犯罪/刑罰 心身喪失・…
◆精神障害者の権利
◆「心神喪失者医療観察法案」2002年秋〜2003年春
◆「心神喪失者医療観察法案」2003年夏
◆「心神喪失者医療観察法」2005年
◆……
◆刑法39条 心神喪失者の行為は、罰しない。
2心神耗弱者の行為は、その刑を軽減ずる。
◆
「[…]古代ローマ法は、モムゼンによれば、責任能力を行為能力として捉え、事実問題として処理したということである。十二表法では責任能力は性的成熟および民法上の婚姻能力と一致するものとされ、その後の法もそれに従ったという。[…]精神病者もまた行為能力がないものとされた。酩酊、激情等によって行為能力が無くなるということは、ローマ法では認められなかった。しかし、おそらく道義的な責任の観念から、刑を軽減することはあったようである。」(小野[1967:92])
◇立岩 真也 2003/01/01 「生存の争い――医療の現代史のために・9」
『現代思想』31-01(2002-01): ※資料
□裏切ることについて
□様々な場での争い
「普通」の病や障害であれば、必要なことはたいていは取ってくるべきものを取ってくるだけだから、その運動は比較的単純ではある。深刻な対立は内部に生じない。そして人々も、その人たちが生きていけるように誰かが何かした方がよいというぐらいの抽象的な文言についてはたいてい反対はしない。その運動家が嫌がらせの電話を受け取るといったことはあまりない。同情されたりすればなおさらで、そのような輩は死ねばよいと言ってくる人はそうはいない。
比べて、精神障害の場合にはやっかいだ。その事情は次の項に記すが、精神障害者をめぐる運動はずっとそのやっかいさにつきまとわれてきた。
長野が意見を述べたのは、「心神喪失者等医療観察法案」という法案を審議する衆議院法務委員会でのことだ(十二月六日、同委員会で可決)。正式には「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案」で、ごくおおまなところはこの名称でわかるだろう。(http://www.arsvi.comに関連情報を掲載している。紹介した長野[2002]もリンクされている。『朝日新聞』は今回の法案の存在を無視している。)このような方向の法律が検討されるのはこれが初めてのことではない。近いところでは一九八〇年代初頭に「保安処分」の新設に関わる論議があった。今回のものはそれと共通しているところと違うところがある。当時、多くはないが新聞報道があり雑誌の記事も書かれた。また、法律学者、法律家たちが、自らの仕事の範囲だから、賛否両論を述べた。また、精神医療の従事者にとっての関心事でもあったから、そこからの発言もあった。そしてもちろん反対運動の側の主張があり、たくさんビラが刷られて捲かれた。しかしそのとき何があったのか、公言され公開され公刊されたものであっても、容易に読めるかたちではほとんど残っていない。例えば、私は社会学者なのだが、社会学者がそのことを主題に書いた論文を見たことはない。
[…]
□争いを誘発するもの
□危険/確率
□適度な距離にある無知と歪曲
□この年と近過去