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医療行為/医療的ケア 2008



 *情報、御意見の提供を歓迎します。TAE01303@nifty.ne.jp(立岩真也 @→@)までお願いいたします。

◆『JALSA』073号(2008/01/08)

□厚生労働省へ要望書提出 理事 海野 幸太郎
 「現在、ALS療養環境に影響する医療・福祉制度の大幅な見直しが進められています。協会として本部と支部を挙げて制度の後退を防ぎ、拡充する取り組みを行っています。制度見直しに当たっては患者、家族の当事者が声を挙げて実際に支援に結びつく諸施策を改善していくことが重要です。以下主な取り組みと要望書を紹介します。
7月4日・JALSA72号17-19頁
8月1日・7月4日内容を再協議
8月8日・入院時の付添い
    ・介護者の経管栄養実施許可
8月27日・吸引推進と経管栄養実施許可
    ・入院入所時のヘルパー付添い
    ・治験薬の保険適用
    ・航空機機内への人工呼吸器持込
12月18日・特殊疾患療養病棟の存続
     ・介護者の経管栄養実施許可
     ・重度訪問介護施策の充実
     ・国府台病院神経内科の存続
平成19年12月18日(火)橋本会長、川上副会長、吉本理事、海野理事、(パーキンソン病友の会米谷氏同席)にて厚労省の関係部局へ訪問し要望書を提出以降、厚労省関係部局と継続協議を行ってきました。上記要望事項の中から以下特記します。
[…] □経管栄養実施許可の要望
訪問介護員等による経管栄養実施の許可を求めた要望内容は別添の通り。痰の吸引見直しの検討会が今年度中には開催される予定であり、これら医療的ケアに関する問題が改善され、在宅療養生活の基盤整備が進むように関係機関に働きかけていきます。」(p6)

□「たんの吸引」の措置(平成15年6月)、3年後の調査結果から 東京都神経科学総合研究所 難病ケア看護 小倉朗子
「T.はじめに
U.調査結果の概要
1.人工呼吸器を装着してご自宅で生活なさっている方々の概要
2.利用しているサービスなど
@診療と看護
A訪問介護
B通所サービス
3.緊急のトラブルや備え
4.「家族以外の者」による「たんの吸引」を実施している場合の状況
〔…〕「家族以外の者」(医師、看護師を除く、以下「吸引者」という)に痰の吸引を依頼していた方は343名(45.8%、H1530.8%)、「吸引者」の職種は、ヘルパーが329名(95.9%、H1588.5%)でした。〔…〕17<18
5.「痰の吸引」、措置後の変化
V.調査結果からみえた事柄」(p16-18)

□学校教育における医療的ケアの現状と課題
◇厚労省研究会」報告書と通知
「在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会」の報告書(2004年9月17日)では「教員によるたんの吸引等は、医師法第17条との関係では違法性が阻却される」とし、「看護師を中心としながら看護師と教員とが連携・協力して実施するモデル事業等の成果を踏まえ、こうした方式を盲・聾・養護学校全体に許容することは、医療安全の確保が確実になるような一定の条件の下では、やむを得ない」という一定の見解が示されました。これにより、大きな課題であった「医療的ケアを医療資格の無い教員が行うことは医師法第17条違反ではないか」という疑義に対して、一定の結論が示されました。
◇これを受けて205年度から文部科学省は「盲・聾・養護学校における医療的ケア実施体制整備事業」を開始し、看護師配置が前提条件であるため47都道府県の特別支援校の最低1校には看護師配置が始まりました。
 医療的ケアの課題
・特別支援校(従来の盲・聾・養護学校)
・通常学校(地域の小・中学校)
 地域の小・中学校では、教員の医療的ケアは認められていません(大阪府箕面市(2004年)と愛媛県新居浜市(2005年)が政府の構造改革特区構想に申請したが実現せず)。
〔…〕
□看護師配置のその先を見つめて
 看護師配置は、教育環境の改善の一歩として歓迎できます。しかし、看護師に過度に依存する形になりますと、看護師がいなれば医療的ケアの必要な子どもたちはどこにも行けなくなるおそれが出てきます。「厚労省研究会」委員の北住英二さん(心身障害児総合医療療育センター外来療育部長)は、「この報告書に書かれていない行為は全て禁止であるというような反対解釈をされるべきではない(意見、了解事項)」と紹介されています。それにも関わらず自治体レベルでは、様々な解釈が行われて制約が増えています。実態先行型の取り組みが、正式に制度化されるにあたって一定程度の制限・制約・低下を受けるのはやむを得ないと思いますが、子どもたちに負担を強いらないことが前提です。今後は、医療的ケアのサポーターの裾野を広げていく取り組みが重要だと思います。」(p19)


 

◆筋委縮性側策硬化症(ALS)の最近の知見
http://www.lcv.ne.jp/~nken1/alsjyouhou.html
ALSと親父ホームページより

1)2008/08/01 iPS細胞:ALS患者から作成 病気解明に期待 米研究チーム
筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の皮膚細胞から人工多能性幹細胞(iPS細胞を作成し,これを分化させて運動神経細胞を作ることに,米のハーバード 大,コロンビア大の研究チームが成功した.病気の解明に向けた研究に役立つと期待される.7月31日付の米科学誌「サイエンス,電子版で発表した.
 ALSは運動神経細胞が徐々に破壊されることで,筋肉が衰え全身が動かなくなっていく進行性の難病.日本では約7700人の患者がいる.
 ハーバード大のケビン・エガン准教授らは82歳の女性患者から皮膚細胞を採取.iPS細胞を開発した京都大チームと同じ方法でiPS細胞を作成した.さらに,胚(はい)性幹細胞(ES細胞)で開発された手法を用い,iPS細胞から神経細胞を作った.この細胞は患者と同じ遺伝子型を持ち,将来的には細胞移 植治療への応用も考えられるが,研究チームは「iPS細胞作成の際にがん関連遺伝子を導入しているなど課題が多い,と指摘している.(2008.08.01 毎日新聞より)

2)2008/04/29 新たな原因遺伝子,新潟大などが発見
筋肉が次第に動かなくなる難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS),の新たな原因遺伝子を,新潟大の小野寺理准教授らが発見した.この遺伝子による 「TDP43,というたんぱく質の異常が症状を引き起こすとしている.異常は約9割を占める非遺伝性ALSでもみられることから,原因究明が大幅に加速すると期待される.26日付の米神経学会誌で発表した.
 ALSは遺伝性と非遺伝性があり,運動をつかさどる神経が侵され,症状が進むと自力呼吸も難しくなっていく難病.非遺伝性ALS患者の神経細胞には, TDP43というたんぱく質が蓄積することがわかっている.しかし神経細胞が侵された結果として蓄積するのか,蓄積によって神経細胞が侵されるのかは不明 とされていた.
小野寺准教授らは,TDP43の異常がみられる一部の遺伝性患者を研究.TDP43をつかさどる遺伝子に異常が見つかったことから,TDP43が神経細胞を侵す原因であるとした.(2008/04/29 朝日新聞より)

3)2008/03/13 難病ALSの進行を抑制 東北大がラットで確認
運動神経が死んで全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病,筋委縮性側索硬化症(ALS)になったラットの脊髄に,神経細胞を増やす働きがある物質を投与し病気の進行を抑える実験に,青木正志東北大講師(神経内科)らの研究チームが13日までに成功した.
 サルの実験でも同様の効果が出始めており,引き続き効果と安全性が確認されれば,少数の患者を対象にした臨床試験を来春にも始める計画.
 名古屋市で開催の日本再生医療学会で14日,発表する.
青木講師らは,ALSを発症するよう遺伝子操作したラットの脊髄で,病気の進行に伴って神経のもとになる「前駆細胞,と呼ばれる細胞が増えているのを見つけた.前駆細胞が神経になるのを助けてやればALSの症状の改善につながる可能性があると考え,ALSラットの脊髄に,神経を含む多様な細胞を増やす働きがある肝細胞増殖因子(HGF)という物質を,約1カ月にわたりチューブで投与した.発症から死ぬまでの日数は平均28日で,比較のため生理食塩水を投与したラットの同17日に比べ,約1.6倍長かった.脊髄内の神経細胞数も,食塩水ラットの倍以上多く残っていた.
 チームは,HGFの働きで,脊髄の細胞死を抑制したり,前駆細胞が神経に成長するのを促進したりした結果ではないかとみている.(2008.03.13 共同通信配信NEWSより)

4)2008/02/04 難病ALS 進行関与の細胞特定,治療法開発に期待
全身の運動神経が侵される難病「筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS),の進行に,神経細胞のネットワーク作りに重要とされるグリア細胞のうちの2種 類が関与していることを,理化学研究所などのチームが突き止めた.治療法の開発につながる可能性がある.3日付けの米科学誌ネイチャー・ニューロサイエン ス電子版に発表する.
 理研脳科学総合研究センターの山中宏二・ユニットリーダーらは,特定の細胞から遺伝型のALSに関係する遺伝子変異を取り除けるマウスモデルを作った.こ のマウスを使い,グリア細胞のうち,神経細胞を支え養う働きがあるアストロサイトから,変異型遺伝子を取り除いた.すると病気の進行が大幅に遅れた.ま た,傷んだ神経細胞を修復する働きがあるというミクログリアが病巣で神経細胞に障害を与えていることもわかった.
 ALSの進行を遅らせる有効な治療法としてこの二つのグリア細胞を標的とした幹細胞治療法や薬剤の開発が考えられる.(2008.02.04 朝日新聞より)


*作成:仲口 路子
UP:20100204 REV:20100401, 16
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