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和歌山ALS介護訴訟(2010〜2012)

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・2010/07 審査請求
・2011/09/28 仮の義務付け
・2012/01/25 結審
・2012/04/25 判決

■言及

■報道

・2011/09/28仮の義務付け

◆2011/03/18 「ALS:患者らへの介護時間、再検討を 県が和歌山市へ /和歌山?」
 『毎日新聞』2010-03-15
http://mainichi.jp/area/wakayama/news/20110318ddlk30040408000c.html

 和歌山市が決めた介護サービスの支給時間では不十分として、難病の筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)を患う70歳代の男性2人=いずれも同市=が申し立てた審査請求について、県は15日、請求を認める裁決をした。うち1人に対する同様の裁決は3回目。県によると、06年の障害者自立支援法施行以降、同一患者への決定を3回も取り消すのは県内初という。
 2人は、同法に基づき同市が定めた月268時間(1日当たり約8時間)の介護サービス時間を取り消し、24時間介護するよう求める訴訟を起こし和歌山地裁で審理中。提訴前の昨年7月に県に審査請求をしていた。
 裁決書は市に対して「主治医の意見を聴くなどして支給時間の再検討が必要」などとしている。【岡村崇】

◆2011/04/13 「左足小指で意思伝える 和歌山市を提訴のALS患者訪ねる /和歌山県」
 『朝日新聞』
http://mytown.asahi.com/wakayama/news.php?k_id=31000001104130002
 「全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者2人が、和歌山市に1日24時間の公的介護の提供を求める訴訟を起こして半年あまりが過ぎた。ALSは進行性の病気で、裁判が長引く間も患者らは闘い続けている。原告の一人を訪ねた。
 和歌山市内の住宅街。男性患者(74)が住む古びた木造住宅に、近くの診療所の内科医と看護師がやってきた。往診は月2回。男性に聴診器を当てたり、体温や血圧を測ったりしたあと、人工呼吸器と身体をつないでいるカニューレと呼ばれる医療器具を交換する。看護師が呼吸器のパイプを外し、医師が新しいカニューレを挿入した。
 ものの数分の作業だが、男性の口から何度もつばがあふれ出た。呼吸器を着けていると、つばをのみ込むことができない。ベッドの横から男性の妻(73)が小柄な体を精いっぱい伸ばして細いチューブでつばを吸引する。ヘルパーを含めて4人がかりの作業だ。
 処置を終えて医師らが帰ったあと、男性の呼吸にゴゴゴ……という雑音が混じり始めた。気管にたんがたまり始めたサインだ。妻は呼吸器を外して、チューブをさし込んだ。数秒間かけてたんを吸い取り、呼吸器を元に戻す。この作業が30分ほどの間に3、4回あった。
 男性がALSと診断されたのは2006年6月。11月からは訪問介護を受けるようになり、その年の暮れごろからは自力歩行が出来なくなった。その後、自発呼吸が困難になり、翌年3月にのどを切開して人工呼吸器を着けた。現在では指を動かす力も衰え、手足のうち、左足の小指がかすかに動かせるだけだ。
 男性宅には、ヘルパーが交代しながら常に1人いて、実質24時間の介護態勢になっている。ただし、市が公的負担の対象としているのは1日約12時間で、これを超える分はヘルパーのボランティアによって無償で提供されている。
 和歌山地裁で係争中の裁判で男性側は、必要な介護は公的負担によって提供されるべきだと主張している。
 男性のように全身が不自由で長時間の介護を必要とする障害者には、障害者自立支援法に基づき公的負担で介護サービスが提供される。これを重度訪問介護といい、市が提供時間を決める。男性について市は1日約8時間と決定しているが、男性は介護保険を併用しているため約12時間が公的負担分となっている。
 市は、妻が自らの生活を一定程度制限しても夫の介護に当たることは当然だ、などとし、24時間の公的介護は必要ないと主張している。しかし妻も足が悪く、たんの吸引などの介護には昼も夜もない。
 妻は言う。「自分の体も不自由なのに一人で介護はできない。市の福祉の担当者は病気のことを理解してほしい」。近所には長男(47)が暮らしているが、迷惑をかけたくないという思いもある。
 ALSは、神経が障害を受け筋肉がだんだん衰えていく。エアコンの温度を変えてほしい、たんを吸引してほしいといったことを、男性は口をぱくぱくと動かしたりまばたきを繰り返したりすることで妻に伝えているが、こうした意思表示もいつまでできるか分からない。
 男性の体がけいれんで震えだした時、妻が「お父さん、たまには入院した方が気分転換になるよ」と冗談交じりに話しかけると、男性はぎこちなく口を開け、歯を見せた。それが「笑い」だということは記者にも伝わった。
 言葉で伝えたいことがあれば、左足の小指の先に触れるパソコンの端末を操作する。妻の吸引の仕方が気に入らなければ「へ・た・く・そ」と入力することもある。記者が妻への気持ちを尋ねると、男性はこう返してきた。
 「よ・く・や・っ・て・く・れ・る」
 (北川慧一)

◆2011/09/28 「判決まで介護時間延長 ALS訴訟 和歌山地裁、初の義務付け」
 『読売新聞』
「 和歌山市に住む筋萎縮性側索硬化症(ALS)の70歳代男性が、障害者自立支援法に基づき1日24時間の介護サービスを同市に求めている訴訟で、和歌山地裁(高橋善久裁判長)は26日付で、判決の出るまでの間、1日16・5時間の介護サービスを行うよう仮に義務付ける命令を出した。男性は介護保険によるサービス(3・5時間)を合わせると、1日20時間の介護を受けられることになる。
 命令では、男性患者が人工呼吸器の管理やたんの吸引などでほぼ常時、介護サービスが必要と認定した。
 原告側の長岡健太郎弁護士は「障害者自立支援法に基づく介護に関して仮の義務付け命令は全国初。市の決定が違法と認定しており、本裁判に大きな影響がある」と指摘。同市は「内容を精査して対応を決定したい」としている。」(全文)

◆2011/09/28 「難病介護、時間増命じる 和歌山地裁、仮義務づけ 市に「1日20時間」 【大阪】」
 『朝日新聞』
 「和歌山市に住む難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の男性(75)が「障害者自立支援法に基づく重度訪問介護サービス=キーワード=の提供時間を市が1日約12時間と決めたのは不当だ」として決定の取り消しを求めた訴訟で、和歌山地裁の高橋善久裁判長は提供時間を20時間とするよう仮に義務づける決定を出した。高橋裁判長は決定理由で「現状では男性の生命や身体に重大な危険が生じる可能性がある」との判断を示した。
 男性側は「早急な24時間のサービス提供が必要」として、訴訟とともに改正行政事件訴訟法に基づく「仮の義務づけ」=キーワード=を求めていた。男性の弁護団によると、自治体の重度訪問介護サービスをめぐる訴訟で、司法が緊急性を認定して「仮の義務づけ」の決定を出したのは全国初という。
 ALSは脳から筋肉へ指令を伝える神経が障害を受け、手足などの筋肉がやせて力がなくなっていく病気で、症状が進むと食事や呼吸ができなくなる。高橋裁判長は26日付の決定で「男性はほぼ常時、介護者がそばに付き添い、見守りを含めた介護サービスが必要な状態」と認定。2人暮らしの妻(73)の年齢や健康状態などを考えると、男性にはヘルパーによる1日20時間の介護が必要だと判断した。訴訟の審理は続き、判決は別に言い渡される。
 訴状などによると、男性は2006年6月にALSと診断され、07年4月に和歌山市に介護サービスの提供を申請。市は介護保険を含めて1日当たり約7・5時間と決め、その後に約12時間まで増やしたが、男性側が不服として別の男性患者とともに昨年9月に提訴した。弁護団によると、この患者は今月8日に亡くなったという。
 ○原告のALS、提訴後も進行
 「自分の身体は毎年大変になる。少しでも(介護サービスの)提供時間が増えればうれしい」。決定を受け、27日に和歌山市内で記者会見を開いた男性の妻は喜びをあらわにした。
 妻らによると、男性は昨年9月の提訴後も症状が進行。ヘルパーと一緒に介護を続けている妻は、1時間に何度も人工呼吸器を外してたんをチューブで吸引したり、体の汗をふいたりしている。男性が周囲に意思を伝える方法は左足の小指を動かしてパソコンに文字を入力するしかなく、その小指もマッサージしないとうまく動かせないという。  男性の代理人を務める長岡健太郎弁護士は今回の決定について「障害者自立支援法に基づく介護サービスの提供時間を決める基準を示したといえる。(重度の障害者が)他の自治体を相手に起こしている訴訟にも影響を与えるだろう」と指摘。継続する訴訟については「裁判官は同じで、判決でも認められるべきだ」と語った。
 一方、和歌山市障害福祉課は「抗告するかどうか弁護士と相談して決めたい」としている。(楢崎貴司、北川慧一)
 ◇キーワード
 <重度訪問介護サービス>
 障害者自立支援法に基づいて行政から提供される介護給付の一つ。介護を必要とする重度の身体障害者に対し、ヘルパーが自宅で入浴や排泄(はいせつ)、食事の介助、外出時の移動支援などをする。サービスの提供時間は自治体が障害の程度などに応じて決めている。
 <仮の義務づけ>
 取り返しがつかない損害を避けるため、判決が確定するまでの早期救済措置として裁判所が行政に必要な処分を命じる決定。民事訴訟の仮処分のような効力があり、05年4月施行の改正行政事件訴訟法に新設された。
 【写真説明】決定を受け、弁護士とともに記者会見する男性の妻(右)=27日午後、和歌山市、楢崎写す」(全文)

◆2011/09/28 「ALS介護訴訟:20時間介護、市に仮義務付け−−和歌山地裁」
 『毎日新聞』
「 難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患う和歌山市の男性が、同市に24時間の介護サービスを求めている訴訟で、和歌山地裁(高橋善久裁判長)が市に対し、現行の1日約12時間のサービスを20時間に増やすよう仮に義務付ける決定を出したことが分かった。
 決定は26日付。原告側が訴訟手続きの中で、仮の義務付けを申し立てていた。原告側の弁護士によると、障害者自立支援法に基づく介護に関する訴訟で、裁判所が仮の義務付けを命じるのは全国初という。決定は「同居する妻の健康状態などを鑑みると、緊急の必要性がある」としている。
 訴えによると、市は同法に基づき1日当たり約8時間(月268時間)の介護を公費負担。介護保険分を加え1日約12時間の介護を受けているが、24時間介護が必要であることは明らかとしている。2人が提訴したが、1人は死亡している。
 市障害福祉課は「決定の中身を精査して方針を決める」とコメントした。【岡村崇】」(全文)

◆2012/09/13 「ひと:長岡健太郎さん=「障害者に当たり前の暮らしを」と活動する弁護士」
 『毎日新聞』
 「◇長岡健太郎(ながおか・けんたろう)さん(31)
 難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の男性患者が、公的介護の時間拡大を求めて和歌山地裁に訴えた全国初の訴訟で、弁護団の中心となって男性の窮状を訴えた。4月の判決で1日約12時間から21時間以上への介護サービス拡充を勝ち取った。一昨年、障害者のサービス利用費1割負担の廃止などを求めた障害者自立支援法違憲訴訟で、同法廃止を国と基本合意した時は、和歌山弁護団の事務局長を務めた。
 原点は小学生時代だ。母親の勧めでボーイスカウトに入り、障害者施設で知的障害のある子どもたちと接した。「意識せずに交流し、身近な存在に感じた」。高校、大学もボランティアサークル。脳性まひの人を支える介護ヘルパーを経験した。
 ある時、車いす男性の無料法律相談に付き添った。時間は30分。弁護士から「明日、事務所で詳しく聞く」と冷たく言われた。「いつも付き添いを確保できるとは限らないのに」と歯がゆかった。障害者を理解する弁護士の少なさを痛感し、「自分の介護体験を生かしたい」と司法試験受験を決意した。合格後は「障害者の問題を扱いたい」と、法律事務所を回った。
 今は、知的障害者が公的介護サービス時間の拡大を求めた高松地裁訴訟の原告団メンバーを務める。裁判で声を上げないと、障害者の生活環境はよくならない。だが裁判は障害者にとって大きな負担だ。生の声を拾い、法律を駆使し、障害者が地域で自立して当たり前の暮らしができる手助けを続ける覚悟だ。<文と写真・岡村崇>
 □人物略歴
 堺市生まれ。大阪大法学部卒。07年から和歌山市の法律事務所で勤務。趣味は各駅停車の列車での旅。」(全文)

◆2012/01/26 「ALS介護訴訟:地裁で結審、4月に判決 24時間介護サービス求め /和歌山」
 『毎日新聞』

 「難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患う和歌山市の男性が、同市に一日24時間の介護サービスなどを求めている訴訟は25日、和歌山地裁(高橋善久裁判長)で結審した。判決は4月25日。
 男性の公的介護サービスは現在、同市が障害者自立支援法に基づき公費負担する1日当たり8時間(月268時間)に、介護保険分を加えた1日約12時間。男性側はたん吸引などのため24時間介護が必要であることは明らかと主張している。
 介護時間の拡大と慰謝料100万円などを求めて10年9月に提訴。昨年9月に死亡したもう1人の原告の男性については、慰謝料の支払いについてのみ判断される。
 男性側は訴訟手続きの中で仮の義務付けを申し立て、同地裁が同年9月26日、市に対し、サービスを20時間に増やすよう仮に義務付ける決定を出した。大阪高裁は地裁決定を取り消し、男性側が特別抗告するなどして係争中。【岡村崇】」(全文)

◆2012/03/09 「健やかわかやま:障害者施策考える 24日、和歌山ビッグ愛でシンポ /和歌山」
 『毎日新聞』

 「障害者施策について考えるシンポジウム(NPO法人自立生活応援センターわかやま主催)が24日午後1時から、和歌山市手平2の和歌山ビッグ愛で開かれる。障がい者制度改革推進会議の委員、尾上浩二氏の講演やパネルディスカッションがある。資料代500円。

 尾上氏は、障害者自立支援法を廃止して新法を検討する同会議などについて語る。パネルディスカッションには、尾上氏やALS訴訟の代理人を務める長岡健太郎弁護士、重度身体障害者の石田雅俊さんら5人が参加する。
 問い合わせは、NPO法人自立生活応援センターわかやま(073・472・6731)。【岡村崇】」(全文)

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UP: 20200623 REV:20200624
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