HOME > 事項 >

「難病」支援者と障害者運動・政策との接点のなさについて

介助・介護「難病」

Tweet


 ※この頁は次の本のために作られました。
◆立岩 真也 2018/12/20 『病者障害者の戦後――生政治史点描』,青土社,512p. ISBN-10: 4791771206 ISBN-13: 978-4791771202 [honto][amazon][kinokuniya] ※

 ※以下作成途上

◆立岩 真也 20041115 『ALS――不動の身体と息する機械』,医学書院,449p. ISBN:4260333771 2940 [amazon][kinokuniya] ※
◆安積 純子・尾中 文哉・岡原 正幸・立岩 真也 20121225 『生の技法――家と施設を出て暮らす障害者の社会学 第3版』,生活書院・文庫版,666p. ISBN-10: 486500002X ISBN-13: 978-4865000023 [amazon][kinokuniya] ※

『ALS――不動の身体と息する機械』表紙    『生の技法――家と施設を出て暮らす障害者の社会学』

 ※PC止まってデータ失いました。再度データいれます。
 ※近く別ページにします。

◆川村 佐和子・木下 安子・山手 茂 編 19750425 『難病患者とともに』,亜紀書房,259p. ASIN: B000J9OGWK [amazon] ※ n02.
U 医療福祉の組織と実践
 1 東京都の難病問題と難病対策 中島 初恵 62-75
 「府中療育センターは、昭和四三年、重い心身障害をもつ児童および成人を収容する施設として発足した。その内容は、衛生局担当の重症心身障害児(者)のための二〇〇床、民生局担当の重度精神薄弱児のための五〇床、重度精神薄弱者のための五〇床、重度身体障害者のための一〇〇床である。このように、さまざまな重い障害をもつ児童・成人を対象としているため、施設の運営において多くの問題が生じた。昭和四三年暮に、美濃部都知事は療育センターを視察し、センターを終生の収容施設とみなすのは不適当であり再検討を要すること、少なくとも重度関係は早急に分けるべきこと、を指摘した。このような指摘に基づいて、療育センターのありかたについての検討が活発に始められた。この検討と併行して、神経病院の設立準備および心身障害総合研究所(仮称)の設立準備のための検討が進められた。こうして、先天的または周産期の原因による重症・重度心身障害児を対象とする府中療育センター、後天的要因による神経疾患(心身障害)患者の対象とする神経病院、およびこれらの対象者の疾患・障害の基礎的研究や予防・治療・リハビリテーション・看護・福祉のための応用的研究を行なう研究所、の三施設が同じキャンパスにおいて密接な協力関係を保つことができるよう計画が立てられ、逐次実現されつつある。」(中島[1975:68])
 →重症心身障害児施設府中療育センター闘争

◆木下 安子 19780725 『在宅看護への出発――権利としての看護』,勁草書房,304p. ISBN-10:4326798394 ISBN-13:978-4326798391 欠品 [amazon][kinokuniya] ※ n02. a02

 在宅「看護」の本だから当然といえば当然だが、看護の話に限られている。

◆川村 佐和子・木下 安子・別府 宏圀・宇尾野 公義 1978 『難病患者の在宅ケア』,医学書院

◆川村 佐和子 19791125 『難病に取り組む女性たち――在宅ケアの創造』,勁草書房,252p.,1500 ※ n02.

高野岳志 1983 「障害者の自立の場宮崎障害者生活センター」,『リハビリテーション』267(83-10):32-37 [121]

高野岳志 1984 「街のなかに生きるために」,仲村・板山編[1984:286-296] [121]

◆木下 安子 編 19860905 『生をたたかう人と看護――ある病院のターミナルケア』,桐書房,266p.

◆島内 節 川村 佐和子 編 19860913 『在宅ケア――その基盤づくりと発展への方法論』,文光堂,288p. a02. n02.
◆伊藤俊子(都立松沢病院医療相談室)「在宅ケアにおける福祉課題」,島内・川村編[1988:203-231](第5章)
 表があって新宿区にある制度が列挙されている。
 事業名:重度脳性麻痺者介護人派遣(p.226)
 (新宿区保険障害福祉部資料,1985による)

◇198809 全国公的介護保障要求者組合結成
 「☆17 北区・三多摩・練馬区・東久留米在障会などが中心となって結成された(結成に至る経緯と活動の開始について公的介護保障要求者組合[88])。求める人全てが地域に住めることを基本に、家庭奉仕員の週十八時間の制限いっぱいまでの派遣、他人介護加算の増額と枠の拡大、等、ともかく可能なところから要求するとともに、将来的には新しい全国的な介助制度の確立を目標として、厚生省との交渉を続けてきた。九一年には、生活保護制度外の最大二四時間を保障する新しい全国的な制度の設立を基本方針とする。その上で、他人介護加算の拡充、各地の介護人派遣制度の獲得と拡大、ホームヘルパー制度の充実、特に利用者が自ら推薦する人を登録する登録ヘルパー制度の提案といった多面的な活動を行っている。制度の要綱や申請の仕方、制度獲得のための交渉の仕方等は、この「組合」に聞き、機関誌を購読し、資料を取り寄せるのがよい。年会費六千円、払うと資料の多くはただになるし、量質ともに充実した会員版の機関誌が送られてくるし、フリー・ダイヤルでの相談にも応じてくれる。利用価値は高い。他にも、身体障害者雇用納付金制度の利用法、生活保護受給者の住宅改造や福祉機器の導入法等が紹介されている。ここのスタッフが中心になって作ったのが、先にも紹介した自立生活情報センター[95]。最も役に立つ一冊である。また「障害者総合情報ネットワーク」が提供する資料にも以下に関連する資料が多く含まれている。」(立岩[1995→2012])

◆島内 節 川村 佐和子 編  198809 『在宅ケア――基盤づくりと発展への方法論 増補版』,文光堂,288p. ISBN-10: 4830646020 ISBN-13: 978-4830646027 [amazon][kinokuniya] 3800+ ※ a02. n02.
◆伊藤俊子(都立松沢病院医療相談室)「在宅ケアにおける福祉課題」,島内・川村編[1988:203-231](第5章)
 事業名:重度脳性麻痺者介護人派遣(p.226)
 (新宿区保険障害福祉部資料,1985による)

◇立岩真也 1990 「はやく・ゆっくり――自立生活運動の生成と展開」,安積他[1990:165-226→1995:165-226→2012:258-353] [121]

◆木下 安子・在宅ケア研究会 編 19910525 『続 ホームヘルパーは“在宅福祉”の要――十か年戦略とホームヘルパー』,萌文社,219p. ISBN-10:4938631075 ISBN-13:978-4938631079 1456+ [amazon][kinokuniya] ※ a02. n02. c04

 いわゆる「ゴールドプラン」が1989年。それを受けて高齢者福祉の話が中心になっていることはわかるが、5歳(pp..188-197)、50歳台前半(pp.212-214)、13歳(pp.2152-216)、の事例報告が上がっているから高齢者に限っているともいえない。ここにも出てこない。制度として紹介されているのは当時の高齢者の制度に限られている。

◆木下 安子 1991 「医療・福祉の充実を住民と共に」,木下・在宅ケア研究会編[1991:8-31]

◇1991
 「ALS協会の機関誌などをすこし調べてみると、いくらかずつ制度があることがALSの人たちに知られ、それを得ることが目指されるようになってきたことがわかる。 【460】 一九九一年、松本茂[444]。《安心して闘病できる環境とは/(一)専門医、看護婦、介護者の充実した、長期療養施設の設置。/(二)介護費の公費負担。例えば東京立川市の登録介護人派遣事業のような制度の導入。私も含めてALS患者家族の最大のなやみは介護である。介護が保障され充実すれば、生きぬく希望が湧き、寝たきりも解消できる。/(三)入院と在宅は、同じレベルにしなければならない。人工呼吸器、吸引器は生活必需品。当然、給付か貸与になるべきである。》(松本[1991:13])  ALS協会の機関誌に会長をつとめていた松本のこの記述があるから、誰も知らなかったのではない。どこからか情報が得られ、紹介され、そして望まれるようになる。立川市には東京都の事業の他に独自の制度として「立川市登録介護人派遣制度」があり、九三年度には月一九三時間までの介助が得られた。またこの九三年度から、立川市は、田無市・東久留米市とともに、いくつかの制度を併用した場合に二四時間の公的な介助サービスが得られるようになっていた。日野市・練馬区では二四時間の介助が九四年度から実現する(立岩[1995a:252]。一九九一年に設立された自立生活センター・立川の一〇年について自立生活センター・立川[2000]、その設立に関わり一九九九年に亡くなるまで代表をつとめた高橋修について立岩[2001a]、http://www.arsvi.com/w/to01.htm)。」(立岩『ALS』

◆木下 安子 19921101 『素顔のノーマリゼーション――福祉が生きる国デンマーク・スウェーデン』,ビネバル出版,102p. ISBN-10:493873401X ISBN-13:978-4938734015 欠品 [amazon][kinokuniya] ※ n07 l07 t03 s03 n02.

◇1993 立岩真也[1995→2012]※より
※安積 純子・尾中 文哉・岡原 正幸・立岩 真也 20121225 『生の技法――家と施設を出て暮らす障害者の社会学 第3版』,生活書院・文庫版,666p. ISBN-10: 486500002X ISBN-13: 978-4865000023 [amazon][kinokuniya] ※

 「こうしていくつかの制度があり、それらは多くの場合併用されている。併用によって、立川市・田無市・東久留米市(九三年度から)、日野市・練馬区(九四年度から)の五つの区市で毎日二四時間まで有償の介助を得られる。二十年来の目標が一部で一応果たされたことになる★25。」

◇1993
【461】 一九九三年。介護人派遣事業について。《聞くところによると、東京都では介護券や、介護人を雇った場合の補助が出ているということですが、これはどういうものでしょうか。支給の申請窓口はどこですか。他の府県では同じ制度はないのでしょうか。(愛知S生)》(『JALSA』27 〈Q&A〉介護援助について、回答者:平岡久仁子。介護人派遣事業では、利用者に券が支給され、介助者が働いて利用者から券を受け取り、それを役所に持っていって対価を受け取るという仕組みが使われた)
 そして橋本みさお(東京都練馬区)[446]が、こうして獲得されてきた自治体の制度を実際に使い、介助のすべてを家族外から得る生活を一九九三年に始めた。
 橋本には会社づとめの夫がいた。橋本はさっぱりと夫――橋本誠[2003] に彼の文章と彼が撮ってきた写真がある――の介助は期待しないことにする。一般に男性の場合には妻が介助者の役を担うことが多い。それが当然だということにもされる。他方、男性の場合、既に退職している人や退職する年齢に近い人であれば事情が違うこともあるが、多くの人には職業がある。だから女性の方に呼吸器を付けずに死んでしまう人が多いのだが(第4章5節)、他から介助を得られるなら話は違ってくる。橋本は女性であったことによってかえってすっきりこの方向で行くことの方に進めたとも言える。そしてなによりそれが可能だった。彼女が住んでいる東京都練馬区は、脳性麻痺の人やその支援者たちが中心になり、東京都でも最も早くに制度の拡充が進んだ地域だった。
【462】 橋本は一九九三年一月に呼吸器装着[254]。その年の五月に。《四ヶ月後に、ようやく家に戻れました。家族三人で、娘も中学校に入って一ヶ月、夫は忙しくしていましたので家族介護は考えていませんでした。MSWが、夜勤の募集広告を福祉系の大学に掲示したところ、四人の応募があったので交代で三ヶ月ほど実習してから退院したのです。尤も、退院間際に突然一人辞めたので、しばらくは三人で夜勤をしなければならず学生は三日に一度の夜勤で大変な負担でした。平日の昼間は、ALS協会から紹介を受けた介護経験者に、土日は民間の看護婦派遣会社にお願いして、ほぼ完璧な二四時間他人介護が実現したのです。》(橋本[1998a])」(立岩『ALS』

川村 佐和子 編 19940221 『筋・神経系難病の在宅看護――医療依存度が高い人々に対する看護』,日本プランニングセンター,262p. ISBN-10:4931197507 ISBN-13:978-4931197503 欠品 [amazon][kinokuniya] ※ n02. md
 表紙にある肩書:厚生省特定疾患難病のケア・システム調査研究班地域ケア分科会会長 東京医科歯科大学医学部・看護学教授

川村 佐和子 編 19940425 『在宅介護福祉論』,誠信書房,213p.
◆須加 美明 19940425 「介護専門職としての責任と原則」,川村編[1994:6-25]

 「在宅では、介護職員の訪問活動の時間帯は、利用者の側から見れば1週間のごく一部でしかない。介護職員は、利用者の生活に必要なことを自分一人ですべてやるという発想をしないで、自分で援助する部分と社会資源の活用で対処する部分を判断していくことが求められる。このためにはさまざまな制度、施策の活用はもちろん、制度にない社会資源を開発していく視点が大切である。朝、ゴミを回収場所に出してくれたり、ついでに買い物をしてくれる近所の人、配達をしてくれる商店、乗り降りの時に手を貸してくれる個人タクシー、月に一度は見にきてくれる親族など、これらの非専門家の果たしている役割を重視し、社会的支援(ソーシャル・サポート)のネットワークを組織していくのも在宅介護職員の重要な死後さとの一つである。」(須加[1994:24])

◆木下 安子 編 19970210 『忘れられない患者さん』(ナースアイスペリオール),桐書房,198p. ISBN-10:4876473560 ISBN-13:978-4876473564 欠品 [amazon][kinokuniya] ※ n02. t02 n04

川村 佐和子 編 19980410 『在宅介護福祉論 第2版』,誠信書房,213p. ISBN-10:4414609119 ISBN-13:978-4414609110 欠品 [amazon][kinokuniya] ※ n02. a02
◆須加 美明 19980410 「介護専門職としての責任と原則」,川村編[1998:6-25]

 1990年代になると普及している地域が出てくるが、川村編[1994]の第2版である川村編[1998]でも以下のような具合だ。

 「在宅では、介護職員の訪問活動の時間帯は、利用者の側から見れば1週間のごく一部でしかない。介護職員は、利用者の生活に必要なことを自分一人ですべてやるという発想をしないで、自分で援助する部分と社会資源の活用で対処する部分を判断していくことが求められる。このためにはさまざまな制度、施策の活用はもちろん、制度にない社会資源を開発していく視点が大切である。朝、ゴミを回収場所に出してくれたり、ついでに買い物をしてくれる近所の人[…]」(須加[1998:25])

◆福永 秀敏 19990810 『難病と生きる』,春苑堂出版,227p.

 介護保険施行の前年に出た年で介護保険の紹介があるのは当然として、他の制度については出てこない。

◆2000 公的介護保険開始

 「☆15 例えば、介護保険の機構では、短時間の訪問介護を巡回して行うことが前提になっている。その時間単価をそのまま積算し二四時間にすればそれはたしかに相当の額になる。ただ長時間の滞在型の場合には計算も異なってくる。実際その額は低く抑えられているし、抑えられすぎているのだが、少なくとも介護保険の単価をそのままかけた額が必要なわけではない。このことは効率的であるとして採用されている巡回型の仕組みが――それで必要がみたされるのであればその分にはかまわないとして――必ずしも効率的でないことを示しているのでもある。」(立岩[2012])

◆福永 秀敏 20040819 『病む人に学ぶ』,日総研出版,190p. ISBN-10:489014966X ISBN-13:978-4890149667 欠品 [amazon][kinokuniya] ※ md. n02.

◆川村 佐和子・川口 有美子(聞き手) 20080301 「難病ケアの系譜――スモンから在宅人工呼吸療法まで」(インタビュー),『現代思想』36-3(2008-3):171-191

◇安積 純子・尾中 文哉・岡原 正幸・立岩 真也 20121225 『生の技法――家と施設を出て暮らす障害者の社会学 第3版』,生活書院・文庫版,666p. ISBN-10: 486500002X ISBN-13: 978-4865000023 [amazon][kinokuniya] ※

◇海老原 宏美・海老原 けえ子 20150915 『まぁ、空気でも吸って――人と社会:人工呼吸器の風がつなぐもの』,現代書館,240p.

 近頃の人たちの書きものとして『まぁ、空気でも吸って――人と社会:人工呼吸器の風がつなぐもの』(海老原・海老原[2015]◎)等。


UP: 2016 REV:20160302, 0516, 20180626
「難病」  ◇介助・介護  ◇障害者と政策  ◇病者障害者運動史研究 
TOP HOME (http://www.arsvi.com)