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ALS・2012年7月〜9月の報道等

ALS 2012 (English)
ALS

last update: 20130411

 *以下、寄せられた情報を掲載。webmaster@arsvi.comまで情報をいただければ掲載いたし ます。

  ◆ALS・2012
 
新聞記事見出し
◆2012/07/03 「[人]難病抱え「いま」を歌う」
 『読売新聞』
◆2012/07/10 「歌を作るとき自由感じる 心に自然も人も生きている 迢空賞を受賞して 渡辺松男」
 『朝日新聞』
◆2012/07/17 「鈴鹿8耐 共に走るレーサーとALS患者」
 『東京新聞』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20120717/CK2012071702000131.html
◆2012/07/20 「ALS患者支援、15回目の音楽会 元歌手・湯浅さん、22日小樽で /北海道」
 『朝日新聞』
◆2012/07/23 「幻想の鉛筆画を回顧 20年ぶり射水で頭川政始展=富山」
 『読売新聞』
◆2012/08/02 「(追う)計画停電、どうなる 難病患者に発電機届かず /佐賀県」
 『朝日新聞』
◆2012/08/02 「iPS細胞からALS薬の候補 京大チームが発見 【大阪】」
 『朝日新聞』
◆2012/08/02 「〈解〉筋萎縮性側索硬化症=ALS」
 『読売新聞』
◆2012/08/02 「iPS使い、ALS新薬 京大グループ 有効な物質特定」
 『読売新聞』
◆2012/08/02 「iPS使い、ALS抑制 新薬候補物質を発見 京大グループ」
 『読売新聞』
◆2012/08/02 「難病ALS治療に道、京大、iPSで薬候補発見。」
 『日経産業新聞』
◆2012/08/02 「応用の本命分野で成果、iPS細胞で難病克服へ、再生医療、早期の実用化カギ。」
 『日経産業新聞』
◆2012/08/02 「京大、ALS患者からiPS細胞、運動神経作り異常解明。」
 『日経産業新聞』
◆2012/08/02 「京大、ALS患者からiPS細胞――新薬開発、進む可能性(解説)」
 『日経産業新聞』
◆2012/08/02 「京大、iPS細胞使い神経難病の治療薬候補を探索」
 『日経速報ニュースアーカイブ』
◆2012/08/02 「日本経済新聞(2日朝刊)」
 『日経速報ニュースアーカイブ』
◆2012/08/02 「JSTと京大、ALS患者由来のiPS細胞でALS病態を解明し新規治療薬シーズを発見」
 『日経速報ニュースアーカイブ』
◆2012/08/03 「神経の難病、治療薬に道 iPS細胞から有効な物質 京大チーム」
 『朝日新聞』
◆2012/08/04 「[ラウンジ]篠沢秀夫さん、近藤誠一さん」
 『読売新聞』
◆2012/08/05 「(節電の夏に)命預かる現場に備え 介護・医療機関、停電想定し練習も /北海道」
 『朝日新聞』
◆2012/08/05 「iPS細胞があなたを救う?筋萎縮性側索硬化症の治療薬シーズを発見」
 『QLifePro医療ニュース』
http://www.qlifepro.com/news/20120805/the-ips-cells-to-save-you-discover-the-seeds-for-the-treatment-of-amyotrophic-lateral-sclerosis.html
◆2012/08/09 「ニュースでQ」
 『朝日新聞』
◆2012/08/10 「東大・徳島大、ALS類似遺伝性難病の原因遺伝子を特定」
 『日刊工業新聞』
 http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1020120810eaai.html
◆2012/08/10 「運動神経病の原因遺伝子発見=ALS仕組みも解明へ―東大・徳島大」
 『ウォール・ストリート・ジャーナル日本版』
 http://jp.wsj.com/Life-Style/node_492292
◆2012/08/10 「筋力低下の難病「HMSN−P」原因遺伝子を発見 徳大・東大」
 『徳島新聞』
 http://www.topics.or.jp/localNews/news/2012/08/2012_134456125878.htmll
◆2012/08/10 「東大と徳島大など、新しい運動ニューロン病の原因遺伝子を発見」
 『日本経済新聞 (プレスリリース) 』
 http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=316614&lindID=5
◆2012/08/10 「障害と共に歩んだ半生 御宿の元教諭 著書出版=千葉」
 『読売新聞』
◆2012/08/10 「筋力低下の原因遺伝子、東大など発見、難病ALS解明に道。」
 『日経産業新聞』
◆2012/08/10 「東大と徳島大など、新しい運動ニューロン病の原因遺伝子を発見」
 『日経速報ニュースアーカイブ』
◆2012/08/12 「難病で亡くなった弟との2年間記す 兄が本出版」
 『神戸新聞』
 http://www.kobe-np.co.jp/news/hanshin/0005288327.shtml
◆2012/08/12 「筋萎縮性の難病 原因遺伝子特定 東大などのチーム」
 『読売新聞』
◆2012/08/13 「難病ALS制御のタンパク質発見 岐阜薬科大などのグループ」
 『北海道新聞』
 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/topic/395912.html
◆2012/08/13 「iPS細胞 応用研究の加速期待する」
 『MSN産経ニュース』
 http://sankei.jp.msn.com/science/news/120813/scn12081303100000-n1.htm
◆2012/08/13 「難病のALS、タンパク質が制御 岐阜薬科大などが発見」
 『岐阜新聞』
 http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20120813/201208131059_17779.shtml
◆2012/08/13 「ALS抑制するタンパク質発見 岐阜薬科大グループ」
 『47NEWS』
 http://www.47news.jp/news/2012/08/post_20120813110022.html
◆2012/08/13 「難病ALS、新薬の期待 進行抑えるたんぱく質特定」
 『朝日新聞』
 http://www.asahi.com/health/news/NGY201208120029.html
◆2012/08/13 「難病ALSの進行抑えるたんぱく質発見…岐阜薬科大」
 『読売新聞』
 http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20120813-OYT8T01045.htm
◆2012/08/13 「難病のALS、タンパク質が制御 岐阜薬科大などが発見」
 『47NEWS』
 http://www.47news.jp/news/2012/08/post_20120813181310.html
◆2012/08/13 「難病:ALS進行抑制の遺伝子特定 岐阜薬科大など」
 『毎日新聞』
 http://mainichi.jp/select/news/20120814k0000m040109000c.html
◆2012/08/13 「ALSを抑制、たんぱく質特定 岐阜薬科大など、新薬開発に期待」
 『朝日新聞』
◆2012/08/13 「ALSの進行抑制、たんぱく質特定 岐阜薬科大など 【名古屋】」
 『朝日新聞』
◆2012/08/13 「筋肉が徐々に萎縮 難病ALS 進行抑制たんぱく質発見 岐阜薬科大など=岐阜」
 『読売新聞』
◆2012/08/13 「岐阜薬科大など、ALS進行抑える物質。」
 『日経産業新聞』
◆2012/08/13 「ALS原因遺伝子発見、東大・徳島大、新薬開発に道。」
 『日経産業新聞』
◆2012/08/15 「闘病しながら創作続ける 河辺友代さんが個展 19日まで、千葉市花の美術館」
 『千葉日報』
 http://www.chibanippo.co.jp/c/news/local/96379
◆2012/08/15 「ALS制御タンパク質発見 岐阜薬科大などのグループ」
 『USFL.COM』
◆2012/08/19 「患者少ない病気「治療薬開発を」 遠位型ミオパチー患者、国に訴え /滋賀県」
 『朝日新聞』
◆2012/08/21 「KBS「ギャグコンサート」メンバー、ルー・ゲーリッグ病患者に寄付」
 『朝日新聞』
 http://www.asahi.com/showbiz/korea/AUT201208210089.html
◆2012/08/22 「東大、ALSを引き起こす変異型SOD1タンパク質に共通する構造変化を解明」
 『日経速報ニュースアーカイブ』
◆2012/08/25 「(「尊厳死法案」を考える:下)残酷な生き方はさせたくない 命断念へ圧力 【大阪】」
 『朝日新聞』
◆2012/08/27 「[生命のあした](3)難病でも働きたい 欠かせぬ職場の配慮(連載)」
 『読売新聞』
◆2012/08/28 「頭で念じ機器操作 阪大、ALS患者など臨床研究」
 『日本経済新聞』
 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG28041_Y2A820C1CR8000/
◆2012/08/28 「ALS患者の脳に電極 大阪大、臨床研究を承認」
 『47NEWS』
 http://www.47news.jp/medical/2012/08/post_20120828200035.php
◆2012/08/28 「尊厳死、揺れる思い 患者の同意で延命中止、法制化の動き」
 『朝日新聞』
◆2012/08/28 「頭で念じ機器操作 阪大、ALS患者など臨床研究」
 『日経速報ニュースアーカイブ』
◆2012/08/29 「ALS患者と、脳波で意思疎通 阪大で臨床研究」
 『朝日新聞』
 http://www.asahi.com/health/news/TKY201208290556.html
◆2012/08/29 「脳波読み意思疎通 難病患者の助けに 阪大病院研究 【大阪】」
 『朝日新聞』
◆2012/08/29 「脳波で意思表示 臨床研究を承認 阪大」
 『読売新聞』
◆2012/08/29 「頭で念じ機器操作、阪大、臨床研究、ALSなど難病対象。」
 『日経産業新聞』
◆2012/08/30 「「知の力で立ち向かえ」 ホーキング博士、開会式導く」
 『朝日新聞』
 http://www.asahi.com/national/update/0830/TKY201208300143.html
◆2012/08/30 「UEFAチャリティー・アワードの受賞団体が確定」
 『uefa.com』
 http://jp.uefa.com/uefachampionsleague/news/newsid=1853323.html
◆2012/08/30 「壁を越え、希望の祭典 ロンドン・パラリンピック」
 『朝日新聞』
◆2012/08/31 「ALS起こす異常たんぱく質、東大、仕組み解明。」
 『日経産業新聞』
◆2012/09/03 「特集――ニュース解剖、本日のテーマ、iPSが変える医療(日経の読み方)」
 『日本経済新聞』
◆2012/09/06 「第4部ニッポン発人工人体(上)義手、脳波で意のままに(ITが導く医の進化論)」
 『日本経済新聞』
◆2012/09/07 「[ニュースが気になる]iPS細胞の進展は? 再生医療1号 来年にも」
 『読売新聞』
◆2012/09/08 「耐えた試練の夏、九電の節電要請が終了、家庭や職場「涼」工夫、計画停電備え課題。」
 『日本経済新聞』
◆2012/09/08 「九州節電の夏「試練の夏、乗り切った」 中心部「避暑」好評」
 『日経速報ニュースアーカイブ』 ◆2012/09/12 「ALSなどの難病、原因たんぱく質、都医総研が解析」
 『日本経済新聞』
◆2012/09/12 「都医学総合研、ALSなど原因、異常たんぱく質、病気ごとに構造変化。」
 『日本経済新聞』
◆2012/09/12 「ALSなどの原因たんぱく質を解析 日英研究グループ」
 『日経速報ニュースアーカイブ』
◆2012/09/12 「ALSの原因たんぱく質を解析 日英が共同研究」
 『日経速報ニュースアーカイブ』
◆2012/09/13 「淡路島発 街のどこかで)天国の妻に「咲いたで」 /兵庫県」
 『朝日新聞』
◆2012/09/13 「ひと:長岡健太郎さん=「障害者に当たり前の暮らしを」と活動する弁護士」
 『毎日新聞』
◆2012/09/16 「難病カルテ:患者たちのいま/56 筋萎縮性側索硬化症(ALS) /佐賀」
 『毎日新聞』
◆2012/09/19 「(地元TV)テレメンタリー2012「マイボイス」 生きる希望、言葉の尊厳【西部】」
 『朝日新聞』
◆2012/09/27 「難病の少女を同じ目線で描く 松戸のALS患者舩後さん、絵本出版 /千葉県」
 『朝日新聞』
◆2012/09/27 「ニュースUP:追跡 告知ミス、防ぐために=奈良支局・千脇康平」
 『毎日新聞』
◆2012/09/28 「イベント情報 /島根県」
 『朝日新聞』
◆2012/09/28 「遊ぶ・楽しむ /広島県」
 『朝日新聞』
◆2012/09/29 「難病で逝った少女 童話に 全身まひと闘い 苦しみ伝える=千葉」
 『読売新聞』

催しもの、その他
◆2011/04/03 『〜NEC難病コミュニケーション支援プログラム〜ITで支えて、音楽で励まそう!』
〜NEC難病コミュニケーション支援プログラム〜
ITで支えて、音楽で励まそう!
被災地のみなさま、お見舞い申し上げます。
http://www.rescue-ict.com/index.html
http://www.asahi.com/digital/nikkanko/NKK201104010002.html< /a>

3月21日に予定していたITパラリンピックをこの度の震災で中止し、今私たちができる支援を考えてみました。
たくさんの人たちの励ましをIT(twitter,skype)を通して集めます。
義援金・活動支援金のためのチャリティーコンサートを開催します。
震災からの回復を心から願う、「地震(自信)回復コンサート」です。
コンサートや会場の様子はUstreamで中継します。
ALSを発症されてもパソコンで執筆を続ける篠沢秀夫元学習院教授も応援に駆けつけてくれます。

『〜NEC難病コミュニケーション支援プログラム〜ITで支えて、音楽で励まそう!』
開催日 2011年4月3日(日) 12時30分開場 13時開演 16時終了
会 場 3331 Arts Chiyoda 東京都千代田区外神田6丁目11-14
    
http://www.3331.jp/
入場料 無料
●プログラム
13:00〜14:00 【skype,twitterでつながろう】
会場:コミュニティスペース
全国からの励ましメッセージをお寄せください。
ITパラリンピックに出演予定の皆さんがお待ちしてます。
14:00〜15:00 【緊急時のIT活用】
会場:コミュニティスペース
難病患者向けの支援活動・物資支援報告(かわぐち)
体験談や準備の工夫など、実際に患者さんたちから語ってもらいます。
15:00〜16:00 【地震(自信)回復 チャリティーコンサート】
会場:コミュニティスペース
オーボエとピアノのデュオコンサート
出演:高橋 淳 (元ハンブルグ交響楽団首席オーボエ)
   二見麻衣子(二期会会員ソプラノ)
   黒田尚子(日本基督教団佐倉教会オルガニスト)
●太陽の恵みの感謝(電気に頼らないで)
会場:公園側ウッドデッキ
ソーラーエネルギーの活用
ソーラーエネルギーで沸かしたお湯でハーブティーを用意しています。

主催:NPO法人ICT救助隊
共催:NPO法人ALS/MNDサポートセンターさくら会
協賛:NEC CSR推進部 社会貢献室
協力:3331アーツ千代田
   日本ソーラークッキング協会
   NPO法人コミュニティーガーデニング協会
   日本ALS協会東京都支部

会場では震災への活動支援金の寄付をお願いいたします。
集まった支援金は在宅しているALS患者さんたちを支援する活動の費用とさせていただきます。
現在、活動している人たちは皆さん、ほとんどが自腹です。
このままでは支援活動が先細りになります。
振込も受け付けていますのでよろしくお願いします。
・郵便局からのお振込みの場合
口座名  「特定非営利活動法人ICT救助隊」
口座番号 00140-2-781841
・ゆうちょ銀行
019店 当座 0781841

お問い合わせ先:NPO法人ICT救助隊
TEL.03-3727-0479 Fax:03-3727-0478
メール info@rescue-ict.com
Twitter ID / ictrt Skype ID / ict_rt ustream / ict_rt

※13:00〜14:00のプログラムの中で、全国からの励ましメッセージをお寄せいただきたいと思います。
twitterとskypeを活用しようと思っていますので、インターネットにつながる環境にある方はぜひよろしくお願いいたします。
・twitter
 #tunagaru(ハッシュタグ tunagaru)でメッセージをお寄せください。
・skype
 当日会場とコンタクト可能な方はあらかじめ登録させていただきますので、skype名ict_rt (表示ICT救助隊)にリクエストしてください 。当日順番につなげていきます。
※当日の様子はUSTREAMでライブ中継いたしますので、ぜひご覧ください。
※チャリティイベントを13時から以下のチャンネルで放映しますので、ぜひご覧ください。
http://www.ustream.tv/channel/ict-rt-tv
※当日の様子 http://www.youtube.com/watch?v=3_09JRgrZ-4
※皆様にご支援いただき、当日の募金と国内外からのお振り込みで、本日現在以下の支援金が集まりました。
1,148,258円ご協力いただきました皆さまに心より感謝申し上げます。
皆さまからの募金は、10万円を日本ALS協会「大震災ALS義援金」へ50万円を川口さんから全国障害者介護保障協議会・自薦ヘルパー推進協 会団体支援部を通して、東北地方で救援活動中の方々に送らせていただきました。
残りにつきましては、現在支援先を検討中ですので、決まり次第ご報告いたします。
なお、募金活動は引続き4月30日まで受け付けておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。


◆2011/04/06 日本ALS協会事務局からのお知らせ
2011年4月6日  日本ALS協会 事務局
* * * * * * * * * * 東日本大震災支援
アイ・エム・アイ(株)より足踏み式吸引器と蘇生バックの貸与
東日本大震災被害にともなう東京電力、東北電力の計画停電時に在宅人工呼吸器療法をされている患者さんに、アイ・エム・アイ(株)よ り以下の機器貸与支援されます。
必要な方は下記に問い合わせください。
        記
●支援医療機器
アンブ社「ツインポンプ」(足踏み式マニュアル吸引器) *3カ月無償レンタル対応
アンブ社「蘇生バック SPURU 成人用」       *3カ月無償貸与対応
●問い合わせ先
アイ・エム・アイ株式会社
東京都台東区北上野1-10-14
TEL03-5246-9463 FAX03-5246-9513
担当:救急教育部 見辺 雅(ミナベ タダシ)
         佐藤 純一 E-Mail:tadashi.minabe@imimed.co.jp
ホームページに本件情報を紹介しています。下記URLからご参照下さい。
http://www.imimed.co.jp/
以上
--------------------------------------
日本ALS協会
〒102-0073 東京都千代田区九段北1-15-15瑞鳥ビル1F
tel:03-3234-9155 / fax:03-3234-9155
e-mail: jalsa@jade.dti.ne.jp
URL:http://www.alsjapan.org


◆2011/04/06 日本ALS協会東日本大震災支援委員会からのお知らせ
2011年4月6日 日本ALS協会 東日本大震災支援委員会 委員長 金沢公明
皆様へ
この度の東日本大震災で被災されたALS患者さん等に対して救援物資や義援金の支援に感謝申し上げます。
現在、当協会からの被災県支部への救援物資の届けについては、受入れ先支部からの要請待ちとしていましたが、下記メールのように東北 大学病院の青木先生より、支援物資の要請が当協会や関係機関に寄せられました。
つきましては、ご支援ご協力をよろしくお願い致します。
                  *********************************
Sent: Wednesday, April 06, 2011 7:12 PM
Subject: 石巻から支援物資の要請です
先日はご連絡ありがとうございました。
宮城県石巻地区では多くの医療機関が壊滅的な被災を受けましたが、石巻赤十字病院および斉藤病院2つが孤軍奮闘しております。
未だに救急患者数は全く減っておりません。
斉藤病院はこの地域のALSをはじめとした多くの神経難病患者さんを診療している拠点病院ですが、未だに物流が解決せず、以下の支援依頼 を受けました。

・吸引カテーテル
・イルリガートル
・シリンジ
・滅菌綿棒
・ガーゼ
・エンシュアリキッド
・胃ろう栄養カテーテル

東北大学神経内科の私あてにお送りいただければ、こちらのバスで斉藤病院へ搬送いたします。
現在、東北大学にあるものは明日朝のバスで搬入します。
さらに不足分は現在、調査中ですが、既に送付を準備されているものはこちらへお送り下さい。
食糧事情は未だに改善せず、入院患者、医療スタッフは一日2食(低カロリー)のままです。
お米も石巻地区のグランド?には届いているものの、斉藤病院には届いていないので歓迎との話でした。
なぜかお菓子は大量あるそうです。
どうぞよろしくお願いします。

東北大学神経内科
青木 正志
980-8574 仙台市青葉区星陵町1−1
東北大学大学病院神経内科
022-717-7189


◆2011/04/10 患者会「患者の生命保険を考える会」からのお知らせ
被災者の皆様へ
このたびはこの大震災で被災された皆様へ心からお見舞い申し上げます。
患者会「患者の生命保険を考える会」の濱崎と申します。
被災者の方々へ生命保険会社又は(社)生命保険協会から案内されている情報をお届けいたします。

●【生命保険契約の有無照会】
(社)生命保険協会は、今回の地震により被災された方々が、加入していた生命保険会社が判らず保険金の請求を行うことが困難な場合等に おいて、生命保険会社に対し契約有無の調査を依頼します。
「災害地域生保契約照会センター」フリーダイヤル 0120−001731
●【生命保険 保険料払込猶予期間の延長】
生保各社は、被災されたお客様のご契約について、お客様の申し出があれば、保険料払込についての猶予する期間を最長6カ月延長すること としました。
各社連絡先⇒http://www.seiho.or.jp/contact/company.html
●【生命保険 災害特約】
生命保険会社各社は、被災されたお客様のご契約について、地震による免責条項等を適用せず、災害関係保険金・災害入院給付金の全額を お支払いすることを決定いたしました。
●かんぽ生命保険では被災されたお客様の契約について「非常即時払い」を行う。
保険証書や印鑑がなくても、免許証などの本人確認書類があれば、各支店や郵便局の窓口(簡易郵便局除く)で保険金を受け取れる。
かんぽコールセンター(0120・5529・50)。

       私達の目標
「生命保険なんて縁起でもない・・」と、このような場で呟くこともはばかられるように感じる人は多いもの。
ですが、漫然と生命保険を放置し、何のためらいもなく“解約や失効”をしてしまったが故に、家計の全ての財産を無くしてしまったとい う人は多いのです。
皆さまと一緒にどんな備えをしておけばよいかを一緒に考えたいと思います。
**********************************************
患者会 患者の生命保険を考える会
代表  濱崎研治
電話 03-5677-4001
**********************************************


◆2011/04/15 徳洲会の長編ドキュメント放映 『巨大病院の挑戦〜いのちある限り』
『巨大病院の挑戦〜いのちある限り』
「徳洲会の長編ドキュメント放映
『巨大病院の挑戦〜いのちある限り』
 平成23年4月15日
 日本最大の民間医療グループへと成長した徳洲会にとって、この数年間はまさに激動の時期だった。
 修復腎移植問題では患者さんの立場に立ち続けて戦っている。疲弊する自治体病院の指定管理者にもなった。一方、ブルガリアのソフィ ア徳田病院では、多発性硬化症や自閉症などの治療に果敢に取り組み、アフリカ各国では透析センターを順次立ち上げている。あるいはま た、文部科学省の「オーダーメイド医療実現化プロジェクト」への参加をきっかけに、大規模治験ネットワークを構築し、対がん戦略でも 目覚ましい成果をあげつつある。
 しかし、こうした急成長の原動力となる理念や精神はなかなか理解されにくい。今回放映が決定した長編ドキュメント『巨大病院の挑戦〜いのちある限り』は、制作に4年もの期間をかけ 、膨大な映像資料と丹念な取材で、徳洲会という医療グループの実像に迫っている。

◯放送日 4月24日(日) 午後8:00〜9:30
◯放送局 BS11(ビーエス・イレブン)
◯視聴方法:BS放送用のアンテナと受信機があれば、全国どこでも無料で視聴できる。
      ケーブルテレビでの視聴は、加入されているケーブル局にお問い合わせを。


【写真説明】
@ドキュメンタリーのタイトル『巨大病院の挑戦〜いのちある限り』
A強力なリーダーシップを発揮する徳田虎雄理事長
B新築移転した湘南鎌倉総合病院(神奈川県)のセレモニーで挨拶する小泉純一郎・元総理
Cインタビューに答える石原慎太郎・知事
D弟の病気で隣町まで走って医師を呼びに行く少年時代の姿がドラマで再現される
E医師になろうと決心した瞬間
F修復腎移植
G救急は断らない」(全文)


◆2011/04/26 日本ALS協会事務局「厚労省へ大震災要望書提出」
『「震災における長時間停電等に関する要望」を提出しました』
 「「震災における長時間停電等に関する要望」を提出しました
 2011年04月28日
 この度の東日本大震災におきまして、
 各方面から、多数のご厚情とご支援を賜り、
 感謝申し上げます。

 4月26日に当協会より、厚生労働省関係先に、
 別紙第二次要望書を提出しましたのでご紹介します。

 引き続き、ご支援ご協力をお願い致します。」(全文)


◆2011/05/01 NNNドキュメント’11 「在宅入院 救急医が挑む第3の医療」
『在宅入院 救急医が挑む第3の医療』
「2011年5月1日(日)/30分枠  24:50〜
在宅入院 救急医が挑む第3の医療
制作=広島テレビ
在宅医療は入院、外来に続く“第3の医療”と呼ばれる。コールメディカルクリニック広島は在宅医療専門の診療所。しかも3人の常勤医 師はすべて救急医だ。内科・外科問わず、緊急時にめっぽう強く、手術もいとわない。そして24時間365日患者に向き合う。岡林清司 院長(58)は救急医を22年経験し、6年前在宅医療の世界に飛び込んだ。家は病室、道路は廊下、電話はナースコール。地域限定の在宅医 療を通して生きる希望を見出した頚椎損傷の青年や最期の時間を楽しむ末期がんの患者など、第3の医療を必要とする人々は多数いた。自 分らしくよりよく生きるために…厳しい現実をバラ色に変えようと挑む救急医の地域医療のカタチを追った。
ナレーター:萩原聖人
=再放送= 5月8日(日)11:00〜「BS日テレ」/5月8日(日)18:30〜CS「日テレNEWS24」」(全文)


◆2011/05/01 NNNドキュメント’11 「在宅入院 救急医が挑む第3の医療」
『在宅入院 救急医が挑む第3の医療』
「2011年5月1日(日)/30分枠  24:50〜
在宅入院 救急医が挑む第3の医療
制作=広島テレビ
在宅医療は入院、外来に続く“第3の医療”と呼ばれる。コールメディカルクリニック広島は在宅医療専門の診療所。しかも3人の常勤医 師はすべて救急医だ。内科・外科問わず、緊急時にめっぽう強く、手術もいとわない。そして24時間365日患者に向き合う。岡林清司 院長(58)は救急医を22年経験し、6年前在宅医療の世界に飛び込んだ。家は病室、道路は廊下、電話はナースコール。地域限定の在宅医 療を通して生きる希望を見出した頚椎損傷の青年や最期の時間を楽しむ末期がんの患者など、第3の医療を必要とする人々は多数いた。自 分らしくよりよく生きるために…厳しい現実をバラ色に変えようと挑む救急医の地域医療のカタチを追った。
ナレーター:萩原聖人
=再放送= 5月8日(日)11:00〜「BS日テレ」/5月8日(日)18:30〜CS「日テレNEWS24」」(全文)


◆2011/05/21 日本ALS協会近畿ブロック総会・交流会
『日本ALS協会近畿ブロック総会・交流会』
「平成23年度 近畿ブロック 総会・交流会は5月2I曰(土)13時から姶まります
 自動吸引装置がついに実用化されました。
 6年前の2005年(平成17年)6月総会に、大分県から山本真先生においでいただき、『自動吸引装置の開発とALS患者の人工呼吸器療養につい て』のご講演をいただきました。それ以来、事務局に患者さんやご家族から、「白動吸引装置はどうなりましたか?」と問い合わせがあり、山 本先生に「まだですか?」とお聞きしたこともありました。
 患者さんによっては1日に100回近くも吸引が必要な方もあれば、1日+数回の方もあり、頻度はそれぞれですが、夜間、吸引のために起きる 回数が多ければ、介護者にとっては過酷な夜間介護となり、それは患者さんのQOL低下の一つの要因になります。
 吸引の回数が激減すれば、介護の事情は好転するのか、そのために患者さんのそぱに誰もいない時間が増えてしまうことはないのか、別の意 味で安全性の検証も今後必要になるのではないでしょうか。今年の総会は、患者の側から、「自動吸引装置についての体験レポート」、家族の ご意見なども聞かせていただく予定です。
 そして、ALS患者さんで発語障害を持つ方は3分の2以上ですから、吸引と肩を並ベる大問題は「コミュニケーション」そのものです。
 今年は東京から高井直子さん(遺族)を講師にお迎えし、『もっとコミュニケーションノ』をテーマにご講演いただきます。療養中、様々な 工夫を生かした「発明家」として著名な高井綾子さんを母に持ち、遺志を継いでALS療養のサポートを続けておられます。
 また近畿ブロックのコミュニケーション支援のスイッチの活用の実際についても報告いたします。ぜひご来場くださいますようにお順いい たします。

                記
日時 平成23年5月21日(土曜日)13時〜16時30分
場所 グランキューブ大阪(府立国際会議場)10階1009号室
   大阪市北区中ノ島5丁目3-1 電話 06-4803-5602
   (開場12時一受付開始12時30分)
総会 13時〜13時30分 議案(決算・予算等・活動報告・役員挨拶)
講演・交流会 13時45分から16時20分
閉会 16時30分
少し早めですが、本号をもって総会のご案内とし、参加の申し込みをお受けいたします。
(当日参加も可能ですが、車椅子ご使用の方は事前にお申し込みをお願いします)
事務局へFAX(06−6323−6145)メール、郵送などでお申し込みください。

平成23年度 総会&交流会 参加申込書
参加のお申し込み FAXまたは郵送で事務局ヘ
FAX番号06−6323−6151
1お名前
患者:
(車いす使用・人工呼吸器使用・鼻マスク使用)
家族:
(患者さんとの続柄: 配偶者・子供・親・     )
(患者さんとの続柄: 配偶者・子供・親・     )
(患者さんとの続柄: 配偶者・子供・親・     )
その他:
(区分  所属:              )
(区分  所属:              )
(区分  所属:              )
区分は下記から、番号を選んでください。
@医師 A保健師 B看護師 C介護職(介護福祉士・ホームヘルパー)
Dリハビリ関係(PT・OT・ST)E社会福祉士・SW
F親戚  G友人 Hボランティア Iその他(              )

2ご住所
(代表のみで可) 電話

3参加者の総人数     人

          4患者さんは、利用されるものに○をお順いします。
@自家用車A福祉タクシーBタクシーC公共交通機関

5患者さん用無料駐車場をご利用の方は、車種と色、ナンハ゛-をご記入ください。
(例:トヨタハイエース白                             )

当日は、駐車場で、本申込み用紙を係員または会場整理ホ゛ランティアにお見せください。
※13時から総会が姶まります。誘導は13時で終了します。
お早めにお入りください。(エレベーターが混み合います)。


◆2011/05/22 日本ALS協会総会
『日本ALS協会総会』
■日時   5月22日(土)開場受付12時15分〜
■場所   戸山サンライズ2階大研修室
      〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 (案内図をご参照下さい)
■総会   13時〜14時30分
■特別講演 15時〜15時55分
 最近のALSケアについて〜都立神経病院の経験から
 都立神経病院 脳神経内科医長 川田明広先生
■交流会   16時〜16時50分
●懇親会  17時30分〜19時
※詳細につきましては、5月6〜7日発行予定のJALSA80号をご参照下さい。


◆2011/06/09 「MRTニュースワイド」宮大工学部「眼で操作する電動車椅子」放映
『眼で操作する電動車椅子』
6月9日18時15分からの「MRTニュースワイド」にて、宮大工学部の「眼 で操作する電動車椅子」と題して放送があります。


◆2011/06/09 日本ALS協会事務局「平成22年度「ALS基金」研究奨励金交付対象研究成果報告書 原因究明及び治療法に関する研究 その1 」
『平成22年度「ALS基金」研究奨励金交付対象研究成果報告書 原因 究明及び治療法に関する研究 その1』
「平成22年度「ALS基金」研究奨励金
交付対象研究成果報告書

原因究明及び治療法に関する研究 その1

2011年06月09日

平成22年度に「ALS基金」研究奨励金を交付した研究の成果が提出されましたので、全文を掲載いたします。

「上位運動ニューロン変性モデル細胞の作製と解析」
東海大学医学部基礎医学系分子生命科学奨励研究員 大友麻子氏
大友麻子(本文)(428 KB)
大友麻子(図・表)(27699 KB)

「ALS原因蛋白質機能を制御する非コードRNAの機能解明」
独立行政法人産業技術総合研究所
バイオメディシナル情報研究センター研究チーム長 廣瀬哲郎氏
廣瀬哲郎(1921 KB)」(全文)


◆2011/06/09 日本ALS協会事務局「平成22年度「ALS基金」研究奨励金交付対象研究成果報告書 原因究明及び治療法に関する研究 その2 」
『平成22年度「ALS基金」研究奨励金交付対象研究成果報告書 原 因究明及び治療法に関する研究 その2』
「平成22年度「ALS基金」研究奨励金

交付対象研究成果報告書
原因究明及び治療法に関する研究 その2

2011年06月09日

平成22年度に「ALS基金」研究奨励金を交付した研究の成果が提出されましたので、全文を掲載いたします。

「原因遺伝子TLSの結合タンパク質の同定と神経変性における関与の解明」
広島大学大学院医歯薬学総合研究科教授 内匠透氏
内匠透(2106 KB)」(全文)


◆2011/06/29 日本ALS協会事務局「厚生労働省に「平成23年度ALS等神経難病患者支援に関する要望」を陳情」
『厚生労働省に「平成23年度ALS等神経難病患者支援に関する要望」 を陳情』
「厚生労働省に「平成23年度ALS等神経難病患者支援に関する要望」を陳情
2011年06月30日
6月29日、谷博之参議院議員のご尽力を戴き、大塚耕平厚生労働副大臣にALS協会の大震災関係や来年度の診療報酬改定等に関する要望書を 提出し、また関係局との話合いを行いました。
要望書は以下を参照してください。
厚生労働省の回答は9月発行予定の機関誌「JALSA84号」にて紹介する予定です。

H23年度ALS等神経難病患者支援に関する要望(153 KB) 」(全文)


■日本ALS協会震災募金
◆4月2日(土)12:00−16:00
集合場所は、最寄駅 丸ノ内線銀座駅の宝くじチャンスセンター前 藤棚の下です。
お時間のある方は募金をする人や、募金を集める人になって下さい。
郵貯でも受け付けています。
[振込先]
◎郵便振替口座:00170-2-9438
 加入者名:日本ALS協会
 備考欄に「大震災ALS義援金」と明記をお願いします。
★募金総額32万8千円

◆4月3日(日)12:00−16:00
集合場所は、最寄駅 丸ノ内線銀座駅の宝くじチャンスセンター前 藤棚の下です。
お時間のある方は募金をする人や、募金を集める人になって下さい。
郵貯でも受け付けています。
[振込先]
◎郵便振替口座:00170-2-9438
 加入者名:日本ALS協会
 備考欄に「大震災ALS義援金」と明記をお願いします。
★募金総額9万8千円

◆4月9日(土)12:00−15:00
数寄屋橋にて街頭募金。
お時間のある方は募金をする人や、募金を集める人になって下さい。
郵貯でも受け付けています。
[振込先]
◎郵便振替口座:00170-2-9438
 加入者名:日本ALS協会
 備考欄に「大震災ALS義援金」と明記をお願いします。
★募金総額4万円ほど。

◆4月29日(金)13:00−17:00
有楽町数寄屋橋交差点の交番近くで街頭募金を行います。
お時間のある方は募金をする人や、募金を集める人になって下さい。
郵貯でも受け付けています。
[振込先]
◎郵便振替口座:00170-2-9438
 加入者名:日本ALS協会
 備考欄に「大震災ALS義援金」と明記をお願いします。
★募金総額4万4902円とクオカードが集まりました。

◆5月5日(木)13:30−17:00
上野公園(京成上野口)で街頭募金を行います。
お時間のある方は募金をする人や、募金を集める人になって下さい。
郵貯でも受け付けています。
[振込先]
◎郵便振替口座:00170-2-9438
 加入者名:日本ALS協会
 備考欄に「大震災ALS義援金」と明記をお願いします。

◆5月28日(木)14:00−16:00
銀座数寄屋橋宝くじ売り場前で街頭募金を行います。
お時間のある方は募金をする人や、募金を集める人になって下さい。
郵貯でも受け付けています。
[振込先]
◎郵便振替口座:00170-2-9438
 加入者名:日本ALS協会
 備考欄に「大震災ALS義援金」と明記をお願いします。
★募金総額12万466円が集まりました。




 

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◆2012/07/03 「[人]難病抱え「いま」を歌う」
 『読売新聞』

 「群馬県在住の歌人、渡辺松男さん(57)=写真=が歌集『蝶(ちょう)』(ながらみ書房)で迢空賞を受賞し、6月15日、都内で授賞式が行われた。
 渡辺さんは2年前、呼吸などに必要な筋肉が急速に衰えていく難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断され、今は車椅子での生活を送っている。この日は家族が運転する車で来場した。
 <ひらひらとなにげなく舞ひてゐたりしがガラスを透過しゆく紋白蝶(もんしろ)><墓のへにおもひつづけて木となりしひとありとふかく吾(あ)をうなづかす>。選考では、妻の死や自身の病などを通じて、生と死、現実と非現実の間を往還しつつ深めた歌境が高く評価された。
 受賞あいさつは、共に登壇した長女のひとみさんが代読。「今、私は時間を垂直に生きているのだと思う。『いま歌を、いま歌を』という風に生きていきたい」と改めて歌を詠んでいく決意を力強く語った。」(全文)
 
 

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◆2012/07/10 「歌を作るとき自由感じる 心に自然も人も生きている 迢空賞を受賞して 渡辺松男」
 『朝日新聞』

 「私は山や森を歩くのが好きだった。よく歩いた。たとえばキヌガサソウがある。シラネアオイがある。高山植物だ。山でばったり出会うと、あっ、これだと思う。そのとき周りの光がぎゅっと収縮する。それで、私はこういうものが好きなのかと実感する。鳥でもそうだ。木でもそうだ。
 好きだということはびりっとする体験だ。懐かしさや憧れや愛(いと)しさやさまざまの訳のわからない感情がごっちゃになって、そしてたちまち訳のわからないまま何故(なぜ)かきれいに結晶するものだ。その結晶の姿がそのままそこにあるキヌガサソウの花であった。シラネアオイの花であった。そこでは因果の前後が消えていた。そして妙に自由を感じた。山や森を歩きながらそういう体験を重ねた。
 歌も似ていた。記憶の底に、意識の奥に、あるいは遠いところに、いろいろの宇宙に花が咲いている。しかし、それが何なのかは分からない。心は手では掴(つか)めない。それで歌を作る。歌ができあがるまで姿はないが、できあがると、ああ、私はこういう花が好きなのかと分かる。そのとき歌は、心の中にありながら、同時に心の外にあった。そうして私自身も私の心の中にありながら、私の心の外へ広がった。
 歌には千年以上のありとあらゆる思いの集積がある。歌を好きだということは、その集積の上に意識的にも無意識的にも居るということだろうが、私は木や鳥や野草の歌を作っているとき、そして歌ができあがったとき、むしろそこに自由を感じたのだ。
 私はもう山を歩くことができない。しかし心には木や鳥や野草が生きている。雲もあり空もある。亡くなった妻も母も父も友もそこに混じって生きている。木や鳥や亡き妻たちの体温や呼吸をありありと感じることができる。そうして歌はできるのだ。
 空には星の数だけ時間があると教えてくれたのは母だ。見ると欅(けやき)の先端に北極星があり、全天が星に満ちていた。幼い私には時間の意味が分からなかったが、今はよく分かる。

 ●車椅子で授賞式に
 渡辺松男は1955年、群馬県伊勢崎市生まれ。第7歌集『蝶』(ながらみ書房)で今年の第46回迢空賞を受賞した。
 《木のやうに目をあけてをり目をあけてゐることはたれのじやまにもならず》
 早くから山や樹木などと同化したような特異な作風で注目され、歌壇賞、寺山修司短歌賞など主要賞を軒並み受けてきた。
 2年前に難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断され、先月の授賞式には車椅子で出席、あいさつは長女が代読した。「もう時間は未来に向かって流れず、垂直に生きている。今うたを、今うたを、というふうに生きていきたい」」(全文)
 
 
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◆2012/07/17 「鈴鹿8耐 共に走るレーサーとALS患者」
 『東京新聞』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20120717/CK2012071702000131.html

 「鈴鹿8耐 共に走るレーサーとALS患者
 全身の筋肉が弱っていく筋萎縮性側索硬化症(ALS)と闘う今野紀夫さん(60)=高崎市元島名町=は、二十六日に三重県鈴鹿市で開幕する鈴鹿八時間耐久ロードレースへ今年も向かう。今回で四回目の観戦。命の恩人でもある隣人のオートバイレーサー青木宣篤選手(40)=ヨシムラ・スズキ=を応援するためだ。

 二〇〇八年夏に引っ越してきた今野さん一家。道路を挟んだ向かいに住む青木選手に車の修理を手伝ってもらって以来、家族ぐるみの付き合いが始まった。
 国内外で活躍するトップライダーの青木選手を、今野さんは「本番はすごい目つきになるが普段は本当に優しい」と目を細める。青木選手は今野さんを「大事な時にビシッと言ってくれる人生の先輩」と慕う。

 〇九年六月、青木選手は大好きな沖縄に今野さん一家を誘った。

 向かったのは読谷村の浅瀬が広がる入り江。自力で動けない今野さんを車からビーチまで運び、いす型の浮輪に乗せた。眼下に広がる色鮮やかなサンゴと熱帯魚。今野さんは「もう海はあきらめていたのに。感謝感激だった」と思い出す。

 今年四月、肺炎をこじらせ重体に陥った。医師は「あと一時間の命」と家族に告げた。
 うつろになる意識の切れ間で、今野さんが唯一覚えているのは、目の前で叫ぶ青木選手と青木選手の長女日向さん(13)の顔。「今年もレースに来る約束だろ!」「もっと勉強するから死んじゃ嫌だ!」。周囲の懸命な看病もあり、命を取り留めた。

 今野さんは声を出せるが呼吸する筋肉が弱り、鼻を覆う人工呼吸器が欠かせない。やがては気管につなぐ人工呼吸器を付けなければならないが踏み切れないでいる。

 「来年は無理かな」。レースに駆け付けるたびに思う。一方で昨年、引退をほのめかした青木選手を必死で引き留めた。「青木さんが走っていると力をもらえるんだ」
 青木選手も応じる。「長く生きてほしいと心から思う。僕もオファーがある限り走る」。まだまだ二人は走り続ける。」(全文)
 
 

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◆2012/07/20 「ALS患者支援、15回目の音楽会 元歌手・湯浅さん、22日小樽で /北海道」
 『朝日新聞』

 「韓国出身の元歌手湯浅聖子さん(65)=小樽市=が、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者を支援するためのチャリティーコンサートを、22日午後6時から同市色内2丁目の小樽市民センターで開く。
 湯浅さんは韓国・釜山出身で、地元テレビ局の専属歌手を務めたこともある。日本人と結婚し、約40年前に小樽に移り住み、日本国籍を取得した。
 40歳を過ぎて甲状腺機能が低下する病気を発症し、今も薬を飲み続けている。病気治療中に見たテレビ番組でALSのことを知った。「私よりずっとつらい病気の人たちがいる。できることで力になりたい」と考え、1997年にチャリティーコンサートを開始。年1回開き、一度休んだが、今回で15回目になる。
 当日は、朝鮮民謡「アリラン」をはじめ、日本の演歌、イタリアのカンツォーネなどを歌い、母国の宮廷舞踊も披露する。湯浅さんから韓国語を習った主婦ら14人も韓国語で歌う。
 料金は3千円(高校生以下、障害者手帳を持っている人と付添人は無料)。収益金は日本ALS協会北海道支部に寄付する。チケットは小樽市民センター(0134・25・9900)などで販売している。

 【写真説明】
「舞踊にも力を入れます」と話す湯浅聖子さん=小樽市」(全文)

 

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◆2012/07/23 「幻想の鉛筆画を回顧 20年ぶり射水で頭川政始展=富山」
 『読売新聞』

 「細密な鉛筆画で、内面を凝視するような幻想的な世界を描き続けた高岡市出身の異色画家・頭川政始(ずかわまさし)(1933〜93年)の画業をたどる「頭川政始展 孤高の幻視」が、射水市黒河の太閤山ランドふるさとギャラリーで開かれている。頭川の本格的な回顧展は生前の1992年以来、20年ぶりとなる。
 県立近代美術館と射水市新湊博物館の共同企画で、県内の美術館や個人宅に散在していた79点を集めた。
 頭川は漆芸を志し金沢美術工芸大を卒業後、アルミ会社でデザインの仕事に就いたが、なじめず退社。62年から自宅にこもって鉛筆画に打ち込んだ。四半世紀にわたり描き続けたが、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)にかかり、4年間の闘病の末に59歳で亡くなった。
 作品には、フジツボや草花、臓器を思わせる形が、黒と白の濃淡で精緻に描かれる。県立近代美術館の若松基学芸員によると、鉛筆を針のように削り、はがき1枚分描くのに1か月かかったといわれている。
 展示作品は年代順に並び、作風の変化もたどれる。若松学芸員は「『闇の画家』のイメージで語られることが多いが、次第に画面が明るくなり、無機的なものも交じってくるのがわかる」と話す。
 富山市大町から夫婦で訪れた西野正彬さん(73)は「細かく精力を注いで、まるで銅版画のよう。これしかないと思って、自分の芸術に一生をささげたのだろう」と見入っていた。
 8月31日まで。午前10時?午後6時。入場無料。
 
 写真=細密な鉛筆画が並ぶ頭川政始展(射水市黒河の太閤山ランドで)」(全文)
 
 

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◆2012/08/02 「(追う)計画停電、どうなる 難病患者に発電機届かず /佐賀県」
 『朝日新聞』

 「九州電力管内の原発が止まっている中、電気の需要が高まり供給が追いつかなくなりそうになると計画停電が実施されることになっている。電気が欠かせない難病患者や畜産関係者の不安は大きいが、九電の対応は遅い。一方、梅雨明け以降、猛暑が続くが、電力供給に余裕はあり、計画停電の可能性は低そうだ。

 「停電は未知の世界。体調を崩さないか心配だ」
 全身の筋肉が衰える難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」を患う佐賀市大和町の中野玄三さん(57)は不安を口にする。2006年から人工呼吸器で命をつなぐ。機材の熱で室温が上がらないよう、エアコンは常にかけっぱなしだ。
 停電になると、人工呼吸器は予備電源で10時間以上はもつが、エアコンは使えなくなる。「熱中症も怖いし、機材が止まらない保証はなく不安は大きい」
 県などによると、停電の対象地区に住む難病患者のうち、自宅でたん吸入器を使う6人が予備電源を持たず停電時間を持ちこたえられない可能性がある。
 九電から発電機を借りられる。当初、県は「梅雨明けごろには配備を済ませる」としていたが、まだゼロだ。九電によると、発電機による電力は周波数が変動する恐れがあり、設置時にはたん吸入器のメーカーと看護師の立ち会いが必要という。九電は「立ち会いの日程調整ができておらず、完備のめどが立っていない」と釈明する。配備が間に合わずに計画停電になった場合は病院への搬送も計画しているという。
 これに対し、NPO法人県難病支援ネットワークの三原睦子理事長(52)は「配備済みと思っていたので驚いた。本来は計画停電の対象期間前にすべきことで、人の命をなんと思っているのか。早急に配備するべきだ」と批判した。
 約1万5千羽の鶏を飼う佐賀市の増田養鶏場の増田朝子さん(60)は「鶏は暑さにすごく弱い。ストレスを感じて産卵に影響が出ないか心配だ」と話す。鶏舎では33度を超えると自動的に扇風機が回り、空気を循環させ、30度以下に保つ仕組みを導入している。
 停電になれば、散水したり、鶏の飲み水を常に入れ替えて冷たさを保ったりするというが、どこまで有効なのかは不明だという。
 県内では猛暑となった10年7〜9月に計3万7千羽の鶏が死んだ。県では、鶏舎の風通しを良くするほか、屋根に消石灰を塗ったり散水したりすることで照射熱を緩和するよう呼び掛けている。

 ●猛暑でも供給に余力
 九電は「計画停電は万が一の備え」として実施の可能性は低いとしている。
 九電で今夏最大の電力需要となったのは佐賀や福岡などで35度を超える猛暑となった7月26日で1521万キロワット。当日の最大供給力1627万キロワットに比べ約7%余裕があった。
 また、佐賀市で今年最高の37・3度を記録した31日は最大供給力1681万キロワットに対し、最大電力需要は10%ほど低い1509万キロワットにとどまった。
 九電管内では、気温が1度上がると、電力需要は40万キロワットほど増えるとされているが、他社からの電力の融通が期待できるため、中・西日本全体で相当な猛暑にならない限りまかなえるとみられる。
 このまま節電効果が続けば、計画停電の実施確率は極めて低くなる。
 仮に実施する場合、九電は前日の午後6時をめどに「予告」をして対象地域や時間帯を発表。当日は2時間前までに実施を決定する。対象地区には広報車を走らせて周知徹底を図る。
 県では、供給予備率が1%を下回る見通しになると対策本部を設置し、問い合わせ窓口を開くほか、防災・防犯情報をメールで知らせる「防災ネットあんあん」でも情報を流す。九電は臨時窓口(0120・187・333、平日午前9時〜午後8時)を設けたほか、県内の各営業所でも、問い合わせに応じている。
 計画停電になった場合は、飲料水の確保や家電製品の取り扱いに注意が必要だ=表参照。ただ、これらは台風など通常の防災対策と変わらず、計画停電だからといって新たな対策が必要になるわけではない。
 (東郷隆)

 ●信号ほぼ停止、交差点に注意
 昨年、東京電力管内であった計画停電では、交差点や踏切で事故が起きた。
 県警によると、県内の信号のうち自家発電装置があるのは3%ほど。危険な交差点から順次、発電機や警察官を配置して対応するが、台数や人数が限られるため、ほとんどカバーできない。県警では「速度を落として、安全運転を心がけて欲しい」と呼び掛けている。
 一方、JR九州によると、管内の踏切の約4割が停電の対象だが、非常用の蓄電池が備え付けられており、停電の2時間は持ちこたえられるという。

 ■万が一の計画停電で注意が必要なこと(注意事項、主な対策の順)
 【事前準備】 熱中症予防のため飲料水や保冷剤を用意。ラジオの乾電池の用意や携帯電話の充電をしておく
 【水】 停電対象地区の一軒家では基本的に水は出る。電動ポンプを使う高層マンションやビルでは断水の可能性。飲料水やトイレ用水のくみ置きを
 【食品】 冷蔵・冷凍庫が使えなくなる。庫内温度の上昇を防ぐため扉の開閉は最小限に。事前に保冷剤や氷を入れて温度変化も小さくする
 【防犯・火災】 マンションのオートロックが解除され、火災報知機が作動しなくなる可能性も。夜間停電の可能性は低いが、懐中電灯の用意も
 【エレベーターやコインパーキング】 昨年、東京電力管内であった計画停電ではエレベーター内に人が閉じ込められる事故が発生し、駐車場では車が出られなくなった。停電時間帯の使用は避ける
 【家電製品】 ドライヤーや電子レンジなどの電気機器は停電解消後の加熱で火災の危険性。プラグをコンセントから抜いておく。出かける際はブレーカーを切っておくとよい
 【停電解消の確認】 冷蔵庫のモーター音やインターネット回線のルーターランプ点灯で確認できる。隣近所が通電しているのに停電している場合は九電に連絡を

 【写真説明】
気管挿管の人工呼吸器を24時間つける中野さん。両足の指でマウスを操る。「計画停電は心理的な負担が大きい」=佐賀市大和町」(全文)
 
 

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◆2012/08/02 「iPS細胞からALS薬の候補 京大チームが発見 【大阪】」
 『朝日新聞』

 「全身の運動神経が衰える難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の患者のiPS細胞から運動神経の細胞をつくり、薬の候補となる化合物を見つけることに京都大チームが成功した。患者のiPS細胞をもとに治療効果のある物質にたどり着いたのは初めてという。
 米医学誌サイエンス・トランスレーショナル・メディシン(電子版)で2日、報告する。
 京大iPS細胞研究所の井上治久准教授(神経内科)らは、特定のたんぱく質をつくる遺伝子に生まれつき異常がある50代の患者3人に皮膚を提供してもらい、iPS細胞から運動神経の細胞をつくった。
 この細胞は多くのALS患者の運動神経細胞と同じ特徴をもち、患者でない人からつくった細胞に比べて突き出ている突起が短く、老化につながるような刺激を与えると細胞死が起きやすかった。このたんぱく質に異常があると、遺伝子素材のリボ核酸(RNA)がうまくつくれなくなることがわかった。そこで、RNAづくりに関係する4種類の化合物を細胞に加えると、カシューナッツの殻に含まれるアナカルジン酸を使ったときに突起が長くなり、細胞死が起きにくくなるなど、正常に近づいた。
 アナカルジン酸の安全性はよく分かっておらず、そのまま治療に使えるかは不明。チームは今後、効果の仕組みや副作用について調べ、治療薬につなげたいという。(鍛治信太郎)

 【図】
患者のiPS細胞を使った薬の開発」(全文)

 

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◆2012/08/02 「〈解〉筋萎縮性側索硬化症=ALS」
 『読売新聞』

 「全身の筋肉が徐々に萎縮していく難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の患者の皮膚から作製したiPS細胞(新型万能細胞)を使い、ALSの発症を抑える治療薬の候補となる化合物を特定することに、京都大iPS細胞研究所などの研究グループが、初めて成功した。iPS細胞の技術が、治療法がない難病の解明や新薬開発の突破口となることを改めて示した成果で、2日の米医学誌電子版に発表する。
 同グループによると、ALS患者の約9割は、脳からの指令を筋肉に伝える運動神経の細胞内で、遺伝子の働きの強弱を調節するたんぱく質「TDP?43」が変性し、蓄積することがわかっていた。グループの井上治久・准教授らは、50歳代のALS患者3人の皮膚から様々な種類の細胞に変化できるiPS細胞を作製。さらに運動神経の細胞に変化させたところ、変性したTDP?43が大量に蓄積しているのを確認。その影響で、運動神経の突起部分が、健康な人より短くなっていたことを突き止めた。このALS患者の細胞に、TDP?43の正常な働きを補うことで知られる4種類の化合物を加えたところ、そのうちカシューナッツの殻から抽出した「アナカルジン酸」によって、変性したTDP?43が減少、突起の長さも2倍になり、健康な人の細胞と同じ長さになった。
 山中伸弥・京都大iPS細胞研究所長の話「今後、ALSや他の難病の新しい治療薬開発を実現するために、さらに研究を進めたい」
 ◆難病研究 真価を発揮(解説)
 京都大iPS細胞研究所が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療薬の候補を見つけた今回の研究は、iPS細胞の真価を最も発揮した分野と言える。
 iPS細胞を開発した同研究所の山中伸弥所長は「ALSのように患者数が少なく、製薬企業が治療薬の開発に消極的な難病の治療薬を開発したい」と、重要テーマの一つにしている。
 ALSに有効な治療法がない最大の理由は、神経細胞が皮膚や血管などと違ってほとんど再生せず、患者の脳や脊髄から病気の神経細胞を採取できたとしても、培養して研究に使うことができないからだ。しかし、iPS細胞なら、患者の皮膚から簡単に作製し、大量に増やせるので、動物実験よりも正確な治療薬の検証を何度も繰り返すことができる。
 今回の成果がすぐに治療につながるわけではないが、新薬開発の大きな手がかりとなるだろう。(大阪科学部 今津博文)
 
 〈筋萎縮性側索硬化症(ALS)〉
 運動神経が徐々に機能を失い、全身の筋肉が動かなくなる病気で、有効な治療法はない。難病情報センターによると、50〜60歳代で発症することが多く、国内には、約8500人の患者がいる。米国では大リーガーのルー・ゲーリッグ選手が発症したことから「ゲーリッグ病」とも呼ばれる。
 
 図=iPS細胞を利用したALS治療薬の研究」(全文)

 

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◆2012/08/02 「iPS使い、ALS新薬 京大グループ 有効な物質特定」
 『読売新聞』

 「全身の筋肉が徐々に萎縮していく難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の患者の皮膚から作製したiPS細胞(新型万能細胞)を使い、ALSの発症を抑える治療薬の候補となる化合物を特定することに、京都大iPS細胞研究所などの研究グループが、初めて成功した。iPS細胞の技術が、治療法がない難病の解明や新薬開発の突破口となることを改めて示した成果で、2日の米医学誌電子版に発表する。
 同グループによると、ALS患者の約9割は、脳からの指令を筋肉に伝える運動神経の細胞内で、遺伝子の働きの強弱を調節するたんぱく質「TDP?43」が変性し、蓄積することがわかっていた。グループの井上治久・准教授らは、50歳代のALS患者3人の皮膚から様々な種類の細胞に変化できるiPS細胞を作製。さらに運動神経の細胞に変化させたところ、変性したTDP?43が大量に蓄積しているのを確認。その影響で、運動神経の突起部分が、健康な人より短くなっていたことを突き止めた。このALS患者の細胞に、TDP?43の正常な働きを補うことで知られる4種類の化合物を加えたところ、そのうちカシューナッツの殻から抽出した「アナカルジン酸」によって、変性したTDP?43が減少、突起の長さも2倍になり、健康な人の細胞と同じ長さになった。
 山中伸弥・京都大iPS細胞研究所長の話「今後、ALSや他の難病の新しい治療薬開発を実現するために、さらに研究を進めたい」
 ◆難病研究 真価を発揮(解説)
 京都大iPS細胞研究所が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療薬の候補を見つけた今回の研究は、iPS細胞の真価を最も発揮した分野と言える。
 iPS細胞を開発した同研究所の山中伸弥所長は「ALSのように患者数が少なく、製薬企業が治療薬の開発に消極的な難病の治療薬を開発したい」と、重要テーマの一つにしている。
 ALSに有効な治療法がない最大の理由は、神経細胞が皮膚や血管などと違ってほとんど再生せず、患者の脳や脊髄から病気の神経細胞を採取できたとしても、培養して研究に使うことができないからだ。しかし、iPS細胞なら、患者の皮膚から簡単に作製し、大量に増やせるので、動物実験よりも正確な治療薬の検証を何度も繰り返すことができる。
 今回の成果がすぐに治療につながるわけではないが、新薬開発の大きな手がかりとなるだろう。(大阪科学部 今津博文)
 
 〈筋萎縮性側索硬化症(ALS)〉
 運動神経が徐々に機能を失い、全身の筋肉が動かなくなる病気で、有効な治療法はない。難病情報センターによると、50?60歳代で発症することが多く、国内には、約8500人の患者がいる。米国では大リーガーのルー・ゲーリッグ選手が発症したことから「ゲーリッグ病」とも呼ばれる。
 
 図=iPS細胞を利用したALS治療薬の研究」(全文)

 

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◆2012/08/02 「iPS使い、ALS抑制 新薬候補物質を発見 京大グループ」
 『読売新聞』

 「全身の筋肉が徐々に萎縮していく難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の患者の皮膚からiPS細胞(新型万能細胞)を作製し、ALSの症状を抑える治療薬の候補となる化合物を見つけ出すことに、京都大iPS細胞研究所などの研究グループが、初めて成功した。すぐに治療に使えるわけではないが、iPS細胞の技術が、難病の解明や新薬開発につながることを確認した成果で、2日の米医学誌電子版に発表する。
 同グループによると、ALS患者の約9割は、脳からの指令を筋肉に伝える運動神経の細胞内で、遺伝子の働きの強弱を調節する「TDP?43」というたんぱく質が変性し、蓄積することがわかっていた。
 グループの井上治久・准教授らは、50歳代のALS患者3人の皮膚から様々な種類の細胞に変化できるiPS細胞を作製した。さらに運動神経の細胞に変化させたところ、変性した大量のTDP?43を確認。その影響で、運動神経の突起部分が、健康な人より短くなっていたことを突き止めた。
 このALS患者の細胞に、TDP?43の正常な働きを補うことで知られる4種類の化合物を加えたところ、そのうちの一つ「アナカルジン酸」という化合物でTDP?43が減少、突起の長さも2倍になり、健康な人の細胞と同じ長さになった。
 iPS細胞を開発した山中伸弥・京都大iPS細胞研究所長の話「研究所は10年間の目標の一つとして患者由来のiPS細胞を使った難病の治療薬開発を掲げており、一歩前進した。ALSや他の難病の新しい治療薬開発を実現するために、さらに研究を進めたい」
 ◆難病治療手がかりに(解説)
 京都大iPS細胞研究所による今回の研究は、iPS細胞の真価を最も発揮できる分野と言える。山中伸弥・同研究所長は「ALSのように患者数が少なく、製薬企業が、研究費の投資に消極的な難病の治療薬を開発したい」と、重要テーマの一つにしている。
 ALSに有効な治療法がない最大の理由は、神経細胞が皮膚や血管などと違ってほとんど再生せず、患者の脳や脊髄から病気の神経細胞を採取できたとしても培養して研究に使うことができないからだ。しかし、iPS細胞なら、患者の皮膚から簡単に作製し、大量に増やせるので、動物実験よりも正確な治療薬の検証を何度も繰り返すことができる。今回の成果は、新薬開発の大きな手がかりとなるだろう。(科学部 今津博文)
       
 〈筋萎縮性側索硬化症〉=ALS
 脳と筋肉を結ぶ運動神経が徐々に機能を失い、全身の筋肉が動かなくなる病気で、有効な治療法はない。難病情報センターによると、50〜60歳代で発症することが多く、国内には、約8500人の患者がいる。米国では大リーガーのルー・ゲーリッグ選手が発症したことから「ゲーリッグ病」とも呼ばれる。
    
 図=iPS細胞を利用したALS治療薬の研究」(全文)
 
 

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◆2012/08/02 「難病ALS治療に道、京大、iPSで薬候補発見。」
 『日経産業新聞』

 「京都大学iPS細胞研究所(山中伸弥所長)の研究チームは、全身が思うように動かなくなる不治の病、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の原因の一端を、様々な細胞に成長できるiPS細胞を使い解明した。神経細胞の一部に構造上の異常が見つかった。治療につながる薬の候補物質も突き止めたという。
(関連記事3面に)
 治療薬の実現には10年程度かかるとみられるが、現代の医学ではどうしようもなかった難病克服の道が、iPS研究によって切り開かれた。
 成果は2日に米科学誌に掲載される。
 井上治久准教授らはALSの患者3人から皮膚細胞を採取し、iPS細胞を作製した後、運動神経の細胞をつくった。比較検討するため、健康な5人からも同じ手法で神経細胞を作製した。
 ALS患者の細胞だけ、脳の命令を骨格筋に伝える突起の部分が通常より短かった。ALS患者の大半に見つかる特定のたんぱく質が細胞内に多くたまっていた。
 植物に含まれ、抗がん剤の候補として研究が進む「アナカルジン酸」を細胞に振りかけたところ、このたんぱく質が減り、突起の長さも通常に戻った。
 研究チームは今後、この物質の安全性を確認する。動物実験や人での臨床試験(治験)を経て、世界初のALS治療薬の実現を目指す。
 ▼ALS(筋萎縮性側索硬化症) 全身の筋肉が徐々に衰える神経の難病。発症から数年で自発呼吸ができなくなり、人工呼吸器が必要になる。知性や記憶などは問題ない。他人と意思疎通が困難になるため「閉じ込め症候群」、往年の大リーガーにちなみ「ルー・ゲーリッグ病」ともいわれる。50〜60歳に多く、発症する割合は10万人に1人前後。国内には約8000人の患者がいる。」(全文)
 
 

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◆2012/08/02 「応用の本命分野で成果、iPS細胞で難病克服へ、再生医療、早期の実用化カギ。」
 『日経産業新聞』

 「京都大学がiPS細胞を利用し、神経系疾患のALS(筋萎縮性側索硬化症)治療の足がかりを得ることに成功した。iPS細胞を治療に直接使う再生医療ではないが、難病克服というiPS応用の「本命」での大きな成果といえる。現在、分かっていない様々な病気の仕組み解明と治療法開発が今後進むと期待が高まっている。(1面参照)
 京大の山中伸弥教授が世界で初めて人のiPS細胞を開発してから約5年。この間、ALSやアルツハイマー病などの患者からiPS細胞を作り神経などに育てて観察する研究が盛んだった。
 こうした神経の病気は発症の仕組みがよく分かっておらず、完治が期待できる薬もまだない。生存中の患者から神経を採取するのは難しく、病気のモデルとなる実験用動物の開発も不十分。原因を解明するには、患者からiPS細胞を作るしか手立てがない。
 iPS細胞を活用し病気が起こる様子を再現すれば、なぜ神経に異常が生じるのかが分かり、治療法開発のヒントになる。今回もALS患者と健康な人からそれぞれ作ったiPS細胞を運動神経に育てて比べた。
 iPS細胞は病気やけがで損なわれた臓器や細胞を補う再生医療の切り札として期待が高い。こうした研究でも国内勢による成果が相次ぐ。慶応義塾大学の岡野栄之教授らは脊髄損傷の治療法開発に取り組む。人のiPS細胞から作った神経のもとになる細胞を脊髄損傷のサルに移植し、運動機能を回復させた。
 ただ、基礎研究で得た成果をそのまま治療応用につなげるのは容易でない。人での安全性や有効性を確認する臨床試験(治験)が欠かせない。国内では新薬候補物質の開発から国が承認し販売するまで約10年かかるのが一般的。全く新しい治療法である再生医療では、実用化を後押しする国家プロジェクトがいくつか始まってはいるが、研究者や医師などからは不十分との声も根強い。
 政府は2020年までの「日本再生戦略」に、医療分野の競争力強化などを盛った。日本発の技術であるiPS細胞を実際の医療にいち早く役立てるための仕組み整備と着実な実行が、今後の大きな課題になりそうだ。」(全文)
 
 

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◆2012/08/02 「京大、ALS患者からiPS細胞、運動神経作り異常解明。」
 『日経産業新聞』

 「京都大学の井上治久准教授らは全身の筋肉が動かなくなるALS(筋萎縮性側索硬化症)患者のiPS細胞から運動神経の細胞を作り、病気の原因とみられる異常を突き止めた。ある種の化合物で異常が改善し、根本治療のないALSの治療薬を開発できる可能性が出てきた。傷んだ体を修復する再生治療だけでなく、これまでにない新薬の開発にiPS細胞を役立てる大きな成果だ。
 研究成果は米科学誌「サイエンス・トランスレーショナル・メディシン(電子版)」に2日、掲載される。
 ALS患者3人の皮膚から細胞を採取し、様々な細胞に育つiPS細胞に変えた後、運動神経の細胞(運動ニューロン)に育てた。
 健康な5人のiPS細胞から作った運動ニューロンと比べたところ、神経に特有の突起が短かった。また「TDP―43」というたんぱく質が増えやすくなっていた。この違いがALSの原因を突き止める重要な手掛かりになる。
 さらに研究チームはTDP―43の調節にかかわる物質を患者の運動ニューロンに与え、短かった突起を健康な人並みの長さに伸ばす実験にも成功した。RNA(リボ核酸)に作用する「アナカルジン酸」と呼ぶ物質で、治療薬の原型になるとみている。」(全文)
 
 

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◆2012/08/02 「京大、ALS患者からiPS細胞――新薬開発、進む可能性(解説)」
 『日経産業新聞』

 「再生医療は健康な人から作ったiPS細胞などを病気やけがで傷んだ体の治療に使う発想から始まった。今回の京都大学の成果は逆に患者のiPS細胞を使えば、病気の仕組みの解明や、原因遺伝子の働きを抑える新薬の開発が大きく進展する可能性を示した。
 患者のiPS細胞には、病気の原因となる遺伝子の不具合がそのまま残っているようだ。iPS細胞は培養条件を変えれば神経や心臓などどんな細胞にも育つ。患者から神経や心臓を取り出せなくても、iPS細胞であれば細胞が病気になっていく仕組みを培養皿で観察できる。病気の進行を抑える物質を探す実験が一気に進む。
 今後は培養皿の中での治療効果が実際に人の体に投与したときに現れるかどうかを確かめる必要がある。治療したい細胞だけに薬を届ける薬物送達システムの開発を並行して進めないといけないとの指摘もある。
 ほかにもパーキンソン病やアルツハイマー病、先天性の子どもの神経難病などの研究にも応用が期待される。最近の研究では、年を取ってから発症すると言われる病気でも、患者のiPS細胞から育てた神経細胞では病気の原因物質が若いころからたまり始めていることなどが分かってきている。
 iPS細胞から正常な神経細胞を作って移植する治療も可能とみられるが、大きな外科手術が必要になるため体内の細胞を薬を使って正常にする研究が製薬企業や大学で注目されている。」(全文)
 
 

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◆2012/08/02 「京大、iPS細胞使い神経難病の治療薬候補を探索」
 『日経速報ニュースアーカイブ』

 「京都大学iPS細胞研究所(山中伸弥所長)の研究チームは、全身が思うように動かなくなる不治の病、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の原因の一端を、様々な細胞に成長できるiPS細胞を使い解明した。神経細胞の一部に構造上の異常が見つかった。治療につながる薬の候補物質も突き止めたという。
 治療薬の実現には10年程度かかるとみられるが、現代の医学ではどうしようもなかった難病克服の道が、iPS研究によって切り開かれた。
 成果は2日に米科学誌に掲載される。
 井上治久准教授らはALSの患者3人から皮膚細胞を採取し、iPS細胞を作製した後、運動神経の細胞をつくった。比較検討するため、健康な5人からも同じ手法で神経細胞を作製した。
 ALS患者の細胞だけ、脳の命令を骨格筋に伝える突起の部分が通常より短かった。ALS患者の大半に見つかる特定のたんぱく質が細胞内に多くたまっていた。
 植物に含まれ、抗がん剤の候補として研究が進む「アナカルジン酸」を細胞に振りかけたところ、このたんぱく質が減り、突起の長さも通常に戻った。
 研究チームは今後、この物質の安全性を確認する。動物実験や人での臨床試験(治験)を経て、世界初のALS治療薬の実現を目指す。
2012/08/02 03:00」(全文)
 
 

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◆2012/08/02 「日本経済新聞(2日朝刊)」
 『日経速報ニュースアーカイブ』

 「◇銀行の出資規制緩和 金融庁方針、上限5%見直し
◇トヨタ30万台上積み 今年、生産900万台に迫る
◇難病ALS治療に道 京大、iPSで薬候補発見
◇原発、安全確保を最優先 規制委員長候補「原則40年で廃炉」
◇民主「20日採決」提示 一体改革、日程駆け引き
◇TPP来月正念場 日本に意思表明圧力
◇スペイン銀、健全遠く 4〜6月軒並み大幅減益
◇北朝鮮経済、軍の関与制限 外貨稼ぎ、党主導で
◇住商、米新型油田に参画 国内勢で最大規模、1600億円投資
◇ドラッグ店のココカラファイン 新潟の同業を買収
2012/08/02 03:00」(全文)
 
 

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◆2012/08/02 「JSTと京大、ALS患者由来のiPS細胞でALS病態を解明し新規治療薬シーズを発見」
 『日経速報ニュースアーカイブ』

 「患者さん由来iPS細胞でALS病態解明・治療薬シーズを発見
Science Translational Medicineに掲載


<ポイント>
 ・ALS(筋萎縮性側索硬化症)(注1)は病態に未解明の部分が多いために、治療薬開発が進んでいなかった。
 ・ALS患者さんの細胞から樹立したヒトiPS細胞(注2)を用いて、ALS患者さんの病態を細胞レベルで再現するモデルを構築し、これまで知られていなかったALSの病態の一端を明らかにした。
 ・ALS患者さんのiPS細胞を用いた世界で初めてのALS治療薬シーズ(注3)の発見である。
 ・ALSの新薬開発や発症メカニズムの解明にとって大きな一歩である。


1.要旨
 江川斉宏研究員(京都大学CiRA/JST CREST)、北岡志保研究員(元京都大学CiRA/JST CREST)、井上治久准教授(京都大学CiRA/JST CREST/JST 山中iPS 細胞特別プロジェクト)の研究グループは、山中伸弥教授(京都大学CiRA/同物質−細胞統合システム拠点/JST 山中iPS 細胞特別プロジェクト)や高橋良輔教授(京都大学大学院医学研究科)らの研究グループと協力し、ALS患者さんから樹立したiPS細胞を用いて、ALSのこれまで知られていなかった病態を解明し、ALSに対する新規治療薬シーズを発見しました。
 ALSは運動ニューロン(注4)が変性することで次第に全身が動かなくなり死に至る疾患です。これまではALS患者さんから運動ニューロンを取り出すことができなかったために、患者さんの病態をそのまま反映するモデル(注5)を作ることが難しく、ALS治療に有効な治療薬開発は進んでいませんでした。
 本研究では、TDP−43というタンパク質をコードする遺伝子に変異を持つ家族性のALS患者さんから樹立したiPS細胞を用いて、運動ニューロンを分化誘導しました(ALS運動ニューロン)。このALS運動ニューロンには、ALS病理組織の運動ニューロン内で見られるものと類似の、タンパク質の凝集体が観察されました。さらに、ALSに罹患していない運動ニューロンと比較して、突起が短く、ストレスに対して脆弱になっていました。TDP−43というタンパク質は、健常な状態ではRNA(注6)に結合して、RNAの合成・運搬等、RNA代謝(注7)に関与するとともに、TDP−43自身の発現量を自己調節していることが知られています。ALS運動ニューロンの遺伝子解析から、ALSではTDP−43の自己調節が異常をきたして、運動ニューロン内でTDP−43の発現量が増加し、神経細胞骨格の遺伝子発現や、RNA代謝に関連する分子の遺伝子発現に異常が生じていることを見いだしました。そこで、RNA代謝を調節することが知られている化合物をALS運動ニューロンに作用させたところ、それらの化合物の中でアナカルジン酸と呼ばれる化合物によって、TDP−43の発現量が低下し、ALS運動ニューロンのストレスに対する脆弱性が改善され、神経突起の長さが回復することを発見しました。
 以上の結果から、ALS患者さん由来のiPS細胞から分化誘導した運動ニューロンは、ALSの治療薬シーズを探索する病態モデル系として有効であることが示され、今後の新薬開発を大きく加速することが期待されます。
 この研究成果は2012年8月1日(米国東部時間)に米国科学誌「Science Translational Medicine」のオンライン版で公開されます。


2.研究の背景
 ALSは50〜60歳ごろから発症し、運動ニューロンが変性することで次第に全身が動かなくなる病気です。
 ALSの病理組織を観察すると、運動ニューロンの細胞質に凝集体が観察されます。この凝集体はTDP−43というRNA結合タンパク質が集まったものであることが明らかにされていました。これまでALS病態を示す動物モデルが報告され、その中でもALSモデルマウスを用いた研究では病状を改善する治療薬候補がいくつか同定されました。しかし、その治療薬候補の中で、ALS患者さんに投与され治療の有効性が示されたものは未だありません。そのため、動物モデルより、さらに患者さんに近いヒトの細胞系でのモデル構築が求められていました。これまでにALS患者さんからiPS細胞を樹立し、運動ニューロンへと分化誘導することは行われてきました。しかし、ALSの病態に関して不明な点が多く、どのように培養皿の中でALSの病態を再現して、治療薬候補の探索を行うべきかがわかりませんでした。


※以下、「研究結果」などリリースの詳細は添付の関連資料を参照


関連ホームページ
(独)科学技術振興機構 ホームページ(http://www.jst.go.jp/
京都大学 ホームページ(http://www.kyoto-u.ac.jp/)」(全文)
 
 

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◆2012/08/03 「神経の難病、治療薬に道 iPS細胞から有効な物質 京大チーム」
 『朝日新聞』

 「全身の運動神経が衰える難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の患者のiPS細胞から運動神経の細胞をつくり、薬の候補となる化合物を見つけることに京都大チームが成功した。ほかの病気も含め患者のiPS細胞をもとに治療効果のある物質にたどり着いたのは初めてという。
 米医学誌サイエンス・トランスレーショナル・メディシン(電子版)で2日、報告した。京大iPS細胞研究所の井上治久准教授(神経内科)らは、特定のたんぱく質をつくる遺伝子に生まれつき異常がある50代の患者3人に皮膚を提供してもらい、iPS細胞から運動神経の細胞をつくった。
 この細胞は多くのALS患者の運動神経細胞と同じ特徴をもち、患者でない人からつくった細胞に比べて突き出ている突起が短く、老化につながるような刺激を与えると細胞死が起きやすかった。
 このたんぱく質に異常があると、遺伝子素材のリボ核酸(RNA)がうまくつくれなくなることがわかった。そこで、RNAづくりに関係する4種類の化合物を細胞に加えると、カシューナッツの殻に含まれるアナカルジン酸を使ったときに突起が長くなり、細胞死が起きにくくなるなど、正常に近づいた。
 アナカルジン酸の安全性はよく分かっておらず、そのまま治療に使えるかは不明。チームは今後、効果の仕組みや副作用について調べ、治療薬につなげたいという。
 (鍛治信太郎)」(全文)

 

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◆2012/08/04 「[ラウンジ]篠沢秀夫さん、近藤誠一さん」
 『読売新聞』

 「◇篠沢秀夫さん
 ◆難病と闘い長編翻訳 
 難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)で、闘病生活を続けている学習院大名誉教授の篠沢秀夫さん(79)が、約20年かけて翻訳したモーリス・ブランショの長編小説「謎のトマ」(中央公論新社)を刊行した。
 卒業論文のテーマに選ぶほど傾倒した作家だが、従来の日本語訳は3分の1程度に縮められた改訂版。ブランショに手紙を書いて、初版本の翻訳を許された。
 11章まで進んだ2009年、病魔が襲う。人工呼吸器を付ける体になったが、ベッドで毎日2、3時間も訳を続けた。「『死を抱えて生きる人間』というブランショの根本思想が、病気の私にはよく分かります」と、筆談で答えた。
 6月には妻の礼子さん(71)との半生をつづった「明るいはみ出し」(静山社)も刊行。現在は、出演していたテレビ番組「クイズダービー」の思い出を執筆中だが、「家内は、まだこのことを知りません」。ちゃめっ気たっぷりな表情を見せた。(文・川村律文、写真・高橋美帆)
 ◇近藤誠一さん
 ◆芸術家サロンを主宰 
 文化庁長官の近藤誠一さん(66)は、芸術家や芸能人、文化人らとの私的な懇談会「Kサロン」を主宰して9年になる。「K」は近藤さんの頭文字。月1回の会合には20?30人が参加し、常連メンバーにファッションデザイナーの森英恵さんや歌手の谷村新司さん、舞踊家の牧阿佐美さんがいる。
 外務省文化交流部長時代、日本文化を学び直そうと始めた。在外勤務中も現地でメンバーを募った。「日本人のルーツ」「海外で成功する方法」などテーマを毎回決め、食事をしながら議論を楽しむ。会合は会費制。「バーに移動し、夜11時頃まで続けることもあります」
 2年前、外務官僚として初めて文化行政のトップに就いた。最近では、サロンで知り合ったことがきっかけで、作品を共同制作した芸術家もいる。多彩な人たちが集う談論風発のサロンは、「文化の懸け橋のような場」に育っている。
 
 写真=篠沢秀夫さん
 写真=近藤誠一さん」(全文)
 
 

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◆2012/08/05 「(節電の夏に)命預かる現場に備え 介護・医療機関、停電想定し練習も /北海道」
 『朝日新聞』

 「道内の節電要請期間が始まってまもなく2週間。今のところ計画停電が危ぶまれる事態にはなっていないが、介護や医療の現場では万一に備えて、きめ細かな想定を重ねている。

 4階建ての施設に150人の入居者が暮らす慈啓会特別養護老人ホーム(札幌市中央区)。7月半ば、職員が1階の調理場から非常階段を通って各フロアまで人海戦術で食事を運んだ。計画停電を想定した練習だ。自家発電で給水ポンプと非常灯は使えるが、エレベーターは動かせない。1人がトレーを持って運べるのは2食分までで、階段はすれ違って通れることなどを確認した。
 ナースコールも通じなくなる。照明が消えて不安がる人への対応も兼ねて、入居者をホールに集めて目が行き届くようにし、部屋に残る人もドアを開け放って職員が見回りをすることにした。
 だが、「給食関係のダメージが大きい」と谷本由紀子施設長は言う。停電は原則1日2時間だが、どの時間帯でも準備から後片付けまでのどこかに影響する。そこで食事の時間をずらすほか、電子レンジで温めずにすむメニューを工夫したり、食器洗浄機が不要な使い捨ての食器にしたりといった対応を予定している。
 医療機関も、災害拠点病院などを除いて計画停電を免れない。傘下に550床の病院をもつ渓仁会グループ(同市手稲区)の担当者は「心電図モニターなどはバッテリーで動く。2時間程度の停電は乗り切れると思う」。愛全病院(同市南区)は、トイレ用の水をポリタンクにためておくなどの備えをする予定だ。
 道医療薬務課によると、福祉施設と有床診療所約1800カ所のうち、施設機能を維持できる自家発電設備を持つのは約2割。それ以外の施設に道は、診療時間の変更など必要な備えをするよう求めている。人工呼吸器などが必要な人がいる40カ所については、内蔵バッテリーなどで乗り切れることを確認したという。

 ●在宅医療機器にも支援態勢
 在宅で電動医療機器を24時間必要とする患者たちへの対応も進んでいる。
 在宅医療機器を扱う北海道エア・ウォーター(札幌市)は、慢性呼吸不全で高濃度の酸素を取り込む酸素濃縮装置などを使う道内の約3500人について、電源がいらない酸素ボンベが約3時間分あるかどうか確認。計画停電の可能性が出た場合、対象グループに入る患者をチェックし、必要なボンベなどをすぐに宅配できる態勢をとっている。
 人工呼吸器やたん吸引器の利用者対策としては、北海道電力は緊急用の小型発電機240台の貸し出しを準備している。ただ、手続きには主治医の指示書が必要で、計画停電実施の可能性が強まる前日夕方からでないと貸し出し対応が始まらないという。
 全身の筋肉が動かなくなる筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者で、人工呼吸器とたん吸引器が手放せない日本ALS協会北海道支部長の深瀬和文さん(48)=札幌市北区=は、「停電開始時までに、必要な人の手元に発電機がちゃんと届くのか心配だ」と話している。(林美子、熊井洋美)

 【写真説明】
停電になれば、流動食の入居者のためのミキサーも使えない。調理時間を変更したり献立を工夫したりして乗り切るという=札幌市中央区の慈啓会特別養護老人ホーム」(全文)
 
 
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2012/08/05 「iPS細胞があなたを救う?筋萎縮性側索硬化症の治療薬シーズを発見」
 『QLifePro医療ニュース』
http://www.qlifepro.com/news/20120805/the-ips-cells-to-save-you-discover-the-seeds-for-the-treatment-of-amyotrophic-lateral-sclerosis.html

 「iPS細胞があなたを救う?筋萎縮性側索硬化症の治療薬シーズを発見
筋萎縮性側索硬化症
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、筋肉の随意運動に関係する神経系統が選択的に冒される原因不明の変性疾患で、特定疾患(難病)の一つに指定されている。筋肉そのものの病気ではなく、筋肉を動かし、かつ運動をつかさどる神経(運動ニューロン)だけが障害を受ける。

その一方で、体の感覚や知能、視力や聴力、内臓機能などはすべて保たれる。おもに40〜60歳代に発症し、2対1の割合で男性に多く、罹患率は人口10万につき1.4とされている。

患者由来iPS細胞から
京都大学iPS細胞研究所および科学技術振興機構は、患者由来のiPS細胞でALS治療薬シーズを世界で初めて発見したと発表した。

これまでは、運動ニューロンを取り出すことが困難であったため、有効な治験薬の開発が進まなかったが、今回、タンパク質TDP-43をコードする遺伝子に変異を有する家族性のALS患者のiPS細胞から運動ニューロンを分化誘導できた。

これにより、ALSでは、TDP-43の発現量が増え、RNA合成やRNA運搬に関する遺伝子や神経細胞骨格に関する遺伝子発現の異常があることがわかり、RNA代謝に効果がある化合物を作用させると、改善がみられた。非常に画期的な発見で、今後、新薬開発が進むと思われる。

▼外部リンク
京都大学iPS細胞研究所 ニュースリリース2012年8月2日
http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/
」(全文)
 
 

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◆2012/08/09 「ニュースでQ」
 『朝日新聞』

 「最新ニュースからのクイズです。Q1の( )には再生医療に関する言葉が、Q2の( )には原爆被害に関する言葉が入ります。

 Q1 全身の運動神経が衰える難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の患者の( )から運動神経の細胞をつくり、薬の候補となる化合物を見つけることに京都大チームが成功した。( )は「人工多能性幹細胞」と訳される。京都大の山中伸弥教授が2006年に、世界で初めて作製に成功したと発表した。

 Q2 広島は原爆投下から67年の「原爆の日」を迎えた。松井一実市長は核兵器廃絶の決意を訴え、原爆投下後に放射性物質とともに降った( )の援護地域を拡大するよう政治判断を求めた。市民の暮らしと安全を守るためのエネルギー政策の早期確立を政府に求めたが、「脱原発」には踏み込まなかった。

 【答え】Q1 iPS細胞 Q2 黒い雨
 (東京本社発行の8月3日付朝刊と同6日付夕刊の最終版記事などから作成)」(全文)
 
 
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◆2012/08/10 「東大・徳島大、ALS類似遺伝性難病の原因遺伝子を特定」
 『日刊工業新聞』
 http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1020120810eaai.html

 「東大・徳島大、ALS類似遺伝性難病の原因遺伝子を特定
 東京大学医学部付属病院の辻省次教授と徳島大学の梶龍兒教授らのグループは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)に類似して筋力低下が進行する病気「近位筋優位遺伝性運動感覚ニューロパチー」(HMSN―P)について、発症の原因遺伝子を特定することに成功した。HMSN―P患者を対象とした大規模なゲノム(全遺伝情報)解析を実施。発症のメカニズムも分かった。ALSの病態解明にも結びつく成果として期待される。
 HMSN―Pは運動神経の障害が10―15年の期間でゆっくりと進行する難病。遺伝性で同じ家系に発症者が多い。
 グループはHMSN―P発症者がいる4家系の32人(発症者13人、非発症者19人)を対象にDNAのゲノム解析を行った。東大病院ゲノム医学センターの次世代シーケンサーを使い、発症者に共通した遺伝子変異を絞り込み、最終的に「TFG」と呼ぶ遺伝子を突き止めることができた。」(全文)
 
 
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◆2012/08/10 「運動神経病の原因遺伝子発見=ALS仕組みも解明へ―東大・徳島大」
 『ウォール・ストリート・ジャーナル日本版』
 http://jp.wsj.com/Life-Style/node_492292

 「運動神経病の原因遺伝子発見=ALS仕組みも解明へ―東大・徳島大
  2012年 8月 10日 7:01 JST
 筋力が低下し死に至る「近位筋優位遺伝性運動感覚ニューロパチー」の原因遺伝子を発見したと、辻省次東京大教授と梶龍児徳島大大学院教授らの研究チームが10日、米医学誌に発表した。筋萎縮性側索硬化症(ALS)の一種ともいわれる病気で、ALSの仕組み解明にも役立つという。
 研究チームはこの病気の患者がいる4家系の遺伝子を解析し、発症者19人全員に「TFG遺伝子」の変異があることを発見した。TFG遺伝子は細胞内のたんぱく質「TDP―43」などを運ぶ役割を担っているが、変異により運搬機能が低下。TDP―43が細胞質にたまり、運動神経細胞が死ぬと考えられるという。
 このたんぱく質はALS患者でも同様にたまり、神経細胞死を引き起こしているとみられている。たまる仕組みは分かっていないが、今回の発見が解明の手掛かりになる可能性があるという。
[時事通信社]」(全文)
 
 
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◆2012/08/10 「筋力低下の難病「HMSN−P」原因遺伝子を発見 徳大・東大」
 『徳島新聞』
 http://www.topics.or.jp/localNews/news/2012/08/2012_134456125878.html

 「筋力低下の難病「HMSN−P」原因遺伝子を発見 徳大・東大 2012/8/10 10:14
 全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病「筋委縮性側索硬化症(ALS)」の一種の運動神経細胞病「近位筋優位遺伝性運動感覚ニューロパチー(HMSN−P)」の原因となる遺伝子を、徳島大学と東京大学の研究チームが世界で初めて発見した。HMSN−Pと病態が似ているALSの解明につながる可能性が大きく、治療法の進展が期待できる。研究成果は米医学誌の電子版に9日、掲載された。
 研究チームは、家族にHMSN−Pを発症した人がいる関西などの4家系32人(発症者13人、非発症者19人)の遺伝子を解析した。その結果、発症者13人全てで「TFG」と呼ばれる遺伝子の塩基配列に共通した変異があることを確認。HMSN−Pの原因遺伝子がTFGであることを突き止めた。
 TFG遺伝子は神経細胞内でタンパク質の運搬に関係しているが、TFG遺伝子が変異すると、「TDP43」というタンパク質が細胞内に異常に蓄積され、運動神経の細胞死に深く関わっていることも分かった。TDP43の異常蓄積はALS患者にもみられることから、HMSN−PとALSは共通のメカニズムで運動神経の細胞死が起きていると考えられる。
 東大で記者会見したチームの徳島大大学院ヘルスバイオサイエンス研究部の梶龍兒(りゅうじ)教授、東大病院神経内科の辻省次教授は「ALSをはじめとする病態の解明に寄与する研究結果で、新たな治療法が進むと考えられる」と話した。
 遺伝子の解析は、高速にDNAの配列を解析できる東大病院ゲノム医学センター内の専用機器で行われた。


【写真説明】研究成果を発表する徳島大の梶教授(右から2人目)ら=東大」(全文)
 
 
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◆2012/08/10 「東大と徳島大など、新しい運動ニューロン病の原因遺伝子を発見」
 『日本経済新聞 (プレスリリース) 』
 http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=316614&lindID=5

 「東大と徳島大など、新しい運動ニューロン病の原因遺伝子を発見
 新しい運動ニューロン病の原因遺伝子を発見
 ―筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態解明にもつながる成果―


 近位筋優位遺伝性運動感覚ニューロパチー(Hereditary motor and sensory neuropathy with proximal dominant involvement, HMSN−P)は、日本に多い遺伝性の運動ニューロン病の一つで、成人期に発症し近位筋(体の中心部に近い筋肉)で顕著にみられる筋力低下が主な症状です。進行期には四肢末端の軽度の感覚の障害を伴うことがあるものの、その中核的な病変は運動ニューロン(運動神経細胞)の進行性の変性で、同じく運動ニューロン病の一つで難病とされる筋萎縮性側索硬化症(ALS)(用語解説1)との類似性が指摘されてきましが、長らく原因遺伝子が不明でした。今回、東京大学医学部附属病院 神経内科(教授 辻省次)と徳島大学病院 神経内科(教授 梶龍兒)との共同研究で、次世代シーケンサー(用語解説2)を駆使することにより、HMSN−Pの原因遺伝子がTRK−fused gene(TFG)であることを世界に先駆けて発見しました。また、HMSN−PとALSとの間には共通した運動神経細胞死のメカニズムが存在することも見出され、本研究は運動ニューロン病の病態機序の解明に寄与するものと考えられます。
 これらの成果は、米国人類遺伝学雑誌「American Journal of Human Genetics」8月号に掲載されます。

【発表者】

 東京大学医学部附属病院 神経内科 教授    辻 省次
 同上                助教    石浦 浩之
 同上                特任助教  三井 純
 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部
  臨床神経科学(神経内科)    教授    梶 龍兒


【研究の背景】
 近位筋優位遺伝性運動感覚ニューロパチー(hereditary motor and sensory neuropathy with proximal dominant involvement, HMSN−P)は本邦に多い疾患で、成人期に発症し、進行性に生じる近位筋優位の著明な筋力低下と筋萎縮・筋のぴくつき(線維束性収縮)が主要な症状です。進行期には四肢末端の軽度の感覚の障害が見られることもあるものの、病理学的にも、脊髄運動ニューロンの変性が主な所見として観察され、筋萎縮性側索硬化症(ALS)との病態の類似性が指摘されており、運動ニューロン病の一つと位置づけられる疾患です。これまでに、HMSN−Pに関わる遺伝子が第3染色体長腕(用語解説3)にあることは知られていましたが、原因遺伝子が何であるかは明らかではありませんでした。


【研究の内容】
 東京大学医学部附属病院 神経内科(教授 辻省次)と徳島大学病院 神経内科(教授 梶龍兒)を中心とした研究グループは、HMSN−Pの原因遺伝子の同定に向けた研究を行いました。徳島大学を中心に2家系24名、東京大学を中心に2家系8名のHMSN−P患者の協力を得て、東京大学医学部附属病院ゲノム医学センターにおいて遺伝子解析研究を行いました。具体的には、次世代シーケンサーと呼ばれる高性能のDNA配列解析機器を用いて患者DNAの大規模なゲノム配列解析を行い、1名の患者で201,223個の塩基配列の変化を見出しました。これらの中から、連鎖解析(用語解説4)による疾患遺伝子座の絞り込みや、ゲノム情報解析を駆使した絞り込み作業により、疾患発症に関わる変異として、1つの塩基置換にまで絞り込むことに成功しました。この変異が全家系の発症者に共通して観察されることを見出し、TRK−fused gene(TFG)がその原因遺伝子であることを世界に先駆けて明らかにしました。徳島大学における病態生理の解析(用語解説5)の結果、HMSN−Pにおいては運動神経細胞にTFGタンパクの異常な蓄積が観察され、TFGが病因遺伝子であることを強く支持する結果が得られました。さらに興味深いことに、本疾患の脊髄運動神経細胞において、遺伝性ではない多くのALSに特徴的であり、その病態機序の上で重要と考えられている、TDP−43の細胞質への異常な蓄積が観察されました。培養細胞を用いた実験でも変異TFGを発現する細胞に特異的に、細胞質へのTDP−43の異常蓄積が生じることを観察しました。これまでに、TDP−43の異常な蓄積はALSの運動神経細胞死に深く関わっていることが分かっており、本研究の結果は、HMSN−PとALSにおいて共通の分子メカニズムで運動神経細胞死が起こることを示唆しています。本研究の成果によって、ALSを始めとした運動神経細胞死の病態解明と新規治療法がさらに進むと期待されます。


【用語解説】

・用語解説1:筋萎縮性側索硬化症(ALS)
 運動神経が変性することで、全身の筋肉の萎縮と筋力低下をきたす神経難病。アメリカ大リーグのルー・ゲーリックが同病であったとされる。未だ有効な治療法は確立されていない。

・用語解説2:次世代シーケンサー
 数年前から実用化された、極めて高速に、大規模にDNA配列を解析する機器

・用語解説3:第3染色体長腕
 22対あるヒトの常染色体のうち3番目に大きい染色体の一部

・用語解説4:連鎖解析
 遺伝性の疾患において、家族のDNA情報から疾患遺伝子の位置を効率よく特定する方法

・用語解説5:病態生理の解析
 遺伝子変異が疾患を引き起こす機構を明らかにするための研究


【発表雑誌】
 掲載雑誌:American Journal of Human Genetics(アメリカ人類遺伝学雑誌) 8月号
 論文名:The TRK−fused gene is mutated in hereditary motor and sensory neuropathy with proximal dominant involvement (HMSN−P).
      (近位筋優位遺伝性運動感覚ニューロパチー(HMSN−P)ではTRK−fused geneの変異が認められる)
 著者名:Ishiura H, Sako W, Yoshida M, Kawarai T, Tanabe O, Goto J, Takahashi Y, Date H, Mitsui J,
       Ahsan B, Ichikawa Y, Iwata A, Yoshino H, Izumi Y, Fujita K, Maeda K, Goto S, Koizumi
       H, Morigaki R, Ikemura M, Yamauchi N, Murayama S, Nicholson GA, Ito H, Sobue G,
       Nakagawa M, Kaji R, Tsuji S.


【参照URL】
 American Journal of Human Genetics ホームページhttp://www.cell.com/AJHG/

● 関連リンク
→東京大学 ホームページ →徳島大学 ホームページ →東京大学医学部附属病院 ホームページ 」(全文)

 

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◆2012/08/10 「障害と共に歩んだ半生 御宿の元教諭 著書出版=千葉」
 『読売新聞』

 「34歳で「脊髄腫瘍」という難病にかかり、両足の自由を失った御宿町の元小学校教諭、滝口仲秋さん(75)が、中高生に向けた平易な語り口で、失意の底から他者に感謝できるようになるまでの半生を振り返った著書「あきらめないで行こう」(本の泉社刊)を出版した。(杉野謙太郎)
 千葉市の千葉大付属小学校で教師をしていた滝口さんは、脊髄腫瘍と診断され、30?50歳代で計4回の大きな手術を受けた。入院は24回に上り、最後は両足の感覚を失った。
 4度目の手術を受けた後の1995年、58歳で退職。約半年間、自宅に引きこもった。自宅に人が訪ねてくると、テレビの音量を下げて居留守を使った。かかってきた電話にも応答しなかった。近所の人や友人たちに、自分の変わり果てた姿を見られるのが嫌だったからだ。
 そんな日々を変えるきっかけになったのが、人との出会い。妻に連れられ、手記を出版した勝浦市の男性に会いに行った。全身の運動機能がマヒする難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」で、首から下を動かせなくなった男性は、「まだ手がある。夢を追え」と励ましてくれた。身体障害者の交流会で出会った保育園児の女の子は「踊りましょう」と誘ってくれた。「僕にとっては、まるで天使のように感じた。世の中にまだ自分を受け入れてくれる場があると実感できた」と滝口さんは振り返る。
 昨年暮れ頃から、中高生の自殺やいじめのニュースに接することが増えたと感じた時、中高生に向けて自身の半生をまとめた本を書くことを決意した。障害を得た後、国内外を旅して経験した出会いをつづった。カンボジアで、地雷で身体の一部を失った青年たちと会い、夢を語る姿に勇気づけられたことも記した。
 「いじめなんてない方がいいに決まっているけど、もし生きるのが嫌になっても、僕が経験したように一歩ずつ、立ち直ることにも喜びがある。若い人たちにぜひそのことを知ってほしい」と滝口さんは話している。同書は一部1429円(税別)。県内の主な書店で販売している。
 
 写真=「いま悩んでいても、きっと自分自身を見つけられる」と語る滝口さん」(全文)
 
 

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◆2012/08/10 「筋力低下の原因遺伝子、東大など発見、難病ALS解明に道。」
 『日経産業新聞』

 「運動神経が変化し、肩や腰など体の中心に近い部分の筋力が低下していく遺伝性の病気「近位筋優位遺伝性運動感覚ニューロパチー」の原因遺伝子を見つけたと、東大と徳島大のチームが9日付の米専門誌に発表した。
 この病気は、全身の筋力が低下する難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」と運動神経の細胞が死んでいく仕組みや症状が似ており、東大の辻省次教授は「ALSをはじめとした運動ニューロン病に対する治療薬開発の基礎になる」と話した。
 チームは高速にDNAの配列を解析できる機器を使い、家族に発症した人がいる西日本の4家系32人の血液を分析。うち発症した13人全てで「TFG」という遺伝子に変異が起きていた。
 TFGは細胞内でタンパク質を運ぶことに関わっており、変異して運ぶ機能が低下すると「TDP43」という別のタンパク質が細胞内に異常に蓄積して運動神経の細胞死につながっていた。
 このTDP43はほとんどのALS患者の脊髄でも蓄積することが分かっており、チームは「ALSと共通のメカニズムで運動神経の細胞死が起きている」とみている。
 チームによると、今回、原因遺伝子を見つけた病気は10〜15年で呼吸筋の筋力が低下。感覚神経にも障害が出るなど多くのALSとは異なった症状もあるが、ALSの一種と診断されるケースがあるという。」(全文)
 
 

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◆2012/08/10 「東大と徳島大など、新しい運動ニューロン病の原因遺伝子を発見」
 『日経速報ニュースアーカイブ』

 「新しい運動ニューロン病の原因遺伝子を発見
―筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態解明にもつながる成果―



 近位筋優位遺伝性運動感覚ニューロパチー(Hereditary motor and sensory neuropathy with proximal dominant involvement, HMSN−P)は、日本に多い遺伝性の運動ニューロン病の一つで、成人期に発症し近位筋(体の中心部に近い筋肉)で顕著にみられる筋力低下が主な症状です。進行期には四肢末端の軽度の感覚の障害を伴うことがあるものの、その中核的な病変は運動ニューロン(運動神経細胞)の進行性の変性で、同じく運動ニューロン病の一つで難病とされる筋萎縮性側索硬化症(ALS)(用語解説1)との類似性が指摘されてきましが、長らく原因遺伝子が不明でした。今回、東京大学医学部附属病院 神経内科(教授 辻省次)と徳島大学病院 神経内科(教授 梶龍兒)との共同研究で、次世代シーケンサー(用語解説2)を駆使することにより、HMSN−Pの原因遺伝子がTRK−fused gene(TFG)であることを世界に先駆けて発見しました。また、HMSN−PとALSとの間には共通した運動神経細胞死のメカニズムが存在することも見出され、本研究は運動ニューロン病の病態機序の解明に寄与するものと考えられます。
 これらの成果は、米国人類遺伝学雑誌「American Journal of Human Genetics」8月号に掲載されます。

【発表者】

 東京大学医学部附属病院 神経内科 教授    辻 省次
 同上                      助教    石浦 浩之
 同上                      特任助教 三井 純
 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部
  臨床神経科学(神経内科)       教授    梶 龍兒


【研究の背景】
 近位筋優位遺伝性運動感覚ニューロパチー(hereditary motor and sensory neuropathy with proximal dominant involvement, HMSN−P)は本邦に多い疾患で、成人期に発症し、進行性に生じる近位筋優位の著明な筋力低下と筋萎縮・筋のぴくつき(線維束性収縮)が主要な症状です。進行期には四肢末端の軽度の感覚の障害が見られることもあるものの、病理学的にも、脊髄運動ニューロンの変性が主な所見として観察され、筋萎縮性側索硬化症(ALS)との病態の類似性が指摘されており、運動ニューロン病の一つと位置づけられる疾患です。これまでに、HMSN−Pに関わる遺伝子が第3染色体長腕(用語解説3)にあることは知られていましたが、原因遺伝子が何であるかは明らかではありませんでした。


【研究の内容】
 東京大学医学部附属病院 神経内科(教授 辻省次)と徳島大学病院 神経内科(教授 梶龍兒)を中心とした研究グループは、HMSN−Pの原因遺伝子の同定に向けた研究を行いました。徳島大学を中心に2家系24名、東京大学を中心に2家系8名のHMSN−P患者の協力を得て、東京大学医学部附属病院ゲノム医学センターにおいて遺伝子解析研究を行いました。具体的には、次世代シーケンサーと呼ばれる高性能のDNA配列解析機器を用いて患者DNAの大規模なゲノム配列解析を行い、1名の患者で201,223個の塩基配列の変化を見出しました。これらの中から、連鎖解析(用語解説4)による疾患遺伝子座の絞り込みや、ゲノム情報解析を駆使した絞り込み作業により、疾患発症に関わる変異として、1つの塩基置換にまで絞り込むことに成功しました。この変異が全家系の発症者に共通して観察されることを見出し、TRK−fused gene(TFG)がその原因遺伝子であることを世界に先駆けて明らかにしました。徳島大学における病態生理の解析(用語解説5)の結果、HMSN−Pにおいては運動神経細胞にTFGタンパクの異常な蓄積が観察され、TFGが病因遺伝子であることを強く支持する結果が得られました。さらに興味深いことに、本疾患の脊髄運動神経細胞において、遺伝性ではない多くのALSに特徴的であり、その病態機序の上で重要と考えられている、TDP−43の細胞質への異常な蓄積が観察されました。培養細胞を用いた実験でも変異TFGを発現する細胞に特異的に、細胞質へのTDP−43の異常蓄積が生じることを観察しました。これまでに、TDP−43の異常な蓄積はALSの運動神経細胞死に深く関わっていることが分かっており、本研究の結果は、HMSN−PとALSにおいて共通の分子メカニズムで運動神経細胞死が起こることを示唆しています。本研究の成果によって、ALSを始めとした運動神経細胞死の病態解明と新規治療法がさらに進むと期待されます。


【用語解説】

・用語解説1:筋萎縮性側索硬化症(ALS)
 運動神経が変性することで、全身の筋肉の萎縮と筋力低下をきたす神経難病。アメリカ大リーグのルー・ゲーリックが同病であったとされる。未だ有効な治療法は確立されていない。

・用語解説2:次世代シーケンサー
 数年前から実用化された、極めて高速に、大規模にDNA配列を解析する機器

・用語解説3:第3染色体長腕
 22対あるヒトの常染色体のうち3番目に大きい染色体の一部

・用語解説4:連鎖解析
 遺伝性の疾患において、家族のDNA情報から疾患遺伝子の位置を効率よく特定する方法

・用語解説5:病態生理の解析
 遺伝子変異が疾患を引き起こす機構を明らかにするための研究


【発表雑誌】
 掲載雑誌:American Journal of Human Genetics(アメリカ人類遺伝学雑誌) 8月号
 論文名:The TRK−fused gene is mutated in hereditary motor and sensory neuropathy with proximal dominant involvement (HMSN−P).
      (近位筋優位遺伝性運動感覚ニューロパチー(HMSN−P)ではTRK−fused geneの変異が認められる)
 著者名:Ishiura H, Sako W, Yoshida M, Kawarai T, Tanabe O, Goto J, Takahashi Y, Date H, Mitsui J,
       Ahsan B, Ichikawa Y, Iwata A, Yoshino H, Izumi Y, Fujita K, Maeda K, Goto S, Koizumi
       H, Morigaki R, Ikemura M, Yamauchi N, Murayama S, Nicholson GA, Ito H, Sobue G,
       Nakagawa M, Kaji R, Tsuji S.


【参照URL】
 American Journal of Human Genetics ホームページ http://www.cell.com/AJHG/


関連ホームページ
東京大学 ホームページ(http://www.u-tokyo.ac.jp/
徳島大学 ホームページ(http://www.tokushima-u.ac.jp/
東京大学医学部附属病院 ホームページ(http://www.h.u-tokyo.ac.jp/)」(全文)
 
 
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◆2012/08/12 「難病で亡くなった弟との2年間記す 兄が本出版」
 『神戸新聞』
 http://www.kobe-np.co.jp/news/hanshin/0005288327.shtml

 「難病で亡くなった弟との2年間記す 兄が本出版
 全身の筋肉が動かなくなる難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」で亡くなった双子の弟と過ごした2年間を、兵庫県西宮市の会社員大村宏一さん(54)=西宮市=が著書「命燃え尽きる」として出版した。掛け替えのない存在を失って1年余り。「弟が生きた証しを残し、同じ病に苦しむ人の助けになれば」と話す。(田中真治)

 宏一さんと弟惠次さんは、小学校から大学まで同じ学校に通う仲の良い兄弟だった。社会人となり、お互いに転勤したり家族を持ったりすると、顔を合わせる機会は減ったものの、心を許せる関係に変わりはなかった。

 4年前、惠次さんから「手の指がしびれる」と聞かされた。けんしょう炎との診断だったが、病状は悪化し、箸さえ持てないほど握力は落ちた。約1年後、ALSを疑い再検査。「治ることはない」との宣告を受けた。

 「何かの間違いとしか思えなかった」。診断にうろたえる宏一さんに対し、惠次さんは落ち着いた様子だったという。

 「無理して生きなくていい」から人工呼吸器は付けないと、医師にその場で伝えた。「介護の負担を掛けたくなかったのでしょうが、よう冷静でおれるな、と驚きました」

 通勤が少しでも楽になるようにと、惠次さんが西宮の実家に移ってくると、不自由な手足の代わりとなった。服を着せ、顔や体を洗い、着替えや食事を手伝い、車で送り迎えする。「お互いのことがよく分かるから、弟も頼みやすかったのだと思う。久しぶりに色んな話をして、一緒に過ごせたことがうれしかった」

 病気の進行が止まってほしい。その願いもむなしく、体重は40キロを割り込み、胃に直接栄養を送り込む「胃ろう」に頼るようになった。そして昨年の7月7日、惠次さんは亡くなった。

 生前、発症時から日記を付けていることを打ち明けると、「できれば本にしてほしい」と話していたという。「弟の子どもたちに、最後まで病気と闘った姿を残してあげたかった」と宏一さん。筆名は、惠次さんの名前に自分の一字を加えて、「恵宏次」とした。

 愛する人を失った遺族として「ALSについて理解が広がるきっかけになれば」と願っている。

 幻冬舎ルネッサンス刊。四六判192ページ。1365円。

(2012/08/12 09:15)


【写真説明】2人で最後に撮った写真を見つめ、「弟も本を喜んでくれていると思う」と話す大村さん=西宮市内」(全文)

 

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◆2012/08/12 「筋萎縮性の難病 原因遺伝子特定 東大などのチーム」
 『読売新聞』

 「全身の筋肉が徐々に動かなくなる筋萎縮性側索硬化症(ALS)の一種とされる難病「近位型遺伝性運動感覚ニューロパチー」の原因遺伝子を、東京大と徳島大などの研究チームが発見した。ALS治療薬の開発などへの応用も期待される成果。米遺伝学誌に掲載された。
 東大の辻省次教授と徳島大の梶龍兒(りゅうじ)教授らは、この病気の患者らのゲノム(全遺伝情報)を調査。その結果、13人の患者は全員、「TFG」と呼ばれる遺伝子が変異していることが判明した。TFGを人の細胞で人工的に変異させる実験では、細胞内に特定のたんぱく質が異常にたまっていることもわかった。
 TFGは、細胞内で、こうしたたんぱく質が分解される部分へ運ぶ役割を担っている。研究チームは、TFGの変異で運搬機能が低下した結果、たんぱく質の異常な蓄積が起き、筋肉を動かす細胞が働かなくなると見ている。たんぱく質の蓄積はALS患者でも確認されている。」(全文)
 
 
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◆2012/08/13 「難病ALS制御のタンパク質発見 岐阜薬科大などのグループ」
 『北海道新聞』
 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/topic/395912.html

 「難病ALS制御のタンパク質発見 岐阜薬科大などのグループ(08/13 00:12)

  全身の筋力が低下する神経難病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の進行を制御する新たなタンパク質を岐阜薬科大(岐阜市)の原英彰教授(薬効解析学)らの研究グループが特定し、13日、英科学誌電子版に発表した。

 原教授によると、ALSの発症メカニズムの解明や新薬開発の手掛かりになるほか、早期診断が期待できるという。

 グループは、ALSの要因に「膜貫通糖タンパク質nmb」(GPNMB)と呼ばれる遺伝子が関わっていることを発見。

 ALSの約1割を占める遺伝性ALSの原因の一つの変異型遺伝子を組み込んだマウスにGPNMBを過剰に増やした場合、発症時期が遅れ、生存期間が延びた。」(全文)
 
 
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◆2012/08/13 「iPS細胞 応用研究の加速期待する」
 『MSN産経ニュース』
 http://sankei.jp.msn.com/science/news/120813/scn12081303100000-n1.htm

 「iPS細胞 応用研究の加速期待する
2012.8.13 03:10 (1/2ページ)[主張]

 京都大学の山中伸弥教授が開発した人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療薬となりうる候補物質を見つけたと、山中教授が所長をつとめる京大iPS細胞研究所や筑波大、群馬大などの研究チームが発表した。

 iPS細胞から新薬の手がかりをつかんだ初めての成果だ。特に、有効な治療法のない難病で、治療薬開発や病態解明の突破口を開く可能性を実証した意義は大きい。「早く患者の役に立てたい」との山中教授の願いが実現するよう、応用研究の一層の加速を期待したい。

 iPS細胞は筋肉や血液、神経などあらゆる細胞に分化する能力を持つ万能細胞の一つで、皮膚などの体細胞に特定の遺伝子を導入して作られる。その応用研究には、大きく分けて「再生医療の実現」と「病態解明・創薬」という2つの道筋がある。

 一般的には再生医療実現の「切り札」として注目されたが、山中教授は「創薬の方が早く進むのではないか」と語っていた。今回の成果は、その第一歩といえる。

 病態解明・創薬への応用では、患者のiPS細胞をもとに、病変組織の細胞を大量に作り、治療薬候補となるさまざまな物質との作用や病態を詳しく調べる。ALSやアルツハイマー病などの脳や神経系の難病は、患者の病変組織を培養するのが極めて困難で、高度なヒトの脳や神経を調べるには、動物実験では限界があった。

iPS細胞は、これまで不可能だった「生きた細胞」による実験を可能にした。創薬の効率と精度の飛躍的な向上が期待できるだけでなく、研究することさえも難しかった極めてまれな病気にも治療への道が開かれる。

 一方の再生医療は、病気や事故で機能を失った臓器や組織を幹細胞などを使って復元させることを目指す。iPS細胞は、壊れた臓器や組織を「修理・補強」する現在の医療から、「生まれ変わらせる」医療への大転換をもたらす可能性もある。

 京大はiPS細胞の実用化研究が進展するよう、基盤技術の特許を世界に開放している。難病の研究には、多くの研究者や医療機関、患者の協力が欠かせない。国内外にネットワークを広げるには、国民の理解と国の支援とが必要となるだろう。」(全文)
 
 
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◆2012/08/13 「難病のALS、タンパク質が制御 岐阜薬科大などが発見」
 『岐阜新聞』
 http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20120813/201208131059_17779.shtml

 「難病のALS、タンパク質が制御 岐阜薬科大などが発見
2012年08月13日10:59

◆新薬開発や早期診断に期待

 岐阜薬科大学薬効解析学研究室の原英彰教授らの研究グループは、タンパク質の一種「膜貫通糖タンパク質nmb(GPNMB)」が、筋肉の萎縮で全身の運動まひを起こす難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の進行を遅らせる効果があることを突き止めた。岐阜、名古屋大学など6大学を含む八つの研究グループの共同研究として、13日付の英国科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」の電子版で発表する。

 GPNMBがどのようにALSの症状に作用するかは解明されていないが、作用のメカニズムの研究が進めば、GPNMBを使った新薬の開発なども期待される。

 研究グループによると、人工的に発症させたALSのマウスと正常なマウスを比較したところ、ALSのマウスのGPNMB量が増加していることを発見。GPNMBがALSの症状にどのような作用をしているのか調べるため、GPNMBをALSのマウスに過剰に発現させると、何もしないALSのマウスに比べ、1〜2週間の延命効果があった。人に換算すると、10カ月程度の延命効果という。

 ALS患者の脊髄などからもGPNMB量が増加していることが分かり、GPNMBとALSの関連性が初めて確認された。

 原教授は「これまでALSの診断は1年程度かかっていたが、患者のGPNMBが増加することを応用すれば早期診断にもつながる」と説明。

 研究の中心的な役割を果たした同研究室の大学院生田中彦孝さんは「今回の発見がALS治療に少しでも役立てばうれしい」と話していた。

【筋萎縮性側索硬化症】運動神経細胞が選択的に障害を受けることで、思考能力が保たれたまま全身の筋肉が動かなくなる神経難病。年間で10万人に1〜2人が発症するとされている。ALS患者の約1割を占める遺伝性ALSは、SOD1遺伝子の変異が原因の一つとされているが、明確な病因は解明されておらず、有効な治療法も見つかっていない。


【写真説明】研究の成果を発表する岐阜薬科大学薬効解析学研究室の原英彰教授(右)と大学院生田中彦孝さん=岐阜市役所」(全文)
 
 
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◆2012/08/13 「ALS抑制するタンパク質発見 岐阜薬科大グループ」
 『47NEWS』
 http://www.47news.jp/news/2012/08/post_20120813110022.html

 「ALS抑制するタンパク質発見 岐阜薬科大グループ
2012年08月13日10:59

全身の筋肉が動かなくなる難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の1割を占める遺伝性患者で、病状進行を遅らせる効果があるタンパク質を発見したと、岐阜薬科大の原英彰教授(神経科学)らの研究グループが発表した。13日付の英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」電子版に掲載された。原教授らが着目したのは、全身の細胞核にある「膜貫通糖タンパク質nmb」(GPNMB)。受精卵を遺伝子操作して、GPNM…」
 
 
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◆2012/08/13 「難病ALS、新薬の期待 進行抑えるたんぱく質特定」
 『朝日新聞』
 http://www.asahi.com/health/news/NGY201208120029.html

 「難病ALS、新薬の期待 進行抑えるたんぱく質特定

   全身の運動神経が徐々に衰える難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の患者の体内で増加し、進行を遅らせる働きがあるたんぱく質を、岐阜薬科大などの研究チームが特定した。新薬の開発や病気の早期発見につながることが期待される。13日付の英科学誌サイエンティフィック・リポーツ(電子版)で発表した。

 このたんぱく質は「膜貫通糖たんぱく質nmb」(GPNMB)。岐阜薬科大薬効解析学研究室の原英彰教授らの研究チームが、ALSの原因遺伝子の一つとされる酵素SOD1の変異型遺伝子を過剰に発現させたマウスを調べたところ、GPNMBが通常より多くなっていた。

 さらに、このマウスにGPNMBを過剰に発現させたところ、通常のマウスよりも病気の発症時期が遅くなり、生存期間も長くなることが判明。GPNMBを細胞に加えると運動神経細胞への障害が改善されるほか、ALS患者の血清や脳脊髄(せきずい)液などでGPNMBの発現量が増えることもわかった。」(全文)
 
 
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◆2012/08/13 「難病ALSの進行抑えるたんぱく質発見…岐阜薬科大」
 『読売新聞』
 http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20120813-OYT8T01045.htm

 「難病ALSの進行抑えるたんぱく質発見…岐阜薬科大

   岐阜薬科大などの研究グループは、全身の筋肉が徐々に萎縮する難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の進行を抑えるたんぱく質を発見したと発表した。

 新しい治療薬の開発につながる成果としている。研究成果は英科学誌「ネイチャー」の姉妹誌「サイエンティフィック・リポーツ」の13日付電子版に掲載される。

 グループは、ALSを発症させたマウスを使った実験で、「膜貫通糖たんぱく質(GPNMB)」と呼ばれる遺伝子を働かせると、ALSの進行を抑制できることを突き止めた。GPNMBを働かせたマウスは、働かせないマウスよりも発症時期が遅く、生存期間が10日ほど長くなった。さらに、運動神経細胞にGPNMBを加えたところ、障害が改善されたとしている。

 また、遺伝性でないALS患者の脊髄の組織などに、GPNMBが多く含まれていることも確認。同大の原英彰教授(薬効解析学)は「ALSは早期に発症を把握することが難しく、治療が遅れる例も多い。GPNMBの研究が進めば、早期の診断が可能になる」と指摘。今後、発症のメカニズムの解明とともに、早い時期に患者に治療の手を差し伸べることもできると期待している。

(2012年8月13日 読売新聞)」(全文)
 
 
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◆2012/08/13 「難病のALS、タンパク質が制御 岐阜薬科大などが発見」
 『47NEWS』
 http://www.47news.jp/news/2012/08/post_20120813181310.html

 「難病のALS、タンパク質が制御 岐阜薬科大などが発見

  ◆新薬開発や早期診断に期待  岐阜薬科大学薬効解析学研究室の原英彰教授らの研究グループは、タンパク質の一種「膜貫通糖タンパク質nmb(GPNMB)」が、筋肉の萎縮で全身の運動まひを起こす難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の進行を遅らせる効果があることを突き止めた。岐阜、名古屋大学など6大学を含む八つの研究グループの共同研究として、13日付の英国科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」の電子版で…


【写真説明】研究の成果を発表する岐阜薬科大学薬効解析学研究室の原英彰教授(右)と大学院生田中彦孝さん=岐阜市役所」(全文)
 
 
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◆2012/08/13 「難病:ALS進行抑制の遺伝子特定 岐阜薬科大など」
 『毎日新聞』
 http://mainichi.jp/select/news/20120814k0000m040109000c.html

 「難病:ALS進行抑制の遺伝子特定 岐阜薬科大など
  毎日新聞 2012年08月13日 23時33分

  岐阜薬科大を中心とする6大学と大学病院などでつくる研究グループは、「筋萎縮性側索硬化症」(ALS)の進行を遅らせる遺伝子「膜貫通糖たんぱく質nmb」(GPNMB)を突き止めたと発表した。岐阜薬科大の原英彰教授は「ALSの進行を遅らせる治療薬開発の手掛かりになる」と話している。

 ALSは、筋肉が萎縮して動かなくなる国指定の難病。進行が速く、発症後3?5年で呼吸筋のマヒで死亡することもある。人工呼吸などによる延命は可能だが、有効な治療法は確立されていない。約1割が遺伝性という。

 研究グループは、ALSを引き起こす遺伝子を組み込んだマウス十数匹に、遺伝子組み換え技術でGPNMBを多く組み込んだ。組み込んでいないマウスと比べて最大約10日長生きしたことから、進行を遅らせる効果が分かったという。

 研究成果は13日付の英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」電子版に掲載された。【立松勝】」(全文)
 
 

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◆2012/08/13 「ALSを抑制、たんぱく質特定 岐阜薬科大など、新薬開発に期待」
 『朝日新聞』

 「全身の運動神経が徐々に衰える難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の患者の体内で増加し、進行を遅らせる働きがあるたんぱく質を、岐阜薬科大などの研究チームが特定した。新薬の開発や病気の早期発見につながることが期待される。13日付の英科学誌サイエンティフィック・リポーツ(電子版)で発表した。
 このたんぱく質は「膜貫通糖たんぱく質nmb」(GPNMB)。岐阜薬科大薬効解析学研究室の原英彰教授らの研究チームが、ALSの原因遺伝子の一つとされる酵素SOD1の変異型遺伝子を過剰に発現させたマウスを調べたところ、GPNMBが通常より多くなっていた。
 さらに、このマウスにGPNMBを過剰に発現させたところ、通常のマウスよりも病気の発症時期が遅くなり、生存期間も長くなることが判明。GPNMBを細胞に加えると運動神経細胞への障害が改善されるほか、ALS患者の血清や脳脊髄(せきずい)液などでGPNMBの発現量が増えることもわかった。
 このため研究チームは、GPNMBがALSの発症や病態に深く関わり、運動神経細胞の障害を防ぐ役割があると結論づけた。
 長年ALSを研究する宮崎大の西頭英起教授(生化学)は「早い段階で診断できれば発症前に治療を始められる可能性もあり、非常に効果がある」と話している。
 (田嶋慶彦)」(全文)
 
 

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◆2012/08/13 「ALSの進行抑制、たんぱく質特定 岐阜薬科大など 【名古屋】」
 『朝日新聞』

 「全身の運動神経が徐々に衰える難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の患者の体内で増加し、進行を遅らせる働きがあるたんぱく質を、岐阜薬科大などの研究チームが特定した。新薬の開発や病気の早期発見につながることが期待される。13日付の英科学誌サイエンティフィック・リポーツ(電子版)で発表した。
 このたんぱく質は「膜貫通糖たんぱく質nmb」(GPNMB)。岐阜薬科大薬効解析学研究室の原英彰教授らの研究チームが、ALSの原因遺伝子の一つとされる酵素SOD1の変異型遺伝子を過剰に発現させたマウスを調べたところ、GPNMBが通常より多くなっていた。
 さらに、このマウスにGPNMBを過剰に発現させたところ、通常のマウスよりも病気の発症時期が遅くなり、生存期間も長くなることが判明。GPNMBを細胞に加えると運動神経細胞への障害が改善されるほか、ALS患者の血清や脳脊髄(せきずい)液などでGPNMBの発現量が増えることもわかった。
 このため研究チームは、GPNMBがALSの発症や病態に深く関わり、運動神経細胞の障害を防ぐ役割があると結論づけた。
 ALSには1年間で10万人に1〜2人が新たにかかり、現在国内の患者数は約8500人にのぼるとされている。
 ALSの診断は発症後、他の病気の可能性も検討しながら判断されてきた。研究チームは、ALS患者の体内でGPNMBの増加が確認できれば症状が本格的に発症する前の診断や早期の治療につながるとみて、新たな治療薬の開発などを進める。
 長年ALSを研究する宮崎大の西頭英起教授(生化学)は「ALSの問題は、運動神経細胞が死んでいくこと。早い段階で診断できれば発症前に治療を始められる可能性もあり、非常に効果がある」と話している。(田嶋慶彦)」(全文)

 

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◆2012/08/13 「筋肉が徐々に萎縮 難病ALS 進行抑制たんぱく質発見 岐阜薬科大など=岐阜」
 『読売新聞』

 「岐阜薬科大などの研究グループは、全身の筋肉が徐々に萎縮する難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の進行を抑えるたんぱく質を発見したと発表した。新しい治療薬の開発につながる成果としている。研究成果は英科学誌「ネイチャー」の姉妹誌「サイエンティフィック・リポーツ」の13日付電子版に掲載される。
 グループは、ALSを発症させたマウスを使った実験で、「膜貫通糖たんぱく質(GPNMB)」と呼ばれる遺伝子を働かせると、ALSの進行を抑制できることを突き止めた。GPNMBを働かせたマウスは、働かせないマウスよりも発症時期が遅く、生存期間が10日ほど長くなった。さらに、運動神経細胞にGPNMBを加えたところ、障害が改善されたとしている。
 また、遺伝性でないALS患者の脊髄の組織などに、GPNMBが多く含まれていることも確認。同大の原英彰教授(薬効解析学)は「ALSは早期に発症を把握することが難しく、治療が遅れる例も多い。GPNMBの研究が進めば、早期の診断が可能になる」と指摘。今後、発症のメカニズムの解明とともに、早い時期に患者に治療の手を差し伸べることもできると期待している。
 
 〈筋萎縮性側索硬化症=ALS〉
 運動神経が徐々に機能を失い、次第に全身の筋肉が動かなくなる難病。国内には約8500人の患者がいるとされるが、詳しい原因は不明で、有効な治療法も見つかっていない。」(全文)
 
 

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◆2012/08/13 「岐阜薬科大など、ALS進行抑える物質。」
 『日経産業新聞』

 「全身の筋力が低下する神経難病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の進行を制御する新たなたんぱく質を岐阜薬科大(岐阜市)の原英彰教授(薬効解析学)らの研究グループが特定し、13日、英科学誌電子版に発表した。
 原教授によると、ALSの発症メカニズムの解明や新薬開発の手掛かりになるほか、早期診断が期待できるという。
 研究グループは、マウスを用いた実験や患者の血清などの調査から、ALSの要因に「膜貫通糖たんぱく質nmb」(GPNMB)と呼ばれる遺伝子が大きく関わっていることを発見した。
 ALSの約1割を占める遺伝性ALSの原因の一つ「スーパーオキシドディスムターゼ1(SOD1)」の変異型遺伝子を組み込んだマウスにGPNMBを過剰に増やした場合、増やしていないマウスに比べて発症時期が遅れ、生存期間が延びた。
 また運動神経細胞に変異SOD1を増やすと、細胞中のGPNMBの量が減少し、細胞死が引き起こされる一方、運動神経細胞に、GPNMBを加えると、細胞の障害が改善され、ALSの進行を遅らせることを突き止めた。」(全文)
 
 

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◆2012/08/13 「ALS原因遺伝子発見、東大・徳島大、新薬開発に道。」
 『日経産業新聞』

 「東京大学の辻省次教授と徳島大学などのチームは、全身の筋力が低下するALS(筋萎縮性側索硬化症)の原因の一つとなる遺伝子を見つけた。ALSなど運動神経が破壊されることで起こる様々な病状の進行を遅らせる新薬の開発につながるという。
 DNA(デオキシリボ核酸)の配列を高速で読み取る次世代シーケンサー装置を使った。ALSの一種で遺伝性の難病、近位筋優位遺伝性運動感覚ニューロパチーを発症した家族がいる32人の血液を分析。発症した13人すべてで「TFG」という遺伝子に変異が起きていた。
 TFGは細胞内でたんぱく質を運ぶ役目を果たす。この遺伝子の働きが悪くなると、ALSを引き起こす別のたんぱく質が増えて脊髄などの神経細胞の中にある核に蓄積。運動神経の細胞を死なせて症状を悪化させることもわかった。ALSと同じ仕組みだという。
 研究チームは、神経細胞を殺すたんぱく質が細胞内へ入るのを防ぐ薬をつくれば、ALSの症状が悪化するのを遅らせられる可能性があるとみている。」(全文)
 
 
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◆2012/08/15 「闘病しながら創作続ける 河辺友代さんが個展 19日まで、千葉市花の美術館」
 『千葉日報』
 http://www.chibanippo.co.jp/c/news/local/96379

 「闘病しながら創作続ける 河辺友代さんが個展 19日まで、千葉市花の美術館
2012年08月15日 11:29

 原因不明の病気と闘いながら、絵画の創作活動に取り組む千葉市花見川区の河辺友代さん(53)の個展「楽描(らくがき)展『どぅちゅいむぬいー』」が、千葉市花の美術館(千葉市美浜区)で開かれている。初日の14日には、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の舩後靖彦さん(54)=松戸市=が会場を訪れ、河辺さんと交流を図った。

 河辺さんに「線維筋痛症」の症状が出始めたのは10年ほど前。全身が激しい痛みに襲われ、自宅にこもることが多かった。絵を描くことは大きな負担にならないため夢中になり、これまでにも病気のことを知ってもらいたいと市内や古里の沖縄県で個展を開いてきた。

 今回の個展の名称となっている「どぅちゅいむぬいー」は、沖縄の言葉で「独り言」という意味。河辺さんが描く季節の花や風景の絵画には、日常生活で感じた何気ない一言が添えられている。会場には、はがき絵や風景画など約80点が展示されている。


【写真説明】舩後さん(左)に作品の説明をする河辺さん=14日、千葉市美浜区の千葉市花の美術館」(全文)
 
 
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◆2012/08/15 「ALS制御タンパク質発見 岐阜薬科大などのグループ」
 『USFL.COM』

 「更新2012年08月15日 11:13米国東部時間
ALS制御タンパク質発見 岐阜薬科大などのグループ

 【共同】全身の筋力が低下する神経難病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の進行を制御する新たなタンパク質を岐阜薬科大(岐阜市)の原英彰教授(薬効解析学)らの研究グループが特定し、13日、英科学誌電子版に発表した。

 原教授によると、ALSの発症メカニズムの解明や新薬開発の手掛かりになるほか、早期診断が期待できるという。

 研究グループは、マウスを用いた実験や患者の血清や脊髄の調査から、ALSの要因に「膜貫通糖タンパク質nmb」(GPNMB)と呼ばれる遺伝子が大きく関わっていることを発見した。」(全文)
 
 

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◆2012/08/19 「患者少ない病気「治療薬開発を」 遠位型ミオパチー患者、国に訴え /滋賀県」
 『朝日新聞』

 「手や足の先から徐々に筋力が失われる病気「遠位型ミオパチー」の患者たちが国に対し、治療薬の開発を求めて活動している。国内の患者はわずか800人ほどで、製薬会社は採算の取れない新薬開発に及び腰。現状打破のため、開発の支援制度の創設を目指しており、これを後押しする国への意見書を7月、滋賀県議会が全国に先駆けて採択した。

 県庁2階の議員室で7月4日、遠位型ミオパチー患者会の代表を務める辻美喜男さん(51)=彦根市=は約20人の議員を前に訴えた。「患者の特に少ない希少疾病用医薬品の開発を支援する法整備をして、創薬につなげてほしい」
 遠位型ミオパチーは、20〜30歳代で発症する場合が多く、全身の筋肉が次第に弱まることで、杖から車いす、そして寝たきりになり、食事やトイレなど生活全般に介助が必要になる。
 患者会は2008年に設立。原因不明だったこの病気の治療薬の開発を目指し、研究費増額や研究推進のほか、難病や特定疾患への指定を求め、街頭署名や国への要請活動を始めた。
 その後の研究で、原因が細胞の表面にあるシアル酸という糖の一種を取り込めないため、細胞がつぶれ、筋力が弱くなると判明。シアル酸の補充で進行を抑えられることも分かり、第一段階の治験で薬の安全性は確認されたが、治療薬の開発には新たに10億〜20億円の研究費がかかるという。
 患者会は、患者が特に少なく、市場規模が小さいため、新薬開発が進まない希少疾病の状況を改善しようと、開発経費を助成する法整備を国に求めている。全国の地方議会に対し、意見書の採択も求めていく。
 辻さんは「自分たちの治療薬ができればいいというのではない。ほかの希少疾病も、同じ道をたどれば治療薬ができるという道筋を作りたい」と話す。

 ●「恐怖抱えながら生活」患者会の代表、辻美喜男さん
 「一つ、またひとつ物事ができなくなる恐怖感を抱えながら生活している」。遠位型ミオパチー患者会の代表で彦根市の会社員、辻美喜男さん(51)は、治療薬の開発への道が開けない現状に焦りを感じている。
 体に異変を感じたのは大学生だった20歳のころ。印刷会社の商品を届けるアルバイトで、2〜3個持っても平気だった荷物が1個でもよろけ、少しの段差でつまずくようになった。
 最初は同じような症状が出る筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断された。納得できず、鍼(はり)や柿の葉エキスなど効果があると聞いたものを次々と試したが、症状は進行した。将来に備え、大学を辞めてプログラミングを学び、就職した。
 20代後半から車いす生活に。30代半ばになると電動車いすが必要になった。筆圧も弱まり、今はパソコン画面のキーボードに親指で触れるのがやっとだ。生活全般に妻のまゆみさん(52)の介助が欠かせない。
 「その時々にできることを大事にして過ごしてきたから、悲観的に考えた時期はあまりなかった」。ただ、今年成人式を迎えた長女が生まれた時、しっかり抱きしめられなかった時はやるせなかったという。
 インターネットで患者同士の集まりを知った。患者会の設立から半年後の2008年10月、周囲に推されて2代目の代表に就いた。活動には患者仲間の将来がかかる。「治療法は今、基礎研究と臨床試験の間の『死の谷』に落ち込んでいる。何とかはい上がらせたい」(千種辰弥)

 【写真説明】
署名活動する辻美喜男さん(左から2人目)=7月15日、大阪府高槻市のJR高槻駅前」(全文)
 
 
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◆2012/08/21 「KBS「ギャグコンサート」メンバー、ルー・ゲーリッグ病患者に寄付」
 『朝日新聞』
 http://www.asahi.com/showbiz/korea/AUT201208210089.html

 「KBS「ギャグコンサート」メンバー、ルー・ゲーリッグ病患者に寄付
 韓国KBSの人気バラエティ番組「ギャグコンサート」の「勇敢な人たち」メンバー(パク・ソングァン、ヤン・ソンイル、シン・ボラ)が、ルー・ゲーリッグ病(筋萎縮性側索硬化症)患者のために立ち上がった。

 20日、所属事務所によると「勇敢な人たち」は同日午前、漢陽大学医療院を訪ね、ルー・ゲーリック病クリニック発展のために500万ウォン(約36万円)を寄付したという。

 事務所側は「この基金は、ルー・ゲーリッグ病患者らを治療するための研究や学術研究に使ってもらいたい」と伝えた。

  「勇敢な人たち」は、自身らが出演するコーナーが存在する限り、寄付活動を続けていく考えだという。

 なお、9月には大学生のために登録金を援助する寄付コンサートを行う計画だ。


【写真説明】KBS「ギャグコンサート」メンバー、ルー・ゲーリッグ病患者に寄付」(全文)
 
 

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◆2012/08/22 「東大、ALSを引き起こす変異型SOD1タンパク質に共通する構造変化を解明」
 『日経速報ニュースアーカイブ』

 「筋萎縮性側索硬化症を引き起こす変異型SOD1タンパク質に共通の構造変化を解明


【発表のポイント】
○どのような成果を出したのか:筋萎縮性側索硬化症(ALS)を引き起こす100種類を超える様々なタイプの変異型SOD1タンパク質が毒性を発揮する共通の機構を明らかにしました。

○新規性:ALSを引き起こす様々なタイプの変異型SOD1タンパク質が共通の構造変化を引き起こしていることを明らかにし、また、ALSを引き起こすタイプの変異型SOD1を見分ける抗体を作製することに成功しました。

○社会的意義/将来の展望:本研究成果により、様々なタイプのSOD1遺伝子変異によるALSに適用可能な診断薬ならびに治療薬の開発が期待されます。


【発表概要】
 筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis;ALS)は、運動神経が特異的に障害される極めて重篤な神経変性疾患です。ALSの原因はいまだに不明ですが、約1割の患者は遺伝子異常で発症します。特にCu,Zn superoxide dismutase (SOD1)(注1)という酵素をコードする遺伝子の様々な変異(100種類以上)が知られています。しかし、様々な変異型SOD1がALSを引き起こす共通の機構については全く分かっていませんでした。今回、東京大学大学院薬学系研究科の一條秀憲教授と藤澤貴央特任助教らの研究グループは、東京大学医学部附属病院神経内科(辻省次教授)との共同研究で、ALSを引き起こす変異型SOD1が、共通した立体的な構造を取ることにより神経毒性を引き起こすことを世界で初めて発見しました。また、この構造にのみ反応する抗体の開発に成功しました。本研究成果は、遺伝性ALSの新しい診断に寄与すると同時に、様々なタイプのSOD1遺伝子変異によるALSに適用できる、新しい治療薬の開発に繋がることが期待されます。
 本研究成果は、2012年8月21日に、米国の科学雑誌「Annals of Neurology」のオンライン版に公開されます。なお、本研究は、文部科学省脳科学研究戦略推進プログラムの一環として、また科学研究費補助金ならびに先駆的医薬品・医療機器研究発掘支援事業などの助成を受けて行われました。


(注)SOD1(Cu/Zn superoxide dismutase):細胞内で発生する有害な活性酸素であるスーパーオキシドを解毒する反応系を触媒する酵素です。1993年にALSの原因遺伝子であることが報告され、現在までに100種類以上の遺伝子変異が報告されています。


 大学院薬学系研究科ウェブサイト News
http://www.f.u-tokyo.ac.jp/news/


   ※会見の資料は添付の関連資料を参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。
会見の資料
http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0317671_01.pdf」(全文)
 
 

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◆2012/08/25 「(「尊厳死法案」を考える:下)残酷な生き方はさせたくない 命断念へ圧力 【大阪】」
 『朝日新聞』

 「国会への提出が検討されている尊厳死法案は、回復の見込みがない死期間近な人が、延命措置を拒否できるとする内容だ。命と向き合い続ける患者や家族たちの目に法案はどう映るのか。

 ◆残酷な生き方はさせたくない 寝たきりの妻介護、松尾幸郎さん(76)
 富山市の松尾幸郎さん(76)は6月、スイスであった「尊厳死連合世界大会」に出席し、日本での尊厳死の法制化を訴えた。妻の巻子さん(69)は6年前の交通事故で寝たきりの状態。まばたきの動きだけで意思を伝える妻の将来を案じ、「まずは活発な議論が必要だ」と話す。
 巻子さんは、少年(当時19)の居眠り運転による衝突事故にあい、顔の神経の一部以外の自由がきかなくなった。人工呼吸器をつけ、胃の中に外から管を入れて栄養を補う胃ろうを受けている。
 幸郎さんとは会話補助装置を通じて言葉を交わす。視線の先の一文字一文字をまばたきの回数で確認しながら言葉を紡いでいく。
 幸郎さんが「巻子の言霊(ことだま)」としてその言葉を記録したノートは現在3冊目。初めて死を望む言葉が伝えられたのは2009年4月だ。翌日には「あなたのねんれい(年齢)でまいにち(毎日)よゆう(余裕)がありますか」。幸郎さんの負担を苦痛に思う心情が綴(つづ)られた。
 幸郎さんは「私が生きている限り、巻子を守る」と考えるが、昨年1月に膵臓(すいぞう)の手術をし、自分が先に死んだあとを思うようになった。
 「誰かが巻子に『ダディが死んだ』と伝える。そのとき巻子は悲しむと思う。死を願うと思う。でも自分で呼吸器をはずすこともできない」。そう一息に言い、続ける。「こんなに残酷な生き方はないでしょう。そこまでして生きなきゃいけないのか」
 アメリカでの生活が長かった幸郎さんは、死が迫ったらどんな治療内容を望むかを記した書類「リビングウィル」を50代で作成している。「『最後の生き方』について、自己決定権が保証されるべきだ。まずは、多くの人に尊厳死について考えてほしい」と語る。 (金沢ひかり)

 ◆家族の負担放置、命断念へ圧力 ALS患者の土居賢真さん(40)
 「私たちに『生』の断念を迫るのですか」。全身の筋肉が萎縮する難病「筋萎縮性側索硬化症」(ALS)患者の土居賢真(けんしん)さん(40)=東京都=は法案に否定的だ。
 ALSは進行すると自分で十分な呼吸ができなくなるが、人工呼吸器を着ければ何十年と生きられる人もいる。
 ただ、呼吸器を装着すると、たんが詰まらないか24時間見守りが必要になり、家族の負荷は増す。中には、自分の命と、家族の介護負担をてんびんにかける人がいる。日本ALS協会の川口有美子理事によると、装着する人は3〜4割にとどまる。
 法律ができたら、尊厳死が奨励される雰囲気が生まれないか。家族負担の軽減が不十分なままでは、その空気が「圧力」へと姿を変え、装着せず亡くなる人が増えるのでは――。土居さんは危惧する。
 特に地方の患者ほど影響を受けやすいと感じる。
 呼吸器をつけ自宅療養するALS患者は、障害者自立支援法による訪問介護を公費負担で受けられる。
 ところが、昨年8月まで住んでいた茨城県内の市はもともと介護事業所の数が少ない上、「たんの吸引に対応できない」と、軒並み断られた。
 65歳の母だけに頼るわけにいかない。患者を支援する知人の助言があり、都内に引っ越し、生き延びられた。今は夜間も含めヘルパー派遣が受けられる。「引っ越す余裕がなければ、死ぬしかない現実があるのです」
 取材を受けるにあたり、土居さんがまとめた文書の「終わりに」には、こうあった。
 「高校時代の教師が言ったことを覚えています。『弱者を簡単に見捨てる社会は、存在価値がない』。いま一度、ゼロベースでの冷静な検討を求めたいと思います」(久永隆一)

 【写真説明】
病室で会話補助装置を使って巻子さんと会話する松尾さん=富山市、松尾さん提供
のどに着けた人工呼吸器のチューブから空気が送り込まれる。母順子さん(右)とは透明の文字盤で会話する=東京都内」(全文)

 

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◆2012/08/27 「[生命のあした](3)難病でも働きたい 欠かせぬ職場の配慮(連載)」
 『読売新聞』

 「◇医療ルネサンス20年 
 1日に何度も激しい下痢を繰り返し、栄養がとれず、体に力が入らない??。
 熊本市の中山泰男さん(48)が体調の異変に気づいたのは、競輪選手を目指していた高校2年生の時だった。やがて、原因不明で腸に炎症が起きる難病の「クローン病」と診断された。10代、20代で発症することが多い病気だ。
 「病気が知られたら、就職できないのではないか」。周囲に打ち明けられず、腹痛を我慢して働いた。
 体調を崩しては退職する繰り返し。事務員、水泳コーチ、美容師見習い、何でも屋、大工、スーパー社員。経験した職業は20以上。30歳の時ようやく、病気に理解のある老人ホームの事務職に居場所を見つけた。
 クローン病などの腸の難病は近年、炎症を抑える新薬「生物製剤」のおかげで、病状はかなり制御できるようになったが、激しい痛みは突然再発することもある。厚生労働省の調査では、仕事をしたいと希望する人の2割が職に就くことができていない。「働いていた人も半数が病気のせいで職を失ったり、転職したりしているのが実情だ」と、中山さんは訴える。
 人間の全遺伝情報(ゲノム)が解読されるなど、21世紀に入って、生命科学は大きく発展、病気の原因も次々に明らかになった。iPS細胞(新型万能細胞)の生みの親、山中伸弥・京都大教授は今月、全身の筋肉がまひする難病の「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の治療につながる新薬候補を明らかにしている。
 1999年から2008年の間に、日本人の平均死亡年齢は3・1年延びた。医薬産業政策研究所の西村淳一客員研究員によると、このうち0・48年は新薬の貢献による。病と共生しながら、社会生活を送ることのできる可能性も高まった。だが現状では、治療と就労の両立には障害が多い。
 厚労省によると、職場復帰に向け、治療を受けている患者は全国に推定100万人。同省の検討会は今月、職場の理解不足や、柔軟性を欠いた休暇や雇用制度、患者の仕事の都合を考慮しない治療のあり方など、患者、企業、医療機関の連携不足を指摘する報告書をまとめた。
 「周囲のちょっとした配慮が、患者の大きな支えになる」。今では140人の職員を束ねる老人ホーム施設長として働きながら、患者団体で就労を支援する世話人も務める中山さんは、そう話す。
 自らの経験を生かして講演を行ったり、若い患者たちの相談に乗ったりすることもある。病気の不安でためらう若者には、「勇気を持って一歩踏み出せ」とメッセージを送り、背中を押す。
 失われた体の機能を回復させる再生医療や、一人ひとりの体質に合わせた個別化医療の進歩によって、治療が可能になった患者を社会が受け入れて、活躍できる場を提供することが、今後ますます重要になる。
 厚労省検討会座長の今野浩一郎・学習院大教授は「意欲と能力のある人が、治療と両立しながら働くことは、本人にとっても社会にとっても重要。『柔軟な働き方』を支援する社会的な仕組みが必要」と強調する。
 
 写真=クローン病患者で、老人ホームで働く中山泰男さん(中央)。難病患者の就労支援に取り組んでいる(熊本市で)=川口正峰撮影」(全文)
 
 
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◆2012/08/28 「頭で念じ機器操作 阪大、ALS患者など臨床研究」
 『日本経済新聞』
 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG28041_Y2A820C1CR8000/

 「頭で念じ機器操作 阪大、ALS患者など臨床研究
2012/8/28 22:42
 大阪大学の吉峰俊樹教授らは28日、全身が思うように動かなくなる「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」などの難病患者を対象に、念じて機器を動かす「ブレイン・マシン・インターフェース」の臨床研究を実施すると発表した。手術で脳の表面に電極を載せて脳波を測定。ディスプレー上のカーソルを動かせるかを確かめる。大阪大はうまくいけば、ALS患者のコミュニケーション手段になるとみている。

 臨床研究の対象は重症のALSや脊髄性筋萎縮症の患者。意識ははっきりしているが、人工呼吸器を装着済みで、手足はほとんど動かず言葉も話せない20歳以上から選ぶ。2年間で3人を目標としており、年度内にも1例目を実施する。大阪大の倫理委員会が22日付で承認した。

 患者の頭蓋骨を開き、脳の表面に大きさ1〜3センチメートルのシートを載せる。シート表面には2.5ミリメートル間隔で約25個の電極があり、これで脳波を測る。約3週間かけ、安全性を確認し、ロボットハンドの握る動作やディスプレー上での選択が可能かどうかも調べる。」(全文)
 
 
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◆2012/08/28 「ALS患者の脳に電極 大阪大、臨床研究を承認」
 『47NEWS』
 http://www.47news.jp/medical/2012/08/post_20120828200035.php

 「ALS患者の脳に電極 大阪大、臨床研究を承認

 大阪大(大阪府吹田市)は28日、全身の筋肉が動かなくなる難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの患者の脳に電極を付けて脳波を読み取り、パソコンやロボットアームを操作させる臨床研究を、大学の医学倫理委員会が承認したと発表した。承認は22日付。

 臨床研究が実施されれば国内初とみられる。本年度中に1人目を実施し、2年間で計3人を予定する。

 責任者の吉峰俊樹脳神経外科教授は「実用化すれば、意思疎通にも苦労しているALS患者らの大きな助けになる。臨床研究に参加する患者は感染症の危険もあるが、将来の患者のために協力してほしい」と話している。

2012/08/28 19:53 【共同通信】」(全文)
 
 

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◆2012/08/28 「尊厳死、揺れる思い 患者の同意で延命中止、法制化の動き」
 『朝日新聞』

 「患者の意思表明があれば延命措置をやめ、医師の責任も問わないとする「尊厳死法案」。議員立法の動きがあるが、法制化の賛否は分かれる。命と向き合う患者や家族たちの目に、どう映るのか。

 ●死の願い、保証して
 富山市の松尾幸郎さん(76)の妻巻子さん(69)は6年前の交通事故で寝たきり状態。まばたきの動きだけで意思を伝える妻の将来を案じ、尊厳死の法制化に賛成だ。
 巻子さんは、少年(当時19)の居眠り運転による衝突事故にあい、顔の神経の一部以外の自由がきかなくなった。人工呼吸器をつけ、胃の中に外から管を入れて栄養を補う胃ろうを受けている。
 幸郎さんとは会話補助装置を通じて言葉を交わす。
 幸郎さんがその言葉を記録したノートは現在3冊目。2009年4月、初めて死を望む言葉が伝えられた。翌日には「あなたのねんれい(年齢)でまいにち(毎日)よゆう(余裕)がありますか?」。幸郎さんの負担を苦痛に思う心情が綴(つづ)られた。
 幸郎さんは「私が生きている限り、巻子を守る」と考えるが、昨年1月に膵臓(すいぞう)の手術をし、自分が先に死んだあとを思うようになった。
 「誰かが巻子に『ダディが死んだ』と伝える。そのとき巻子は悲しむと思う。死を願うと思う。でも自分で呼吸器をはずすこともできない」。そう一息に言い、続ける。「こんなに残酷な生き方はないでしょう。そこまでして生きなきゃいけないのか」
 「『最後の生き方』について、自己決定権が保証されるべきだ。多くの人に考えてほしい」と語る。

 ●生の断念迫るのか
 「私たちに『生』の断念を迫るのですか」。全身の筋肉が萎縮する難病「筋萎縮性側索硬化症」(ALS)患者で東京都に住む土居賢真(けんしん)さん(40)は法案に否定的だ。
 ALSは進行すると自分で十分な呼吸ができなくなるが、人工呼吸器を着ければ何十年と生きられる人もいる。
 ただ、呼吸器を装着すると、たんが詰まらないか24時間見守りが必要で、家族の負荷は増す。中には、自分の命と、家族の介護負担をてんびんにかける人がいる。日本ALS協会によると、装着する人は3〜4割にとどまる。
 法律ができたら、尊厳死が奨励される雰囲気が生まれないか。家族の負担軽減が不十分なままでは、その空気が「圧力」になり、装着せず亡くなる人が増えるのでは?
 地方の患者ほど影響を受けやすいと感じる。在宅で呼吸器を使うALS患者は訪問介護を公費負担で受けられるが、昨年8月まで住んでいた茨城県内の市は契約してくれる介護事業所が少なく、「たんの吸引に対応できない」と軒並み断られた。都内に引っ越し生き延びられた。夜間も含めヘルパー派遣を受ける。
 今回、取材を受けるにあたって、土居さんがまとめてくれた文書の結びには、こう書かれてあった。
 「高校時代の教師が言ったことを覚えています。『弱者を簡単に見捨てる社会は、存在価値がない』。いま一度、ゼロベースでの冷静な検討を求めたい」(久永隆一、金沢ひかり)

 ■超党派議連、国会提出めざす
 自発呼吸ができないので首もとに穴を開けて人工呼吸器を装着する。食べられないので栄養を送る管を胃につなぐ。尊厳死法案は、終末期の延命措置を受けずに死を迎えたい人の権利を確立しようとするものだ。
 超党派の議員連盟が国会への提出を目指す。法案では、終末期を「適切な医療上の措置を受けた場合でも、回復の可能性がなく死期が間近にある状態」と定義。複数の医師が終末期を判定し、患者(15歳以上)が書面などで意思表示をしていれば、医師が延命措置をしないことを認める。医師は刑事や民事上の責任も問われない。
 事故や末期がん、進行性で治療法がない難病などで死期が迫る患者が対象となりうる。法案には、追加延命措置をしない「不開始」に限るものと、今行っている措置の「中止」を含む2案がある。
 日本救急医学会も延命中止の方法や手続きを示すガイドラインを公表しているが、議連の増子輝彦会長(民主)は「法律で決めないと、医師側が萎縮し、患者が望む医療は受けづらい」。日本尊厳死協会も、尊厳死の法案化を求める。
 日本弁護士連合会は4月声明を出した。経済的負担や家族の介護負担に配慮してではなく、自由意思に基づいて決定できるためには、医療・介護・福祉が不十分。「法制化を検討する基盤がない」と批判した。

 【写真説明】
病室で会話補助装置を使って巻子さんと会話をする松尾さん=富山市、松尾さん提供
のどに着けた人工呼吸器のチューブから空気が送り込まれる。母順子さん(右)とは透明の文字盤で会話する=東京都内
 【図】
尊厳死法案による延命中止・不開始の流れ」(全文)
 
 

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◆2012/08/28 「頭で念じ機器操作 阪大、ALS患者など臨床研究」
 『日経速報ニュースアーカイブ』

 「大阪大学の吉峰俊樹教授らは28日、全身が思うように動かなくなる「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」などの難病患者を対象に、念じて機器を動かす「ブレイン・マシン・インターフェース」の臨床研究を実施すると発表した。手術で脳の表面に電極を載せて脳波を測定。ディスプレー上のカーソルを動かせるかを確かめる。大阪大はうまくいけば、ALS患者のコミュニケーション手段になるとみている。
 臨床研究の対象は重症のALSや脊髄性筋萎縮症の患者。意識ははっきりしているが、人工呼吸器を装着済みで、手足はほとんど動かず言葉も話せない20歳以上から選ぶ。2年間で3人を目標としており、年度内にも1例目を実施する。大阪大の倫理委員会が22日付で承認した。
 患者の頭蓋骨を開き、脳の表面に大きさ1〜3センチメートルのシートを載せる。シート表面には2.5ミリメートル間隔で約25個の電極があり、これで脳波を測る。約3週間かけ、安全性を確認し、ロボットハンドの握る動作やディスプレー上での選択が可能かどうかも調べる。
2012/08/28 22:42」(全文)

 
 
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◆2012/08/29 「ALS患者と、脳波で意思疎通 阪大で臨床研究」
 『朝日新聞』
 http://www.asahi.com/health/news/TKY201208290556.html

 「ALS患者と、脳波で意思疎通 阪大で臨床研究

 全身の運動神経が徐々に衰える難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の患者らの意思疎通を助けるため、頭に埋め込んだ電極で患者の脳波を読み取ってパソコンを操作する臨床研究を始めると28日、大阪大病院が発表した。2年間で3人の患者を募り、年度内にも始めたい考えだ。

 ALSは、症状が進むにつれて呼吸や会話も困難になる。まぶたや唇などに取り付けたセンサーを使って意思を伝えるが、動かせる筋肉がなくなると、意識がはっきりしていても思いを伝えられなくなる。

 計画では、患者の脳の表面に、コードをつないだ電極シートを3週間埋め込み、脳波を解析。パソコン画面のカーソルを動かして選択肢から指定したり、ロボットの手を動かしたりできるか確かめる。

 パソコンを操作できれば、単語を組み合わせて会話したり、緊急時に誰かを呼んだりできる。背中が痛い時にベッドの角度を変えたり、寒い時に室温を調整したりできるようになる可能性もある。

 22日付で学内の倫理委員会が承認した。リーダーの吉峰俊樹教授は「将来は無線技術を使って電極を長期間埋め込んだままにするなど、体への負担を抑えて使えるようにしたい」と話した。

(東山正宜)


【写真説明】脳波を使った意思疎通」(全文)  
 

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◆2012/08/29 「脳波読み意思疎通 難病患者の助けに 阪大病院研究 【大阪】」
 『朝日新聞』

 「全身の運動神経が徐々に衰える難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の患者らの意思疎通を助けるため、頭に埋め込んだ電極で患者の脳波を読み取ってパソコンを操作する臨床研究を始めると28日、大阪大病院が発表した。2年間で3人の患者を募り、年度内にも始めたい考えだ。
 ALSは、症状が進むにつれて呼吸や会話も困難になる。まぶたや唇などに取り付けたセンサーを使って意思を伝えるが、動かせる筋肉がなくなると、意識がはっきりしていても思いを伝えられなくなる。
 計画では、患者の脳の表面に、コードをつないだ電極シートを3週間埋め込み、脳波を解析。パソコン画面のカーソルを動かして選択肢から指定したり、ロボットの手を動かしたりできるか確かめる。パソコンを操作できれば、単語を組み合わせて会話したり、緊急時に誰かを呼んだりできる。背中が痛い時にベッドの角度を変えたり、寒い時に室温を調整したりできるようになる可能性もある。
 22日付で学内の倫理委員会が承認した。リーダーの吉峰俊樹教授は「将来は無線技術を使って電極を長期間埋め込んだままにするなど、体への負担を抑えて使えるようにしたい」と話した。
 (東山正宜)

 【図】
脳波を使った意思疎通」(全文)

 

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◆2012/08/29 「脳波で意思表示 臨床研究を承認 阪大」
 『読売新聞』

 「大阪大医学部の医学倫理委員会(奥村明之進委員長)は28日、全身の筋肉が衰える「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」など難病患者の頭蓋内から直接、脳波を計測して意思を読み取る臨床研究を承認したと発表した。同大病院脳神経外科の吉峰俊樹教授らのグループによる研究で、3人の患者を対象に2年間実施する。国内では初の試みという。
 承認は22日付。脳と機械を結ぶBMI(ブレーン・マシン・インターフェース)の技術を応用する。
 1人の患者につき約3週間、電極の付いたシートを手指の動きを指示する大脳の「運動野」と呼ばれる部位に貼り付け、脳波を計測。有線で体外のコンピューターと結び、患者にジャンケンを思い浮かべてもらってロボットハンドで、その意思が反映できるかの確認をするなどし、安全性も評価する。吉峰教授は「患者の意思表示方法が従前より増え、メリットは大きい。無線方式での実用化を目指して研究を進める」と話す。」(全文)
 
 

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◆2012/08/29 「頭で念じ機器操作、阪大、臨床研究、ALSなど難病対象。」
 『日経産業新聞』

 「大阪大学の吉峰俊樹教授らは28日、全身が思うように動かなくなる「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」などの難病患者を対象に、念じて機器を動かす「ブレイン・マシン・インターフェース」の臨床研究を実施すると発表した。手術で脳の表面に電極を載せて脳波を測定。ディスプレー上のカーソルを動かせるかを確かめる。大阪大はうまくいけば、ALS患者のコミュニケーション手段になるとみている。
 臨床研究の対象は重症のALSや脊髄性筋萎縮症の患者。意識ははっきりしているが、人工呼吸器を装着済みで、手足はほとんど動かず言葉も話せない20歳以上から選ぶ。2年間で3人を目標としており、年度内にも1例目を実施する。大阪大の倫理委員会が22日付で承認した。
 患者の頭蓋骨を開き、脳の表面に大きさ1〜3センチメートルのシートを載せる。シート表面には2・5ミリメートル間隔で約25個の電極があり、これで脳波を測る。」(全文)

 
 
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◆2012/08/30 「「知の力で立ち向かえ」 ホーキング博士、開会式導く」
 『朝日新聞』
 http://www.asahi.com/national/update/0830/TKY201208300143.html

 「「知の力で立ち向かえ」 ホーキング博士、開会式導く

英国人の宇宙物理学者、スティーブン・ホーキング博士(70)がパラリンピックの開会式を導いた。

 全身の筋肉が動かなくなる難病「筋萎縮性側索硬化症」のため、車いすで生活する。式の節目にステージ上に現れ、「好奇心を持ち続けよう」「何が我々の宇宙を成り立たせているのかに思いをはせよう」といった言葉を紡いだ。

 大会組織委員会が掲げた式のテーマは「啓蒙(けいもう)」。式は、シェークスピアの劇「テンペスト」に登場する少女が、博士の言葉に教え導かれる形で進んだ。「知の力で偏見に立ち向かい、よりよい社会をつくろう」。組織委がホーキング博士に託したこの言葉こそ、組織委が世界に最も訴えたかったメッセージだ。


【写真説明】開会式に参加したホーキング博士=29日、ロンドン、金子淳撮影」(全文)
 
 
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◆2012/08/30 「UEFAチャリティー・アワードの受賞団体が確定」
 『uefa.com』
 http://jp.uefa.com/uefachampionsleague/news/newsid=1853323.html

 「UEFAチャリティー・アワードの受賞団体が確定
掲載: 2012年8月30日(木), 22.00CET
UEFAモナコ・チャリティー・アワードの受賞団体が発表され、筋委縮性側索硬化症(ALS)の研究を支援しているステファノ・ボルゴノーボ財団に100万ユーロ(約1億円)の小切手が手渡された。

 今年のUEFAモナコ・チャリティーアワードの受賞団体に、筋委縮性側索硬化症(ALS)の研究を支援しているステファノ・ボルゴノーボ財団 が選ばれた。 モナコでのUEFAチャンピオンズリーグ・グループステージ組み合わせ抽選に続いて行われた公式ディナーの際に、100万ユーロ(約1億円)の小切手がミシェル・プラティニUEFA会長から、ボルゴノーボ氏の妻であるシャンタルさんとイタリアサッカー界を代表するファビオ・カンナバーロ氏に手渡された。

プラティニ会長は「今年のモナコ・チャリティーアワードは、UEFAの欧州における健康促進への貢献を反映している。サッカーをすることができる私たちは、動く能力を当然のものとしてとらえているかもしれない。ステファノ・ボルゴノーボ財団に資金を寄付することで、私たちはALSの治療研究に前向きな貢献と、ALSの患者やその家族へのサポートを提供したい」と述べた。

ステファノ・ボルゴノーボ氏は、1980年代終盤から1990年代序盤にかけてACミランやACFフィオレンティーナに所属したFWで、42歳のときに筋委縮性側索硬化症と診断された。ALSは重い神経系の疾患で、すべての筋機能が徐々に消失してしまう。ステファノ・ボルゴノーボ財団は、世界中に35万人いるALS患者のサポートを目標とし、2008年12月13日に元イタリア代表のカンナバーロ氏、妻のシャンタルさん、そして長女のアレッサンドラさんによって設立された。

「私たちの財団がUEFAモナコ・チャリティーアワードを受賞できて光栄です。1団体からの寄付としては過去最高額となります」とシャンタルさんは話した。「このUEFAからの寄付金で、神経疾患のための幹細胞移植治療の研究に必要な投資を行うことによって、イタリア国内での私たちの運動を促進することができます」

100万ユーロの寄付金は、脳幹細胞の発見者の一人であるアンジェロ・ベスコビ教授が中心となって行っている幹細胞の先端研究に使われることになる。今年6月には幹細胞移植の臨床試験が行われ、31歳のALS患者の脊髄に幹細胞を注入。病気の進行を遅らせる効果が期待されている。

同財団は現在、ALS患者の家族を援助する活動を行っており、患者を自宅でケアする初のプログラム、ホスピタル・アット・ホームを立ち上げることになっている。このプログラムでは、必要な診察装置やソフトウエアを備えた移動式の研究所を用意し、あらゆる段階のALS患者を万全の態勢でサポートするサービスの発展を目指している。

昨年のUEFAモナコ・チャリティーアワードを受賞したのは、サッカーを通じて若者の成長を手助けする団体、ストリートフットボールワールドだった。同NGO団体は、ポーランドとウクライナでのUEFA EURO 2012の際に行われた社会的責任を啓蒙するEUROSCHOOLS 2012プロジェクト、「リスペクト・ユア・ヘルス」にも投資している。

このキャンペーンでは、共催国ポーランドとウクライナの若者とその家族に、禁煙や節度あるアルコール摂取、健康的な食生活、運動などを提案し、健康的なライフスタイルの促進を行った。


【写真説明】ミシェル・プラティニUEFA会長(左)がシャンタル・ボルゴノーボ氏とファビオ・カンナバーロ氏に小切手を贈呈した」(全文)
 
 

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◆2012/08/30 「壁を越え、希望の祭典 ロンドン・パラリンピック」
 『朝日新聞』

 「ロンドンの夜空に、再び聖火がともった。29日夜(日本時間30日未明)に開幕したパラリンピック。多くの困難を乗り越えてきた選手たちが集った。▼1面参照

 ●リビア内戦 爆弾で視力低下「来られただけで成功」
 パワーリフティングでリビアから出場するバーバ・アブデルラジク選手。新生リビアの象徴である赤、黒、緑の三色の国旗を力強く振りながら、大きな歓声の中を歩いた。37歳の彼にとって初めてのパラリンピックだ。
 東部ベンガジ出身。生まれた病院で間違った注射を打たれ、足に障害が残った。19歳でパワーリフティングを始めた。
 昨年2月、生活が一変した。反カダフィ体制デモが始まり、政府側は実弾発砲を繰り返す。練習どころではなくなった。近くで爆発した爆弾の影響で視力も落ちた。
 それでも、40年以上続いた独裁体制は崩壊した。「ここに来られただけで、僕にとっては成功。もし、勝って新しい国旗を揚げられたら、もっと大きな成功だね」(山本奈朱香)

 ●骨肉腫 憧れて、もう一度ラケットを
 日本から車いすテニスに初出場する三木拓也選手(23)が入場行進で見つめたのは、前を行く国枝慎吾選手(28)の背中だ。この競技の2008年北京大会金メダリスト。「一緒にロンドンを目指そう」。憧れの王者との2年越しの約束をかなえた。
 北京大会は病院のテレビで見ていた。前年の秋、高校3年でテニス部を引退した直後に左ひざに骨肉腫が見つかった。テニスの指導者になる夢は絶たれた。
 リハビリの意味を見いだせない中、理学療法士に教えられたのが国枝選手。車いすでコートの中を動き回り、力強いボールを打ち込んでいた。自分の腕は抗がん剤治療でやせ細ったが、もう一度ラケットを握ろう――。競技を始めて1年後。国枝選手から同じチームで練習しようと誘われた。腕は日に焼け、体重は20キロ増えた。
 「5年後の生存率は7割」。病気になった時に医師に宣告された満5年まで、あと3カ月。今、戦うのは病気でも、死の恐怖でもない。(斉藤寛子)

 ●崖から転落 けがの恐怖より競技の魅力
 カナダ選手団の旗手は車いすラグビーのギャレット・ヒックリング選手(41)。16歳の時、夜の山道で友人と崖から転落。友人は死に、自身も首を骨折して下半身不随になった。
 5年後、パラリンピック競技で最も激しいとされる車いすラグビーを始めた。今もけがへの恐怖はなくならない。でも、競技の魅力にとりつかれている。
 2004年アテネ大会で銀、北京大会で銅。年齢から考えて、金メダルを狙えるのは今回が最後かもしれない。「重圧も怖さも押しのけてみせる」(由利英明)

 ○開会式 ホーキング博士 「知の力でよりよい社会を」
 英国人の宇宙物理学者、スティーブン・ホーキング博士(70)が開会式を導いた。全身の筋肉が動かなくなる難病「筋萎縮性側索硬化症」のため、車いすで生活する。式の節目にステージ上に現れ、「好奇心を持ち続けよう」「何が我々の宇宙を成り立たせているのかに思いをはせよう」といった言葉を紡いだ。
 大会組織委員会が掲げた式のテーマは「啓蒙(けいもう)」。「知の力で偏見に立ち向かい、よりよい社会をつくろう」。組織委がホーキング博士に託したこの言葉こそ、組織委が世界に最も訴えたかったメッセージだ。
 聖火の火を空からスタジアムに運んだのは、アフガニスタンで両足を失った負傷兵ジョー・タウンセンドさんだった。
 1948年、ロンドン近郊のストーク・マンデビル病院で開かれた車いす患者によるアーチェリー大会に出場したのは16人だった。それから64年。ロンドンには約4300人が集った。国際パラリンピック委員会会長で英国人のクレイブン氏は「パラリンピックよ、お帰り」。発祥の国で祭典が幕を開けた。(平井隆介)

 【写真説明】
最高潮を迎えた開会式=ロンドン、遠藤啓生撮影
リビアの国旗を振り入場するアブデルラジク選手
入場行進する三木拓也選手
カナダ代表の旗手をつとめたヒックリング選手
開会式のホーキング博士
聖火を手に舞い降りたタウンセンドさん」(全文)
 
 

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◆2012/08/31 「ALS起こす異常たんぱく質、東大、仕組み解明。」
 『日経産業新聞』

 「東京大学の一条秀憲教授と辻省次教授、藤沢貴央特任助教らのチームは、神経難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)を引き起こす複数の異常たんぱく質が共通した構造を持っていることを突き止めた。この構造を持つたんぱく質を、抗体を使って見分ける技術も開発した。ALSの診断薬や治療薬づくりに役立つとみている。
 ALSは運動神経が働かなくなり、全身の筋肉が衰える病気。原因はよく分かっていないが、患者の約1割は「SOD1」というたんぱく質を作る遺伝子の変異が関係している。この変異は様々なタイプがあり、異常たんぱく質も100種類以上あるのが分かっている。
 研究チームは様々なタイプの異常なSOD1たんぱく質に着目した。たんぱく質と結合して運動神経の細胞死を招くたんぱく質「ダーリン1」に、異常たんぱく質がくっつくか調べたところ、大半が結合することが分かった。
 構造を詳しく調べると、くっつく異常たんぱく質には共通する構造があった。この構造変化によって、神経細胞が不要なたんぱくを排出できなくなり、ALS発症につながると考えられるという。
 構造変化を調べるために作製した抗体は、ALSを引き起こす異常たんぱく質を持つか調べる診断用に生かせるとみている。今後、ダーリン1との結合を妨げることができれば、ALSの新たな治療につながる可能性もある。」(全文)

 
 
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◆2012/09/03 「特集――ニュース解剖、本日のテーマ、iPSが変える医療(日経の読み方)」
 『日本経済新聞』

 「あらゆる細胞に変化できる「iPS細胞」を活用し、難病の原因解明や治療の手掛かりを得る研究が活発になっています。患者の細胞を使い、体内で異常が起こる様子を「再現」できるからです。8月2日付朝刊1面の記事から、iPS細胞で医療がどう変わるのか、考えてみましょう。
ココが考えドコロ
臓器再生以外にも役立つと期待
 万能細胞であるiPS細胞は、病気やケガで損なわれた臓器や細胞などを補う「再生医療の切り札」として期待されている。皮膚や血液の細胞などから作れ、目的の細胞に成長させることも可能。同じ万能細胞だが、受精卵から作る胚性幹細胞(ES細胞)に比べ、倫理的問題が少なく、移植時に拒絶反応なども起こりにくい。
 ただ、応用は再生医療に限定されない。現代医学では発症の仕組みすらよく分からない難病のメカニズム解明や治療法開発にも、iPS細胞を役立てる研究が盛んになっている。全身の筋肉が衰えるALS(筋萎縮性側索硬化症)もその一つで、従来は患者の神経に異常が起こる様子を観察するのは困難だった。
 京都大学の研究チームは今回、ALS患者の皮膚から作製したiPS細胞を、神経の細胞に成長させた。発症する過程を「再現」することで、病気の原因となる細胞の状態を詳しくつかむことができた。
読者と関係大アリ
 新薬開発は一般に候補物質の発見から製品化まで約10年かかり、1000億円程度が必要といわれる。iPS細胞は開発期間の短縮と費用低減に役立つと期待されている。
 候補物質を見つけたら、まず細胞や動物の実験で効果や毒性の有無などを確認する。その後、人を対象にした臨床試験(治験)を経て薬となる。しかし動物には効いても人では思ったほど改善が見られない例や、副作用の懸念から開発を中断する例もある。
 三重大学の葛原茂樹名誉教授は「ALSは手掛かりが少なく薬の開発が困難だった」と話す。今回のように、患者のiPS細胞を活用して異常な細胞を作り出したうえで、様々な物質を振りかけて変化をみる手法を活用すれば、薬の開発スピードが高まる。
 また、バイオベンチャーのリプロセル(横浜市)は、iPS細胞から作製した心臓などの細胞を、創薬研究用に提供する事業を始めている。うまくいけば効果の高い薬が素早く得られる可能性がある。
記者はコウ感じた
日本発の技術
リードを守れ
 iPS細胞は京大の山中伸弥教授が世界に先駆けて開発したノーベル賞級の成果だ。発表以降、世界を巻き込んだ研究開発競争が始まった。日米欧を、中国など新興国が激しく追い上げる構図は、IT(情報技術)や自動車産業と変わらない。
 日本はiPS細胞の再生医療応用で一番乗りを目指しており、理化学研究所などが2013年度にも目の網膜の難病で臨床研究を始める計画だ。最新治療の実現・普及には、産官学の幅広い連携が欠かせない。そうしなければ日本発技術もリードを保てなくなる。
3つのキーワード
 ▼iPS細胞 神経や心臓の筋肉細胞など様々な細胞に成長できるため、万能細胞と呼ばれる。皮膚などに特定の遺伝子を導入して作る。京大の山中伸弥教授が2006年にマウス、07年に人の細胞から作ることに成功した。米アップルの携帯音楽プレーヤー「iPod」をまねて、「i」は小文字にした。
 ▼神経の難病 神経細胞の異常などが原因で発症する。物忘れなどが起こるアルツハイマー病や、手足などが震えるパーキンソン病、ALSなどが代表例だ。いずれも根本的な治療法は確立されていない。
 ▼臨床試験(治験) 新薬候補物質を実用化するのに不可欠で、実際に人に投与して安全性や有用性を確認する。3段階の試験を終え、その結果をもとに国に承認申請をする仕組みになっている。」(全文)

 
 
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◆2012/09/06 「第4部ニッポン発人工人体(上)義手、脳波で意のままに(ITが導く医の進化論)」
 『日本経済新聞』

 「電通大 じゃんけん可能
サイバーダイン 補助脳使い歩行スムーズ
 病気やケガで失った体の組織や機能を取り戻すための研究・開発が急速に進んでいる。IT(情報技術)と最先端のロボット技術などを融合することで、筋肉の動きや脳波の指令でより精巧に動く人工の四肢やモノの形を識別する人工網膜などの実用化が近づいているのだ。患者の自立支援につながるほか、機器の遠隔操作などで幅広い産業への応用も期待できる。(関連記事12面に)
 電気通信大学の横井浩史教授は自身が設立する大学発ベンチャー「メルティンMMI」を通じ、2012年中にじゃんけんをしたり、ペンを握って文字を書いたりできる「筋電義手」を製品化する。「当初は研究用だが、13年からは一般向けにも売り出したい」(横井教授)と意気込む。
1台数十万円
 スイッチの切り替えなしに5本の指を独立して動かして、握る、つまむ、手首を回すなど15種類の動作ができるのが特徴。価格も1台数十万円と、同数百万円する独オットーボックの「ミケランジェロ」など既存品に比べ大幅に安くする。特注の部品を極力使わず、汎用の部品を活用することで低価格を実現した。
 人が指を曲げようと思うと、脳から発した指令が電気信号として中枢神経から運動神経、筋肉へと流れ、筋肉の収縮という運動を伴って指が動く。事故などで腕を失った人でも指を曲げようと思えば、指先までつながっていたはずの筋肉に同じ経路で電気信号が流れる。残った腕の部位にセンサーを取り付け、その電気信号を捉えることで電動の義手を動かすのが「筋電義手」の仕組みだ。
 新開発の筋電義手には小型コンピューターと解析ソフトを搭載。あらかじめ15種類の義手の動きと、生体信号の対応をコンピューターに学習させておくと、装着者が発した生体信号がどの動きに該当するかを0・1秒以下で判断。13個のモーターを制御して、手首や指などを動かす。
 義手には人の手と同じ数の関節が付いている。複数のモーターを複数の関節につなげ、同時に同じ方向に力をかけたり、逆方向に力をかけたりするやり方で、自然な動きに近づける工夫をした。
 現在、義手を装着する人は国内で1000人前後とされ、子供も含まれる。「軽量にした小児用筋電義手も発売したい」と横井教授は語る。
 2人の男性が肩を並べて話しながらオフィスビルの廊下を歩き、ごく自然に階段を下りていった。何気ない光景だが、そのうちの1人は両足とも太ももから下の部分を失った男性だ。
 男性は介護やリハビリ向けのロボットスーツ「HAL」を作った筑波大学発のベンチャー、サイバーダイン(茨城県つくば市)の試験に被験者として協力し、現在開発中の電動義足「サイバニックレッグ」を着けていた。HALを発展させた機器で、「市販用の試作機はすでに完成した。14年には予定通り発売できそうだ」と同社社長を務める筑波大の山海嘉之教授は胸を張る。
高齢者自立促す
 電動義足は多くの企業が実用化している。サイバニックレッグの特徴は膝関節の動きを被験者からの生体信号だけで制御するのではなく、腰などに装着したコンピューターが「補助脳」としてサポートする点にある。このため、平たんな道から階段の上り下りまでモードを切り替えずにスムーズに歩行できる。
 人は歩くとき、脚を振り上げたり着地したりしたときの情報を脳にフィードバックして、転倒しないよう無意識に姿勢を制御している。山海教授らは、歩く、止まる、上る、降りるといった動作は装着者の意思に任せつつ、本来なら脳が無意識に行う自立制御の機能をコンピューターに任せる仕組みを、サイバニックレッグに組み込んだ。
 販売価格は1台100万円程度にする方針。山海教授は「義足装着者が200万人を超えるとされる米国市場の開拓を狙う」という。
 脊椎損傷や神経伝達がうまくできない病気の人では、体表面から生体電気信号をとる方法は使えない。大阪大学脳神経外科の吉峰俊樹教授、平田雅之特任准教授らは患者に外科手術を施して脳の表面に電極センサーを設置。直接、脳波を取り出して機器を動かす研究に取り組む。
 昨年、患者が指を動かすことをイメージするだけで、脳波の変化を感知してロボットハンドを握ったり開いたりさせる実験に世界で初めて成功した。「脳に直接電極を置けば、ノイズが少ない信号が得られ、高い精度の制御が可能になる」と吉峰教授は語る。前回はてんかん患者などに治療のために頭部に留置した電極を利用した。  今後、全身が思うように動かなくなる「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」などの患者を対象に脳波でロボットを操作する臨床研究を実施する計画だ。阪大の倫理委員会の審査を通過、早ければ今年末にも始める予定だ。
 将来、手術なしにクリアな脳波を取り出せれば、要介護の高齢者が車いすを操ったり、パソコンで文書を作成したりといった作業をすることも可能になる。医療分野にとどまらず、介護分野でも自立支援につながる大きな需要が見込める。
 頭の中で念じるだけで、思いのままに機械を操る。かつてSFで描かれたような世界が実現する可能性も見えてきた。
【表】人工四肢・聴覚・臓器に関連する大学や企業の動向
       人工義肢   電気通信大・メルティンMMI   横井教授らは15種類の動作ができる義手を2012年中にも発売。機能を限定して軽くした幼児〜子ども用の義手も同時に発売する予定
大阪大   全身が思うように動かなくなる「筋萎縮性側索硬化症」などの難病患者を対象に、脳波で義手などを動かす臨床研究を年内にも実施
    広島大   辻敏夫教授は筋電義手操作練習向けにパソコンで動くシミュレーターソフトウエアを開発
    サイバーダイン・筑波大   2014年にも平地から階段の上り下りまでモードを切り替えず歩行できる「サイバニックレッグ」を発売。ロボットスーツHALの技術を応用して開発
   独オットーボック   筋電義手の製造販売で世界最大手。筋電で3指を動かせる最新機種「ミケランジェロ」を2010年に欧米で発売した。日本での発売は未定
タッチ・バイオニクス   最上位機種の「i−LimbUltra」を2011年に発売
    ナブテスコ   次世代型義足「ハイブリッドニー」を開発。歩行時の安定性を高めた
    人工聴覚   京都大   電池が要らない薄膜状の人工聴覚装置。実用化されれば、充電と体外装置が不要になる。発電量を大幅に増やすことが課題。3年後に臨床試験を始めることを目指す
豪コクレア   メルボルン大の教授が研究を進め、1980年代に世界で初めて人工内耳システムを製品化した。日本法人もある
    人工臓器   東北大   石山和志教授は体外から磁石を近づけると動く埋め込み形の補助人工心臓用ポンプを開発
東京大   東大の特任研究員で、通信技術開発ベンチャー、アンプレット社長の根日屋英之氏は人体通信技術を使って、人工心臓などの稼働データをワイヤレスで取り出す技術を研究
    米メドトロニック   おなかに貼り付けて5分おきに血糖値を測るセンサーを開発。インスリンポンプと組み合わせて、糖尿病患者のインスリン注入を正確に
    【図・写真】五指型の電動義手を試す被験者(東京都調布市の電気通信大)」(全文)

 
 
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◆2012/09/07 「[ニュースが気になる]iPS細胞の進展は? 再生医療1号 来年にも」
 『読売新聞』

 「山中伸弥・京都大教授らが、様々な組織や臓器の細胞になる能力を持つiPS細胞(新型万能細胞)を、人の皮膚細胞から作製することに成功したと発表してから、11月で5年になる。医療への応用はどこまで進んでいるのだろうか。
 iPS細胞が最も真価を発揮する分野は、治療法が見つかっていない難病の研究や新薬の開発と言える。iPS細胞を使えば、患者から採取しにくい脳や心臓などの細胞を自在に作り出して、実験を重ねることができるからだ。
 京大iPS細胞研究所の井上治久・准教授らは8月、運動神経が徐々に機能を失い、体が動かなくなる「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の患者からiPS細胞を作り、運動神経の細胞へと変化させて、病気の状態を再現。この細胞を使った実験で、治療薬の候補物質を発見した。
 井上准教授は「驚くほど簡単にALSの病態を再現できた。iPS細胞によって、様々な難病研究が一気に進むのでは」と話す。
 iPS細胞を使って病気やけがで傷付いた体の一部を補う「再生医療」も、<世界第1例>が来年にも国内で実現しそうだ。
 先端医療センター病院(神戸市)の眼科医、高橋政代さんらは、失明につながる難病の加齢黄斑変性を治療する臨床研究を計画。近く同病院の倫理委員会で審査した後、厚生労働省へ申請する予定だ。
 難病の患者や家族らの期待は大きく、山中教授らのもとには「いつ頃治療が受けられるのか」といった質問が後を絶たない。
 しかし、現状では移植用の細胞を1人分作るだけで億単位の費用がかかるため、臨床研究の対象者は数人程度にとどまる見通しだ。一般的な医療にするには、時間をかけて安全性や治療効果を確かめる必要があり、最短でも10年以上かかる。
 山中教授は将来の医療応用を想定し、多くの人から治療用の細胞をあらかじめ作っておく「iPS細胞ストック」が必要と訴えており、臍(さい)帯血バンクを運営する日本赤十字社との連携を進めている。
 色々な臍帯血から、拒絶反応が起きにくい特別な組織適合性(HLA型)を持つ血液細胞を選び、それぞれiPS細胞を作製する戦略だ。75種類のHLA型をそろえれば、日本人の8割の治療に使えるという。日赤のバンクが保管する臍帯血は型がわかっているので、有用なiPS細胞を効率よく作製できるとみられる。厚労省の専門委員会は7月、臍帯血の一部をiPS細胞作製に使うことを認めた。
 京大では、iPS細胞から神経細胞を作って脳に移植し、パーキンソン病を治療する臨床研究も計画中だ。さらに幅広い医療分野に生かしていくには、十分な議論と透明性の確保、柔軟なルール作りが今後欠かせないだろう。(科学部 今津博文)

 図=iPS細胞ストックの仕組み」(全文)

 
 
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◆2012/09/08 「耐えた試練の夏、九電の節電要請が終了、家庭や職場「涼」工夫、計画停電備え課題。」
 『日本経済新聞』

 「「試練の夏を乗り切った」。2カ月余りに及んだ九州電力の節電要請が7日、終わった。猛暑だった2010年比で10%以上の節電を求められたが、エアコン使用を控えたり、昼休みをずらしたり。家庭や職場は工夫し、福岡などで平年の2倍を数えた猛暑日(最高気温35度以上)を耐え抜いた。「計画停電」はなかったものの、発動への備えには課題も残った。
 ●町ぐるみ、じわり浸透 特典を用意し、中心部の商店や公共施設で涼んでもらおうという「まちなか避暑地」に取り組んだ北九州市。魚町商店街の日本茶店「つじり茶屋」の辻史郎さん(38)は「(喫茶コーナーで)特典サービスを利用する客がスタート時の2倍になった」と話す。デザートに白玉をトッピングするサービスで、新たな客も集まったという。
 「まちなか避暑地」に参加する店や公共施設は383カ所に。休館日の月曜にも開館した6つの図書館には計2万人超が足を運んだ。魚町商店街振興組合の瀬口裕章理事長(56)は「町が一体になる試み。省エネが経済に好影響を与える好循環もあり、今後も前向きに取り組みたい」と語る。
 ●ピークシフトに効果 福岡県や佐賀県などの官庁が取り入れたのは、昼休みを午後1〜2時に遅らせる「ピークシフト」。電力需給の逼迫を緩和する狙いがあった。
 国の出先機関が入居する福岡合同庁舎(福岡市博多区)では、昼休みとした同時間帯の最大使用電力を午前11時〜正午比で7、8月(21日まで)とも10%ほど減らす効果があった。
 多くの部署では、業務時間中から電気ポットやコーヒーメーカーの利用をやめた。こうした節電策は経費削減にもつながり、「今後もできるだけ継続したい」(合同庁舎管理官室)としている。
 ●不安消えぬ難病患者 電力不足が予想された際、電力供給をエリア別に一定時間止める計画停電への備えについては課題を残した。
 「計画停電になったら(生きることを)諦めるという人がたくさんいた」。日本ALS協会鹿児島県支部の里中利恵さん(47)は打ち明ける。同県には全身の筋肉が動かなくなる難病「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」患者が127人いる。多くの人は電源を必要とする人工呼吸器やたん吸引器が欠かせない。
 だが九電が難病患者らに準備した自家発電機は九州全域で200台。同県分は20台だけだった。しかもそれは工事用で、実際に家庭で使えるかどうかも分からない。里中さんらは緊急時対策として、九電の営業所に発電機を置き充電場所にすることなどを提案。だが有効な対策は得られないまま、最終日を迎えた。
【図・写真】福岡合同庁舎の「ピークシフト」終了を知らせる案内板(7日、福岡市博多区)」(全文)

 
 
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◆2012/09/08 「九州節電の夏「試練の夏、乗り切った」 中心部「避暑」好評」
 『日経速報ニュースアーカイブ』
 「「試練の夏を乗り切った」。2カ月余りに及んだ九州電力の節電要請が7日、終わった。猛暑だった2010年比で10%以上の節電を求められたが、エアコン使用を控えたり、昼休みをずらしたり。家庭や職場は工夫し、福岡などで平年の2倍を数えた猛暑日(最高気温35度以上)を耐え抜いた。「計画停電」はなかったものの、発動への備えには課題も残った。
 ●町ぐるみ、じわり浸透 特典を用意し、中心部の商店や公共施設で涼んでもらおうという「まちなか避暑地」に取り組んだ北九州市。
魚町商店街の日本茶店「つじり茶屋」の辻史郎さん(38)は「(喫茶コーナーで)特典サービスを利用する客がスタート時の2倍になった」と話す。デザートに白玉をトッピングするサービスで、新たな客も集まったという。
 「まちなか避暑地」に参加する店や公共施設は383カ所に。休館日の月曜にも開館した6つの図書館には計2万人超が足を運んだ。魚町商店街振興組合の瀬口裕章理事長(56)は「町が一体になる試み。省エネが経済に好影響を与える好循環もあり、今後も前向きに取り組みたい」と語る。
 ●ピークシフトに効果 福岡県や佐賀県などの官庁が取り入れたのは、昼休みを午後1〜2時に遅らせる「ピークシフト」。電力需給の逼迫を緩和する狙いがあった。
 国の出先機関が入居する福岡合同庁舎(福岡市博多区)では、昼休みとした同時間帯の最大使用電力を午前11時〜正午比で7、8月(21日まで)とも10%ほど減らす効果があった。
 多くの部署では、業務時間中から電気ポットやコーヒーメーカーの利用をやめた。こうした節電策は経費削減にもつながり、「今後もできるだけ継続したい」(合同庁舎管理官室)としている。
 ●不安消えぬ難病患者 電力不足が予想された際、電力供給をエリア別に一定時間止める計画停電への備えについては課題を残した。
 「計画停電になったら(生きることを)諦めるという人がたくさんいた」。日本ALS協会鹿児島県支部の里中利恵さん(47)は打ち明ける。同県には全身の筋肉が動かなくなる難病「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」患者が127人いる。多くの人は電源を必要とする人工呼吸器やたん吸引器が欠かせない。
 だが九電が難病患者らに準備した自家発電機は九州全域で200台。同県分は20台だけだった。しかもそれは工事用で、実際に家庭で使えるかどうかも分からない。
 里中さんらは緊急時対策として、九電の営業所に発電機を置き充電場所にすることなどを提案。だが有効な対策は得られないまま、計画停電準備期間の最終日を迎えた。」(全文)

 
 
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◆2012/09/12 「ALSなどの難病、原因たんぱく質、都医総研が解析」
 『日本経済新聞』

 「東京都医学総合研究所や筑波大学など日英の共同研究グループは、思うように体が動かなくなる神経系の難病、ALS(筋萎縮性側索硬化症)や若年性認知症などの原因たんぱく質の詳しい解析に成功した。このたんぱく質は脳や脊髄の神経細胞にたまるが、種類が同じでも、病気ごとに蓄積の仕方や構造が違っていた。
 体の中で広がらないような薬を開発すれば、病気の根治につながるとみている。
 研究成果は11日付の英科学誌ブレイン(電子版)に掲載された。」(全文)

 
 
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◆2012/09/12 「都医学総合研、ALSなど原因、異常たんぱく質、病気ごとに構造変化。」
 『日本経済新聞』

 「東京都医学総合研究所と筑波大学、英マンチェスター大学などは、運動神経が働かなくなる難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)や若年性認知症などの共通原因とみられる異常たんぱく質が、病気ごとに構造を変えているのを突き止めた。異常たんぱく質が体内で広がるのを防ぐ薬を開発すれば、治療につながるとみている。
 成果は英科学誌ブレイン(電子版)に掲載される。
 ALSと多くの若年性認知症、一部のアルツハイマー病は、変形し異常になったたんぱく質「TDP―43」が脳や脊髄の神経細胞の突起や細胞質にたまり、機能を失わせるのが原因で発症すると考えられている。
 研究チームは日英の脳バンクを活用。これらの病気の患者約30人の脳の神経細胞で、たまっていた異常なTDP―43を詳しく調べた。BSE(牛海綿状脳症)などの原因となる異常プリオンたんぱく質の検出法などを使った。
 ALSや若年性認知症など病気ごとに異常たんぱく質の構造が違っていた。また、1人の患者の脳や脊髄にたまる異常なTDP―43の構造はすべて同じだった。
 体のどこかで作られた異常たんぱく質が、次々と正常なたんぱく質を変化させ、病気が進行すると研究チームはみている。
 従来は、病気ごとのたんぱく質構造まで詳しく分かっていなかった。共同研究には東京都健康長寿医療センター、愛知医科大学、国立精神・神経医療研究センターも参加した。」(全文)

 
 
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◆2012/09/12 「ALSなどの原因たんぱく質を解析 日英研究グループ」
 『日経速報ニュースアーカイブ』

 「東京都医学総合研究所や筑波大学など日英の共同研究グループは、思うように体が動かなくなる神経系の難病、ALS(筋萎縮性側索硬化症)や若年性認知症などの原因たんぱく質の詳しい解析に成功した。このたんぱく質は脳や脊髄の神経細胞にたまるが、種類が同じでも、病気ごとに蓄積の仕方や構造が違っていた。体の中で広がらないような薬を開発すれば、病気の根治につながるとみている。
 研究成果は11日付の英科学誌ブレイン(電子版)に掲載された。東京都健康長寿医療センター、愛知医科大学、国立精神・神経医療研究センター、英マンチェスター大学も参加した。
 日英の亡くなった患者約30人の脳の神経細胞を解析した。ALSと若年性認知症、一部のアルツハイマー病の原因は異常たんぱく質「TDP―43」と考えられているが、すべて同じかどうか不明だった。今回の研究で、蓄積の仕方や構造の違いが病気の種類を決めていることがわかった。」(全文)

 
 
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◆2012/09/12 「ALSの原因たんぱく質を解析 日英が共同研究」
 『日経速報ニュースアーカイブ』

 「東京都医学総合研究所や筑波大学など日英の共同研究グループは、思うように体が動かなくなる神経系の難病、ALS(筋萎縮性側索硬化症)や若年性認知症などの原因たんぱく質の詳しい解析に成功した。このたんぱく質は脳や脊髄の神経細胞にたまるが、種類が同じでも、病気ごとに蓄積の仕方や構造が違っていた。体の中で広がらないような薬を開発すれば、病気の根治につながるとみている。
 研究成果は11日付の英科学誌ブレイン(電子版)に掲載された。東京都健康長寿医療センター、愛知医科大学、国立精神・神経医療研究センター、英マンチェスター大学も参加した。
 日英の亡くなった患者約30人の脳の神経細胞を解析した。ALSと若年性認知症、一部のアルツハイマー病の原因は異常たんぱく質「TDP―43」と考えられているが、すべて同じかどうか不明だった。今回の研究で、蓄積の仕方や構造の違いが病気の種類を決めていることがわかった。」(全文)

 
 
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◆2012/09/13 「淡路島発 街のどこかで)天国の妻に「咲いたで」 /兵庫県」
 『朝日新聞』

 「(淡路島発 街のどこかで)天国の妻に「咲いたで」 /兵庫県

昨年9月14日付の「街のどこかで」で紹介したトケイソウの話。あれからほぼ1年、「あの人はどうなりましたか」と、読者から質問をいただいた。悲しい返事ですが……。
 「君の花咲かそ 何度でも」で伝えたのは、洲本市海岸通2丁目の井上修三さん(79)が、難病の奥さんのため、苦心してトケイソウの花をたくさん咲かせた話だ。
 元々、育てていたのは半年下の妻の文子(ふみこ)さん。
 文子さんは2008年春、突然しゃべれなくなった。「筋萎縮性側索硬化症」と診断され、入院。井上さんはトケイソウを咲かせて文子さんを喜ばそうと、図書館で本を借りたりして育て方を勉強した。
 09年は2、3個咲いた。10年は10個ほど。去年は30〜40個も。「ごっつい咲いたで」。写真に撮って、文子さんに見せに行った。反応はなくても、分かっていると、自分では思った。
 花期は9月ごろまでといわれているが、去年は12月12日に1個咲いたのが最後だった。
 今年の4月9日夕、文子さんは井上さんにみとられて亡くなった。「こない難しい病気でよう頑張った。本人もえらかったんやないか」
 トケイソウは今年も咲いている。「亡くなって気落ちしたけど、家内が始めたんやから、どないこない続けていく」
 見せたい人は旅立ったが、写真は撮り続けている。そして、遺影に声をかける。「ごっつう咲いたで」(由本昌敏)


【写真説明】 長さ5メートルほどに伸びたトケイソウをいとおしそうに眺める井上修三さん=洲本市海岸通2丁目」(全文)

 
 
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◆2012/09/13 「ひと:長岡健太郎さん=「障害者に当たり前の暮らしを」と活動する弁護士」
 『毎日新聞』

 「◇長岡健太郎(ながおか・けんたろう)さん(31)

 難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の男性患者が、公的介護の時間拡大を求めて和歌山地裁に訴えた全国初の訴訟で、弁護団の中心となって男性の窮状を訴えた。4月の判決で1日約12時間から21時間以上への介護サービス拡充を勝ち取った。一昨年、障害者のサービス利用費1割負担の廃止などを求めた障害者自立支援法違憲訴訟で、同法廃止を国と基本合意した時は、和歌山弁護団の事務局長を務めた。

 原点は小学生時代だ。母親の勧めでボーイスカウトに入り、障害者施設で知的障害のある子どもたちと接した。「意識せずに交流し、身近な存在に感じた」。高校、大学もボランティアサークル。脳性まひの人を支える介護ヘルパーを経験した。

 ある時、車いす男性の無料法律相談に付き添った。時間は30分。弁護士から「明日、事務所で詳しく聞く」と冷たく言われた。「いつも付き添いを確保できるとは限らないのに」と歯がゆかった。障害者を理解する弁護士の少なさを痛感し、「自分の介護体験を生かしたい」と司法試験受験を決意した。合格後は「障害者の問題を扱いたい」と、法律事務所を回った。

 今は、知的障害者が公的介護サービス時間の拡大を求めた高松地裁訴訟の原告団メンバーを務める。裁判で声を上げないと、障害者の生活環境はよくならない。だが裁判は障害者にとって大きな負担だ。生の声を拾い、法律を駆使し、障害者が地域で自立して当たり前の暮らしができる手助けを続ける覚悟だ。<文と写真・岡村崇>

………………………………………………………………………………………………………

 ■人物略歴

 堺市生まれ。大阪大法学部卒。07年から和歌山市の法律事務所で勤務。趣味は各駅停車の列車での旅。」(全文)

 
 
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◆2012/09/16 「難病カルテ:患者たちのいま/56 筋萎縮性側索硬化症(ALS) /佐賀」
 『毎日新聞』

 「◇意思伝えられず3年 家族「一緒に暮らしたい」

 ベッドに横になった木塚岩美さん(71)=小城市三日月町=は目を閉じ、口を少し開けている。妻八重子さん(69)が「お父ちゃん、ほら、お客さんだよ!」。頬をさすりながら声をかけると、まぶたの筋肉がピクっと反応する。数秒かかってまぶたが上がった。眼球は動かない。口の周りの筋肉が波打つように震える。

 まぶたも自力で開けられない、閉じられない日がある。意思を伝えることができなくなって3年。何を感じ、思っているかは分からないが、八重子さんが頬を触って声をかけると、目を開けたり、顔の筋肉をわずかに震わせたりする。

 症状の前兆があったのは約15年前。数年後「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の確定診断が出た。呼吸障害が出ていたが、気管切開して呼吸器を着けるかどうかは家族で話し合った。長男は「孫の成長、見たくないの?」。次女智架子さん(41)は「お父ちゃんが生きたいと思うなら私は支える」。木塚さんは装着を選んだ。

 自宅へ戻ると、木塚さんは当時動いていた右手でメモ書きし、呼吸器を外すよう頻繁に求めるようになる。「外せ」「筋弛緩剤を打ってくれ」。すべてを頼らざるを得ない生活へのあえぎだった。

 八重子さんも「一緒に死のうとしたことは一度や二度ではない。今だから……言えるけど」と振り返る。当時は24時間ほぼ1人。ヘルパーや看護師を受け入れてからも、訪問のたび「部屋を片付けて、きちんとしなければ」という気疲れ、他人に任せるという「罪悪感」もあった。

 現在は夜間を智架子さんが担っていること、訪問支援も「割り切ってお任せする」ことができるようになった。「それと……申し訳ないけど、お父ちゃんが物言えなくなってから、自分のペースで世話できるから楽になりましたよね」

 呼吸器、胃ろうの管理、たん吸引。体温調整。八重子さんにとって木塚さんが寝るベッドの周りで過ごすことは日常だ。「私の愚痴もさんざん聞いてもらっているから」。八重子さんはそう笑い、智架子さんも「苦になっているのは、父ちゃんだけかも。でも私たちは、家族として普通に一緒に過ごそう、って思っているんです」

 「どう、感謝してるやろ」。八重子さんはおどける。「でも父ちゃんは、絶対にそういうこと言わん人やったからねえ。でも、こうなるなら、もっともっと話しておくべきだったね」とつぶやき、木塚さんの顔を見つめる。「でも、お父ちゃんがいてくれるだけでいい。こうして一緒にいるだけで、いい」。そう言って、木塚さんと額を合わせた。【蒔田備憲】

………………………………………………………………………………………………………

 ◇筋萎縮性側索硬化症(ALS)
 手足、のど、舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉などが徐々に弱まっていく。進行しても感覚や知能は問題はなく、木塚さんのように症状が進行し、まったくコミュニケーションを取れなくなる「トータリーロックドイン状態(TLS)」になることもある。医療費助成の対象になる特定疾患に指定されており、10年度の受給者数は8406人。」(全文)

 
 
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◆2012/09/19 「(地元TV)テレメンタリー2012「マイボイス」 生きる希望、言葉の尊厳【西部】」
 『朝日新聞』

 「(地元TV)テレメンタリー2012「マイボイス」 生きる希望、言葉の尊厳【西部】

 地元(ジモ)TV

 「声は一生の宝物」と話してくれたのは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)で声を失った大石美菜子さん(35)=写真手前。彼女は以前録音した声をパソコンに取り込み、「マイボイス」という音声再生ソフトを使って会話します。難病患者の生きる希望となった「マイボイス」は、長崎県佐世保市のコンピュータープログラマー吉村隆樹さん(47)が脳性まひを抱えながら開発しました。今、難病患者の声を残す取り組みが始まっています。声をあげて笑うこと、泣くこと、大切な人の声で名前を呼んでもらうこと。取材前の私は、声がいかにかけがえのないものかを見落としていました。声を失った難病患者にとって「話すこと」は「生きること」です。この装置で希望を見いだした患者の今と、言葉の尊厳に突き動かされ、その開発に情熱を注ぐ人々の姿を追います。
 (NCCディレクター 徳光真美)
     *
 KKB23日午前6時〜、QAB24日同2時〜、YAB25日同1時43分〜、NCC、OAB25日同1時55分〜、KAB26日同2時15分〜、KBC10月1日同2時40分〜

 ■テレビ朝日系列局制作の番組を紹介します」(全文)

 
 
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◆2012/09/27 「難病の少女を同じ目線で描く 松戸のALS患者舩後さん、絵本出版 /千葉県」
 『朝日新聞』

 「難病の少女を同じ目線で描く 松戸のALS患者舩後さん、絵本出版 /千葉県

 全身がまひする難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」患者の舩後(ふなご)靖彦さん(54)=松戸市=が、子どもの難病を題材にした絵本「三つ子になった雲」を出版した。絵本はALSと似た症状を発症する「異染性白質ジストロフィー(MLD)」で亡くなった実在の少女がモデルだ。

 絵本は、3歳の時にMLDを発症、16歳で亡くなった少女「セッちゃん」(実在モデルは別名)の闘病の様子や家族との交流を、8歳下の弟「ユウジ」の目を通してつづっていく。文章同様、ほのぼのとした温かさを感じさせる挿絵は舩後さんのめい金子礼さんが描いた。  舩後さんは出版に寄せたメッセージで「私はMLDを、激しく憎みます。それはMLDと似た症状を示すALSに、私自身が罹患(りかん)していて、MLDの子どもたちの苦しみが、焼けるようにわかるからです」とつづっている。「(MLD患者は)日本に十数人います。(中略)だから目立たず、治療の術も薬の開発も進まないという、MLDの子どもたちにとっての悲しみが現実としてある」と続ける。  会社員だった1999年にALSを発症した。全身まひのため、現在は人工呼吸器で呼吸し、食事は胃に通した管から摂取。歯でかむセンサーでコンピューターを操作して創作活動を続け、今回の絵本も書いた。
 出版は「自分と同じ苦しみに耐えている子どもたち」のために世論を盛り上げ、厚生労働省がMLD研究にさらに力を入れるよう訴えたいという強い願いから。7月下旬には直接訴えるため、刷り上がったばかりの絵本を持って厚労省を訪れた。9月15日には浦安市のホテルに知人らが集い、出版記念会も開かれた。
 絵本は1470円(税込み)。出版社は日本地域社会研究所(東京都杉並区、03・5397・1231)。

 【写真説明】
(上)出版記念会で参加者と交流する舩後靖彦さん(左手前)=浦安市の東京ディズニーランドホテル(下)舩後さんが難病の女の子をモデルに書いた「三つ子になった雲」」(全文)

 
 
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◆2012/09/27 「ニュースUP:追跡 告知ミス、防ぐために=奈良支局・千脇康平」
 『毎日新聞』

 「<おおさか発・プラスα 探求>

 ◇本人参加、多重チェック不可欠

 特定医療法人健生会「土庫(どんご)病院」(奈良県大和高田市、山西行造院長)で、ある男性患者が医師から胃がんを胃潰瘍と誤って告げられた。1年後に末期がんと判明、既に手遅れで、今年7月に亡くなった。病院はミスを認め謝罪したが、家族の心に残る深い傷は想像してあまりある。同じようなミスはどうしたら防げるのか、現場からリポートした。

 ■結果を取り違え

 早期治療の機会を奪われ、亡くなった男性は53歳だった。同県橿原市の建設業、石田政裕さんで、生前、「まだ死なれん」と全国の病院を調べて治療法を探していた。東京と奈良を往復しながら遺伝子治療などを受けた。

 病院や家族によると、石田さんのカルテには10年2月に別の病院で受けた胃カメラ検査の結果が挟んであった。この時は胃潰瘍との診断だった。同9月、土庫病院で改めて検査を受けたところ、胃がんとの結果が出たが、医師は別の病院の結果だけを見て胃潰瘍と思い込んでしまった。

 ミス発覚後、医師は家族に「(新たな)検査結果を見なかったことが一番の元凶」と説明。病院も今年7月4日の記者会見で「原因は検査結果と結果説明の多重チェックシステムの不備」と説明した。

 ■相談員が橋渡し

 医療ミスや事故を防ごうと、患者と家族の立場に沿った医療体制の確立を目指す取り組みが進んでいる。

 阪南中央病院(大阪府松原市)の患者情報室「とまり木」もその一例だろう。相談員を務める北田淳子さんは04年に筋萎縮性側索硬化症(ALS)の夫を亡くした。同病院に入院中、人工呼吸器の管が外れかけていることに病院側が気付かず、低酸素脳症になったことが原因だった。

 「事故を風化させたくない」との病院側の要請を受けて、06年に相談員になった。患者から相談や苦情に応じて病院の各部署につなぎ、患者の橋渡し役を担っている。

 北田さんと緊密に連絡を取り合う医療安全管理部の森久美子部長(薬剤師)は「患者の視点で指摘され、ハッとさせられることがある」と言う。実際、資料に使う写真の間違いなど、誰も気付いていないことを北田さんが見つけたケースもあった。医療従事者とは違う視点が加わることで、ミスなどが発見しやすくなっている。

 ■気兼ねなく話せる

 阪南中央病院は入院中のカルテを希望者に開示し、外来の予約票に自由記述欄を設けている。こうして医師に直接聞きにくい疑問を書けるようにするなど、患者が治療に参加できる体制を整備した。北田さんはこう話す。「小さなことを気兼ねなく話せたら大きなことも言いやすく、重大な事態になる前に手が打てる。ミスはゼロになってほしいが残念ながらゼロにならない。ゼロに向け改善を重ねることが大事です」

 土庫病院の告知ミスについて、医療事故訴訟を300件以上担当してきた石川寛俊弁護士(大阪弁護士会)は「医療事故を防ぐ一番の方法は患者の協力を得ることだ」と指摘する。

 同病院も「病院全体で患者に検査結果を確実に返すシステム」を検討してきた。胃カメラ検査については、患者が検査結果を聞きに来たか、患者にすべき説明をしているかを確認。更に渡した予約確認票を基に患者からも検査結果を尋ねてもらい、検査後3カ月間未受診の患者を対象に「受診案内」を出すなど、多方面からのチェック体制を今月から実施している。

 佐渡英一事務長は「取り返しはつかないが、二度と起こらないようにすることがこれからの自分たちの責任だ」と語った。

 ■「情報共有を」

 「今回のようなミスは、どこの病院でも起こりうる問題で、現場の注意喚起だけでは防げない。電子カルテなどを駆使した情報を共有するシステムの構築が必要だ」。名古屋大医学部付属病院医療の質・安全管理部の長尾能雅教授はそう話す。

 対策として、報告書に医師が患者に説明したかのチェック欄を設け、入っていなければ主治医にフィードバックする。そのうえで患者と報告書を共有し、患者のチェック欄も設けることなどを提案した。腫瘍が悪性かどうかなど重要な情報を発信する病理の専門家らが医療安全の専門家と連携する必要性にも触れた。「このような事故を防ぐための指針などを策定し、広く警鐘を鳴らさねばならない」

 医師から末期がんで余命1年と告知された石田さんは、生前「いつ死ぬか分からない恐怖がいつもある。死刑囚と一緒やな」と私に明かした。「でも僕、何も悪いことしてへん」。大切な家族を養うため必死に働いた。寝るまで全員が居間で過ごすほど仲が良かった。

 ミスは本人だけでなく、家族の人生まで奪ったも同然だと私は考える。医療機関には常に命と向き合っているという当たり前のことを忘れてほしくはない。そうした姿勢がミス防止につながると思う。

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 ご意見、ご感想をお寄せください。
 毎日新聞「プラスα面探求」係
〒530−8251(住所不要)
ファクス(06・6346・8204)
o.talk−news@mainichi.co.jp」(全文)

 
 
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◆2012/09/28 「イベント情報 /島根県」
 『朝日新聞』

 「イベント情報 /島根県

 <音楽>
 ◆コラコンサート 28日19時半、松江市北殿町のパン屋カレ。フランスの音楽家「STRANDED HORSE」が西アフリカの弦楽器コラを演奏する。1千円。熊谷さん(080・1635・1364)。

 ◆お月見コンサートれきはく観月会 30日18時半〜20時、出雲市大社町の県立古代出雲歴史博物館(0853・53・8600)。敷地内の風土記の庭で歌手の遊佐未森さんのライブ、団子やお茶の振る舞いもある。無料。

 <会と催し>
 ◆クリーニングなんでも相談 「クリーニングの日」の29日の13時半〜16時半、松江市大庭町のサンライフ松江。県クリーニング生活衛生同業組合松江支部が昨年に続き2度目の開催。問題がある衣服や染みのとり方の相談に乗り、セーターの洗い方やカッターシャツのアイロンのかけ方を実演する。抽選で洗剤、染み抜き剤をプレゼント。無料。大成さん(0852・22・2519)。

 ◆へるんさんの幻灯会 29日18時半〜20時半、松江市北堀町の武家屋敷。開催中の松江水燈路(すいとうろ)に合わせ、市民や児童が小泉八雲ゆかりの場所で撮影した写真を、スクリーンに映して楽しむ。八雲が生きた時代の流行音楽「ラグタイム」もアナログレコードで楽しめる。無料。松江ツーリズム研究会(0852・23・5470)。

 ◆第7回美しいこころはきれいな街から 宍道湖清掃 30日7時、松江市末次町の市役所駐車場に集合し、県立美術館まで宍道湖周辺を掃除する。フェイスブックページ(http://www.facebook.com/utsukoko/)で、市民が子どもや家族連れ向けに呼びかけている清掃活動で、ごみは参加者が持ち帰る。自治体指定のごみ袋と手袋、火ばさみを持参。石田さん(090・7970・4405)。

 ◆民間放送教育協会の松江大会「いのちと家族の絆」 10月6日13時、松江市殿町の県民会館中ホール。戦場カメラマン・渡部陽一さんが「世界からのメッセージ 命と愛と絆」と題して記念講演。ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者で山陰放送部長の谷田人司さん、自死遺族自助グループ「しまね分かち合いの会・虹」代表の桑原正好(しょうこ)さん、臨床心理士で月照寺僧侶の土江正司さんらによるシンポジウム「いのちと絆」がある。無料。民教協中部・北陸・関西・中国地区研究協議会松江大会事務局(0859・33・8375)。

 ◆なまらだんだん落語会 10月6日18時、松江市千鳥町の市総合福祉センター(0852・24・1643)。松江南高校落語研究会OBで、県の「遣島使(けんとうし)」の笑生十八番さんが、出雲と活動の場の北海道との縁結び、感謝の気持ちを込めて開く。1千円。5日は18時、奥出雲町の玉峰山荘(0854・57・0800)、無料。

 ◆しまね食育まつり 10月7日9時半〜14時半、益田市高津7丁目の益田青果市場。野菜料理の試食や手で触れた感触で食材を当てるクイズ、手洗いやフッ素を使ったうがいの体験コーナーなどがある。県健康推進課(0852・22・5328)。

 ◆銀の國ぐるめまつり 10月13、14日10〜16時、大田市大森町の石見銀山公園周辺。石見銀山遺跡の世界遺産登録5周年を記念し、海鮮焼きそばや焼き鳥など地元の食材を生かした料理や郷土料理の店が約20店並び、石見神楽などのステージもある。大田商工会議所(0854・82・0765)。

 <講座・講演>
 ◆「日本古代の石神信仰」 29日13時半、出雲市斐川町神庭の荒神谷博物館(0853・72・9044)。椙山林継・国学院大名誉教授が講演。出雲市坂浦町の巨岩「立石さん」の調査報告もある。資料代200円。

 <募集>
 ◆ハマグリ貝アート展の作品 貝殻に絵を描いた作品を募る。貝殻はNPO法人アンダンテ21(0856・24・8661)が用意する。送料は各自負担で、1点300円(保全活動への募金)の出品料を払う。1人3点まで。優秀作には図書券などを贈る。10月31日締め切り。」(全文)

 
 
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◆2012/09/28 「遊ぶ・楽しむ /広島県」
 『朝日新聞』

 「遊ぶ・楽しむ /広島県

 <集う>
 ◆せとだ観月会 29日17時、尾道市瀬戸田町宮原の南小学校付近。地元の小中学生が作ったキャンドルライト約1200個に明かりがともされ、合唱や太鼓、サックス、チェロなどの無料演奏がある=写真は過去の光景。先着千人に月見団子も振る舞われる。煎茶は200円。焼きそばやうどんの夜店も出る。問い合わせは実行委(0845・27・2210)。

 ◆三景園 観月会・夜間開園 29〜30日、三原市本郷町善入寺の三景園(0848・86・9200)。両日18〜20時半、庭園と月を眺められる。音楽演奏もある。入場300円(小中学生100円、幼児は無料)。飲み物付き700円。おにぎりや豚汁などの販売もある。

 ◆第26回かんなべ福祉まつり 30日9時半、福山市神辺町川北の神辺文化会館。横山ホットブラザーズの音曲漫才(午前中のみ)、仮面ライダーオーズとのクイズ・撮影会、テレビなどが当たるビンゴゲーム(200円)、脳年齢や体脂肪、骨密度の測定など。無料。問い合わせは市社会福祉協議会(084・963・3366)。

 ◆昭和の学校給食祭 10月6〜8日の11時〜15時、神石高原町井関の学校食堂(旧井関小学校)。コッペパン、鯨竜田揚げ、カレーシチュー、脱脂粉乳など、昔懐かしい給食メニューが900〜1300円。テーブルは当時の机。問い合わせは学校食堂(0847・85・3642)。

 <文芸誌から>
 ◆砂文字9月号 山崎尚美さんの自選作品15首は「メド・セージ成熟したる女とはこんな香りか庭に咲き満つ」「諦めてあきらめながら女にとなる合歓の花ほほ紅の色」など。池田友幸代表は「草ダニに噛まれしあとのいまいまし矢柄(やがら)責めとう責め具もありぬ」「橋渡り二輛連結の電車来る仁淀川の朝をほがらに」など9首。500円。砂文字短歌会(0845・22・4337)。

 <学ぶ>
 ◆今、福山の「在宅療養」について考える 29日13時、福山市三吉町南2丁目の福山すこやかセンター1階多目的ホール。まるやまホームクリニックの丸山典良院長を講師に招き、「難病患者の在宅療養の現状 障害を持っての在宅療養」と題した基調講演の後、難病患者や医療関係者が在宅療養の現状と問題点をテーマにパネルディスカッションをする。無料。問い合わせは日本ALS(筋萎縮性側索硬化症)協会広島県支部運営委員の堀内さん(084・955・5441)。

 ◆講演会「周恩来総理と岡崎嘉平太先生」 10月1日18時半、福山市丸之内1丁目の福山大宮地茂記念館9階。元日中覚書貿易事務所駐北京事務所代表で福山大名誉教授の大久保勲さん(76)が、周首相や岡崎氏らの日中国交正常化にかけた思いや当時の様子を語る。無料。問い合わせは同大孔子学院(084・924・4555)。

 ◆ハートフルステージ2012 口演会「無縁社会」を「つながる社会」に 10月3日19時半、福山市曙5丁目の市立曙小学校体育館。「おおいた観光特使」を務める矢野大和さんを講師に招き、地域で暮らす人が、個性を尊重しながら協力しあえる「つながる社会」を目指すために、どんなことが大切か楽しみながら考える。手話通訳と要約筆記もある。無料。問い合わせは中部生涯学習センター(084・932・7265)。

 ◆ビジネス講座「商売で使えるfacebook」 10月4日10〜17時、府中市元町の府中商工会議所。コンサルティング会社社長の加藤忠宏さんがフェイスブックをビジネスに有効活用するノウハウを解説する。テキスト代込みで2千円。会議所会員対象。申し込みは同会議所(0847・45・8200)。

 ◆みどり福山公開学習会「多文化共生で虹色まちづくり」 10月5日19時、福山市今津町3丁目のさんらいずショッピングセンター内「リトルウイング珈琲」。多種多様なバックボーンを持つ人々が共に暮らすためにどんなことが必要か、長年このテーマで活動する岡山市議の鬼木のぞみさんとNPO法人e&g研究所代表の村田民雄さんを招き、トークライブを通じて考える。参加費は500円(ワンドリンク付き)。問い合わせはみどり福山(090・9115・3317)。

 <見る>
 ◆空田(そらた)真也 心象画展 10月2日〜7日、福山市東町1丁目のギャラリースペース・甦謳る(そうる)(084・973・0733)。福山市在住の若手画家、空田さんの初個展。「唯一分け与えれる物」=写真=など現代の若者が抱えるネガティブな面をキャンバスにぶつけた作品、約10点を展示即売する。

 ◆楽しんで絵手紙15年展 10月4日〜24日、福山市三吉町南2丁目の福山すこやかセンター1階。障害のある人や健常者、お年寄りらでつくる「絵手紙を楽しむ会」の15周年を記念する作品展。同会の77人が描いた、身近な花や野菜、果物などを描いた絵手紙=写真=約395点を展示する。無料。問い合わせは同会代表の池本さん(084・947・5996)。」(全文)

 
 
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◆2012/09/29 「難病で逝った少女 童話に 全身まひと闘い 苦しみ伝える=千葉」
 『読売新聞』

 「◆松戸の舩後さん
 難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)と闘う松戸市の舩後靖彦さん(54)が、同じく難病で亡くなった実在の少女をモデルにした童話「三つ子になった雲」を出版した。全身まひのため、口でセンサーを操ってパソコンに文字を入力しながら、約半年間かけて書き上げた。舩後さんは「難病に苦しむ子どもたちの現実を多くの人に知ってもらいたい」と訴えている。(松本勲)
 舩後さんは大学卒業後、都内の商社に就職。営業や宣伝を担当していたが、働き盛りの41歳の時にALSを発症。まひは腕から全身に広がり、43歳で寝たきりの状態となった。
 現在は松戸市の自宅で療養しながら、わずかに動く歯でパソコンに接続したセンサーをかんで文字を入力。詩や小説の創作を続けている。また、障害者の立場から、地元の介護サービス事業者の役員として経営やサービスの助言を行っている。
 作品の主人公「セッちゃん」のモデルは、舩後さんが会社員時代に顧客だった時計小売会社社長の孫娘。子どもの難病である異染性白質ジストロフィー(MLD)にかかり、4年ほど前に16歳で亡くなった。
 MLDの子どもたちの命を救いたいという強い気持ちを抱いていた舩後さんは、今春のある日、ラジオで読み聞かせの温かい声を耳にした。母親のひざに抱かれた少年時代を思い出した。「人に何かを伝えるには、心にぬくもりを与えることが大切」と、童話の執筆を思い立った。
 作品には、3歳でMLDを発症したセッちゃんが、病状が進行する中、大きな家族愛に包まれて生きる姿が描かれている。透明感あふれるタッチの挿絵は、舩後さんのめいで挿絵画家の金子礼(あや)さん(27)が手がけた。
 セッちゃんが亡くなった後、8歳下の弟「ユウくん」が国へ訴える「お願い」には、舩後さんの作品への思いが込められている。
     ◎
 治らない病気の子どもたちは、とってもとっても悲しんでいます。その子たちも、自分の子どもと思ってください。(中略)今よりもっとたくさんの大学病院や大病院に、その治療法の研究と開発を頼んでください。おねがいします。
     ◎
 「三つ子になった雲」はA5判40ページ、1400円(税別)。問い合わせは発行元の日本地域社会研究所(03・5397・1231)。
 
 写真=(上)歯でセンサーを操り、パソコンに文字を入力する舩後さん(下)実在の少女をモデルにした「三つ子になった雲」」(全文)


*作成:長谷川 唯
UP:20130411 REV:
ALS
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