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医療行為/医療的ケア 2004



『JALSA』062号(2004/04/28)

□「平成十六年度総会議案
一、吸引問題の解決・改善
 理事会として7・17厚生省医政局長の通知は国が従来の「緊急避難としてしかヘルパーの吸引を認めない」姿勢から「条件付きで家族以外の者に認める」」と容認したことは一歩前進であるとの評価をする一方、在宅ALS患者のみに限定されたことやホームヘルパーの業務として位置付けないことの問題を指摘した上で、吸引問題解決促進委員会を中心に以下の取組みを行いました。
@ 通達を積極的に生かし、各地で医師、看護師の協力を求め吸引講習会を開催するとともに個別指導により吸引できるヘルパーを育成する。
A 機関紙等で実践事例を紹介する。
B 吸引フォーラム等を開催し実践交流や課題を明らかにしていくことを追求しました。」(p2)

□「第5号議案 平成十六年ど活動方針・事業計画(案)
 私達を取り巻く医療と福祉環境は大きく変化しています。国立病院の独立行政法人化や平均在院日数の短縮、障害者支援費の介護保険統合化など財源の逼迫から採算を重視した諸施策が進められており、長期入院・入所が必要な患者の受入れ先や家族の一時休息のための短期入所先が一層狭められ、在宅療養の比重と家族介護負担が増えることが懸念されます。(p18)
〔…〕
三、患者・家族に対する療養支援活動(療養支援部を中心に)
(1)重症患者在宅支援
 病院での気管切開から在宅療養まで一貫し、また、医療と福祉関係者がチームとして連携して患者・家族を支援できる体制づくりを促すために地域交流会や講習会を開催すると共に、特に適切な痰の吸引ができるヘルパー等の拡大がはかれるよう、関係する病院や看護ステーションの指導協力を要請していきます。また、今年度の全国ケア講習会は「吸引を学ぶ」をテーマに開催する予定です。
〔…〕」(p19)

□「吸引フォーラム開催
○三月二一日(日)一三時半から十六時四十五分まで、東京国際フォーラムG四〇九会議室にて、当会主催「吸引フォーラム」を開催しました。
 二〇〇三年七月厚生労働省の「ALS患者の在宅療養の支援について」(医政発第〇七一七〇〇一号)通知発出後、各地で通知に基づいた「家族以外の者による吸引」が取り組まれてきました。そこで、約半年が経過した中で、通知の周知を図ることと、それぞれの立場から現状・取組みを報告し合い、今後の課題等を明らかにすることを目的に開催しました。

□ 神経難病と吸引行為
仙台往診クリニック 川島幸一郎
東北大学大学院医学系研究科神経科学講座神経内科学分野 糸山泰人 小野寺宏

 「平成十五年三月二十日付け「ホームヘルパーの吸引に関する日本神経学会の意見」にも建議されているように、その後、ALSの在宅療養支援について検討した「看護師等によるALS在宅療養支援に関する分科会」において、ALS在宅療養者の吸引については、家族の負担が増えている状況を踏まえ三年間の当面の措置として、家族以外の者がおこなうことを認める方針が出された(平成十五年七月十七日付け)。長年在宅療養をなされてきた方々の、強い希望が一部でも叶えられたことは良い結果であったと思われる。
 しかし、この措置はALS在宅療養者に限定されていると同時に、機関も限定されている。今後この措置が有効活用されているか否かによっては、さらに措置の内容が変質してくる可能性もあり、在宅療養の現場におけるこの措置の有効活用の実態把握と問題点を検証することが欠かせない。
 この演題では、
上記分科会における仙台市のホームヘルパー吸引実践例から導かれる問題点
ホームヘルパー事業所の吸引実践割合の推移
ホームヘルパーへの吸引指導の現状
ALS在宅療養者以外で吸引を要する療養者数とその実態
前記@ABCにおける問題点の整理と対策について述べてゆきたい。

【厚生労働省「看護師等…に関する分科会」における仙台吸引実践例の分析】
 上記分科会第四回における仙台市内ヘルパーステーションBのサービス内訳(厚生労働省ホームページに掲載中)である。
 その表では、ALSに限らず、小脳変性症、脳出血、脳梗塞、いずれの療養者も吸引を必要としており、窒息等の危険性があるとホームヘルパーが判断した場合(結果としては緊急避難)には吸引をおこなってきている。
 家族は夜間の吸引等の作業をおこなうために日中は充分な休養が必要であり、日中のホームヘルパーの作業は吸引を含む「長時間滞在型」となっている。
 在宅における身体介護の制度は大きくは(1)介護保険によるもの(2)身体障害者支援費制度によるもの(厚労省ホームページ表三では措置制度と表記)に分かれる。この制度のいずれかが充分に機能しない場合には、ただちに在宅支32<33援に破綻が起こる。
 ここから浮かび上がってくるものは、
家族の吸引による疲弊を防ぐためには、病名による判例ではなく吸引という行為、あるいは吸引を必要とする症状による判定が望まれる。疾病分類ではなく症状分類による判定の必要性。
ALSを含む「吸引を要する在宅療養者」に対する療養支援の特徴とは「長期滞在型」の身体介護である。それは少なくとも四時間以上は必要であり、六時間、八時間、場合によっては十二時間以上も必要となることさえある。ところが、介護保険において通常想定されている身体介護とはせいぜい、清拭であり、おむつ交換であり、服の着替えであり、食事介助であるという一時間半以内に終了すると考えられている「短時間型」作業なのだ。この両者に対する認識の違いが争点になる。
吸引を要するような介護度の在宅療養者はほとんどが「身体障害者」に該当し、それゆえ「身体障害者支援費制度」を使用することが可能である。介護保険による身体介護と並列で、支援費制度による身体介護の有効活用が必須となる。

【ホームヘルパー事業所の吸引実践割合】
 平成十五年度末で吸引をおこなっているホームヘルパー事業所は仙台市内百二十三ヶ所のうち五ヶ所のみである(四%)。その中で、厚生労働省の通達後に新たに吸引を開始している事業所は二ヶ所である。
 当クリニックが赴いている人工呼吸器装着者二十八名中ホームヘルパー吸引実施例は十二名であった。家族で充分に身体介護をおこなうことができ、ホームヘルパーに吸引を要求しない療養者が十名いる。残りの七名の家庭においては、ホームヘルパーは吸引以外の身体介護をおこない、同時に研と市町村でおこなっている独自の介助人制度による介助人が吸引をおこなっていた。この七名に対しての調査では、全員がホームヘルパーの吸引を希望していたが、下記の理由のために進んでいない。
(通達の内容上「おこなわれる吸引」とは、療養者とその担当ヘルパーの両者における文書による関係によってなされる行為であり、ホームヘルパー事業所との契約ではない。吸引の実践について事業所が積極的でない場合、ホームヘルパーが個人の意志として率先して吸引をおこなう方向に進みにくい理由がここにある。)

【ホームヘルパーへの吸引指導の現状】
 原則的には、当該療養者のかかりつけ医または訪問看護師が主体となって、ホームヘルパーに対する「吸引に関する知識と実践の指導」をおこなうこととなっている。厚生労働省の通達後にあらたに吸引を開始した二事業所については、往診クリニックで指導をおこなった。残念ながら、積極的に吸引の指導を求める事業所が少ないため、大掛かりなパンフレット等は作成されていない。

【ALS在宅療養者以外で吸引を要する療養者数とその実態】33<34
 仙台往診クリニック療養者二百名における吸引必要者は、
気管切開のみ十六名(うちALS一名)
気管切開+人工呼吸器二十八名(うちALS二十名)
吸引器使用者八十五名(右記(1)(2)を含む)であった。
 日本ALS協会では、全国の気管切開+人工呼吸器のALS在宅療養者数はおよす千百二十五名に上ると推計している。他疾患を含むすべての在宅気管切開+人工呼吸器装着患者数は、フジレスピロニクス社では全国で約五千五百名と算出している。人工呼吸器に関しては、医療機器であるため実数は確実に把握可能と考えられるが、気管切開者および気管切開していないが吸引機を使用している数となると把握が困難である。その理由は、吸引機は日常生活用具として給付されており、医療用機器として登録を義務付けられていないためである。しかし、おそらく人工呼吸器装着者の数倍にはなるだろう。

【@ABCにおける問題点の整理】
≪ホームヘルパーが吸引をおこなうことに必ずしも積極的でない理由≫
 当クリニックが赴いている気管切開+人工呼吸器装着の在宅療養者二十八名においては、その内十一名でホームヘルパーの吸引が実施されていた。しかし七名は療養者の希望があるにもかかわらず、ホームヘルパーの吸引は実施されていなかった。理由のひとつはAの(通達の内容上)によるものと思われた。
≪「長時間滞」して吸引をおこなうことに積極的でない理由≫
 しかしもうひとつの大きな理由が介護制度の内部にある。平成十五年四月の介護保険の点数改定により、身体介護の点数は一時間半以後からは格段に下がったのである。理由は@の(2)を参照。つまり高齢者介護を土台としている介護保険においては、その身体介護は一時間半以内ですべてが終了する「短時間型」であると考えてしまっていて、「長時間滞在型」の吸引を必要とする特殊身体介護を考慮していない。一時間半までの身体介護料金は五千八百四十円であるが、それ以降は三十分八百三十円の低い単価計算となる。したがって、一時間半以内で終了するような短時間型身体介護一日四件おこなえば、二万三千三百六十円の収益となる。つまり効率が良い。
他方、朝から夕まで八時間連続の長時間滞在型身体介護をおこなえば、一日の収益は一万六千六百三十円にしか過ぎない。介護点数のこの差こそが、ホームヘルパー事業所に「長時間滞在型」の介護を定着させない大きな理由である。
「吸引」と「長時間滞在」はカップリングするのであって、この両者の問題点を同時に解決しなければ、吸引を引き受けるホームヘルパー事業所はいつまでも増加しないと思われる。
≪支援費制度の問題点≫
 上記介護保険点数と同様の問題が支援費においても起こっている。次表では現在の支援費制度による身体介護点数と、次回改定を考慮した、例えばの身体介護を点数との比較である。(決定された点数で34<35はない)。この表のように、支援費も介護保険と同一の点数配分にもし変更された場合には、「長時間滞在型」の身体介護は、時間が長ければ長いほど収益率が悪化することになる。
 現在、収益率がすでに悪い状況の介護保険を使用していても、ホームヘルパーが吸引を含めた特殊身体介護を、長時間滞在型でおこなってくれる理由のひとつは、事業所やホームヘルパー個人々の優しさであり、もうひとつには、介護保険で悪化した点数の不足分を、同時に使用している支援費の点数によってかろうじて穴埋めしているからに他ならない。
 しかし、支援費の点数が今後介護保険と同じ配分になるようでは、もはやホームヘルパーは「長時間滞在型」の身体介護も、そして吸引も、進んで実行しようとは思えなくなってしまうのではないだろうか。
※編集部より:三月三日厚労省障害保健福祉主管課長会議において、一時間半以上の三十分追加単価八百三十円は撤回され、千八百二十円の案が示されました。
≪吸引の知識と実践指導、吸引をどこまで拡大するか≫
 在宅ですでに生活をしている気管切開+人工呼吸器装着ALS療養者が千百二十五名いること、ALS以外の気管切開+人工呼吸器装着在宅療養者を含めると約五千五百名となる全国の療養者に対する在宅生活の支援を、吸引という行為を通して、どのようにおこなってゆくのかという課題はこれから、そして早急に考えられなければならないことである。
 神経内科医のフィールドは神経難病の性格上、療養者の日常生活の安定にまで広がっているものと(私には)思われる。厚生労働省老健局の「二千十五年の高齢者介護」において、三百六十五日二十四時間の安心在宅介護が明記されている昨今、療養者との長い付き合いを地道に重ねてゆくためにも、在宅生活の中での「生きた」吸引の知識と実践指導について、さらに議論されてほしいものである。
【今後の対策】
介護保険において、「長時間滞在型」の身体介護があり得ることを提示すること。吸引を含む身体介護は、「特殊身体介護」であることを考慮した点数配分が必要なこと。(厚生労働省、老健局、介護保険課への進言)
支援費制度の点数配分の変更時には、「長時間滞在型」の吸引を含む「特殊身体介護」の単価を適正なものに設定すること。(厚生労働省、社会・援護局、障害保健福祉部、障害福祉課への進言)」(p32-35)

□ 介護職の皆さんと、吸引学習会を開催しました
医療法人財団ファミーユ 駒クリニック看護師 岩城みどり」

 「去る二月十九日、千葉県市川市にある国立国府台病院の会議室をおかりして、介護職の皆さんと一緒に『ALS学習会・吸引の実際』について学習会を行いました。
 ALS協会東京都支部・千葉県支部、国府台病院、駒クリニックの共同開催です。
 主催者の私たちは、参加者の顔ぶれも人数もはっきりとした予想もできず、ふたをあけなければわからない状態での企画でした。ただ、在宅での介護の場面で、なかなか吸引を引き受けてくださるヘルパーさんがみつからないという現実に直面していました。
〔…〕
 いざ案内をさせていただき、参加希望の返答をうけとり、あまりの参加希望の多さに驚きました。百名前後を想定していたのですが、二百五十名あまりの方の参加希望をいただき、かなりの方々にお断りをすることになってしまいました。
〔…〕36<37
看護職の私は、"吸引"について自分の考えがまとめきれずに悶々とする日々です。しかし、今回の学習会に参加いただきました皆さんに熱意と関心の高さをしらせていただくことができ感謝すると同時に、ALS患者さんの療養についてますます、尽力させていただき、一翼を担わせていただく責務を決意する機会となりました。
今後とも、よろしくお願いいたします。」(p36-37)

 「去る二月十九日、千葉県市川市にある国立国府台病院の会議室をおかりして、介護職の皆さんと一緒に『ALS学習会・吸引の実際』について学習会を行いました。
 ALS協会東京都支部・千葉県支部、国府台病院、駒クリニックの共同開催です。
 主催者の私たちは、参加者の顔ぶれも人数もはっきりとした予想もできず、ふたをあけなければわからない状態での企画でした。ただ、在宅での介護の場面で、なかなか吸引を引き受けてくださるヘルパーさんがみつからないという現実に直面していました。
〔…〕
 いざ案内をさせていただき、参加希望の返答をうけとり、あまりの参加希望の多さに驚きました。百名前後を想定していたのですが、二百五十名あまりの方の参加希望をいただき、かなりの方々にお断りをすることになってしまいました。
〔…〕36<37
看護職の私は、"吸引"について自分の考えがまとめきれずに悶々とする日々です。しかし、今回の学習会に参加いただきました皆さんに熱意と関心の高さをしらせていただくことができ感謝すると同時に、ALS患者さんの療養についてますます、尽力させていただき、一翼を担わせていただく責務を決意する機会となりました。
今後とも、よろしくお願いいたします。」(p36-37)

◆在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会 2004/05/31 第1回研究会資料
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/05/s0531-11.html

◆在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会 2004/06/02 第2回研究会資料
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/06/s0602-3.html

◆在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会 2004/06/30 第3回研究会資料
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/06/s0630-5.html

◆在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会 2004/07/07 第4回研究会資料
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/07/s0707-5.html

◆在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会 2004/07/22 第5回研究会資料
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/07/s0722-4.html

◆在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会 2004/09/17 「盲・聾・養護学校におけるたんの吸引等の医学的・法律学的整理に関するとりまとめ」,平成16年度厚生労働科学研究費補助事業
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/09/s0917-3.html

『JALSA』063号(2004/09/02)

□ 厚生労働省の陳情行動の報告

 「7月26日(月)午前10時30分から12時までの1時間半にわたり、厚生労働省第4会議室にて当協会から厚生労働大臣及び関係5部局宛に要望書(後掲)を提出し、話し合いが行われました。
 会議室には、厚生労働省側が医政局医事課泉課長補佐、老健局介護保険課・老人保険課、健康局疾病対策課、社会援護局障害福祉課等合計9名。当協会側が橋本会長、熊谷副会長、川上副会長はじめ11名も出席しました。全難連の栗原副会長、島澤事務局長、山本運営委員が同席しました。まず、当協会側から要望書に関する説明を行い、その要望内容に対する厚生労働省の回答、また、当協会と厚生労働省間の質疑応答等で進行しました。当協会からの要望・質問内容に対する厚生労働省の回答はどれも従来の枠を超えるものではなく、現状を改善するには納得のいく回答は得られませんでした(後掲)。
〔…〕」(p8)
○ 協会要望内容と厚生労働省回答
1. ヘルパーによる痰の吸引実施を拡充してください。
○介護保険訪問介護、障害者介護サービスにおいて痰の吸引を業務内容に実施してもよいとの通知を行い、関係機関に周知徹底してください。
※昨年7月に医政局長通知により「家族以外の者による痰の吸引をALS患者在宅療養に限り医師・看護師の指導のことで認める」ことになりましたが、分科会でまとめられた文書に「痰の吸引はヘルパー業務として位置付けるものではない」との表現があるため、多くの介護事業所で実施しない実情があります。
◇昨年6月に分科会の報告を受け、痰の吸引については、原則医行為であり、家族の負担軽減のために当面の措置ということで実施やむをえないとした。「ヘルパーの業務として位置づけない」との文言は、訪問介護員の本来業務ではないとの趣旨であり、業務時間中に行うことについては、関係各課とも了承している。また、今後の見直しにあたり、今出来ていることが出来なくなることはありません。(医事課課長)
○身体障害者療護施設ALS居室、ショートステイ、デイケア施設においても在宅と同様にヘルパー等が痰の吸引をできるようにして下さい。
◇施設については、在宅の場とは違うものととらえている。在宅でたんの吸引が実施されたのは、家族の負担を軽減することが目的。在宅とは違うので難しい。(医事課長)
○ALS以外で痰の吸引を必要とする患者にも同じく「家族以外の者による痰の吸引」ができるようにして下さい。
◇現在、在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的研究が開催されている。養護学校につては、まもなく取り纏められるはず。在宅のALS以外については、今秋以降検討していく。(医事課課長)

2. 介護保険制度見直しに当たって以下を改善して下さい。
□訪問介護利用拡大のために支援費制度の増額と長時間滞在介護ができるようにしてください。
※呼吸器装着等で24時間介護が必要な患者には1回の身体介護時間が1〜1.5時間と短くなる場合が多いため利用し難い面があり、慣れているヘルパーによる長時間滞在型介護サービスが必要です。家族の介護負担を軽減し、独身者や独居者が充分に在宅療養ができるように制度を拡充して下さい。
○医療保険は医師の判断で医療サービスが提供される。介護保険は、利用者の個々の要望に応じたサービス提供となり、個別性がある。また、保険制度の性格上、支援限度額を設けている。支援限度額に対する全国の利用者平均は、4〜5割前後に留まっている。従って、支援限度額が足りていないとの認識はもっていない。介護保険は保険制度であるので、特定の人に対する上乗せ等は難しい。但し、重症度の方への今のサービスは適切ではないとの指摘もあり、今回の見直しにあわせて検討したい。(介護保険課)
□ショートステイとデイケアサービスが利用できるようにして下さい。
○介護保険制度は介護保険部会で見直しを議論してきて、7月30日意見がでた。重度者に対応した医療と介護をあわせもった方への家族の支援としてレスパイト拡充をしていく案。詳細は、具体的な見直しの中で検討していく。
63<64
□特定疾患の重症者認定患者に減額措置を講じて自己負担を減らして下さい。
※介護で働けない家族の経済負担が大きく、サービスが必要量利用できない患者がいます。
○介護保険の付帯的な検討を進めているところである。生活が立ち行かなくなる低所得者に対する利用上減免措置はすでに行っている。また、負担は世帯の所得に応じたお願いをしている。(介護保険課)
□介護保険と傷害者支援費の訪問介護併用をする場合は自由に選択利用できるようにして下さい。
※現在は介護保険を使用限度額利用し、かつ週当たり概ね半分以上の訪問介護を利用していないと支援費介護サービスが利用できない指導がされています。
○左記※印部分は、身体障害者福祉法に定められている。尚、訪問サービスの給付よりもっと濃密なサービスが必要な移動介護については支援費を認めている。介護保険は自己負担が多いために、支援費が利用できないとの指摘については、検討したいと思います。(障害福祉課)

3. 支援費介護サービスを拡充して下さい。
□介護サービス支給量の地域格差を是正し、地域で患者が共に生活でき療養可能な支給量を国で保証して下さい。
○ご指摘の通り地域格差がある。平成15年4月時点で利用時間格差は4.7倍もあり。格差改善については急務。改善方法は検討していく。(障害福祉課)
□財源問題を理由とした介護保険との統合を見直し、全身性障害者の固有のニーズ(見守り介護、日常生活支援等)に必要なサービスを提供できるよう拡充して下さい。
○統合見直しについて、介護保険制度n仕組みを利用することには、現実的な選択肢の一つとして議論を続ける。障害者の地域生活支援あり方検討会でも長時間の介護サービスについても議論が行われたところである。(障害福祉課)

4. 身体障害者療護施設ALS居室を人工呼吸器使用患者が利用できるようにして下さい。
□医療的ケア(痰の吸引等)が対応できないとの理由で受入れる施設が極めて少ない実情があります。安定した呼吸器使用患者で独身者や介護者がいない患者を長期に受入れられるように整備して下さい。
○身体障害者療護施設ALS居室は全国で119床、整備費として整備している。今後は必要状況に応じて整備することを検討するとともに、医療的ケアについてもあわせて検討したい。平成16年度、全国で7施設にて、どのような状態のALS患者さんでも対応するよう進めている最中であります。(障害福祉課)

5. ALS原因究明と治療法の確立を促進してください。
〔…〕

6. 人工呼吸器装着患者が長期入院療養できる病院の確保と難病医療専門員を拡充して下さい。
〔…〕」(p8-11)

川口 有美子 2004/08/01 「ALSと制度――介護保険と支援費制度をめぐって今起きていること」(生存への道標1)
 『JALSA』63
 http://homepage2.nifty.com/ajikun/jalsa/20040801.htm
 今、にわかに介護保険と支援費制度の統合案が浮上しています。
 そのことで、厚生労働省(以下厚労省)に対して、日本ALS協会会長でもあり在宅介護支援さくら会の主宰者でもある東京練馬区の橋本みさお会長がALS患者を代表して他の障害者団体と共闘していますが、これまでの経過を簡単に中間報告します.(※1)
 まず、このような事態に至った経緯について少し述べます。
○支援費制度の財源不足
2003年度にスタートした支援費制度はそれまで措置で介護サービスを使っていなかった人たちにも、気軽にサービスを使うきっかけを作りました。たとえば知的な障害を持つ人もヘルパーとの外出を楽しむことができるようになりましたし、ALSの患者さんも移動介護のサービスを使えば外出の機会が多く持てるようになり、活動的になりました。そのように、たったの 1年で障害者や患者のエンパワメント(能力強化)が進みました。これは支援費制度が利用者にとってはとてもよい制度である証拠を示すものです。
しかし、その反面、ニーズは爆発的に増加し、施行初年度から国の財源確保の目処がたたなくなり、制度自体が破綻寸前になったのです。(もともと、支援費制度の財源がちゃんと担保されていなかったのが問題なのですが)そこに来年2005年の介護保険の見直しの時期が重なり、(というか、ずいぶん以前からこのふたつの制度は一本化を期待されていたそうです)、両方とも保険制度に一本化して、保険料の徴収年齢も20歳からに引き下げて財源をしっかり確保しよう、という国の提案が障害者団体にも示されました。
 そのような厚労省側からの呼びかけがあり、 2004年の社会保障審議会の下部に障害者部会が設けられ、さらに検討会としては03年5月から19回に渡って「障害者(児)の地域生活支援のあり方検討会」が開催されました。そして、それぞれの障害者団体の長たちが委員となり、毎月2回から3回ものペースで厚労省の役人や国側の委員と討論を繰り返してきました。そして、ことし6月、8つの代表的な障害者団体の意見聴取で、「選択肢の一つとして検討」など統合案に前向きな姿勢を示したのは、知的障害者の親らでつくる全日本手をつなぐ育成会(育成会)と全国精神障害者家族会連合会、日本身体障害者団体連合会。しかし、DPI日本会議、日本障害者協議会(JD)、日本盲人会連合、全日本ろうあ連盟などは「現状では賛否が判断できない」とし、8団体の中でも意見が割れました。そして、それらの正式な交渉団体の中には入っていませんが、日本ALS協会も「統合には強く反対する」(※2)という意見表明をしました。また、さまざまな団体や障害を持つ人々や支援者の強い抗議の結果(※3)、6月、社会保障審議会の介護保険部会は意見書をまとめ、反対の声を無視できないものとして、保険料徴収拡大・障害者福祉統合に関しては、結論を先送りとしました。(※4)
 ○統合反対の理由
 さて、ではなぜ障害当事者が主宰している障害者団体(※5)は支援費と介護保険の統合に反対するのでしょう。
 それは支援費制度が、施設から地域へという自立生活運動を繰り広げ拡大してきた障害者団体が30年以上もの年月をかけて、厚労省との信頼関係を築く中で練り上げてきた理念を具現化したものだったからです。その理念の特徴は第一に、セルフマネジメント/自己選択、第二に支給量に上限を設けないこと、そして、第三に自己負担があっても少額で済む等が挙げられます。たいへん当事者寄りの制度なのです。だから、自立生活を目指してきた当事者団体(※6)はどうしてもこの制度の理念は守りたいのです。
 しかし一方、介護保険は高齢者介護を社会化するとは言いながら、実際は家族の介護負担の軽減や事業者の利益が優先され、地域の介63<64護支援体制を公的サービスから民間に移行することを目的にした、いわば介護の社会基盤整備のための制度設計でした。つまり、介護保険は利用者の自己決定を語りながらも実際には、皆さんもご存知のとおり利用当事者に主体性はありません。サービス内容も限定され事業者都合で左右されることが多く(ヘルパーの交代や夜間や休日は派遣しないなど)、要介護度認定や安くない自己負担、ケアマネという第三者によるマネジメントの介入などによって、需要に抑制力は働くけれど供給支援システムは未発達で、いわば保険者の方に調整がしやすく設計されているものです。ですから、支援費制度の理念を作り使ってきた人たちとしてはむしろ、介護保険を支援費制度に近づけるべきで、高齢者にも社会参加を、外出支援を!と主張しているのです。
 ○介護保険の経緯から
さて、ALSの人は中高年以降の発症例が多いので、老齢化に伴う疾病であるという主張をしてわざわざ国にお願いをして介護保険に入れてもらったという経緯があります。1996年2月には管直人厚生大臣に患者家族みずから陳情に出向き介護保険適応のお願いをしています。ほとんど公的な介護支援制度がない当時、在宅介護の問題は協会をあげて取り組むべきこととしてずっと協会の目標にあったのです。
ほとんどの患者家族は自費で介護者を雇ったり、すべてを自分達だけで介護を行っていたりしました。しかし、介護疲労は隠しようもなく、患者会の発行紙JALSAへ寄せられる投稿には、妻や夫の介護の苦痛をなんとかして欲しい、たまにはゆっくりと寝かせてあげたいという、患者さん自らがご家族の健康を思いやったものも多くありました.しかし、どうにか介護保険の適応を認められてから施行までの間に、いろいろ詳細が決定されていき、いざ蓋を開けてみたら、ヘルパーは吸引ができないし、1時間半という細切れの身体介護、要介護度5の人の自己負担は3万円を越しました。使い勝手が悪いだけではなく、それまでのサービス内容よりも質が低下してしまい、しかも慣れ親しんでいた障害者サービスが使えなくなってしまった。そんなことが全国各地で報告されました。
介護保険と支援費制度の両方の制度を使っている人は実はそんなにたくさんはいません。地域で自立生活を送っている障害者の人々にも高齢者はまだそんなにたくさんはいません。つまり、特定疾患であるALSの人で40歳以上の人は、介護保険と支援費制度の両方の使い勝手を比べることができますから、証言できる立場にあるのです。
 そして、それに加えてある意味もっとも切実な介護ニードがあるだろうということで、今回ALSの人の意見が重視され、厚労省との団体交渉の際にはDPIやJILなどの要請を受けて橋本会長がALSや医療的ケアの必要な人を代表して発言をしています。そこで橋本会長は、たとえ国側から制度を補完するために「二階建て案」(※7)や「包括払い案」(※8)が提示されても、実施後のサービスの青写真が明らかにされていない現状では、介護保険と支援費制度の一本化はサービスの低下や停滞を招く危険もあるし、実際、介護保険導入後に吸引問題が浮上したりして大変な思いをしたので、このままでは認められないと何度も述べてきました。
 ○財源論VSサービス論
 これまでの話し合いを振り返ってみても厚労省側は、財源確保の一点張りです。国のお金が足りなくなれば支援費制度のサービス自体が停滞して最悪の場合、制度が突然破綻してしまうかもしれない。これまでは支援費制度の財源は税金で、国が半分、都道府県と市町村が4分の1ずつの負担ですが、国から地方へ譲渡される国庫補助金には一人あたりの上限があり、それ以上のはみ出し部分は各自治体で負担しているのが現状です。それでは、それぞれの地域で福祉や介護に対する考え方にも差があるので地域格差が広がる一方だから介護保険にしよう、そして財源を保険で確保しよう、というのが国の主張です。そしてまた、社会は障害者だけのものではなく、子どももいれば老人もいる、失業者もいる、この人たちの福祉はどうするのか、というのです。国側の委員やお役人たちは「障害者ばかりに税金を多く使うことは国民の同意が得られない」と何回も言いました。確かにそういう考え方もあります。何をもって平等となすのかという、みんなのお金や資源という《財の配分の仕方》で実はもめているのです。
 しかし、どうしても譲れない障害者の人たちの主張はこうです。つまり、《ニーズの平等》(※9)をもって真の平等を実現して欲しい。たとえば、障害者だって外出したいし、汗をかいたらお風呂に入りたい。観劇やお買い物にも行きたい。そのような基本的で当たり前の日常生活や社会参加のためには介助をしてくれる人手が必要でそこにはたくさんお金がかかるのだ。日常生活を送るという最低限の《ニーズの平等》のために必要なお金なのだから、自分たちの「障害」に対してきちんと財を分配するべきだ、というのです。そして、そのような障害者のための施策の財源は、保険制度ではなく、税金で賄うべきであるという主張です。ここは少し分かりにくいところですが、今回の障害者の言い分のもっとも根源的な部分で理解を要します。つまり、財源がないから保険という共助で障害者の介護保障を行うというのではなく、障害者と健常者の《差異》は埋められない事実としてある以上、国の責任で公助で行うべきであるという主張です。ますますわかりにくくなりそうなので、また機会があれば稿を変えて考えてみたいと思います。
平成16年7月1日


(※1)「障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会」「社会保障審議会障害者部会・介護保険部会」などには出来るだけ傍聴参加してきた。厚労省の人や委員が橋本会長の実際の様子(介護者がいれば社会参加もできるということなど)を見たことである程度ALS理解は進んだと思われる。また、「6月9日地域生活確立実現を求める全国大行動」には東京都の橋本会長、吉本事務局長、小松、川口、埼玉の村木らがデモ参加。同日の厚労省との団交には名古屋から藤本(奥様)も参加。その後も障害者連合の会合や厚労省団体交渉などが数回あり、そこにも橋本会長は参加してALSのニーズを訴えた。
(※2)6月6日付け、6・9集会実行委員会事務局御中として金沢公明事務局長が6・6大行動の趣旨に賛同する意見表明をしている。「当協会では5月30日の理事会において「ALSで呼吸器を着けた全身性障害者は24時間365日の介護保障が必要であり、現状より後退することには反対していく」との基本方針を確認しています。支援費導入1年経過で「財源がないから介護保険への統合を来年1月に決定する」という結論から議論を進め現在、統合の内容さえが「障害者施策のうち介護保険の範囲に収まらない分を別建てで対策を取ること」程度しか提示されておらず、厚生労働省の拙速姿勢には日本ALS協会として納得できません。」http://www.arsvi.com/2000/040609.htm#0606から抜粋引用。
(※3)経団連も反対を表明。「日本経済団体連合会はこのほど、介護保険制度の抜本見直しに関して現役や将来世代の負担を過重にすべきでないとする、被保険者の範囲拡大に反対する意見書を提出した。40−64歳が支払っている介護保険の第2号保険料は加入している医療保険によって異なるが、サラリーマンの場合は企業と本人の折半で負担している。徴収の対象が、現行の40歳以上か63<64ら30歳または20歳以上などに拡大すれば、企業の負担も増える。
(※4)9月中には厚労省から改革案を公表、来年の通常国会には介護保険改正案を提出する予定。
(※5)ピープルファースト(知的障害当事者の会)や精神障害者の当事者団体は統合反対
(※6)各地のCIL(ピアカウンセリング等の活動を行っている障害者当事者団体)の協議会であるJILやDPIが強く反対している。これらの団体は運動体と事業体の両方を持ち、自治体と交渉しながら制度(サービスの供給量)を伸ばし地域の障害者の自立環境を整えてきていた。重度の全身性障害者の自立に必要な24時間サービスを目標としている。
(※7)介護保険で足りない部分は「横だし(介護保険にないサービス)」や「上乗せ(時間の延長など)」を各自治体独自で行うという提案。この部分の財源は一般財源(税金)となるが、地域の一般市民の同意(地方議会など)が得られなければ無理。現行の介護保険の上乗せ横だしサービスでさえも第一号保険料ではなく税金で賄っている。お金が足りなくなれば保険料を引き上げて財源を確保する、というが住民への負担増を考えたら自治体はそうそう保険料の引き上げなどできない。「国の国庫補助事業として要介護認定で制度の対象外になった高齢者を含めた在宅高齢者に対する介護予防・生活支援・生きがい対策等の総合的な実施をする「介護予防・生活支援事業」(2003年から「介護予防・地域支えあい事業」に改正)が実施され、2001年度には500億円が計上された。しかしながら、2003年から一部のメニューについては一般財源化が行われ、補助金額も減額されてきている。(2004年度予算では400億円)。予算の減額と一般財源化は、長期に安定したサービス提供を実質的には不可能なものにしている。従って、サービスの「上乗せ・横だし」は、介護保険の仕組みにおいても、国庫補助の仕組みにおいても、有効に機能していない。」http://www.j-il.jp/jil.files/kaigohokenn/ronten03.htm(JIL「上乗せ・横だし論の限界」から引用)
※8長時間介護の必要な人にはたとえば6時間いくら、12時間いくらというような一括した支払い方法を設定する案。パーソナルアシスタント制度に近い発想のようだが実際は時間単価の削減を狙ったものと思われる。単価を削られれば介護者への支払いが安くなり、安い時給ではよい人材の長期確保は困難。しかし、一方ではパーソナルアシスタント制度はALSなどの長時間介護を必要とする人にとっては念願でもあり、充分に検討の余地はあると思われる。国から利用者への直接払い(代理受領方式ではなく直接償還払い)、アシスタントの自薦方式、事業者を通さない直接契約方式などの制度設計。スウェーデンのパーソナルアシスタント制度に見習う点は多いが、その前に検討されるべきなのは当事者のエンパワメントとアドボカシー団体への公的な支援体制、NPOへの優遇策など。
※9経済学にもケアの視点が導入されてきている。アマルティア・センはノーベル経済学賞をアジアで初めて受賞した人で、障害者や病気の人の「基本的潜在能力」、生きるためのニーズの平等を主張した。日本の経済学者や倫理学者、社会学者、医学研究者の中にもこのようなセンの主張に賛同する人が増えてきている。また、患者団体と学者の連携による難病解明の記録として武藤香織・額賀淑郎訳、『ウェクスラー家の選択―遺伝子診断と向きあった家族』新潮社/361ページ/2600円がある、この本について『看護教育』2003年11月号掲載文はこちらのサイトで読むことができ、http://www.arsvi.com/0w/ts02/2003010.htmALSのことも述べられている。」(p13-16)

□ 古江和弘「吸引講習会を開催して」
6月26日福岡県支部で初めての試みとしてヘルパーさんを対象にした吸引の講習会を開催しました。
(p20)

□厚生労働省で吸引行為に関する新たな研究会発足
 平成16年5月31日、在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会(第一回)が開催されました。
この研究会の検討課題は
○ALS以外の在宅患者に対するたんの吸引行為に関する医学的・法律学的整理(今回の研究では、ALS患者以外のたんの吸引を必要とする在宅療養者について、改めてその取扱いの検討を行う)
○養護学校における医療ニーズの高い児童生徒に対するケア(1.たんの吸引、2.経管栄養、3.自己導尿の補助)に関する医学的・法律学的整理となります。
 検討時期は、平成16年度厚生労働科学研究(医療技術評価総合研究)として、5月から研究を開始し、養護学校に係る部分については7月を目途に一定のとりまとめを行っています。その後、ALS以外の在宅患者に対するたんの吸引行為について、できるだけ早期にとりまとめることとなっています。尚、当研究会会議は非公開ですが、資料は公開されていますので、ご参照ください。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/05/s0531-11.html
 また、8月2日厚生労働省、民主党、当会との話し合いにて、「在宅以外の施設」と「たんの吸引以外の医療行為」を含めて検討する予定があるかとの質問に対しては、厚生労働省は「検討対象は、ALS患者以外のたんの吸引を必要とする在宅療養患者についてのみ」との回答であった。
(p22)

□考える葦
 「静岡県のあるケアマネさんから 「きちんとした吸引指導プログラムをヘルパーに」
 吸引についてですが、1日も早くヘルパーが実践するようにと言う思いは患者団体の方と同じですが、現場の声を聞くと、片や医療行為はまかりならぬ、と言われ、片や同じ医療行為でも、そんなこともできないのかと医療職によっては正反対のことを言われ、悩んでいるヘルパーを見ていますと家族もやっていること、ではなく、キチンとした教育、研修の保障をまずしてあげなければヘルパーが哀れです。
 あるケアマネがやっと事前の研修シュミレーションをする場を設定し実行した事後感想を聞きますと、伝授する医療職がもっともっと真摯に不安等を思いやる姿勢が必要と感じました。
 医師が、突然「先生、今度の往診の時、清拭をやってください。」とヘルパーに言われたらどうでしょう?たかが清拭ですが、準備から手順等の伝達も十分されないままで、任しとけ!となるでしょうか?どんなに資格があっても、たかが清拭でもいえることですが、習うより慣れろとばかり、1日講習で受講修了書を出すというようなことは、安全安心の面からもよいのでしょうか?
 まず職場環境を超えてみんなが共通認識に立ち問題を共有し同じ視点で考え取り組めるようになることを第一に行わないと、後ろをみたら誰もついてきていなかった、などということになり兼ねません。
 吸引問題はヘルパーも関心が高く、それを研修で行うとアピールして静岡市民ケアネットに多くの賛助会員を集めましたが、はじめに吸引ありきでは失敗するように思います。理解したうえで、「でもね」があるならば、それを聞く場もあって行動変容していくものでしょう。患者さんの切なる思いを実現するためにもキチンとした教育プログラムが必要と思います。その場合、「家族もやっているから大丈夫」は禁句として、誠実に、決して軽く扱わないことが肝要と、ヘルパーさんたちの思いを聞いていて感じています。(一部略)」(p41)

◆在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会 2004/11/15 第6回研究会資料
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/11/s1115-9.html

◆在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会 2004/11/26 第7回研究会資料
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/11/s1126-9.html

◆平成16年(2004)11月26日
「在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会」御中
人工呼吸器をつけた子の親の会(バクバクの会)
会長 大塚 孝司
非医療従事者による気管内吸引等のケアの実施について
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/11/s1126-9e.html

◆在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会 2004/12/06 第8回研究会資料
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/12/s1206-2.html

◆2004/12/06 ホームヘルパーが行う「たんの吸引」の「業務性」について
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/12/s1206-2e.html


◆〜2004 在宅及び養護学校における日常的医療の医療的・法律学的整理に関する研究会 関係団体ヒアリング(日本訪問看護振興財団〜H16/11/26)


*作成:仲口 路子
UP:20090808 REV:20100204, 20100401,16
医療行為/医療的ケア
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