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ALS・2002

ALS


「吸引問題」


◆2002    日本神経学会「ALS治療ガイドライン」
 http://www.neurology-jp.org/guideline/ALS/index.html
 cf.ALSと知らせること
◆2002/01/06 「村上真嗣さん 支えられ「また輝く」 ALSにかかった1級建築士(36歳)」(誇り 私が生きる力:5)(↓)
 『朝日新聞』2002年01月06日朝刊p.30(2社会)
◆2002/01/14 佐々木公一『週刊/ALS患者のひとりごと』073
 戦争報道と私たち
◆2002/01/18 佐々木公一『週刊/ALS患者のひとりごと』074
 得意先200件以上、年収2億円の秘密
◆2002/01/31 佐々木公一『週刊/ALS患者のひとりごと』075
 一米兵の戦死に思う
◆2002/02-  安川 幸夫『CSS・JAZZ&ALS』
 http://www5d.biglobe.ne.jp/~css-y/
◆2002    安川幸夫「告知と受容」
 http://www5d.biglobe.ne.jp/~css-y/als7kokuchi.html
◆2002?   「神経難病のインフォームド・コンセント」
 http://www.saigata-nh.go.jp/nanbyo/inf/inform.htm
◆2002/02/01 盛岡市で全身性障害者向け毎日8時間の指名ホームヘルパー派遣制度開始
 日本ALS協会県青森県支部が要望/常時吸引が必要な場合は家族同居も対象に
◆2002/02/13 佐々木公一『週刊/ALS患者のひとりごと』076
 新年おめでとうございます 目標を語り合おう/許しがたきこと
◆2002/03/03 吸引問題解決促進委員会第1回会合
 http://homepage3.nifty.com/jalsaechigo/newshouse-9/9-5.kyuucom.html
◆2002/03/06 「道内国立病院の医療事故は10件 札幌病院で患者死亡【北海道】」(↓)
 『朝日新聞』2002年03月06日朝刊p.30(2社会・発行社=北海道)
◆2002/03/15 小出喜一 HP『ALSと、ともに』開設
 http://www7.ocn.ne.jp/~alskoide/
◆2002/03/18 「日立、難病患者の意思伝達装置」(↓)
 『日経産業新聞』2002年 3月18日
◆2002/03/19 「幹細胞の世界(4)神経細胞の再生に挑む――十年後実用化に期待」
 『日経産業新聞』2002年 3月19日
◆2002/04/05 「難病患者増す「痛み」 医療費補助縮小」(岐路の春 改革の足元で)
 『朝日新聞』2002年04月05日夕刊p.15(1社会・発行社 =東京)
◆2002/04/06 神経筋疾患の人工呼吸療法と呼吸リハビリテーション(↓)
◆2002/04/12 「筋委縮症患者2人が二人展 パソコンで風景画と短歌を一つに あすから京都府八幡市で」
 『毎日新聞』2002年4月12日
 http://www.mainichi.co.jp/universalon/clipping/200204/102.html
 →高田俊昭
◆2002/04/28 日本ALS協会北海道支部第6回定期総会
◆2002/05/12 JALSA宮城県支部支部長の鎌田竹司、「ありのまま自立大賞奨励賞」を受賞 cf.ありのまま舎
◆2002/05/23 難病ALSの県支部設立へ 患者らが土屋知事訪問 /埼玉
  『朝日新聞』2002年05月24日朝刊p.31(埼玉1)
◆2002/05/25 日本ALS協会総会
 http://www.ne.jp/asahi/miyagi/comenable/soukai/
 (総会の模様をインターネットで放映)*  *うまくいかなかったとのことです。
◆2002/05/26 吸引問題解決促進委員会第2回会合
 http://homepage3.nifty.com/jalsaechigo/newshouse-9/9-5.kyuucom.html
◆2002/05/  日本ALS協会新潟県支部・ホームページ変更
◆ALSニュースレター
 Vol. 7, No. 3 - May,2002
 http://www.page.sannet.ne.jp/grand-ma/nl/NL7-3.htm
・ALSの遺伝子治療が一歩実現へ近づいた
・蝙蝠とナッツが、グアムにおけるALSの環境要因への手掛かりを生み出す
・リルテックは安全であるが、効果が微弱である;より良い薬剤が開発されるかも知れない
◆2002/07/  豊浦保子「重度障害者であるALS患者のセルフヘルプ活動」
 『保健の科学』44巻7月号 本体価格1,000円
 特集 セルフヘルプ・グループの現状と課題
 http://www.kyorin-shoin.co.jp/m_hoken.html
 cf.セルフヘルプ・グループ
◆2002/07-  舩後 靖彦(千葉県)『ALS Silk Road Web』
◆2002/07/07 第7回日本ALS協会山梨県支部総会
2002/07/20 日本ALS協会「ヘルパー吸引」問題にご理解を!
◆2002/08/04 佐々木公一「「吸引問題」の署名を集めて下さい」
 『週刊/ALS患者のひとりごと』87
◆2002/08/09 「父と娘」(街百話)
 『毎日新聞』西部本社版夕刊 →山口進一
2002/08/  ヘルパー等の吸引問題に関するニュース NHKニュース10
◆2002/09/01 ALS四国ブロック 2002夏!
2002/09/04 ヘルパーにも吸引資格を 難病患者訴え3000人署名 /和歌山
 『朝日新聞』大阪・2002年09月04日朝刊・p.24 和歌山1
◆2002/09/05 佐々木公一『週刊/ALS患者のひとりごと』88
 このように呼びかけ、署名いま312人分
◆2002/09/24 「難病ALS、闘う患者知って――ハリー・ポッター翻訳者、国際会議を日本に」
 『日本経済新聞』2002年9月24日朝刊
◆Cameron, Edwin 2002/09/27 「エイズ否認主義と歴史修正主義」
 弁護士会会議夕食会 ロンドン 2002年9月27日
◆2002/09/30 佐々木公一『週刊/ALS患者のひとりごと』89
 署名2800こす、全体で17万
◆2002/09/  署名活動についての報告
 日本ALS協会岡山県支部・事務局からのお知らせ
 http://www1.harenet.ne.jp/~myunoki/zimukyoku.htm
◆2002/10/02 参議院決算委員会で谷博之(民主党)が養護学校や在宅での吸引行為の担い手について質問
◆2002/10/10 「ファミリー――たん吸引・軟膏を塗る…、介護職員できないの?」(生活)
 『日本経済新聞』2002年10月10日夕刊
◆2002/10/15〜18DPI世界会議札幌大会で日立製作所が展示(↓)
◆2002/10/16 日立製作所が展示した検出装置をNHK教育テレビが報道
 人間ゆうゆう 午後7時30分〜8時
 http://jp.y42.briefcase.yahoo.co.jp/als2002jp
◆2002/10/19 「ベンチレーターと共に社会で生きる」
 ベンチレーター使用者ネットワーク講演会 於:札幌
◆2002/10/20 日本ALS協会岡山県支部・患者交流会(於:倉敷チボリ公園)
 http://www1.harenet.ne.jp/~myunoki/kouryukai.htm
◆2002/10/  日本ALS協会北海道支部→北海道県知事
 「要望書」
◆2002/11/01 阪大・東北大チーム、「ALS」進行抑制に成功
 『読売新聞』2002-11-01
◆2002/11/07 佐々木公一『週刊/ALS患者のひとりごと』91
 署名運動まとめ・1
◆2002/11/12 日本ALS協会が吸引問題で厚生労働大臣に陳情
 http://homepage3.nifty.com/jalsaechigo/
◆2002/11/13 「厚労省、呼吸器つけた患者らの介護、ヘルパーの「吸引」検討――家族らの負担に配慮」
 『日本経済新聞』2002年11月13日朝刊
◆2002/11/15 佐々木 公一『週刊/ALS患者のひとりごと』92号
 署名運動まとめ一/お便り2
◆2002/11/26 佐々木 公一『週刊/ALS患者のひとりごと』93号
 署名運動まとめ一/お便り3
◆2002/11/28 「東京地裁判決、「郵便投票の代筆認めず」、違憲状態と認定――難病患者の賠償は棄却。」
 『日本経済新聞』2002年11月28日夕刊
◆2002/11/28 郵便投票の自書限定は違憲状態…ALS患者訴訟
 『読売新聞』
◆2002/11/28 「「投票制度に違憲状態」 ALS患者選挙権訴訟」
 共同通信2002.11.28
◆2002/11/28 「ALS郵便投票訴訟 「投票制度なかったのは違憲状態」」
 『朝日新聞』2002.11.28
◆2002/11/28 「ALS患者の請求退ける」
 『産経新聞』2002.11.28
◆2002/11/28 「ALS選挙権違憲状態――患者の笹川さん、ベッドから訴え、社会参加の道に光を。」
 『日本経済新聞』2002年11月28日夕刊
◆2002/11/28 ALS選挙権違憲状態、投票できる法改正を、国会に対応求める――原告らの願い切実。
 『日本経済新聞』2002年11月28日夕刊
◆2002/11/28 難病患者投票で具体策、官房長官、検討を表明。
 『日本経済新聞』2002年11月29日朝刊
◆2002/11/29 「ALS:投票実現へ検討 総務相が表明」
 『毎日新聞』2002.11.29 11:38
◆2002/12/02 佐々木 公一『週刊/ALS患者のひとりごと』94号
 署名運動まとめ一/お便り4
◆2002/12/10 佐々木 公一『週刊/ALS患者のひとりごと』95号
 署名運動まとめ一/お便り5
◆2002/12/15 第2回徳島神経難病セミナー
日時 平成14年12月15日(日)午後1時〜4時
場所 徳島東急イン6階 吉野
どなたでも参加できます。入場無料
プログラム
難病患者の療養環境
1、行政における難病対策 佐野雄二氏
2、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の在宅環境について 西田善彦氏
3、ALSの入院環境について 足立克仁氏
4、ALS患者の立場から 長尾義明氏
日本神経学会公開講座 座長 梶龍児氏
神経難病とはーALSを中心にー 中野今治氏
総合討論 座長 川井尚臣氏
◆2002/12/18 越智さんより 『化学工業日報』2002/12/18
 小野薬品工業がALS、パーキンソン、アルツハイマー薬として、「セレアクトカプセル」開発番号ONO−2506POのフェーズTの試験を欧州で終了。引き続きフェーズUの臨床試験を始める。
◆2002/12/22 「特定疾患の生活の質(Quality of Life,QOL)の向上に資するケアの在り方に関する研究」班の研究発表会
 http://www.saigata-nh.go.jp/saigata/syukai/qol/2002/index.htm

 
 
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◆2002/01/06 「村上真嗣さん 支えられ「また輝く」 ALSにかかった1級建築士(36歳)」(誇り 私が生きる力:5)
 『朝日新聞』2002年01月06日朝刊p.30(2社会)

 小さな赤い光が、ほおを照らす。光はベッドの足元にあるパソコンにつながるセンサーから注がれる。ほおが震えると、パソコン画面のキーボード上を動いていたカーソルが止まる。そして、文字が現れる。
 「あ」
 「り」
 「が」
 「と」
 「う」
 五つの文字を打ち出すまでに1分かかる。全身を使って伝える意思だ。
 大阪府河南町に住む村上真嗣さん(36)は、全身の筋肉がまひしていく筋委縮性側索硬化症(ALS)の患者だ。現代医学では治療できない。
 4畳半の部屋で寝たきりになって5年目となる。介護してくれるのは60歳を過ぎた父母だ。首から下の体は動かせない。話せない。食べられない。だから、考える。
 「なぜ、生きるのか」
   *
 1級建築士だ。京都・嵐山の渡月橋の近く、マンションの2階に個人事務所を開いていた。医院や住宅を手がけた。休みの日はスケッチブックを持って散策した。絵が得意で、女性の靴をデザインしたこともある。
 仲間には「しずか」と呼ばれていた。大きな声で口数が多いのをいさめるために付けられたあだ名だった。日本酒とバーボンが好きで、三合飯をたいらげた。身長180センチで長髪を後ろで束ね、酒を飲んでは熱っぽく語った。「歴史に残る建築家になりたい」
 6年前の夏、嵐山の駐車場で車にはねられた。「大丈夫だったんか。お前じゃない、車のほうや」。見舞いに来た修業時代の先輩は冷やかした。笑って返せた。診断は軽いむち打ちと打撲。建設現場に通い続けた。
 突然、駅の階段から転げ落ちたのはその年の秋だった。足に力が入らなくなった。手も言うことをきかない。事故の影響としか考えられなかった。車いす姿になり、入院生活でも快復の兆しはない。自宅での介護生活が始まった。
 「ALSと考えないと仕方がない」。医師からの告知は退院から3カ月後。目の前が真っ暗になった。「朝起きたら、どこも動かなくなっているのではないか」。眠れなかった。呼吸がしづらくなり、たんを出すために一晩でティッシュ5箱を使い切った。窒息状態となって緊急入院し、人工呼吸器をつけた。
 「こんな僕を見て、どう思うだろうか」。建築の世界で活躍する友人も多く、元気な姿を見るのはつらかった。だれにも病気のことは伝えなかった。
   *
 写真家が家にやってきたのは3年前の冬だった。モデルになってほしい、という。遠縁の画家の紹介でもあり、断れなかった。
 一眼レフは横顔をとらえた。写真家は夢中でシャッターを切った。「まだ輝けるのか」、鋭いまなざしを感じながら考えていた。この時の一枚が障害者15人ほどをモデルにした写真展の案内はがきに使われることになった。「まだ燃え尽きていない」。撮影を通じて初めて自分と向き合った。
 写真展の後、大学時代からの親友にALSを打ち明ける気持ちになった。電話はできず、手紙も書けない。だが、電子メールという手段がある。「おれは変わらない」と書き添えた。返事が来た。「それこそ、お前だ」
   *
 次々とメールを出した。旅行に連れ出してくれた大学時代の友、同窓会を開いてくれる小学校の同級生。仲間はいた。
 出版社の編集者の依頼で、昨年6月から中高生向けにエッセーを連載している。タイトルは「僕と勇気と可能性と」。その中で繰り返し、書いている。
 「建築を中心としたデザイン活動を再開する」
 大学時代の後輩から勤務先のロゴデザインへの意見を求められたことがあった。
 「幾何学的形態を用いたことで、知的でシャープなイメージが生まれました。ほぼ完成されたロゴだと思います。Yの右下の三角形だけ色を変えても面白いかもしれない。あえてスクエアの比率を崩すのもいいかもしれない。例えば古来より最も美しいとされる黄金比を用いてみるとかね」
 翌日、お礼のメールが来た。
 「さすがプロの意見ですね。三角の部分の色を変えただけで、ずいぶんと締まった感じがします」
 茶色が基調だが、指摘した三角形は鮮やかな青色になった。社員の名刺や封筒に印刷されている。これをきっかけに、別のロゴへの助言も頼まれた。
 一人で再起することが難しいことは分かっている。だが、支えられて生きているからこそ、人の優しさも信じられる。パソコンで図面を描く練習を続けている。今年の年賀状にも書いた。「1級建築士事務所 村上真嗣建築設計事務所」
 (文・篠塚健一 写真・永曽康仁)

 【写真説明】

 「読んだよ」。年賀状を差し出す母の靖子さん(62)に目で合図する村上真嗣さん。今年はメールを含めて100通ほど届いた=大阪府河南町の自宅で

 
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◆2002/03/06 「道内国立病院の医療事故は10件 札幌病院で患者死亡【北海道】」
 『朝日新聞』2002年03月06日朝刊p.30(2社会・発行社=北海道)

 「全国の国立病院や療養所が厚生労働省に00年4月から昨年12月末までの約2年間に報告した医療事故約150件のうち、道内の病院での事故は10件にのぼることが5日、同省が開示した資料で分かった。国立札幌病院では00年8月、鎮静剤投与中に患者の呼吸が停止し、数カ月後に死亡する事故もあった。
 国立札幌病院では01年10月にも、呼吸確保のため気管に挿入した管が外れて患者が一時危篤状態に陥り、現在も入院を続ける大きな事故があった。指導医が手術中にトイレに行き、その間に内視鏡を使っていた研修医が誤って患者の体内の脂肪の一部を吸引した同年3月の事故も含め、計3件が報告されていた。
 00年の事故は警察に届けておらず、ほかの2件の事故の報告書には届け出の有無は記録されていない。件数が多いことについて、同病院は「ささいな事故もすべて報告するようにしているため」としている。
 旭川市の国立療養所道北病院では00年6月と7月に連続して、人工呼吸器などをつなぐ管の接続部が外れる事故が起きた。7月の事故では、筋委縮性側索硬化症(ALS)の男性患者が意識不明の重体となった。
 また、国立療養所札幌南病院の報告書は大部分が黒塗りで詳細が不明だが、01年に看護婦らの連携ミスで患者が意識不明になった事故が記載されていた。患者の家族にミスを認めて謝罪したが、警察には届けていない。病院側は「厚労省から、開示した情報以外は話してはいけないと指示を受けた」と、詳細な説明を避けている。
 国立療養所西札幌病院では内視鏡で腸に穴を開けた事故、国立療養所帯広病院では輸血ミスとチューブの誤挿入の2件の事故、国立登別病院で採血注射時に神経を刺した事故が報告されている。」

 
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◆2002/03/18 「日立、難病患者の意思伝達装置」
 『日経産業新聞』2002年 3月18日

 日立製作所は簡単に電子メールなどを送れるバリアフリーな意思伝達装置を開発した。機器の操作が難しいALS(筋委縮性側索硬化症)の患者向けに販売する。同社子会社の日立ケーイーシステムズが四月一日から販売する。
 同社が発売する「伝の心」=写真=は、ボタンを一回押すなどの簡単な操作で、電子メールソフトやワープロソフトを起動することができる。
 また、介護者が頻繁に使うキー操作をファイルに記録、そのファイルを患者自身が呼び出して実行できる。これによりパソコンを操作するのに、患者は複雑な操作を学習しなくてもすむ。またオプションで、目の動きや瞬きで操作を可能にする「表情スイッチ」を用意した。価格は五十万円。
 ALSはせき髄の運動神経がおかされて、筋肉が委縮する進行性の難病。
《NIKKEI NET》

 
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◆神経筋疾患の人工呼吸療法と呼吸リハビリテーション

・ コンセプトは、神経筋疾患の呼吸リハビリテーションを学び、安全で快適な療養
生活をめざす。「ええ話より役立つ話」「実習中心」
・ 対象者は神経筋疾患の呼吸リハビリテーションに関わる全ての方々
・ 日 程
・ 日 時:平成14年4月6日(土)、7日(日)
・ 場 所:広島県三原リージョンプラザ 
・ 主 催:神経筋疾患フォーラムin三原実行委員会、社会福祉協議会、三原市障害
者生活支援センター)
・ 連絡先:三原市障害者生活支援センター 三原市城町1丁目2-1(三原市社会協議
会内)
     Tel:0848-63-3319   Fax:0848-63-0599
Eメール:yoshioka@m-shakyo.jp

・ 講義
<6日>
 10:00-11:20  石川悠加先生 「呼吸リハビリテーション(人工呼吸療法含
む)」 ビデオ供覧
 11:20-11:30  休憩
 11:30-12:30  多田羅勝義先生 「在宅人工呼吸の安全管理について」
 12:30-13:30  休憩
 13:30-14:30  難波玲子先生 「人工呼吸器患者の在宅支援について?ALS患者を
中心に?」
 14:30-14:40  休憩(準備)
 14:40-17:00  三浦俊彦先生 「呼吸理学療法の有効性と家族のリハビリについ
て」
(講義)+(実技) 三浦・安食・伊東先生
         「PCF・MICの評価・排痰の介助・カフマシーンの使用方法・胸郭
可動域訓練」

<7日>
9:30-10:30  「筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病気の理解と在宅療養の向上のために」
10:30-10:40  休憩
10:40-12:30  シンポジウム(110分)
        「神経筋疾患者の医療的サポート・関係機関の連携と患者のQOLの向上」

・ 実習
<6日>
 14:40-17:00(140分)
     会場:リージョンプラザ文化ホール
     対象:医療[医師・PT・OT・看護士・訪問看護・ホームヘルパー等福祉関係職]
 20:00-
     会場:みはらし温泉 夢の宿[講師・患者・家族の宿泊]
     対象:家族・患者(予約)

<7日>
 10:00-12:00(120分)
     会場:リージョンプラザ軽運動場
     対象:家族・患者(予約)
     患者・家族の呼吸理学療法の個別相談含む

受講料は2000〜3000円/2日の予定です。
患者家族は1000円/一人です。

 
 
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◆20020720

「ヘルパー吸引」問題にご理解を!

それじゃ家族はいつ眠れるの?
私たち難病ALS(筋萎縮性則索硬化症)患者は
発病後数年で人工呼吸器が必要になります
人工呼吸器を利用すれば生きられますが、利用しなければ生きられません
運動神経が冒されて呼吸筋が麻痺してしまうからです
人工呼吸器を使うと24時間365日誰かがそばにいなくてはなりません
痰を吸引器で吸引して貰わないと窒息死するからです
この吸引が認められているのは家族か医師・看護師だけです
医師看護師が在宅患者を訪問するのは週に数時間だけです
他は全部家族がやらなくてはなりません
昼も夜も、夜中もです
吸引は30分〜2時間おきに必要です
それじゃ家族はいつ眠れるの?
過労で倒れる家族、それを考え呼吸器を拒んで亡くなる患者
もっとみんなと一緒にいたい、と願いながら・・
解決する方法が一つだけあります
訓練を受けたヘルパーさんにも吸引して貰うことです
介護保険や福祉のお陰でヘルパー力は豊かになってきました
その豊かさを私たち困り果てた難病患者にも分けて欲しい!
生きたい人がいきられるようにして欲しい!
家族が、共に生き続けることを喜べるようにして欲しい!
そう願い、私たち日本ALS協会は
「ヘルパー吸引」を国に認めて貰う運動をしています
厚生労働省に働きかけたり、署名運動をしたり
今回のアッピールもその一環です
全国32支部がみんなで関係者にご理解を求めます
どうぞこんな私たちがいることを知ってください
そして、共に生きられるように、ご協力下さい
お願いします

2002年7月20日
ALSグローバルデーによせて

 *日本ALS協会新潟県支部のHPより

 
 
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◆20020809 池田さんより

ヘルパー等の吸引問題に関するニュースをNHKのニュース10で放送していました。
動画ファイルにしてみました(ファイルサイズは3〜5Mバイトと大きめです)
下記URLにアクセスすると送られたファイルを見ることができます。

1.Iod9290.mpg
http://jp.y42.briefcase.yahoo.co.jp/bc/als2002jp/vwp2?.tok=bce0Fd9AnW5OYe1Y&.dir=/NHKals&.dnm=Iod9290.mpg&.src=bc

2. IodA2A4.mpg
http://jp.y42.briefcase.yahoo.co.jp/bc/als2002jp/vwp2?.tok=bce0Fd9AB92ZW8zA&.dir=/NHKals&.dnm=IodA2A4.mpg&.src=bc

3. IodB264.mpg
http://jp.y42.briefcase.yahoo.co.jp/bc/als2002jp/vwp2?.tok=bce0Fd9AkhXo76tD&.dir=/NHKals&.dnm=IodB264.mpg&.src=bc

NHKニュース10のALSの吸引問題のニュースの動画ファイル、下記の
URLでみられるかと思います。*
*上掲3ファイルを収蔵

http://jp.y42.briefcase.yahoo.co.jp/als2002jp

                            池田光明@東京

 
 
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◆2002/09/04 ヘルパーにも吸引資格を 難病患者訴え3000人署名 /和歌山
 『朝日新聞』大阪・2002年09月04日朝刊・p.24 和歌山1

ヘルパーにも吸引資格を 難病患者訴え3000人署名 /和歌山
 人工呼吸器をつけた人が安心して在宅療養できるようにホームヘルパーが、たんを吸引することを認めてほしい――。筋委縮性側索硬化症(ALS)や筋ジストロフィーの患者らのそんな訴えに県内から約3千人の署名が寄せられた。署名は日本ALS協会本部(東京都)が集約、今月下旬にも厚生労働省に提出する。
 同省によると、吸引は医療行為または診療の補助業務にあたるため、現行法では吸引が認められているのは医師や看護師、家族だけで、ヘルパーには認められていない。
 しかし、吸引は一定の間隔で休みなくする必要があり、在宅療養の場合、家族の負担が大きいことから、ヘルパーにも認めてほしいという声が高まっている。
 全身の筋力が奪われる難病・ALSの患者で在宅療養中の和歌山市和歌浦南3丁目、和中勝三さん(53)は友人らから集めた約1500人分の署名を3日、協会に郵送した。これまでに集まった県内の署名は計3千人近くとなった。和中さんは人工呼吸器を装着した96年以降、10〜15分ごとに吸引が必要となった。週数回は医師や看護師が訪問するが、妻の育美さん(51)が介護の中心だ。
 和中さんは「介護保険の適用でヘルパーに来てもらっても、現行では吸引ができず、家族は外出できない矛盾を抱えている」。育美さんも「呼吸器と吸引の問題はセット。患者が家族の負担を気にして、呼吸器の装着に踏み切りにくい仕組みでは困る」と指摘する。
 筋ジストロフィー患者で同市内原の大竹信吾さん(55)は、和中さんとともに署名を呼びかけた。姉の宮永操さん(57)宅で30分〜数時間ごとの吸引を受けており、大竹さんは「介護する家族にも自由な時間が必要。ヘルパーにも吸引を任せられるようにならないと、患者も重荷に感じて安心できない」と話している。
 協会本部によると、全国からの署名は10万人を超えるとみられる。
 【写真説明】
 在宅で吸引を受ける大竹信吾さん。「家族の介護力だけが頼りの在宅療養は限界がある」と訴える=和歌山市内原で

 
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◆2002/09/  署名活動についての報告
 日本ALS協会岡山県支部・事務局からのお知らせ
 http://www1.harenet.ne.jp/~myunoki/zimukyoku.htm
 以下、上記HPより。
 「2002年8月から、全国一斉に開始した「ALS等の吸引を必要とする
  患者にヘルパー等介護者の吸引実施を認める署名活動」ですが、吸
  引問題解決促進委員会の橋本委員長より、全国から集まった署名用
  紙の写真が送られてまいりました。9月19日時点で、“16万人”を越
  える善意の署名が集まったとのこと。皆様の尊い署名に、心から感謝
  申し上げます。」

 
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◆2002/10/16 日立製作所・小澤さんより

DPI(障害者インターナショナル)国際会議札幌大会で(10/15〜18)、日立では次の展示をしています。
・「伝の心」
・「脳血液量変化によるYes/No検出装置」
・高齢者・初心者向けパソコンソフト「心友」
・手話アニメーションソフト「Mimehand」

今日(10/16)、NHK教育テレビ「人間ゆうゆう」で、次の取材を受けました。
・「脳血液量変化によるYes/No検出装置」
・手話アニメーションソフト「Mimehand」

Yes/No検出装置の取材は時間にして数分ですが、レポーターの竹内さんが上手に、Yes と No とを使い分けて質問に
回答しています。興味のある方はご覧ください。

放送日時:10/16 午後7時30分〜8時
番組名:人間ゆうゆう(NHK教育テレビ)

取り急ぎ、ご連絡まで。

 
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◆2002/11/01 阪大・東北大チーム、「ALS」進行抑制に成功
 『読売新聞』2002-11-01
 宇宙論で有名な英国のホーキング博士がかかっていることで知られる、運動神
経が徐々にマヒして死に至る難病「筋委縮性側索硬化症(ALS)」の進行を、
「肝細胞増殖因子(HGF)」を使って抑えることに大阪大の船越洋・助教授や
中村敏一教授、東北大の糸山泰人教授らの研究チームが動物実験で成功した。
 HGFは中村教授らが発見。肝臓に限らず、細胞死を防ぐ能力が大きいことが
わかり、グループは、神経細胞の死滅を防ぐ作用もあるのではないかと考えた。
 ALSの原因とされる遺伝子を神経細胞に組み入れたマウスと、神経細胞がH
GFを出すよう遺伝子を操作したマウスを交配し、ALSの遺伝子を持ち、HG
Fを出すマウスを作製。ALSの遺伝子だけを持つマウスは、8か月後に神経細
胞の数が40%に減り、歩行困難になったが、HGFも出すマウスでは70%が
残り、運動能力にほとんど変化はなかった。寿命もHGFを出すマウスの方が約
1か月長く、人間で言うと6年ほど長命だった。
 ALSの患者は日本だけで約5000人。進行を抑える手段は、なるべく体を
動かすことぐらいしかない。船越助教授は「運動機能を保ちながら延命する効果
が認められた。他の神経難病でも研究を進めたい」と話している。
(11月1日06:23)

 
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◆2002/11/28 「東京地裁判決、「郵便投票の代筆認めず」、違憲状態と認定――難病患者の賠償は棄却。」
 『日本経済新聞』2002年11月28日夕刊

 難病のALS(筋委縮性側索硬化症)患者三人が、郵便投票の代筆が認められていないため投票できず選挙権を侵害されたとして、国家賠償などを求めた訴訟の判決が二十八日、東京地裁であった。福田剛久裁判長は「選挙権を行使できる投票制度が設けられていなかったことは違憲状態」と認定した。ただし「国家賠償法上の違法性までは認められない」として請求は退けた。原告らは控訴する方針。(関連記事を社会面に)
 福田裁判長は、原告らが外出ができず、現行制度では選挙権の行使が不可能と認定。そのうえで「(訴えの対象とした)一九九八年と九九年の選挙当時は違憲状態」と指摘したが、「現行制度で選挙権を行使できない人が存在し憲法に反することまで国会議員の一般的認識だったとは認められない」と述べた。
 同裁判長は、選挙権を保障した憲法は選挙権行使の場面での不合理な差別の撤廃も要求していると判示、「投票所に行くことも自書も不可能な人に選挙権行使の機会を保障する制度を設けることが憲法上要請されている」と述べた。
 原告らは八六―九五年に四肢の完全まひで寝たきり状態となった。現行の不在者投票制度では郵便投票ができなくなり、二〇〇〇年一月、計二百七十万円の損害賠償など求めて提訴していた。

◆2002/11/28 郵便投票の自書限定は違憲状態…ALS患者訴訟
 『読売新聞』
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20021128-00000005-yom-soci

 運動神経が侵され体の自由がきかなくなる難病「筋委縮性側索硬化症」(ALS)の患者3人が、投票用紙に自分で字が書けないために郵便投票制度を利用できないのは違法だとして、国を相手に1人当たり90万円の賠償を求めた訴訟の判決が28日、東京地裁であった。
 福田剛久裁判長は「患者らが選挙権を行使できる投票制度がなかったことは、投票権を保障した憲法に違反する状態」との初判断を示した。しかし、「憲法違反ということを国会議員が一般的に認識していなかった」として、国会などの過失を認めず、原告側の訴えを棄却した。原告側は控訴する方針。
 公職選挙法は投票所での投票を原則とし、例外として、投票所で他の人に投票してもらう代理投票制度や郵便投票制度などを設けている。しかし、同法施行令が不正防止の観点から、自宅で投票用紙に記載して郵送する際に自書による署名を求めているため、寝たきりで外出が難しく、特殊なワープロでなければ意思表示ができないALS患者は、代理投票制度も郵便投票制度も利用できなかった。
 裁判では、〈1〉郵便投票で自書を要求する公選法施行令が憲法違反かどうか〈2〉国会や内閣が同法や同施行令を改正しなかったことが違法行為に当たるか――などが主な争点となった。
 判決は「重度のALS患者である原告は、現行投票制度下では選挙権行使が不可能だった」と認定。こうした患者が投票できないことは憲法に違反するとしたが、これを改正しなかった国会の責任までは認めなかった。
 ALSは運動神経だけが侵されて筋肉が徐々に委縮していく難病。有効な治療法は確立されておらず、全国で約6000人の患者がいる。
 判決を受け総務省は、「厳しい指摘がされているようなので、内容を検討する。ALS患者の投票機会の確保は重要な課題で、今後、幅広く検討したい」とコメントした。
(読売新聞)
[11月28日14時34分更新]

 *田中さんより
 東京の夕刊には5紙ともに1面です。
 うち、朝日、東京はトップ記事。
 「公正らしさより公平へ」の流れになるといいのですが。

◆2002/11/28 「ALS郵便投票訴訟 「投票制度なかったのは違憲状態」」
 『朝日新聞』2002.11.28

(写真キャプション)14年間に及ぶ闘病生活を送る原告の笹川彰さん(52)。「投票は、生きることの意義につながる極めて大事なことだ」と語った=24日、東京都板橋区宮本町で

(ここから記事)全身の筋肉が動かなくなり、ペンも握れなくなる「筋委縮性側索硬化症(ALS)」の患者3人が「自筆でなければ郵便投票の有効性を認めないのは、法の下の平等をうたった憲法に違反する」と国を相手に1人あたり90万円の賠償と国会が立法を怠ったことの違憲確認を求めた訴訟の判決が28日、東京地裁であった。福田剛久裁判長は「外出できない原告らが選挙権を行使できる投票制度がなかったことは憲法違反と言わざるを得ない」と述べた。ただ、「国会も投票できない人がいることまで認識していなかった」として国家賠償法上の違法性はなかったと判断し、損害賠償請求を棄却した。
 今後、国会は立法措置を迫られることになりそうだ。
 郵便投票制度に対する初の司法判断となった。
 訴えていたのは、東京都渋谷区の村山芳子さん=01年8月に死亡、夫の恭悟さんが承継=と、いずれも板橋区に住む賀来寛孝さん(58)、笹川彰さん(52)。人工呼吸器を装着して寝たきりの状態だが、眼球の動きやまばたきで文字盤や特殊なパソコンを動かし、意思を伝えることができる。
 公職選挙法は、不正投票を防ぐために同法施行令で「郵便投票では自筆以外の投票は無効」と定め、代理投票は投票所か病院などの施設以外では認められない。
 判決はまず、原告らが投票所に行くことについて「社会通念上不可能だ」と指摘し、「困難だが不可能ではない」との国側の主張を退けた。そのうえで、内閣の責任について「郵便投票に自書を要求する公選法に従って同施行令を定めただけで、違法性はない」と判断した。
 次いで、国会がこの制度を改正するための立法を怠ったかどうかを検討。福田裁判長は、患者が投票できない制度になっていることは「法の下の平等を定めた憲法14条と、参政権を保障した15条に違反する状態だ」と指摘。だが、「選挙権を行使できない人がいることを国会議員が一般に認識していたとは認められない」と判断した。
 また、違憲確認については「法律の抽象的な憲法適合性の判断を求めるもので法律上の訴訟にあたらない」と述べて却下した。
 訴えによると、3人はこの規定があるため選挙権を行使できず、98年7月の参院選などを棄権するしかなかったと言い、「公選法の施行令は、法の下の平等を定めた憲法などに違反し、無効だ」と主張。郵便投票の代筆を認めるよう国会が立法しなかった不作為の違憲確認と、慰謝料の支払いを求めていた。
     ◇
 <ALS> 運動神経が侵されて筋肉が委縮していく進行性の難病。原因は分からず、治療法も確立していない。日本ALS協会(本部・東京都新宿区)によると、全国の患者数は6000人以上。うち約半分が自宅療養している。患者の参政権・投票権をめぐっては、同協会が中心になって96年ごろから政府に巡回投票制度の実施などの改善を要請している。  (11:18)

◆2002/11/28 「「投票制度に違憲状態」 ALS患者選挙権訴訟」
 共同通信2002.11.28

 全身の運動機能が徐々にまひする難病「筋委縮性側索硬化症(ALS)」の患者ら3人が、代筆による郵便投票を認めないのは選挙権の侵害に当たり違憲として、国に計270万円の賠償などを求めた訴訟の判決が28日、東京地裁で言い渡され
た。
 福田剛久裁判長は「患者らが選挙権を行使できる制度が設けられていなかったことは、違憲状態に当たる」と指摘。しかし「そういう状態にあることが国会議員の一般的認識であったとは言えず、国家賠償法上の違法性までは認められない」と請求などを退けた。
 訴えていたのは、笹川彰さん(52)ら東京都内の男性患者2人と審理途中で亡くなった女性患者の夫。
 公選法は重度の身体障害者らが郵送で投票することを認めているが、施行令の規定で本人が候補者名を投票用紙に書き込むことなどが条件となっている。

◆2002/11/28 「ALS患者の請求退ける」
 『産経新聞』2002.11.28

 全身の運動機能が徐々にまひする難病「筋委縮性側索硬化症(ALS)」の患者ら3人が、代筆による郵便投票を認めないのは選挙権の侵害に当たり違憲として、国に計270万円の賠償などを求めた訴訟の判決が28日、東京地裁であり、福田剛久裁判長は請求を退けた。
 訴えたのは、笹川彰さん(52)ら東京都内の男性患者2人と審理途中で亡くなった女性患者の夫。
 公選法は重度の身体障害者らが郵送で投票することを認めているが、施行令の規定で本人が候補者名を投票用紙に書き込むことなどが条件となっている。
 寝たきりで人工呼吸器を使い在宅療養している笹川さんらは「眼球や目の周囲などがわずかに動くだけのため自書できず、郵便投票は利用できない。投票所に行くことも事実上不可能」とし「憲法で保障された最も重要な人権の一つである選挙権を侵害されたまま放置されている」と選挙制度の不備を主張。1998年の参院選、99年の都知事選などで選挙権を侵害されたとした。
 国側は「選挙の実施には一定の制約が伴い、どのような制度を定めるかは国会の裁量にゆだねられている」と反論。「全身まひで呼吸管理をしているALS患者がボランティアの送迎で投票所に行って投票した例もある」としていた。
 日本ALS協会によると、全国の患者数は約6200人。うち2000〜3000人が人工呼吸器を使い、自宅で療養生活を送っているという。

◆2002/11/28 「ALS選挙権違憲状態――患者の笹川さん、ベッドから訴え、社会参加の道に光を。」
 『日本経済新聞』2002年11月28日夕刊

「生きることの意義に」
 サラリーマンだった東京都内の笹川彰さん(52)がALSと診断されたのは、一九八九年だった。足が、手が徐々に動かなくなり、やがて寝たきりに。自発呼吸が困難になった九三年十一月、気管切開手術を受け、人工呼吸器を装着した。「なんでこんな病気に……」と思い、静かに涙が流れた。
 現在、二十四時間介護の下、外出もできず、在宅療養生活を送る。額に付けたセンサーに敏感に反応する特殊なパソコンと文字盤を使って、眼球の動きで読みとる方法で自らの意思をはっきりと伝える。
 選挙が近づくと、自宅に投票所の入場券が届いた。だが、選挙制度の壁の前に、投票を棄権せざるを得なかった。「私にとって、選挙は無用の長物。選挙のバリアフリーの実現を期待してやまず、社会参加の道に光をあててほしい」と振り返る。
 不在者投票の拡大、投票時間の延長など選挙制度が大きく変わった今なお、ALS患者に対する社会参加の道は閉ざされたままだ。しかも、低投票率に歯止めがかからない。笹川さんには「もったいないなあと思う」と感じる。
 判決前、笹川さんは投票にはせる思いをパソコンに打ち込んだ。「社会参加の第一歩とも言うべき参政権の行使は生きることの意義につながる大事なこと。社会の一員として、世のために尽くしたい」
 「投票は社会と自分の接点。むなしい限りです」。原告の一人だった都内の村山芳子さんは生前、参政権を行使できない現状をこう嘆いていた。
 ALS発症から十二年目の昨年八月、判決を聞かないまま、七十一歳で息を引き取った。遺志を引き継ぎ、原告となった夫の恭吾さん(70)は「ALS患者が社会の片隅に置かれている現状を知ってもらったという点で裁判は無駄ではなかったと思う。判決結果を(妻の)墓前に報告したい」と話した。

◆2002/11/28 ALS選挙権違憲状態、投票できる法改正を、国会に対応求める――原告らの願い切実。
 『日本経済新聞』2002年11月28日夕刊

 「選挙権を行使できるように国会は制度改正を進めるべきだ」――。ALS(筋委縮性側索硬化症)患者らは原因不明の難病と向き合いながら、投票する機会を奪われた苦しさも背負った。二十八日、東京地裁で言い渡された「ALS選挙権国家賠償請求訴訟」の判決。違憲状態を認めたものの、訴えを退けた判決に、社会参加の道を訴え続けた原告らは「大変残念」と肩を落とした。(1面参照)
 二十八日の東京地裁判決は、「選挙権は民主主義の根幹をなす」とも指摘、患者らが置かれた差別状態を解消するため法改正をするよう、国会に早急な対応を突きつけている。
 判決は、原告患者らが提案するように、不正投票を防止しつつ自書以外の郵便投票を認めることや、選挙管理委員会が患者の自宅を回って投票を受け付ける「巡回投票制度」を導入することも不可能ではないと指摘。諸外国でALS患者が投票可能な制度が導入されていることも考慮、「原告らが選挙権行使の機会を奪われたことにやむを得ない事情はなく、違憲状態」と言い切った。
 ただ、こうした状態が選挙権行使を保障する憲法の明文規定に明らかに違反したとまではいえないうえ、「原告のような人が存在することが、国会議員には一般的に知られていなかった」と判示。いわば有権者の実情を知ろうとしない議員の“怠慢”を理由に、請求を退ける皮肉な結論となった。
 判決後に記者会見した村越進弁護団長は「判決文を速やかに国会議員全員に送って、違憲状態であると認識していただきたい」と指摘。その上で、「このままの状態を放置すれば、国家賠償法上の賠償責任が生じると思う。国会において、公職選挙法の改正の責務がある」と語った。
 原告らを支援する日本ALS協会の熊本雄治常務理事も「判決は残念。判決を契機に、民主国家として、選挙権を行使できるように制度改正を進めてほしい」と話した。
【図・写真】文字盤とパソコンでコミュニケーションをとる笹川彰さん(東京都板橋区)
 ▼ALS(筋委縮性側索硬化症) 全身の運動神経が侵され、筋肉が委縮して手足が動かなくなる進行性の病気。四十―五十歳代に突然、発症するケースが多く、原因や治療法が解明されておらず、厚生労働省の難病に指定されている。認定患者は約六千二百人。
 進行すると言葉も出にくくなり、呼吸困難に陥るため、気管切開手術を受け人工呼吸器を装着する必要がある。しかし、意識は明りょうなため、思考・判断力は健常者と変わりがない。英国の著名な宇宙物理学者、スティーブン・ホーキング博士もALS患者。
 ▼郵便投票制度 重度の障害で投票所に行けない有権者らを対象に、郵便での投票を認めた制度。公職選挙法施行令に規定され、自分の手で文字を書く「自書」を条件としている。
 かつての「在宅投票制度」は同居家族が郵送で代理投票することを認めていたが、一九五一年四月の統一地方選で、本人が知らない間に第三者が投票するなどの不正が頻発したために、五二年に廃止。七三年の法改正で、現行制度が導入された。

 
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◆2002/11/28 難病患者投票で具体策、官房長官、検討を表明。
 『日本経済新聞』2002年11月29日朝刊

 福田康夫官房長官は二十八日の記者会見で、東京地裁が同日、全身の筋肉が動かなくなるALS(筋委縮性側策硬化症)患者に郵便投票の代筆を認めていないことを「違憲状態」と判断したことを受け、投票用紙に自書できない難病患者の投票機会を確保する方策について「重要な課題であり、どういう方策があるか検討しなければならない」と述べ、具体策を検討する考えを示した。

 
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◆2002/11/29 「ALS:投票実現へ検討 総務相が表明」
 『毎日新聞』2002.11.29 11:38

 片山虎之助総務相は29日の記者会見で、全身まひで在宅介護を受ける筋委縮性側索硬化症(ALS)患者による国家賠償訴訟で「違憲状態」を認定した東京地裁判決について「必要なら(制度を)直して、投票の機会を与えなければならない。違憲状態解消は当然のことだ」と述べ、投票実現に向けて検討する考えを明らかにした。患者は「現行制度では投票できず、選挙権が侵害されている」と訴えていた。
 片山総務相は方法については「選挙管理委員が直接聞いて、投票するぐらいしか考えられない」と述べ、立会いの下で代筆投票が検討対象との見方も示した。公職選挙法は投票所に行けない重度障害者について不在者投票の一種の郵便投票を認める一方、過去に不正が相次いだことから代筆は禁じている。
[毎日新聞11月29日] ( 2002-11-29-11:40 )


*このファイルは文部科学省科学研究費補助金を受けてなされている研究(基盤(C)・課題番号12610172)のための資料の一部でもあります。


REV: 20020910,13,25,1006,15,24,28,1104,07,16,1210,16,21,31,20030111,1116
ALS
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