電話し ていたとき、電話をとりあげられ、平手で顔をぶたれたことがあった」
 《それまで正面を見据えていた歌織被告はやや顔を伏せ、弁護側の冒頭陳述を聞き続ける》
 弁護側「品川区のマンショ ンに引っ越したときには、2日で水道が開設できていないことを理由に殴られ、倒され、首を絞められ、引きずられた。15年10月ごろから日常的に暴行を受 けるようになり、歌織さんは逃げたいと思うようになった。祐輔さんはベルトやガムテープで手首を縛ったり、口をふさいだりした」
 《祐輔さんが行ったという肉体的暴力について詳しく述べた弁護側は、精神的暴力についても言及していく》
  弁護側「祐輔さんは歌織さんのキャッシュカードを折り、ライターで溶かした。服を切り裂くこともあった。外出先から歌織さんにメールや電話で『何をしてい るのか』を執拗に追及した。買い物をしていると言っても信じようとせず、周囲を写真撮影させ、メールに添付させることもあった。帰宅した歌織さんの体のに おいを確認することもあった」
   =(4)へ続く


◆【セレブ妻バラバラ初公判(2)】DVやんでいた 「有利な離婚」焦る歌織被告、凶器はワインボトル(10時15分〜10時30分)
2007.12.20 11:44 産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071220/trl0712201144010-n1.htm
《検察側の冒頭陳述が続く。祐輔さんの暴力がなくなった状況を説明し、歌織被告が暴力以外での離婚理由を探そうとしている状況を明らかにした》
 検察側「被告人名義でマンションを購入させ、離婚後に自分のものにしようと考えていた」
  《冒頭陳述は祐輔さんの事件前の状況に移る。祐輔さんは11月中旬に被告以外の女性と交際を始め、離婚を考え出した。一方、自分に有利な条件をつかもうと していた歌織被告は12月9日ごろ、自宅にボイスレコーダーをしかけ外出。その後確認すると祐輔さんと交際女性との会話が録音されていた。歌織被告は相変 わらず、じっと検察官のほうを見据えたままだ》
 検察側「それを突きつければ、有利に話を進められると考えた」
 《12月11日、歌織被告は自宅に友人を呼び、録音内容を確認してもらう。友人は「いざ離婚となってもマンションを取り上げるのは難しい」と話したと、 冒頭陳述で明らかにした》
 検察側「(被告は)有利な条件で離婚できないと分かり、落胆した」
 《いよいよ冒頭陳述は犯行日の12月12日に移る。離婚の話をしようとしていた日、帰宅した祐輔さんは布団マットで眠った。それを見た歌織被告は自分の 思い通りに離婚話が進まない腹立ち、自分のプライドを傷つけられた悔しさから殺害を決意した》
 検察側「台所にあった中身入りのワインボトルで、祐輔さんの頭を力一杯殴った」
 《続いて冒頭陳述は、詳細な犯行状況を描写した》
 検察側「被害者が頭を抱えるように上体を起こしたことから、さらに数発力一杯殴った」
 《祐輔さんを殺害した歌織被告。冒頭陳述は死体損壊、死体遺棄の状況に移る。検察官はプロジェクターを使って、歌織被告がどのように遺体を切断したかを 説明した。》
 検察側「自宅でノコギリを使って、まず頭部を切断した」
  《この頃から歌織被告の様子に変化が現れた。それまでじっと検察官を見据えていたが、髪をかき上げたり、鼻に手をやったり、唇をなめるなど時折落ち着かな い様子が見られた。冒頭陳述は、12月14日、歌織被告が切断した上半身を入れたゴミ袋が入ったキャリーケースに入れ、タクシーで新宿駅付近に運び、植え 込みにゴミ袋を捨てた状況に移った》
   =(3)へ続く


◆【セレブ妻バラバラ初公判(1)】歌織被告に「愛人」 結婚前から継続(9:58〜10:15)
2007.12.20 11:21 産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071220/trl0712201121008-n2.htm
 《東京地裁104号法廷。傍聴席から向かって左側には、2メートル四方程度のスクリーンがはられている。冒頭陳述の 内容を傍聴人に分かりやすく説明するための補足資料などを映し出すためだ。事件の遺族らとみられる関係者らが着席すると、9時57分、三橋歌織被告が法廷 に入ってきた》
 《傍聴席からの視線を集中して受ける歌織被告は、無地の水色の素っ気無いトレーナーに、灰色のスウェットパンツ姿。肩の下までまっすぐに下ろした髪の毛 が印象的だ》
 河本雅也裁判長「2分前ですが、開廷してよろしいですか?」
 《午前9時58分、予定の10時より2分早く開廷が告げられた》
 被告「三橋歌織です…」
 《冒頭手続きのため裁判長の前に立つよう指示された歌織被告は、一歩ずつ踏みしめるようにゆっくりと移動した。小さい声で名前や住所などの質問に答えて いく。検察側が起訴状を読み上げる》
 裁判長「言いたいことはありますか」
 被告「…ありません」
 《歌織被告が起訴事実を認めた一方、弁護側は注文をつけた》
 弁護側「事実関係は争わないが、犯行時に心神喪失か耗弱の状態にあった」
 裁判長「もう少し詳しく」
 弁護側「えー、長期のDV(配偶者間暴力)でPTSDの状態となり、犯行時に出現したと…」
 《続けて検察側の冒頭陳述に移る。スクリーンに映像が映されたほか、紙にプリントされている歌織被告に関する「年表」が大きく掲示された》
 検察官「検察側が証拠により解明しようとする事実は以下の通りです」
 《片手に棒を持った女性検察官が、ゆっくりと説明していく。裁判員制度を意識した『ですます調』の説明だ》
 検察官「ケンカが絶えず、憎しみを深めていき、離婚を考えるようになった。離婚するにしても、自分だけがみじめな生活を送るのは嫌だと考え…経済的に有 利な条件で離婚したいという思いを強く抱いていました」
 《事案の概要の説明が始まると、歌織被告が鼻をすすり上げる音が天井の高い法廷に響いた。歌織被告の生い立ちから犯行に至るまでを説明していくと、ハン カチを目に当てる場面がたびたびみられるようになってきた》
 《続いて人物関係図がプロジェクターに映し出される。歌織被告の不適切な男性関係が明かされる》
 検察官「被告には、結婚前から愛人関係にあったA男さんという男性がいます」
 《ひとしきり泣いて落ち着いたのか、歌織被告はぼんやりと聞いている》
   =(2)へ続く


◆国連の死刑停止決議祝ってコロッセオをライトアップ
2007.12.20 10:16 産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/world/america/071220/amr0712201016015-n1.htm
AP通信によると、国連総会が死刑の一時停止(モラトリアム)を求める決議案を採択したことや、米ニュージャージー州が死刑廃止法案を成立させたことを祝 い19日、ローマ市内の古代遺跡コロッセオがライトアップされた。
 古代ローマ時代、残忍な闘技などが行われ多くの奴隷らが死亡したコロッセオは現在、イタリアの死刑反対運動のシンボルとなっており、世界で死刑囚の減刑 や死刑制度廃止などが決まった際にライトアップされることになっている。
 カトリックの総本山、バチカンを抱えるイタリアは国連などの場で死刑廃止を強く主張しており、決議案採択はイタリアの外交努力の成果と国内でも大きく報 じられた。(共同)


◆死刑停止決議が成立 国連本会議日米中反対 賛成100カ国上回る
2007年12月19日 東京新聞 夕刊 http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2007121902073426.html
 【ニューヨーク=共同】国連総会本会議は十八日、死刑の一時停止(モラトリアム)を求める決議案を賛成一〇四、反対五四、棄権二九で採択、決議が成立し た。決議案作成は欧州連合(EU)が主導。
 日米中やシンガポール、中東諸国などが反対に回った。
 死刑執行停止を求める決議が、百九十二の全加盟国が参加する本会議で採択されるのは極めて異例で、潘基文(バン・キムン)事務総長は歓迎の声明を 出した。賛成国数は、決議案を上程した第三委員会(人権)での九十九カ国より増えた。決議に法的拘束力はないが、死刑制度の是非をめぐる論議に一石を投じ そうだ。
 決議は、死刑が「(犯罪)抑止に結び付くという確実な証拠はなく、死刑の誤判は取り返しがつかない」とした上で、死刑制度を定めている国に「死刑廃止を 視野に死刑執行のモラトリアムの確立」を求めた。
 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、死刑制度を廃止したり、十年以上執行していない国は百三十カ国以上に上る。
 昨年は二十五カ国で少なくとも計千五百九十一人が死刑となり、うち中国だけで千十人を占めた。


◆孤立深める日本 「死刑停止」の国連決議で
2007年12月19日12時28分 asahi.com http://www.asahi.com/national/update/1219/TKY200712190141.html
 国連が18日、死刑の執行停止を求める総会決議を初めて採択した。「世論の高い支持」を理由に死刑制度を存続している日本は、今年は年間で77年以降最 多となる9人の死刑を執行するなど、世界の潮流とは逆行。国際的な孤立を深めている。
 「世論には死刑制度や死刑執行にかなりの支持がある。国連の決議があっても我が国の死刑制度を拘束するものでは、まったくない」。決議を前にした18日 の閣議後の記者会見で、鳩山法相は語気を強めた。「死刑を存続するかしないかは内政の問題だ」という政府の立場を改めて強調するものだ。
 凶悪犯罪に対して厳罰を求める声を背景に、このところ日本では死刑執行のペースが上がる傾向にある。鳩山法相は今月7日、3人の死刑を執行した。前任の 長勢法相の執行人数も在任10カ月余の間に10人を数えた。鳩山法相の「死刑自動化」発言をきっかけに法務省内に執行のあり方を検討する勉強会ができた り、執行対象者の氏名を公表したりする動きはあるが、執行停止や制度廃止に至る論議は低調だ。
 死刑廃止を訴えてきた団体は、国連決議をきっかけに停滞する状況を変化させたい考えだ。再審で無罪となった元死刑囚の免田栄さん(82)は10月に国連 本部に赴き、討論会で「拘置所で別れの握手を交わした死刑囚は覚えているだけで56人。冤罪だという人も何人もいた」といったエピソードを通じて死刑廃止 の必要性を訴えた。死刑廃止議員連盟も、03年以来凍結されている死刑停止法案を来年の通常国会に提出する考えを示している。
 国連総会の決議に法的拘束力がないことについて、神奈川大法科大学院の阿部浩己教授(国際法)は「法的拘束力がないことだけで議論を進めれば、国際社会 の営みは限りなく意味がなくなる」と指摘する。
 日本は総会に「北朝鮮の人権状況を非難する決議」などを積極的に提案している。阿部教授は「自国に有利な決議は最大限利用し、不利なら『意味がない』で は説得力がない。日本は決議に反対することによってどんな社会を実現したいのかを主体的に示すべきだ」と話す。


◆国連総会、死刑執行停止求め決議 大差で採択
2007年12月19日11時36分 asahi.com http://www.asahi.com/international/update/1219/TKY200712190060.html
 国連総会は18日、死刑執行の停止を求める決議案を賛成多数で採択した。日本を含む死刑制度の存続国に対し国際世論の多数派が「深刻な懸念」を示した形 だ。決議に法的拘束力はないが、存続国には死刑制度の状況を国連に報告するよう求めており、制度の見直しへ向けた国際圧力が高まるのは確実だ。
 国連加盟国192カ国のうち、欧州連合(EU)のほか、南米、アフリカ、アジア各地域の87カ国が決議の共同提案国になった。採決は、賛成104、反対 54、棄権29。死刑制度を続けている日本、米国、中国、シンガポール、イランなどは反対した。
 決議は、人権尊重の意義や、死刑が犯罪を抑止する確証がないこと、誤審の場合は取り返しがつかないことなどを指摘。存続国に対し、執行の現状や死刑囚の 権利保護を国連事務総長に報告▽死刑を適用する罪名の段階的な削減▽死刑制度の廃止を視野にした執行停止――などを求めている。
 採択後、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は「世界の多様な地域から支持されて心強い。死刑廃止へ向けた潮流の証しだ」と歓迎の声明を出した。
 国連総会は71年と77年にも死刑に関する決議を採択した。当時は制度の乱用が問題視され、死刑の対象となる罪名の規制に力点を置き、廃止については 「望ましい」との表現にとどまっていた。今回は廃止を視野に入れ、その前段階として存続国に執行の停止を求めたのが特徴だ。
 死刑廃止の動きはEUの主導で広がっている。国連総会での死刑廃止要求決議案は90年代に2回提案されて採択に至らなかったが、今回は「予想を超える大 差の賛成数」(EU代表)になった。
 決議の内容を死刑の即時廃止ではなく、執行停止に緩めたことで中間派が賛成に回った事情もある。だが最大の主因は、廃止・停止に動く国々の急速な広がり だ。
 国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」によると、77年当時、死刑を廃止した国は16だったが、現在は90。制度は残っていても執行を長期 停止した韓国やロシアなどの停止国を加えると133カ国に達する(今年11月現在)。この10年間だけでも約30カ国が廃止・停止した。
 一方、存続国は中国、イラン、サウジアラビア、米国など64カ国。そのうち昨年中に執行した国は25カ国。死刑制度を維持し、実際に執行も続ける国は日 本を含め世界の少数派になった。


◆「99年にも殺人」供述 死刑囚の元組員が上申書
2007年12月19日11時30分 asahi.com http://www.asahi.com/national/update/1219/TKY200712190107.html
 宇都宮市で00年、覚せい剤を注射するなどして4人を死傷させ、水戸市で別の男性を水死させたとして強盗致死や殺人などの罪に問われ、死刑が確定した元 暴力団組長の後藤良次死刑囚(49)が、栃木県警の調べに対し宇都宮市で99年に男性を殺害したと供述していることが19日、わかった。同県警は事実関係 の確認を含め、慎重に捜査を進めている。
 調べでは、後藤死刑囚は、当時40代だった知人の自営業男性を99年春に殺害したことを自供し、共犯の存在も明らかにしたという。県警 は当時、この男性を検視し、遺体の状況などから事件性はないと判断。司法解剖はしなかったという。後藤死刑囚が茨城県警にこの事件を自供し、同県警から栃 木県警に連絡があった。
 後藤死刑囚は上告中だった05年10月、茨城県内で3件の殺人事件に関与したとする上申書を茨城県警に提出。うち、同県阿見町の男性 (当時67)が00年に殺害され、保険金約9800万円がだまし取られた事件で今年1月に殺人容疑で逮捕、その後起訴され、現在は水戸地裁で公判前整理手 続きが進められている。


◆死刑停止決議が成立 国連、日米中などは反対

2007年12月19日 10時14分 東京新聞 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007121990101455.html

 【ニューヨーク18日共同】国連総会本会議は18日、死刑の一時停止(モラトリアム)を求める決議案を賛成104、反対54、棄権29で採択、決議が成 立した。決議案作成は欧州連合(EU)が主導。日米中やシンガポール、中東諸国などが反対に回った。

 死刑執行停止を求める決議が、192の全加盟国が参加する本会議で採択されるのは極めて異例で、潘基文事務総長は歓迎の声明を出した。賛成国数は、決議 案を上程した第3委員会(人権)での99カ国より増えた。決議に法的拘束力はないが、死刑制度の是非をめぐる論議に一石を投じそうだ。

 決議は、死刑が「(犯罪)抑止に結び付くという確実な証拠はなく、死刑の誤判は取り返しがつかない」とした上で、死刑制度を定めている国に「死刑廃止を 視野に死刑執行のモラトリアムの確立」を求めた。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、死刑制度を廃止したり、10年以上執行していない国は130カ国以上に上る。

(共同)


◆米ニュージャージー、死刑廃止 他州波及は限定的
2007年12月19日(水)03:10 産経ニュース http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/m20071219004.html?C=S
 【ニューヨーク=長戸雅子】米東部ニュージャージー州のコーザイン知事は17日、死刑制度を廃止する州法案に署名、同法案は法律として成立した。連邦最 高裁が死刑復活を認めた1976年以降、廃止を決めた州は初めてで、「歴史的決定」と歓迎する死刑反対派は他州への波及を期待する。しかし、死刑制度の是 非をめぐる世論調査では支持派が多数。同州の決定の影響は、同様の法案が提出されたモンタナ州など限定的なものにとどまるとの見方が強い。
 コーザイン知事は法案への署名に先立ち、州内の8人の死刑囚を仮釈放なしの終身刑に減刑した。8人の中には、当局が性犯罪の前歴者の名前や住所を近隣住 民に公表する「メーガン法」のきっかけとなった女児殺害事件の犯人もおり、女児の遺族は「死刑囚への減刑は彼らの被害者に対する侮辱」と法案に強く反対し ていた。
 米調査機関ピュー・リサーチ・センターが1月に行った世論調査では62%が殺人犯への死刑に賛成、反対は32%で、死刑維持派が多数を占めている。
 その一方、この10年間にDNA鑑定によって有罪判決を受けた後に無実が証明されたケースも相次いで報告されている。イリノイ州が2000年に死刑執行 停止を宣言するなど、死刑制度をめぐる議論に変化が起きているのも事実だ。 
 ニュージャージー州の決定の影響についてシカゴ・トリビューン紙は、「(テキサスやバージニアなど)死刑囚も執行数も多い州がニュージャージー州に続く 動きを見せるとは考えがたい」とする専門家の見方を紹介。モンタナ州など同様の法案が提出された州や死刑囚の少ない州、執行停止中の州には影響を与える可 能性があるとし、「廃止に向けた発端というのではなく、各州議会での再考を促すきっかけになるかもしれない」と指摘した。


◆米ニュージャージー州で死刑廃止法成立、制度維持36州に
 【ニューヨーク=白川義和】米東部ニュージャージー州のコーザイン知事は17日、州議会が先に可決した死刑廃止法案に署名し、同法が成立した。

 米国で死刑を廃止する州が出たのは1965年以来。これで、死刑制度を維持しているのは50州中、36州となった。同州の死刑囚8人は、仮釈放なしの終 身刑に減刑された。
 同州は1963年以来、死刑の執行はなく死刑廃止法は現状追認の要素が大きい。死刑が宣告されても執行されないまま、控訴審で減刑されることが多 いためだ。同州の特別委員会は裁判長期化に伴う費用や遺族感情も、死刑廃止を求める理由に挙げていた。実際、娘を殺された同州のある遺族が「死刑は(裁判 が早期決着せず)遺族の痛みを募らせる有害な政策」との立場から、被告に終身刑を求刑するよう検察に求めた例もある。
 もちろん、異論も多い。今回の措置で終身刑に減刑された8人には、性犯罪前歴者の名前や住所を公開する「ミーガン法」制定のきっかけとなった女児殺害事 件の犯人も含まれている。女児の父親は死刑廃止の決定に「犠牲者を改めて侮辱するものだ」と語った。
 同州の共和党は、捜査当局者に対する殺人や子供へのレイプ・殺人、テロ犯には死刑制度を維持すべきだと主張。同州の最新世論調査でも、凶悪犯罪者には死 刑適用の選択肢を残しておくべきだとの回答が78%に達している。
 ニュージャージー州の決定がどこまで他州に波及するかは未知数だ。連邦最高裁は今年9月、致死薬注射による死刑執行が残酷な刑罰を禁じた憲法に違 反するかどうかを審査することを決め、死刑制度を維持している州も現在執行を停止している。この違憲審査の結果も死刑存廃論議に影響を与えるとみられてい る。
(2007年12月19日1時30分 読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20071218i412.htm


◆死刑廃止法案が成立 米ニュージャージー州で
2007年12月18日(火)12:05 共同通信 http://news.goo.ne.jp/article/kyodo/world/CO2007121801000169.html?C =S
 【ニューヨーク17日共同】米東部ニュージャージー州のコーザイン知事は17日、死刑制度を廃止する法案に署名、同法案が成立した。76年に連邦最高裁 の判断を受けて米国で死刑制度が復活して以降、死刑を廃止する州は初めて。死刑制度を研究する米国の非営利団体「死刑情報センター」によると、死刑廃止州 は計14州になった。うち76年以前から死刑を廃止していたのは12州。


◆米ニュージャージー州で死刑廃止法が成立
2007年12月18日(火)11:41 時事通信 http://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-AFP015617.html?C=S
【ニューヨーク17日AFP=時事】米ニュージャージー州のコーザイン知事≪写真≫は17日、死刑を廃止する州法案に署名した。同知事はこれに先立ち、 16日に死刑囚8人を仮釈放なしの終身刑に減刑した。
 同知事は署名に当たり、「きょうは、我々と我が国および世界中の死刑を拒否する何百万という人々にとって、前進の日だ」と述べた。民主党が多数を占める 同州議会は先週、賛成多数で死刑廃止法案を可決していた。
 米国では1976年に連邦最高裁が死刑復活を認め、ニュージャージー州でも死刑が復活したが、同州は2005年以来、他の二十数州とともに、死刑の執行 を凍結していた。米国の州が死刑を廃止するのはここ約40年で初めて。アイオワ、ウェストバージニア両州が1965年に廃止して以来、死刑を廃止した州は なかった。現在、37州で死刑が認められている。〔AFP=時事〕


◆ニュージャージー州が死刑廃止 8死刑囚は終身刑に
2007.12.18 10:16 産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/world/america/071218/amr0712181016004-n1.htm
 米東部ニュージャージー州のコーザイン知事(民主党)は17日、死刑制度を廃止する法案に署名、同法案が成立した。1976年に連邦最高裁の判断を受け て米国で死刑制度が復活して以降、死刑を廃止する州は初めて。
  死刑制度を研究する米国の非営利団体「死刑情報センター」によると、76年以前から死刑を廃止していた13州を含め、死刑廃止州は計14州になった。知事 は「たとえ凶悪な殺人であっても死刑に反対する全米や世界の多くの人々にとって大きな前進の日だ」と述べた。死刑廃止を検討する他州や各国の議論にも影響 を与えそうだ。
 ニュージャージー州には8人の死刑囚がいたが、知事は16日、仮釈放のない終身刑に減刑した。再犯性の高い性犯罪者の情報を地域住民に公表する「ミーガ ン法」成立のきっかけとなった7歳女児に対する殺人犯も含まれ、遺族から強い反発の声が上がっている。
 同センターによると、全米の死刑執行数は77年の1人から徐々に増えたが、99年の98人を境に漸減傾向で昨年は53人。AP通信によると、ニュー ジャージー州は82年に死刑制度を復活したが、63年以降は執行されていない。(共同)


◆山口・光の母子殺害:懲戒請求発言 342人が橋下弁護士への懲戒請求
 大阪府知事選への立候補を表明している橋下徹弁護士が、山口県光市で起きた母子殺害事件の被告弁護団に懲戒請求するようテレビ番組で呼び掛けた問題で、 大学教授ら342人が17日、処分を求め、所属先の大阪弁護士会に懲戒請求した。
毎日新聞 2007年12月18日 東京朝刊 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20071218ddm041040152000c.html


◆橋下弁護士の懲戒処分を請求へ 母子殺害事件巡り市民ら
2007年12月16日 asahi.com http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200712150101.html
 大阪府知事選への立候補を表明した橋下徹(はしもと・とおる)弁護士(38)が、99年に山口県光市で起きた母子殺害事件の被告弁護団の懲戒請求をテレ ビ番組で視聴者に呼びかけたことをめぐり、全国各地の市民ら約350人が17日、橋下氏の懲戒処分を所属先の大阪弁護士会に請求する。「刑事弁護の正当性 をおとしめたことは、弁護士の品位を失うべき非行だ」と訴える。発言に対しては、被告弁護団のメンバーが1人300万円の損害賠償訴訟も広島地裁に起こし ている。
 懲戒請求するのは京阪神を中心とした11都府県の会社員や主婦、大学教授ら350人余り。刑事裁判で無罪が確定した冤罪被害者もいる。
 橋下氏は、5月27日に大阪の読売テレビが放送した「たかじんのそこまで言って委員会」で、広島高裁の差し戻し控訴審で殺人などの罪に問 われている元少年(26)の弁護団の主張が一、二審から変遷し、殺意や強姦(ごうかん)目的を否認したことを批判。「許せないって思うんだったら、弁護士 会に懲戒請求をかけてもらいたい」などと発言した。
 17日に提出される懲戒請求書によると、元少年の主張を弁護団が擁護することは「刑事弁護人として当然の行為」と指摘。発言は弁護士法で定める懲戒理由 の「品位を失うべき非行」にあたるとしている。
 弁護士への懲戒請求は、弁護士法で「何人もできる」と定められている。請求を受けた弁護士会が「懲戒相当」と判断すれば、業務停止や除名などの処分を出 す。
 橋下氏は、元少年の弁護団のうち4人が9月に起こした損害賠償訴訟での答弁書で「発言に違法性はない。懲戒請求は市民の自発的意思だ」と 反論した。15日、朝日新聞の取材に法律事務所を通じて「(懲戒請求されれば)弁護士会の判断ですので、手続きに従います」とコメントした。


◆鳩山法相のアルカイダ発言「面白い」 福田首相が擁護
2007年12月15日00時20分 asahi.com http://www.asahi.com/politics/update/1214/TKY200712140357.html
 福田首相は14日夜、TBSの報道番組の収録で、「友人の友人がアルカイダ」と発言した鳩山法相について、「面白い方ですよね。面白い方。発言の中身も 面白い」と語った。鳩山氏の発言には、現職の法相が国際テロ組織とかかわりがあるかのような印象を与えたとして町村官房長官が口頭で注意したほか、野党が 「軽率だ」などと批判している。首相が鳩山氏擁護ともとれる発言をしたことで、野党から国会審議で真意を追及される場面が出てきそうだ。
 鳩山氏は10月の日本外国特派員協会での講演で「私の友人の友人がアルカイダ。バリ島中心部の爆破事件にからんでおり、私は近づかない ようにというアドバイスを受けていた」などと発言。事前にテロを知っていたかのような説明だったが、その後の記者会見で「話を聞いたのは事件の3、4カ月 後」と訂正。さらに「舌足らずで誤解を生む部分があった」と釈明していた。
 収録で首相は「アルカイダ発言はいただけない」という司会者の問いに、「あの1回だけじゃ駄目ですね。連続して聞くと味がある」と感想 を述べた。さらに鳩山氏が「(テロ組織が)しょっちゅう日本に平気で入って来られるというのは安全上好ましくない」と発言したことを念頭に、「そういう人 がいる可能性があるってことを正直に言っている。ほんとのことを、ほんとと言った」とも語った。
 鳩山氏が当初、事前にテロ情報を知っていたととれる発言をしたことについては「言い間違えですね。それはありえません」と強調した。
 鳩山氏は死刑執行に関して「法相が絡まなくても自動的に進む方法はないか」と述べるなど発言の軽率さが指摘されている。


◆死刑制度 ニュージャージー州が廃止
2007年12月15日(土)04:23 産経ニュース http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/m20071215009.html?C=S
 米東部ニュージャージー州の州下院は13日、死刑制度を廃止する法案を可決した。これにより、同州は1976年に連邦最高裁が死刑復活を認めてから初め て死刑制度を廃止する州となる。
 同州は63年以来、執行を停止しているものの、現在8人の死刑囚がいる。死刑囚は知事の署名後、終身刑に減刑される。米国では、50州のうち、ニュー ジャージーを含む37州が死刑制度を維持しており、76年以降1000件以上が執行されている。(ニューヨーク 長戸雅子)


◆米東部で死刑廃止へ ニュージャージー州が復活後初
2007年12月14日(金)16:32 産経ニュース http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/e20071214012.html?C=S
 【ニューヨーク=長戸雅子】米東部ニュージャージー州の州下院は13日、死刑制度を廃止する法案を可決した。これにより、同州は1976年に連邦最高裁 が死刑復活を認めてから、廃止に踏み切る初めての州となる。
 州下院の広報担当によると、法案は44対36票で可決された。同案はすでに上院を通過しており、同州のジョン・コーザイン知事の署名で法律として成立す る。知事は来週中にも署名する予定。
 同州は63年以来、執行を停止しているものの、現在8人の死刑囚がいる。死刑囚は知事の署名後、終身刑に減刑される。この中には、性犯罪の前歴者の名前 や住所を公表する「メーガン法」制定の契機となった女児メーガンさん殺害事件の犯人も含まれている。
 メーガンさんの父、カンカ・メーガンさんは「私の娘は無残な方法で殺害された。(死刑廃止は)侮辱以外の何ものでもない」と廃止を見直すよう訴えてい た。


◆米ニュージャージー州、死刑廃止法案可決 76年以降初
2007年12月14日10時25分 asahi.com http://www.asahi.com/international/update/1214/TKY200712140054.html?ref=goo
 米東部のニュージャージー州議会で13日、死刑を廃止する法案が可決された。米連邦最高裁が死刑を合憲と認めた76年以降で初めて死刑廃止を決定する州 となる。今後米国内で死刑存廃の議論が高まりそうだ。
 死刑の代わりに仮釈放なしの終身刑を適用する。州知事の署名により年内に施行される見通し。民主党議員らが廃止論議をリードし、州の特別委員会は「死刑 は終身刑より経費がかかり、殺人の抑止効果もない」との報告書を出していた。
 同州には現在、8人の死刑囚がいるが、同法によって終身刑に減刑される。その中には、性犯罪歴の公表を定めた「メーガン法」制定のきっかけとなった女児 殺害犯も含まれている。
 米国では戦後の一時期、違憲の疑いにより死刑執行が停止されていたが、76年の連邦最高裁の判断で復活した。州ごとに死刑をめぐる状況は異なり、テキサ ス州など執行の多い州がある半面、アラスカ州など死刑を廃止している州もある。事実上執行を停止している州も含め、死刑制度を維持しているのはニュー ジャージー州を含め37州とされる。


◆米東部州が死刑廃止=76年の復活後初、全国に波及も
2007年12月14日(金)08:20 時事通信社] http://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-14X747.html?C=S
 【ニューヨーク13日時事】米東部ニュージャージー州の下院は13日、死刑制度を廃止する州法案を賛成44、反対36で可決した。同案は既に上院を通 過。下院の可決により、同州の死刑廃止が事実上決まった。1976年に連邦最高裁が死刑復活を認めてから、廃止に踏み切る州は初めて。同様の動きが他州に 広まる可能性もある。

 同州のコーザイン知事(民主)は死刑廃止論者。今年1月に州特別委員会が「死刑は終身刑より公費負担が重く、殺人の抑止効果もない」とする報告書を公表 したことを受け、民主党議員が廃止法案を提出していた。 


◆『謝罪もないままとは…』 前橋スナック乱射事件 首謀の被告に死刑判決
2007年12月11日 東京新聞 http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20071211/CK2007121102071231.html
 「謝罪の言葉もないままとは…」。前橋市のスナックで二〇〇三年一月、市民ら四人が射殺された拳銃乱射事件から約五年。東京地裁は十日、事件の首 謀者とされ、殺人罪などに問われた指定暴力団住吉会系矢野睦会会長の矢野治被告(58)に死刑を言い渡した。否認のまま一審判決を受けた矢野被告に対し、 遺族は「謝ってすむことではないが、少しでも罪を逃れようとする態度は許せない」と憤りを隠さなかった。
 朝山芳史裁判長は判決で「身に覚えがないと供述するなど、責任を回避する卑劣な言動に終始し、反省の態度はいささかも見いだせない」などと厳しい 言葉で非難。判決後にも「供述を拒んでいるが、社会的、常識的にみて甚だ遺憾。せめて謝罪の言葉を述べてほしい。控訴をした場合は控訴審で知っていること を話してほしい」などと説諭した。
 判決を聞いた遺族の男性(33)は「死刑は一番望んでいた判決」としつつ、「これが最高刑だから仕方がない。でも納得しているわけではない」と複雑な心 境を口にした。
 事件から四年十一カ月。「長すぎる。これで控訴すればまた長くなるのか」とため息をついた。最後に「(事件で死亡した)父と一緒に飲みたかった。親孝行 する機会もないまま逝ってしまった」と、あらためて悲しみをかみしめていた。
 別の遺族は「当然の結果だ」とした上で、「たとえ控訴してでも報復活動のすべてを包み隠さず話し、謝罪してほしい」と語った。「(犠牲となった父に)判 決まで五年もかかった。最高裁まで続くと思うけれど、頑張る」と伝えるという。
平然としたそぶり
 「大きい声で言ってくれませんか」−。朝山裁判長が「主文は後で言いますので、座って聞いていてください」と極刑を予想させる言葉で促すと、矢野被告は こう切り返した。
 矢野被告は法廷に入ると、まず一般傍聴席の暴力団関係者らに「ご苦労さまです」と一礼。続いて弁護人に「お願いします」と言い、席に。特別傍聴席で遺影 を持つ遺族らには礼をすることも、目を向けることもなかった。
 判決言い渡しは約一時間半に及んだ。「首謀者としての刑事責任は、実行犯を上回る」などと厳しい言葉が続いたが、矢野被告は腕組みをしていすにもたれる など平然としたそぶりで、時折、一般傍聴席に向け、笑みを浮かべたり、声を出さずに口を動かしたりした。
 主文の言い渡しが終わると、暴力団関係者らに頭を下げ、表情を変えずに法廷を去った。その姿からは、自らの指示で奪ったとされる被害者の命の重みを感じ ている様子は、全く感じられなかった。


◆前橋のスナック4人射殺:組会長に死刑 「実行犯上回る責任」 /群馬
12月11日13時1分配信 毎日新聞
 ◇スナック乱射など、5人殺害2事件指示
 前橋市のスナックで市民ら4人が射殺された事件などの指揮役として殺人罪などに問われた指定暴力団住吉会系矢野睦会会長、矢野治被告(58)に、東京地 裁は10日、求刑通り死刑を言い渡した。朝山芳史裁判長は「全事件で指示があった。刑事責任は実行犯を上回る」と述べ、一貫して関与を否認した主張を退け た。
 入廷した矢野被告は暴力団抗争の巻き添えになった客の遺族ら6人を無視するかのように、傍聴席に居並ぶ暴力団関係者に一礼。最後まで遺族に謝罪の態度を 示さず、時折薄笑いを浮かべた。
 判決によると、矢野被告は指定暴力団稲川会系元組長殺害を配下組員に指示。実行役の矢野睦会幹部、小日向将人(38)=1、2審死刑、上告中=と同、山 田健一郎(41)=死刑求刑=両被告が03年1月25日深夜、前橋市三俣町のスナックで拳銃を乱射し、客の男女3人と警護役の組員(当時31歳)を射殺、 元組長ら2人に重傷を負わせた。
 これに先立つ02年10月には白沢村(現沼田市)でこの元組長を銃撃。同年2、3月には稲川会系の元総長宅に火炎瓶を投げるなどの襲撃を指揮した。
 また、襲撃に失敗した仲間の組長(当時54歳)を口封じのため、入院先の日本医科大付属病院で射殺。
 判決はいずれも矢野被告を首謀者と認め「5人もの人命を奪った。スナックの客は何の落ち度もなく、絶望のふちに沈められた遺族や被害者に謝罪の言葉すら 述べられていない」とした。
 ◇すべて話し謝罪を
 遺族の一人は「死刑は当然の結果で一安心した。すべてを包み隠さず話し、謝罪してほしい。墓前には『高裁、最高裁と続くが頑張る』と報告する」とコメン トした。
(2007.12.11 朝刊 毎日新聞 最終更新:12月11日13時1分 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071211-00000129-mailo-l10


◆5人射殺の組長に死刑 東京地裁判決「責任、実行犯上回る」
12月11日8時3分配信 産経新聞
 前橋市のスナック銃乱射事件や日本医科大付属病院(東京都)での暴力団組長射殺事件で計5人を殺害したなどとして、殺人や銃刀法違反などの罪に問われた 指定暴力団住吉会系組会長、矢野治被告(58)の判決公判が10日、東京地裁で開かれた。朝山芳史裁判長は、矢野被告を一連の事件の首謀者と認め「責任は 実行犯を上回る」とし、求刑通り死刑を言い渡した。矢野被告は無罪を主張していた。
 朝山裁判長は、前橋事件について「残虐な犯行で一種の無差別テロ。一般人3人はたまたま居合わせて犠牲となり、その無念は察するに余りある」と述べた。 日医大事件も「安全が確保されるべき病院内の犯行で悪質極まりない。口封じ目的で酌量の余地はない」と断じた。
 犯行動機は、対立していた指定暴力団稲川会系の元組長への報復だったと認定。その上で「暴力団特有の論理に基づく反社会的犯行」と指摘し、死刑の選択も やむを得ないと判断した。
 判決によると、矢野被告は稲川会系元組長殺害を計画。部下に指示し、平成15年1月25日深夜、前橋市内のスナックで拳銃を乱射し、客の男女3人ら計4 人を射殺、元組長ら2人に重傷を負わせた。14年2月25日には、東京都文京区の日医大病院に入院していた配下の住吉会系組長=当時(54)=を射殺し た。
 前橋の事件では、実行役の組幹部、小日向将人被告(38)が1、2審で死刑判決を受け上告中。日医大事件は実行役2人に無期懲役などの判決が確定してい る。
(2007.12.11 産経新聞 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071211-00000069-san-soci)


◆<オウム>教団分裂で信者150人減少 警察庁が治安分析
12月11日5時1分配信 毎日新聞
 警察庁は10日、今年の治安情勢と今後の動向を分析した07年版「治安の回顧と展望」をまとめた。
 オウム真理教について、信者数は11月20日現在で約1500人で、従来発表していた数字に比べ約150人減少していることを明らかにした。背景とし て、今年5月に上祐史浩元代表を支持する信者が主流派から分かれ、新団体「ひかりの輪」を設立。教団が分裂する中で、運営方針に不満を抱いたり、前途を悲 観したため脱会が相次いだと分析している。
 しかし、依然として全国29カ所に拠点施設が確認されており、特に主流派は、元代表の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚に対する絶対的帰依を求め、拠点施設 内で松本死刑囚が唱えるマントラ(呪文)を流すことなどが確認された。
 分裂した上祐派は、形式上は松本死刑囚との決別を強調しているが、95年の地下鉄サリン事件以前からの信者が多数を占め、松本死刑囚の教えが含まれた教 材を使用するなど依然として影響下にあるとみている。
 一方、来年7月の北海道洞爺湖サミットについては、国際テロのターゲットになる可能性や、反グローバリズムを掲げるデモに伴う違法行為の発生が懸念され るとして、全国警察が一体となった警備体制の確立を求めている。【遠山和彦】
(2007.12.11 毎日新聞 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071211-00000010-mai-soci)


◆日本の死刑執行に懸念=国連人権弁務官
12月10日21時0分配信 時事通信
 【ジュネーブ10日時事】国連は10日、アルブール人権高等弁務官の声明を発表し、日本政府が7日公表した死刑執行に懸念を表明した。同弁務官は、死刑 囚やその家族に事前に通告することなく突然、死刑が執行されたようだとし、「こうした手続きは国際法上、問題をはらんでおり、日本に再考するよう求める」 と訴えた。 
(2007.12.10 時事通信 最終更新:12月10日21時0分 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071210-00000144-jij-int)


◆東京地裁 5人殺害 組会長死刑 スナック銃乱射など「実行犯上回る責任」
12月10日17時2分配信 産経新聞
 前橋市のスナック銃乱射事件や日本医科大付属病院(東京都)での暴力団組長の射殺事件で、市民を含む計5人を殺害したなどとして、殺人や銃刀法違反など の罪に問われた指定暴力団住吉会系組会長、矢野治被告(58)の判決公判が10日、東京地裁で開かれた。朝山芳史裁判長は、矢野被告が一連の事件の首謀者 だったことを認めた上で「責任は実行犯を上回る」として、求刑通り死刑判決を言い渡した。矢野被告は無罪を主張していた。
 朝山裁判長は、前橋事件について「残虐な犯行で一種の無差別テロ。一般人3人はたまたま居合わせたばかりに巻き添えを食って凶行の犠牲となり、その無念 は察するに余りある」と述べた。
 日医大事件も「安全が確保されるべき病院内の犯行で悪質極まりない。口封じ目的で酌量の余地はない」と、矢野被告を断じた。
 朝山裁判長は、犯行動機は対立していた指定暴力団稲川会系の元組長に対する報復だったと認定。その上で「暴力団特有の論理に基づく反社会的犯行。矢野被 告の反社会的人格は根深い」と指摘し、死刑の選択もやむを得ないと判断した。
(2007.12.10 産経新聞 最終更新:12月10日17時56分 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071210-00000000-san-soci)


◆前橋銃乱射:会長に死刑言い渡し 事件の首謀と認定
 前橋市のスナックで03年に市民ら4人が射殺された事件や、日本医科大付属病院(東京都文京区)で02年に入院中の暴力団組長が射殺された事件 で、殺人罪などに問われた指定暴力団住吉会系矢野睦会会長、矢野治被告(58)に対し、東京地裁は10日、求刑通り死刑を言い渡した。朝山芳史裁判長は 「5人もの尊い人命を奪い、首謀者である被告の刑事責任はこの上なく重い」と述べた。
 弁護側は「被告の関与を認めた実行役の証言は虚偽だ」と無罪を主張したが、判決は、実行役の証言の信用性を認めた。その上でスナック乱射事件について 「店でいきなり拳銃十数発を乱射した一種の無差別テロ。巻き添えになった市民の無念は察するに余りある」と指摘した。
 判決によると、矢野被告は対立していた暴力団元組長の殺害を実行役の小日向将人被告(38)=1、2審死刑、上告中=に指示。03年1月25日深 夜、小日向被告らが前橋市のスナック店で拳銃を乱射して、客の男女3人や警護役の元組員を射殺し、元組長ら2人に重傷を負わせた。また住吉会系組長 (58)=無期懲役が確定=らと共謀し、02年2月25日、同病院集中治療室にいた同会系の組長(当時54歳)を射殺した。【銭場裕司、鈴木敦子】
毎日新聞 2007年12月10日 11時46分 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20071210k0000e040040000c.html  (最終更新 時間 12月10日 12時52分)


◆日韓共同シンポ:韓国人BC級戦犯問題の初のシンポ−−千代田 /東京
 戦時中、日本軍の捕虜監視業務などをさせられ、戦後、連合国側の軍事裁判で処罰された韓国人BC級戦犯問題の初の日韓共同シンポジウム(内海愛子・実行 委員長)が8日、千代田区内で開かれた。韓国から来日した遺族らが改めて日本政府に謝罪と補償を訴えた。
 今年2月、ソウルで結成された韓国BC級戦犯者遺族会の姜道元(カンドウォン)さん(67)、鄭昌洙(チョンチャンス)さん(44)ら7人が出 席。日本側からは、在日の元BC級戦犯者らでつくる同進会の李鶴来(イハンネ)さん(82)らが参加した。鄭さんは、「私の父はジャワで捕虜監視員をさせ られ、5年の刑を受けた」と言い、「日本のみなさんは韓国に帰った元戦犯のその後の生活はご存じないと思うが、多くが職場も確保されず、『対日協力者』と して差別や誤解を受けた」と発言した。
 当時、朝鮮半島から3000人以上が各地の捕虜収容所などに派遣され、戦犯に問われたのは148人。うち23人に死刑が執行された。韓国政府は昨年、処 罰された人々を「強制動員の犠牲者」と認定し、名誉回復の措置が取られた。【明珍美紀】
毎日新聞 2007年12月9日 http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20071209ddlk13040147000c.html


◆クローズアップ2007:死刑執行・氏名公表 にじむ「意義アピール」
 法務省は7日、3人の死刑を執行し、氏名と犯罪事実、執行場所を初めて公式に発表、鳩山邦夫法相が国会で氏名を読み上げるなど大きな変化をみせ た。閉鎖性に大きな風穴が開いた形だが、「死刑の存在価値をアピールするための恣意(しい)的な開示だ」との疑問の声も上がる。【坂本高志、森本英彦、木 戸哲】
 7日午前9時過ぎ。鳩山氏は閣議後、福田康夫首相に3人の執行と従来の方針を転換することを報告した。福田首相は「分かりました。被害者の遺族の立場を 重視するということでもありますからね」と応じた。
 8月に就任した鳩山氏は歴代法相と違い死刑制度について積極的に発言してきたが、公表は当初否定的だった。「(死刑囚の)遺族感情や他の死刑囚の 心情がある」と従来の見解を強調した。だが、10月上旬に始まった省内の勉強会で議論するうち「ブラックボックスではないか」と思うようになったという。
 最終的に一定の開示は、被害者をはじめ国民に執行が適切に実施されていることを理解してもらうのに役立つと判断した。省内に強烈な反対論はなかったが、 「過去」との整合性には配慮すべきだという声はあった。
 同日午後、省内で会見した鳩山氏は「これまでが誤りだったわけではないのだから、遡及(そきゅう)はしない」と述べ、以前執行された死刑囚は公表しない ことを明らかにした。
 だが、氏名公表の理由として唐突に「犯罪被害者」の存在が挙げられたことに疑問の声も上がる。弟を殺されながら加害者の死刑囚と面会し、01年の 執行に反対した原田正治さん(60)は「死刑を肯定するための一つの言い訳に過ぎない。すべての被害者遺族の声に耳を傾けていないのに」と語った。諸沢英 道・常磐大大学院教授(被害者学)も「メディアに公表するのは、犯罪の予防的側面の方が濃いのではないか」と語る。
 ◇決め方、順番…依然闇の中
 「もっと安らかな方法がないのかなという率直な思いはある」。10月24日の衆院法務委員会。鳩山氏は刑法で定める「絞首刑」について、見直しの余地が あるとの見解を示した。
 省内の勉強会は非公開だが、副大臣や刑事、矯正などの各局長らが参加。死刑反対の関係者から「死刑の執行を停止し、終身刑を導入すべきだ」などの 意見も聞いた。執行方法の他、刑の確定から執行まで平均約7年半以上を要している状況などが検討されているとみられる。ただ、いずれも氏名公表と異なって 法改正が壁となっており、鳩山氏も「在任中に(検討の)成果が出るかは分からない」と言葉を濁す。
 情報公開の是非に限っても、検討課題はまだある。ここ数十年、法相や一部国会議員ら以外に死刑場が公開されたことはない。法務・検察が執行のタイ ミングや順番をどう決めているのかや死刑囚の心身の状況など、「完全にブラックボックス」(死刑廃止団体のメンバー)な部分もある。
 今回の公表について、同省幹部は「これが最大限(の公開)」と強調した。しかし、98年に人数だけの公表を始めた時も「限界」と語る幹部が多数だった。
 死刑廃止の立場で鳩山氏と面会した菊田幸一・明治大名誉教授は「死刑の密行主義には反対だが、氏名と犯罪事実に限って公表するのはごまかし。死刑囚の残 酷さは公開するが、国家が人を殺す残酷さは隠されたままだ」と述べ、公開範囲の拡大を求める。
 ◇制度存続、先進国は日米のみ
 7日に3人の死刑が執行され、未執行の死刑囚は全国で104人。死刑確定者は89年以降1けただったが、04年以降は10人を超え、今年は既に 20人。厳罰化傾向のうえ、実際の執行に7年半以上を要するため、死刑囚が増える流れにある。長勢甚遠前法相の命令分とあわせ、今年は計9人に死刑が執行 された。76年(12人)以後で最多だ。
 世界の状況は大きく異なる。「死刑廃止の潮流に、日本は逆行し続けている」。人権団体「アムネスティ・インターナショナル日本」は7日、死刑執行 に抗議する声明を出した。アムネスティによると、今年10月現在、10年以上執行がない32カ国も含めると133カ国が死刑廃止国だ。先進諸国で死刑を残 しているのは日本と米国だけだが、米国では死刑判決数や執行数は減少傾向にあるという。
 先月15日、国連総会第3委員会(人道問題)で、死刑執行の一時停止を求める決議案が採択された。一方、日本では、内閣府の世論調査結果で死刑存続を認 める意見が初めて8割を超えた。
 ◇さらなる公開、日弁連が要請
 日本弁護士連合会の平山正剛会長は7日、「死刑囚の氏名だけではなく、制度全般に関する情報を更に広く公開することも政府に要請する」と声明を出 した。日弁連は制度の存廃について、議論を尽くすまで執行を一時停止すべきだという立場だ。また、民主党「次の内閣」法務担当、細川律夫衆院議員は「衆院 法務委員会の開催中に執行したことはあまりに軽率だ」と談話を出した。
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 ▼死刑に関する鳩山法相の主な発言▲
 「法相が絡まなくても、半年以内に執行することが自動的、客観的に進む方法がないか。(確定の)順番通りなのか、乱数表なのか分からないが」(9月25 日、内閣総辞職後の会見)
 「この大臣は死刑をバンバンやった、この大臣はしないと分かれるのはおかしい」(同日、福田内閣での再任会見)
 「日本人は命を奪うという行為に対する憤りが強い民族。死刑廃止は非常にドライな発想と思う」(10月17日、毎日新聞のインタビューに)
毎日新聞 2007年12月8日 大阪朝刊 http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/archive/news/20071208ddn003010026000c.html


◆クローズアップ2007:死刑執行・氏名を公表 法務省、突然の変更
 ◇開示は恣意的との声も
 法務省は7日、3人の死刑を執行し、死刑囚の氏名と犯罪事実、執行場所を初めて公式に発表した。過去10年近く、死刑執行の事実と人数だけの発表 が続けられてきたが、この日、鳩山邦夫法相が国会で氏名を読み上げるなど大きな変化をみせた。閉鎖性に大きな風穴が開いた形だが、「死刑の存在価値をア ピールするための恣意(しい)的な開示だ」との疑問の声も上がる。【坂本高志、森本英彦、木戸哲】
 7日午前9時過ぎ。鳩山氏は閣議後、福田康夫首相に3人の執行と従来の方針を転換することを報告した。「私の判断で名前を公表します。よろしいです か」。福田首相は「分かりました。被害者の遺族の立場を重視するということでもありますからね」と応じた。
 8月に就任した鳩山氏は歴代法相と違い死刑制度について積極的に発言してきたが、公表は当初否定的だった。「(死刑囚の)遺族感情や他の死刑囚の 心情がある」と従来の見解を強調した。だが、10月上旬に始まった省内の勉強会で執行のあり方を議論するうち「ブラックボックスではないか」と思うように なったという。
 執行のサインをした数日前の時点でも「(氏名公表は)見合わせようかと迷った」。最終的に一定の開示は、被害者をはじめ国民に執行が適切に実施さ れていることを理解してもらうのに役立つと判断した。省内に強烈な反対論はなかったが、「過去」との整合性には配慮すべきだという声はあった。
 同日午後、省内で会見した鳩山氏は「これまでが誤りだったわけではないのだから、遡及(そきゅう)はしない」と述べ、以前執行された死刑囚は公表しない ことを明らかにした。
 だが、氏名公表の理由として唐突に「犯罪被害者」の存在が挙げられたことに疑問の声も上がる。弟を殺されながら加害者の死刑囚と面会し、01年の 執行に反対した原田正治さん(60)は「死刑を肯定するための一つの言い訳に過ぎない。すべての被害者遺族の声に耳を傾けていないのに」と語った。
 諸沢英道・常磐大大学院教授(被害者学)も「メディアに公表するのは、被害者のためというより犯罪の予防的側面の方が濃いのではないか」と語る。
 ◇勉強会で検討重ね
 「もっと安らかな方法がないのかなという率直な思いはある」。10月24日の衆院法務委員会。鳩山氏は刑法で定める「絞首刑」について、見直しの余地が あるとの見解を示した。
 省内の勉強会は非公開だが、副大臣や刑事、矯正などの各局長らが参加。死刑反対の関係者から「死刑の執行を停止し、終身刑を導入すべきだ」などの 意見も聞いた。執行方法の他、刑の確定から執行まで平均約7年半以上を要している状況などが検討されているとみられる。ただ、いずれも氏名公表と異なって 法改正が壁となっており、鳩山氏も「在任中に(検討の)成果が出るかは分からない」と言葉を濁す。
 情報公開の是非に限っても、検討課題はある。ここ数十年、法相や一部国会議員ら以外に死刑場が公開されたことはない。また、法務・検察が執行のタ イミングや順番をどう決めているのかや死刑囚の心身の状況など、「完全にブラックボックス」(死刑廃止団体のメンバー)な部分もある。
 死刑廃止の立場で鳩山氏と面会した菊田幸一・明治大名誉教授は「密行主義には反対だが、氏名と犯罪事実に限って公表するのはごまかし。死刑囚の残酷さは 公開するが国が人を殺す残酷さは隠されたまま」と述べ、公開範囲の拡大を求める。
 ◇厳罰化で未執行増加
 7日に3人の死刑が執行され、未執行の死刑囚は全国で104人。死刑確定者は89年以降1ケタだったが、04年以降は10人を超え、今年は既に20人。 厳罰化傾向のうえ、実際の執行に7年半以上を要するため、死刑囚が増える流れにある。
 長勢甚遠前法相の命令分とあわせ、今年は計9人に死刑が執行された。76年(12人)以後で最多だが、ある法務省幹部は「執行が追いつかない状況が続く と、死刑制度に対する不信が出てくる」と危惧(きぐ)する。
 一方、死刑をめぐる世界の状況は大きく異なる。「世界の死刑廃止の潮流は政治や宗教、文化の差異を超えて広がっているのに、日本はこの流れに逆行し続け ている」。人権団体「アムネスティ・インターナショナル日本」は7日、死刑執行に抗議する声明を出した。
 アムネスティによると、今年10月現在、90の国・地域が死刑を廃止し、11カ国が戦時犯罪などを除いて死刑を廃止している。10年以上執行がな い32カ国も含めると133カ国が死刑廃止国だ。死刑を存続させているのは64の国・地域だが、昨年死刑を執行した国は、日本を含めて25カ国しかない。 先進諸国で死刑を残しているのは日本と米国だけだが、米国では死刑判決数や執行数は減少傾向にあるという。
 先月15日、国連総会第3委員会(人道問題)で、死刑執行の一時停止を求める決議案が採択され、国際社会で死刑反対の動きは一層強まっている。
 一方、日本では世論調査を行うと存続論が多い。内閣府の世論調査結果では死刑存続を認める意見が初めて8割を超えた。
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 ◆死刑執行を巡る歴代法相の発言◆
 後藤田正晴氏「個人的な思想信条で執行を命令しなければ、初めから法相就任が間違い。法秩序、国家の基本が揺らぐ」(93年3月、3年4カ月ぶりの死刑 執行を受け)
 中村正三郎氏「死刑の執行は裁判所の判決に基づいて行う行政行為だから、きちんと国民に知ってもらう必要がある」(98年11月、死刑執行の公表を指 示)
 保岡興治氏「凶悪事件では死刑もやむを得ないという一般世論がある。現行制度は刑事政策として適切だ」(00年12月、死刑執行後)
 森山真弓氏「裁判所が決めたことを執行するのが法務省の仕事。法相がその結論を勝手に曲げるのは許されない」(03年9月、死刑執行後)
 南野知恵子氏「人の命を絶つ極めて重大な刑罰なので、慎重な態度で臨んでいるが、確定した裁判の執行は厳正にしなければならない」(05年9月、死刑執 行後)
 杉浦正健氏「(死刑執行命令書に)私はサインしません。私の心の問題。宗教観というか哲学の問題です」(05年10月、就任会見で。直後に撤回)
 長勢甚遠氏「これまでの法相の判断はあったかもしれないが、自分は法にのっとり慎重に検討して判断した」(07年4月、異例の国会会期中の死刑執行後)
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 ■死刑に関する鳩山法相の主な発言■
 「法相が絡まなくても、半年以内に執行することが自動的、客観的に進む方法がないか。(確定の)順番通りなのか、乱数表なのか分からないが」(9月25 日、内閣総辞職後の会見)
 「この大臣は死刑をバンバンやった、この大臣はしないタイプと分かれるのはおかしい」(同日、福田内閣での再任会見)
 「日本人は命を奪うという行為に対する憤りが強い民族。死刑廃止は非常にドライな発想と思う」(10月17日、毎日新聞のインタビューに)
毎日新聞 2007年12月8日 東京朝刊 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20071208ddm003010058000c.html


◆死刑執行:鳩山法相「世論を大事に」
 鳩山邦夫法相は7日、3人の死刑執行が行われた後、法務省内で会見し「(執行を命令した)この数日間、非常に心の晴れない日々を過ごした。楽な判断では なかったが、法相の責務と思った」と語った。執行のあり方に関する省内勉強会が進められている最中に執行した是非も問われたが「議論しているから少し執行 しないでいいという意見もあるが、死刑はやむを得ないという世論が八十数%もある。この世論は大事にしなくてはならない」と強調した。
 一方、日本弁護士連合会の平山正剛会長は「死刑囚の氏名だけではなく、制度全般に関する情報を更に広く公開することも政府に要請する」と声明を出した。 日弁連は制度の存廃について、議論を尽くすまで執行を一時停止すべきだという立場だ。また、民主党「次の内閣」法務担当、細川律夫衆院議員は「衆院法務委 員会の開催中に執行したことはあまりに軽率だ」と談話を出した。【坂本高志、高倉友彰】
(毎日新聞 2007年12月8日 東京朝刊 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20071208ddm012010087000c.html


◆(社説)死刑氏名公表 国民の論議深める機に(12月8日)
 法務省が三人の死刑を執行し、初めて氏名と執行場所、犯罪事実を公表した。
 これまでは執行した事実と人数のみ公表していた。秘密のベールで包んできた死刑制度の実態に風穴を開けたという意味があるだろう。
 執行命令書に法相が署名しなくても執行が進む「死刑の自動化」を提案、批判された鳩山邦夫法相がサインした初めての死刑執行である。
 今回の氏名公表をきっかけに、死刑制度をめぐる論議を国民全体のものにできないだろうか。そのためにも、執行の実態をもっと明らかにしたうえで、死刑の 存廃についても国会で論議を深めてほしい。
 法務省は長年、矯正統計年報に前年の執行件数を掲載するだけだった。
 「秘密主義」との批判を浴びて九年前から執行日に、執行の事実と人数の発表を始めた。だが、氏名などは、死刑囚の遺族の感情や、ほかの死刑確定者の心情 の安定を損なうという理由で公表しなかった。
 方針転換した理由は「死刑が適正に執行されていることについて国民の理解を得るために、情報公開を進めることが重要と考えた」からだという。ただ、これ で十分だろうか。
 先月、東京拘置所で死刑執行の刑場を視察した国会議員は、所長が「死刑執行」を言い渡し、執行するまでの時間は「数分間」という説明を受けた。
 こうした実態すら、国民に知らされているとは言えない。執行前のわずかな時間に死刑囚は最期の言葉を残せるのだろうか。
 死刑制度については、国民の賛否の意見が分かれているが、まずは、何がどう行われているかという事実を基に議論することがスタート台になる。
 法務省が国民の理解を得ようとした背景には、死刑の確定者が増え、今春から百人を超えている現状がある。
 今年の執行数は長勢甚遠法相時代と合わせて九人となり、過去三十年間で最も多い年間執行数になった。このところ年平均三、四人だっただけに、急増ぶりが 目立つ。ただ、粛々と執行すればいいわけではあるまい。
 世界の動向も参考にするべきだ。国連総会第三委員会が先月、死刑制度がある加盟国に対し、死刑の一時停止を求める決議案を採択した。決議案に反対した米 国など死刑存続国でも執行の方法はさまざまである。
 鳩山法相は刑場の視察をふまえ、現行の絞首刑以外に「何かもっと安らかな方法がないのか」とも述べている。
 一年半後には裁判員制度が始まり、国民が死刑もありうる事件の審理に加わる。その前に、執行方法や終身刑の創設、死刑制度の是非などきちんと議論すべき テーマは多い。国会議員や専門家による「死刑臨時調査会」のような組織を設けてはどうだろうか。
(2007.12.8 北海道新聞 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/64768.html


◆死刑囚の氏名公開で賛否 死刑廃止派に懸念も
2007年12月08日03時00分
 法務省は7日午前に執行した死刑について、初めて対象者の氏名や執行場所を公表した。執行のあり方について省内に勉強会を設けた鳩山法相の意向もあり、 「秘密主義」と批判されてきた死刑執行の情報公開が一歩進んだ形だ。一方で「死刑を進める布石」にしたい法務省側の思惑に対し、死刑廃止を訴える人たちの 間には懸念が募っている。
 「(公開は)私の判断です。勉強会でもスパッと結論が出ることではなかったが、決断をしようと思った」。鳩山法相はこの日午後の記者会見で強調した。
 法務省はもともと、死刑を執行した事実も公表していなかった。98年からは執行したことと、対象となった人数だけ明らかにしてきたが、氏名の公表にはか たくなな態度を崩さなかった。
 死刑囚の遺族が受ける精神的な苦痛や、他の死刑囚の心情に与える影響といった理由のほか、執行の順番などへの興味をあおったり、死刑そのものの是非につ いての論議が高まったりしかねない、との懸念があった。
 しかし、国民の8割が死刑制度を支持し、廃止を求める論議が下火になっていることが方針転換につながった。鳩山法相は「人数(の公表)だ けではブラックボックスという感じ。法にのっとり執行していることを明らかにした方が、国民の理解を得られる」と説明した。対象者の犯罪事実を公開したこ とについても「どんな罪を犯した人なのかを公表すれば、死刑執行は当然という理解が広まるはず」と法務省幹部は言う。
 一方、死刑廃止議員連盟の保坂展人衆院議員は「執行の残虐性は隠して正当性だけをアピールするのは情報操作。死刑をめぐる議論が活発に なってきた時に、一方的に議論の扉を閉ざす行為だ」と批判する。明治大の菊田幸一名誉教授も「国連などが求めているのは死刑囚の生活態度や心情面の公開。 これでは情報公開の名を借りた法務省のアピールだ」と憤る。
 勉強会で執行のあり方を検討している最中での執行を批判する声もあるが、鳩山法相は「勉強は勉強。その間は執行しないでおけばいいとの議論があるが、世 論に反することになる」と強調した。
(2007.12.8 asahi.com http://www.asahi.com/national/update/1207/TKY200712070344.html


◆死刑氏名公表 「秘密主義」の転換は自然な流れ(12月8日付・読売社説)
 これまでの「秘密主義」からの転換である。
 法務省は死刑を執行した3人の氏名を初めて明らかにした。死刑制度を有する国として、法に基づいて執行した具体的な事実の公表を躊躇(ちゅうちょ)する ことはあるまい。
 氏名公表について、鳩山法相は、「極刑が適正に粛々と行われているかどうか、被害者あるいは国民が知り、理解する必要がある」と述べた。
 犯罪被害者の立場や、情報公開の流れを意識しての判断だろう。
 法務省は以前は、死刑執行の事実もすぐには公表せず、年1回の年報に人数などを掲載するだけだった。死刑囚の家族や、他の死刑確定者の心理的動揺などへ の配慮を理由にしていた。
 1998年からは、執行後に人数だけをようやく発表するようになった。報道機関は、独自の取材により、執行された死刑囚の氏名を報じてきた。
 読売新聞の昨年12月の世論調査では、死刑制度を「存続すべき」「どちらかといえば存続すべき」と答えた人が、8割に上った。死刑制度が、凶悪犯罪に対 する一定の抑止力となっている。多くの人が、そう感じているからだろう。
 制度が社会に受け入れられている以上、死刑の執行について、その事実を公にするのは、自然なことだ。米国で死刑制度のある一部の州では、ホームページな どで、執行された死刑囚の氏名が公表されている。
 2009年春から、裁判員制度が始まる。重大事件が対象となるため、一般市民が裁判官とともに、死刑を適用すべきかどうかの判断を迫られる局面も少なく なかろう。
 市民が死刑という量刑決定にかかわる一方で、確定した刑の執行の情報が、公開されないのでは、裁判員制度のあり方にも疑問が生じかねない。法務省にもそ うした懸念があったのではないか。
 死刑の執行は、法務大臣の命令による――。刑事訴訟法は、そう定めている。鳩山法相は「法相が絡まなくても、自動的に執行が進むような方法があればと思 うことがある」と語ったことがある。
 死刑は、究極の刑である。だからこそ、法務行政の最高責任者である法相の執行命令は当然のことだ。法相の発言は、適切さを欠いている。
 刑訴法は、死刑確定から6か月以内に法相が執行を命令するよう定めている。だが、現状は、執行までに平均で7年以上かかっている。死刑確定者が増加し、 現在、104人を数える。
 氏名公表を、死刑制度のあり方についての議論を深める契機にしたい。
(2007年12月8日1時35分 読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20071207ig91.htm


◆『逃れられない責務』 3人死刑、氏名公表 鳩山法相 背景に被害者尊重論
2007年12月7日 東京新聞 夕刊 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007120702070474.html
 死刑を執行した三人の死刑囚の氏名などが七日、初めて公表された。法務省はこれまで死刑囚の家族らへの配慮などを理由に死刑執行直後に氏名は明ら かにしなかった。犯罪被害者の立場を尊重すべきだとの声に押される形で方針転換に踏み切った。一方、冤罪(えんざい)事件も相次ぐ中、氏名公表は死刑制度 の是非をめぐる議論にも一石を投じそうだ。 
 この日朝、鳩山邦夫法相は衆院法務委員会で、三人の死刑執行を行ったことについて、「私の命令による逃げることのできない仕事、責務と思って執行しまし た」と明言。氏名公表について「慎重な検討を重ねた」と述べた。
 法務省はかつて、死刑囚の遺族らに精神的苦痛をもたらす恐れがある上、刑の執行を待つ死刑囚にも心理的動揺を与えかねないとして、執行の事実も公