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犯罪/刑罰 死刑


last update: 20110215

作成:大谷 通高/櫻井 悟史
 *立命館大学大学院先端総合学術研究科


死刑関連ニュース

「死刑執行人」

◆死刑関連ホームページ
◇amnesty international japan
http://www.amnesty.or.jp/
◇死刑廃止info! アムネスティ・インターナショナル日本 死刑廃止ネットワークセンター
http://homepage2.nifty.com/shihai/
かたつむりの会
 http://homepage2.nifty.com/katatsumuri/index.html

◆死刑関連法令・条文
現行法規(2007年11月11日時点)
旧法令・通達

◆死刑相当罪
●現行刑法
○内乱罪の首謀者(刑法77条1項)
○外患誘致罪(刑法81条)
○外患援助罪(刑法82条)
○現住建造物等放火罪(刑法108条)
○激発物破裂罪(刑法117条1項)
○現住建造物等浸害罪(刑法119条)
○列車転覆等致死罪(刑法126条3項)
○往来危険罪の結果的加重犯(刑法127条)
○水道毒物等混入致死罪(刑法146条)
○殺人罪(刑法199条)
○強盗致死罪(刑法240条)
○強盗強姦致死罪(刑法241条後段)
●特別法
○爆発物使用罪(爆発物取締罰則1条)
○決闘致死罪(決闘ニ関スル件3条)
○航空機強取等致死罪(航空機の強取等の処罰に関する法律2条)
○航空機墜落致死罪(航空の危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律2条3項)
○人質殺害罪(人質による強要行為等の処罰に関する法律4条1項)

◆各国死刑情報

◆文献
◇ロイ・カルヴァート/竹田 直平 訳 『20世紀における死刑』1934年、立命館大学出版会
◇小野 清一朗 『刑法講義総論』1948年、有斐閣
平野龍一 『法律学体系・第二部 法学理論篇127 死刑』1951年、日本評論社
◇小野 清一朗 『刑法概説』1952年、有斐閣
◇西村 克彦 『刑罰の心理』「第三 死刑論の一断面」1956年、酒井書店
◇ベッカリーア/早見八十二訳 『犯罪と刑罰』1958年、岩波書店
◇向江 璋悦 『死刑廃止論の研究』1960年、法学書院
◇日本刑法学会編集 『刑法講座1 犯罪一般と刑罰 』斉藤金作「死刑」 1963年、有斐閣
◇小川 太郎 編 『矯正論集』コルニーニ「死刑」・宮沢浩一「死刑廃止の一試稿」 1968年、矯正協会
◇小木 貞孝 『死刑囚と無期囚の心理』1974年、金剛出版
◇正木 亮 『死刑』1979年、日本評論社
◇加賀 乙彦 『死刑囚の記録』1980年、中央公論社
◇斉藤 静敬 『新版 死刑再考論』1980年、成文堂
◇Leder, Karl Bruno 1980 Todes-Strafe: Ursprung, Geschichte, Opfer Meyster=1982 西村 克彦・保倉 和彦 訳, 『死刑物語――起源と歴史と犠牲者』,原書房
◇向江 璋悦 『現代に死刑は必要か』1981年、第三文明社
◇前坂 俊之 『日本死刑白書』1982年、三一書房
◇辻本 義男 『史料 日本の死刑廃止論』1983年、成文堂
◇森川 哲郎 『日本死刑史』1984年、日本文芸社
◇竹田 直平 『立法における死刑』1988年、成文堂
◇菊田 幸一 『死刑―その虚構と不条理』1988年、三一書房
◇大塚 公子 19880619 『死刑執行人の苦悩』, 創出版,222p. ISBN-10: 4924718734 ISBN-13:978-4924718739 1325 [amazon]
◇アムネスティ・インターナショナル/辻本 義男 訳 『死刑と人権―国が殺すとき』1989年、成文堂
◇恒友出版 編 19891124 『元死刑囚たちの証言――そして,死刑は執行された3』 恒友出版,286p. 1320 ※
◇ホセ・ヨンパルト 『人間の尊厳と国家の権力』1990年、成文堂
◇村野 薫 編 『日本の死刑』1990年、拓殖書房
◇伊藤 公雄/木下 誠 『こうすればできる死刑廃止 フランスの教訓』1992年、インパクト出版会
◇ホセ・ヨンパルト/三島淑臣編集 『法の理論 12』1992年、
◇池田 浩士 『死刑の[昭和]史』1992年、インパクト出版会
◇Bonet Vicente M 他 199203 『現代社会と人権――女性・障害・死刑…』 新幹社,204p. 1648
◇菊田 幸一 編 『死刑廃止・日本の証言』1993年、三一書房
◇菊田 幸一 『死刑と世論』1993年、成文堂
◇菊田 幸一 19930720 『死刑廃止を考える 改訂版』,岩波書店,岩波ブックレット306,62p. 350 ※
◇宮野彬 『揺れる絞首刑台』1994年、近代文藝社
◇佐伯 千仭/団藤重光/平場安治 『死刑廃止を求める』1994年、日本評論社 
◇かたつむりの会 『死刑の文化を問いなおす』1994年、インパクト出版会
◇田丸 美寿々・テレビ朝日「ザ・スクープ」取材班 『死刑の現在』1994年、太田出版
宮野 彬 19940530 『犯罪の現代史――犯罪白書の分析から 〈増補版〉』,三嶺書房,427+xp. ISBN: 9784882940555 \4500 [amazon][kinokuniya] ※ c0132 c0106 l05=19861125 〔初版〕宮野 彬『犯罪の現代史――犯罪白書の分析から』,三嶺書房
◇重松 一義 19951130 『死刑制度必要論 その哲学的・理論的・現実的論拠』,信山社出版, 104p. ISBN-10:4882619830 ISBN-13: 978-4882619833 1365 [amazon]
◇佐藤 友之 『さあ、死刑について話し合おう』1996年、メディア・ルネッサンス
◇宗岡 嗣朗 『法と実存―〈反死刑〉の論理―』1996年、成文堂
◇佐藤 友之 19960910 『死刑囚のうた』,現代書館,286p. ISBN-10:4768466885 ISBN-13: 978-4768466889 \2500 [amazon][kinokuniya] ※ c0132
坂上 香 199901 『癒しと和解への旅―犯罪被害者と死刑囚の家族たち』,岩波書店,296p. ISBN: 4000027913 2205 [amazon]
◇宮本 倫好 19980510 『死刑の大国アメリカ──政治と人権のはざま』,亜紀書房,241p. ISBN-10:4750598097 ISBN-13:978-4750598093 /1785円 [amazon] c0132, c0134
副島 洋明 19910620 『弁護士――人間の尊厳と自立を守る』,実業之日本社,仕事発見シリーズ,220p. ISBN: 4408410519 1050 [amazon][kinokuniya][boople] ※
◇アムネスティ・インターナショナル日本支部 19991210 『知っていますか? 死刑と人権 一問一答』,解放出版社,99p. ISBN-10:4759282262 ISBN-13:978-4759282269 \1050 [amazon][kinokuniya] c0132, c0134
◇年報・死刑廃止編集委員会 19960510 『年報死刑廃止96――「オウムに死刑を」にどう応えるか』,インパクト出版会,338p. ISBN-10:4755400554 ISBN-13:978-4755400551 2060 〔amazon〕 ※ c0132 b
◇井上 薫 『死刑の理由』1999年、作品社
◇年報・死刑廃止編集委員会 19970630 『年報死刑廃止97 死刑――存置と廃止の出会い』,インパクト出版会,292p. ISBN-10:475540066X ISBN-13:978-4755400667 2000+税 〔amazon〕 ※ c0132 b
◇年報・死刑廃止編集委員会 19980825 『年報死刑廃止98――犯罪被害者と死刑制度』,インパクト出版会,216p. ISBN-10:4755400791 ISBN-13:978-4755400797 2000+税 〔amazon〕 ※ c0132 b
◇年報・死刑廃止編集委員会 19991110 『年報死刑廃止99――死刑と情報公開』,インパクト出版会,254p. ISBN-10:4755400953 ISBN-13:978-4755400957 2000+税 〔amazon〕 ※ c0132 b
◇Badinter, Robert 2000  L’Aboliton, Librairie artheme fayard.=20020420 藤田 真利子訳,『そして、死刑は廃止された』, 254p. 作品社 ISBN-10: 4878934530 ISBN-13:978-4878934537 2300 [amazon]
団藤 重光 『死刑廃止論 第六版』2000年、有斐閣
副島 洋明 20001110 『知的障害者 奪われた人権――虐待・差別の事件と弁護』,明石書店,268p. ISBN: 4750313432 2000 ※ [amazon][kinokuniya][boople] ※
◇年報・死刑廃止編集委員会 20010315 『年報死刑廃止2000-2001――終身刑を考える』,インパクト出版会,244p. ISBN-10:4755401046 ISBN-13:978-4755400957 2000+税 〔amazon〕 ※ c0132 b
◇福田雅章 『日本の社会文化構造と人権"仕組まれた自由"のなかでの安楽死・死刑・受刑者・少年法・オウム子供問題』2002年、明石書店
◇中野進 『国際法上の死刑存置論』2002年、信山社
◇年報・死刑廃止編集委員会 20020715 『年報死刑廃止2002――世界のなかの日本の死刑』,インパクト出版会,248p. ISBN-10:4755401232 ISBN-13:978-4755401237 2000+税 〔amazon〕 ※ c0132 b
◇佐藤 幹夫 20020722 『精神科医を精神分析する』,洋泉社,新書y,238p. ISBN: 4896916441 756 [amazon][kinokuniya][boople] ※ m
◇年報・死刑廃止編集委員会 20030715 『年報死刑廃止2002――世界のなかの日本の死刑』,インパクト出版会,248p. ISBN-10:4755401313 ISBN-13:978-4755401312 2200+税 〔amazon〕 ※ c0132 b
◇三原 憲三 20031201 『死刑存廃論の系譜 第五版』,成文堂,551p. ISBN-10: 4792316308 ISBN-13:978-4792316303 6300 [amazon]
◇死刑をなくす女の会 編 『死刑は誰を救うのか』2004年、一葉社
◇年報・死刑廃止編集委員会 20040920 『年報死刑廃止2004――無実の死刑囚たち』,インパクト出版会,304p. ISBN-10:4755401445 ISBN-13:978-4755401442 2000+税 〔amazon〕 ※ c0132 b
◇呉 智英・佐藤 幹夫 編 20041021 『刑法三九条は削除せよ! 是か非か』,洋泉社,新書y,236p. ISBN: 489691855X [amazon][boople] ※ i01,
◇佐藤 幹夫 20050317 『自閉症裁判――レッサーパンダ帽男の「罪と罰」』,洋泉社,318p. ISBN: 4896918983 2310 [boople] ※ i01,
◇年報・死刑廃止編集委員会 20051008 『年報死刑廃止2005――オウム事件10年』,インパクト出版会,320p. ISBN-10:4755401577 ISBN-13:978-4755401572 2500+税 〔amazon〕 ※ c0132 b
◇軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会 編・講演/末永 恵子 20051030 『戦時医学の実態』,樹花舎,71p. 525 ISBN-10: 4434067648 ISBN-13: 978-4434067648 [amazon] ※ mw e04 c0132
◇坂本 敏夫 20060510 『元刑務官が明かす死刑のすべて』,文藝春秋, 284p. ISBN-10:4167679876 ISBN-13:978-4167679873 571 [amazon]
◇三原 憲三 20060901 『死刑廃止の研究 第五版』,成文堂,732p. ISBN-10: 4792317320 ISBN-13:978-4792317324 10500 [amazon]
◇年報・死刑廃止編集委員会 20061007 『年報死刑廃止2006 光市裁判――なぜテレビは死刑を求めるのか』,インパクト出版会,296p. ISBN-10:4755401690 ISBN-13:978-4755401695 2200+税 〔amazon〕 ※ c0132 b
◇重松 一義 20070710 『日本刑罰史年表 増補改訂版』, 柏書房,410p. ISBN-10: 4760131655 ISBN-13:978-4760131655 6800 [amazon]
◇佐藤 幹夫 20070727 『裁かれた罪裁けなかった「こころ」――17歳の自閉症裁判』,岩波書店,280p. ISBN-10: 4000230190 ISBN-13: 978-4000230193 2520 [amazon][kinokuniya] ※ m
◇年報・死刑廃止編集委員会 20071013 『年報死刑廃止2007 あなたも死刑判決を書かされる――21世紀の徴兵制・裁判員制度』,インパクト出版会,343p. ISBN-10:4755401801 ISBN-13:978-4755401800 2300+税 〔amazon〕 ※ c0132 b
團藤重光・伊東乾編 20071030 『反骨のコツ』,朝日新聞社,280p. ISBN-10: 4022731699 ISBN-13: 978-4022731692 [amazon]
◇内田 博文 20080331 『日本刑法学のあゆみと課題』,日本評論社,303p. ISBN-10:4535516162 ISBN-13:978-4535516168 /5460円 [amazon] c0132
◇年報・死刑廃止編集委員会 20081020 『年報・死刑廃止2008 犯罪報道と裁判員制度――「光市事件」報道についてのBPO「意見」を受けて』,インパクト出版会,304p. ISBN-10:4755401925 ISBN-13:978-4755401923 \2300+税 [amazon][kinokuniya] c0132


◆論文
◇『現代思想』32-03(2004-03) 特集:死刑を考える ISBN: 4791711181 1300 [amazon]  ※(↓)
◇西村 克彦 1988 「死刑の時効と国家賠償」,『青山法学論集』28-4→西村[1990:189-213](加筆)
◇鵜飼 哲・小森陽一 20000808 「受苦の語り――死刑廃止の論理をめぐって」 栗原・小森・佐藤・吉見編[20000808:233-253] ※
◇一ノ瀬 正樹 20010405 「死の所有(上)――「死刑」という不可能性からの倒錯」,『思想』923(2001-04):004-028 ※



◆『現代思想』32-03(2004-03) 特集:死刑を考える ISBN: 4791711181 1300 [amazon]  ※

* 連載 ことばの哲学者 第三回
池内紀 軍人失格

* 連載 国家と祭祀 第九回
子安宣邦 神道と近代宗教学 ――神道は国民的宗教なり――

特集=死刑を考える

討議
死刑文化からの抜け道を求めて
戦争と死刑/オウムと日本社会/仏教的なるもの/アメリカの死刑/キリスト教の死刑肯定論/殺害と死刑の間/復讐と法/被害者感情/文学と死刑/情動のエ コロジー/死刑文化からの脱出
森達也・鵜飼哲

インタヴュー
国家と死刑 オウムという転換点 安田好弘

死の文化
死刑と正義とのあいだ 晴らせぬ怨念の行方を考える 池田浩士
死のかなたでいかに出会うか 鵜飼哲

死刑と世論
いくじなし宣言 森毅
死刑肯定と減刑嘆願のアナロジー 吉田智弥
死刑と喫煙 中山千夏

死刑と暴力
死刑の文字と精神 自律と他律と 港道隆
死刑をめぐる幾つかのパラドクス 澤野雅樹
暴力の合法性と非対称性 萱野三平

死刑廃止への道
人間性剥奪への道(死刑に関して)J・ラプランシュ 郷原佳以訳
死刑存廃議論の沸騰のなかで 一九七〇-八〇年代フランス 郷原佳以
死刑・主権・赦し松葉祥一

死刑と国際人権法 国際法における死刑存置論をめぐって 前田朗
終身刑導入と刑罰政策の変容 終身刑は死刑の代替刑となりうるか 石塚伸一

戦争と死刑
戦争裁判と死刑 内海愛子

被害者の視点から
弟を殺した加害者と僕 原田正治
「被害者」の声を聴くということ――死刑に関する「語り」をめぐって 坂上香

研究手帳



■引用

死刑廃止info! アムネスティ・インターナショナル日本 死刑廃止ネットワークセンター著名人メッセージより
◇雨宮処凛http://homepage2.nifty.com/shihai/message/message_amamiya.html
「死刑賛成論は被害者の人たちの立場に立った論のようにいっていますが、それでは全然解決にはならないと思います。
皆さん死刑についてよくわかっていない、特に執行する人の問題というのを私は考えます。労働者の問題としての死刑執行といいますか。
こんなことは――死刑執行なんてことは――、誰もやりたくない。死刑賛成の人だって絶対いやですよね。誰かにその役は押しつけている。死刑執行人とい う誰 もやりたくない役を、みんなが押しつけているけれど、実際に死刑執行をする人にもちろん殺意なんかないわけです。納得なんかしているわけがない。
「仕事として人を殺す」ということを考えると、本当にそれは一人ではとても背負えないことをやらされている。そんなことを刑務官の人たちに押しつけて いい のだろうか。それで保っている死刑制度というのは何だろう……すごく考えます。それを押しつけているのは私たち自身なのだということです。
死刑というのは究極の排除だと考えます。私はプレカリアート(注)関係の運動をしていますが、貧困からの犯罪というのは、どの国でも共通する問題だと 思い ます。
小さい時からストリートチルドレンのような排除があって、その後も貧困から出発した子どもたちは、たくさんの排除の中で育ってくる。その排除の中から 犯罪 が起こって、それでその人たちが死刑囚になってしまうという状況がある。
このような社会的排除というのは、「貧乏人は早く死ね」みたいなこの国の状態があって起こるわけで、その延長線上に死刑の問題もあると思います。
「犯罪者は早く死ね」みたいな、すごく嫌な方向にすすんでいると、プレカリアートと死刑の問題として感じています。
(注)プレカリアート
イタリアでの落書きから始まった言葉と言われる「不安定な」という意味のprecarious・PrecarioとProletariato(プロレタリ アート)の合成語
(この原稿は、2007年6月26日に行われたトークイベント、「映画『私たちの幸せな時間』から考える ― 罪をつぐなうとは何か」での雨宮処凛さんの 発言をまとめたものです。)
(2007.07.23 up)」

◇森巣博http://homepage2.nifty.com/shihai/message/message_morisu.html
「死刑廃止に向けたメッセージ
わたしはチューサン階級に所属する博打うちだ。
副業として、文章を書いてオアシを頂戴している。
ちなみに、チューサン階級とは中産階級の意味ではない。
中3階級。中学3年生程度の知識水準とご理解いただきたい。

わたしは「死刑」という刑罰に反対している。
理由は簡単だ。
死刑とは、国民の名でおこなわれる国家による殺人だ。
海外に在住しているとはいえ、わたしも「日本国民」の一人である。
わたしの名を騙(かた)り、勝手に殺人されては堪らんのである。
だから、死刑に反対する。

「死刑」という刑罰にかかわり、正真正銘の中産階級に属する「知識人」あるいは「文化人」たちが政治的、社会的、倫理的な分析をしてくれるだろうか ら、ここでわたしは、どうすれば日本で死刑が廃絶できるようになるのか、具体的に、かつ、チューサン階級的に考えてみたい。

ただし、まだ食事前の人は、食事を済ませてから以下をお読み下され。


ほとんどのいわゆる「先進国」で死刑が廃止されているのにもかかわらず、日本で死刑が存置しているのは、「8割の世論」があるからだ、と言われてい る。
それなら、その「8割の世論」をなくせばいいのだろう。
とチューサン階級は考えるのだ。

どうすれば、なくなるのか?
死刑は「国民」による殺人である、と教えればよろしい。
わたしのようなチューサン階級は難しいことを考えられないから、簡単なのである。
ではどうすれば、「国民」の大多数にそう教えられるのだろうか。

これも簡単である。

現在の死刑執行は、拘置所の刑務官によっておこなわれている。
いわば、殺人の代行だ。
これを止めればよろしい。
自分が殺したい人間を、だれか他の者にやらせて涼しい顔をしている、なんてまるでヤクザの親分である。「日本国民」は、そんなに破廉恥ではない。「つ くる会」の「のすたるじじい」たちが主張するように、日本人は誇り高いのである。

だから、殺したい奴を自分たちの手で殺すように制度を改めよう。
一回の死刑執行につき、100人くらいを選挙人名簿から無差別に抽出して、死刑執行官とする。
もちろんこれは、死刑制度を容認する「日本国民」の義務である。
拒否はできない。拒否するなんて、それは「非国民」というものだろう。

「おめでとうございます。貴殿、貴女はO月OO日に予定された******の死刑における執行官に当選いたしました。戦争以外で合法的に殺人ができる 唯一の機会です。どうぞこの僥倖(ぎょうこう)を存分にお楽しみ下さい」

なんて通知の手紙を送ったら、いいのじゃないかしら。
その通知の手紙は、血の赤がよろしい。
新アカガミ、ですな。

その死刑執行に喜んで駆けつける「のすたるじじい」たちも居るかもしれないが、まあ、これでだいたい「8割の世論」は、ひっくり返せるのではないので しょうか。

付け加えると、「絞首刑」なんて、一見「汚くない」殺人方法も廃止しよう。
選ばれた死刑執行官は、千枚通し、あるいは文化包丁を使って刑の執行をおこなおう。

やってやろうじゃないのさあ。
上等じゃないのよ。

そして、じっくり考えよう。
「文化包丁は文化的か?」
と。
(2003.03.03 up)」

*担当者:櫻井 悟史 追加者:金城 美幸
UP:20050730 REV:20060418, 20071210, 20080110, 20080204, 0427, 0503, 0910,20090710,0724, 20110215
犯罪/刑罰  ◇「死刑執行人」
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