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支援費・ホームヘルプサービス上限問題に関する報道

支援費・ホームヘルプサービス上限問題
文書等
自治体からの要望書
新聞社説

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last update: 20131011


■2003/01/10

◆2003/01/10 2:57 「支援費制度:障害者のヘルパー利用時間に上限 厚労省が一転」
 『毎日新聞』2003-01-10
 http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20030110k0000m040158000c.html
 「行政が決めていた障害者福祉サービスを4月から障害者自身が選べるように改める「支援費制度」について、厚生労働省が身体・知的障害者が受けるホームヘルプサービスの時間数などに「上限」を設ける検討を始めていることが分かった。厚労省はこれまで、「障害者に必要なサービスを提供する」との考えに基づき、時間数に上限を設けないよう地方自治体に指導してきた。制度導入目前の大きな方針転換に、障害者団体は強く反発している。
 関係者によると、身体障害者が受けるホームヘルプサービスは月120〜150時間程度、知的障害者が受けるホームヘルプサービスは重度が月50時間、中・軽度が月30時間程度の上限を設定するなどの案が浮上している。これが実現すると、全面介助が必要な身障者でも、原則1日4〜5時間程度しかサービスを受けられなくなる。
 現在行われている障害者福祉サービスは、市町村が利用者を特定し、サービス内容を決める「措置制度」。厚労省は旧厚生省時代から全国の都道府県の担当者会議などで、サービスの時間数については上限を定めないよう、指導を続けてきた。
 昨年末に発表された新障害者基本計画は、入所施設偏重から地域生活への転換が明示されており、支援費制度も障害者の地域生活を重点目標として導入される。特に、ホームヘルパーは地域生活を支える根幹の制度で、同省は最近まで一貫して「上限は設けない」と説明してきた。
 厚労省障害保健福祉部は「支援費制度の開始でサービスの需要が増えることが予想され、無制限に支援費を出して予算をパンクさせるわけにもいかない。目安としての上限を設けることを検討しているが、具体的なものはまだ白紙段階だ。28日に開催予定の全国担当者会議までに、結論を出したい」と説明している。 【須山勉】

◇ことば◇支援費制度
 身体・知的障害者の自立と社会参加を促すため、都道府県が指定する事業者から障害者自身が必要な福祉サービスを選んで契約し、国や地方自治体が必要な額を「支援費」として支給する新しい制度。4月からの導入に向け、支給申請の受け付けが市区町村で始まっている。厚生労働省の調べでは、利用見込み者数はホームヘルプサービスなどの居宅支援が約20万8000人、施設支援が約21万3000人。

◇地域で暮らせぬ
 北野誠一・桃山学院大教授(障害者福祉論)の話 重度の身体障害者の中にはホームヘルパーの援助で地域生活をしている人が大勢いる。これから地域生活が本格化しようとしている知的障害者にとってもヘルパーは何よりも重要な制度だ。それに上限を設けたら、障害者は地域で暮らせなくなる。何のための支援費制度なのかもう一度ゼロから考え直さなければならない。これまで上限を設けずにやってきた障害者福祉の歴史を踏みにじる行為で容認できない。
◇怒りを禁じ得ぬ
 知的障害者の家族らで作る「全日本手をつなぐ育成会」松友了常務理事の話 知的障害者に必要なのはモノではなく人の支え。ホームヘルパーこそ、地域生活をする上で最も重要な制度の一つだ。身体障害者に比べ、知的障害者へのヘルパー制度は2年ほど前に始まったばかりで、県や市町村が消極的なこともあり、十分普及しているとは言えない。支援費制度の導入に伴い、これから充実させていこうという矢先のことで怒りを禁じ得ない。
◇福祉の破たんに近い
 重度障害者の地域生活支援施設「青葉園」(兵庫県西宮市)元所長の清水明彦さんの話 これまで国は、福祉サービスの供給量に上限を設けるなと指導してきたのに、今になって何を言うのかと思う。障害者一人一人の生き方に応じたサービスを誠実に考えてきた自治体、事業者をばかにしている。財政が厳しい状況は分かるが、もし上限設定を実施すれば、地域で生きていけなくなる障害者も実態として出てくる。そうなれば、日本の福祉の後退というより、破たんに近い。
◇自立の流れに逆行
 NPO法人「自立生活企画」(西東京市)の益留俊樹代表の話 障害者の社会参加、自立という流れに、まったく逆行する動きだ。支援費制度が導入されても、現在サービスを決定している区市町村の予算は、大きくは増えないと思う。そうした中、国が上限を設定すると、自治体側がこれを盾に取って、サービスの時間を減らしてくるだろう。14日に厚労省で抗議行動をすべく、全国の障害者団体に呼びかけている。」
[毎日新聞1月10日] ( 2003-01-10-03:01 )

 
 

■2003/01/14

◆2003/01/14 21:54 「障害者団体:「支援費制度」で局長交渉へ 「上限」撤回求める」
 『毎日新聞』2003/01/14
 http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20030115k0000m040115000c.html

 4月にスタートする障害者の「支援費制度」で、厚生労働省がホームヘルプサービスの時間数に「上限」を設ける検討をしていることについて、全国の障害者団体の代表ら約400人が14日、厚労省に詰めかけ、撤回を求めた。担当課長との交渉は6時間近くに及んだが、結論は出ず、15日に河村博江社会・援護局長と改めて交渉することになった。障害者団体が担当課長と交渉して結論が出ず、局長交渉にまで発展するのは異例。
 交渉では、厚労省障害保健福祉部の担当課長が、支援費制度でサービスの需要が増えると予想される一方、国が出す補助金に限り(280億円)があることなどから、実施主体の各市町村に対し、障害の類型に応じてホームヘルプサービスの時間数か金額の「上限」を示す検討をしていると説明した。
 障害者側は「多くのサービスを必要とする重度の障害者から補助を削るのか」「需要が増える根拠を示せ」と猛反発。上限の撤回を求めたが、担当課長らは決定権がないことを理由に拒否。さらに、国は補助金は出すが、残りは自治体の責任でやる事業という趣旨の発言をしたため、「責任放棄だ」と批判が噴出した。
 障害者らは同省幹部との交渉を求め、大臣室のある10階に殺到するなど、省内は一時騒然となったが、最後に担当課長らが発言を謝罪し「みなさんが大変な不安を持っていることは分かったので、あす引き続き協議させていただきたい」などと述べたため、交渉を打ち切った。 【須山勉】
[毎日新聞1月14日] ( 2003-01-14-21:57 )

 
 

■2003/01/16

◆2003/01/16 11:31 「<障害支援費上限>身障者ら1000人が厚労省前で抗議」
 『毎日新聞』
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030116-00001020-mai-soci

 「4月にスタートする障害者の「支援費制度」で、厚生労働省がホームヘルプサービスの時間数に「上限」を設ける方針を示していることについて、全国の身体・知的・精神障害者ら約1000人が16日午前、東京・霞が関の同省周辺に集まり、方針撤回を求めた。立場の違う障害者団体が1000人規模の共同行動を取るのは初めて。同省周辺で大規模な集会が開かれるのは、95年7月に薬害エイズの抗議で約3000人が旧厚生省を囲んだ時以来という。
 障害者側は当初、全員が厚労省1階ロビーに集まる予定だったが、混乱が予想されたため、同省周辺の路上などで、方針撤回を訴えた。知的障害者を支援する「全日本手をつなぐ育成会」の鈴木伸佳さんは「厚労省は、障害者が生活する場を施設から地域へ移す理念を示しているのに、それに見合うお金はつけておらず、まだ施設偏重のハコモノ意識から抜け出せていない」と話していた。」
 厚労省は限られた補助金を地方自治体に公平に配分するとの理由で、障害者が受けるホームヘルプサービスの利用時間などに基準を定め、補助金の配分額を算定する方針。障害者側は「基準を盾に現行のサービス量を削る自治体もあるはずで、基準は事実上の『上限』だ。サービスは減らさないというこれまでの厚労省の説明は何だったのか」と強く反対している。 【須山勉】」
毎日新聞 1月16日11時31分更新

◆2003/01/16 「ホームヘルプサービス、利用基準額設定へ厚労省方針転換」
 『産経新聞』2003/01/16朝刊

 「障害者が自分でサービスを選べる「支援費制度」が今年四月から実施されるが、厚生労働省は十五日、同制度のホームヘルプサービス利用に基準額を設けることを明らかにした。昨年末まで基準額設定に否定的だった同省の突然の“方針転換”に障害者団体は反発している。
 現在検討中のホームヘルプ利用基準案では、脳性まひや四肢まひの全身性障害者は月百二十時間、それ以外の身体障害者は月三十時間、視覚障害者と知的障害者は月五十時間を利用の基準として設定する。この基準に基づき、利用申請があった障害者の人数とサービス単価を乗じた額の二分の一を地方自治体に補助する仕組みだ。
 自治体内で、一人のサービスが基準内であれば、余った補助金を基準を超える別の障害者に振り分けることは認められている。だが、すべての補助金を使い切ると、それを超えるサービスは自治体負担となる。
 しかし、全身性障害者の利用基準が月百二十時間とすれば、利用時間はわずか一日四時間。財政状況が厳しい自治体にとって、単独負担は難しくサービスを国の補助金内で打ち切り、サービス低下につながる懸念も出ている。
 障害者の当事者団体で構成する支援費制度全国緊急行動委員会は、「サービスは量的に確保されないと生活できない。このままでは生活の質を落とさざるを得ない」と基準の見直しを訴えている。」

◆2003/01/16 14:33 「障害者千人「ホームヘルプ補助金上限」に抗議行動」
 『読売新聞』
 http://www.yomiuri.co.jp/04/20030116i407.htm
 「障害者がサービスを自由に選べる「支援費制度」が4月に始まるのを前に、全国の障害者ら約1000人が16日、東京・霞が関の厚生労働省や周辺の路上などで、抗議行動を行った。障害者が自宅で生活するのを支援するホームヘルプについて、同省が補助金に上限を設ける方針を示しているため。
 ホームヘルプは市町村が実施し、国は市町村の見積もりに応じて予算の枠内で費用の半額を無制限で補助している。だが、障害者がサービスを選べる支援費制度では、需要が爆発的に増えて予算がパンクしかねないため、同省は、四肢まひなど重度の障害者は月120時間まで、などと、上限を設けることにしている。」
(1月16日14:33)

◆2003/01/16 19:42 「障害者1000人が厚労省前で緊急集会 支援費問題」
 朝日ライフラインNEWS
 http://www.asahi.com/national/update/0116/041.html
 「4月から始まる障害者の「支援費制度」で、厚生労働省がホームヘルプ利用時間数の基準を定める方針を示したことについて、事実上の利用上限になると反発する身体・知的障害者団体の関係者ら約1000人が16日、同省前で撤回を求める緊急集会を開いた。日本身体障害者団体連合会や全日本手をつなぐ育成会などが呼びかけた。
 並行して行われた交渉で、厚労省側は、基準は市町村に補助金を配分する算定根拠に過ぎないと説明。しかし、障害者団体はどんな名目であれ、利用の上限になり福祉の後退につながるとし、双方の言い分はかみあわなかった。障害者団体側からは「国との信頼関係は崩れた」と厳しい声が相次いだ。来週にも再交渉する方向で調整している。」
(19:42)

◆2003/01/16 20:34 「ホームヘルプサービス:時間数の上限、障害者と協議へ 厚労省」
 『毎日新聞』HP 2003/01/16 20:34
 http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20030117k0000m040115000c.html
ホームヘルプサービス:時間数の上限、障害者と協議へ 厚労省

 4月にスタートする障害者の「支援費制度」で、厚生労働省がホームヘルプサービ
スの時間数に「上限」を設ける方針を示していることについて、同省は21日に開く
都道府県の担当部長会議では「上限」を示さず、引き続き障害者側と協議する方針を
決めた。20日に同省の上田茂・障害保健福祉部長が障害者団体の代表と会う。
 「限られた補助金を自治体に公平に配分する」との理由から、厚労省は障害者が受
けるホームヘルプサービスの利用時間などをもとに交付基準を決め、21日の担当部
長会議で示す予定だった。
 しかし、障害者側は「交付基準は事実上の『上限』で、障害が重い人から必要な
サービスが削られる」と猛反発。14日から3日連続で同省と交渉し、16日にはこ
れまでで最多の1000人以上が集まった。
 対応した障害保健福祉部の足利聖治・企画課長は「21日の部長会議では、基準を
決定するとは言わず、引き続き議論しているということにとどめます」と約束した。
一方「国の補助金を市町村予算に組み込むリミットが近づいている」とも述べ、近く
何らかの基準を示す姿勢は崩さなかった。
 この問題について、同省の沢田陽太郎事務次官は16日の定例会見で「お互いにこ
ういう事態は残念で、信頼関係を作っていくべきだ。担当者を督励したい」などと述
べた。 【須山勉】
[毎日新聞1月16日] ( 2003-01-16-20:34 )

 
 

■2003/01/17

◆2003/01/17 13:18 「障害者支援費:「上限」白紙撤回求める 協議会代表」  『毎日新聞』2003/01/17夕刊  http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/ 20030117k0000e040076000c.html

 4月にスタートする障害者の「支援費制度」で、厚生労働省がホームヘルプサービスに関する補助金を配分する際、サービスの時間数に一定の基準を定めようとしていることが障害者の猛反発を招いている問題で、坂口力厚労相は17日の閣議後会見で「(障害者と厚労省は)お互いに理解できていると聞いている」などと述べた。全国自立生活センター協議会中西正司代表は「大臣の発言を聞く限り、厚労省の担当者が交渉の経緯をきちんと伝えているとは思えない。『上限』設定の白紙撤回を求めていく」と話している。
 また、国が示すサービス時間数の基準が事実上の「上限」になるという批判に対し、坂口厚労相は「補助金の配分には何らかの基準が必要だ。その使い方は市町村に委ねるが、基準以上のサービスが必要と判断すれば、自治体独自で予算を上乗せしておやりになる所は出てくると思う」と述べた。 【須山勉】
[毎日新聞1月17日] ( 2003-01-17-13:21 )


 
 

■2003/01/19

◆2003/01/19 03:07 「<障害者支援費>東京都が上限反対の要望書 「地方に負担強要」」
 毎日新聞ニュース速報
 http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20030119k0000m040113000c.html

 4月にスタートする障害者の「支援費制度」をめぐり、厚生労働省がホームヘルプサービスへの補助金配分の際、サービスの時間数に基準を定めようとしている問題で、東京都は一律の上限設定をしないよう求める要望書を同省に提出した。千葉、埼玉、神奈川の3県も同様に要望する方針で、これまで高水準のサービスを提供してきた大都市部の自治体を中心に「上限」に反対する動きが広がりそうだ。
 都福祉局は「国の補助金の上限設定は、財政が厳しい地方自治体に負担を押し付けるものだ」として15日、要望書を提出した。「上限の設定は、障害者に対する利用時間の制限と同じ意味を持つ。現在、提供しているサービスの水準が維持できなければ、支援費制度の根幹を揺るがす深刻な問題だ」と指摘している。
 同局によると、同省の方針通り補助金の基準が設定されると、脳性まひなど全身性障害者が利用するホームヘルプサービスを実績で計算した場合、都全体で年間7億〜8億円が不足するという。
 同局の高原俊幸在宅福祉課長は「これまでの水準を下げることは難しく、地方がかぶらざるを得ない。制度開始直前にこのような方針を出されるのは遺憾だ」と話している。
 【小平百恵】

◆2003/01/19 「障害者ホームヘルプに上限 都、厚労省に反対」
 『朝日新聞』2003/01/19(大阪本社版 14版では2面)

 今年4月からの障害者福祉サービスの新しい仕組み「支援費制度」で、厚生労働省がホームヘルプサービスの補助金交付にからみ利用時間に基準を設定しようとしている問題で、東京都は18日までに「負担を地方にしわ寄せするもので、実質的には障害者に対する利用制限。制度の根幹を揺るがす深刻な問題だ」として一律の基準を設定しないよう求める文書を同省に提出した。  都は現在、脳性マヒなど全身性障害者のヘルパー派遣で1人月240時間程度を認めている。しかし国が検討している基準は120時間に過ぎない。基準設定をめぐっては、全国の障害者団体が「実質的な上限だ」と強く反発している。全国最大の自治体の東京都が、障害者団体と同じく基準設定に反対する姿勢を明確にしたことで、同省と自治体がこの問題を協議する21日の全国担当部局長会議での議論にも影響を与えそうだ。
◆2003/01/19 「障害者の支援費 福祉サービス後退は許せない」
 『新潟日報』2003年1月19日(日)社説
 http://www.niigata-nippo.co.jp/column/index.asp(→「社説 日付検索」)

 
 

■2003/01/20

◆2003/01/20 「障害者支援費制度で国の方針批判 定例会見で滋賀県知事」
 京都新聞 Kyoto Shimbun 2003.01.20 News
 http://www.kyoto-np.co.jp/kp/topicd/a022003jan/20/W20030120MWA1S000000081.html

 「滋賀県の国松善次知事は20日の定例記者会見で、4月から始まる障害者支援費制度で、国が、在宅介護に関する市町村への補助金の配分に一定の枠を設ける方針を示していることに対し、「利用時間に上限が設けられることになり、問題だ」と批判した。
 同制度は、これまでのサービスの現物給付から、障害者が事業者に払う利用料の補助、という形に変わる。国は、市町村に払う在宅介護の補助金に関して、最近になって、計画当初にはなかった枠を設ける方針を打ち出した。その結果、サービスの利用時間が制限されるとの懸念が出ている。
 国松知事は「制度は元々、サービス利用の上限をなくすのが狙い。これまでの話と違う」と、国を批判。また、これまで国の補助金だけで行われてきた障害者の相談支援事業費についても「身体障害者は市町村、知的障害者は県の財源、と分けているのはおかしい。(サービスの実施主体である)市町村に一元化すべき」と述べた。
 このほか、17日に淀川水系流域委員会がまとめた提言で、生態系に配慮した琵琶湖の水位操作をうたっていることに対し「(提言通り)操作を改めてほしい」と注文をつけた。」

 
 

■2003/01/21

◆2003/01/21 「障害者支援費制度 補助金「交付基準」巡り混乱」
 『日本経済新聞』2003年1月21日(火)朝刊 14版 34面

 「障害者が福祉サービスを選べる支援費制度が四月から始まるのを前に、制度の根幹となる訪問介護の予算配分を巡って混乱している。厚生労働省は「利用が増え、予算が不足する」と補助金の交付基準を設定する方針を固めたが、障害者側は「利用の上限になる」と猛反発、自治体からも「負担増だ」と反対意見が出ている。同省は二十一日の全国担当部長会議で説明する予定だが、障害者側は「もっと時間をかけて検討するべきだ」と反発を強めている。

厚労省 予算不足になる恐れ 障害者 「利用上限に」と反発

 厚労省が検討しているのは訪問介護(ホームヘルプサービス)事業費約二百七十七億円の交付基準だ。訪問介護は施設に偏っていた障害者を地域社会で暮らせるようにする新制度の中心的な事業で、緊縮財政の中、昨年末に来年度予算で前年度比一四・五%増の大幅な伸びが認められた。
 ところが厚労省障害保健福祉部の足利聖治企画課長は「予算が足りなくなる可能性がある」と不安を訴える。新制度では自分でサービス内容や業者を選べ「これまで措置を受けていなかった多くの障害者が支援費の支給を申請する」(足利課長)とみているためだ。
 そこで例えば、実態調査を基に脳性マヒなど全身性障害者は「月百二十時間」など障害ごとに平均利用時間を算出して、市町村への交付基準にしようとしている。
 身体障害者福祉法などでは、国の補助率は「二分の一以内を補助できる」と規定。利用者が予想を超えて新制度で予算が足りなくなれば、補助額を「三分の一」「四分の一」など一律にカットできるが、同省は「自治体の格差や、障害ごとの状況を反映できない」と交付基準の必要性を説明する。
 東京都では全身性障害者の訪問介護について月約二百四十時間まで認めていたが、交付基準が月百二十時間になると、二分の一だった国の補助率が実質的に四分の一に減ってしまい、残りは自治体の"持ち出し"に。都は全身性障害者の訪問介護に年間十二億円余りを出していたが、「さらに七億円の負担増になるかも」(福祉局在宅福祉課)と試算する。
 交付基準について都は十五日、「ホームヘルプサービスの充実にかかわる負担を地方にしわ寄せするもの」と指摘し「支援費制度の根幹を揺るがす深刻な問題」として国庫補助金の一律的な上限を設定しないように求める要望書を厚労省に提出した。
 「予算配分の問題と使い方の問題は別」。坂口力厚生労働相は十七日の閣議後の記者会見で「予算はあらかじめ決まっている。足りない分は市町村にやってもらわなけれ一ばならない」と理解を求める。だが障害者らの不安を和らげるため、同省は急激に補助金が減らないような方法(激変緩和措置)やほかの事業で余った予算を振り分ける方針を二十一日の会議で明らかにする。
 全国自立生活センター協議会の中西正司代表は「現状の交付の仕組みで不都合はないと思うが、訪問介護の交付基準について障害者を交えて検討会を設置するべきだ」と訴えている。

訪問介護の事業者増へ 利用も大幅増見込む

 厚生労働省によると、身体障害者で訪問介護事業を利用しているのは四万八千五百十五人(昨年一月現在)で、在宅の身体障害者約三百二十五万人の一%余りにとどまる。支援費制度では身体介護の単価(一時間)が三千七百四十円から四千二十円に引き上げる予定で、現行の介護報酬と同じになるため、サービスを提供する事業者が増加するとみられる。同省は昨年十月時点で新制度によって選択肢が広がり、訪問介護などの居宅支援を受ける身体障害者は約十万人に達すると見込んでいる。」

◆2003/01/21 「障害者を”閉め出し” 厚労省の支援費説明会「傍聴許可すれば混乱」」  『毎日新聞』2003/01/21夕刊:9
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030121-00001025-mai-soci

<厚労省>障害者支援会議の傍聴認めず 「混乱が生じる」

 「厚生労働省は21日、省内で、都道府県の担当部長らが参加する「全国厚生労働関係部局長会議」を開いたが、一般の傍聴を認めなかった。これまでは公開しており、異例の対応。4月に始まる障害者の「支援費制度」で、同省がホームヘルプサービスへの補助金を市町村に配分する際、サービスの時間数をもとに基準を定めようとしていることに障害者団体が反発しており、「傍聴を許可すると、混乱が生じる恐れがある」(同省障害福祉課)と説明している。
 会議は午前10時に同省講堂で開会し、午後3時から社会・援護局が支援費制度に関する説明を行う予定。傍聴を希望していた「全国自立生活センター協議会」の中西正司代表らによると、20日になって同課から電話で「こういう事態なので、今回の傍聴は職員と報道関係者に限る」と連絡があったという。
 会議資料については希望者に配布されるが、中西代表は「代表者も含めていっさい傍聴はできないのは異例で、悲しい状況だ」と話している。厚労省には連日、障害者が抗議に訪れており、16日には1000人以上が集まった。このため、同省は現在、出入口の一部を閉鎖するなどの特別警戒を行っている。
 厚労省は28日の全国関係主管課長会議で、補助金配分の基準案を示す方針。全国の障害者団体は基準の設定自体には反対していないが「ホームヘルプサービスの時間数を元にした補助金の配分基準は、市町村が行うサービスの『上限』になりかねない」と強く抗議している。【須山勉】」(毎日新聞)

◆2003/01/21 20:57 厚労省:障害者支援費制度説明、自治体の質問5分で打ち切り
 毎日新聞ニュース速報
 http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20030122k0000m040109000c.html

 「厚生労働省は21日、都道府県の担当部長らを集めて「全国厚生労働関係部局長会議」を開いた。障害保健福祉部の職員が、4月から障害者の「支援費制度」でホームヘルプサービスの補助金を自治体に配分する際の基準を設ける考えなどを40分以上にわたり説明したが、都道府県からの質問は1人しか受け付けず、5分で打ち切った。
 補助金の配分基準について、同省は全身性障害者の場合、1人当たりのサービス量を月120時間までとすることなどを検討中で、基準を超えたサービスは自治体の財源でまかなうべきだとしている。これに対し、障害者側は「財政難の自治体が多い中、基準はサービス利用時間の『上限』につながる」と抗議活動を続けている。
 部局長会議はこれまで一般傍聴が認められていたが、この日は「混乱の恐れがある」として非公開となった。同省は会議で、配分基準を設ける理由として、(1)自治体によってホームヘルプサービスの利用実態にばらつきがあり、公平な配分が必要(2)サービスの需要増で、補助金の予算(290億円)が足りなくなる恐れがある――を挙げた。
 質疑では、東京都の高原俊幸・在宅福祉課長が「利用実態にばらつきがあるのは、サービスの充実に努めてきた自治体があるということ。そういう自治体への補助金を、水準が十分でない自治体に配分するという考えか」とただした。
 同省の上田茂・障害保健福祉部長は「配分基準は取り組みが遅れている自治体の目標になる」などと答えた。ほかにも複数の都道府県担当者が発言を求めて挙手していたが、司会役の職員が「時間の関係で」と会議終了を宣言した。
 手を挙げていた神奈川県の鈴木健一・障害福祉課長代理は「今後のホームヘルプサービスの進め方をお聞きしようと思っていたのですが……」と苦笑していた。【須山勉】」
[毎日新聞1月21日] ( 2003-01-21-21:01 )

◆2003/01/21 19:53 「障害者福祉サービス 「時間上限設定に反対」−−県内3団体、要望書提出 /三重」
 毎日新聞 三重ニュース
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030121-00000006-mai-l24

 行政が決めていた障害者福祉サービスを4月から障害者自身が選ぶようにする「支援費制度」で、厚生労働省がホームヘルプサービスの時間に上限を設けることを検討している事態を危ぐし、重度障害者や支援者らでつくる県内3団体がこのほど、時間上限を設けないよう求める要望書を、県内各政党や厚労省に提出した。
 要望したのは、「自立生活センター津」(大田真也代表)、「ボランティアサークル プラスワン」(松田慎二代表)、「津チャレンジネットワーク」(多賀輝宏代表)。
 3団体は「多くの障害者が、今後のホームヘルプ利用に強い不安を感じている。上限が設けられれば、私たち障害者にとって死活問題になる」と不安を訴える。要望書では、時間上限を設けないよう求めるとともに、一部自治体で実施されている24時間滞在型介護保障の制度を、国内全自治体で導入するよう推進することなどを求めた。【荒川基従】(毎日新聞)
[1月21日19時53分更新]

◆2003/01/21 「サービス時間制限案が浮上 障害者団体、知事に「反対」の申し入れ /静岡」
 http://www.mainichi.co.jp/universalon/clipping/200301/287.html

 「県内の障害者団体は20日、身体・知的障害者が受けるホームヘルプサービスの時間数などに上限を設ける案が浮上しているため、石川嘉延県知事に県として厚生労働省に反対するよう申し入れた。
 同省はこれまで、上限を設けないよう地方自治体に指導してきた。だが、障害者の福祉サービスが4月から障害者自身が必要なサービスを選んで事業者と契約し、国や地方自治体が必要な額を支援する「支援費制度」に変わるのに伴い、上限を検討していることが明らかになった。障害者団体は「上限ができたら地域で暮らせなくなる。(上限は)施設で暮らせというのと同じこと」と反発している。」
[毎日新聞 2003年1月21日]
 
 

■2003/01/22

◆2003/01/22 「障害者反発 訪問介護補助に一律基準案 利用者の視点で再考を」(解説)
『読売新聞』2003/01/22東京朝刊 解説 13頁 1244字 05段

◆2003/01/22 「支援費の上限設定で抗議 県内の障害者団体」
 『神戸新聞』2003/01/22
 http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sougou/030122ke92790.html

 「障害者が福祉サービスを選べる「支援費制度」が四月から導入されるのを前に、ホームヘルプサービスの利用時間に上限を設けることを厚労省が検討しているとされる問題で、県内でも障害者団体が反発を強め、二十一日、神戸・三宮で署名活動に乗り出した。一方、霞が関の同省周辺では連日、障害者らが「サービス削減につながる」と抗議し、同省が玄関を封鎖して厳重警備する事態が続いている。
 同制度について同省が市町村への国庫補助金の交付基準を検討していることが明るみに出たのが発端で、「事実上の利用制限」として反発は全国に広がっている。
 県内では、神戸市内の七つの障害者団体が二十日「障害者支援費緊急委員会」を設立。二十一日の署名はこれを受けたもので、三宮センター街で障害者や介助ボランティア約五十人がビラを配布。同省に抗議する署名を呼びかけた。
 同市兵庫区の自立生活センター「リングリング」の中尾悦子代表も車いすから呼びかけ、「二十四時間介助が必要な人もいるのに、今でも十四時間しか保証されていない。私たちにとってホームヘルプの介助は水や食べ物と同じ」と訴える。
 一連の動きに県障害福祉課も「市町の現状について情報収集しており、早急に対応を検討したい」としている。
 一方、坂口厚労相は二十一日の衆院本会議で「障害者個人に対するサービス支給量に上限を設ける趣旨ではない」と表明。事態収拾を図ったが、不信感を強める障害者団体は依然強硬姿勢で、与党内からも「反発の輪はさらに広がるだろう。春の統一選を前にまずい」(自民党幹部)と同省の不手際を批判する声が出始めている。
 公明党は厚労相に円満解決に努めるよう申し入れ、民主党は国会でこの問題を取り上げる構えだ。」

 
 

■2003/01/23

◆2003/01/23 「障害者支援費 厚労省は障害者の声を聞け」
 『毎日新聞』2003/01/23社説

◆2003/01/23 14:57 「障害者対策:厚労省、施設に50億円”補てん”ハコものに甘く」
 『毎日新聞』2003/01/23

◆2003/01/23 「ホームヘルプサービスの時間上限設定に反対 3団体が国に要 望書提出 /三重」
 毎日新聞「ユニバーサロン」「ニュースクリッピング」掲載記事
 http://www.mainichi.co.jp/universalon/clipping/200301/320.html

 「行政が決めていた障害者福祉サービスを4月から障害者自身が選ぶようにする「支援費制度」で、厚生労働省がホームヘルプサービスの時間に上限を設けることを検討している事態を危惧(きぐ)し、重度障害者や支援者らでつくる県内3団体がこのほど、時間上限を設けないよう求める要望書を、県内各政党や厚労省に提出した。
 要望したのは、「自立生活センター津」(大田真也代表)、「ボランティアサークルプラスワン」(松田慎二代表)、「津チャレンジネットワーク」(多賀輝宏代表)。
 3団体は「多くの障害者が、今後のホームヘルプ利用に強い不安を感じている。上限が設けられれば、私たち障害者にとって死活問題になる」と不安を訴える。要望書では、時間上限を設けないよう求めるとともに、一部自治体で実施されている24時間滞在型介護保障の制度を、国内全自治体で導入されるよう推進することなどを求めた。
【荒川基従】」
[毎日新聞 2003年1月23日]
◆2003/01/23 「厚生労働省に、支援費上限設定せぬよう要望書−−政令指定12市」
 毎日新聞「ユニバーサロン」「ニュースクリッピング」掲載記事
 http://www.mainichi.co.jp/universalon/clipping/200301/314.html

 障害者の「支援費制度」を巡り、国が検討するホームヘルプサービスの上限設定について、名古屋、横浜市など全国の政令指定都市12市は23日までに、上限を設けないよう求める緊急要望書を厚生労働省に提出した。
 要望書は、ホームヘルプサービス事業を「障害者の自立と社会参加を支える大黒柱の事業」と指摘し、「利用者に無用の混乱が生じない」よう、上限は設けないと自治体に指導してきた同省の「従来の方針を踏まえてほしい」と要望している。今回の上限設定は自治体に知らされずに同省内で検討されたことから「運用の詳細もあらかじめ市町村に情報提供してほしい」と求めている。
 障害者向けホームヘルプサービス事業は名古屋市の場合、現行では最大で月約285時間(1日最大9時間半)利用できる。厚労省の検討内容は月120時間とするもので「現行のサービスを維持しようとすれば、残りは自治体の負担になりかねない」(名古屋市)と懸念が強まっている。東京都、大阪府は既に同省に同様の要望書などを提出。民主、共産党も緊急申し入れをしている。
【野倉恵】
[毎日新聞 2003年1月23日]


◆2003/01/23 「国に陳情の障害者、“門前払い”で体調悪化−−支援費の上限撤回 「混乱回避」理由にトイレ規制、人工ぼうこう“破裂”の人も」
 毎日新聞「ユニバーサロン」「ニュースクリッピング」掲載記事
 http://www.mainichi.co.jp/universalon/clipping/200301/313.html
 「4月導入の障害者の支援費制度を巡り、国が検討しているホームヘルプサービスの上限基準に障害者団体が反発している問題で、厚生労働省が「混乱回避」を理由に、陳情に来た重度障害者を門前払いにし、障害者の中に体調が悪化した人も出ていることが分かった。障害者団体側は「信頼関係を突き崩す対応」と批判している。
 体調が悪化した1人は、けいつい損傷で車椅子を使う名古屋市昭和区の大学3年、辻直哉さん(31)。全国厚生労働関係部局長会議が開かれた21日午前、厚労省を訪れ、庁舎1階裏口から入ろうとしたが、警備員に「車椅子の人は入れない」と止められ、身障者用トイレの利用を申し入れても押し出された。体温調節機能が十分働かず、3時間屋外にいて体温が35度まで下がり、声も出なくなったという。
 同日に庁舎周辺に集まった障害者は約400人に上ったが、同省は午前中、トイレの使用を1人ずつにしか認めなかった。人工ぼうこうを使う兵庫県西宮市の団体職員の男性(43)は尿をためる袋が満杯になり、破れてしまった。
 同省障害保健福祉部企画課は「混乱を避けるためのやむを得ない対応。トイレもその後は2人以上で入れるようにした」と説明する。
 一方、障害者本人で組織する団体「障害者インターナショナル」(DPI)日本会議の山田昭義議長は「障害者の声をないがしろにする姿勢そのものだ」と批判している。障害者本人が福祉サービスを選ぶ支援費制度では、同省がホームヘルプサービスへの補助金を市町村に配分する際、サービスの上限を検討しており、障害者側が白紙撤回を訴えている。【野倉恵】
[毎日新聞 2003年1月23日]

◆2003/01/23 「厚労省の支援打ち切り−−坂口さん、事業をなくさないでください ◇障害者、親の声1300通−−署名を添え午後に提出」
 毎日新聞「ユニバーサロン」「ニュースクリッピング」掲載記事
 http://www.mainichi.co.jp/universalon/clipping/200301/321.html

 地域で生活する知的障害児(者)やその家族を援助する「地域療育等支援事業(コーディネーター事業)」への補助金打ち切りを厚生労働省が先月、突然決定したことに対し、撤回を求める知的障害児やその親たちが、坂口力厚生労働相あてに書いた手紙やメールが3週間で1300通を超えた。22日午後、1万5200人分の署名とともに厚労相あてに提出する。
 「坂口厚労相にコーディネーターの大切さを理解してもらいたい」と、知的障害者団体が手紙やメールでの訴えを呼びかけていた。
 この事業はコーディネーターと呼ばれる専門職員が、地域で生活する知的障害児(者)や家族のさまざまな相談に応じ、解決を図るもので、96年度に始まった。「知的障害者の地域生活支援の要」といわれ、国が事業費の2分の1を補助してきた。障害者プランは人口30万人当たり2カ所の整備目標を掲げているが、3割以上の地域が未整備のままだ。
 同省は先月中旬に突然、来年度から事業への補助金を打ち切り、地方交付税での措置(一般財源化)を決めた。使い道が限られる補助金ではなく、地域の実情に応じて弾力的に事業展開できるよう、交付税化したなどと説明している。しかし、財政難の自治体が多く「交付税を別の目的に使う自治体が多いのでは」との危惧(きぐ)が広がっている。
【須山勉】
厚労相へ提出される手紙の一部は次の通り。
 ◆施設関係者
 「役所や施設は敷居が高いのです。身内や近所の民生委員さんには話しにくいのです。でも、誰かに聞いてもらいたいのです。支援の手を待っているのです。それが障害のある本人、家族の心情なのです。血縁関係のない、最も身近で相談しやすい専門家、それがコーディネーターなのです」
 ◆知的障害者
 「どうかコーディネーター事業をなくさないでください。僕は(療育)手帳の疑問があった。でも、解決したのは、コーディネーターの人だった。……役所は、相談しづらいし、相談は身近な場所がいいです。どうか、お願いします」
 ◆知的障害者の親
 「私は娘(重度の自閉症児)を入所施設に託したくはありません。生まれ育った環境の中で、いきいきとあたりまえに暮らしていってほしい。そのために不可欠な“人”の支援を奪い取らないで下さい」
 「事業のおかげで、どれだけ助かっているかわかりません。子供の状態が悪いとき、コーディネーターの支えがあったので、何とか乗り越えることができました。今も、学校へ来て下さっています。……これから、もっともっと伸びていくべき大切な事業です」
 「私は3人の子どもをもつ母親です。残念ながら3人とも障害をもっています。……事業がますます発展していくことを期待していた私には、この事実はこれからの生活の方向を失うことになるような気がします」
[毎日新聞 2003年1月23日]

 
 

■2003/01/24

◆2003/01/24 10:44 「障害者支援費:経過措置1〜2年 坂口厚労相 生活実態、調査も」
 『毎日新聞』2003-01-24夕刊(10:44)
 http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200301/24/20030124k0000e010029000c.html

◆2003/01/24 12:00 「障害者支援費、激変緩和の措置へ…坂口厚労相」
 『読売新聞』2003/01/24(12:00)
 「4月から始まる障害者福祉の支援費制度で、厚生労働省が補助金の配分に「上限」を設ける方針を示していることに障害者団体が反発している問題について、坂口厚労相は24日の閣議後会見で、「予算が足りなくなる自治体には経過措置を取り、障害者の方の生活の実態が変わらないようにしたい」と述べ、初年度は利用実績に応じた激変緩和措置を講じる方針を明らかにした。
 翌年度以降は、1年かけて訪問介護などの利用実態を調査したうえで、補助金配分に反映させるとしている。」
(1月24日12:00)
 (12:03「障害者支援費、激変緩和の措置へ…坂口厚労相」読売新聞ニュース速報:同文)

◆2003/01/24 13:47 「厚労相 障害者支援サービス削減に経過措置検討」
 NHKニュース速報

 坂口厚生労働大臣は、閣議後の記者会見で、今年四月から、障害者自らがホームヘルパーの派遣業者を選んで、経費の一部を国や市町村が負担する制度を導入する問題で、今よりサービスが削減されるという反対意見などに配慮して、何らかの経過措置を講ずる考えを示しました。
 障害者への福祉サービスについては、これまで、各市町村が、利用者の申請を受けて内容を決め、国が必要な経費の半分を交付してきましたが、今年四月からは、障害者自らが、ホームヘルパーの派遣業者と契約して、かかった費用の一部を自己負担し、残りの差額を国と市町村が補助する「支援費制度」が導入されることになっています。
 運用にあたって厚生労働省は、市町村への補助金を配分するための基準を設けることにしていますが、障害者団体からは「こうした基準を設けると、サービスの削減につながりかねない」とする反対意見も出ています。
 これについて、坂口大臣は、「障害者の支援体制は全国どこでも公平に行う必要があるので、基準を設けて、予算を配分しなければならない。ただ、結果として今よりも予算が削減される自治体が出てくると思うので、一、二年の経過措置をとって、障害者の生活の実態を変えなくてもいいように対応したい」と述べ、何らかの経過措置を講ずる考えを示しました。
[2003-01-24-13:47]

◆2003/01/24 21:54 「障害者支援費:自民が現行サービスを低下させないよう要望」  毎日新聞ニュース速報
 http://www.mainichi.co.jp/news/flash/seiji/20030125k0000m010140000c.html

 「4月に始まる障害者の「支援費制度」について、厚生労働省がホームヘルプサービスの補助金を自治体に配分する際の基準を設けようとしている問題で、自民党内閣部会・障害者特別委員会の合同会議は24日、現行サービスを低下させないことを原則とするよう厚労省側に求めた。八代英太・障害者特別委員長は「今後、1カ月おきに委員会を開催し、支援費制度の検証をしていきたい」と述べた。 【須山勉】」 [毎日新聞1月24日] ( 2003-01-24-21:57 )
 (毎日新聞ニュース速報[2003-01-24-22:03]:同文)

◆2003/01/24 「障害者支援――地域福祉の名が泣く」
 『朝日新聞』2003/01/24社説
 http://www.asahi.com/paper/editorial1.html

◆2003/01/24 「障害者支援費/「上限」設定すべきでない」
 『神戸新聞』2003/01/24
 http://www.kobe-np.co.jp/shasetsu/030124ja16990.html

◆2003/01/24 20:13 「ホームヘルプサービスの時間に上限設定 県が撤回要望方針 /奈良」
 毎日新聞 奈良ニュース
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030124-00000003-mai-l29

 「厚生労働省がホームヘルプサービスの時間数に「上限」を設ける方針を示していることについて、県「障害者」運動ネットワーク(藤本隆二代表)に加盟する県内の6団体は23日、「上限」に反対するよう県に要望。県は「反対の意思を伝えていきたい」と撤回を要望する方針を示した。
 厚労省はこれまで、自治体に対してサービス利用に上限を設けないよう指導してきた。しかし、4月から障害者自身がサービスを選べる「支援費制度」が始まることから、利用増加による予算不足が懸念され、自治体への補助金の交付基準を設定する方針を固めている。基準が設定されれば、それを超える場合は自治体が独自の予算で行わなければならず、「上限」となる可能性は大きい。
 藤本代表らは「施設から在宅へという流れの中で支援費制度がでてきたのに、本当に介護が必要な重度な障害者ほど、ヘルパーに来てもらえる時間が減らされてしまう。どうやって生きていけばいいのか」と訴えている。
 すでに東京都や大阪府など3都府県と12の政令指定都市が撤回を求める要望書を同省に提出。県福祉部の橋本弘隆部長は「国はこれまで限度は設定しないと言ってきたのに、突然、覆されても困る。近畿の各府県そろって何らかの形で意思を伝えていきたい」とし、撤回を求めていく考えを明らかにした。【辻中祐子】」(毎日新聞)
[1月24日20時13分更新]

◇2003/01/24 奈良県福祉部長→厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長
 「ホームヘルプサービスの国庫補助金にかかる緊急要望について」

◆2003/01/24 「1日4時間以上の訪問介護利用、全身障害者の2割強」
 『日本経済新聞』2003/01/24

 「脳性マヒなど全身性障害者の4人に1人が1日平均で4時間以上の訪問介護サービスを利用していることが23日、東京都八王子市内の自立生活センターの67人を対象に障害者団体が実施した調査で分かった。
 4月から始まる支援費制度で厚生労働省が検討している補助金の交付基準は「1日4時間」。訪問介護を受けている全身性障害者は全国に約1万人おり、こうした傾向が全国的なものだとすれば2000人以上が国の基準を超えてしまう計算になる。調査は「全国自立生活センター協議会」(中西正治代表)などが2000年6月に実施した。67人の月平均利用時間は74.1時間で、全国平均(71時間)と同じ水準だった。」

 
 

■2003/01/25

◆2003/01/25 「国の対応に障害者反発/ホームヘルプ上限検討」
 『琉球新報』2003/01/25
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030125-00000012-ryu-oki

[写真:ホームヘルプサービス利用の上限設定などについて抗議し、街頭で理解と支援を求める障害者ら=24日午後、那覇市泉崎の県民広場]

 4月から始まる障害者の新しい福祉サービス「支援費制度」に向けて、各市町村も昨年10月から障害者の受給申請を受け付けるなど、準備を進めている。しかし、その一方でホームヘルプサービスの時間上限を設けないように指導してきた厚生労働省が方針を180度転換し、利用制限につながる国庫補助による上限設定を検討していることなどが判明。障害者らが反発して抗議行動、県も「これまでの指導に逆行する」と国の対応に困惑している。
 支援費制度とは、これまで行政が事業者やサービスを決めていた「措置制度」に代わるもので、障害者自身が希望するサービスを選んで事業者と契約し、自己負担分を除いた利用料を行政側が支援費として補助する制度。
 同制度が障害者の在宅での自立を促しているだけに、身の回りの世話などをするホームヘルプサービスは、その中で重要な事業だ。しかし、厚労省は予算不足によるサービス打ち切りを防ぐため、同サービスの上限設定を1月初旬から検討している。身体障害の場合は、1日当たり4時間、1か月120時間程度の上限を設ける方針で、現在のサービス水準も維持できない懸念が出ている。障害者らは「重度の場合、身支度だけでも1、2時間かかるのにこれでは死活問題だ」と憤る。
 県障害保健福祉課は「障害者へのサービスの充実強化のためにも上限を設けないように厚労省からは指導があったのに、これまでの流れに逆行するもので指導に反する」と困惑する。22日、同事業に配慮を求める要望を文書で厚労省に出した。
 全国で抗議行動が相次ぐ中、県内の障害者ら約30人も24日、県や県議会に厚労省に上限設定を見直す要請を求め、那覇市泉崎の県民広場周辺で通行人にマイクやビラで訴え、理解と支援を求めた。
 行動を呼び掛けた県自立支援センター「イルカ」代表の長位鈴子(れいこ)さんは「サービスを自分で選択して生活するという素晴らしい夢を描いていたのに、上限が設定されるとは許せない。厚労省は障害者の実態を何も分かっていない」と憤りをあらわにした。(琉球新報)
[1月25日11時10分更新]

◆2003/01/25 00:30 厚労省庁舎を一時完全封鎖=補助金めぐる障害者の抗議活動で
 時事通信ニュース速報

 4月にスタートする障害者支援費制度をめぐり、補助金に上限を設定する方針を決めた厚生労働省に対して障害者団体が反発を強めている問題で、同省は24日夜、庁舎の全出入り口を約1時間にわたって完全封鎖した。
 同省は、庁舎前で抗議行動をしていた障害者や介護者が、さくを乗り越えて庁舎内に入ろうとするなど「不穏な状況にあった」と説明した。
[時事通信社]
[2003-01-25-00:30]

◆2003/01/25 00:45 厚労省庁舎が一時完全封鎖、障害者補助巡り対立
 読売新聞 1月25日0時45分
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030124-00000314-yom-soci

 「4月から始まる障害者福祉の支援費制度をめぐり、厚生労働省が補助金の配分に「上限」を設ける方針を示していることに障害者団体が反発している問題で、24日午後8時前から約20分間、同省などが入る東京・霞が関の中央合同庁舎5号館の出入り口が完全に封鎖される騒ぎがあった。
 庁舎出入り口周辺で抗議行動を続けている障害者や介護者の一部が、さくを乗り越えて庁舎内に入ろうとするなどしたため、同省が出入り口をすべて封じた。
 障害者団体が提出していた要望書に対し、厚労省がこの日、回答することになっていた。障害者側が厚労相名の文書で回答を求めたのに対し、同省側は担当課長が口頭で回答すると主張し、平行線をたどっていた。(読売新聞)」
 (写真:補助金支給をめぐり厚労省前で集会を開く障害者ら)
[1月25日0時45分更新]
 (01:59「厚労省庁舎が一時完全封鎖、障害者補助巡り対立」読売新聞ニュース速報:同文)

◆2003/01/25 02:03 「<障害者支援費>厚労省が譲歩案提示 従来額をほぼ100%」
 毎日新聞ニュース速報

 4月に始まる障害者の「支援費制度」について、厚生労働省がホームヘルプサービスの補助金を自治体に配分する際の基準を設けようとしている問題で、同省は24日深夜、障害者団体に対し、これまで市町村に交付してきた補助金額をほぼ100%確保するなどの譲歩案を示した。障害者団体側は「新しい内容は少ないが、持ち帰って今後の対応を協議したい」としている。
 厚労省は障害者1人当たりのホームヘルプサービスの利用時間をもとに、市町村への補助金の配分基準を設定することを検討していた。しかし、全国の身体・知的障害者らで作る4団体が「これまでは制限のなかったサービスの利用時間の『上限』につながり、重度の障害者には死活問題だ」と猛反発したため、「できる限り従前額が確保できるようにする」と表明していた。
 この点について、24日に障害者団体に示された案は「原則として従前額を確保できるようにしたい」と、より強い表現に改められた。同省は「『原則』とは、ほとんど100%に近い形で、これまでの補助金額を確保するという意味だ」と説明している。
 同省は団体側が要求していた「検討委員会」を設置し、関係者の意見を聞く方針も示した。厚労省の譲歩案について、全国自立生活センター協議会中西正司代表は「4団体で十分協議するが、これまでの回答とあまり変わっていない。引き続き、厚労省に働きかけていきたい」と話している。
 一方、自民党内閣部会・障害者特別委員会の合同会議は24日、現行サービスを低下させないことを原則とするよう厚労省側に求めた。八代英太・障害者特別委員長は「1カ月おきに委員会を開催し、支援費制度の検証をしていきたい」と述べた。
 この日の障害者の抗議は午後8時過ぎまで続き、厚労省側は一時、5カ所あるすべての出入り口を閉鎖。職員も帰宅できないという異常事態となった。 【須山勉】
[2003-01-25-02:03]

◆2003/01/25 07:02 「障害者支援費 厚労省が新提案」
 NHK
 http://www.nhk.or.jp/newd/a022003/01/25/k20030125000027.html(→VIDEO)
 「4月から導入される障害者支援の新しい制度について、厚生労働省は、原則としてこれまで市町村に出していた補助金の額を確保し、障害者団体が懸念しているサービスの低下を招かないようにする考えを示しました。 01/25 07:02」

◆2003/01/25 08:08 「厚労省庁舎を一時封鎖 障害者との混乱警戒」
 共同通信ニュース速報

 障害者の訪問介護の国庫補助基準見直しをめぐり、障害者側と対立している厚生労働省は二十四日夜、「庁舎内に入ろうとした障害者らを止めるため」として、五カ所の庁舎出入り口すべてを約一時間にわたって封鎖する異例の措置を取った。
 緊急記者会見した同省の大谷泰夫会計課長は「不幸なことだが、庁舎管理上必要だった」と釈明した。
 障害者側は国庫補助見直しを求め、同日までに坂口力厚労相本人による回答を希望。これに対し、同省は同日夜、障害保健福祉部の足利聖治企画課長が厚労相の回答を口頭で説明しようとした。
 障害者側は「せめて大臣名の文書で回答してほしい」と要望したが、同省は「通常、陳情に対しては大臣名の文書で回答していない」と拒否した。
 このため、同省前で連日抗議を続けている障害者らが反発。庁舎入り口で同日夕から職員とにらみ合う緊迫した状態が続き、「一部の障害者らがさくを乗り越えようとし、不穏な状態になった」(同省)という。
 記者会見した障害者らは「なぜ大臣は会ってくれないのか。厚労省と坂口大臣の姿勢に非常に失望している」と不満を表明。この日は回答を受け取らない形で、同省の説明を聞くにとどめた。
 国庫補助をめぐっては、四月から支援費制度が始まるのを機に、同省が補助金を公平に配分するため利用時間などによる交付基準を検討。障害者側は「サービスの利用上限につながる」と反発している。(了)
[2003-01-25-08:08]

◆2003/01/25 11:00 「訪問介護 利用上限設定に抗議−障害者団体 厚労省との協議決裂」
 北海道新聞
 http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20030125&j=0045&k=200301250972

 「障害者が福祉サービスを選べる支援費制度が四月に始まるのを前に、制度の要となる訪問介護(ホームヘルプサービス)の予算配分方法をめぐり、障害者団体と厚生労働省の話し合いが二十四日夜に決裂、抗議のため省内に入ろうとした障害者を阻止するため、同省がビル出入り口を約一時間完全に封鎖する異常事態となった。交渉はこう着状態に陥り、深夜再開されたが、決着はつかずに翌週に持ち越された。
 同省が一月中旬、地方自治体への補助金の交付基準を設定する方針を決めたことを受け、障害者団体側は、基準が「事実上の利用制限になる」として反発。基準設定の白紙撤廃を求めていた。
 この日は障害者四団体が求めていた厚労相名の文書の回答期限だったが、同省は文書の回答を用意しなかったため、紛糾。障害者が同省出入り口に車いすで当たったり、支援者がさくを乗り越えようとしたため、省側はビルの五つの出入り口全部を一時封鎖した。
 障害者側は会見で国に対する不信感をにじませ、「われわれの後ろには何万人もの仲間がいる」(中西正司全国自立生活センター協議会代表)と強調した。
 深夜再開された交渉では、担当課長が「基準設定では現状からの円滑な移行を図り、従前の国庫補助金を下回る市町村については、原則として従前額を確保できるようにしたい」と回答。
 障害者団体は「回答はなしに等しい」として、回答をいったんは持ち帰ることとした。
 札幌市内で小規模作業所を運営する岩淵進さん(59)は二十日から抗議行動に参加。「国は在宅重視の方針を掲げる一方、施設に戻れと言っているようなもの」と話した。
 同省前では車いすの重度の障害者や支援者らが十五日から連日、数百人規模で集まり、抗議活動が続いていた。
 <写真:出入り口を封鎖された厚労省前で、抗議する障害者ら=24日午後8時、東京・霞が関(共同)>」

 
 

■2003/01/26

◆2003/01/26 「補助金上限設けるな=障害者支援費制度で−改革派知事討論会」
 時事通信・政治ニュース
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030126-00000802-jij-pol

 「浅野史郎宮城、橋本大二郎高知両県知事ら改革派6県知事は26日、三重県四日市市で討論会を開いた。席上、4月にスタートする障害者支援費制度で、厚生労働省が市町村に支給するホームヘルプサービスの補助金に上限を設ける方針を決めたことについて、このままでは同制度が円滑に施行できないとして、方針撤回を同省に求める緊急アピールを行った。」(時事通信)[1月26日21時1分更新]

 
 

■2003/01/27

◆2003/01/27 13:51 「障害者支援費:「上限」実質撤廃、合意へ」
 毎日新聞
 http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20030127k0000e040061000c.html

 4月に始まる障害者の「支援費制度」について、厚生労働省がホームヘルプサービスの補助金を自治体に配分する際の「上限」を設けようとしている問題で、坂口力厚労相は27日の衆院予算委員会で「(反対していた障害者団体側から)だいたいほぼ合意を頂いたと聞いている」と述べた。坂口厚労相によると、同日午後2時から行われる厚労省と障害者団体側の協議で、最終的な合意事項の確認が行われる。
 阿部知子議員(社民)の質問に答えた。坂口厚労相は「障害者のみなさん方、とりわけ重度の障害者のみなさんへのサービスは継続されるように(事務方に)言っている」と述べた。
 また、障害者側との話し合いが不足していたとの指摘について「平素から話し合いをしてこなかったことは事実」と認めたうえ、厚労相自身も「間もなく(この問題は)決着すると思うので、障害者団体の方とお会いさせて頂く機会があると思う」と述べた。
 同省は24日深夜、障害者団体に対し、これまで市町村に交付してきた補助金額をほとんど100%確保することや、団体側が要求していたホームヘルプサービスに関する検討委員会を設置し、今後は関係者の意見を聞いていく方針も示した。障害者団体側は「持ち帰って今後の対応を協議したい」としていた。【須山勉】
[毎日新聞1月27日] ( 2003-01-27-13:56 )


◆2003/01/27 19:55 「障害者支援費:厚労省が「上限」撤廃 障害者団体と合意」
 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE 新聞掲載は01/28朝刊
 http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20030128k0000m040059000c.html

 「障害者の「支援費制度」で、厚生労働省がホームヘルプサービスの補助金配分基準を設けようとしたのに対して、障害者4団体が「サービスの『上限』になる」と反発していた問題で、27日双方の合意が成立した。厚労省は、同制度移行時は原則として現在の補助金配分額を維持するなど障害者側の要望をほぼ受け入れた。同省の河村博江社会・援護局長は4団体側に「コミュニケーション不足があった」と反省の弁を述べた。
 4団体は、日本障害者団体連合会、日本障害者協議会、全日本手をつなぐ育成会、DPI日本会議。厚労省との合意事項は配分額の確保のほか(1)今回定められるのは市町村への補助金の交付基準で、個人のサービスの支給量の上限ではない(2)交付基準は今後、利用状況を踏まえて見直す(3)障害者が参加する在宅サービスの検討会を早期に設置し、来年度から補助金が打ち切られるコーディネーター事業の問題なども協議する――など。
 合意後、厚労省が発表した補助金の交付基準は▽一般障害者が月約25時間(6万9370円)▽視覚障害など特有のニーズ(ガイドヘルプなど)を持つ障害者が同約50時間(10万7620円)▽全身性障害者が同約125時間(21万6940円)。この基準に基づいたうえ、これまでの補助金額を下回る市町村には、上乗せして従来の額を確保できるようにする。
 厚労省には14日から障害者団体が連日抗議に訪れ、同省側も特別警戒態勢を取るなど緊迫した状況が続いていたが、ほぼ2週間ぶりに解決する。
 初めて統一行動をとった4団体の代表は記者会見で「100%満足ではないが、『上限』撤廃が得られた。地域で生きる障害者のサービス事業をより充実させるため、今後も協力して活動したい」などと述べた。【須山勉】」
[毎日新聞1月27日] ( 2003-01-27-19:58 )

 
 

■2003/01/28

◆2003/01/28 09:00 「障害者訪問介護、利用時間の上限定めず 厚労省と障害者団体合意」
 『北海道新聞』 2003/01/28 09:00

 「四月スタートの障害者「支援費制度」で柱となる訪問介護(ホームヘルプサービス)の国庫補助交付基準をめぐって厚生労働省と障害者団体が対立していた問題は二十七日、同省が示した「交付基準は利用時間の上限を定めるものではない」など五項目の「考え方」を障害者団体が受け入れ、両者の協議が終了した。
 同省は訪問介護に関する市町村への補助金について、各種サービス利用を二○○一年度の全国調査で算出した平均利用時間の一・五倍として、交付基準を設定。障害者団体が「基準は事実上の利用制限」などと反発していた。
 同省がこの日、提示したのは、利用時間の上限を定めるものでないとの見解をはじめ、≪1≫交付基準で算出した補助金が従来の補助金を下回る市町村には「調整交付金」を支給する≪2≫交付基準は利用者が参加する検討会で見直す―など。
 十五日から同省前で抗議行動を続けていた障害者団体は同日、都内で会見し、「満足したとまでいかないが、新しい支援費制度に移行する段階の一つとして納得した」と説明。厚労省の河村博江社会・援護局長は「説明不足だった。反省している」と語った。」


◆2003/01/28 14:33 「障害者支援費で差額交付 自民部会で懸念の意見」
 NHKニュース速報

 「四月から導入される新しい障害者支援制度をめぐり、厚生労働省が当面の経過措置として、これまでの補助金の額を下回る市町村には原則差額を交付する方針を打ち出したことについて、きょうの自民党の厚生労働部会で、全国公平にサービスを提供するという制度の趣旨を損ないかねないと懸念する意見が相次ぎました。
 障害者自らがホームヘルパーの派遣業者などと契約し、サービスを受けられるよう四月から導入される「支援費制度」では、上限を設けずに市町村の申請に基づいて交付してきたこれまでの補助金の仕組みを改め、障害者一人あたりの利用時間枠と障害者の数を基準に、すべての市町村に補助金を配分することになっています。
 しかし、こうした配分基準について全国の障害者団体が、「障害の重い人たちのサービスの低下につながる」と反発したため、厚生労働省はきのう当面の経過措置として、これまでの補助金の額を下回る市町村には原則差額を交付する方針を打ち出しました。
 これについて、自民党の厚生労働部会では、「基準を策定する段取りの不手際で混乱を招いた以上、今回の措置はやむを得ない」としながらも、「こうした措置を続ければ本来サービスを受けるべき人に財源が回らないことになりかねず、制度の公平さを損なう恐れがある」という意見が相次ぎました。
 そして、厚生労働省に対し全国公平にサービスを提供するため早急に実態調査を行うよう求めました。」

◆障害者補助「減額なし」、支援費制度巡る混乱収拾へ――厚労省「調整金」新設の方針。
 『日本経済新聞』2003年1月28日(火)朝刊 38面

 四月から始まる障害者の支援費制度で、厚生労働省は二十七日、障害者が受ける訪問介護を低下させないための経過措置として「調整交付金」を新たに設ける方針を明らかにした。「月約百二十五時間」など交付基準を設けるが、これまでの補助額を下回る場合に上乗せする。現状維持の具体策が提示されたため、障害者団体はこうした方針を受け入れ、約二週間続いた混乱は収拾する見込み。
 同省は四月以降に障害者を含めた検討会を立ち上げ、新制度での訪問介護の利用状況を分析し、補助金の交付方法の見直しも検証する。二十八日の全国担当課長会議でこうした方針を説明する。
 新制度で厚労省が提示した基準交付金は最も訪問介護を必要とする全身性障害者で「月約百二十五時間」。一般の身体・知的障害者が家事援助などを利用する場合は「月約二十五時間」で、視覚障害者などが外出する際にガイドヘルプを合わせて利用する場合は上乗せして「月約五十時間」とする。
 同省が昨年度に自治体が実施した訪問介護事業の実績を調べたところ、全身性障害は月七十一時間、一般の障害者は月十七時間、視覚障害者などは月三十四時間だったという。同省は「およそ一・五倍の交付基準にして、全国的に訪問介護サービスを底上げしたい」と説明している。
 現在、訪問介護は利用実績に応じて二分の一を国が補助しているため、「全身性障害者で月二百四十時間」(東京都)など高水準の自治体では実質的な国庫補助の減額になってしまう。この不足分は「調整交付金」として補助し、「原則として従前額を確保する」(同省)という。
 現状のサービスを維持する具体策が提示されたため、障害者団体は「すべて解決したわけではないが、現状維持は確保できた」と同省の交付基準を受け入れた。

REV: 20131011
支援費・ホームヘルプサービス上限問題 
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