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介助(介護) ◇介助・介護/医療行為? 2003 ◇ALS ◇(社)日本看護協会 http://www.nurse.or.jp/ *2002/10/24のように年/月/日からリンクされるのはこのファイル内の文章です。それ以外はこのホームページ内の他のファイルにリンクされます。 *情報、御意見の提供を歓迎します。TAE01303@nifty.ne.jp(立岩真也)までお願いいたします。 *2003年については別ファイル↓に移動しました。 介助・介護/医療行為? 2003 ◆在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会 2004/05/31 第1回研究会資料 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/05/s0531-11.html ◆在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会 2004/06/02 第2回研究会資料 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/06/s0602-3.html ◆在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会 2004/06/30 第3回研究会資料 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/06/s0630-5.html ◆在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会 2004/07/07 第4回研究会資料 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/07/s0707-5.html ◆在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会 2004/07/22 第5回研究会資料 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/07/s0722-4.html ◆在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会 2004/09/17 「盲・聾・養護学校におけるたんの吸引等の医学的・法律学的整理に関するとりまとめ」,平成16年度厚生労働科学研究費補助事業 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/09/s0917-3.html ◆在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会 2004/11/15 第6回研究会資料 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/11/s1115-9.html ◆在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会 2004/11/26 第7回研究会資料 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/11/s1126-9.html ◆在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会 2004/12/06 第8回研究会資料 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/12/s1206-2.html ◆厚生労働省 在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会(第9回) 2005/01/24 「ALS以外の在宅療養患者・障害者に対する家族以外の者によるたんの吸引の取扱いについて(報告書タタキ台)」 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/01/s0124-7c.html ◆在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会(第10回) 2005/02/07 「ALS以外の在宅療養患者・障害者に対する家族以外の者によるたんの吸引の取扱いについて(報告書案)」 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/02/s0207-6a.html ◆(社会福祉法人)全国重症心身障害児(者)を守る会 2005/02/07 「患者・障害者の親の立場からの意見」,在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会(第10回) http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/02/s0207-6b.html ◆在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会 2005/03/10 「在宅におけるALS以外の療養患者・障害者に対するたんの吸引の取扱いに関する取りまとめ」,平成16年度厚生労働科学研究費補助事業 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/03/s0310-4.html …… ◆保健医療福祉キーワード研究会(代表:藤井 博之) 20080701 『保健医療福祉くせものキーワード事典』,医学書院,260p. ISBN-10: 4260006169 ISBN-13: 978-4260006163 2100 [amazon]/[kinokuniya] ※ 医療行為 77-84 ■1997〜 ◆1997/11/00 「静岡市の「全身性障害者登録ヘルパー制度」が発足して2年」 『月刊全国障害者介護制度情報』1997年11月号 ◆1998/--/-- 橋本みさお「人権侵害ですよ」 http://plaza9.mbn.or.jp/~sakurakai/jinnken.htm ◆秦茂子・祐司 19981203 「ALS病患者の現状と支援体制への期待」 「福岡県重症神経難病患者入院施設確保等事業」運用開始記念事業 ー難病患者とその家族の生活の向上を目指してー 福岡県庁講堂 http://www.ashibi.com/wv/hata.htm 「ALS患者は、24時間そばにいる介護が必要で、しかも大変手がかかります。今のホームヘルパーによる短時間介護ではなく、少なくとも半日そばについてほしいと思います。そうしたら、家族は、勤めや学校を続けながら介護のローテーションが組めます。 そして吸引もしてほしいのです。吸引は看護婦さんしか出来ないという点に困っています。吸引は注射と違って誰でも出来ます。現に、我が家の娘も小学生の時からやっています。患者のためを思って、誰がやってもいいことにしてほしいのです。」 ◆1999/**/** 日本ALS協会1999年度活動方針 「…いわゆる医療行為とされているものを在宅療養の場合は必須ケア行為として認め、講習等を受けた者であれば訪問介護者が行えるようにすることを求めます。」(1999年度活動方針、『JALSA』47:38) ◆1999/09/24 総務庁が厚生省に勧告(ヘルパーが医療類似行為をできるよう) 『月刊 全国障害者介護制度情報』1999年10月号より引用 ◆2000/02/07 医療類似行為関連の交渉 『月刊 全国障害者介護制度情報』2000年3月号より引用 ◆2000/04/08 「ホームヘルパーの簡単な医療行為黙認へ たんの吸引やガーゼ交換など――厚生省」 『毎日新聞』 ◆2001/01/00 「人工呼吸器利用者への派遣」 「自薦ヘルパー(パーソナルアシスタント制度)推進協会の事業者向けマニュアル(その3)」より 『全国障害者介護制度情報』2001年1月号掲載 ◆2001/05/00 「医療類似行為Q&A」 『月刊 全国障害者介護制度情報』2001年5月号より引用 ◆2001/12/06 厚生労働省交渉 『月刊 全国障害者介護制度情報』2001年12月号より引用 ◆2002/02/01 盛岡市で全身性障害者向け毎日8時間の指名ホームヘルパー派遣制度開始 日本ALS協会県青森県支部が要望/常時吸引が必要な場合は家族同居も対象に ◆2002/03/03 吸引問題解決促進委員会第1回会合 http://homepage3.nifty.com/jalsaechigo/newshouse-9/9-5.kyuucom.html ◆2002/05/26 吸引問題解決促進委員会第2回会合 http://homepage3.nifty.com/jalsaechigo/newshouse-9/9-5.kyuucom.html ◆2002/06/01 立岩 真也 「だれにとってのなんのための、資格?」 『ばんぶう』2002-06(日本医療企画) ◆2002/07/20 日本ALS協会 「「ヘルパー吸引」問題にご理解を!」 ◆2002/08/04 佐々木公一「「吸引問題」の署名を集めて下さい」 『週刊/ALS患者のひとりごと』87 ◆2002/08/ ヘルパー等の吸引問題に関するニュース NHKニュース10 ◆2002/09/04 ヘルパーにも吸引資格を 難病患者訴え3000人署名 /和歌山 『朝日新聞』大阪・2002年09月04日朝刊・p.24 和歌山1 ◆2002/09/05 佐々木公一『週刊/ALS患者のひとりごと』88 このように呼びかけ、署名いま312人分 ◆2002/09/30 佐々木公一『週刊/ALS患者のひとりごと』89 署名2800こす、全体で17万 ◆2002/10/02 参議院決算委員会で谷博之(民主党)が養護学校や在宅での吸引行為の担い手について質問 http://plaza9.mbn.or.jp/~sakurakai/kyuin1008.htm ◆2002/10/03 『朝日新聞』報道 http://plaza9.mbn.or.jp/~sakurakai/kyuin1008.htm ◆2002/10/06 『日本経済新聞』報道 http://plaza9.mbn.or.jp/~sakurakai/kyuin1008.htm ◆2002/10/08 「吸引問題解決促進委員会より」→日本ALS協会支部支部長・事務局長各位 http://plaza9.mbn.or.jp/~sakurakai/kyuin1008.htm ◆2002/10/10 「ファミリー――たん吸引・軟膏を塗る…、介護職員できないの?」(生活) 『日本経済新聞』2002年10月10日夕刊 ◆2002/11/07 佐々木公一『週刊/ALS患者のひとりごと』91 署名運動まとめ・1 ◆2002/11/12 日本ALS協会が厚生労働大臣に陳情 http://homepage3.nifty.com/jalsaechigo/ ◆2002/11/13 「厚労省、呼吸器つけた患者らの介護、ヘルパーの「吸引」検討――家族らの負担に配慮」 『日本経済新聞』2002年11月13日朝刊 ◆2002/11/15 佐々木 公一『週刊/ALS患者のひとりごと』92号 署名運動まとめ一/お便り2 ◆2002/11/26 佐々木 公一『週刊/ALS患者のひとりごと』93号 署名運動まとめ一/お便り3 ◆2002/12/02 佐々木 公一『週刊/ALS患者のひとりごと』94号 署名運動まとめ一/お便り4 ◆2002/12/10 佐々木 公一『週刊/ALS患者のひとりごと』95号 署名運動まとめ一/お便り5 ◆1998/--/-- 橋本みさお「人権侵害ですよ」 http://plaza9.mbn.or.jp/~sakurakai/jinnken.htm (医師法)「……4章17条の「医師でないものは医業をなしてはならない」を根拠に、ヘルパーの医療行為を禁止するなら、早急に、医療行為の必要な患者に対して医師を派遣せねばなりません。 厚生省にたずねると「吸引などは医療行為なので医師、看護婦以外が行なうのは違法」とのこと。 いったい民間の看護婦派遣会社の費用を知っているのかしら。 それ以前にALSを初めとする難病患者の現状を把握しているのでしょうか? 私はALSを発病して12年、5年前に人工呼吸器をつけた時、長期入院可能な病院を半年ほど懸命に探したけれど、一つもありませんでした。 幸い我が家は、夫の収入を介護費用にできる環境にありましたが、中学受験の娘がいて介護費用を出せる家庭は少ないのです。 話を戻して、私的に看護婦さんを依頼すると時給2500円前後、毎月180万円ほど、とても一般人には払えません。でもALSは、貧富の差なく人を選ばず10万人に3人から4人、律義に発病するのです。[…] 人権侵害と言いたいのは、呼吸器を諦めて死んでいく7割の患者の人権はもとより、患者を家族に持っただけで介護を強いられ、睡眠さえ保証されない家族の人権です。 「家族がいるから介護人を派遣しない」「ヘルパーは派遣するが、吸引は家族がするように」 だったら家族はいつ眠るのよー! 」 >TOP ◆1999/09/24 総務庁が厚生省に勧告(ヘルパーが医療類似行為をできるよう) 『月刊 全国障害者介護制度情報』1999年10月号より引用 総務庁は9月24日、介護保険に関連して施設やヘルパー制度に関する8項目の勧告を行いました。その中で、ホームヘルパーの項目では、ヘルパーがガーゼ交換や検温など、医療に類似する行為を、効率化を図る観点から、なるべく広い範囲で行えるように、具体的に示すように求めています。 (この記事では、医療行為ではないが、それに近いものを「医療類似行為」と表現します)。 勧告の内容(該当部分のみ) (7)介護などサービス業務の充実及び効率化を図る観点から、身体介護に伴って必要となる行為をできる限り幅広くホームヘルパーが取り扱えるよう、その業務を見直し、具体的に示すこと。 総務庁の厚生省担当(室長補佐)に聞くと、「普通に家族が、研修を受けないでやっている行為などは、ヘルパーで扱えるように」「具体的に示すことと勧告は求めています」ということでした。 人工呼吸気利用の全国の自立障害者などにとっては、仮に「ガーゼ交換はOK、吸引はだめ」などと具体的に回答が出たりすると、かえって迷惑な話になります。 現在は、医師法で、「ここまでは医療行為で、ここからが医療行為でない」と規定されていないため、グレーゾーンについては、事実上ヘルパー制度の実施主体の自治体の裁量に任されており、また、法律で規定されていないので、国や自治体が仮に「やらないでください」と言おうが、自薦ヘルパーなら自由に行うことができます。医師法上は、家族やボランティアなど「介護を業としていない者」が行うのも自由ですので、「その瞬間だけボランティアになります」などと言っておけば自治体も何も言えません。 仮に国で、「ガーゼ交換はOK、吸引はだめ」などの回答が出ても、医師法は変わっていないわけですから、いままでと同様に自薦ヘルパーは吸引等を行えばいいのですが、それにしても、このような回答が出ないように厚生省と交渉しておく必要があります。 当会では、医療類似行為を自薦のヘルパー(など)で行っている障害者の方の情報を募集しています。吸引や人工呼吸器以外で、具体的に「だめなもの」のリストに入れられたら困る、というものがあれば、制度係0077−2329−8610までご連絡ください。 >TOP ◆2000/02/07 医療類似行為関連の交渉 『月刊 全国障害者介護制度情報』1999年10月号より引用 医療類似行為関連の厚生省交渉の報告 2月7日に医療類似行為関連の交渉を7団体合同で行いました。(2月号で 紙面の都合で報告できませんでした。) 参加者 厚生省からは、健康政策局医事課(医師法の考え方の担当)の法令係長、老 人保健福祉局老人福祉計画課法令係主査(今回の総務庁勧告に対する回答取り まとめ担当)と、障害福祉課身障福祉係長に出席していただきました。 背景 最近、ヘルパーの医療類似行為に対して、一般ヘルパー業界や民間事業者か らの規制緩和の声が出ていますが、そんな中、総務庁から「どこまでがヘル パーのできる行為か具体的に示せ」という勧告が出ました。人工呼吸器利用者 の吸引などは、長時間介護に入る自薦ヘルパーには簡単でも、たまにしか派遣 されない一般ヘルパーに担わせるには問題が多く、「具体的に示し」たら「だ めです」という回答になってしまうことが明らかでした。 結果 まず交渉に参加した人工呼吸器利用者(単身24時間介護)2名から生活状 況の説明をし、次に、ベンチレーターネットワークの人工呼吸器利用者の生活 資料を見せ説明しまた。 さらに、吸引等医療類似行為は、全身性障害者の1人暮し運動がはじまった 70年代から自薦介護人が行っており、さらに、「本人の手のかわりとして やっている」「不特定多数に対してやっているわけではない」という2点を説 明しました。また、訪問看護婦や訪問医は人工呼吸器の設定を間違えて帰る が、障害者と自薦ヘルパーがそのつど直しているという事例を出して、長時間 介護に入っている自薦ヘルパーは一般ヘルパーとは違うので切り離して考える べきだと説明しました。 医事課は、「今までもグレーゾーンということでやってきた」「今後もグ レーのままがいいと思う」「はっきりとは(総務庁には)回答できないと思 う」と話し、老人計画課も、吸引などについては、はっきり書かないことには 異論はないようでした。 何一つ回答しないわけにはいかないということので、「薬やガーゼ交換程度 はいいですよ」とだけ書けばいいのではないかと提案しました。総務庁への回 答が3月末のため、まだ回答方針の検討に入っていないということでしたが、 ほぼ同じ認識になったので交渉を時間内に終えました。(自治体が吸引OKの 方針でも、国はダメとは言わないということも確認しました。但し、自治体が 厚生省に問い合わせたら、一般的回答としてダメといわれます)。 (次ページは当日の要望書です) ---------------------------------------------------------------------- 厚生大臣殿 平成12年2月7日 (仮称)常時医療類似行為介助を要する在宅障害者連絡会 構成団体 ベンチレーター使用者ネットワーク(札幌市) 全国自立生活センター協議会 全国障害者介護保障協議会 静岡障害者自立生活センター ヒューマンケア協会(八王子市) 自立生活企画(田無市) 障害者自立生活支援センターピアネットあおもり 連絡先:全国障害者介護保障協議会 東京都武蔵野市境2-2-18-302 TEL0422−51−1566 FAX0422−51−1565 要望書 総務庁が11年9月24日に厚生省に対して行った「要援護高齢者対策に関す る行政監察結果報告に基づく勧告」の(7)番の「『医療類似行為のどこまで がヘルパーの行う業務で、どこからがヘルパーの行えない業務か』を具体的に 示すこと」の件について 当会の構成団体には、24時間要介護で単身生活を行う在宅の全身性障害者 で人工呼吸器利用者などがおり、全身性障害者介護人派遣事業(ホームヘルプ 国庫補助利用制度)の自薦の介護者や自薦のホームヘルパー(ホームヘルプ国 庫補助利用)が吸引等を24時間、10分〜20分ごとに行っています。ま た、単身の全身性障害者の多くが導尿、摘便、経管栄養、人工呼吸器の操作を (障害者が指示をして)自薦の介護者(上記同様ホームヘルプ国庫補助利用制 度による者も含む)に行わせています。これらは、全身性障害者の1人暮しの 運動が広がった1970年代からずっと行われてきました。(自薦介護人とは、各 障害者が確保した専用の介護人で、最重度障害者の場合、例えば、週20〜40時 間、数年以上にわたって介護を行う。介護内容は障害者の指示によって行 う)。 法律ではどこまでが医療行為で、どこからが医療行為ではない(医療類似) かは規定されていないため、一部自治体の障害者部局は「吸引程度では医療行 為ではない」という方針(医療類似行為と呼んでいる)で、全身性障害者介護 人派遣制度(ホームヘルプ国庫補助利用)などで、吸引等を行うことを認めて います。 厚生省が総務庁勧告への回答で「具体的に示す」と当会の障害者は生活が維 持できなくなる可能性があるので慎重な対応を求めます。又、今後医療類似行 為に関係する内容で方針の確立や変更を行う場合は、障害当事者団体に事前に 相談すること。 ---------------------------------------------------------------------- >TOP ◆20000408『毎日新聞』 http://www.mainichi.co.jp/ ホームヘルパーの簡単な医療行為黙認へ たんの吸引やガーゼ交換など−−厚生省 「厚生省は、法律上認められていないホームヘルパーの簡単な医療行為について、介護現場での判断に任せて黙認する方針を固めた。 これまでも利用者や家族の要望で、ヘルパーがたんの吸引などを違法に行わざるをえないケースがあり、しばしば混乱が発生。このため総務庁は介護保険制度の導入を機に、法的にヘルパー業務を幅広く認めるよう同省に勧告していた。 医療行為は医師法などで医師や看護婦などに限られる。しかし、総務庁が一昨年以降、事業者などを対象にした行政監察でホームヘルパーの業務を調べた結果、家族らから傷口のガーゼ交換や体温・血圧測定、たんの吸引などの医療行為を求められることが多く、処置を断ってトラブルになるケースもあった。 在宅介護を支援する介護保険制度では、ヘルパーの果たす役割はこれまで以上に大きく、総務庁は制度を円滑に進めるため、身体への危険度が低い医療行為はヘルパーも行えるよう昨年、見直しを勧告していた。 厚生省も当初、具体的な事例で介護と医療行為の線引きを示す方向で検討していた。しかし、看護婦が自宅へ出向く訪問看護サービスの基盤がまったくなく、ヘルパーに頼っているような過疎地では、線引きによってかえって大きな混乱を招きかねないとして、あえてグレーゾーンを残すことにしたという。 厚生省計画課は「現場のとまどいは承知しているが、良識の範囲で現場判断にゆだねることが最も実情に即していると思う」としている。 これに対し、日本ALS(筋委縮性側索硬化症)協会近畿ブロック副会長の豊浦保子・梅花女子短大助教授(生活福祉学)は「現状ではヘルパーの良心で法的に禁じられている医療行為を緊急避難的に行っており、責任の所在はあいまいだ。ヘルパーの教育プログラムを充実させたうえで、簡単な医療行為は認められるべきだ」と話している。 家族が簡単な医療行為をする場合は、ヘルパーのように業務としていないため、法的には問題ない。【出水奈美】」 >TOP ◆2001/05/00 「医療類似行為Q&A」 『月刊 全国障害者介護制度情報』2001年5月号より引用 Q.人工呼吸器を利用しています。吸引は医療行為なので、ヘルパーはやって はいけないと言われました。本当でしょうか? 吸引のできないヘルパーが来 ても、役に立ちません。 A.吸引は医療行為ではありません。「吸引は医療行為なので、ヘルパーの吸 引行為はやってはいけないとされている」と言う方がいますが、これは法律を よくわかっていない方です。吸引は医療行為でなく、いってみれば医療「類 似」行為です。医師法では、明確に医療行為の範囲を規定していません。法律 論では通常、法律に書いていないことはやっていいことです。これが明確な法 律違反であれば、警察・検察が動き出します(たとえば、手術を行うヤミ医者 行為など)。 A:「法律的にやってはいけない」ということと、 B:「ヘルパー制度でやってはいけない」 ということはまったくの別物です。Bの例では(介護保険ヘルパーでは)草 むしり*、大掃除、車の洗車などがあります。吸引はこのBに入ります(法律 で禁止されてはいません)。Aの例には、ヘルパーが泥棒をする、ヘルパーが 手術をする、などがあります(そんな人いない?)。こちらは警察出動です。 厚生労働省管轄ではありません。警察庁です。 (注:障害ヘルパーでは草むしり等は禁止されていない) 吸引をやってはいけないという説明のさい「法律違反だから」という人は、 よく法律を知らない方です。やってはいけないのは、ヘルパーにお金を出して いる厚生労働省が「国の金でやってはいけない」と言っているからです(です から、自分でお金を出してヘルパーを雇う分には、吸引も草むしりも自由にで きます。自治体が単独でお金を出している制度の場合も、吸引OKが多いで す。これらは法律違反ではないからできるのです)。 ※注:厚生労働省がやってはいけないと言うのは、いいかげんな一般ヘルパー 事業者に解禁したら死者がたくさん出るからです。全身性障害者の自薦の介護 人が障害ヘルパーや介護保険ヘルパーの場合は、厚生労働省医事課は「(吸引 していても)違法ではない」「やめなさいとは言わない」と言って、容認して います(当会も入った2000年2月の人工呼吸器利用者のいる8団体合同交 渉で確認。2000年3月号に報告を掲載)。 >TOP ◆2001/12/06 厚生労働省交渉 『月刊 全国障害者介護制度情報』2001年12月号より引用 12月6日の厚生労働省交渉の報告 人工呼吸器利用者等の吸引と医療行為との関係についての話し合いを行いました 参加:医政局医事課企画法令係(医師法についての見解を担当) 老健局振興課法令係(介護保険事業者の基準などを担当) 障害保健福祉部障害福祉課身障福祉係 12月6日に、ベンチレーター利用者ネットワーク、静岡障害者自立生活セン ター、自立生活企画など、人工呼吸器利用の1人暮らし障害者がいる7団体で吸引に ついての厚生労働省交渉を行いました。 背景には、ある国会議員がヘルパーへの吸引行為開放をもとめて質問を行い、厚生 省が「ヘルパーに開放する予定はない」と回答をしたということがありました。 厚生労働省が明言「すべての吸引が医療行為とはかぎらない」 交渉の中心は、吸引のすべてが医療行為かどうかという点です。これについては、 話し合いの結果、 「肺炎でICUに入っているような状態の方への吸引は医療行為だが、治療が終わっ て、在宅に帰って安定している方の吸引は、医療行為でない場合がある」「あらゆる 吸引が医療行為ですかという質問に対しては、それは違うとはっきりいえます」と厚 生省医事課として回答がありました。また、老健局振興課は「吸引を行っているから と言って介護保険の訪問介護事業者指定を取り消しにするということはない」と回答 しました。(障害福祉課も「同様です」と回答あり)。もし、そのような指導が県か らあれば、相談すれば厚生労働省から指導してくれるとの事を約束しました。 今回の交渉は1人暮らしの人工呼吸器利用者で他人介護者が吸引をしている方を当 事者と位置付け、交渉を行いました。まず、全国各地の1人暮しの呼吸器利用者の介 護者を使った生活状況を説明しました。ベンチレーター利用者ネットワーク代表の佐 藤さんが実際に吸引を介助者にしてもらい、厚生省担当者に近くによって見てもら い、さまざまな点を解説しました。また、病院から1人暮らしに移行する場合の医師 や病院との関係の実態も説明し、「自立生活者の場合は、入院して気管切開して、治 療が終わってすることがなくなるから医師は退院許可するのであって、自立生活者の 吸引は医療ではない」という事を理解してもらいました。 医事課は、「ある瞬間の吸引が医療行為かそうでないかは、一概に判断できない。 その日の体調にもよるし、体調や周りの環境にもよって変わってくる。もし、はっき りとどちらか判断しようと思えば、裁判を行って、その瞬間の体調の状況、医療の経 過、介護体制の状況などたくさん資料を集めて判決を出してもらわないとわからな い」「医事課にはしょっちゅう「これこれは医療行為ですか?」という電話がかかっ てくるが、「それだけを取り出して聞いても判断できない」と答えている」との事で した。 厚生労働省の公式見解では、「吸引は原則として医療行為」という立場であって、 「原則」という言葉をつけてぼかしています。しかし、自治体や一般事業者がこの言 葉をそのまま読むと規制したいと考えるのが普通です。自治体と交渉する際には、 「すべての吸引が医療行為とはかぎらない(厚生労働省)」「吸引を行っているから と言って訪問介護事業者指定を取り消しにするということはない(厚生労働省)」と の見解だけを使って交渉を行ってください。 2003年にむけ、障害者団体が自ら指定事業者になって吸引を行えば、自由に吸 引を行えます。逆に社協や民間事業者などが「吸引は医療行為ですからやりません」 といわれれば、利用者は対抗することはできません。このことからも、全国各地に当 事者主体の事業所を作る必要があります。 厚生労働省は、「今はあいまいなままにするしかないが、ずっと、このような状態 がいいとは思っていない。将来は整理していかねばならないと思う」と話し、当事者 側からの「吸引や投薬といった、個々の行為を「医療行為」「医療行為でない」と分 類するのではなく、例えば肺炎でICUに入っている障害者の投薬や塗り薬を塗るこ とは医療行為だが、退院して安定していれば医療行為でない」との話に、「その通り だと思う」との事でした。 ただし、無原則に開放すると問題を起こす人が出るということで、当事者が自分の 責任で介助者個人に対して依頼していること、きちんと病院などで感染症についての 知識の研修を受けていることが必要ではないかなどとの話を意見交換しました。 >TOP ◆2002/10/10 「ファミリー――たん吸引・軟膏を塗る…、介護職員できないの?」(生活) 『日本経済新聞』2002年10月10日夕刊 http://www.nikkei.co.jp/ 「医師・看護士の仕事」、線引きあいまい、現場混乱 たんを吸引する、軟膏(なんこう)を塗る――。高齢者施設のケアワーカーや訪問介護のヘルパーら介護職員が、こうした行為をする機会が増えている。医師や看護師がすべきだとする声も多く、高齢者、家族の間や介護の現場で戸惑いが広がっている。 特別養護老人ホームたまがわ(東京・大田)。午後五時半を回ると入居者への夕食の準備が始まる。ベッドに寝たままのAさん(74)の部屋には介護職員のBさんが訪れ、チューブを口に入れてたんを吸い取る。次いでスタンドに乳白色の栄養剤をつるし、チューブから胃に直接送り込む。胃ろうと呼ぶ食事法だ。 食堂で、背もたれ付きのいすに座って待つCさん(88)。鼻から出ているチューブに栄養剤をつなぎ、食道内のチューブを通じて食事をとる。AさんやCさんは飲み込む機能が働かないため、こうした経管栄養法が必要になった。この特養には同様の入居者が十八人おり、いずれも介護職が食事のケアに当たる。 嚥下(えんげ)障害の高齢者が入居している施設では、よく見られる光景だ。東京都社会福祉協議会が昨夏実施した都内の特養への二十八項目の調査(回答二百四十二施設)では、介護職がたんの吸引をしている施設は半数を超え、経管栄養の注入は三分の一に達した。 ところが、「これらは医療行為だから医師の指示で看護師がすべきだ。介護職にはその権限がない」と、非難する声がよく聞かれる。「たんの吸引中にのどを傷つけるおそれがある」「経管栄養もチューブがはずれると気管支や肺に炎症を起こす」。そんな指摘が医師や看護師からされる。 ◎ ◎ 多くの施設は「看護師の多くは夕方には勤務を終えてしまう」「コスト面から夜勤の看護師はほとんど配置できない」と実態を訴える。特養たまがわでは看護師と連携しながら、「介護職に特別の研修を十分重ね、本人、家族に説明した上で行っている」という。 実際は、さらに多くの「医療行為」が介護現場に浸透している。東京都社協の調査では軟膏の塗布や服薬介助についてはほとんどの施設で、血圧や脈拍の測定、点眼なども半数以上で実行されている。ヘルパーの訪問介護先でも同様だ。ヘルスケア総合政策研究所(東京)の調査では、ヘルパーの七〇%が外用薬の塗布、五六%が点眼の経験があると答えている。 「医療行為といっても家族にはすべて認められていること。『専門職なのだから』と家族から頼まれれば断れない」とヘルパーの多くは声を潜めて話す。所属する事業所から「医療行為には手を出さないで」と注意され、家族との板挟みに悩むヘルパーもいる。 こうした実態を行政監察した総務省は一九九九年九月、「利用者のニーズや家族介護の負担軽減から軟膏塗布などの身体介護に伴う行為はヘルパーに任せるように」と、厚生労働省に勧告した。 その中で注目すべき指摘がある。「医療行為の範囲は不明確であり、事業者により判断はまちまち」としており、「医療行為の範囲」そのものに疑問を投げかけた。勧告に対して厚労省はこの六月に事実上の拒否回答を出し、その中で「何が医療行為かは個々の事例に則して判断すべきである」とした。 医師法では一七条で「医師でない者の医療行為の禁止」とあるだけで、肝心の医療行為の内容には触れていない。東京都社協が調査した二十八項目は医療行為なのか、あいまいなのである。ただ、医療や福祉関係者はこれらを慣例として医療行為と認めてきた。より踏み込んだケアをする介護職には、後ろめたさがつきまとう。 医療・介護の連携を 「医療行為」の範囲が一部で生活実感とずれているのも確かだ。東京都目黒区の特養入居者の家族連絡会(副島芳枝代表)の会員アンケートでは、「つめ切り、耳あか、外用薬塗布、点眼などは介護職が行ってもいい」という答えが七〇%に達した。 ◎ ◎ 厚労省は「巻きづめや中耳炎など疾患があれば医療行為だが、普通の状態なら医療行為ではない」(医政局)と、あくまで「個々の事例」次第と言う。こうした境界線は関係者に広く伝えられていない。 医師の間でも「じょく創の手当てや経管栄養の注入は介護職がしてもいい」とする声が、在宅診療を手がける人に目立つ。在宅ケアの実態に明るいためだろう。介護が必要な高齢者の増加は避けられない現在、介護職のプロとしての自覚と責任が問われている。 (編集委員 浅川澄一) 医療行為の範囲が明確でないのが混乱の原因なのは明らか。そのガイドライン作りが必要だが、厚労省に前向きな姿勢はない。ただ、難病のALS(筋委縮性側索硬化症)などの家族団体からの要望を受けて二日、参院決算委員会で坂口力厚労相はヘルパーにたんの吸引を認めるかを検討すると初めて答えた。一歩踏み込んだ発言だが、高齢者ケアへの言及はない。 今春の医療保険の改定で、療養型病床の病院から施設や在宅に移る高齢者は増える一方だ。介護保険のサービス現場に対応が委ねられる。医療と介護の接点に立つ看護職の動向がカギとなるが、日本看護協会は「総務省の勧告には反対。施設内の看護師の配置比率を高めることが必要」と言う。 施設やヘルパーの管理者からは「医療寄りの看護師が増えると、介護保険の目標とする生活介護の視点が失われかねない」とする声も多い。確かに特養内では、看護業務にこだわっておむつ交換をしない看護師への視線は冷ややかだ。 どうすれば介護される側の生活の質を確保できるのか。あまり実行されていないが、介護保険制度では、専門職が定期的にケア会議を開いてケアプランを作成するとある。介護の現場も同様に、医師、看護師、栄養士らの検討を経て、医療の研修を積んだ介護職が前向きに取り組んでいくのが今後の方向であろう。 【図・写真】栄養剤をセットするケアワーカー。在宅では家族が手がける(特養ホームたまがわ) >TOP ◆2002/11/13 「厚労省、呼吸器つけた患者らの介護、ヘルパーの「吸引」検討――家族らの負担に配慮」 『日本経済新聞』2002年11月13日朝刊 http://www.nikkei.co.jp/ 全身の筋肉が動かなくなる難病のALS(筋委縮性側索硬化症)患者らについて、厚生労働省は十二日、患者のたんの吸引行為が医師や家族以外には禁じられている現状を見直すため、省内に検討会を発足させる方針を決めた。介護現場の実態などを踏まえ、来春にも、吸引行為者をホームヘルパーにも拡大するかどうか結論を出す。 この日は、ALS患者やその家族が坂口力厚労相に対し、家族の介護の負担を減らすことに賛同し制度の見直しを求める約十七万人分の署名を提出。坂口厚労相は「吸引問題に決着をつけるときがきた。検討会で、解決策を話し合いたい」などと制度の見直しに前向きな姿勢を初めて示した。 要望を受けて新設する検討会は厚労省の担当者のほか、学識経験者らで構成。年内にも初会合を開き、ヘルパーが吸引行為をした場合の危険性や、医師との連携のあり方などを、介護現場の実情を踏まえながら検討していく。 ALS患者は、その多くが人工呼吸器を装着しており、二十四時間介護のもと、平均して三十分に一度の間隔で、たんの吸引が必要となる。吸引自体はごく簡単な手順で済む。厚労省は家族の吸引は容認する一方で、ヘルパーに対しては医師法で規定された医師の医療行為に当たるとして認めていなかった。このため、家族の間では「目が離せない」「肉体的・精神的負担が大きい」との不満の声が強かった。 患者団体「ALS協会」(東京)によると、ALS患者は現在、約六千人。家族の介護の負担などを理由に、ここ数年間で計約二千人の患者が自発的に呼吸器の装着を選択せず、命を失った患者もいるという。署名には筋ジストロフィー患者らの分も含まれている。 署名提出後、患者や家族らは厚労省で会見し、兵庫県尼崎市のALS患者、熊谷寿美さん(52)は「ヘルパーが介護に来ても、家族は休息できず、家族が倒れると私の生きる道も断たれてしまう。ヘルパーによる吸引を認めてほしい」と訴えた。 【図・写真】坂口厚労相(右)に署名を手渡すALS患者の家族ら(12日、東京・永田町) >TOP ■本 ◆『介護現場の医療行為 −その実態と方策を探る−』日本医療企画 ¥3500 tel:03−3256−2862 ■ ◆立岩 真也 2003/05/25 「『こんな夜更けにバナナかよ』」(医療と社会ブックガイド・27),『看護教育』44-05(2003-05):388-389(医学書院) ◆立岩 真也 20041115 『ALS――不動の身体と息する機械』,医学書院,449p. ISBN:4260333771 2940 [amazon]/[kinokuniya] ※ als., 第10章 その先を生きること2 4―「医療行為」 312 痰の吸引などが医療行為だとして、医師や看護師といった職種の人しか、「業」としては、それを行なってならないとされる。しかしALSの場合には頻繁に吸引を行なう必要があり、それは介助者の主要な仕事の一つである。ALSの場合、吸引を行なわない介助者はいる意味がない。 【472】 医師法《四章一七条の「医師でないものは医業をなしてはならない」を根拠に、ヘルパーの医療行為を禁止するなら、早急に、医療行為の必要な患者に対して医師を派遣せねばなりません。/厚生省にたずねると「吸引などは医療行為なので医師、看護婦以外が行なうのは違法」とのこと。[…]/人権侵害と言いたいのは、呼吸器を諦めて死んでいく七割の患者の人権はもとより、患者を家族に持っただけで介護を強いられ、睡眠さえ保証されない家族の人権です。/「家族がいるから介護人を派遣しない」「ヘルパーは派遣するが、吸引は家族がするように」だったら家族はいつ眠るのよー!》(橋本[1998c]) 【473】 秦茂子[406]。《ALS患者は、二四時間そばにいる介護が必要で、しかも大変手がかかります。今のホームヘルパーによる短時間介護ではなく、少なくとも半日そばについてほしいと思います。そうしたら、家族は、勤めや学校を続けながら介護のローテーションが組めます。/そして吸引もしてほしいのです。吸引は看護婦さんしか出来ないという点に困っています。吸引は注射と違って誰でも出来ます。現に、我が家の娘も小学生の時からやっています。/患者のためを思って、誰がやってもいいことにしてほしいのです。》(秦・秦[1998]) 家族がいなくてもヘルパーによる吸引等の介助ができる体制がとられなければ、家族の負担の実質的な軽減にはなりようがない。日本ALS協会は《…いわゆる医療行為とされているものを在宅療養の場合は必須ケア行為として認め、講習等を受けた者であれば訪問介護者が行えるようにすることを求めます。》(「一九九九年度活動方針」、『JALSA』47:38)とした。 現実に使われている制度としては、「医療行為」を行なえる看護職による訪問看護より訪問介助・介護の方がずっと長い時間使われていて(福永他[2002]、等)、その中で介助者たちは実際には「医療行為」を行なわざるをえないし、行なわないなら、利用者、そして家族が困る(家族は「業」としてこれを行なっていないので、「素人」であるのだが、許容されている。またヘルパーについては、「医療行為」を行なっているその行為を行なう瞬間だけ、それを「業」として行なっているのでないと解することにして、これまで行なわれてきた)。 それに対して、訪問看護をもっと増やせばよいと看護者の側から反論されることがある。そこで、それは現実に無理だとか、対価が高くなりすぎると利用者は言い返すことになる。するとそれに対して、現状では困難だが、看護婦を増やすとか訪問看護ステーションを増やして対応すべきだと言い、対価については、介護の対価が安いのが問題で看護師が受け取る対価は正当な報酬だと看護職の側は返すことになる。 まず必要のすべてを訪問看護で対応するという方向が今は現実的でないのは明らかである。次に今後についても現実的なものとして考えているか疑わしい。例えば山崎摩耶(日本看護協会常任理事)は訪問看護について、日本では総時間が少なく一回の時間が長い(といっても一時間半未満なのだが)傾向があるとし、滞在時間が短く総時間が長い欧米のシステムに比して「いまだシステムの成熟が望まれる段階」にあると「訪問看護の現状と未来」と題した講演で述べる(山崎[2001:15])。少なくともこの時、傍にずっと付き添い、頻繁な吸引を行なうといった形態は想定されていない(別のことも言っていることについては注★06)。この講演が掲載された雑誌の同じ号には、米国で訪問看護の派遣会社に研修に行った人たちの報告が掲載されている。その会社では日中一・五時間と夜間二三時から七時までの派遣を行なっている(松下・輪湖[2001a:10])。もちろんそれだけの料金を支払える人が使っているのであり、使えない人はそのことを考えて「延命」をやめているのがその国の実情なのだが、それでも長時間の派遣はある。 【474】 長岡紘司[450]の妻・長岡明美の文章から。《退院後に医療職の方々がかかわって下さり、洗髪などしていただきましたが、他人が家庭に来られるということに非常に緊張してしまい、気苦労で疲労困憊しました。それに、当初はケアしただけでお帰りになり、後始末、後片付けは私一人がやらねばならず、非常に負担となり、それで、極限に達してしまい、一時はお断りを口にしました。/しかし、皆さんがいろいろと検討して下さり、ケア後の洗濯や後片づけもナースや保健婦さんが全部して下さるようになり、定期的に医療行政に支えていただいています。》(長岡[1996:14]) 以上に対して、(たしかに長岡も述べているように)事態は以前より改善されていると言い、やはり長時間滞在の在宅看護を充実させていきたいと真剣に思っていると看護職の人たちが主張するとしよう。私は、どれほど真剣であるかはともかく、この職種の人たちがそう願っていること自体は看護の仕事が増えることは看護を仕事とする人にとってはよいことでもあるから、事実だと思う。しかし、まず問題は現状を今どうするかだと、やはり困っている人は言うだろう。そして、それ以前に、より基本的な問題がある。つまり、なぜ看護職で対応しなければならないのかである。以下、このことについて。 原則的なことは簡単に言える。資格を定めるなどして、サービスなど財の提供を特定の人間に限定するのは、消費者の選択にまかせては十分に防ぐことのできない危険な質のわるい財の提供から消費者を守るためである。これ以外に正当な理由はない。立岩[1999c] で述べたことを短くして、説明しよう。 たしかに誰もがその仕事をきちんと行なえるとは限らず、行なおうとするとは限らない。事故が起こり、利用者が害を被る可能性はある。ただ、その人が質のわるい財・サービスしか提供できないなら、その人から得るのをやめればすむ。つまり、消費者・利用者自らが選べばよい。しかしときにはこの直接選択の方法でうまくいかないことがある。例えば、よしあしがその消費の時点ではわからず、何年も経ってから重篤な副作用が現れるといったことがある。また死につながるような事故が起こってしまってからではその人は文句も言えない。このような場合には、利用者の手に渡る前に、提供されるものが大丈夫なものかを調べ、一定の質以上のものを提供するようにするべきである。 ある資格をもつ人以外に仕事をさせないことが正当化されるのはこうした場合であり、こうした場合だけである。ふぐを食べさせても人を死なせることのない調理技術をもった人だけにふぐの調理を許可するのは理に適っている。 しかし同時に、資格によって供給を制限することは、その資格を有する人たちに有利に働く。他の人たちの参入を防ぎ、自分たちの仕事を確保し、ときには価格を高いところに維持するのに役に立つ。これは利用者に利益をもたらさず、誰から得るかを決めるのは得る人自身であると考えるなら、また仕事をすることを望んでおりまた仕事ができる人はその仕事をしてよいと考えるなら、正当性を主張することもできない。しかし実際には、資格による業務の独占には多くこの利害が絡んでおり、歴史的にもいくらもそのようなことがあったし、現在もなくなっていない。 次に消費者保護と供給者の権益の維持、このいずれが資格による業務の制限により強く絡んでいるのかはときに微妙である。権益を維持したい側にしても、そのことを正直に言えば支持は得られない。品質保持のため、消費者保護のため、資格による制限が必要だと主張することもある。他方、基本的に参入の自由、消費者の選択が支持されるとしても、それが無制限に認められることにはならない。例えば自由化がもっぱら価格の低下だけのために支持されることがあるが、働く側は常に無制限にそれを受け入れねばならないか。いわゆる自由競争で決まる価格をそのまま正当と考えないのであれば、この指摘も検討すべきではある。 だからこの問題はそれなりに微妙ではあり、検証を要する。ただいわゆる医療行為の問題に限れば、今までの事態をどう説明するかとは別に、どうすべきかについての判断は簡単である。この仕事を医療・看護職が独占しなければならない理由はない。それらの資格を取得していなければ、この仕事をきちんと行なうことができないとは言えないのである。それらの資格を取得することによってのみ、この仕事の安全性が確保できるとは言えないのである。従来、医療行為としてなされてきたことの一部は、一定の条件のもとで医療・看護の資格を有する人以外の人も行なえるようにすべきである。質を確保するための工夫は必要だろう。しかしそれが働きたい人、働いてもらいたい人の参入を拒むことになってはよくない。質を保ちながら同時に開放的なやり方を見つけていくことである。 日本ALS協会は国会、政府に働きかけた。二〇〇一年八月には参議院議長に議員が質問書を提出する。それに対して、九月、政府から吸引行為は「原則として医行為に該当」とする答弁書が示される(『JALSA』54:21-24)。これを、実際には行なってきていた行為を適法ではないとする見解をわざわざ出させてしまった、利口な戦術ではなかったと後に振り返る人もいる。 次に医療行為とされるものについて不合理な制限をなくすための署名活動が行なわれた。二〇〇二年一一月、一七万人分の署名とともに厚生労働大臣に要望書が提出される。大臣は「前向きの姿勢」を示し、検討会を発足させて検討させると述べた。二〇〇三年二月から「看護師等によるALS患者の在宅療養支援に関する分科会」が始まり、五月までに八回の検討委員会がもたれた。結果、吸引行為は許容されることになった。しかし許容されるのはALSの人に対する場合に限られ、そして許容される行為は吸引に限られ、またヘルパーの「業」としては認めないものだった。 なぜ当然の方向に事態は運ばなかったのか。この分科会の名称自体がその後を予示していたとも言える。どのような経緯でこの委員会の名称や形態が決まったのか知らないが、あらかじめ「看護師等による」とされ、「ALS患者の」と、限定されている。 この度のことについては医師の側に特別の利害はない。ALSの人を自分たちのところに囲ってしまうことが病院にとっての利益になるわけでないことは前に述べた。日本神経学会は条件付きでヘルパーにも認めるべきだとの意見書を出し、ALS協会はそれにお礼の文書を出す(『難病と在宅ケア』2003-5:77)。現状を知る医師は患者会の側からの制度改革のための運動を期待する(駒形[2001:5] 等)。 ただ看護師の側――個々の看護師というより、その人たちの組織、あるいは人・組織を代表するとされる人たち――が、いかにこの仕事が素人にまかせられない危険なものであるのか、自分たちにしかできないことであるかを強く主張することになった。むろんALSの人たちはそれに反論はした(私のホームページ中、「ALS・二〇〇三」に掲載)。この分科会が開始される時点で、あるいはその途中でも、ALSや他の病・障害の人たちが自らの立場から一歩も引かない態度をさらにもっとはっきりさせるなら、議論の過程と結果はあるいは変わったかもしれない。しかしALSの人たちはそれほど強硬な態度をとることはなかった。 看護職の人たち、研究者たちがまずALSの人たちに関わり、援助してきたという経緯もある([293]、本章★07参照)。そしてALSの人たちにはたしかに医療的ケアが必要なことがある。看護師の人たちの協力、在宅の人であれば在宅看護、入院している人であれば病院での看護は必要なものではある。そして、看護職の人たちでなければできない仕事ではなくても、他にその仕事をする人がいなければ、看護職の人たちに頼らざるをえない。だから、その人たちは味方でいてほしい、正面からその主張に反論することが難しいといった事情があったということかもしれない。 それでも決定された方針は限られた部分ではいくらかの前進ではあった。さらに、この仕事を担える人を増やし、その人たちによる介助を増やす方向に進めていくことができる。 これまでも、もちろん家族は毎日この仕事を行なってきたのだが、それ以外の医療従事者でない人によってもなされてこなかったのではない。例えば自立生活センターの幾つかは実際に派遣を行なってきた。ただ多くの組織がためらってきた。それが、ALSの人たちの吸引に限定された中途半端な形ではあるが認められることになり、いくらかは前向きになる部分は出てきたのだが、それでもためらい、応じないことが多い。そしてその分、訪問看護への依存は続くことにもなる。そこで、ALSの人を受け入れる組織を探して利用しようとするのだが、それがなかなか難しい状態が続いてきた。 だから、既存の組織がしようとしないなら、むしろ自分たちで行なってしまうこと、自分たちで供給組織を作ってしまうことである。これは非現実的に思えるかもしれないが、そうでもない。そこで自分たちが信頼できる介助者を養成し、その人たちがその組織に属するようにすることである。 介護保険の制度においても、事業者になることは比較的容易にできる。また支援費の制度においても容易である。利益をあげることが目的ではないのだから、これまで他の事業者が対応しようとしてこなかった「医療行為」の提供が必要な対象者に絞って介助サービスを提供していくことができる。その仕事を行なう介助者に技術を教えることもできる。そして既にその事業は始まっている(さくら会[1999-])。それを拡大していくこと、うまく運営していくこと、そのことによってこの仕事の担い手を医療・看護職に限る必要のないことを具体的に示しながら、必要を充足していくことが基本的な道筋になる★06。 医療者と患者(会)との関係はときに微妙である。患者会の場合、例えば血友病であれば血友病の専門の医療機関や医療者がいて、そこに通ってくる患者やその関係者がそのまわりに患者会が形成され、製薬会社が資金や人の援助を行なうというかたちがあった。しかし時にその利害が一致しない場合がある。例えば薬害HIV事件では医療者や製薬会社は加害者となった。患者の側が供給者側に抗して自らを主張せざるをえない時にはこうした共存あるいは依存関係が負に作用することがあり、その形が壊れる場合がある。 このようなことはALSの場合には起こってこなかった。ALSの人たちは一貫して医療者との関係を保ってきた。 それは一つに、原因究明と治療法の開発が大きな関心事であったからである。医療者、医学者は切実な希望と大きな期待の宛先であってきた。次に、ALSそのものはなおらない間も医療が必要な場面はある。さらに、本来は別の場や人たちでもよい、むしろ別の方がよいかもしれないが、病院や医療者以外には必要なものを供給する場・人がないなら、それを使わざるをえないという事情がある。こうした事情を抱えながら、このたびの出来事は、利用者と供給者との間に潜在的には常に存在する緊張関係を表面化させた。あるいは表面化させる手前のところまで来た。 「医療化」という言葉があり、例えば医療社会学という領域ではこの言葉はあまりよい意味では使われないことを第2章で記した。医療が入ってこなくてよい領域にまで医療が侵入してきてしまうといった意味合いがあり、少なくともあらかじめ肯定的な意味が付されたりはしない。他方、ALSの人たちは治療法が見出されることを切実に求めている。ALSから脱すること、なおることはもっとも大きな希望だから当然ではある。ALS協会の総会やその支部の総会など、患者が集まる場では多く医師の講演があり、医療についての情報が提供される。話の細部がわかるにせよわからないにせよ、希望が語られるなら、それを聞く意味はある。ただ、それはそれとして、他にもすべきことがいくつかあった。すぐにはなおる方法がない中で、今日明日生きていくときに必要なのは、そのために必要な資源である。ここでは医療が関わる場面は限られている。生活のための資源をどうやって得るか。結果論かもしれないが、その方に力を注いだ方が長く楽に生きられたはずだ。このことも第2章で述べた。 次に、医療そして看護から得ているものがあるために、独立した立場をとりにくいことがある。その中には必ずしも医療職・看護職の人から得なくともよいものがあるのだが、社会の仕組みによって他から得ることができないために、医療・看護に依存せざるをえなかったものもある。病院にいる必要がなく、積極的にいたいとも思わない場合でも、病院にいる限りは生きていることができ、そして病院の側にはその人たちを病院に引き止めたい誘因がない場合には、なんとかお願いしてそこにいさせてもらうという関係になる。また在宅で暮らす場合にも訪問看護などの利用はある。 以上のような事情で、医療の供給側に対してそう強くなれない場合がある。第9章1節にあげた事故への対応にもこうした事情は働きうる。生殺与奪を握られている以上、医療側とことをかまえるのは好ましくない。医療機関にも様々あり、医療者にも様々な人がいる★07。理解があり協力的な人もいるが、そうでない人もいる。しかし問題のある部分に対して強い指摘を行なうことはこれまでなされてはこなかった。距離をとった方がよいのだが、やはりこれまでの経緯、制度の仕組みのために、独立性を保つことができないために、事態がなかなか変わってこなかった部分がある。けれどもいくらか変わってきてはいるし、さらに変わっていくはずである。 ★06―この主題については、単行書として民間病院問題研究所[2000]、篠崎編[2002](ALSに関して熊本[2002])。大平・野崎[2004]でもふれられている。雑誌特集に『難病と在宅ケア』2003-8の――看護職の側の主張とその吟味がないために問題の本体が明らかにされているかについては疑問の残る――特集「これが本当の吸引問題だ!」(石川[2003b]、蜂巣[2003]、河西[2003] 等を掲載)。他に吸引等を「医療行為」とするのに反対の立場から中村記久子[2004]、等。日本看護協会はこの年の終わりに「ALS患者の在宅療養支援三か年計画」(日本看護協会[2003])を発表。日本看護協会を代表して分科会の委員をつとめ、さきに別の講演を紹介した山崎摩耶は、二四時間三六五日在宅ケアを目指すとするこの計画を紹介し、その分科会を振り返り、《今回のこの問題を訪問看護の追い風にしたい、と心から思った。本当に今が勝負時なのである。》(山崎[2003:952])と述べる。 二〇〇三年のいったんの決定後に事態がどのように変わっているのか、あるいは変わっていないのか、調べて今後のことを考えていく必要がある。そして学校に通ったりする子たちについてもこの制約は深刻な問題である。民間組織として「人工呼吸器をつけた子の親の会(バクバクの会)」等があり機関誌『バクバク』を発行している。子どもの医療的ケアについての本として藤岡[1999]、下川編[2000]、小西・高田・杉本編[2001]、等。 ★07―これまでにもその文章をいくつか引用してきたが、今井尚志、近藤清彦、佐藤猛、林秀明、吉野英といった医師たちがいて、熱心に支援に関わってきた。また既に一九七〇年代から川村佐和子、木下安子といった保健・看護職の人たちがALSの人に深く関わり、ALS協会等にも協力してきた。そして、スモン病、新潟水俣病の原因を特定した人である椿忠雄(都立神経病院院長の後、新潟大学神経内科教授)がALS協会の創設などにも協力した恩人として記憶されている(現在入手できる編書としては椿他[1987]、遺稿集があるが未見。椿の新潟水俣病への対応に批判的に言及しているものとして宇井[1999]、椿の死の後のALSの困難に短くだがふれた文章として林[2003])。こうした人々の業績、言説を跡付ける必要もあるが、本書ではその作業はまったくできていない。一九七〇年代から一九八〇年代のALSの人たちやその関係者、ALS協会の足取りは、今後の研究によって明らかになるだろう。 *このファイルは文部省科学研究費補助金を受けてなされている研究(基盤(C)・課題番号12610172)のための資料の一部でもあります(〜2004.3)。 UP:20021024 REV:1025,1109,16,1221,22,20030113,0304,06,07,10,13,16,25,0408,15,23,24,28,0507,08,10,21,27 20080726 0806,21 ◇人工呼吸器 ◇介助(介護) ◇ALS ◇ベンチレーター使用者ネットワーク TOP(http://www.arsvi.com/s/a03.htm) HOME(http://www.arsvi.com)◇ |