蝶名林 最近の呼吸管理領域では,リスクマネジメントの観点からも呼吸療法サポートチーム(RST:Respiratory Support Team)による管理の重要性が言われています。当院でも職種横断的に取り組んでおり,24時間体制で,呼吸ケア看護師(註3)を中心に医師・臨床工学技士などとともに,NPPVを含めた人工呼吸器装着の患者さんがいる病棟にRST回診を行い,病棟看護師や研修医の疑問に答えたり,定期的な機器回路,アラーム設定などのチェックを行ったりしています。これが,NPPV成功のソフト面の鍵だろうと思います。看護の立場からはいかがですか。
中島孝氏
1983年新潟大卒。NIHフェローを経て,91年国立療養所犀潟病院,2004年より現職。神経内科学,特に神経筋疾患,遺伝子診断,緩和ケア,Bioinformaticsなどの臨床研究に携わる。厚労省難治性疾患克服研究事業「特定疾患患者の生活の質(Quality of life, QOL)の向上に関する研究」の研究者として,半構造化面接を通じた患者中心のQOL評価法SEIQoLの研究・普及に尽力している。監修書籍に『ALSマニュアル決定版!』(日本プランニングセンター)がある。
「熱きメタル連載〈OSHIETAL〉。今回はジェイソン・ベッカーのベスト盤『Collection』を教えたる! そもそも、このギタリストを知らない若者も多いのではないだろうか? しかしそれはある意味仕方のないこと。なぜなら彼は全身の筋肉が動かなくなってしまう、ALSという大病を患って近年はリタイアしているのだから。
さて、このベスト盤の何が凄いって、レーベルの垣根を超えまくっている点だ。マーティ・フリードマンとのバンド=カコフォニーで87年にデビューした彼は、翌88年には初のソロ作『Perpetual Burn』発表に至り、その後、デヴィッド・リー・ロス・バンドにスティーヴ・ヴァイの後任として大抜擢。しかし発病という悲劇に見舞われし、最後のギター・プレイを収録したソロ2作目『Perspective』をリリースする……わけなのだが、本作はそんなジェイソンの波乱に満ちたメタル人生をガッチリ網羅しているのである。しかも、彼を愛し、応援し続けているマーティやヴァイ、ジョー・サトリアーニが参加した新曲3曲も収録! また、折良くジェイソン在籍時のデイヴ作品『A Little Ain't Enough』がリイシューされたのに加え、車椅子姿の最新映像などを収録したDVD「The Legendary Guitar Of Jason Becker」もいまなら簡単に入手可能なので、この機会に全部まとめてチェックだ! 何があっても前を見つめ続けるこの男の人生を知らずしてメタルを、そして人生をカタルべからず!」(全文)
「 理研は5日、米カリフォルニア大、仏国立保険医学研究所(INSERM)などとの共同研究で、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を加速させる原因が運動神経の周りにあるグリア細胞、シュワン細胞の変異にあることを発見したと発表した。
シュワン細胞内の活性酸素除去と神経栄養因子IGF-1の産生がALSの進行を遅延させる治療法となる可能性があるようだ。
この疾患は神経変性疾患の1つで、全身の筋肉を支配大脳と脊髄にある運動神経細胞が徐々に死んでいく原因不明の神経難病。日本にも6,000人の患者がいると推定されている。
同疾患は、認知、思考能力は保たれたまま全身が麻痺し寝たきりになる。そして2年から5年で呼吸に関わる筋肉も麻痺してしまい、自立呼吸が出来なくなる。そのため患者はもちろんのこと、介護者も長期にわたる重度の介護を強いられるため、病気の原因と治療法開発が強く求められていた。
同疾患の約1割は遺伝性のもので、遺伝性疾患は原因遺伝子を手掛かりにモデル動物を作製してその原因を詳しく研究することが出来る。同研究グループは遺伝型ALSに集中して研究。これまでにヒトの遺伝型ALSで発見されたSOD1遺伝子の変異を特定の細胞群から除去出来るモデルマウスを開発し、ALSに関与する細胞群の働きを検討して来た。2008年2月にはアストロサイト、ミクログリアのグリア細胞が関与していることを見つけたが、運動神経にとって重要な働きをするグリア細胞、シュワン細胞については調べられていなかった。
シュワン細胞は、運動神経の細胞体から骨格筋に情報を伝える神経繊維からなる軸索の周りに存在する。この神経繊維は運動神経体積の99%を占めている。ヒトの遺伝型ALSに最も多く見られる遺伝的異常は、この細胞内にある、活性酸素を除去するSOD1遺伝子に見られることが分かっていたが、同研究成果により、神経栄養因子であるIGF-1の産生にも関与すること、またALSの病態に積極的に関与することが明らかになった。この成果は、遺伝型ALSをシュワン細胞を正常化するなどの方法により、治療に大きく寄与することが期待される。
同研究成果は、米国科学アカデミー紀要『Proceedings of the National Academy of Sciences』(3月17日号)に先立ち、2月27日にオンライン版に掲載されている。」(全文)