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重度訪問介護派遣事業(重訪)

介助・介護

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■新着

◆立岩 真也 2017/08/06 「重訪、なにそれ」,重度訪問介護従業者養成研修,於:立命館大学衣笠キャンパス

◆介護保障を考える弁護士と障害者の会全国ネット 編 201610 『支援を得てわたしらしく生きる!――24時間ヘルパー介護を実現させる障害者・難病者・弁護士たち』,山吹書店,発売:JRC,105p. ISBN-10: 486538054X ISBN-13: 978-4865380545 [amazon][kinokuniya] ※

介護保障を考える弁護士と障害者の会全国ネット 編 201610 『支援を得てわたしらしく生きる!――24時間ヘルパー介護を実現させる障害者・難病者・弁護士たち』表紙

◆2017/11/04 「<筋ジス男性>「見る景色変わった」37年ぶりに自立生活」
 『毎日新聞』2017-11-4(土) 11:31配信

 [写真:24時間介護が実現し退院した古込和宏さん。全身の筋肉が動かず、口にくわえた細い棒でパソコンのマウスを繰る=金沢市で2017年10月2日午後0時5分、桜井由紀治撮影」

 ◇8歳から入院、自発呼吸できず人工呼吸器が欠かせない
 全身の筋力が低下する難病「筋ジストロフィー」を患う金沢市の古込(ふるこみ)和宏さん(45)が10月、37年間暮らした病院を退院し、地域住民や弁護士の支援を受け市内の民家で自立生活を始めた。長時間介護が必要な人にヘルパーを派遣する国の自立支援制度「重度訪問介護」で、市が1日24時間介護を決定し、実現した。古込さんは「見る景色が変わり、社会に出て来た実感がする」と喜びをかみしめる。
 重度訪問介護による介護時間は市町村の裁量で決定する。財政的な観点から上限を厳しく運用する自治体が多く、古込さんを支援する「介護保障を考える弁護士と障害者の会全国ネット」(東京都)によると、24時間介護が認められたのは石川県内で初めて。これで全ての都道府県で24時間介護を受ける人が存在することになったという。
 古込さんは5歳で発症、8歳から金沢市の病院に入院した。自発呼吸ができず人工呼吸器が欠かせない。日常生活は可能で、口にくわえた細い棒でパソコンのマウスを動かし、文章を書く。2012年4月の40歳誕生日に虫垂炎で容体が急変、一時心停止状態となった。
 一命は取り留めたが「あのまま死ねばよかった」と思った。生きる気力を失いかけた頃、富山県で自立生活を送る難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の新聞記事を読み「自分もできるはず。外の世界を知らないまま、人生を終わりたくない」と自らを奮い立たせた。15年末、同ネットを知り、相談した。
 同ネットが地元弁護士を中心に支援グループを結成。医師を交え月1回、自立生活に必要なケアについて話し合った。古込さんは病院内の施設で宿泊訓練を重ね、ヘルパーに1日の詳細な介護記録を作成してもらった。「24時間見守りも含めた介護がなければ生活できない」との担当医師の意見書も添えて今年3月、市に申請。その後も市担当者と交渉を続けた結果、10月12日、月937・5時間の支給決定が出た。入浴や移動時には2人での介助を受ける時間数も含め、24時間介護が可能になった。
 古込さんは支援者から提供された市内の民家でヘルパーに深夜も見守られ、日々を送る。8歳から病院のベッドで天井を眺めてきた。今、毎朝窓を開けてもらい、新鮮な空気と共に聞こえてくる小鳥のさえずりや子どもたちの笑い声に、地域で生きる喜びを感じる。「これからが自立生活への本当の闘い。重度障害の仲間が助け合える団体を作り、経験を伝えたい」
 同ネットの宮本研太弁護士(金沢弁護士会)は「重度障害者の介護は家族に背負い込ませるケースが大半で、家族は身も心も擦り減らしている。公的制度を最大限に活用した古込さんは、地域移行の良い先行事例になる」と指摘する。【桜井由紀治】

 ◇重度訪問介護
 重度の障害を抱える人たちが、自宅などで入浴や排せつ、食事の介助、見守りなど生活全般にわたって受ける公的介護サービス。6段階の障害支援区分で4以上(6が最も重い)の重度障害者が対象。介護時間は市町村が決定するが、障害者が希望する時間数を下回るケースも多い。」

入院時の介助派遣

■解説

◆「重度訪問介護とは」
 障害者自立支援法の中の訪問系サービス(ホームヘルパー制度)の一つです。
 24時間の連続介護が必要な最重度の障害者に、24時間連続してヘルパーを使う(8時間勤務のヘルパーが3交代で)事を想定して作られた制度です。もちろん1日16時間や12時間の利用をして、残りは家族が介護ということも出来ます。
 重度訪問介護は身体介護とは違って、ヘルパーが障害者に呼ばれるまですぐそばで座って待つ「見守り待機」もヘルパーの仕事となっています。介護保険や障害者自立支援法の身体介護のヘルパーは、決められた身体介護を1時間〜1.5時間程度の短い時間にさっとやり終えて帰って行きますが、障害者自立支援法の重度訪問介護は、同じヘルパーが最低8時間障害者のそばに座って待ち、排泄や体位交換や文字盤や水分補給などを障害者に言われたら、言われたときに即座に介護を行い、それが終わったら、次に呼ばれるまでまた傍に座って障害者を見守りながら待機します。外出の介護も重度訪問介護のヘルパーが行えます。重度訪問介護を毎日使っている障害者はいつでも外出したい時にヘルパーと外出ができます。」
 『全国障害者介護制度情報』「重度訪問介護で暮らすー難病ALS−」より
 http://www.kaigoseido.net/i/als-chiikiseikatsu.htm
 ※「障害者自立支援法」は現在は「障害者総合支援法」

◇『全国障害者介護制度情報』
 http://www.kaigoseido.net/index.shtml

◆立岩真也 2016 「人工呼吸器の決定?」※より

 「日本は福祉の制度が整っていないひどい国だと言われていて、それには当たっているところも多い。しかし、重度障害者の介護についてはそう捨てたものでもないところもある。今よりは楽になる方法が、ほとんどの場合に必ずある。
 「公的介護保険」だけではたいしたことがないし、自己負担も相当の額になってしまうし、にもかかわらず介護保険を優先して使えと言われることも多いのだが――本当は常にそうしなければならないわけではない――「障害者総合福祉法」に規定された制度もある。その法で決まっているのは「重度訪問介護事業」等のサービスで、これは「公的介護保険」のサービスとは違う。ALS等の場合は両方を使える。そして「重度訪問介護事業」(重訪)の方が長い時間使えて、自己負担のない場合も多い。しかし介護保険のケアマネージャー等はこの制度のことを知らないことが多い。だから知っている人を紹介してしてもらう、自分で探すなどが必要になってきて面倒だ。それで私たちの方でもすこし情報提供をしている(「生存学」で検索するとhttp://www.arsvi.com/が出てくるので、そこの中を「重度訪問」で検索→☆このページ)。他にも訪問看護の制度などがある。これら複数の制度を組み合わせ、最大1日の24時間について公的な福祉サービスを得ることはできる地域がある。そしてこの本の初版が出た2009年に比べて、そうした地域はいくらかずつだが広がっている。
 これまではだめでも、よくしていくことができる。私が今住んでいる京都市でも、ALSの人で介護を得ながら一人で在宅の生活を送っている人がいる。その人の前にはそんな生活を送れるだけのサービスはなかった。けれどもそれではその人は生きていけなかったから、役所などど交渉して、これまで認められていた時間よりも長い時間のサービスを獲得した。それですくなくとも今のところなんとかなっている。
 京都のその人の場合には、たまたま、そういう交渉ごとを助けてくれる人たちがいて、それが実現した。多くの人の場合にはなかなかそうもいかない。普通に役所に行って、言われることを聞いて帰ってくるということになる。さらに困るのは、ときどき役所の人たちが持っている情報が間違っていることである。ならば知らないといってくれればよいのだが、時には自分が知らないことを知らないことがあって、困ってしまう。こうして得られるはずのものが得られないことも多い。
 ただ、そのような時のために、本人や本人を支援するや団体があって人がいる。ここでも病者・障害者の権利を擁護する活動の存在意義はとても大きい。そして支援する人や団体が少しずつ増えている。
 そしてその間に起こったできごととしては各地の弁護士の活動が活発になっている。「介護保障を考える弁護士と障害者の会全国ネット」というネットワークがあって、さきに紹介したホームページからもリンクされている。そこが関わったところではだいたい交渉は、多くは裁判などにもっていく前に、必要な時間が獲得されている。それを見ていただきたい。
 それでも、つまり行政から必要な時間を得られても、実際に仕事をしている事業所を見つけるのがなかなか難しいということがある。けれども、その事業所は近所になくてもかまない。仕事をしてくれる人が通えるところにいればなんとかなる。実際、さきにあげた京都市の人の場合は、大阪の事業所にお世話になった。そうした情報もさきに記したページから得られる。
 そして加えてもう一つ、自分で人を用意することもできる。今の制度では講習が必要だが、さきに紹介した「重度訪問(重訪)」の制度で仕事をする人の場合にはそんなに大変ではない。私が関係しているNPOも、京都で年に2度ほどだが、2日間の講習を行っている。大学生もやって来る。いろいろな人が来る。そして仕事ができるようになった人を事業所に登録してもらって、そこで働いてもらうことができる。そしてさらに加えてもう一つ、自分で事業所を作ってしまうこともできる。そう言うと、たいがいの人がびっくりするのだが、自分で使っていれば、やり方はだんだんとわかってくる。他の事業所の人(ヘルパー)も使いながら、自分の分(だけ)は自分が経営するところでの仕事を増やしていけば、そう無理しなくてすむこともある。その実例も私(たち)はいくつか知っていて、やはりその情報を知らせている。
 なんとかなる。まずはそれを知ってもらいたい。すくなくともその前に悩むことない。そう思ってもらえたらと思ってこの章を書いた。」

※以下の本に収録されています
◇川口 有美子・小長谷 百絵 編 20160625 『在宅人工呼吸器ケア実践ガイド――ALS生活支援のための技術・制度・倫理』,医歯薬出版,168p. ISBN-10: 4263236777 ISBN-13: 978-4263236772 [amazon][kinokuniya]

◆WAMにある解説
 http://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/syogai/handbook/service/c078-p02-02-Shogai-08.html

◆京都で年に2度ほど重度訪問介護従業者養成研修を行っています→(NPO)「ある」

◆立岩 真也 20121225 「共助・対・障害者――前世紀末からの約十五年」,安積他[2012:549-603]*
*安積 純子・尾中 文哉・岡原 正幸・立岩 真也 20121225 『生の技法――家と施設を出て暮らす障害者の社会学 第3版』,生活書院・文庫版,666p. ISBN-10: 486500002X ISBN-13: 978-4865000023 [amazon][kinokuniya] ※

 「★15 この法律〔障害者自立支援法、現在は障害者総合支援法〕では(施設以外の)介助については「居宅介護事業」(「身体介護」「家事援助」「通院等介助」と分けられる)と「重度訪問介護事業」という分類になった。「重訪」などど呼ばれる後者が、常時介助を要する重度の人についての制度ということになり、この制度を使える人はそれを使っている。いくつかの種類の加算があるなど複雑で、年によっても変動があるが、通常二〇〇〇円を切る額が事業所に渡る。諸経費を差し引き、介助者に渡るのは一〇〇〇円を少し切るかそれをいくらか上回るかといったところ。加算が着く場合等では一五〇〇円かそれをすこし上回ることもある。この事業所に渡る時間あたりの金額は介護保険の場合の「ざっと」半分。だからそれだけ経営は厳しいのだが、次の注にも述べるように介護保険の訪問介護が短時間であるのに対して、「重訪」は長時間の利用を想定しているため、そうした利用者が一定以上いる場合には「それなりに」運営していけるとも言える。また介護保険と(一〇一二年度までは)自立支援法の両方のサービスを提供している事業所も、片方のところもある。CILの多くは、他の仕事(cf.注3)に関わる予算が少ない中で、介助派遣の収入で経営を維持しており、その部分に労力を割かねばならないようだ。始まったばかりの研究として白杉[2010][2011]。」(立岩[2012:602-603])

 「どう考えればよいか。基本的なことは前章で述べた。必ず資源の制約が持ち出される。しかし介護保険なら、限られた年代の人たちからの、一人ずつ同じ額の、ごくわずかな保険料を半分の財源として始めたこと自体が間違っていると言わなければならない。それに乗ればできることができないように見えてしまう。しかし、基本的には資源も財源も現にあるしこれからもあると答えるしかない。人がいることは前章で述べた。にもかかわらずそこに制約があるかに見える理由も述べたし、どうすればよいかも基本的なことは述べた。査定が必須でないことも、財源は累進的に徴集されるべきことも述べた。それらを、さらにそれに加えて言うべきことを言い続けねばならない★16。」(立岩[2012:602-603])

 「★16 例えば、介護保険の機構では、短時間の訪問介護を巡回して行うことが前提になっている。その時間単価をそのまま積算し二四時間にすればそれはたしかに相当の額になる。ただ長時間の滞在型の場合には計算も異なってくる。実際その額は低く抑えられているし、抑えられすぎているのだが、少なくとも介護保険の単価をそのままかけた額が必要なわけではない。このことは効率的であるとして採用されている巡回型の仕組みが――それで必要がみたされるのであればその分にはかまわないとして――必ずしも効率的でないことを示しているのでもある。」(立岩[2012:603])

■関連する文章・催等

◆2017/08/05(土)〜06(日)重度訪問介護従業者養成研修
 於:京都、会場予定:立命館大学衣笠キャンパス
 申込→http://www.unikyoto.com/juho/
 受講料:10,000円(学生5,000円)主催:NPO法人ある  協力:NPO法人スリーピースNPO法人ゆに

◆2017/06/25(土)〜26(日)重度訪問介護従業者養成研修
 於:京都、会場予定:立命館大学衣笠キャンパス
 申込→http://www.unikyoto.com/juho/
 受講料:10,000円(学生5,000円)主催:NPO法人ある  協力:NPO法人スリーピースNPO法人ゆに

◆2016/06/25(土)〜26(日)重度訪問介護従業者養成研修
 於:京都、会場予定:立命館大学衣笠キャンパス)
 申込→http://www.unikyoto.com/juho/
 受講料:10,000円(学生5,000円)主催:NPO法人ある  協力:NPO法人スリーピースNPO法人ゆに

◆2016/04/17 「障がいをもつこと、老いること――障害者の自立支援と「65歳」問題(介護保険優先の規定)」
◆立岩真也 2016/04/17 「障害者の自立支援と<65歳>問題」
 於:神戸市

◆厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部 企画課長・障害福祉課長→各都道府県 障害保健福祉主管部(局)長 2012/03/30 「障害者自立支援法に基づく自立支援給付と介護保険制度との適用関係等について」 [PDF]
 ※ 介護保険受給資格者であっても介護保険のサービスを一律に自立支援法のサービスに優先させないとの通達
 「サービス内容や機能から、障害福祉サービスに相当する介護保険サービスがある場合は、基本的には、この介護保険サービスに係る保険給付を優先して受けることとなる。しかしながら、障害者が同様のサービスを希望する場合でも、その心身の状況やサービス利用を必要とする理由は多様であり、介護保険サービスを一律に優先させ、これにより必要な支援を受けることができるか否かを一概に判断することは困難であることから、障害福祉サービスの種類や利用者の状況に応じて当該サービスに相当する介護保険サービスを特定し、一律に当該介護保険サービスを優先的に利用するものとはしないこととする。」
◇厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部 企画課長・障害福祉課長→各都道府県 障害保健福祉主管部(局)長 2012/03/30 「「障害者自立支援法に基づく自立支援給付と介護保険制度との適用関係等について」の一部改正について」  [PDF]

◆2015/07/07 (厚生省)「常時介護を要する障害者等に対する支援について」
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000091250.pdf
 ※制度とその供給・利用の実態について概観できます。

寺本 晃久岡部 耕典・末永 弘・岩橋 誠治 20151031 『ズレてる支援!――知的障害/自閉の人たちの自立生活と重度訪問介護の対象拡大』,生活書院,375p. ISBN-10:4865000453 ISBN-13:978-4865000450 2300+ [amazon][kinokuniya] ※ i01

介護保障を考える弁護士と障害者の会全国ネット

自薦ヘルパー(支援費支給方式)推進協会
 ※たいへん古い情報だけです。

「難病」支援者と障害者運動・政策との接点のなさについて


◆立岩 真也 20041115 『ALS――不動の身体と息する機械』,医学書院,449p. ISBN:4260333771 2940 [amazon][kinokuniya] ※
◆安積 純子・尾中 文哉・岡原 正幸・立岩 真也 20121225 『生の技法――家と施設を出て暮らす障害者の社会学 第3版』,生活書院・文庫版,666p. ISBN-10: 486500002X ISBN-13: 978-4865000023 [amazon][kinokuniya] ※

『ALS――不動の身体と息する機械』表紙    『生の技法――家と施設を出て暮らす障害者の社会学』    『在宅人工呼吸器ケア実践ガイド――ALS生活支援のための技術・制度・倫理』表紙


UP: 2016 REV:20160302, 0516, 0625, 20161001, 16
介助・介護  ◇障害者と政策  ◇病者障害者運動史研究 
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