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老い・2008/後期高齢者医療制度
老い


 2008年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月

◆守田 憲二 200805- 「終末期医療費」http://www6.plala.or.jp/brainx/elcost.htm


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 ▽2008/01

立岩 真也 2008/01/07 「「障老病異」と暮らす社会を目指して」(インタビュー),『京都新聞』2008-1-7,「確かさを求めて・ニッポンのゆくえ第4回

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 ▽2008/02

立岩 真也 20080201 「有限でもあるから控えることについて」,『現代思想』36-2(2008-2):48-60
 はっきりした早くよくわからない変化 // 短絡 // 老人病院批判 // 寝たきり老人がいない国 // もう一つの発見  →資料

小松 美彦・荒川 迪生 20080201 「尊厳死をめぐる闘争――医療危機の時代に」(対談),『現代思想』36-2(2008-2):62-87
 荒川 迪生:あらかわ みちお・医師/日本尊厳死協会

石井 暎禧 20080201 「「医療崩壊」 の真実――戦後医療の制度疲労」,『現代思想』36-2(2008-2):88-100(特集:医療崩壊――生命をめぐるエコノミー)

向井 承子 20080201 「超高齢社会と死の誘惑」,『現代思想』36-2(2008-2):101-109

 「なにより残念なのは、重箱の隅をいじりまわすような「操作」でいのちをも奪う制度の倫理性を語る専門家をほとんど知らないことである。
 脳梗塞の後遺症のリハビリを打ち切られようとして指一本の執筆活動で厚労省に闘いを挑んだ免疫学者の多田富雄氏は、医療費削減政策下での診療報酬制度の操作を「まるで『毒針』(『わたしのリハビリ闘争』)と鋭く指摘された「毒針」の意味を歴史を踏まえて分析評価する専門家の登場を、二〇年以上、ただ当事者として書き続けてきた私は待ち焦がれている。」(向井[2008:109]、最後の部分)

◆大竹進 2008/02/02〜 後期高齢者医療制度は「団塊うば捨て山」『インターネット新聞JanJan』
(1)なぜ75歳以上なのか
 http://www.news.janjan.jp/living/0802/0802010949/1.php
(2)2030年には47万人の終末期難民が出現
 http://www.news.janjan.jp/living/0802/0802010960/1.php
(3)ミスリードされた終末期医療の議論
 http://www.news.janjan.jp/living/0802/0802030089/1.php
4)逆進性強い負担増で弱者切り捨て
 http://www.news.janjan.jp/living/0802/0802040159/1.php
(5)医療が介護保険に吸収される
 http://www.news.janjan.jp/living/0802/0802050246/1.php
(6・終)感謝と誇りを持って最期を迎えたい
 http://www.news.janjan.jp/living/0802/0802050253/1.php

◆キャリアブレイン(新井裕充) 2008/02/14 16:40 「フリーアクセスの制限と「尊厳死」」『医療・介護情報CBニュース』(株式会社キャリアブレイン)
 http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=14515&freeWordSave=1

 「4月からスタートする75歳以上の後期高齢者医療の診療報酬について、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=土田武史・早稲田大商学部教授)は2月13日の総会で、後期高齢者の外来医療や在宅医療などで地域の開業医らが受け取る個別の点数を決定した。高齢者の健康状態などを継続的に管理する「後期高齢者診療料」を600点と高く評価し、在宅医療を進める。「医療費抑制の大本命」とも言われる後期高齢者医療制度は、2008年度診療報酬改定の緊急課題である「病院勤務医の負担軽減」の陰に隠れながら着実に進んでいる。しかし、在宅移行の先にある「終末期医療」が見えない。(新井裕充)

 今回、新設された「後期高齢者終末期相談支援料」(200点)は、終末期の治療方針を患者や家族と話し合って「書面」にまとめた場合に算定できる。意識不明などで患者の自由意思を確認できない場合は、主治医や看護師らの「医療・ケアチーム」が家族と話し合って終末期の方針を決定する。
 後期高齢者医療の個別点数を決定した2月13日の総会で、勝村久司委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)は、終末期における意思確認の難しさなどを指摘した。
 「いろいろなガイドラインがあり、医療機関の倫理委員会で真剣な議論が続けられている。『一度は意思表示をしたが、話をしているうちに意思が変わることもある』とか『どのタイミングで情報を提供していくのか』という議論がされている中、この制度が始まる。『今後どうなるのか不安だ』という現場からの声がある」
 「私も気になっていた」と、大島伸一委員(国立長寿医療センター総長)が続けた。「死の問題は聖域。尊厳ある死、理想的な死が“絶対値”で議論される」として、終末期医療の制度化に伴う“悩ましさ”を語った。
 「現実には110万人が亡くなっていて、2万人が孤独死、3万人が自殺という状況が起きている。孤独死の予備軍が高齢者に増えているという現実もある。尊厳ある死と現実がかい離していることを軽く考えるべきではない」
 土田会長も「終末期における情報提供の在り方は検証部会で取り上げて検証していただきたい」と理解を示した。
 08年度診療報酬改定の答申書には、「後期高齢者診療報酬体系の創設に伴い創設された診療報酬項目については、高齢者の心身の特性に応じた医療提供に資するものとなっているかという観点から、実施後の状況について検証を行う」との意見が付されている。」(全文 図表等略)

勝村久司 http://homepage1.nifty.com/hkr/
◇医療情報の公開・開示を求める市民の会 http://homepage1.nifty.com/hkr/simin
◇大島伸一(国立長寿医療センター総長) http://www.ncgg.go.jp/greeting.html

老人の専門医療を考える会 第30回全国シンポジウム 2008/02/23 どうする老人医療 「これからの老人病院 ご存知ですか? 後期高齢者医療制度 (PartU)」 於:大手町サンケイプラザ.
 http://ro-sen.jp/sympo/sympo30info.html

◆2008/02/28 野党四党が共同で「後期高齢者医療制度廃止法案」を衆議院に提出

◆全国保険医団体連合会 2008/02/29 「後期高齢者医療制度の実施中止・撤回を改めて要求します――野党四党の廃止法案提出を受けて」
 http://hodanren.doc-net.or.jp/news/teigen/080229kourei.html

 「後期高齢者医療制度の実施中止・撤回を改めて要求します――野党四党の廃止法案提出を受けて
2008年2月29日 全国保険医団体連合会 会 長  住江 憲勇
 昨日2月28日、野党四党は共同で「後期高齢者医療制度廃止法案」を衆議院に提出しました。衆議院への法案の野党共同提出は、昨年の参議院選挙以降、初めてです。
 後期高齢者医療制度は、生活保護世帯を除き、従来の被扶養者も含めた75歳以上の全国民から保険料を徴収し、給付が増えれば負担も増えるという過酷な制度です。病気に罹りやすく、ケガをしやすい高齢者だけを集めた保険制度を多くの国民の反対を押し切って創設し、その結果生じる負担を地方自治体と国民の自己責任に帰すことは断じて許されません。
 また、この制度の実施に伴い、4月1日から実施される診療報酬改定では75歳以上のみを対象にした診療報酬が設定されます。医療費「適正化」路線のもと、今後、後期高齢者の医療が現役世代に比べて限定的・抑制的になる危険性が高いのです。すでに、療養病床の削減・廃止計画により、高齢者は病院からの退院を余儀なくされています。
 多くの国民が、後期高齢者医療制度の具体的な内容について十分に知らされていません。事態を知った高齢者からは、「わずかな年金から、本人の同意もなく保険料を天引きするのはひどい」「私たちの医療はどうなるのか」「これからも同じ先生に診てもらえるのか」など、悲痛な訴えをされています。
 福田首相は、「年を取って良かったなあと言うことが実感出来るような社会にしたい」と1月28日の衆議院予算委員会で答弁しています。国の責任において明るく、豊かな高齢期を保障する立場に立って与党にはすみやかに本法案の審議に応じることを求めるとともに、改めて後期高齢者医療制度の実施中止・撤回を要求します。
以上」

◆土佐 和男 編著 20080200 『高齢者の医療の確保に関する法律の解説――付・高齢者の医療の確保に関する法律』,法研,461p. ISBN-10: 487954714X ISBN-13: 978-4879547149 4725 [amazon][kinokuniya] ※ d01.a06.

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 ▽2008/03

立岩 真也 20080301 「有限でもあるから控えることについて・2」,『現代思想』36-3(2008-3):20-31 資料

天田 城介 20080301 「死の贈与のエコノミーと犠牲の構造――老い衰えゆく人びとの生存という戦術」,『現代思想』36-3(2008-3):82-101

武藤 香織 20080301 「「ピンピンコロリ」 をめぐる物語――私たちが欲しいものはこれなのか?」,『現代思想』36-3(2008-3):116-125

◆2008/03/12 「後期高齢者医療制度の中止・撤回をめざす」3・12国会内集会

◇2008/03/14 「国会・政府の動向 : 「後期高齢者医療制度の中止・撤回をめざす」3・12国会内集会」
 日本自治体労働組合総連合HP 投稿者 : webmaster 投稿日時: 2008-03-14
 http://www.jichiroren.jp/modules/topic/index.php?page=article&storyid=737

 「野党4党が提出した「後期高齢者医療制度廃止法案」が4月実施を目前にして、いまだに審議日程が決まっていないという状況を打開するため、医療団体連絡会議と中央社保協の主催による国会内集会が開かれました。
 主催者挨拶として、全日本民医連鈴木代表は、「全国各地で地域医療崩壊がこれ以上進行したら高齢者が公園にあふれ、映画のシッコ以上の社会となる。いま525自治体が反対決議を上げ、署名は350万、全体では500万筆となっている。こんなひどい制度を作っておいて、厚労省の役人は滞納する人は悪質だと言っている。民医連は仮に4月に実施された場合には、75歳以上の方5000人の訪問実態調査をして、中止・撤回の運動をさらに進めていく」との挨拶がありました。
 国会議員参加者全員から連帯のあいさつを受け、自民党議員は、「一昨年の厚生労働委員会でも、後期高齢者医療制度の詳細については説明されてなかった」と発言。この集会に自民党議員が参加したのは初めてで、後期高齢者医療制度のもつ大問題が与党にも浸透してきたことの現われです。国会議員からは年齢で区切ることにより差別を持ち込むのは問題という発言が相次ぎました。引き続き衆議院で審議をするよう要請しましょう。

 老人は、はよ死ねいうんか!地域から怒りの声を集めて必ず後期高齢者医療制度の廃止を!

 参議院での審議入りに向けて、波乱含みで推移している国会状況の中、なんとしても野党4党で提出した「後期高齢者医療制度廃止法案」を成立させようと、衆議院第二議員会館前には、今国会行動最高の450人が結集しました。
 各地の代表5人から決意表明が行われ、「老人は、はよ死ねいうんか!」との横断幕をもって参加した大阪の社会保障推進協議会の事務局長の寺内さんは「わたしはこの1年間で120回の学習会の講師を行いました。終末期医療の問題など、本当のことを知ったお年よりは、『死んでたまるか』の怒りの声をあげています。中止・撤回の日まで奮闘したい」「23日には、後期高齢者医療制度の廃止を求めて東京大集会が開催される。地域から怒りを集めて必ず成功させる(年金者組合)」「誰もが豊かな老後が送れるように、大企業中心の今の税金の使い方を変えよう(東京土建)」「50万の署名目標に対して48万5千筆まで迫った。老人会の中でも年寄りを差別するこの制度に怒っている(長野民医連・医療生協)」など、世論を高める各地の運動の報告がありました。」

◆2008/03/23 「後期高齢者医療制度」の中止・撤回を求める3・23東京大集会
 主催:後期高齢者医療制度の中止・撤回を求める東京連絡会主催

◆2008/03/24「後期医療制度「入山料℃謔驩W捨て山」」
 CBニュース http://www.cabrain.net/news/article/newsId/15208.html;jsessionid=544BEB8B869

 「4月1日から実施される「後期高齢者医療制度」の中止・撤回を求める「3・23東京大集会」(後期高齢者医療制度の中止・撤回を求める東京連絡会主催)が3月23日、東京都三鷹市の井の頭公園で開かれた。医療・介護関係や高齢者団体などから約1万2千人が参加。東京都の62区市町村議会の8割近い49議会で同制度の中止・撤回を求める意見書が採択されている状況などを踏まえ、「年齢で医療を差別するという世界に類を見ない悪法を即時に、政府・与党に中止・撤回させる」ことを確認した。
 同制度は、75歳以上の国民が加入を義務付けられるほか、生活保護世帯を除き、子どもの扶養家族となっている人や寝たきり等で障害認定を受けた65歳〜74歳も対象となる。これまでは被扶養者として保険料を払っていなかった人も制度の対象となった時点で、75歳以上なら後期高齢者医療、74歳以下なら国民健康保険等に加入し保険料を支払う。
 保険料は介護保険料とともに、毎月の年金が一定額以上あれば天引きされ、医療内容も病名によって1か月の医療費が決められる「包括制」に。窓口負担は原則として掛かった医療費の1割だが、現役並みの所得があれば3割負担となる。保険料を滞納すると、国保と同様に保険証が取り上げられ「資格証明書」が発行されるなどの制裁がある。
 大集会では、八王子市の老人会からの出席者が「これまでは扶養家族となっていても、75歳以上になると独立して保険料を払わなければならなくなることには納得がいかない。1か月当たりの医療費が決められ、医者に掛かることを控えることに追いやられる。まだ制度のひどさを分かっていない人も多く、仲間を通じて周知させていきたい。撤回しかない」と主張。また、障碍(がい)者団体の発言者も「差別医療は許せない」と訴えた。
 さらに、現場の医師は「年齢によって医療を切り離す根拠は医学的に全くない。あるのは医療費の削減だけ」と批判。「例えば、お金が掛かるからという理由で75歳以上の国民を別の選挙制度、いわゆる選挙権に制限を加えることにしたら、どういうことになるだろうか。政権が吹っ飛ぶほどの大騒動になるはず。しかし、このような悪しき制度が医療で起きているということだ」などと、制度を打破する必然性を強調した。
 同制度をめぐっては、民主、共産、社民、国民新の野党4党が共同で後期高齢者を廃止する法案を国会に提出。このような対応を踏まえ、大集会では4野党の国会議員と賛同する無所属議員が連帯のあいさつを行った。
 民主党議員は「後期高齢者という名前そのものが問題で、これ自体を廃止すべき」と指摘した。野党が提出した法案については「与党(自民・公明)は全く審議を進める気配がない」と批判。政府・与党が制度の根拠≠ニしている財源の問題に対しては「『埋蔵金』という特別会計がある。これを見直せば財源はある。今、(道路特定財源などにみられる)道路か命かの闘いになっている」などと訴えた。共産党議員は「75歳以上の特徴として、国は治療が長期化するとか、いずれ死は避けられないなどと言っているが、自分の親にこのようなことを言えるだろうか。この制度は(保険料という)入山料を取る姥(うば)捨て山だ。日本はかつて長寿を祝う社会だった。高齢者が肩身の狭い社会にしてはダメだ」と強調した。
 続いて、大集会では「昨年の参院選で、悪政に怒った国民が自民・公明を歴史的な大敗北に追いやり、慌てた政府与党が(制度の)一部の見直しをしたが、4月実施を強行しようとしている。命は平等であり、年齢の差別は許せない。野党が提出した廃止法案の早期成立を求める」などとする決議を採択した。
 大集会を主催した連絡会によると、3月7日現在、制度の中止・撤回を求める署名は全国で500万筆を超え、意見書は全国1,800議会の3割近い530議会に達している。東京では62区市町村議会の約79%に当たる49議会が採択している。」(全文 更新:2008/03/24 10:04 キャリアブレイン)

◆大竹進 2008/03/29 「スタート間近の後期高齢者医療制度――低い診療報酬で医療崩壊が加速?」
 『インターネット新聞JANJAN』http://www.news.janjan.jp:80/living/0803/0803240464/1.php

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 ▽2008/04

◆後期高齢者医療制度開始

◆後期高齢者のみに適用される診療報酬

◇医学管理料等
後期高齢者診療料 600点(月1回) 新設
後期高齢者外来継続指導料 200点(退院後初日) 新設
後期高齢者終末期相談支援料 200点(1回限り) 新設
薬剤情報提供料の「手帳記載加算」 5点(月1回)
後期高齢者退院時薬剤情報提供料 100点(退院日1回) 新設
後期高齢者退院時栄養・食事管理指導料 180点(退院日1回)新設
◇在宅
在宅患者訪問看護・指導料の「後期高齢者終末期相談支援加算」 200点(1回限り) 新設
居住系施設入居者等訪問看護・指導料の「後期高齢者終末期相談支援加算」200点(1回限り) 新設
◇処遇
後期高齢者処置 12点(1日につき) 改定前の名称は「老人処置」 点数・取り扱い変更なし
後期高齢者精神病棟等処置量 15点(1日につき) 改定前の名称は「老人精神病棟等処置料」 点数・取り扱い変更なし
◇入院
一般病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟)、専門病院入院基本料、障害者施設等入院基本料の「後期高齢者特定入院基本料」 928点(特別入院基本料は790点)(1日につき) 改定前の名称は「老人特定入院基本料」
後期高齢者外来患者緊急入院診療加算 500点(入院初日) 新設
後期高齢者総合評価加算 50点(入院中1回) 新設
後期高齢者退院調整加算 100点(退院時1回) 新設
診療所後期高齢者医療管理料 1,080点(14日以内)、645点(15日以上)(1日につき) 改定前の名称は「診療所老人医療管理料」

◆後期高齢者医療制度の中止・撤廃を主張する団体・業界(の幾つか)

◇日本高齢者運動連絡会  日本高齢者大会 http://nihonkouren.cocolog-nifty.com/blog/
◇医療団体連絡会議(医団連)
◇全国保険医団体連合会(保団連) http://hodanren.doc-net.or.jp/
◇日本生活協同組合連合会医療部会(日生協医療部会) http://www.jhca.coop/
◇全日本民主医療機関連合会(全日本民医連) http://hodanren.doc-net.or.jp/link/index.html
◇新日本医師協会(新医協) http://homepage3.nifty.com/shinikyo/
◇日本医療労働組合連合会(医労連) http://www.irouren.or.jp/
◇日本患者同盟 http://www.nanbyou.or.jp/dantai/kanjyadoumei.html
◇日本高齢・退職者団体連合 http://www8.cao.go.jp/kourei/shirabe/kourei-taishoku.pdf
◇労働者住民医療連絡会議 http://park18.wakwak.com/~roujuiren/index.htm
◇日本高齢・退職者福祉推進委員会 http://www.adwa.jp/
◇全日本年金者組合 http://www2.odn.ne.jp/~aae41550/
◇全国老後保障地域団体連絡会 http://www16.plala.or.jp/altej/index.html
◇全国老人福祉問題研究会 http://www1a.biglobe.ne.jp/roumon/index.html
◇福祉介護オンブズネットおおさか http://www.eonet.ne.jp/~ombudsman/inde-ombudsman-home.htm
◇全国生活と健康を守る会連合会 http://www.zenseiren.net/
◇医療費窓口負担ゼロの会 http://www.iiiryou.com/zero/
◇全国労働組合総連合(全労連) http://www.zenroren.gr.jp/jp/index.html
◇中央社会保障推進協議会 http://www.shahokyo.jp/
◇日本自治体労働組合連合 http://www.jichiroren.jp/
◇年金者組合東京都本部 http://www.aa.alpha-net.ne.jp/nenkinto/
◇後期高齢者医療制度の中止撤回を求める東京連絡会
◇日本難病・疾病団体協議会 http://www.nanbyo.jp/
◇NPO法人 埼玉県腎臓病患者友の会 http://hp.kanshin-hiroba.jp/jinzou/pc/index.html
→NPO法人埼玉県腎臓病患者友の会 2007/09/18 NPO法人埼玉県腎臓病患者友の会西ブロック主催「私たち透析患者の命にかかわる後期高齢者医療制度を考える」
 http://takei.sakado-gr.org/diary/07/dt070918.htm
◇全国パーキンソン病友の会 http://www.jpda-net.org/

立岩 真也 20080401 「有限でもあるから控えることについて・3」,『現代思想』36-(2008-4): 資料

◆日野 秀逸 20080405 『医療構造改革と地域医療 新版――後期高齢者医療と財政問題から日本の医療を考える』,自治体研究社,134p. ISBN-10: 488037508X ISBN-13: 978-4880375083 1400 [amazon][kinokuniya] ※ a06.

◆愛知県保険医協会 2008/04/05 「高齢者を邪魔者扱いする後期高齢者医療制度が発足  中止・撤回の声急速に広がる」
 http://aichi-hkn.jp/undo/iryokaizen/20080405koukikourei.htm

 「現代版「姥捨て山」と呼ばれ、医療費がかかる高齢者を邪魔者扱いする世界でも例をみない後期高齢者医療制度が、四月からスタートした。
 中止・見直しを求める多数の高齢者の声と、全自治体の三割近い五百三十を超える自治体意見書を黙殺しての制度開始である。
 なぜこれ程までに後期高齢者医療制度への批判や不満が広がったのか、全貌が明らかになった後期高齢者の診療報酬問題を中心に、改めてその問題点を考え、今後の廃止・撤回の運動に繋げてみたい。

75歳で切り離す矛盾
 高齢者やその家族が、後期高齢者医療制度について、最も怒りを集めているのが、「なぜ七十五歳になると、今までの医療保険から脱退させられ、別の医療保険制度に囲い込まれ、受けられる医療も差別されなければならないのか」という点である。
 国民皆保険制度のある国で、このような特定の年齢で差別される仕組みを設けている国はどこにも存在しない。
 そのため、高齢者からは、実施が迫るに従い、受けられる医療内容への不安や怒りが広がってきた。
 こうした声に対し、厚労省は「医療内容は決して差別されることはない」と、その否定に躍起になっている。
 しかし、そうであるなら、「何故わざわざ後期高齢者独自の診療報酬を設けなければならないのか」という疑問が生まれる。
 それもそのはず、後期高齢者医療制度の根拠法を見ると、その理由は一目瞭然である。
 後期高齢者医療制度は、従来の老人保健法が名称変更され、今年四月一日から施行される「高齢者の医療の確保に関する法律(高齢者医療確保法)」が根拠法となる。この法律の目的(第一条)、国の責務(第三条)、地方公共団体の責務(第四条)には、いずれも「医療費の適正化を図る」ことが位置づけられている。(資料1参照)
 いくら厚労省が、「受けられる医療に変わりがない、後期高齢者の特性に配慮したもの」と差別医療を否定しても、医療費抑制を目的にした法律が根拠法である以上、後期高齢者のみに適用される診療報酬が、高齢者に手厚い医療を提供できるように配慮したものだとは、誰も信じないであろう。

後期高齢者独自の診療報酬は10項目
 こうした中で、四月から始まる後期高齢者医療の診療報酬がどのように設定されるのか注目されていた。
 最終的に差別医療を許さない世論と運動が反映し、後期高齢者向けの別建て診療報酬点数表の新設は阻止された。そして、後期高齢者のみに適用される診療報酬項目は、(資料2)「後期高齢者のみに適用となる点数一覧」のように、最小限に留めさせることができた。
 このことは、高齢者医療に差別を持ち込ませない運動の貴重な成果だといえよう。
今回の診療報酬改定で、後期高齢者にのみ適用された診療報酬項目は、従来の老人保健の時から定められている項目で、実質的に名称変更だけの項目を除くと、十項目に限定された。その内、要件を満たした時に一回限り算定する項目が九項目で、継続的に算定する診療報酬は、「後期高齢者診療料」(月六百点)の一項目のみとなった。
しかし、新規項目が最小限に限定されたとはいえ、後期高齢者独自の診療報酬を設けたという点では、枠組みはつくられたといえる。今後の改悪を許さず、後期高齢者独自の診療報酬をなくす取り組みを強めるとともに、根本的な解決のためには後期高齢者医療制度そのものを廃止に追い込むことが重要である。

大混乱を招く後期高齢者診療料
 厚労省が、高齢者医療費を抑制するための問題意識は、外来の重複受診の制限、入院抑制・早期退院、在宅医療の誘導、終末期医療の削減の四点にある。
 ここでは、外来医療での「後期高齢者診療料」と、終末期医療での「後期高齢者終末期相談支援料」の二項目についてのみ、言及しておきたい。
 「後期高齢者診療料」は、後期高齢者のみに適用される独自診療報酬の目玉というべき項目である。患者一人につき「一医療機関のみ」と限定し、複数の病気を抱える高齢者が複数医療機関に受診しないようにすることを目指している。今回はその手始めというべき位置づけで登場したものといえる。
 指導管理等、検査、画像診断、処置が包括された定額点数としては、極めて低点数で設定され、後期高齢者に安上がりの医療を押しつけることになりかねない。

算定しないよう呼びかける医師会も
 全国各地の医師会では、後期高齢者診療料を算定しない、あるいは届出をしないよう会員に呼びかけるところが広がっている。
 現在分かっている範囲でも、県レベルで山形、茨城、兵庫、長崎各県医師会が会員に通知したり、伝達講習会で、会長が呼びかけたりしている。地区レベルでは、青森県青森市・弘前市、山形県鶴岡地区医師会、群馬県高崎市、神戸市、鳥取県西部医師会(米子市など)、山口県岩国市、長崎県南高医師会(雲仙市及び南島原市)などの各地区医師会が同様の呼びかけを行っている。

終末期相談支援に名を借りた延命治療の抑制
 終末期医療では、「後期高齢者終末期相談支援料」という診療報酬点数が新設された。
 「回復を見込むことが難しい」と判断した後期高齢者に、医師・看護師等が共同して患者・家族とともに、終末期の診療方針を話し合い、文書にまとめた場合の点数だが、なぜ七十五歳以上のみの独自点数が必要なのか厚労省は説明不能状態に陥っている。
 今回の支援料が機能するか否かは別にして、延命治療の抑制が真の狙いであることは明白である。厚労省の高齢者医療制度施行準備室の土佐和男室長補佐編著の「高齢者の医療の確保に関する法律の解説」がそのことを雄弁に物語っている。
 土佐氏は、後期高齢者の診療報酬に、七十五歳以上にだけ適用する診療報酬を新設した理由として、「年齢別に見ると、一番医療費がかかっているのが後期高齢者」「この部分の医療費を適正化していかなければならない」と述べている。そして、家族が延命治療を求めることが医療費膨張の原因であるとし、抑制する仕組みを検討するのが終末期医療の評価の問題であり、後期高齢者の新たな診療報酬体系の意図が「延命治療の制限」にあることを強調している。

四月の年金天引き開始で後期高齢者医療は焦点に
 三月十五日付け朝日新聞は、「四月十五日支給の年金から、保険料の『天引き』が始まるが、制度がよく知られておらず、高齢者の反発も予想され、後期高齢者医療が国政の焦点に浮かび上がってくる」と報道している。
 野党四党は、二月二十八日に後期高齢者医療制度等廃止法案を国会に共同提出し、その後、二回にわたって野党共同の集会も開催している。
民主党の菅直人代表代行は、野党共同開催の大集会で「七十五歳以上だけを切り分けた制度策定について、ある種の差別的な扱いをしても仕方ないという本音が厚労省に見える。これは人間の尊厳を冒す制度であり、我々は何としても制度そのものを止めさせる」と訴えた。
 また、共産党の小池晃政策委員長は、後期高齢者医療制度のことを「家族一緒に暮らしていた母屋から、七十五歳を過ぎた人だけ離れに移すようなやり方であり、人の道に反する」と厳しく批判している。
 「年金天引きで国民の怒りが沸点に達する」(社民党阿部知子政審会長)日は間近に近づいている。」

(資料1)高齢者の医療の確保に関する法律の目的、国・自治体の責務
(目的)
第1条 この法律は、国民の高齢期における適切な医療の確保を図るため、医療費の適正化を推進するための計画の作成及び保険者による健康診査等の実施に関する措置を講ずるとともに、高齢者の医療について、国民の共同連帯の理念等に基づき、前期高齢者に係る保険者間の費用負担の調整、後期高齢者に対する適切な医療の給付等を行うために必要な制度を設け、もつて国民保健の向上及び高齢者の福祉の増進を図ることを目的とする。
(国の責務)
第3条 国は、国民の高齢期における医療に要する費用の適正化を図るための取組が円滑に実施され、高齢者医療制度の運営が健全に行われるよう必要な各般の措置を講ずるとともに、第一条に規定する目的の達成に資するため、医療、公衆衛生、社会福祉その他の関連施策を積極的に推進しなければならない。
(地方公共団体の責務)
第4条 地方公共団体は、この法律の趣旨を尊重し、住民の高齢期における医療に要する費用の適正化を図るための取組及び高齢者医療制度の運営が適切かつ円滑に行われるよう所要の施策を実施しなければならない。

◆日本臨床内科医会 2008/04/13 「日本臨床内科医会は後期高齢者医療制度の見直しについて意志表明を行いました。」
http://japha.umin.jp/info/2008/ketugi.htm

 「―決議文―
 日本臨床内科医会は、第一線の地域医療を担う医師集団の立場から、永年に亘って築き上げてきた患者と医師の信頼関係を崩壊させ、ひいては医療現場を無視した地域医療の崩壊をもたらす平成20年度診療報酬改定に対して、理事会・代議員会において以下の決議をおこなうものである。
1、後期高齢者診療報酬体系の見直し
 後期高齢者の外来での医学管理を評価する「後期高齢者診療料」は「1人の患者の主病を診る1医療機関が算定」との要件があり、病態が変化することの多い高齢患者にとって最良の医療選択の余地をなくす医学管理料である。 さらに、複数の疾患を合併している高齢者にとっては、専門性の異なる複数の主治医が連携して治療にあたる体制が好ましく、疾患名が異なる場合は複数の医療機関でも算定可能と、要件を変更すべきである。
2、外来管理加算の時間要件撤廃
 厚生労働省の通知では、再診料の外来管理加算要件について、「医師が実際におおむね5分を超えて直接診察を超えて直接診察を行っている場合に算定できる。」この場合「診察を行っている時間とは、患者が診察室に入室した時点より診察終了時間までとし、その間一貫して医師が患者に対して問診、身体診察、療養上の指導を行っている場合の時間に限る。」としている。
 以上のように、新要件では終始医師が診察・診療をした結果の「5分」を要すると規定しているが、外来診療は医師単独で行っている場合は少なく、むしろ医師と看護師等を中心とするチーム医療で成り立っている場合が多い。 従って、今次の「5分要件」は医療機関が努力して作り上げてきた チーム医療の否定に繋がる要件であることは明白であり、外 来管理加算の算定要件「5分の時間要件」は、撤廃すべきである。 
 以上の項目に付き理事会・代議員会において決議するものである。
 平成20年4月13日
 日本臨床内科医会」(全文)

◆社団法人日本看護協会 2008/04/14 「長寿医療制度(後期高齢者医療制度)に対する日本看護協会の声明」
 http://www.nurse.or.jp/home/opinion/newsrelease/2008pdf/20080414.pdf

 News Release 報道関係者各位
 社団法人 日本看護協会 広報部 2008年4月14日
 健やかに老い、安らかに眠るために―長寿医療制度(後期高齢者医療制度)に対する日本看護協会の声明

 平成20年4月から開始された、75歳以上が対象の後期高齢者医療制度。初日に名称が「長寿医療制度」と変えられたり、保険証が届かなかったり、制度の複雑さもあり、保険料負担への不安など高齢者医療の混乱が指摘されています。
 社団法人日本看護協会(会長・久常節子)は、後期高齢者医療制度創設の本質に立ち戻り、高齢者の尊厳を守り総合的な療養生活を支援する職能団体の立場から、4月14日付けで、「長寿医療制度(後期高齢者医療制度)に対する日本看護協会の声明」を公表いたしました。
 声明の中では、新制度について「退院から在宅での看取りまで、切れ目なく安心して必要な医療が受けられるようになるための基盤整備の第一歩である」と、制度の始まりであることを指摘。さらに、20年度の診療報酬改定における訪問看護のさまざまな加算などの評価が、多職種連携による支援体制や訪問看護機能の充実を後押しすること、また、職能団体として本制度の整備に参画し、国民が願う「健やかに老い、安らかに眠る」ことが実現できる社会づくりに貢献したいと、表明しています。
 報道関係者におかれましては、本会の趣旨にご理解をいただき、さまざまな機会にご紹介いただきますよう、よろしくお願いいたします。

<関連資料>
□ニュースリリース
2008年2月28日「平成20年度診療報酬改定に関する日本看護協会の意見」
http://www.nurse.or.jp/home/opinion/newsrelease/2008pdf/20080228-1.pdf
□要望書
2007年9月20日「後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子案についての意見
http://www.nurse.or.jp/home/opinion/teigen/2007pdf/20070914.pdf
<リリースのお問合せ先> 社団法人日本看護協会 広報部
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前 5-8-2 電話:03−5778−8547 FAX:03-5778-8478
Eメール koho@nurse.or.jp ホームページ http://www.nurse.or.jp/

News Release 報道関係者各位
社団法人 日本看護協会 広報部 2008年4月14日

長寿医療制度(後期高齢者医療制度)に対する日本看護協会の声明

 平成20年4月より長寿医療制度(後期高齢者医療制度)が実施されました。
社団法人日本看護協会(以下本会という。)は、高齢者の尊厳を守り、暮らしの中での総合的な療養支援を強力に推進する立場から、以下のことを表明します。
 1.この制度の創設は、慢性疾患やターミナル等の高齢者が必要な医療を、外来・入院、そして退院から在宅での看取りまで、切れ目なく安心して受けられるようになるための基盤整備の第一歩であると考えます。
 2.特に、在宅療養の支援については、住み慣れた地域で身近な人に囲まれて最期を迎えたいという希望を実現できる24時間365日のスムーズな多職種連携による支援体制が求められています。
 3.このたびの診療報酬改定においては、生活の場へ出向いて療養を支援し、安らかで尊厳のある死を支える訪問看護の技術が評価され、「訪問看護基本療養費」や「ターミナル療養費」が拡充されるとともに、「24時間対応体制加算」、「長時間訪問看護加算」、「後期高齢者終末期相談支援療養費」等が新設されました。
 このような見直しは、全国の各地域における医師、 薬剤師等多職種との連携強化と、訪問看護機能の一層の充実を後押しするものであります。
 本会は、この期待に応え、訪問看護のさらなる発展のために訪問看護推進事業を強力に進めて参ります。
 4.訪問看護の拡充策を確実に進めることによって、介護保険制度との連携を含めた長寿医療制度(後期高齢者医療制度)の更なる整備に参画し、国民が願う「健やかに老い、安らかに眠る」ことが実現できる社会づくりに貢献します。
 以上

<リリースのお問合せ先> 社団法人日本看護協会 広報部
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前 5-8-2 電話:03−5778−8547 FAX:03-5778-8478
E メール koho@nurse.or.jp ホームページ http://www.nurse.or.jp/

◆2008/04/15 「高齢医療の報酬設定を評価――日看協」」
 『医療・介護情報CBニュース』(株式会社キャリアブレイン)
 http://news.cabrain.net/article/newsId/15600.html;jsessionid=C4B816B76CA00D5C0A8FB587966FC3F8

 「日本看護協会(久常節子会長)はこのほど、4月からスタートした後期高齢者医療制度に関し、今回の診療報酬改定で訪問看護に対する報酬が充実した点について評価する声明を発表した。
 声明は、必要に応じて緊急の訪問看護を実施できる体制を評価する「24時間対応体制加算」や、回復が難しい後期高齢者の終末期の診療方針を医師や看護師など関係職種が話し合い、文書にまとめた場合に算定できる「後期高齢者終末期相談支援療養費」などが新設された点について、「訪問看護機能の一層の充実を評価するもの」との受け止め方を示している。」(全文 更新:2008/04/15 21:14)

◆2008/04/16 「療養病床なくさないで」『医療・介護情報CBニュース』(株式会社キャリアブレイン)http://news.cabrain.net/article/newsId/15617.html

 「療養病床削減問題の解決を目指す「療養病床問題を考える国会議員の会」(会長・中山太郎自民党衆院議員)は4月16日、自民党本部で会合を開き、入院患者の家族らからヒアリングを行った。家族らは「どうか療養病床をなくさないで、最後まで面倒を見てほしい」などと訴えた。
 京都市内の介護療養型医療施設「嵯峨野病院」に入院する山崎佳子さん(89歳)の夫、英治さん(67歳)は「医療と介護、看護をしてくれるこの病院がなければ、妻はとっくの昔にさんずの川を渡っていた」と、療養病床の必要性を訴えた。佳子さんは認知症や糖尿病による壊疽(えそ)から左下腿(かたい)を切断しており、頻繁に体位交換しなければ褥瘡(じょくそう)ができるため、医療区分2の状態だ。スタッフのケアによって以前に比べ状態が良くなり、最近は「ありがとう」と言えるようになった。英治さんは「療養病床がなくなると思うと、ぞっとする。最後まで面倒を見てもらわないと、(家族としては)どうしようもできない」と語った。
 佳子さんの主治医の金岡俊治医師は、佳子さんの状態について、「命にかかわるのは嚥下(えんげ)困難の方で、それによる誤嚥性肺炎」だが、褥瘡に対するケアがなくなると「状態が安定している」医療区分1になると指摘した。これを受け、自民党の飯島夕雁衆院議員は「(医療提供が)足りないということを厚生労働省は認識してほしい」と、来場していた厚労省の担当者に呼び掛けた。
□「後期高齢者の二の舞い演ずるな」
 また、自民党の木村義雄衆院議員はあいさつで、2012年度末までに療養病床を15万床にまで削減する方針について、「13年4月になれば、多くの高齢者が路頭に迷う。受け皿をつくってからやるべき」と訴えた。4月に始まった後期高齢者医療制度が、保険料徴収の不備などの問題を引き起こしていることにも触れ、「(制度開始が決まった)2年前も後期高齢者医療制度には反対があったが、少数の自民党の幹部に押し切られた。療養病床も少数によってそうされたことを反省し、真摯(しんし)に議論して受け皿をつくり、高齢者の不安がない形に持っていかないと、多くの反発を受けることは目に見えている」として、同制度の二の舞いを演じてはならないと主張した。
 同会は、療養病床削減に関連し、医療や介護が必要な人への受け皿を確保することを目的に、国会議員約100人が参加。この日の会合には32人の国会議員が出席した。今通常国会の会期中に、療養病床削減に対する提言をまとめる予定だ。」(全文)

◆2008/04/18 「老後は安心か 検証・後期高齢者医療制度 <下> 」
 中国新聞 http://www.chugoku-np.co.jp/Health/An200804180374.html

 「▽浸透せぬ「主治医」―診療の質低下を懸念 報酬頭打ちに医師反発
 広島市安佐南区の山本歳丸さん(86)は、糖尿病を患って十五年になる。後期高齢者医療制度(長寿医療制度)に伴う、主治医制度の対象者の一人だ。
 主治医制度は糖尿病や高血圧症、脂質異常症といった七十五歳以上の慢性疾患患者が対象。診療報酬のうち「検査」「画像診断」「処置」「医学管理等」をまとめて定額月六千円とする仕組みである。患者の自己負担は一割の六百円で済む。
 山本さんはいま、月二回、かかりつけの診療所へ車で約三十分かけて通う。うち一回は血液検査で血糖値を調べる。高血圧もあるため血圧も測る。医療費の自己負担は月額約二千五百円。山本さんが主治医制度に移行すれば、「再診料」や「投薬」が別途かかっても負担は減りそうだ。
 長年続く医療費は年金収入の身に軽くない。「支払い金額が減るに越したことはないが…」と山本さん。しかし「病気と長く付き合っていくしかない」だけに何より病状の悪化を心配する。
 主治医制度を採用するには患者と医師の同意がいる。望まない患者は、かかった診療報酬の一割を負担する従来通りの出来高制となる。移行すべきかどうか。山本さんは「定額診療で十分な診療をしてもらえるのか。当分、様子を見ないと判断できない」と話す。

過剰抑制が狙い
 厚生労働省が主治医制度を導入したのは、医師の過剰診療やお年寄りの重複受診を抑制し、財政難の医療保険制度を適正化するのが狙いである。
 しかし、中国地方でも地域の医師会で拒否反応が広がる。福山市医師会は制度採用の見合わせを会員に呼び掛けた。定額診療は「報酬点数の頭打ち」を意味し、それが「粗診粗療」へとつながる懸念を主な理由に挙げる。
 「糖尿病で血液検査と尿検査をすれば、それだけで定額の六千円にほぼ達する」と、広島県内の男性開業医(48)。コストのかかる患者を他の医療機関に回し、利益率が高い患者を囲い込む動きが出るとも指摘し「開業医の死活問題と同時に、選別される患者が不幸」と訴える。

対応は1割未満
 現状では、患者が望んでも主治医制度に対応する医療機関は少ない。広島を除く中国地方の社会保険事務局への医療機関からの届け出は、十一日現在で計約二百件と全体の一割未満。統計処理が遅れる広島社会保険事務局は「把握していない」という。
 今月から始まった後期高齢者医療制度と、具体策の一つである主治医制度。「膨らんだ医療費を適正化し、将来世代にも保険制度を維持する」との狙いは一定には理解できる。
 しかし、患者の「安かろう悪かろう」への不安や、医師側の「死活問題」との反発は強い。今後、二年ごとに七十五歳以上の医療費総額に応じて見直される保険料が、上がり続ける懸念も消えない。
 大きな混乱を招いた以上、分かりやすい安心な制度にいち早く見直す責務が、国にはある。(上杉智己)」(全文)
 【写真説明】血糖値を記録した山本さんの自己管理ノートとインスリンの注射キット。安心できる医療制度を願う

◆中国新聞 2008/04/16 「老後は安心か 検証・後期高齢者医療制度 <上> 」
 http://www.chugoku-np.co.jp/Health/An200804160441.html

 「▽新たな「罰則」―滞納なら保険証没収 無年金者に広がる不安
 年金支給日に合わせ、後期高齢者医療制度(長寿医療制度)に加入する七十五歳以上の保険料の天引きが十五日、始まった。届かない新保険証、保険料を誤徴収した自治体…。四月の制度開始以来、混乱は続く。滞納ペナルティーへの不安も膨らむ。政府が言う老後に安心をもたらす制度設計なのか。広島県内の現場をみた。
 「万が一、保険料を払えなくなったら」。広島市中区のマンションに一人で暮らす坪井隆夫さん(79)は、新保険証を見つめた。一昨年、営んでいた小料理店を病気でたたんだ。貯金と娘の仕送りが頼り。年金収入はない。「店の経営に追われ、年金を掛けなかった」
 新制度は、年金の振り込みと同時に保険料を差し引く仕組みで滞納をなくした。一方で、坪井さんのように無年金で天引きできない高齢者には納付書での支払いを求める。
 「国に迷惑を掛けたくない。生活を切り詰めてでも保険料は払う」と気を張る坪井さん。それでも、何かトラブルがあれば生活も、保険料の支払いも立ちいかなくなる現実がある。
 一年以上滞納した場合、制度を運営する都道府県の広域連合に保険証を原則取り上げられる。従来の国民健康保険法は、保険証を取り上げる対象から七十五歳以上の滞納者を外していた。新制度ではしかし、法律から年齢規定が消えた。

請求400万円にも
 事実上の「罰則」の新設…。坪井さんの脳裏には、昨年見舞われたつらい経験がよぎる。二〇〇七年一月、急性肺炎と腹膜炎を併発し、路上で意識を失った。闘病は四カ月に及び、約四十万円の医療費を支払った。保険証がなければ四百万円を請求されていた。
 保険料の滞納者に発行される「資格証明書」。それを医療機関に提出しても、窓口で医療費をいったん全額払わなければならない。その後、保険料を納めて初めて九割の返金がある。
 坪井さんは「あの時もし、保険証がなかったら…」と険しい表情をみせた。滞納者が、医療費を一時的にも全額用意する金銭的、精神的な負担は大きい。
 広島県後期高齢者医療広域連合によると、年金受給額が月一万五千円未満などの理由で納付書払いになる人は約六万九千人。県内の被保険者約三十二万四千人の二割を占める。
 同広域連合は、一年以上の滞納者から保険証をすぐに取り上げるかどうかはまだ、決めていない。榊谷博孝業務課長は「高齢者の不利益を最小限にとどめる慎重な運用が必要」と話す。

受診にためらい
 深刻な事態を招いた先例もある。全日本民主医療機関連合会(東京)が系列医療機関を調べた結果、国民健康保険証を失って受診をためらい、亡くなったとみられる人は〇七年に全国で二十八人に上ったという。
 政府が言う「安心で公平な制度」に加わったペナルティー。福島生協病院(広島市西区)の医療ソーシャルワーカー刀山(たちやま)泰子主任は「保険証がなくなれば、倒れるまで受診を我慢する人が増えるだろう。健康不安を抱える高齢者には厳しすぎる」と批判している。(石川昌義)」(全文)
 【写真説明】新保険証を手に、厳しい表情を浮かべる坪井さん(撮影・天畠智則)

◆2008/04/17 「75歳未満重度障害者、後期高齢医療に強制加入…10道県」
 読売新聞 2008年4月17日02時07分 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080416-OYT1T00720.htm(掲載終了)

◆全国保険医団体連合会 2008/04/20 「高齢者への医療を制限する後期高齢者診療料と終末期相談支援料の撤廃を要求する」
 →「後期高齢者診療料の撤廃と不算定を求めます」(2008/04/21)
 http://hodanren.doc-net.or.jp/news/teigen/080421kourei.html

高齢者への医療を制限する後期高齢者診療料と終末期相談支援料の撤廃を要求する
2008年4月20日

全国保険医団体連合会
08-09年度第3回理事会

 4月1日より実施された「後期高齢者医療制度」をめぐっては、「説明もなく年金から保険料が天引きされた」「これまでの国保料より負担増となっている」「保険証が届かない」など全国で怒りと不安の声が巻き起こり、制度の廃止・撤回を求める世論が沸騰している。政府与党内からも抜本見直しを求める動きが起こっている。
 そもそもこの制度は、「医療費の適正化を推進するため(高齢者の医療の確保に関する法律)」に作られたものであり、75歳以上のすべての高齢者に保険料負担を課した上で、死ぬまで保険料の負担増と医療費抑制のための差別医療を強いるものであり、保団連は改めて「後期高齢者医療制度」の廃止・撤回を要求する。
 高齢者の医療費抑制のために新たに設定された診療報酬の代表的なものが、「後期高齢者診療料」と「後期高齢者終末期相談支援料」である。
  前者は、後期高齢者の病気だけでなく心と体の全体を診るなどの名目で、開業医に対し安上がりな外来医療の提供と入院を含めた高齢者の医療費全体の管理を担わせるのがねらいである。「主病は1つ」などという医学的根拠のまったくない概念を持ち出して慢性疾患の管理を1つの医療機関に限定することは、実質的なフリーアクセスの制限であり、「人頭登録制」につながる危険性をはらむものであり断じて容認できない。さらにこれを合理化するために、厚労省の担当課長が「(これまでも)A診療所で特定疾患療養管理料を算定している患者に対して、B診療所がウィルス疾患指導料を算定できない」などと、告示・通知にもなく、これまでの算定ルールとも異なる解釈を示すことは言語道断であり、直ちに撤回すべきである。
  後者は、終末期の医療費抑制の役割を医師、看護師等に押し付けるものである。終末期をどこで迎え、そこでどのような医療行為を望むかは本人と家族の意思によって決められるべきものであり、政府が意思表示を求める仕組みを作り、それを診療報酬で評価する性格の問題ではない。まさに、医療費抑制のためには手段を選ばない、人間の尊厳を踏みにじる点数設定である。
 高齢者への医療提供の制限と医療費抑制を目的とした「後期高齢者診療料」と「後期高齢者終末期相談支援料」を直ちに撤廃することを政府に求めるとともに、全国の医師、医療担当者に対しては不算定を呼びかけるものである。
合わせて、全国の会員の先生方には、患者さんとともに「後期高齢者医療制度」の廃止・撤回運動へのさらなる参加・協力をお願いしたい。
 以上」(全文)

◆2008/04/23 「転換老健の利益率、マイナス7.3%と試算」
 『医療・介護情報CBニュース』(株式会社キャリアブレイン)http://news.cabrain.net/article/newsId/15733.html

 「「療養病床問題を考える国会議員の会」(会長・中山太郎自民党衆院議員)は4月23日、国会内で会合を開き、東京医科歯科大大学院の川渕孝一教授からヒアリングを行った。この中で、川渕氏は国が5月に創設する転換型の介護老人保健施設(介護療養型老健)の収支シミュレーションを示し、患者6人に対し介護職を1人配置(6:1)して、余った職員の雇用を続けた場合、総利益率が7.3%のマイナスになると説明。その上で、「赤字にしてまで転換するとは思えない」と述べ、介護療養型老健への転換政策はうまくいかないとの見通しを示した。
 川渕氏は昨年6月に中央社会保険医療協議会が示した医療経済実態調査の結果を基に、療養病床が病床全体の6割以上を占める一般病院のケースのシミュレーションを提示した。今年3月現在で、医療療養病床の総利益率は4.3%だったのに対し、介護療養型老健は、介護職員を6:1で配置(多床室)し、余った職員の人員整理をしない場合はマイナス7.3%にまで落ち込んだ。人員整理をする場合でも3.3%と、医療療養病床に比べて低かった。介護職員を4:1で配置した場合は、人員整理をしなければマイナス6.1%、人員整理をすれば1.3%となった。
 川渕氏は「介護療養型老健への転換は損」と指摘、転換は現実的ではないとの見方を示した。また、厚生労働省が3月に示した基本施設サービス費の収入見込みで、介護型療養病床が約41万円、介護療養型老健が約33万円とされたことについて、「(収入が)高い所から、低い所に変わろうと思うだろうか」と述べた。
 さらに、独立行政法人福祉医療機構が公表した療養病床の転換意向に関する調査結果にも触れ、「介護療養型から医療療養型に転換しようというところが増えている。今回の措置はうまくいかないのではないか」と語った。」(全文)

◆2008/04/24 「後期高齢者医療制度:終末期の「抑制」重要 厚労省本音」
 毎日新聞 2008年4月24日

 「後期高齢者(長寿)医療制度を担当する厚生労働省の職員が、自ら執筆した解説書の中で、死期の近づいたお年寄りの医療費が非常に高額として終末期医療を「抑制する仕組み」が重要と記していたことが分かった。23日の衆院厚生労働委員会で長妻昭議員(民主)が指摘した。制度導入の本音の一端が浮かんだ形だ。
 解説書を書いたのは高齢者医療企画室長補佐。今年2月刊行の「高齢者の医療の確保に関する法律の解説」(法研)で、75歳以上への医療費が「3日で500万円もかかるケースがある」としたうえで、「後期高齢者が亡くなりそうになり、家族が1時間でも1分でも生かしてほしいといろいろ治療がされる」「家族の感情から発生した医療費をあまねく若人が負担しなければならないと、若人の負担の意欲が薄らぐ可能性がある」などと記述、医療費抑制を訴えている。
 また、補佐は今年1月に金沢市内で開かれた一般向けフォーラムで講演し、独立型の保険とした理由について「医療費が際限なく上がっていく痛みを後期高齢者が自ら自分の感覚で感じ取っていただくことにした」とも発言していた。【野倉恵】」

→土佐 和男 編著 20080200 『高齢者の医療の確保に関する法律の解説――付・高齢者の医療の確保に関する法律』,法研,461p. ISBN-10: 487954714X ISBN-13: 978-4879547149 4725 [amazon][kinokuniya] ※ d01.a06.,

◆2008/04/25 「終末期医療:「延命治療有無」への意思表示、択一書式案に患者団体反発」
 毎日新聞 2008年4月25日 東京朝刊
 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080425ddm002040093000c.html
 http://mainichi.jp/select/science/news/20080425k0000m040135000c.html

 「後期高齢者(長寿)医療制度で、終末期医療におけるリビング・ウイル(生前の意思表示)作成が診療報酬化されたことについて、日本ALS協会(橋本操会長)は24日、「患者本人が意図しない意思表示を迫られる恐れがある」として見直しを求める見解を公表した。【大場あい】
 ◇複雑な思い、反映されず
 報酬化は終末期と診断された75歳以上の患者らが医療チームと話し合い、治療方針や延命治療の希望の有無などを文書や映像にまとめると、診療報酬200点(2000円)が算定される。
 見解は、終末期についての議論が不十分としたうえ、患者個人の自己決定よりも病院や家族の都合が優先されると批判。報酬化により、生前の意思表示作成が政策的に推進されると指摘している。
 また、長妻昭議員(民主)が23日の衆院厚生労働委員会で示した全日本病院協会作成の意思表示の文書を厚生労働省が例としたことにも触れ、選択を迫るものになると批判した。
 この文書は終末期と判断したことを示した上で、人工呼吸器や蘇生術などの医療を「希望する」「希望しない」の二つの選択肢から選ぶ方式を取っている。
 同省は「(希望の有無を)はい、いいえで答えなくてもいい」としているが、二者択一の書式では患者側が選ばなければならないととらえてしまう可能性がある。話し合いの経過を記載する欄もないため、患者や家族の複雑な思いが反映されなかったり、医療者からの情報提供が適切であったかを検証できない。
 日本ALS協会の川口有美子理事は「ALSなどの難病患者の場合、病名などを伝えられ精神的に弱っているときに意思表示を迫られたり、一度意思表示をすると、医師がそれ以降治療方針を相談しなくなることがあった。こういった問題が後期高齢者に拡大することを懸念している。また、例示されたような文書では、終末期医療の方針を医師と患者が十分に話し合うという本来の目的から離れたものになってしまう」と批判した。
 □ことば
 ◇リビング・ウイル
 死期が迫ったときの治療方針などについて、本人の意思を、事前に示した書面。日本尊厳死協会は「尊厳死の宣言書」と訳し「いたずらに死を引き延ばすための延命措置」などを拒否する、独自の書面を作成している。03年の厚労省調査では、リビング・ウイルの考え方に賛成する人は国民の約6割。同協会によると、米国では約3割が所持している。」

 cf. 全日本病院協会 http://www.ajha.or.jp/
 終末期医療の指針 http://www.ajha.or.jp/about_us/activity/zen/071219_1.pdf

◆2008/04/29 「後期高齢者医療制度:地方の医師会が反乱」
 毎日新聞 http://mainichi.jp/select/today/news/20080430k0000m040064000c.html

 「後期高齢者医療制度がスタートし、約1カ月。新制度の柱の一つ、「後期高齢者診療料」に反対する動きが全国20以上の府県医師会に広がっている。厚生労働省は鎮静化に躍起で、日本医師会も同診療料の導入を認めた手前、「身内」の説得に乗り出しているが、地方の反乱はやみそうにない。
 「高齢者の医療を制限する萎縮(いしゅく)医療だ」。反対派の急先鋒(せんぽう)、茨城県医師会(原中勝征会長)は後期高齢者診療料にとどまらず、新制度自体の撤廃を求めている。15日の関東甲信越医師会連合会で原中氏は、反対運動への協力を訴えた。
 新制度で厚労省は、糖尿病などの慢性病を抱える75歳以上の人を、かかりつけの「高齢者担当医」に診察させる方針を打ち出した。患者の年間治療計画を作成し、継続的に診察した担当医は月に1度、後期高齢者診療料(月6000円、患者の負担は原則600円)を算定できる。ただ、一部の検査や治療は何度しても6000円しか払わない「定額制」で、その狙いは過剰診療をなくし、12兆円に及ぶ老人医療費を抑えることにある。
 ただ、複数の地方医師会は「必要な治療をしない利益優先の医師が現れる」との危惧(きぐ)を表明。愛知、大阪、兵庫などの各府県医師会も会員に自粛や慎重な態度を求める通知を出したほか、下部組織の郡市医師会単位でも拒否が広がっている。
 地方医師会は、高齢者担当医が同診療料を算定すれば、他の医療機関が同じ患者を診ても、同診療料を請求できない点にも強く反発している。医師による患者の囲い込みが進み、患者から自由に医療機関を選ぶ権限を奪う、というわけだ。
 これに対し、厚労省は「後期高齢者診療料を算定するかしないか、患者がどこの医療機関にかかるかは自由。誤解に基づく反対だ」(保険局医療課)と説明しているが、27日の衆院山口2区補選で自民党候補が敗れた要因の一つは新制度にあるとみなされ、与党内に制度見直し論が起きていることも同省への逆風となっている。【吉田啓志】」(全文 毎日新聞 2008年4月29日 20時09分(最終更新 4月30日 9時32分))

◆2008/04/30 「後期高齢者医療:低所得層に軽減策 激変緩和の延長も視野」
 毎日新聞 http://mainichi.jp/select/today/news/20080430k0000e010046000c.html

 「政府は30日、後期高齢者医療制度について、自治体による補助がなくなって保険料が急激に上がり生活が苦しくなった人への補助など、低所得層への負担軽減策を導入する方向で検討に入った。09年3月で切れる激変緩和措置の延長も視野に入れている。2回目の保険料天引きとなる6月までに制度運営の実態調査を終え、社会保障国民会議に新たな分科会を設置するなどして具体策を詰める。
 実態調査は30日午前、福田康夫首相と舛添要一厚生労働相が会談し、実施を決めた。自治体ごとに(1)新制度の加入者がこれまで払っていた国民健康保険料(2)新たに払うことになった保険料との差額(3)市町村による保険料徴収ミスの原因−−などを調べる。
 後期高齢者医療制度の保険料に関し、政府は「7〜8割の人は下がる」と説明してきたが、住民一人一人の負担がどう変化したかは把握していない。自ら運営する国保に補助金を支出していた政令市などが都道府県単位の新制度に補助できなくなり、結果的に保険料がアップした人も少なくない。
 舛添氏は30日午前の閣議後会見で「改善策は本当に困っている人にどういう手立てをするかがポイントになる」と述べた。【吉田啓志】(全文 毎日新聞 2008年4月30日 12時00分(最終更新 4月30日 13時58分))

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 ▽2008/05

立岩 真也 20080501 「有限でもあるから控えることについて・4」,『現代思想』36-(2008-5): 資料

◆2008/05/02 「日本看護協会「後期高齢者医療制度、整備に参画し貢献したい」」 2008-5-2
 『ケアマネジメントオンライン』http://www.caremanagement.jp/news+article.storyid+2171.htm

 「4月1日から始まった後期高齢者医療制度。保険証が届かない、制度が複雑でわかりにくい、初日に名称が「長寿医療制度」と変えられるなど混乱が生じている。日本看護協会は後期高齢者医療制度創設の本質に立ち戻るべきとし、4月14日付けで声明を公表した。
 声明では新制度について、「退院から在宅での看取りまで、切れ目なく安心して必要な医療が受けられるようになるための基盤整備の第一歩」と制度のスタートであると位置づけ、今年度の診療報酬改訂での訪問看護の加算などの評価が、他職種連携による支援体制や訪問看護機能の充実を後押しするものだとしている。また、職能団体として制度の整備に参画し、「健やかに老い、安らかに眠る」ことが実現できる社会作りに貢献したいと表明した。
 訪問看護の加算については、具体的には「訪問看護基本療養費」「ターミナル療養費」が拡充され、「24時間対応体制加算」「長時間訪問看護加算」「後期高齢者終末期相談支援療養費」が新設された。」(全文)

◆2008/05/02 「『長寿医療』で診療報酬減額 長期入院打ち切り懸念」
 東京新聞 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008050202008210.html

 「後期高齢者(長寿)医療制度導入に伴う改定で、脳卒中や認知症から重度障害を負った後期高齢者の入院日数が九十日を超える場合の診療報酬が、十月から減額される。リハビリや在宅介護へ移行させ、医療費を抑えることが狙いだが、患者が行き場を失う懸念も出ている。
 現在、後期高齢者が一般病棟に九十一日以上入院すると、九十日までの患者の入院基本料より低い「後期高齢者特定入院基本料」が算定され、点数が最大約三分の二に引き下げられている。加えて投薬や注射、画像診断検査などもこの中に含まれるようになるため、その費用は医療機関の負担となっている。
 ただ特例として、人工呼吸器を使用するなど特別な治療が必要な場合は、九十一日以降も九十日以前と同じ診療報酬が算定されている。脳梗塞(こうそく)など脳卒中の後遺症や、認知症による脳機能・運動機能の衰えで重度障害を負った人などが受ける治療も同様だったが、同改定で減額対象になる。このため医療機関から受け入れを拒否されたり、退院を迫られる懸念が指摘されている。
 厚生労働省は「療養病棟でリハビリを行ったり在宅などふさわしい場所に移行してほしい」との見解だ。
 特例対象者は全体で「一万人程度」(同省)だが、今回特例から外される「対象人数は把握していない」と話す。
 だが、脳卒中はがん、心臓病と並ぶ死亡者の多い疾病で、患者数は年間百三十七万人いる。認知症も増加傾向で、高齢化で対象患者も増えそうだ。こうした重度障害者の治療は長期にわたることが多く、事実上の治療中止にもなりかねない。
 脳卒中患者の会「虹友会」の新木昌昭会長(79)は「患者はいつ、また発病するかも分からない不安を抱えているのに、治療を十分に受けられないのではと、さらに不安が増す」と話している。」(全文)

◆2008/05/03 「重度障害の高齢者“退院勧告”も 後期高齢者医療制度」
 琉球新報 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-131723-storytopic-1.html


 「後期高齢者(長寿)医療制度導入に伴う診療報酬改定で、重度障害のある入院患者のうち、75歳以上の脳卒中後遺症や認知症患者の診療報酬が、入院日数90日を超えると減額されることから、県内の障害者らに「回復していなくても退院を強いられるのではないか」と不安が広がっている。診療報酬は4月1日に改定され、10月から実施されるが、当事者に周知が進んでいない現状を問題視する声も上がった。
 後期高齢者の入院が90日を超えると、診療報酬の入院基本料点数が最大約3分の2に減額されるが、重度障害を負った人は減額されない特例がある。しかし今回の4月改定で重度障害者のうち、重症の意識障害を除く脳卒中の後遺症患者と認知症患者は特例から除外された。
 脳卒中などによる失語症の回復を目指して活動する県失語症友の会(通称ゆんたく会、大城栄徳会長)は結成後初の会合を2日、浦添市内で開いた。診療報酬改定について大城貴代子事務局長は「(91日以降は)自分でどうにかせよと言われても、患者は寝たきりになってしまう」と説明したが、参加者から「制度が複雑すぎてまったく理解できない」「自分たちにどう影響するのか分からない」「役所に問い合わせても保険料のことしか説明されなかった」などの声が相次いだ。大城事務局長は「制度成立までに後期高齢者の意見を聞く場はなく、成立後も説明が十分ではない。当事者にとってどんな影響があるか、想像することも難しい状況がある」と周知の進まない現状を問題視した。
 失語症の夫と共に参加した西原町の女性(66)は「3カ月で退院しなければならなくなるという話は聞いたことがあるが、診療報酬改定の内容を自治体などから説明されたことは一度もない。わたしたちは入院していなくても、いつまた倒れるか分からない中で暮らしている。大変な問題だ」と不安を訴えた。
 診療報酬改定について沖縄医療生協人事教育部の新垣潔さんは「患者に回復前でも退院を迫らざるを得ない事態は予測できる。改訂後、これまではそういった事例の情報はないが、後期高齢者診療料の届け出など、制度の選択を現場に迫っている状況自体が問題だ」と批判した。(後期高齢者医療制度取材班)」(全文)
 写真:後期高齢者医療制度について話し合う「ゆんたく会」の参加者ら=2日午後、浦添市の「サン・アビリティーズうらそえ」

◆2008/05/06 「後期高齢者医療:10道県で重度障害者に「強制」」
 毎日新聞 http://mainichi.jp/select/today/news/20080430k0000e010046000c.html

 「後期高齢者医療制度への加入が任意となっている65〜74歳の重度障害者に対し、10道県が制度加入を医療費助成継続の条件にしたため、計3418人が拒否していることが分かった。加入した場合に保険料負担が増えるためとみられる。自治体にとっては同制度加入者の方が財政負担が軽くてすむが、一部の障害者は負担増か医療費助成打ち切りかの選択を迫られている。
 毎日新聞の調べでは、10道県と加入拒否者数は▽福岡1423人▽北海道666人▽愛知318人▽青森280人▽茨城275人▽栃木180人▽山口86人▽富山70人▽山形、徳島各60人。
 障害者への医療費助成は全都道府県が実施しており、身体障害1〜2級など一定の障害があれば、都道府県と市町村が折半するなどし本人負担をなくしたり軽減したりしている。その際の自治体の負担は、後期高齢者医療制度の加入者は1割だが、国民健康保険や企業の健康保険なら65〜69歳で3割、70〜74歳で2割(08年度は1割)。このため10道県は、市町村も含めた自治体の持ち出しを減らそうと、同制度への加入を助成の条件とした。
 同制度への加入を拒否した人の多くは、障害を抱えながら職を持ち、家族を扶養している人とみられる。会社の健康保険に入って家族を養っている人の場合などは、同制度に移れば、自分以外の家族全員が個別の国民健康保険などに加入し、それぞれの保険料を支払わなければならなくなるため、負担が増えることがある。軽減措置のため被扶養者の実際の保険料負担は今年10月から。
 10道県の多くは「医療費負担と新制度の保険料負担を比べた本人の判断」として、特別な対応をしていない。厚生労働省は「助成制度は自治体独自の判断で行っているもの」として指導などはしていないが、実態の把握を進めている。【野倉恵、秋山信一】
 ▽北野誠一・東洋大教授(障害者福祉論)の話 10道県の制度運用は、自治体の財政力や方針の違いにより障害者の生活基盤が揺らぎかねないことを意味している。保険料を負担するか医療費助成を受けられなくなるリスクを取るか。選択を迫られた障害者の多くは、ぎりぎりで自立し、家族も養う人たちだろう。助成がなくなれば、受診の自粛も心配される。新制度導入に当たり、国は自治体の障害者福祉の担当と十分連携したのか。極めて疑わしい。」(全文 毎日新聞 2008年5月6日 2時30分(最終更新 5月6日 2時30分))

◆2008/05/07 「訪問看護の拡充求め要望書――日看協」
 キャリアブレイン
 http://www.cabrain.net/news/article/newsId/15881.html

 「「病気や障害があっても自宅で療養したい」「住み慣れた地域で最期まで過ごしたい」−。こうした在宅療養への希望は多くの国民の共通の願いだとして、日本看護協会(日看協、久常節子会長)は5月7日までに、訪問看護事業の基盤整備と2009年度予算編成についての要望書をそれぞれ阿曽沼慎司厚生労働省老健局長に提出した。
 日看協によると、訪問看護は制度の創設以来、15年が経過しているものの、訪問看護ステーションの数や利用者が伸び悩んでいるという。この背景について、日看協では「同ステーションの経営基盤の弱さや整備状況の地域格差、訪問看護師確保の困難さなど、多くの課題がある」と指摘している。
 こうした問題を踏まえ、日看協では「本格的な“他死”時代の到来を前に、盤石な二十四時間対応の体制づくりに向けて、訪問看護事業の基盤整備と拡充が欠かせない」などとして、要望書を提出することにした。
 訪問看護事業の基盤整備についての要望書では、「訪問看護が必要な対象者に円滑なサービス提供を開始できる新たな体制の整備が重要」として、同年度の介護報酬改定で訪問看護の適切な評価を行うことや、目標年度を定めた訪問看護サービス整備計画を策定することなどを求めている。
 また、同年度の予算編成に対する要望書では、地域全体で二十四時間対応の訪問看護サービスの提供を可能とする仕組みの構築を要請。また、サービスには訪問看護師の確保が欠かせないとして、看護師学校養成所などと訪問看護事業所との協同による訪問看護への就労支援や、訪問看護事業所への「専門看護師」「認定看護師」の派遣など、11のモデル事業を提案している。
 モデル事業は、計画的、組織的に実施して確実に成果を挙げられる公益法人や団体などに委託。5か年計画で、単年度当たり10か所程度、事業規模は5000万円程度を上限に実施するとしている。」(全文 更新:2008/05/07 12:53)

◆2008/05/08 「終末期支援料、患者の希望「不明」でも」
 『医療・介護情報CBニュース』(株式会社キャリアブレイン)
 http://www.cabrain.net/news/article/newsId/15925.html

 「厚生労働省は5月8日までに、終末期の後期高齢者(75歳以上)の診療方針などを患者や家族と話し合い、その内容を文書などに記録して患者・家族に提供した場合に算定できる「後期高齢者終末期相談支援料」の取り扱いについて、病状急変時の治療方針などに対する患者の希望を確認できなくても、算定を認めるとの通知を都道府県などに出した。
 後期高齢者終末期相談支援料は、今年4月の診療報酬改定に伴い新設されたもので、病状が急変したときの治療や搬送先に関する希望などについて患者や家族と話し合い、その内容を文書や映像などに記録して提供した場合に、医療機関は200点(1点は10円)を算定できる。
 同相談支援料について、厚労省は「終末期を迎えた患者が安心して療養生活を送れるようにするのが狙い」と説明しているが、患者が終末期医療に対する意思決定を迫られることで十分な医療を受けられなくなる可能性を懸念して、廃止を訴える患者団体もある。
 通知ではこれを踏まえ、病状急変時の希望が確認できず「不明」や「未定」としていても、「差し支えない」と明記。患者が意思決定できていなくても、相談支援料の算定を認める方針を示した。
 今回の措置について、厚労省では「(同相談支援料は)あくまでも医療機関による情報提供を評価するもので、もともと患者の希望を必ず確認しなければならないわけではない。今回の通知で、従来の解釈を明確にした」と説明している。」(更新:2008/05/08 21:43 全文)

◆2008/05/08 「脳卒中連携搬送、患者の行き場は?」
 『医療・介護情報CBニュース』(株式会社キャリアブレイン)
 http://www.cabrain.net/news/article/newsId/15926.html

 「「患者の入り口の議論をしたときには、必ず出口の議論をしなければならない」―。東京都脳卒中医療連携協議会の有賀徹座長(昭和大学病院副院長)は、急性期治療の体制整備には、慢性期の受け入れ先が整っていることが必要だと強調している。しかし、東京都では2005年度までに約5200人の慢性期患者が都外に転院しており、急性期に患者が流入する搬送体制が整えば、受け入れ先の状況が厳しくなることは目に見えている。都はこのほど、来年3月からスタートする予定の脳卒中医療連携による救急搬送体制の構築に向けた議論を開始。委員からはさまざまな意見が噴出し、予定時間を超える議論が交わされた。(熊田梨恵)
 「救急病院が(脳卒中患者の受け入れを)『できる』『している』と言いたくても、後ろの部分(後方病床)の議論がある程度煮詰まっているということを心の中で信じなければ、受けるわけにはいかないが、どうなのか」。有賀座長が事務局の都に尋ねた。
 都は協議会での検討事項について、脳卒中医療連携に加われる医療機関の認定基準の策定や数の調査などの優先順位を高めに設定したが、地域連携クリティカルパスについては回復期や維持期の過程も盛り込まれるため、有賀座長は「慢性期病床など急性期の受け入れ先となる土台を固める議論も同時にすべき」と考えた。都側はこれに対し、「基盤がなければ動かないので、その土台を固めるのは順番として一つあるが、それだけで終わるのではなく、運用などがある」と答え、まずは急性期の医療連携を固めながら、発生した問題を議論していくと、協議会の検討事項を整理した。
 東京都は慢性期治療を担う療養病床の数が高齢者10万人当たり939.2床で、全都道府県中41位と少なく、1位の高知県とは約4倍の開きがある。05年度までに約5200人の患者が都外の療養病床に転院したと推計されており、都の地域ケア整備構想でも「療養病床は重要な社会資源」として必要量の確保をうたっている。
 国は医療費抑制を目的に、国内に37万床ある療養病床を12年度までに15万床にまで減らす方針(介護型12万床は全廃)を打ち出し、介護療養型老人保健施設などへの転換を勧めている。
 しかし、医療現場からは慢性期の受け入れ先となる病床が減ることへの懸念が強く、介護型を医療型に、または医療型を回復期リハビリテーション病棟に転換するなど、慢性期の病床を確保しようという動きが全国各地で見られる。
 都も保健医療計画で療養病床について、現状より約7000床多い約2万8000床を12年度末の目標値として据えた。「国の政策と逆行するような形かもしれないが、実際の地域のニーズを聞いていくとこうなった。必要な病床は確保していかなければならない」と担当者は話している。

□リハや救急体制整備などに意見噴出
 同協議会の意見交換で、安藤高朗委員(東京都医師会理事)は、回復期と維持期それぞれのリハビリテーションについて、「一般病棟や亜急性期病棟、医療保険の療養病床、廃止になる介護療養病床、転換老健など非常に幅が広い」と指摘。必要度に応じたリハビリテーションを提供する体制を地域連携クリティカルパスに盛り込んでいくべきとした。
 救急搬送体制についても意見が出た。高里良男委員(国立病院機構災害医療センター副院長)は、「二次救急の輪番体制をカレンダーにして示し、救急車の中に張って活用しているが、救急医療情報システムがリアルタイムで更新されていない」と苦言を呈し、システムの更新頻度を上げるよう要望した。救急隊が確実に脳卒中患者に対応できるように、日本臨床救急医学会が策定した「PSLS(脳卒中病院前救護)」活動の内容を整理するよう求める意見もあった。
 搬送体制の運用範囲については、二次医療圏ではなく各消防本部の活動範囲や、在宅復帰後の福祉などを考えて市区町村も考慮すべきとの主張もあった。
 連携体制に加われる二次救急医療機関を調査する際には、今回の診療報酬改定で加わった脳卒中の「地域連携診療計画管理料」の算定に名乗りを上げている医療機関を再調査すればリストアップに役立つとの意見も出た。民間非営利団体(NPO)の「医療の質に関する研究会」が作成した、医療機関の自己評価に使用する「救急評価管理スタンダード」を利用して、脳神経系疾患の項目を認定医療機関の評価に使う案も挙がった。
 協議会ではこれらの意見を参考に、7月中に開く次回会合で認定医療機関の基準の素案を事務局から示す予定だ。

□急性期は「工夫」で乗り切れるが・・・
 有賀座長はキャリアブレインの取材に対し、「急性期の体制整備は『工夫』で何とかできる。しかし、急性期後の受け入れ先の病床については、もともと数がないのだから乗り切れないことは目に見えている。各都道府県が連携体制を構築していけば、慢性期の受け入れ先がないことは全国的な問題になってくるはずだ。その時にどうするかが次の議論のポイント」と語った。都の医療療養病床を増やす政策についても、「厚生労働省や日本医師会には『現場』はないが、自治体や地区の医師会には『現場』がある。患者が困らないように考えて政策を立てるのだから、本当に現場があるところは強い」との考えを表明。今後はいかに都民の理解を求めていくかが課題になると指摘した。
 都の担当者も、「問題を11年度末に検証し、出てきた問題については協議会内で随時議論する。問題点については必ず話し合っていかなければならない」としている。
 厚生労働省が医療計画作成指針の中でうたうように、急性期の患者を「円滑に」搬送する体制を整備した場合、回復期から維持期、在宅への流れも同時に整えなければ、急性期のベッドがパンクして、患者の受け入れ先がなくなることは目に見えている。
 国は脳卒中の急性期患者の搬送体制の確立と、療養病床削減という矛盾する難題を突き付けてきた。困惑しながらも、患者のための医療を提供しようと奮闘する医療機関と自治体―。連携体制構築に向けた議論は緒に就いたばかりだ。」(全文 更新:2008/05/08 22:06)

◆2008/05/08 「後期高齢者医療制度 14日 中止求め座り込み 労組・市民団体 医療関係者 国会前などで訴え労組 派遣法改正要求と結んで」
 しんぶん赤旗 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-05-09/2008050905_01_0.html

 「七十五歳という年齢で差別する後期高齢者医療制度は、実施とともに国民の怒りが広がり、制度の中止・撤回を求める声が高まっています。十四日には、労働組合、市民団体、医療関係団体などが国会や厚労省前に座り込み訴える一大行動を実施します。
 後期高齢者医療制度は四月十五日に年金からの天引きが始まり、市町村に問い合わせや抗議が殺到。保険証が届かないなどの混乱も加わり国民の中で同制度への怒りが沸騰しています。
 七十五歳以上への医療差別や同制度の診療報酬「後期高齢者診療料」の算定について、全都道府県医師会の半数を超える二十七医師会が「反対」「慎重な対応」など批判的な態度を表明しています。
 同制度の廃止・撤回や見直しを求める意見書の可決数は増え続けており、中央社会保障推進協議会(中央社保協)の集計では五百七十六(一日現在)となっています。
 新聞各紙の社説には「医療の助けをもっとも必要とする人たちを年齢で区切っていいのか、という根源的な問題も横たわる」(秋田魁新報、四月十六日付)という論調が目立ち始めています。
 「もう中止・撤回しかない」の声は強まる一方です。
 十四日には、中央社保協が午前十一時から国会前で座り込みを実施します。
 また、全日本年金者組合が並行して同時刻から厚生労働省前で千人規模の座り込み行動をします。
 労働法制中央連絡会などは同日午前十時から、「労働者派遣法の抜本改正と後期高齢者医療制度の中止・撤回を求める5・14国会座り込み行動」を実施します。
 各団体、各地方からの参加者は、地元選出の全議員に要請をすることにしています。」

◆2008/05/09 「高齢者いじめの制度は許せない」
 『医療・介護情報CBニュース』(株式会社キャリアブレイン)http://www.cabrain.net/news/article/newsId/15939.html

 「高齢者いじめの制度は許せない」
 【特集・第10回】 後期高齢者医療制度 茨城県医師会会長・原中勝征さん
 75歳以上の高齢者を「後期高齢者」と呼び、健康保険や国民健康保険から追い出して強制加入させ、保険料を年金から天引きするだけでなく、保険料を払えなければ保険証を取り上げる―。厚生労働省は「長寿医療制度」という呼称を使用したポスターやチラシなどで「後期高齢者医療制度」への理解を求めたが、保険証の未着や保険料の天引きミスなど、混乱は続いた。制度の廃止を求める動きも活発化している。制度開始前、茨城県医師会は都道府県レベルの医師会では初めて同制度の廃止を求める声明を発表。「みなさん、こんな高齢者いじめの制度が許せますか!」と題するポスターを作成し、反対の署名活動を展開している。後期高齢者医療制度をめぐる問題について、同医師会会長の原中勝征さんに話を聞いた。(新井裕充)

 ―制度がスタートする前の3月下旬の理事会で、反対する方針を決定したそうですね。
 全会一致で決めました。主治医が受け取ることができる「後期高齢者診療料」(患者一人につき月6000円)の届け出をしないで、従来通り出来高払いで算定するように会員医師に呼び掛けています。また、「後期高齢者診療料」の届け出条件である研修会を開催していません。厚労省は慌てて「介護保険の主治医研修会に出席した場合でも主治医として認める」とか、「研修を受講したという自己申告でも認める」などと言いだしました。おかしな話です。
 ―県民からの反対署名も集まっているようですね。
 4月下旬、新聞の折り込み広告で制度の廃止に関する署名を求めました。ものすごい反響で、毎日のようにファクスなどが届いています。そのほとんどは生活苦で、例えば、「高級官僚や政治家に不正な使い方をされて生活が苦しいです」「余生を寂しく過ごしています」「官僚を野放しにすることは国民いじめです」といった内容です。
 ―「長寿」ではなく、「末期」高齢者医療制度と言う人もいます。
 終末期の診療方針について、主治医が患者の家族と話し合って署名をさせれば、その主治医に手数料が入るなんて、そんなばかな制度がありますか。食う物も食えずに戦時中を生き抜いた、戦後の高度経済成長を支えたご老人を“うば捨て山”に追いやるような制度は断じて許せません。老人を大切にしない国の姿勢が問われていると思います。
 ―なぜ、このような制度をつくったのでしょうか。
 「新たな財源を生み出す」「老人医療費を抑制する」という二つの目的が考えられます。医療費の財源が不足していますから、現在の国民皆保険制度を守るためには新しい財源を生み出す制度が必要です。しかし、目的税(消費税)は財務省の管轄になりますから、集めたお金を財務省がハンドリングしてしまう。これは厚労省にとって好ましくないので、自分たちで使えるお金を集めることができる制度として、後期高齢者医療制度をつくったのです。
 ―「老人医療費を抑制する」という目的ですが、老人医療費は伸びているのでしょうか。
 老人医療費が伸びているとは必ずしも言い切れません。東北大の病院管理学の教授は、医療費の伸びの一番大きい部分が「高額医療費」であるとして、医学や科学の進歩によって高度な治療方法や高額な薬剤が開発されたことを医療費増加の主な原因に挙げています。厚労省の医療費の推計もでたらめです。1995年の予測では、医療費が2025年に141兆円になると言っていました。しかし、2005年に出した予測では69兆円に下方修正しています。せめて10兆円ぐらいの変更ならいいですが、半分以下になるというのはおかしいでしょう。でたらめな数字を出して、国民に「大変だ」という意識を持たせて洗脳しようというやり方はいけません。

□75歳以上の老人医療費を無料に
 ―テレビなどで原中会長が発言している内容に対して、厚労省は反発しているそうですね。
 (後期高齢者医療制度を設計した)保険局医療課の原徳壽課長は、わたしの発言が「間違っている」と反論しているようです。「フリーアクセス(自由な受診)は制限していません。好きな病院に自由に行くことができます」と言う。それなら、どうしてこんな制度をつくったのでしょう。なぜ、主治医の報酬を高くしたのでしょうか。(主治医である)内科の先生が耳鼻科や眼科の先生に患者を紹介したとき、耳鼻科や眼科の診療報酬の方が安くなっています。自分が主治医の報酬をもらっていて、紹介先の先生が安い診療報酬になることを承知で、「当院の患者さんをお願いします」と言えますか。つまり、後期高齢者診療料はフリーアクセスを阻止するための手段なのです。
 ―しかし、主治医が高齢者の心身の状態を総合的に把握して、重複投薬や重複検査を減らすという厚労省の考えにも理解できる部分があります。
 確かに、患者の健康状態などを把握した上で、適切なアドバイスをする医師は必要です。老人になると、足や目が悪くなり、病気も増えます。「老老介護」の世帯や独居老人もいます。そこで、近所の診療所の先生が医師の立場から面倒を見てあげる必要があります。これは、「かかりつけ医」という呼称で日本医師会も主張しています。そこで、厚労省は「日医も認めているじゃないか」と言いますが、日医が主張している「かかりつけ医」と厚労省の「主治医」は違います。日医の言う「かかりつけ医」は、医師の社会的な奉仕を広げた内容であって、ほかの病院に行くことを阻止する制度ではありません。
 ―厚労省は「主治医は一人」とか、「主病(主な病気)は一つ」と言っていますから、やはりフリーアクセスを制限しますね。
 老人になるといろいろな病気を持っていますが、「主な病気は一つだけ」ということが、この制度の根本にあります。ですから、主病を扱った医師だけが高い診察料を受け取ることができて、副病を扱った医師は安くなるようにしたのです。内科医は心臓や血圧は診ることができますが、目の病気や前立腺肥大、脳出血後のリハビリ、外科手術が必要な胃がんなどは診れませんから、専門の医師に頼む必要があります。しかし、これらのうちどれが主病であるか、医学的に一つに決められるのでしょうか。「主治医は一人」「主病は一つ」という言い方をすることは、「高齢者を総合的に診る」という考えとは違います。高齢者を総合的に診るための制度であるなら、高齢者が気軽に何度も病院に行けるような制度にすべきです。わたしは、75歳以上の老人医療費は無料にすべきだと考えています。

□後期高齢者医療制度は廃止すべき
 ―75歳以上の老人医療費を無料にするとして、財源はどうしましょうか。
 国家予算の一般会計83兆円に対し、各省庁が資金の使い道を握る特別会計は240兆円あるといわれています。この240兆円の中の1兆円を回せばいい。後期高齢者の医療保険料は全部で約8100億円、やがて1兆2000万円にまで増えるといわれていますが、240兆円の中から1兆円ぐらい出せないわけないでしょう。特別会計を一般会計に回して国民のために使わなければ、どんなに間接税を上げようと国民は幸せになれません。後期高齢者の保険料なんて、必要ないのです。国の無駄遣いや利権に染まった国家予算を減らせばいいのです。
 ―年金記録の問題も解決していないのに、お年寄りの少ない年金から天引きする。批判が噴出するのは当然ですね。
 後期高齢者医療制度が社会保障制度であるなら、年金の少ない高齢者に対して保険料を免除するなど、何らかのセーフティーネットが必要です。憲法25条(生存権)により、国は国民の最低限度の生活を保障する義務がありますから、生活が苦しいお年寄りを保護する責任があるはずです。それなのに、戦後の荒廃から今日の日本をつくったご老人の年金から税金を取って、介護保険料を取って、さらに後期高齢者保険料を取る。これは、国の老人に対する基本的な姿勢が間違っているとしか言いようがありません。やはり、後期高齢者医療制度はいったん廃止して、改めてお金の出し方を国民全体で考えるべきでしょう。厚労省が本当の数字を出した上で、「医療費が足りませんから、この方法しかありません」ときちんと提案すれば、わたしたちも協力します。しかし、現在のままでは、厚労省はますます国民の信頼を失うでしょう。こんな高齢者いじめの制度は許せません。」(全文)

◆2008/05/09 「高齢者診療料、72医師会で不算定」
 『医療・介護情報CBニュース』(株式会社キャリアブレイン)http://www.cabrain.net/news/article/newsId/15940.html

 「日本医師会はこのほど、都道府県11か所と郡市区61か所の合わせて72か所の医師会が、「後期高齢者診療料」を算定しないよう会員に呼び掛けていることを明らかにした。また、算定について慎重な対応を求めているのは都道府県14か所と郡市区36か所の医師会で、都道府県22か所と郡市区36か所の医師会では「対応を検討中か、対応しない」という。
 日医が各医師会を対象にアンケートを実施し、同診療料への対応を聞いた。アンケートは現在、回収中で、5月8日時点の状況をまとめた。
 後期高齢者診療料は、後期高齢者(長寿)医療制度の創設に合わせて4月の診療報酬改定を機に導入された。「主病」である糖尿病などの慢性疾患を診る診療所の「担当医」が、患者の同意を得た計画に基づいて必要な指導や診療を行った場合に、毎月一律600点(1点は10円)を算定する仕組み。
 処置や検査などの費用が包括されるため、「必要な処置を受けられなくなる」といった懸念もある。
 日医の竹嶋康弘副会長は8日の定例の記者会見で、同診療料について私見と前置きした上で、「あまりにもがたがたすると、国民は混乱するばかりだ。見据えるところは見据えるということもないといけない」と強調。その上で、各医師会の意向を踏まえながら、同診療料に対する日医としての見解を近くまとめる方針を示した。」(全文)

◆2008/05/09 「<終末期支援料>患者の希望確認なしでの算定認める 厚労省」
 5月9日18時3分配信 毎日新聞

 「厚生労働省は9日の民主党厚労部門会議で、終末期の75歳以上の人の診療方針を患者らと話し合い、内容を文書などに記録した場合に算定できる診療報酬「後期高齢者終末期相談支援料」(2000円)について、病状急変時の診療方針などで患者の希望を確認できなくても、算定を認めると都道府県などに通知したことを明らかにした。
 支援料は、08年度の診療報酬改定で新設された。終末期を迎えた75歳以上の人の病状急変に備え、あらかじめ診療方針を患者や家族と話し合い、文書や映像で記録した場合に算定できる。しかし、野党は「延命治療の中止など、患者に意思決定を無理強いする」と批判しており、厚労省は自治体などへの通知文に、患者の希望を「不明」や「未定」としていても、差し支えないと明記した。【吉田啓志】」(全文)

◆2008/05/09 「後期高齢者の終末医療 「延命やめたら医師に〈お手当〉2千円」 団塊世代はやがて47万人が斬り捨てられる」
 『週刊ポスト』2008年5月9/16日号 http://www.zassi.net/mag_index.php?id=51

天田 城介 2008/05/09 「老い衰えゆくことをめぐる人びとの実践とその歴史――私たちが自らを守らんがために現われてしまう皮肉かつ危うい事態について」
 上野 千鶴子・大熊 由紀子・大沢 真理・神野 直彦・副田 義也編『ケアすること』(『ケア――その思想と実践(全6巻)第2巻),岩波書店.**-**.
 http://www.josukeamada.com/bk/bp17.html

◆2008/05/09 全国保険医団体連合会政策部作成資料

○厚生労働省は「長寿を国民皆が喜ぶことができる仕組み」「ご安心下さい。今までと同じ医療を受けることができます」と言うが・・・

○「今までと同じ医療を受けることができる」なら、わざわざ新しい制度をつくる必要はありません。

○本当のところは後期高齢者に、保険料を上げ続けるか、医療サ−ビスを削るか、あるいはその両方か―究極の選択を迫る制度。
 *これまでの老人保健法第1条「目的」にあった「健康の保持」が削られ代わりに「高齢者の医療の確保に関する法律」では、「医療費の適正化の推進」の文言が加わる。

○目標は、後期高齢者を含む国民全体の医療を“粗悪化”し、国の医療費支出を削ること。

 後期高齢者医療制度−6つの焦点
1.保険料が上がり続ける仕組み。だから、
2.医療サービスの制限に向かわざるをえない
 ○入院ベッドの削減
 ○終末期医療の抑制
 ○月額定額で患者を管理する医療の導入
3.医療は保険料負担と引き替え
 ○本人の同意もないまま年金から天引き 
 ○保険料を滞納すれば保険証取り上げ
 ○医療が良くなれば保険料が増える
4.65〜74歳の障害者への加入強制
 ○任意加入と言いながら、加入強制
5.負担軽減にならない新しい窓口負担上限制
 ○欠陥だらけの合算制
6.公費負担だけが軽減される財源の仕組み

後期高齢者医療制度の問題点

Q1 1人ひとりが負担する保険料は上がり続けるのですか?
A1 この制度は、保険料が医療費の動きにリンクして変動する仕組みになっています。

1−厚生労働省は、基礎年金(月額66,000円)だけの場合、月額2,800円→1,000円。平均的な厚生年金(月額167,000円)の場合、月額7,700円→5,800円と試算していますが、制度開始時の保険料水準で比較するなら、国保保険料自体が元々高いですから、後期高齢者医療の保険料が下がるケースもあります。
 しかし、例えば神戸市国保では、基礎年金の受給者(単身世帯・寡婦控除26万円・社会保険料控除8万円)で月額1,448円→1,100円と350円下がりますが、平均的な厚生年金の受給者では月額4,837円→6,116円へと逆に1,300円も上がります。低所得者でも保険料が上がる具体的な事例です。
2−保険料が上がるのか下がるのかだけを見ていては、この制度の本質的な欠陥を明らかにしたことにはなりません。
 この制度は、高齢者数と医療費の動きにリンクして保険料が変動する仕組みになっています。何もしなければ、保険料は2年ごとの改定時に、高齢化の進行や医療費増に合わせて上がることになります。
3−県内の後期高齢者の医療給付費が増えると見込まれれば、その伸び率に比例して保険料は上がります。
 医療給付費の増加は、県内の後期高齢者の人口増加、インフルエンザ等の感染症の流行、新たな医療技術の健康保険導入、などによっておきます。
 介護保険の保険料はこの8年間で1.4倍も上がりましたが、この二の舞になりかねません(介護保険料月額:2000年2,911円→2008年4,090円)。
4−国庫負担は医療給付費の見込額に対する定率負担で、見込み以上に給付が伸びた場合の上乗せ補助はありません。
 広域連合は県内の後期高齢者の医療給付費見込みを計算し、それをもとに保険料を算出します。2008年度は医療給付費の10%、1人当たり平均保険料は年額72,000円です。定率国庫負担は医療給付見込みの約25%です。
 インフルエンザが大流行し、見込んだ医療給付費を上回って伸びても、定率国庫負担は増やしません。広域連合が都道府県の「財政安定化基金」から借り入れを行って収支の帳尻をあわせます。ところが、この借り入れは、必ず保険料収入から返済しなくてはいけません。返済分を上乗せした保険料はさらに上がることになります。
5−厚生労働省は、2015年度の保険料は医療給付費の10.8%、年額85,000円と試算しています。7年後には年額13,000円の増加です。
 東京都広域連合が示した2012年度の保険料試算では、2008年度に比べ1.29倍に上がります。
 高齢化のピークを迎える2025年度の保険料は、国が用いた計算式で試算すると、医療給付費の13.2%、年額160,000円まで上がります。
6−2008年度は9都道府県が補助金を広域連合へ投入しましたが、自治体の努力に任せるだけでは、今後、自治体間の財政力格差が、そのまま医療格差や保険料格差になって持ち込まれることになります。

Q2 保険が利く医療サービスは制限されるのですか?
A2 医療サービスの制限に向かわざるを得ません!

1−医療費増にあわせて保険料が上がる仕組みになっていても、それにあわせて2年ごとの改定で保険料を上げ続けることは、後期高齢者の所得実態からみて限界があります(75歳以上の高齢者は、年金が主な収入。75歳以上高齢者が受給している年金額は、国の調査によると年間で80万円以下の人が、受給なしの人も含めて、45%と半数近くにのぼる)。
 保険料を上げることが困難になれば、医療サービスを抑えることに向かわざるを得ません。そうなれば、医療サービスが次第にレベルダウンし、平均寿命の伸びにもストップがかかるおそれがあります。後期高齢者の医療サービスに事実上のキャップがかぶさることになります。
2−厚生労働省が「後期高齢者にふさわしい医療」として示した中に、「安らかな終末期を迎えるための医療」があります。終末期医療費が年間に9,000億円かかると試算し、「それを抑制する仕組みを検討する」としています。長期入院とその延長線上にある終末期の医療サービスを制限する方向です。
3−制度創設に対応して、定額制の高齢者診療料が新設されました。将来は一人幾らという定額制にすることを企図しています。その定額の中で何でも治療せよと言うことにはムリがあります。また、長期入院より「追い出し」を勧める退院調整加算も新設されました。
4−あわせて、「医療費適正化計画」が作られ、自治体が療養病床の削減や高齢者医療費削減のための施策を強めるよう義務づけられています。
5−加えて、保険料抑制の切り札としてこれから実施されそうなのが、県内の医療機関に支払う診療報酬(保険が利く医療の公定価格)の削減です。その県だけは診療報酬単価を1点10円から8円に削減する、半年以上入院している後期高齢者の診療報酬を3割カットする、などによって医療費(ひいては保険料)が削減できる仕組みになっています。
 第1期の「医療費適正化計画」が終了した翌年の2013年度に、47都道府県を実績評価の上、高齢者医療費の高い特定の都道府県だけにこうした特例診療報酬を認めることが可能となっています。このような事が実施されれば、医療機関経営は大打撃を被り、地域の医療サービス水準はさらに低下します。

Q3 入院中の患者をそのまま「追い出し」ていくのですか?
A3 入院できるベッドが削られています!

1−厚生労働省は、入院日数を抑え、入院できるベッドを削ることをすすめています。
2−慢性的な症状で長期に入院する療養病床は、37万床を20〜22万床に削ります。精神病床も7万床程度削るとしています。
3−病院での終末期の医療を抑えて、自宅・居住系施設での終末期医療・看取りを増やす計画です(厚生労働省は、在宅終末期の割合を4割にして、医療給付費を2015年度で2000億円削減、2025年度で5000億円削減と試算)。
4−高齢者の入院が多い療養病床は、入院料が減額されました。後期高齢者のみに、入院後に症状が落ち着いたらすぐに退院計画をつくると報酬が出ます。
5−入院から在宅までの医療の流れは必要ですが、入院医療費をどう削るかと
いう議論から始め、在宅医療の体制づくにかかる費用の議論はほとんどありません。
6−独居や高齢者のみの世帯、働く家族が増えている中、在宅医療や介護サービスがあっても、介護してくれる家族がいなければ成り立たないのが在宅生活です。
 居住系施設は、特養ホーム待機者数は全国で30万人とも推計され、有料老人ホームもある程度費用が負担できる人でなければ利用は難しいです。施設をたらい回しされる傾向がますます強まります。
7−厚生労働省は、病院から在宅、そして介護という「一方通行の流れ」を想定していますが、高齢者個々のケースにより、入院が必要な場合、在宅がよい場合があり、病院でも在宅でも、どちらでも対応できることが必要です。

Q4 不安なく終末期の医療が受けられますか?
A4 厚生労働省は「抑制する仕組みを検討する」と説明しています!

1−2008年診療報酬改定では、後期高齢者のみを対象に、脳卒中や認知症から重度障害を負った患者の入院日数が90日を超えると診療報酬が最大約3分の2に減額されます。
 脳卒中や認知症は増加傾向で、後期高齢者の対象患者も増えてきます。治療は長期にわたることが多く、事実上の治療中止にもなりかねません。
2−終末期の医療内容について医師・看護師(及び歯科医師・薬剤師)と患者との合意内容を文書などに記録すると、退院時もしくは死亡時に1回のみ2千円の報酬(後期高齢者終末期相談支援料)が医師・看護師等にそれぞれ支払われます。
 自分の意思で延命治療をどうするのか決めておくことは悪くありませんが、文書を作成すると報酬が支払われるシステムは、延命治療を制限することを暗に求められているようです。高齢者がおかれている心理状態や経済的な状況からすると、意思表示や治療制限・中止をすることを強制されることにつながりかねません。
3−終末期医療の定義やそのあり方についての社会的合意はなされていません。しかし厚生労働省は、75歳以上の高齢者と65〜74歳で一定の障害をもった人のみを対象に、医療費抑制のために経済的誘導をはかろうとしています。

Q5 高齢者を総合的に診る医療は実現しますか?
A5 総合的に診ることがゆがめられてしまいます!

1−複数の病気を同時にもつ高齢者の生活を支えるために、主治医を位置づけ、総合的な診療を行うという方向性自体は重要です。
2−「後期高齢者診療料」(担当医)では、高齢者を総合的に診るという考え方がゆがめられ、後期高齢者の医療を生涯にわたり「担当医に管理」させることになってしまいます。
  いわゆるドクターショッピング(紹介状なしの他医受診)、投薬や検査の重複などの「ムダ」をなくすには、患者さんの理解を得ながら医療連携をもっと強化することが必要です。
3−総合的に診ることを義務づけていますが、医学管理や基本的な検査・処置・画像診断(腹部エコー等)については、月額6,000円が上限とされたため、必要な治療を何回行っても報酬は変わりません。
 「担当医」が手厚い治療をしたいと思っても、医療機関の持ち出しになってしまいます。高齢者はとくにきめ細やかな対応が必要ですが、その医療内容が乏しくならざるを得ません。
4−1人の「担当医」に、該当患者の「主病は一つ」とし、他院での指導や検査状況などを含む患者情報を一元化し、継続的・総合的に管理をさせることで、なるべく複数の医療機関に受診させないようにしようとしています。 
○栃木県医師会
「1人の後期高齢者については主病は一つとし、1人の患者を1つの医療機関が診るという考え方に基づいた登録医制度につながる」
  ○秋田県医師会
「一つの医療機関を『主治医』と決めるのは現実的に難しく、現状に即していない」
5−診療報酬の改定は2年ごとに予定されている診療報酬改定を通じて、月額上限制となる医療行為を拡大し、報酬も減額していくならば、必要な医療はますます制限されることになります。
6−フリーアクセスの制限も、以下の厚生労働省幹部の発言にあるように、今回は先送りしただけです。「担当医」の登録制度が再燃することが懸念されます。
○「病院に行くことを制限することは、今すぐやる方策ではない」(07.7.14 日本医事新報)
 ○「アクセスを自らセーブしてもらうことを考えていたが、そこへは行きつけなかっ
た 」(08.3.17メディファクス)
○「今すぐに登録医制度を導入するのは、時期として早い」(07.10.15国保実務)

Q6 年金からの保険料天引きは、利便性を考えてのこと?
A6 年金からの天引きで、最低生活費が強制的に引き下げられる!

1−天引きについても厚生労働省は、これまで窓口で払っていた手間を省くものであり、利便性が高まると言っていますが、これは生活実態を無視した詭弁です。多くの自治体は、窓口でこれまで、急な出費などで生活が苦しくなった人に対する納付相談に応じ、その時に払えるだけの保険料を払ってもらったり、分割納付に応じたりして急場を凌いでもらってきました。広域連合による年金天引きは、このきめ細かな対応をできなくしてしまいました。
2−基礎年金からさえも保険料を課すこと自体が、生計費非課税の原則に抵触する問題です。それを天引きすることは、手法としても、最低生活費を強制的に引き下げるもので、生存権否定にも等しいものです。

Q7 保険証1枚で医療を受けられると言いますが?
A7 保険証が取り上げられる制度に変わりました!
1−保険証1枚で医療は受けられますが、保険料が払えなくなると、保険証が取り上げられます。今年の3月末までは保険証を取り上げていませんでしたが、これからは、医療機関の窓口で、その日にかかった治療代を全額支払うことになってしまいます。
2−1人ひとりに保険証がある代わりに、後期高齢者のみに、扶養家族が認められなくなりました。したがって、後期高齢者は全員、亡くなるまで年金から保険料を天引きされるのです。
3−高齢者の生活からみて、窓口一部負担が支払えずに保険証はあっても、受診できない人が増えています。窓口負担の軽減が必要です。
 8月からは、窓口負担がこれまでの1割から3割に上がるケースが出てきます(夫が後期高齢者医療制度、妻が国民健康保険にそれぞれ加入している場合、7月までは前年度の世帯年収で判定した負担割合だが、8月からは夫と妻でそれぞれ年収の判定が実施され、新たな負担割合が適用される)。
 また、2009年4月からの70〜74歳の「2割負担」は、受診を控えさせ、75歳以上の健康状態を悪化させ、より医療費増につながります。

Q8 65〜74歳の重度障害者は、任意の加入ですね?
A8 事実上の加入強制です!

1−後期高齢者医療制度への加入が任意となっている65〜74歳の一定の障害を持つ人に対し、10道府県が制度加入を医療費(窓口負担)助成継続の条件にしました。助成が受けられなくなるリスクを回避するには、制度加入の選択肢しかありません。事実上の加入強制です。
2−こうした制度運用は、暮らしている自治体の財政力や方針の違いにより、経済的に困窮している人が多い障害者の生活基盤が揺らぎかねないことを意味します。厚生労働省が、都道府県への指導などをおこなわずに容認していることは、この制度が抱えている欠陥を示しています。

Q9 医療と介護の合算制度で負担が軽減されますか?
A9 制度を改めないと本当の軽減にはなりません!

1−「高額医療・高額介護合算制度」は、夫が後期高齢者医療制度、妻が国民健康保険に加入しているなど、家族でも加入している保険が異なると合算することができません。保険制度が違っても家族単位で合算できるようにすべきです。
2−75歳の誕生日を迎える月は、誕生日の前後では加入する医療保険が異なるため、合算することができません。本人単位で合算できるようにすべきです。
3−年間の負担上限の設定ではその間の経済的負担が大変です。負担額が確定するときは、1月単位の負担上限とすべきです。
4−加入者が請求する方式ではなく、保険者の職権による支給にすべきです。

Q10 医療費財源をどう捻出しますか?
A10 公費の投入で財源を安定化できます!

1−医療給付費に対する定率国庫負担25%を増やし、弾力的に公費投入ができる仕組みにすべきです。見込んだ医療費が上回って伸びたときは、国民健康保険のように超過分については公費負担で精算し、借入金を保険料に上乗せして返済する仕組みは廃止すべきです。
2−保険料の算出は、負担能力に応じた保険料の割合を高めて応能割の保険料を中心としたものに変更するともに、保険料の報酬上限を引き上げる(或いは撤廃する)ことで財源を捻出することができます。高所得者には応分の保険料を負担してもらい、低所得者の保険料は減免を拡充すべきです。
3−「現役並み所得者」には公費負担がないので、公費の割合は46%に下がり、一方、「支援金」の割合が44%に増えます。この仕組みを改めるべきです。
4−国民医療費に占める事業主負担を1990〜95年の水準に戻すことで財源を捻出することができます(1990〜1995年度:25%前後→2005年度20.2%)。
5−都道府県単位の収支決算ではなく、全国的な財政調整の仕組みを導入して、ここに大幅な公費の投入を行うべきです。仕組みとしては従前の老人保健法のもとでも行われていたことですから、実施できるはずです。
6−“道路よりも医療”を優先し、道路特定財源を一般財源化した上で、公費負担に回すことで財源が捻出できます。たばこ税をヨーロッパ並みに引き上げることも検討が必要です。

◆2008/05/10 「後期高齢者医療制度の廃止訴える(11日)」
 北陸朝日放送 http://www.hab.co.jp/headline/news0000001158.html

 「4月から始まった後期高齢者医療制度の廃止を訴える抗議活動が11日、金沢市内で行われました。抗議活動は制度の問題点を若い人にも知ってもらい、廃止を訴えようと連合石川のOBでつくる県退職者連合などが行いました。後期高齢者医療制度は75歳以上の人全員に保険料の支払いを義務付け、年金から天引きするほか、医療機関の診療報酬に「定額制」を導入したため十分な医療を受けられないという批判も出ています。退職者連合の荒島勝夫さんは「若い人も30年後、40年後には高齢者になる。医療費がかかるからとじゃま者扱いされるような社会でいいのか」と制度の廃止を訴えました。 」(全文 14:17)

◆2008/05/12 「『終末期相談料』廃止も 後期高齢者医療 政府延命抑制批判受け」
 『東京新聞』2008年5月12日 朝刊

 「政府は十一日、七十五歳以上が加入する後期高齢者(長寿)医療制度の診療報酬体系の一つである「後期高齢者終末期相談支援料」について、廃止を含めて見直す方向で検討を始めた。患者団体などが「延命治療の中止を迫られ、治療を受けられなくなる」と強く反発したことに加え、同支援料が制度全体への批判の一因となっているとして、見直しが避けられないと判断した。
 同支援料は、医師や看護師らが、回復の見込みが薄いと判断した患者と、▽現在の病状と予想される病状の変化▽介護などの生活支援▽病状急変時の治療の希望内容▽救急搬送の希望の有無−などについて話し合い、医師らがその内容を文書や映像などにまとめた場合、診療報酬二千円を支払う制度。厚生労働省は患者団体などの批判を受け、四月二十八日付で都道府県などに、病状急変時の治療方針などについて患者の希望が「不明」「未定」でも診療報酬の算定を認めると通知し、延命治療に関する意思決定を強要することはないと強調していた。
 しかし、野党に加え、与党内からも「医療費抑制のために支援料を導入したと思われている。お年寄りに早く死ねと言うことにつながる」との懸念が強まったため、廃止も含めて見直すことにした。」(全文)

◆2008/05/12 「「終末期相談料」廃止も 後期高齢者医療政府延命抑制批判受け」
 東京新聞 2008年5月12日 朝刊 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2008051202010579.html

 「政府は十一日、七十五歳以上が加入する後期高齢者(長寿)医療制度の診療報酬体系の一つである「後期高齢者終末期相談支援料」について、廃止を含めて見直す方向で検討を始めた。患者団体などが「延命治療の中止を迫られ、治療を受けられなくなる」と強く反発したことに加え、同支援料が制度全体への批判の一因となっているとして、見直しが避けられないと判断した。
 同支援料は、医師や看護師らが、回復の見込みが薄いと判断した患者と、▽現在の病状と予想される病状の変化▽介護などの生活支援▽病状急変時の治療の希望内容▽救急搬送の希望の有無−などについて話し合い、医師らがその内容を文書や映像などにまとめた場合、診療報酬二千円を支払う制度。厚生労働省は患者団体などの批判を受け、四月二十八日付で都道府県などに、病状急変時の治療方針などについて患者の希望が「不明」「未定」でも診療報酬の算定を認めると通知し、延命治療に関する意思決定を強要することはないと強調していた。
 しかし、野党に加え、与党内からも「医療費抑制のために支援料を導入したと思われている。お年寄りに早く死ねと言うことにつながる」との懸念が強まったため、廃止も含めて見直すことにした。」(全文)

◆2008/05/12 「後期高齢者医療の保険料、与党が免除延長を検討」
 日経新聞 http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20080512AT3S1100O11052008.html

 「75歳以上を対象とする後期高齢者医療制度(長寿医療制度)で与党は、今年9月末までとなっている一部の高齢者の保険料の免除措置を10月以降も延長する検討に入った。今年度いっぱいもしくは来年度中まで延長する案が出ている。ただ、延長に伴う財源も必要で、社会保障費の伸びを抑制する政府目標との調整も課題になりそうだ。
 後期高齢者医療制度の導入前の今年3月末まで、会社員の子供に扶養されていた200万人が対象。こうした人は今年9月までは本来払うべき保険料が免除されている。与党はこの免除措置を10月以降も延長する方向で検討を進める。」(全文 12日 07:03)

◆2008/05/13 「「後期高齢者医療制度中止を」 名古屋で署名活動」
 中日新聞 夕刊 http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008051302010970.html

 「愛知県社会保障推進協議会は13日、名古屋市昭和区八事本町の興正寺前で、後期高齢者(長寿)医療制度の中止と撤回を求める署名活動をした。14日に、この日と最近集まった約3000人分以上の署名を国会へ提出するとともに、県選出国会議員に要請書を手渡す。
 加藤瑠美子事務局長ら約15人が街頭に立ち「高齢者に冷たい制度。与党内から見直し論も出ているが、小手先のことでは解決しない」などと呼び掛けた。興正寺は縁日で屋台も出るなど、高齢者らの参詣でにぎわい、次々と署名に応じた。
 春日井市から来たという男性(85)は「医者にもかかれんようになる。むちゃくちゃで、このままだと早く死ねということ」と話した。署名活動は昨年末から月1回ペースで実施。既に21万人分を提出しており、毎回、高齢者の反応も敏感になる一方という。」(全文)
 写真:後期高齢者医療制度の中止、撤回を求める署名をするお年寄り=13日午前、名古屋市昭和区八事本町で

◆2008/05/14 「新医療制度に反対し厚労省前で抗議」
 テレビユー福島 http://tuf.co.jp/i/news/mori/Auto/20080514122729.htm

 「厚生労働省前では、雨の中、およそ500人のお年寄りたちが後期高齢者医療制度の廃止を訴えて、抗議行動を行っています。
 午後には、高齢者の尊厳を奪う医療差別だとして、制度の中止・撤回を求める4万人分の請願書を厚生労働省に提出するということです。」(14日11:32)

◆2008/05/14 「ついに高齢者がアクション」『どさんこワイド180』
 札幌テレビ http://www.stv.ne.jp/news/streamingWM/item/20080514190323/index.html

 「批判が高まっている後期高齢者医療制度ー。ついに高齢者が行動を起こしました。札幌に住む6人が制度の廃止を求めて、道に不服審査を請求しました。
 道庁を訪れた高齢者たちー。後期高齢者医療制度に不服があるとして、制度の廃止を求めました。
 (請求者)「年金からの天引きに怒りを感じる。適正な審査をお願いしたい」
 審査を請求したのは、札幌に住む6人の高齢者です。保険料の年金からの天引きや75歳以上を医療で差別するのは、憲法に反するなどと訴えました。
 (会見)「速やかにこの制度を、廃止に追い込むことを呼びかけます」
 不服を申し立てた1人、本間コトさん80歳です。本間さんは、夫と障害を持つ息子など7人で暮らしています。2人の年金が、家計の大きな支えとなっています。新しい制度によって、保険料が上がったと怒りをあらわにします。
 (本間さん)「これじゃ食っていけない」
 本間さんは、輸血が原因で肝炎を患い、夫の國男さんもがんやアスベストによる病気を 患っています。診療代は、月に数万円かかるといいます。
 (本間さん)「自分たちがいなければ国がいいんであれば私たちの姿を見てくださいといって国会の前で死のうと」
 不満が高まる後期高齢者医療制度ー。高齢者を支援している市民グループは、来月、数百人規模で不服審査を請求することにしています。」(2008年5月14日(水)「どさんこワイド180」)

◆2008/05/14 「8割超の市町村が人間ドック助成廃止−後期高齢者医療制度」
 『医療・介護情報CBニュース』(株式会社キャリアブレイン)http://www.cabrain.net/news/article/newsId/16029.html

 「4月に始まった「後期高齢者(長寿)医療制度」に伴い、75歳以上を対象にした人間ドック助成事業を行ってきた市町村の8割超が同事業を終了していることが、厚生労働省の調べで明らかになった。
 同事業では、市町村が運営する国民健康保険組合が主体になり、国保加入者の人間ドック受診費用の一部を補助していた。厚労省によると、2007年度は全国1162市町村が同事業を実施し、このうち723市町村では75歳以上の高齢者も対象にしていた。
 しかし、同制度が始まった08年度は、国保からの助成は行われず、582市町村が事業を終了。国保以外の衛生部門などで事業を継続するのは、141市町村にとどまっている。
 都道府県別の状況を見ると、50市町村で実施していた北海道が5市町村、63市町村だった埼玉県が6市町村と、それぞれ大幅に減少したのが目立つ。また、大阪府や滋賀県、長崎県などでは、事業を実施する市町村がなくなった。
 同制度の廃止を求めている神奈川県保険医協会副理事長の池川明医師は、「今回の問題の背景には、75歳以上が国保から脱退させられ、同制度に移行したことがある。従来の補助は削って当たり前という心理が市町村に働いている」と指摘。「健康の維持や病気の早期発見に欠かせない健診事業の衰退を意味し、同制度の問題点の一つが表れている。国は医療費抑制で同制度を導入したが、病気の発見が遅れれば、それだけ医療費が掛かるので、大きな矛盾」と批判している。」(全文)

◆2008/05/14 「後期高齢者医療制度:大企業社員に負担 健保組合の支援金8.3%増」
 毎日新聞 2008年5月14日 東京朝刊 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080514ddm002010020000c.html

 「後期高齢者医療制度に対する08年度の各医療保険の支援金額が13日、明らかになった。厚生労働省によると、旧老人保健制度への拠出金(07年度)に比べ、自営業者らが加入する国民健康保険は23・9%減の1兆7099億円、中小企業の政府管掌健康保険は16・9%減の1兆4293億円と減少。これに対し、大企業の健康保険組合は8・3%増の1兆2266億円で、突出して増加した。一部の健保組合は保険料を引き上げる方向だ。新制度の目的の一つは「現役世代の負担軽減」だったが、大手企業の従業員にはあてはまらないことが明確になった。
 08年度、後期高齢者医療制度(1300万人)への支援金総額は、07年度比13・2%減の4兆7487億円。新制度では、これまで保険料を払っていなかった被扶養者も含め全加入者が負担するため、総額は減少する。厚労省は、総額が減る点をもって「健保組合も負担が減る」と説明してきたが、その見通しは外れた形だ。
 これまでの高齢者医療は、75歳以上も既存の医療保険に加入し、各医療保険が自らの老人医療費に準じて拠出する老人保健制度で運営。老人医療費の割合の高い国保(3800万人)や政管健保(3500万人)は、拠出額が膨らむ仕組みだった。
 これに対し、新制度は各医療保険の支援金額を0〜74歳の加入者数に応じて決める仕組み。75歳以上が少なく扶養家族の多い健保組合(3000万人)や公務員の共済組合(900万人)は負担増となった。共済の支援金額は07年度比4・5%増の3765億円。
 健康保険組合連合会によると、08年度は全体の9割にあたる1334組合が赤字となり、141組合が保険料を引き上げるという。【吉田啓志】」(全文)

◆2008/05/14 「医療制度の強制 改善へ「検討を」 厚労事務次官」
 北海道新聞 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/92661.html

 「厚生労働省の江利川毅事務次官は十四日、後期高齢者医療制度(長寿医療制度)に関し、十道県で本来は任意加入の六十五−七十四歳の重度障害者に、加入を医療費助成の条件として義務付けたことについて、「事実上の強制との批判があることを勘案し、どんな対応が良いのか、検討してほしい」と、見直しを求めた。同日開いた制度を運営する全国四十七広域連合の事務局長らの会合で伝えた。
 医療費助成は都道府県などの独自事業との位置付けから、厚労省はこれまで十道県に、是正指導などは行っていなかった。 」(全文 05/14 13:52)


◆2008/05/14 「高齢者医療「終末期相談支援料」見直しを検討…厚労相」
 読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080514-OYT1T00618.htm?from=main2

 「舛添厚生労働相は14日の衆院厚生労働委員会で、後期高齢者医療制度(長寿医療制度)の導入に伴って4月に始まった新たな診療報酬「終末期相談支援料」について、「どういう形で改善できるか検討課題としたい」と述べ、見直しを検討する考えを表明した。
 長妻昭氏(民主)の質問に答えた。
 終末期相談支援料は、医師が、回復の見込みが薄いと判断した75歳以上の患者について、本人の同意を得たうえで終末期の診療方針などを文書などに記録した場合、2000円の診療報酬を受け取る新制度だ。
 野党などは、「生き永らえたいという患者の延命治療の打ち切りにつながりかねない」などと反発している。
 舛添氏は「『遺言を書きなさい』みたいにとられてしまう。高齢の方々の気持ちを痛めた面があるのではないか」と述べた。また、75歳以上を対象とした人間ドックなどの助成事業を打ち切る市町村が相次いでいることに関し、「救いの手を差し伸べられるかどうか検討する」と述べ、事業再開に向け、国として支援の可能性を探る考えを示した。」(全文 2008年5月14日22時24分)

◆2008/05/15 「低所得者の申請あれば保険料減免 長寿医療制度見直し案」
 朝日新聞2008年05月15日 http://www.asahi.com/health/news/TKY200805140318.html

 「75歳以上が対象の後期高齢者医療制度で、低所得者層の保険料を減額・免除する厚生労働省の負担軽減案が明らかになった。新制度に移行後、相当数の低所得者が負担増になったと批判されているが、法改正など制度の抜本的見直しはせず、新制度にある仕組みを活用する。減免を受けるには高齢者本人が申請する。
 新制度を運用する各都道府県の広域連合は、保険料徴収の方法などを条例で定めている。加入者が災害に遭ったり、病気になったりして収入が激減するなど特別の事情がある場合は、本人からの申請を受けて保険料を減免する規定がある。この規定を拡大解釈し、低所得者も「特別の事情」に該当すると見なす。どのような人が対象となるか、国が大枠の基準を示す。
 対象者は、近く調べる各市区町村ごとの保険料負担の変化をもとに決めるが、基礎年金(年額79万円)以下の収入で、生活保護とほぼ同じかそれに満たない所得水準の人たちが含まれる可能性がある。
 軽減に伴って保険料収入が減り、広域連合の財政難につながることから、国が交付金を支給することなども検討する。収入が基礎年金以下の低所得者二百数十万人の保険料(月額平均千円)を全額免除すれば、300億円程度の財源が必要となる見通し。
 本人の申請を待たずに、広域連合が職権で減免する方法もあるが、法改正が必要で、保険料徴収のシステム改修に時間がかかる。広域連合の条例の規定を用いれば、現場の運用で対応が可能だ。厚労省は「条例減免によらざるを得ないのではないか」としている。ただし、高齢者本人の申請が必要なため、対象者への周知が不可欠。病気などで申請が困難な人も多いとみられ、運用上の課題もある。
 政府は制度の廃止や抜本見直しは否定する一方で、「必要があれば運用を改善する」としており、厚労省案が見直し案のたたき台となる見通し。ただ、6月中に見直し案をまとめる与党内では年金天引きの見直しや、保険料ゼロだったサラリーマンの被扶養者らの負担軽減拡大など、厚労省案より踏み込んだ対応を求める声が強く、調整が難航する可能性がある。

◆2008/05/15 「後期高齢者医療改善策 ハードルは財源」
 MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/life/welfare/080515/wlf0805150011000-n1.htm

 「75歳以上が対象の後期高齢者医療制度(長寿医療制度)について、政府は6月中に運用面での改善策をまとめるが、低所得者に対する激変緩和策の拡充が柱となる見通しだ。最大のハードルは財源。拡充には巨費が必要で、「別枠予算」として新たな財源を確保できなければ、政府の社会保障費抑制路線がなし崩しになりかねないためだ。福田康夫首相は4月30日の会見で、「道路特別会計などのムダを排除する中で捻出(ねんしゆつ)する」と述べており、一般財源化される道路予算をどの程度回せるかが焦点となりそうだ。
 「基本的には市町村の仕事だが、何らかの救いの手を差しのべることが可能か検討していい」。舛添要一厚生労働相は14日の衆院厚労委員会で、新制度導入に伴い約8割の自治体が75歳以上への人間ドック助成を打ち切ったことについて、見直しが必要との考えを示した。終末期治療方針を作成した医師に支払われる診療報酬「終末期相談支援料」の改善も約束した。
 厚労省の江利川毅事務次官も同日、65〜74歳の重度障害者に対し医療費助成の条件として新制度加入を義務付けた10道県に対し、見直し要請を行った。
 政府・与党内で有力なのが激変緩和策の拡充だ。子供や夫などの扶養家族でこれまで保険料を負担してこなかった約200万人に対する「今年4月からの半年は保険料無料、その後の半年は9割免除」という軽減策の期間延長や、保険料軽減の判定基準を世帯所得から個人所得に変更する案が浮上している。
 だが、これらの案はいずれも巨額な費用がかかるのが課題だ。例えば、約200万人への免除をさらに半年から1年延長させる場合、対象者を現在の75歳以上のままとしても最低40億円、来年75歳になる人も含めると350億円程度は必要となる見通しだ。
 収入が基礎年金だけの人の保険料を全額免除する案は年約2000億円かかる計算で、「介護保険などの制度も一緒に免除すると必要額は4000億円を超える」(厚労省幹部)。70〜74歳の窓口負担2割への引き上げ凍結の延長案も年1400億円を要する。
 ただ、政府は基礎的財政収支黒字化のため、平成19年度からの5年間で1・1兆円の社会保障費の自然増抑制も行ってきており、「社会保障費抑制方針を外してもらわないと、財源捻出できない」(自民党厚労関係議員)のが実情だ。
 厚労省では、年金天引きの選択制や終末期相談支援料の廃止など数億円のシステム改修で済む案も検討されている。だが、与党内には「中途半端な改善では、国民の反発を招く」(自民党中堅)との見方も強い。
 揮発油(ガソリン)税に対する国民の批判が根強いこともあり、「国民の理解を得るためにも、道路予算の一部を後期高齢者医療制度の負担軽減策に回すべきだ」(自民党若手)との声も広がりつつある。
 6月にまとめる21年度予算案の「骨太の方針」で、福田政権が改善策に伴う経費を「別枠予算」とするかどうかが、当面の焦点となりそうだ。」(全文 2008.5.15 00:11)

◆2008/05/15 「期高齢者医療制度 現役世代の支援金額明らかに 大企業サラリーマンと公務員に負担」
 FNN http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00132776.html

 「後期高齢者医療制度に対する現役世代の支援金額が明らかになり、大企業のサラリーマンと公務員が、大幅な負担増になることがわかった。
 厚生労働省によると、自営業者や中小企業のサラリーマンの負担は減少するが、大企業のサラリーマンが加入する健保組合には、1兆2,266億円の支援を求めるということで、前の老人保険制度と比べ、8.3%増となっている。
 また、公務員が加入する共済組合も4.5%の負担増となる。
 厚生労働省は、「前の制度は医療費で負担割合を決めていたが、今回から現役世代の人数で決めたため増加した」としている。
 一方、厚生労働省前には、数百人の高齢者が集まり、自分たちの保険料が上がったことに対し、抗議の声を上げている。」(全文 05/14 13:11)

◆2008/05/15 「後期高齢者医療制度:重度障害者8万人が加入せず 新たな負担を敬遠」 毎日新聞 2008年5月15日 東京朝刊

 「75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度に任意加入できる全国の65〜74歳の重度障害者約66万9000人のうち、今年3月末現在で8万7217人(13%)が加入しなかったことが分かった。14日、自治体の担当者を集めて開かれた会議で厚生労働省が明らかにした。加入によって新たに保険料負担が生じるなどを理由に見送った人が多いとみられる。
 加入しない65〜74歳の重度障害者が最も多かったのは、大阪府の1万6063人。続いて、▽埼玉県7527人▽東京都6290人▽兵庫県4940人−−などだった。
 65〜74歳の重度障害者の加入は、本来は任意だが、北海道、福岡など10道県では、加入を自治体による障害者医療費助成の条件としていたことが明らかになっている。「事実上の強制加入」との指摘も強い。
 この10道県の加入しない人の総数(3348人)は、全体の3・8%にとどまる。加入しない人が100人以下の自治体(山形、富山、徳島、山口)は、10道県にすべて含まれていた。
 大阪府などの自治体側によると、加入しない理由は、▽本人の加入で、国民健康保険や健康保険の被扶養者の家族それぞれの保険料が新たに生じる▽子供や配偶者の被扶養者で、保険料負担のなかった人が、加入で負担が生じる、などのケースが多いとみられる。
 旧老人保健制度に加入していた同世代の重度障害者は、手続きをしなければ自動的に後期高齢者医療制度に加入する。
 このため、制度による変化を熟知した場合、なお加入が減る可能性がある。【野倉恵】」(全文)

 ◇重度障害者(65〜74歳)の未加入者
※北海道666/※青森280/岩手873/宮城2048/秋田1728/※山形63/福島 675/※茨城 275/※栃木 180/群馬2374/埼玉7527/千葉2313/東京6290/神奈川3961/新潟3370/※富山27/石川1561/福井1622/山梨1034/長野1245/岐阜 187/静岡1099/※愛知288/三重2120/滋賀1271/京都2881/大阪16063/兵庫4940/奈良1025/和歌山1983/鳥取499/島根912/岡山1076/広島3034/※山口86/※徳島60/香川1245/愛媛2053/高知1187/※福岡1423/佐賀 767/長崎 905/熊本 356/大分1029/宮崎756/鹿児島559/沖縄1301計87217/※は制度加入を医療費助成継続の条件にする自治体

◆2008/05/16 「後期高齢者医療制度:診療料、担当医届け出わずか10% 機能不全の危険性も /鳥取」
 毎日新聞 2008年5月16日 地方版

 「後期高齢者医療制度に伴って創設された定額制の「後期高齢者診療料」で、診療を担う「高齢者担当医」の県内の届け出が4月14日現在42件にとどまっていることが15日、分かった。県内に420ある開業医のわずか10%。厚労省は、全国約3万7400の開業医ほぼすべてが届け出るものと当て込んでいた。【武内彩】
 内訳は東部25件▽中部5件▽西部12件。
 後期高齢者診療料制度では、糖尿病など慢性疾患の高齢者がかかりつけの担当医を決め、月額6000円(自己負担は原則600円)を支払うとそれ以上の検査費や治療費は払わなくて済む。
 これまではかかった実費(自己負担は原則1割)を支払う出来高払いが原則だった。新制度では、出来高払いか定額払いかは、患者の同意を得て医療機関が選択できる。定額制で診療を受けるには医師が高齢者担当医の届け出をしていることが前提で、届け出が制度のいわば土台。届け出がこのまま増えなければ、制度そのものが機能不全に陥りかねない。
 この新診療報酬については、患者がかかりつけ医以外の医療機関に行きづらくなる▽診療料を受領しながら必要な治療をしない医師が出る可能性がある−−などの問題点が指摘されており、県西部医師会(魚谷純会長)を含め全国の医師会が相次いで導入反対を表明していた。」(全文)

◆2008/05/16 終末期治療の「相談支援料」に廃止論 後期高齢者医療
 朝日新聞 2008年05月16日

 「後期高齢者医療制度で、患者と家族と医師らが終末期の治療方針を話し合い、書面にした場合に支払われる診療報酬「終末期相談支援料」に批判が強まっている。「延命治療にかかる費用を抑制するのが目的」という野党の主張に、与党内からも廃止を求める声が上がり、見直しは避けられない情勢だ。
 15日の参院厚生労働委員会で、制度の問題点を指摘された舛添厚労相は「(支援料は)意図はたとえ善意でも、結果としてむしろ終末期医療を後退させる危険性がある。実情をしっかり調査して改革する」と答弁した。
 自民党厚労族の有力議員、丹羽雄哉元厚相も同日朝、民放のテレビ番組で「国民感情を著しく害したなら廃止したって構わない」と発言。厚労省の「終末期医療で、患者の意思を確認するため地道で手間のかかる取り組みをしている医師を下支えするための仕組み」(同省幹部)との主張は、かき消されがちだ。
 支援料制は、回復が難しい患者本人に、医師が今後予想される病状を説明し、病状が急変した時に病院に搬送するか、人工呼吸器を使うか、などの希望を聞く。入院患者の場合、説明に1時間以上かけることが条件で、医療機関に支払われる診療報酬は2千円。「医師が割に合わない報酬を稼ぐため、患者に終末期の意思決定を迫ることはあり得ない」と同省幹部は言う。
 だが、同省職員による新制度の解説本には「家族が1時間でも1分でも生かしてと要望し、色々な治療がかさむと500万、1千万円になる」との記述がある。民主党はこれを引用し、「支援料は医療費抑制のためのもの」と批判を展開している。
 終末期医療の診療報酬については、厚労省の審議会や中央社会保険医療協議会(中医協)で06年秋から検討してきたが、支援料には「非常に微妙な問題。事後の検証が必要」との意見が委員から出ていた。同省の別の幹部も「最初に意思確認の仕組みだけを決め、何年か様子をみて診療報酬をつける方法もあった。先走り過ぎたかもしれない」と話す。
 来週開催する中医協では急きょ、相談料の問題を取り上げる予定だ。厚労省は「結論は出さない」としているが、議論の行方次第では廃止の可能性も現実味を帯びてきた。

◆2008/05/16 「後期高齢者医療、来年4月廃止で合意・野党4党」
 日経新聞 2008年5月16日

 「民主、共産、社民、国民新の野党四党の政策責任者は16日、国会内で会談し、参院への共同提出をめざす後期高齢者医療制度の廃止法案について協議した。四党は同制度を来年4月に廃止、以前の老人保健制度に戻すなどの内容で大筋合意。20日の会談で細部を詰め、来週にも法案を提出する。今国会中に参院を通過させて衆院に送り与党に対応を迫る。
 年金からの保険料天引きは10月に前倒しして廃止すると明記する方向。年金記録問題の解決のメドが立たない中での天引きには批判が根強いためだ。民主党の鳩山由紀夫幹事長は16日の記者会見で廃止後の新制度について「時間をかけて議論して決めていく必要がある」と指摘。与党が検討中の低所得者の負担軽減策は「運用の改善ですむ話ではない」と批判した。」(全文 16日 22:02)


◆2008/05/16 「後期高齢者医療制度:内容の正当性強調 自民・長岡支部大会で伊吹幹事長講演 /新潟」
 毎日新聞 2008年5月16日 地方版

 「自民党の伊吹文明幹事長が15日、長岡市で開かれた党支部大会で講演し、後期高齢者医療制度について「名前が悪い」と述べ、内容の正当性を主張。政府を支えて制度を継続させる方針を強調した。
 伊吹幹事長は、制度を「ゴールド医療とか言っておけば、光輝いて見えた」と述べ、名称が「年輩の方の誇りを逆なでした」ため、国民に誤解が生じているとの見解を示した。
 その上で、75歳以上にかかる総医療費の約9割は「現役世代」の負担と税でまかなわれている点を指摘。「長寿者に安心、現役に希望と期待、子供には夢を持たせる制度だ」と訴えた。
 また、制度の廃止を求める医師については「収入が減るから不満なのだろう」と退け、道路特定財源問題なども含めた民主党の態度を「財源のあてもない手形を乱発しているだけだ」と批判。次期総選挙では、新潟5区と比例で「長岡の力で2人の自民党衆院議員を誕生させよう」と述べた。【根本太一】」(全文)

◆2008/05/16 「特集:老人を殺すな!――後期高齢者医療制度」, 『週刊金曜日』,702: 10-17.  http://www.kinyobi.co.jp/KTools/mokuji_pt?v=vol702
◇稲毛 由佳, 20080516, 「政財官の一挙三得で生まれた「後期高齢者医療制度」(特集:老人を殺すな!――後期高齢者医療制度)」, 『週刊金曜日』, 702: 10-11.
◇本山 美彦, 20080516, 「米国の要求で進む医療制度「改悪」(特集:老人を殺すな!――後期高齢者医療制度)」, 『週刊金曜日』, 702: 12-14.
◇桑原 史成, 20080516, 「写真・談:老いた両親の暮らし(特集:老人を殺すな!――後期高齢者医療制度)」, 『週刊金曜日』, 702: 15-17.

◆2007/05/17 「終末期相談支援料を再検討 後期高齢者医療制度で厚労省」
 中国新聞 2008/5/17

 「後期高齢者医療制度(長寿医療制度)で厚生労働省は十六日、回復の見込みが難しい終末期の治療方針を患者や家族と医師らが話し合って文書にまとめた場合、医療機関に診療報酬二千円が支払われる「終末期相談支援料」について、厚労相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)で再検討してもらうことを決めた。
 野党や難病患者団体に「延命措置の中止を強制されかねない」として廃止を求める意見もあることを考慮した。二十一日に中医協総会を開き、見直しも含め検討をあらためて委ねる。診療報酬は中医協の答申を経て四月に改定されたばかり。二カ月足らずで個別項目を再検討するのは異例だ。
 併せて、高齢者のかかりつけ担当医(主治医)としての継続的な医学管理に対し月六千円の定額報酬が支払われる「後期高齢者診療料」についても、地域の医師会で反発の声が上がっており、再検討の対象とする。
 厚労省はいずれの見直しにも否定的だが、中医協の判断によっては廃止の可能性もある。中医協は(1)健康保険組合など支払い側(2)医師会など診療側(3)学者ら公益代表―で構成、委員は二十人。
 終末期相談支援料は「在宅診療に熱心な医師らを評価しようと導入した」(厚労省)とされるが、民主党は「終末期の医療費抑制が目的」と批判。舛添要一厚労相は十五日の参院厚労委員会で「意図は善意でも、終末期医療への取り組みが後退する危険性がある。見直すべき点は調査を踏まえ改革する」と答弁した。」

◆2008/05/23 「後期高齢者医療:野党4党、廃止法案を参院に提出」
 毎日新聞 2008年5月23日 19時13分(最終更新 5月24日 1時46分)
 http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080524k0000m070171000c.html
 「民主、共産、社民、国民新の野党4党は23日、後期高齢者医療制度廃止法案を参院に提出した。同制度を09年3月末で廃止して従来の老人保健制度に戻すもので、野党が多数を占める参院で6月6日までに採決し、衆院に送付することを目指す。これに対し政府・与党は、保険料減免など制度の運用見直しで対応する方針。野党側が「75歳以上」と年齢で区切る点を「差別につながる」と問題視するのに対し、与党側は「医療制度の破たんを避けるため」と、財源問題を中心に反論する論戦となる見通し。6月15日の会期末まで衆院では採決されない可能性が高い。
 民主党は廃止法案への政府・与党の対応を見極めながら、福田康夫首相問責決議案の参院提出の是非を判断する。同法案は制度廃止のほか、保険料の年金からの天引きを遅くとも10月に中止▽現行制度で9月までとされている被扶養者の保険料免除措置を09年3月末まで延長−−などが柱となっている。
 法案は27日に参院厚生労働委員会で審議入りする見込み。野党は6月5日の委員会採決まで、地方公聴会や参考人質疑などを通じて、法案審議を通じて制度の問題点をあぶり出す戦略だ。
 また野党4党は、法案提出に先立って幹事長・書記局長会談を開き、委員会審議期間中の6月4日に東京・巣鴨の「とげぬき地蔵尊」近くの商店街で合同演説会を開くことを決めた。演説会では各党幹部をはじめ、「後期高齢者」となった75歳以上の党首OBクラスがマイクを握り、制度廃止を世論に訴える。【田中成之】」(全文)

◆2008/05/23 「新高齢者医療で公費負担減 厚労省試算 民主徹底追及へ」
 朝日2008年05月23日22時12分
 http://www.asahi.com/life/update/0523/TKY200805230298.html
 「75歳以上が対象の後期高齢者医療制度で、医療費に充てる公費の割合が旧制度より少ないことが、厚生労働省の試算で明らかになった。政府は「税金を重点的に配分し、国民全体で支える」と説明しており、廃止法案を提出した民主党は「国はウソをついた」として国会で追及する。
 厚労省が21日に民主党に示した試算によると、後期高齢者医療制度を導入しなかった場合、08年度の75歳以上の医療費は11兆8700億円。財源は公費6兆5300億円、財源全体の55%なのに対し、新制度は11兆3700億円の財源のうち公費5兆9100億円、52%だ。
 この試算をもとに、民主党側は「これまでの説明と違う」「これでは国の丸もうけだ」と批判している。
 福田首相は20日、「前の制度では、高齢者が増えて(医療費を)支えていくのが無理。今度は高齢者に集中的に税金を投入していこうと決めた」と述べていた。
 厚労省によると、公費負担が減った理由は、国民健康保険を通じて高齢者の医療費に拠出している税金が新制度では旧制度より減るためだという。「税の重点配分」という説明も「高齢者の医療費は、旧制度と同じく主に税金で支えるという意味」とし、矛盾はないとする。
 一方、民主党は新制度廃止法案の審議でも追及し、政府・与党にゆさぶりをかける方針だ。
 だが、民主党などの廃止法案にも弱みがある。新制度では、低所得の夫婦世帯の保険料が負担増となる傾向が強い一方で、自治体間の保険料水準の格差は5倍から2倍へと縮小し、負担減になった人も相当数いる。旧制度に戻せば再び格差が広がるが、「差別的な新制度よりはまし」(直嶋正行政調会長)としてあくまでも廃止を求めるという。
 また、民主党は新制度の導入を決めた06年の国会審議で、旧制度について「(健康保険組合など)保険者の我慢も限界」「高齢者への拠出金が3割、4割いってしまう不満を払拭(ふっしょく)できていない」と批判。00年には鳩山由紀夫代表(当時)が「高齢者を対象とする新しい医療保険制度を創設する」と発言している。審議では、こうした過去の発言を与党に突かれる可能性もある。(中村靖三郎)」(全文)

◆2008/05/24 「社説:野党の廃止法案 「75歳」線引きの是非こそ論じよ」

 毎日新聞 2008年5月24日 0時22分
 http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080524k0000m070171000c.html
 「医療制度のあるべき姿とは何なのか。後期高齢者医療制度が混乱したのは、その答えをあいまいにしたまま走り出したためだ。この失政を認めたうえで、政治家には「高齢者を切り捨てるのか」という声を正面から受け止めて、国会で医療改革の議論を早急にやり直すことを求めたい。
 民主党など野党4党は23日、同制度の廃止法案を参院に提出した。来年4月に制度を廃止して、その後は元の老人保健制度に戻すという。これに対して、与党は新制度の改善策を近くまとめる。低所得者への保険料軽減策などが盛り込まれる予定だが、制度の骨格は変えない方針だ。
 問われているのは75歳以上を独立の医療保険制度に入れたことの是非だ。そもそも病気になるリスクの高い高齢者だけを対象にした制度は保険原理