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ALS・2011年10月〜12月の報道等

ALS 2011 (English)
ALS


last update:20111110

 *以下、寄せられた情報を掲載。webmaster@arsvi.comまで情報をいただければ掲載いたします。

  ◆ALS・2011
 
新聞記事見出し
◆2011/10/02 「iPS、目の臨床研究へ――再生医療の好条件そろう」
 『日本経済新聞』
◆2011/10/04 「介護の提供巡り、大阪高裁へ即時抗告 和歌山市 【大阪】 」
 『朝日新聞』
◆2011/10/04 「ALS介護訴訟:和歌山市「仮の義務付け不必要」 地裁決定に即時抗告 /和歌山 」
 『毎日新聞』
◆2011/10/05 「ALS介護訴訟、原告も即時抗告 和歌山市 /和歌山県」
 『朝日新聞』
◆2011/10/05 「ALS介護訴訟:24時間介護要求 男性、高裁へ即時抗告 /和歌山」
 『毎日新聞』
◆2011/10/05 「ALS介護訴訟 和歌山市が抗告=和歌山」
 『読売新聞』
◆2011/10/6 「ALS訴訟、原告男性も抗告 和歌山?」
 『MSN産経ニュース』
http://sankei.jp.msn.com/region/news/111006/wky11100602330004-n1.htm
◆2011/10/07 「板野の長尾さん、難病と闘い制作 徳島市、絵画57点を展示?」
 『徳島新聞』
http://www.topics.or.jp/localNews/news/2011/10/2011_131796636932.html
◆2011/10/08 「解散した「TOTO」来日公演を敢行したワケ?」
 『livedoorニュース』
http://news.livedoor.com/article/detail/5923061/
◆2011/10/08 「寝たきり患者やお年寄りの結石、手術「あきらめないで」 鳥取市立病院 /鳥取県 」
 『朝日新聞』
◆2011/10/08 「さあこれからだ:/14 人との出会いが命綱=鎌田實」
 『毎日新聞』
◆2011/10/13 「右足にあふれる創作熱 ALS患者長尾さん、恒例の個展 徳島のギャラリー /徳島県?」
 『朝日新聞』
http://mytown.asahi.com/tokushima/news.php?k_id=37000001110130001
◆2011/10/19 「難病女性イルカと触れ合う 念願の沖縄旅行?」
 『沖縄タイムス』
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-10-19_24915/
◆2011/10/28 「第82回都市対抗野球:チームの雄姿、生きる力 JR東海OB伊藤さん、難病押し応援」
 『毎日新聞』

催しもの、その他
◆2011/10/27 「長崎情報 /長崎県 <講座・講演>逝かない身体―ALS的日常を生きる」
 『朝日新聞』
 ●逝かない身体―ALS的日常を生きる 29日[後]2時半〜4時半、長崎市坂本の長崎大病院1階第3講義室。大宅壮一ノンフィクション賞の作家川口有美子さんが語る。無料。電話で事前申し込みが必要(当日参加も可)。電話県保険医協会(095・825・3829)。


 
 
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◆2011/10/02 「iPS、目の臨床研究へ――再生医療の好条件そろう」
 『日本経済新聞』
「 3〜5日のノーベル賞受賞者発表で注目を集める一人が京都大学の山中伸弥教授。研究成果である新型万能細胞(iPS細胞)は体のさまざまな細胞になるため、臓器の一部などを再生して移植する夢の治療に道を開くと期待されている。安全性の確認は必要だが、細胞の移植がしやすい目では臨床研究も視野に入ってきた。
 目の血管が異常に増えて網膜の細胞などを傷つけ、視力が低下し、視野の真ん中が見えなくなる。加齢黄斑変性は失明の原因にもなる病気で、対症療法となる薬しかない。  ところがここにきて根本的な治療の実現へ理化学研究所(神戸市)の高橋政代チームリーダーらが名乗りを上げた。iPS細胞を使った臨床研究を2013年度にも実施する計画だ。
 治療の手順はこうだ。患者の皮膚細胞などに複数の遺伝子を入れてiPS細胞を作る。これを網膜色素上皮細胞に育てる。細胞で数ミリ四方のシートを作り、患者の傷ついた細胞と置き換える。対象の患者は視力0・1以下。最初は5〜6人から試す。
 iPS細胞は体の様々な細胞になるので、傷んだ患部を治す再生医療が実現すると多くの患者が期待する。ただiPS細胞になり損ねたりほかの細胞になったりするときにがん細胞ができる恐れがある。他人の体から作ったiPS細胞を移植すると拒絶反応が起きるともいわれる。がん化や拒絶反応のリスクが再生医療をためらわせる。
 目は好条件がそろう。がんができにくく、経過が観察しやすい。仮にがんができてもレーザーで焼いて取り除ける。移植に必要な細胞数も少なく患者の細胞だけで作れるため、その分、拒絶反応もなくリスクは小さくなる。高橋チームリーダーは「まずは移植に必要な細胞の質と量の確保。次が安全性」と戦略を語る。
 治療効果は分かっている。最初の臨床研究は視力0・1程度にしかならないが0・2以上あれば0・7以上に回復する見込み。高橋チームリーダーは「安全性がわかれば治療対象は広がり、さらなる治療につながる」と力を込める。
 米国ではベンチャー企業主導で、iPS細胞と同様に色々な細胞に育つ胚性幹細胞(ES細胞)から作った細胞を目に移植し、加齢黄斑変性を治療する臨床試験が進む。ES細胞は受精卵を壊して作る。研究は、規制が厳しい日本よりも米国が先んじるが、理研のチームもES細胞から視細胞を作り、遺伝病の網膜色素変性症を治そうとしている。京大の山中教授は「移植する細胞の安全性が確認しやすく、移植する細胞数の少ない治療例から臨床応用が始まる」と話す。
 一方、目よりも難しい条件の治療にiPS細胞で挑む研究もある。脊髄損傷の臨床応用を目指すのは慶応大学だ。
 神経を元通りにするこの治療には多くの細胞が要る。すぐに治療しないと効果が期待できないため、あらかじめ細胞を用意しておかなければならない。そこで必要になるのが「iPS細胞バンク」。拒絶反応の出にくいiPS細胞を白血球の型「HLA」から調べて蓄えておく。患者が出たら、すぐに必要な量の細胞を作り移植する。京大はバンク設立に向けて、多くの日本人に合う細胞を探している。
 脊髄損傷の治療は慎重にならざるを得ない。移植後は体の中を開かないと細胞の確認や処置がしにくい。またパーキンソン病や心臓病、ALS(筋萎縮性側索硬化症)なども再生医療が期待されるが、ほとんどが基礎研究の段階。十分な品質の細胞はできていない。
 iPS細胞は、再生医療での応用を将来の目標に掲げながら、新薬の開発現場ではすでに利用が始まっている。治療薬のない難病の患者の細胞からiPS細胞を作り、病気の症状を再現。病気の細胞に効く薬を探し、患者の治療に役立てる。「(iPS細胞は)創薬研究の道具として有用」(山中教授)。アルツハイマー病の再現などさまざまな報告が相次ぐ。国内外の企業が創薬向けのiPS細胞を事業化している。
 日本発のiPS細胞が再生医療と創薬支援の両面で大きく羽ばたけるのか、これからが正念場だ。(松田省吾)」(全文)
 
 
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◆2011/10/4 「介護の提供巡り、大阪高裁へ即時抗告 和歌山市 【大阪】 」
 『朝日新聞』
「 難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者に対する公的介護サービスの提供時間をめぐる訴訟で、和歌山市は、1日あたり20時間の介護を提供するよう仮の義務づけをした和歌山地裁決定を不服として、3日付で大阪高裁に即時抗告した。
 同市に住むALSの男性患者(75)が、公的介護サービスの提供時間を市が1日約12時間と決めたのは不当だとして昨年9月に提訴した。今年9月26日の地裁決定は「男性患者の生命や身体に重大な危険が生じる可能性がある」としたが、市の代理人弁護士は取材に対し「男性患者には緊急性がない」と話した。大橋建一市長は4日、「全国の自治体への影響も考慮し、高裁の判断を仰ぐことにした」とコメントを出した。」(全文)
 
 
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◆2011/10/04 「ALS介護訴訟:和歌山市「仮の義務付け不必要」 地裁決定に即時抗告 /和歌山 」
 『毎日新聞』
「 ◇サービス増、地裁決定に  難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患う和歌山市の男性が、同市に24時間の介護サービスを求めている訴訟で、現行の1日約12時間のサービスを20時間に増やすよう仮の義務付けを命じた和歌山地裁決定に対し、和歌山市は3日、大阪高裁へ即時抗告した。抗告の理由として「仮の義務付けの必要性はない」としている。
 訴えによると、市は障害者自立支援法に基づき1日当たり約8時間(月268時間)の介護を公費負担。介護保険分を加え1日約12時間の介護を受けているが、原告側は24時間介護が必要であることは明らかとしている。【岡村崇】」(全文)
 
 
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◆2011/10/5 「ALS介護訴訟、原告も即時抗告 和歌山市 /和歌山県」
 『朝日新聞』
「 難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者に対する公的介護サービスの提供時間をめぐる訴訟で、和歌山市に住むALS患者の男性原告(75)が4日、1日あたり20時間の介護を提供するよう仮の義務づけをした和歌山地裁決定を不服として、大阪高裁に即時抗告した。市側は3日付で即時抗告している。
 原告側の代理弁護士は、「地裁の決定は画期的だが、市側が抗告した以上は高裁で24時間介護の必要性を訴えていく」と話した。
 9月26日の地裁決定は「男性患者の生命や身体に重大な危険が生じる可能性がある」としていた。公的介護サービスの提供時間をめぐって自治体に仮の義務づけが出されたのは全国初だった。」(全文)
 
 
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◆2011/10/05 「ALS介護訴訟:24時間介護要求 男性、高裁へ即時抗告 /和歌山」
 『毎日新聞』
「 難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患う和歌山市の男性が、同市に24時間の介護サービスを求めている訴訟で、現行の1日約12時間のサービスを20時間に増やすよう仮の義務付けを命じた和歌山地裁決定に対し、男性が4日、大阪高裁へ即時抗告した。和歌山市も即時抗告している。原告側は「24時間介護を求めたい」としている。
 一方、和歌山市の大橋建一市長は「決定が全国自治体に与える影響を考慮した。高裁の判断をあおぎたい」とコメントを出した。【岡村崇】」(全文)
 
 
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◆2011/10/05 「ALS介護訴訟 和歌山市が抗告=和歌山」
 『読売新聞』
「 和歌山市に住む筋萎縮性側索硬化症(ALS)の70歳代男性が、障害者自立支援法に基づき1日24時間の介護サービスを同市に求めている訴訟で、1日16・5時間の介護サービスを行うよう仮に義務付けを命じた地裁の決定を不服として、和歌山市は3日付で、「他の市町村にも大きな影響を与えるため、再度判断を仰ぎたい」として、大阪高裁へ即時抗告した。男性も4日付で、24時間介護を求めて、即時抗告した。」(全文)
 
 
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◆2011/10/6 「ALS訴訟、原告男性も抗告 和歌山?」
 『MSN産経ニュース』
http://sankei.jp.msn.com/region/news/111006/wky11100602330004-n1.htm
「 筋萎縮(いしゅく)性側索(そくさく)硬化症(ALS)の和歌山市の70代の男性患者が市に24時間の介護サービスを求めている訴訟で、男性は5日までに、1日20時間に増やすよう和歌山地裁が出した仮の義務付け決定について、大阪高裁に即時抗告した。市側の抗告を受けて決めた。原告側代理人の長岡健太郎弁護士は「地裁決定は画期的とは思う。しかし、市側が抗告したからには、原告、家族の負担を少なくするためにも、高裁で24時間介護の必要性を主張していきたい」と話した。」(全文)
 
 
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◆2011/10/07 「板野の長尾さん、難病と闘い制作 徳島市、絵画57点を展示?」
 『徳島新聞』
http://www.topics.or.jp/localNews/news/2011/10/2011_131796636932.html
「 全身の筋肉がまひする難病・筋萎縮性側索硬化症(ALS)と闘いながら絵を描き続ける長尾義明さん(63)=板野町中久保=の作品展が、徳島市仲之町3の喫茶店「小さな夢ギャラリー アンデルセン」で開かれている。14日まで。
 わずかに動く親指でパソコンを操作して描いた風景画や抽象画57点を展示。今の季節に合わせ、紅葉に染まる京都や奈良の寺社を描いた作品が多い。最近挑戦を始めたという幾何学模様の抽象画も並び、訪れた人の目を引いている。
 鑑賞していた村上安正さん(72)=同市八万町内浜、無職=は「素晴らしい作品ばかり」と感心していた。
【写真説明】長尾さんの作品を鑑賞する来場者=徳島市仲之町3の喫茶店「小さな夢ギャラリー アンデルセン」」(全文)
 
 
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◆2011/10/08 「解散した「TOTO」来日公演を敢行したワケ?」
 『livedoorニュース』
http://news.livedoor.com/article/detail/5923061/
「【ライブなう】2008年に解散した米ロックバンド、TOTOが盟友のベーシスト、マイク・ポーカロ闘病支援のため日本でツアーを敢行した。9月29日パシフィコ横浜での最終公演を観た。
 マイクは07年に筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症。メンバーは復帰を待ったが叶わなかった。これが解散の引き金にもなった。だが、再び闘病支援のため立ち上がり、マイクの弟でキーボード担当の元メンバー、スティーヴ・ポーカロもバンドに加わり、彼にとっては25年ぶりの来日となった。
 冒頭のインスト曲「チャイルズ・アンセム」から全開。踊りながら弾くスティーヴ・ポーカロのスペイシーなシンセ音から、エッジの利いたスティーヴ・ルカサーのギターへの連係プレーや、ジャジーなデヴィッド・ペイチとのツインキーボードが圧巻。ゴージャスな音の空間が広がる。
 「パメラ」「アフリカ」「ロザーナ」…80年代がよみがえる。
 そういえば、この日は、やらなかったがTOTOの名曲「99」が使われた邦画があった。田中康夫(現・衆院議員)の小説「なんとなく、クリスタル」を原作として1981年に制作された同タイトルの映画だ。
 東国原英夫元宮崎県知事の前夫人(ややこしいな〜)でもある女優、かとうかずこが初ヌードを披露したバブリーでナンパな若者の物語であった。この映画、もう一度見たいのだが、一度もビデオやDVDにはなっていない。TOTOのほか、ポール・デイヴィスの「アイ・ゴー・クレイジー」など、当時AORと呼ばれた音質重視の大人の洋楽がふんだんに使われている。そのため、著作権料が膨大になり映像化できないらしい。
 話が横道にそれた。
 TOTOのライブはアンコールの「ホールド・ザ・ライン」の大合唱でジ・エンド。もっとも、バンドはまだまだヤル気があるという噂もある。ぜひ、また来日して耳だけでもゴージャスな雰囲気に浸りたい。
 ■中本裕己 夕刊フジ芸能デスク。昨年の“目劇”数はコンサート110本、映画33本、落語会12本、舞台11本。まだまだ修業が足りない。」(全文)
 
 
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◆2011/10/08 「寝たきり患者やお年寄りの結石、手術「あきらめないで」 鳥取市立病院 /鳥取県 」
 『朝日新聞』
「 鳥取市立病院(鳥取市的場1丁目)泌尿器科部長の市川孝治医師(48)が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)など、重篤な寝たきり患者や高齢者にも受けられる尿路結石の摘出手術の普及に取り組んでいる。
 尿路結石は、腎臓で作られた結石が尿管や膀胱(ぼうこう)などにたまる病気。通常は尿と一緒に体の外に排出されるが、石が大きいと体の外から衝撃波を当てて、結石を粉々にしたあとに体外に排出する治療が一般的となっている。
 ただ、この手法は日常の生活の中で、歩いたり動き回ったりして、振動や重力で自然と排出できる人に限られていた。寝たきりの患者や高齢者は、石を砕いても外に排出されず体内に沈殿するばかり。しかも、結石には細菌が付着していることも多く、細かく砕いてしまうと菌が全身に回りかねないため、手術を控えることも多かったという。  背中に小さな穴を開けて、そこから入れた内視鏡を使って石を取る手法もあるが、全身麻酔が必要など体への負担も大きく、寝たきりの患者や高齢者には負担がかかりすぎるものだった。
 また、結石は激しい痛みを伴う病気としても知られている。寝たきり患者も一緒で、痛みを注射でごまかすことしかできない。根本的な治療も施せないため腎臓機能は低下していくばかりで、あとは「寿命」とあきらめざるを得なかったという。
 しかし、ここ数年の医療機器の進歩で、これまでの物より細くて軟性度の高い内視鏡が開発された。これを使うと、たどり着けなかった曲がりくねったところや尿管、腎臓の中まで届くようになったという。さらに結石に直接レーザーを当てて砕くことが出来るようになり、そのまま砕いた石を取り出せる技術も確立された。体への負担も軽減され、入院期間の短縮にもつながったとされる。
 市川さんはこの機器を寝たきりの患者らにも応用。これまでにALSで寝たきりとなった鳥取市内の50代男性や、脳梗塞(こうそく)を患った男性など40例の摘出手術を施し、その経験を学会などで紹介している。
 市川さんは「体が不自由な人でも負担が少ないので治療できる。これまで尿路結石であきらめていた人も、気軽に受けられるようにほかの病院にも広めていきたい」と話している。(宋潤敏)
 【写真説明】結石の摘出手術を受けたALSの50代男性を往診する市川孝治医師。術後の経過も順調だ=鳥取市」(全文)
 
 
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◆2011/10/08 「さあこれからだ:/14 人との出会いが命綱=鎌田實」
 『毎日新聞』
「 ぼくが代表をしているJIM―NET(日本イラク医療支援ネットワーク)は、宮城県石巻市の河北地区に看護師を送り込み、在宅ケアを支援したり、家族や家を失った1人暮らし男性の仮設住宅での孤独化予防事業を行ったりしている。地元の特別養護老人ホーム仁風園とデイサービスセンターには日ごろからお世話になっているため、スタッフがごあいさつに行った。
 そこで、あるご夫婦に会った。石巻市のなかでも被害が大きかった雄勝地区に住んでいた。3月11日、寝たきりに近い状態のおじいちゃんは、自宅で午後2時から入浴サービスを受けていた。入浴が終わった午後2時46分、あの大地震が起きた。
 入浴サービスのスタッフ3人は自分たちだけで逃げなかった。風呂上がりのおじいちゃんとおばあちゃんを入浴車に乗せ、家を出た。念のためだった。高台のほうへと急いだ。山際のトンネルの入り口で振り返ると、雄勝の町が灰色の津波にのみ込まれていた。入浴サービスのおかげで命拾いしたとおばあちゃんは言った。町の被害は大きかった。町の病院は院長をはじめ、職員も患者もほとんどが波に命を奪われた。
 スタッフの適切な気配りが、2人の命を救った。夫婦は公民館や避難所を転々とした後、現在は仁風園の福祉施設で暮らしている。  「私たちには子どももおらず、家も家財も失ってしまいました。こうやって今もおじいさんと2人で暮らすことができるのは、人のぬくもりのお陰です。私たち夫婦は本当に幸せです」
 おばあちゃんは涙を浮かべた。津波で、ここ石巻では多くのものを失った。けれど、ご夫婦の話を聞いていると、失っただけではないのではないかと思えてきた。雄勝で1人でお店をやっていたおばあちゃんもこの施設に入所していた。近所の床屋さんが声をかけて救出してくれたという。地域の絆が深い。  この施設にショートステイしている車椅子の女性Yさんがいた。うなだれている。ぼうぜんとしている。声をかけるのもはばかられる感じだ。JIM―NETの川添看護師、重岡看護師が在宅ケアで支えていた。見かねて連れてきたのだが、暗かった。
 雄勝で家を流され、必死でガレキ撤去をしていた。徐々に体が動かしづらくなってきた。被災後3カ月たって、病院に行った。病院でALS、筋萎縮性側索硬化症と診断された。青天のへきれきである。Yさんのご主人は遠洋漁業の船に乗っている漁師。やさしくて理解がある。すぐに決断。流された家の代わりにバリアフリーの家を建て始めた。しかし、海へ出て行って、しばらく帰って来ない。妻の病気への不安は募っていた。
 鎌田實と東北へ行く障害者の250人のツアーが9月27日から2泊3日で予定されていた。日本三景の松島。障害者が旅行したり、露天風呂に入ったりする姿を見れば、元気が出るのではとひらめいた。この患者さんを招待することにした。
 第1夜の夕食パーティーで全員に声をかけ、希望の方と記念写真を撮って回っていた。最後の最後だった。2本のつえで体をささえてやっと立っている女性が声をかけてきた。ALSの患者だと言う。発症して2年。精神科の52歳の女医さんだった。ぼくはYさんの精神的サポートをお願いした。翌日、松島の遊覧船に一緒に乗り、おしゃべりをしたり、食事をとってもらったりした。Yさんとドクターは息が合った。
 ぼくの講演を聴き、声楽家の大村みのりさんとみんなで童謡・唱歌を1時間ほど歌いまくった。いわきスパリゾートハワイアンズの有名なフラガールが合流し、ボランティアでフラダンスをみせてくれた。一番うれしそうだったのは、かぶりつきで見ていた車椅子のおじいちゃんたちだ。Yさんも楽しかったようだ。  ひょんなことからALSの患者とドクターの絆が結ばれた。Yさんがにこにこし出した。病気を理解し、病気を受け入れ、前を向き始めたのである。もともとカラオケ大好きの元気なおばさん。その元気を取り戻しそうな勢いである。
 ALSのドクターもめちゃくちゃいい笑顔をしている。彼女にとっても、言うに言われぬつらさがあったはずである。受容できない患者さんを支えるというケアをしながら、彼女自身の存在している意味が、見えてきたのではないかと思えた。支える人が突然、支えられたりする。一筋縄ではない複雑にからまった縄は強くて魅力的だ。きれいな一筋の縄よりも、デコボコした武骨な縄は強い。人生なんて、デコボコしていていいのだ。
 ぼく自身も半年間、福島や宮城を行ったりきたりしながら、支える人を支えようと思ってきたが、この活動を通して、自分もある面支えられているなと思うようになった。チェルノブイリに20年間、通い続けてきた意味みたいなものが見えてきた。被災地の傷は広く、深い。ぼく自身、人と人とのつながりを命綱に半年間、被災地を支える活動を続けてきた。「人のぬくもりが支え」。冒頭のおばあちゃんの言葉が、力強くよみがえってきた。(医師・作家、題字も)=次回は22日掲載 」(全文)
 
 
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◆2011/10/13 「右足にあふれる創作熱 ALS患者長尾さん、恒例の個展 徳島のギャラリー /徳島県?」
 『朝日新聞』
http://mytown.asahi.com/tokushima/news.php?k_id=37000001110130001
「 全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病ながらあふれる創作意欲で、長尾義明さん(63)=板野町中久保=は今年も個展を開いた。右足を乗せた板をマウス代わりに、パソコンで描いた絵は11年間で約890枚。「千枚が目標」と長尾さんはいう。
 病名は「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」。1990年に発症し、3年後には人工呼吸器をつけ、声も失った。伝えたいことは、50音の書かれたプラスチックの板を妻の美津子さん(64)らに持ってもらい、まばたきで一字ずつ示す。
 絵は、わずかに動く右足で、センサーの付いた木の板を押し込み、パソコンを操作する。題材はインターネットから画像を探し出して印刷。それを参考に直線や円を描き、色を塗って仕上げる。
 2年ほど前から、押し込んだ板を戻す足の力が弱くなった。なんとか板の底にバネを付けて乗り越えた。足を置く位置を微妙に変えないと思うように操作できない。それでも、毎朝7時半から1日9時間近く描き、80〜100時間かけて1作品を完成させる。
 4カ月ごとに長尾さんを診察する徳島大学病院の梶龍兒(りゅうじ)神経内科長は、創作意欲が難病に好影響を与えているとみる。「5年ほど前から診ているが、まぶたも動くし表情も豊かで、進行はほとんどしていない」。絵を描くことについては、「ALS患者の中には、耳も聞こえて目も見え、外の状況がすべて分かるのに意思表示が全くできない患者もいる。絵がコミュニケーションの手段になって、外とつながっていることが、進行を遅らせているのかも」と話す。
 個展も8年ほど前から毎年開き、その数は約20回を数える。展示作品は手持ちの中から選び、今回の個展では、寺院や門などの建物が多い。妻の美津子さんを介して尋ねるとゆっくりとまぶたを動かした。「早く千枚を描くのが楽しみ」
 個展は、徳島市仲之町3丁目の「小さな夢ギャラリーアンデルセン」で14日まで。鑑賞無料。問い合わせは(088・623・1663)へ。(山下周平)

【写真説明】右足でパソコンを操作する長尾義明さんと妻の美津子さん=板野町中久保
長尾さんの作品を鑑賞する女性=徳島市仲之町3丁目」(全文)
 
 
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◆2011/10/19 「難病女性イルカと触れ合う 念願の沖縄旅行?」
 『沖縄タイムス』
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-10-19_24915/
「 【本部】難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患う松永ユカリさん(54)=大阪府=が、本部町のもとぶ元気村で18日、イルカと触れ合った。ユカリさんを支える娘夫婦、孫6人と念願の沖縄旅行を果たし、家族の絆を強めた。
 海とイルカが好きというユカリさん。現在は自力で動くことや話すことは困難だが、家族らが支えながら海に入り、イルカと触れ合った。
 飲食店を営んでいたユカリさんは、2008年に病気が分かった。現在は長女の清水亜佑美さん(30)夫婦と同居し、在宅治療に専念している。
 亜佑美さんと妹の小山真佐美さん(27)が、10月生まれのユカリさんの誕生祝いを兼ねて、2泊3日の沖縄旅行を計画。旅程は障がい者の介護・旅行支援を行う一般社団法人Kukuru(那覇市)がサポートした。
 亜佑美さんは「母はうれしそうだった。家族の励みにもなるし、絆も強まる。次もまたこれたらいいな」と笑顔で話した。
【写真説明】イルカに手を伸ばし触れ合う松永ユカリさん=18日、本部町・もとぶ元気村」(全文)
 
 
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◆2011/10/28 「第82回都市対抗野球:チームの雄姿、生きる力 JR東海OB伊藤さん、難病押し応援」
 『毎日新聞』
「 第82回都市対抗野球大会(毎日新聞社、日本野球連盟主催)第7日の28日、第3試合で、難病と闘う名古屋市・JR東海の野球部OB、伊藤敬司さん(42)=名古屋市千種区=がスタンドから応援する。高校時代はPL学園の捕手として87年に甲子園を春夏連覇した。ほとんど体を動かすことができないが「命ある限り、精いっぱい生きる」と前向きに毎日を送っている。チームは「プレーで勇気付けよう」と気持ちを合わせて試合に臨む。【中村宰和】
 PL学園では立浪和義さん(元中日)や阪神コーチの片岡篤史さん、野村弘樹さん(元横浜)らの同期。青山学院大を経てJR東海に進み、96年の都市対抗に出場した。  しかし、05年に引退後、筋肉が衰える筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断された。現在は文字盤を使って目の動きでしか意思を伝えられない。
 現役時代、一緒にプレーした小栗洋一郎監督(46)は大会前に自宅を訪ね、5年ぶりの出場を報告。伊藤さんは「2回戦に進めば応援に行きたい」と伝えた。北九州市・JR九州と対戦した初戦の25日、ナインは「必ず勝って、次の試合で伊藤さんを呼ぼう」と誓い、3―1で快勝。翌日、伊藤さんから小栗監督にメールが届いた。「次も頑張ってください」
 伊藤さんは昨年9月から、特殊な装置を使ってブログ「必死のパッチ〜難病パパの日記〜」をつづっている。「病気は進行し、あとどれぐらい踏ん張れるかわからないが、もう一度熱い気持ちを呼び起こして、生きていこう」と記している。
 この1カ月、球場で観戦することを目標に過ごしてきた伊藤さん。妻桂子さん(42)は「発症してから初めての都市対抗出場でもあり、チームの雄姿を見たいと思ったのでしょう」と話す。
 初戦翌日、伊藤さんはブログに「後輩たちが頑張ってくれた。久しぶりに心が温かくなった」と書き込んだ。小栗監督は「思い出をつくってもらえるよう、全力を尽くす」と誓った。」(全文)



*作成:長谷川 唯山本 晋輔
UP:20100227 REV:20110730, 0913, 0930, 1110
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