HOME>

自動車の利用に関わる欠格条項



 ◆2001年は別掲

 自動車の利用については以下のような規定がある(あった)。

◆道路交通法88条(免許の欠格事由)
「二,精神病者,精神薄弱者,てんかん病者,目が見えない者,耳がきこえないもの
   ,又は口がきけない者。
 三,前号に掲げる者のほか,政令で定める身体の障害のある者。」

◆道路交通法施行令33条(免許の欠格事由)
「法第88条第1項第3号の政令で定める身体の障害は,次の番号に掲げるとおりとす
 る。
 一,両上肢をひじ関節以上で失ったもの。
 二,両上肢の用を全く廃したもの。
 三,下肢又は体幹の機能に障害があって腰をかけていることができないもの。
 四,前各号に掲げるもののほか,ハンドルその他の装置を随意に操作することがで
   きないもの。」

◆道路交通法施行規則23条(適性試験)
「自動車等の運転に必要な適性についての免許試験は,次の表の上段に掲げる科目に
 ついて行うものとし,その合格基準は下段に定めるとおりとする。
 科目   聴力   
 合格基準 聴力(第一種免許及び仮免許に係る適性試験にあっては,補聴器により
      補われた聴力を含む)が10メートルの距離で,90ホンの警音器の音が聞
      こえるものであること。

 科目   運動能力
 合格基準 一,自動車等の運転に支障を及ぼすおそれのある四肢又は体幹の障害が
      ないこと。
      二,自動車等の運転に支障を及ぼすおそれのある四肢又は体幹の障害が
      あるが,その者の身体の状態に応じた補助手段を講ずることにより自動
      車等の運転に支障を及ぼすおそれがないと認められるものであること。
      」


  ◆2001年は別掲

◆警察庁 20001227
 道路交通法改正試案
◆20001019 日本精神神経学会「障害者に係わる運転免許の欠格条項に関する意見聴取についての資料」
◆20010114 日本てんかん協会「道路交通法改正試案に対する見解」
◆日本てんかん学会 20010110 「道路交通法改正試案」に対する日本てんかん学会の意見
◆19990531 障害者欠格条項をなくす会と警察庁との交渉 議事録(↓)

◆1965/04/22 衆議院法務委員会(↓)
◆1977/03/15 衆議院予算委員会(↓)
◆1993/01/21 125回-参-決算委員会-閉01号(↓)
 下村泰
◆1998/12/03 144 参 国民福祉委員会 1号(↓)
 渡辺孝男(公明党)

 

◆佐々木さんより(20001230)

ご参考までに、以前障害者欠格条項をなくす会と警察庁との交渉議事録がありま
す。全文は、http://homepage2.nifty.com/ganesh/keisatu.htmlに収録して
あります。

そのうち、道路交通法関係の部分を転載します。
※なお、この交渉議事録の日時は、'99 5/31です。
--------------------------------------------------------------------------
障害者欠格条項をなくす会の基本的考え方(概略)

提言
1 従来の医学的判定最重視から、個人と環境との関係に、基準を移すべきです。

2 制度的なバリアフリーを進めるため、これまでの「禁治産・準禁治産者」への
行為制限も再検討すべきです。

3 「資格」「免許」の制限にとどまらず、行動の制限・施設利用等の制限等のよ
うに、障害を理由とした不利益・不平等な扱いを定めている規定を幅広く見直し、
制度的バリアをなくしていくことが求められます。
(※詳しくはHPをお読みになってください)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

交渉にあたっての要望
1.当会の「基本的考え方」について、貴職の見解を明らかにしていただきたい。

2.総理府の調査結果における警察庁所管の案件について理由を示されたい。

「自動車等の運転免許」については、精神障害、精神薄弱、てんかん、視力、聴覚
等が絶対的欠格事由になっているが、その理由を明らかにしていただきたい。

3.今後の欠格条項の見直しに対する警察庁としての基本姿勢と方針を示された
い。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
○要望書の説明をしたいと思う。前文は厚生省交渉と共通にしている。基本的考え
方の2枚目に1.2.3とあるが、運転免許課としての考え方を説明して欲しい。

■道路交通法は88条1項で、精神病者・知的障害者・てんかん病者・目が見えない
者・耳が聞こえない者に第1種・第2種運転免許を与えないという規定をおいてい
る。これについては、要望書にもあるように、新長期計画・障害者プランなどにお
いて決定されており、警察庁においても見直しを検討しているところだ。

○特に私たちが示している1.2.3についての見解をもうすこし。

■総論的な話だが、運転に支障を及ぼすか否かというところで、道路交通の安全と
円滑を確保するという観点から、どのような状態の方に運転の支障があるのかとい
うことを考えていきたいと思う。

○総務庁の方でも見直すということになっているので、従来のように一律に除外を
することではなく、本人の事情に応じたものにしていくということで理解してもよ
いか。

■具体的にはこれから。道路交通の安全を確保するという観点から、変えていく点
は変えてゆくが変えない点は変えないだろう。

○基本的な考え方1.2.3の3点については、基本的には了解頂けているか?

■おっしゃる趣旨については理解したが、私たちがやろうとしているのはさっき申
し上げたこと。見直しの中でいろいろ研究を行い、その結果に基づいて必要・可能
なものについては変えていく。道路交通の安全を確保する観点から制度として必要
なものは残していくということ。

○具体的な各論に入るが、精神障害、精神薄弱、知的障害、てんかんなどの欠格条
項の理由を明らかに。

■精神障害者ではなく、道路交通法の上では精神病者。この方々については道路交
通の安全に支障を及ぼすであろうということで免許を与えない。それから、法上は
精神薄弱ではなく知的障害であるが、これについては具体的な道路交通の場面にお
いて対応が難しいということで、規定をあたえている。てんかんであるが、発作が
起こった場合に意識がなくなるということで道路交通の安全に支障がある。目が見
えない方であるが、運転はできないであろうということで、免許をあたえない。耳
の聞こえない方はクラクションや踏切の信号機など、自動車を運転するうえで必要
な信号が区別できないということでである。口が利けない者は、道路交通法上、事
故が発生した方には、事故が生じた際の救護義務が達成できない。けがをした人が
いれば消防なり、警察なりに通報する、ものが落ちていたら連絡する、人が倒れて
いたら連絡する、ということができないだろうということで、口が利けない人はで
きないだろうということで。

○救護義務をみたせないということで。

■そうです。

○それ以外のことは、言語に障害ある方は別に問題ないですね。

■あるいは第2種免許の場合は事故の発生時に、乗客を円滑に避難誘導することに
支障があると考える。

○言語も絶対的欠格条項?

■道路交通法では与えないということになっている。つまり、絶対的欠格条項。

○知的障害の場合、運転免許のペーパー試験は厳しい。あれを通過できれば運転実
技に問題はない。法律で知的障害はだめだと書く必要はない。かつてはできるだけ
免許を与えないようにして事故を防ぐということだったが、現在では地方では公共
交通機関が不便だったりして、そこで免許を与えないということは移動権という人
権の侵害である。人を頼らないと移動できないということも見直しのときの考慮に
入れて欲しい。

■意見は承った。障害者についてであるが、試験に合格した人で知的障害に当たる
方がいるとしたら、安全に運転ができるかどうかについて考えていきたい。生活の
ために必要不可欠であるという意見は分かったが、本人がけがなどをするなどの安
全性のところを考慮したい。

○法律で禁止すると知的障害者は隠れて取ることになるが、こちらの方が危険。法
律で禁止しなければ、知的障害をふまえた支援ということが警察官にもできるが、
法律で一律に禁止すると、障害がないということになると、手助けもできない。

■交通の安全にどのような影響を与えるかということを考えていく。「隠れて取
る」という前提には立ちにくいのでその点は了承して欲しい。

○精神障害を持っている人たちも、斉藤さんが言ったことが当てはまる。厚生省の
発表では217万人の精神障害者がいる。日本の人口の50人に1人の発生率ということ
になる。東京はともかく地方に行くと車がないと移動が困難であるという状況。職
業に就くときの条件にもなっている。そうすると精神障害を持っていても、免許を
持っている人がかなりになる。しかし事実上は誰も持っていないことになってい
る。隠さないと仕事に就けないし、不安を抱えながら生活している。こうした現状
はどのように考えているか?

■生活に支障を生じるという指摘だが、立場はよくわかった。しかし警察の交通安
全を確保するという責任がある。どのようにマッチさせることができるのかという
点から見直しを、障害者プラン・新長期計画の中で考えていきたい。

○2点あるが、1点は安全確保という点で、具体的に運転をしたことによって、安全
を妨げるという例があったのかという点。もう1点は、試験をする際にいろんな障
害を持った人にどのような配慮があるのか。

■配慮とは?

○ペーパーの試験の時に、点字があるとか。身体障害の人には何かしているのか、
とか。

■交通事故の関係だが、基本的に免許を与えないという制度になっているので、運
転をされて事故を起こしたということにはなじまないという観点で、数字は持ち合
わせていない。与えないという制度になっているので、したということで、事故が
起こったという数字は持っていない。

○そうすると、安全確保のための具体的な何かがあったわけではないということで
すね。

■事故があったという具体的なことはない。

○欠格条項の理由は法的には道交法の関係だということだが、友人に、そのとき重
度の障害者が免許を取るという現実は殆どなかったのだが、無免許運転で逮捕され
て裁判までやったことがある。法律をやぶって逮捕されたのは別にして、社会の仕
組みの中で、障害者に運転させない、試験も受けさせないということがだんだん変
わってきて、重度の障害者であっても、教習所でならったりして取れるようになっ
てきている。これは法律に基づいているのか?

■バリアフリーを進めるという観点から教習所では、適性試験について相談員を置
くなどの施策を進めている。身体の障害の関係で、道交法をふまえて、施行令とい
う下位法令では、従前は「肘関節以上、・・・」の方には免許を与えないというこ
とがあったのだが、技術改善が進んで車を運転できることになっている。足とか活
用されて運転できるという方には運転できるということになっている。

○そうであるならば、今の欠格条項の中で、視力の全くない人については無理だと
は思う。しかしそれ以外については何らかの方法、もう少し考えればてんかんと
か、聴覚障害とか、精神障害とかの人たちの運転をさせるということは可能なので
は?

■我々が障害者プラン・新長期計画をふまえて検討しているのは、現状の技術はど
こまで進んでいるのか、治療の仕方はどうなのかというところまでふまえて考えて
いきたい。現状を調べているところだ。

○ぜひそれをやって欲しい。道交法が施行されたのは昭和35年。それから30年、40
年近くになり、障害者をとりまく環境は変わっている。精神病者についても当時は
殆どが病院にいたが、今はそれなりに地域に出てきて生活している人もたくさんい
る。地方に行けば交通網が悪いところでも作業所に通うなどもしなくてはならない
ので、時代に見合った法律にして頂きたい。
法律の条文に欠格条項が入っているのであれば、欠格条項が正当であるという見直
しのデータをとるべきだと思う。建前論では与えないことになっているが、現実的
には実際はみんな取っている。あくまで建前論を貫いていけば、道路の安全にも支
障が出てくる。建前論を少し崩して現実を見据えた法律にしてほしい。ぜひデータ
をとってほしい。こんなに事故を起こしているというデータがあれば私たちも考え
る。

■要望の趣旨は分かったが、しかし制度の趣旨があるので、そこと相反する制度を
警察として認めるという形になるということはできない。

○聴覚障害については、それなりの経過がある。1967年から74年ぐらいの間に裁判
などもあって、その中で運用上は10m離れてクラクションが聞こえればいいという
ことになったという。それに至るまでにも警察庁との交渉が数回あった。最近その
ように改善されてきて、あらためて聴覚障害の団体が交渉して、何か問題があった
かと聞いたところ、事故発生率は健常者と同じ程度であるという回答があったこと
を聞いている。

■それはちょっと知らない。

○知っているかどうかはともかくとして、そういうように調査をしようと思えばで
きるはず。

■運用といったが、補聴器については道路交通法施行規則で補聴器をつけて音が聞
こえるかという試験でやっていて、法令に基づいて技術の発展をふまえた措置をし
ている。

○精神障害だって同じこと。医者と相談をしながら、数年間症状が出なかったり、
自分をコントロールしながらやっていくということもできるように少しずつなって
いる。そういった個別の事情に合わせて運転免許が発行できるかどうかを考えるべ
き。精神障害だから絶対欠格ということになるというのは、従来の差別的な偏見の
ままで見ているからではないですかということになる。変わってきているというこ
とはわかりますか?病院から出て地域でふつうに生活する人が出てきている。その
中で状況をふまえた改善が可能なわけですよね。

■状況をふまえたというか、うちとしては道交法の目的に照らして改善が可能かど
うかを検討したい。

○私が言いたいのは補聴器をつければ聴覚障害者が可能になったと同じように精神
障害も同じであるということ。

■これからよく調べたいと思う。

○精神障害者も薬の服用も含めて、状態が改善されることもある。鬱病も精神病な
んですよ。鬱病が免許更新時に見つかれば、排除ですよ。でも黙っている人がたく
さんいる。警察にもたくさんいると思います。黙っているだけで、免許の更新がで
きるだけで。最近は増えてきているし。そういう時代なんですよ。精神障害者の事
例でいえば、かなりの人が免許をとっている。欠格条項があるために、屈辱的な対
応をされるということがある。一方的に呼び出されて診断書をつけて、持って行く
とコピーを欲しいとか、「なぜか?」と言うと跳ね返されたりとか、そういうこと
もあり、なくして欲しい。
もう一つは根拠を示して欲しい。知的障害があっても、試験にパスすれば問題はな
いわけですよね。それなのにあとから呼び出しをかけてチェックするなどの差別的
な待遇も生まれてくるし、そう感じる人も多い。

■もしそういう不適切な対応があったとしたら、現場での対応を……。

○現場の人は法を遵守するという態度だから正確にやろうとしている。当然取れな
いものだという対応をしてしまう。

■知的障害については、運転免許試験だけでなく具体的な交通の場でどうかという
ことを考えていきたい。

○私たちが言いたいのは、法律や施行令に一律に障害名とかをあげるのをやめま
しょうということ。必要な能力や適正ということを書けばよいのであり、こういう
人はだめだ、とくくってしまうのではなく、精神病者にもいろいろな人がいるのだ
し、除外することは可能性を奪ってしまう。そこをもう一度考え直してほしい。

■趣旨は存じ上げている。

○でも、目が見えない方は……というような答え方しかできないわけですよ。抽象
的な説明にしかならないではないか。

■それは、現行の説明を求められたので。

○やっぱり変えていかなければということだ。障害名や疾患名で一律に規定を設け
続けることはやめようということを、お願いしたい。あと、どのような補助的な手
段があるのか、聴覚障害者の補聴器だけではなく、精神障害、知的障害の補助的な
手段があれば、なんとかなることも多い。現場の当事者の話を聞いていかないとわ
からない。これから私たちもまた来ますので、改善につなげて欲しい。

○精神障害者が、個人的に、なんでいけないと思います?

■最初に言ったように、道交法の交通安全にどう関わることですので。

○免許をとっても下手な人はたくさんいるわけですよね?障害があるから下手でぶ
つけるのか、ということではないでしょう。なぜ障害者だと、交通の安全を妨げる
ようなことになるのか?具体的に?本人だと責任がとれないとか?
具体的にいってもらわないと、私たちも対応ができない。警察がお望みのような交
通安全に協力するために。どうして障害者がだめなのか分からない。薬飲んでいる
からダメなのか?みんな風邪薬ぐらいなら本当はダメでも飲んでいる。障害者でも
状態が悪いと恐くて運転しない。いい時でもだめだと言われるのは耐えられない。
差別だと思う。精神障害者の場合は装具をつければいいという可能性はないんです
よね。何が障害になるのかを聞かせていただきたい。
マニュアルにはなんて書いてあるのですか?そういうものはないのですか?1960年
代当時に精神障害者に持たせないという理由が、もっときちんと文章になっていた
と思うが。

○それが具体的にないから問題なんですよね。何が問題なのかは聞いておきたい。

■道交法、車を危険なく運転できるか否かという観点から、具体的にといっても、
なかなかそれくらいしか思いつかない。

○アメリカでは目の不自由な人でも取らせてくれる。細かい条件が付いている。ア
メリカではより詳しくて、夜運転してはいけないというような条件がある。これを
つければ免許を出せるということもあるのではないか?何が危険か、何が安全かと
いうことで。

■条件を付けて、条件をいかに守るかということもあるが、条件についても合わせ
て検討したい。

○そこもある。自分で自分のことを判断できないんじゃないかという見方が根強く
あるからこういう欠格条項があるという面もあると思う。自分が運転できないと思
うときはやっぱりしない。健全者も同じ。障害者だからというところで考えると一
律の括り方になる、障害者は自己決定できると信頼してもらって見直しの中に活か
して欲しい。

■ご要望は分かった。

○時間もあるが、よろしいか。趣旨はわかっていただけたと思うので、具体的に、
外国の事例も含めて調査をしている最中なので、具体的な案もできたらぜひ相談に
来たいので、積極的に受け止めて欲しい。

■ご要望は分かった。
--------------------------------------------------------------------------

以上を読むと、この交渉で、「精神病者」と「てんかん患者」についての配慮を要
請しているのに、試案では、反映されなかったということになるのでしょうか? 

 
 

◆臼井さんより(20001214)

こんにちは、臼井です。

てんかんと自動車運転免許に関し当事者の相談を受けた弁護士さんから
「国会では道路交通法88条の障害者欠格条項成立当時
どのような議論があったのか」と問い合わせを受けていました。

田中邦夫さんが調査をして下さっています。
まだ調査中ですが、ご教示いただいたことを要約して投稿します。
何かお心当たりをお持ちの方はお教えください。
現行法の条文はメール文末に記します。

【道路交通法88条の障害者欠格条項成立過程と議論】

・「道路交通取締法」(道路交通法の前身。1947年法律130号)には、
現行法のような障害者欠格条項はなかった。適性検査についてはあった。

・現行法にみられる、視聴覚言語障害者、精神病者、てんかんの欠格条項は、
「道路交通取締法」の施行令(政令)として、順次定められた。

1953年政令第261号…「精神病者」と「めくら」のみ。
1954年政令272号…「つんぼ、おし」が加わった。
1956年政令255号…「てんかん」が加わった。

・それらが、新たに「道路交通法」(1960年法律105号、現在に至る)が成立
した時、いわば自動的に、法文に入ったようだ(88条)。
このような経過なので、議論の跡はたどりにくい。

・そして88条が成立した国会では、
てんかんに限らず、障害者欠格条項について
特に議論もなく成立したものではないかと推測される。

・現在のところわかっているのは
1959年第34国会、衆議院「地方行政委員会」にて
「肢体障害について機械的に補える」と言及した議員があった、
という程度である。

資料(条文)

★道路交通法より
1960(昭和35)年6月25日・法律105号
(免許の欠格事由)
第88条一項
次の各号のいずれかに該当する者に対しては、第1種免許又は第2種免許を
与えない。
2号.精神病者、知的障害者、てんかん病者、目が見えない者、耳が聞こえな
い者又は口がきけない者
3号.前号に掲げる者のほか、政令で定める身体の障害のある者

★道路交通法施行規則より
1960(昭和35)年12月3日 総理府令60号
(適性試験)
第23条
 自動車等の運転に必要な適性についての免許試験(以下「適性試験」とい
う。)は、次の表の上欄に掲げる科目について行うものとし、その合格基準
は、それぞれ同表の下欄に定めるとおりとする。ただし、免許を現に受けて
いる者に係る当該免許の種類と異なる種類の免許に係る適性試験にあつては、
色彩識別能力の科目についての試験は、行わないものとする。

科目/合格基準

視力/
1.大型自動車免許(以下「大型免許」という。)、大型自動車仮
免許(以下「大型仮免許」という。)、牽引免許及び第二種運転免許(以下
「第二種免許」という。)に係る適性試験にあつては、視力(万国式試視力
表により検査した視力で、矯正視力を含む。以下同じ。)が両眼で0.8以上、
かつ、一眼でそれぞれ0.5以上であること。
2.原付免許及び小型特殊自動車免許(以下「小型特殊免許」という。)に係
る適性試験にあつては、視力が両限で0.5以上であること又は一眼が見えない
者については、他限の視野が左右150度以上で、視力が0.5以上であること。
3.前2号の免許以外の免許に係る適性試験にあつては、視力が両眼で0.7以上、
かつ、一眼でそれぞれ0.3以上であること又は一眼の視力が0.3に満たない者
若しくは一眼が見えない者については、他限の視野が左右150度以上で、視力
が0.7以上であること。
色彩識別能力/赤色、青色及び黄色の識別ができること。

深視力/大型免許、大型仮免許、牽引免許及び第二種免許に係る適性試験に
あつては、三棹法の奥行知覚検査器により2.5メートルの距離で3回検査し、
その平均誤差が2センチメートル以下であること。

聴力/聴力(第一種運転免許(以下「第一種免許」という。)及び仮免許に
係る適性試験にあつては、補聴器により補われた聴力を含む。)が10メートル
の距離で、90デシベルの警音器の音がきこえるものであること。

運転能力/
1.自動車等の運転に支障を及ぼすおそれのある四肢又は体幹の障害がないこ
と。
2.自動車等の運転に支障を及ぼすおそれのある四肢又は体幹の障害があるが、
その者の身体の状態に応じた補助手段を講ずることにより自動車等の運転に
支障を及ぼすおそれがないと認められるものであること。

 


◆臼井さんより(20010203)

このメールは、「道交法欠格条項成立過程と議論」の続きで
法成立以後の国会における
「てんかん」と運転免許に関する議論についてです。

#887は、
法成立時の国会では、障害者欠格条項について
どうやら議論らしい議論もなく自動的に成立したようだ。
ということでしたが、
法成立以降の議論について、情報をいただきました。

通番,国会回次,衆参,委員会,会議録号,年月日

(1),144,参,国民福祉委員会,1号,1998年12月03日
(2),125,参,決算委員会,閉1号,1993年01月21日
(3),112,衆,交通安全対策特別委員会,6号,1988年05月12日
(4),84,衆,地方行政委員会,19号,1978年04月27日
(5),80,衆,予算委員会第六分科会,4号,1977年03月15日
(6),71,衆,交通安全対策特別委員会,13号,1973年06月14日
(7),55,参,産業公害及び交通対策特別委員会,3号,1967年05月17日
(8),48,衆,法務委員会,22号,1965年04月22日

なお、国会会議録は、インターネットからは、
「国会会議録検索システム」で
1991年8月5日以降、2000年末までの国会議事録を
キーワードで検索できるようになっています。
一般利用では、これより前の時代の検索はできないとのことです。

国立国会図書館のトップページ
http://www.ndl.go.jp/
から、国会会議録検索の画面に入ることができます。

このメールでは、デジタル化が済んでいる1965年以降の議事録に対して
「てんかん」と「道路交通法」のキーワード検索で
該当した(1)〜(8)の内、
調査中の(3)、(4)、(6)、(7)を除き、
(8)(5)(2)(1)の該当箇所を抜粋または要約します。
年代が古い順に並べています。

 

(8)1965年4月22日衆議院法務委員会
★議論になっていること
刑法第四十五条の改正(道交法違反罪の捜査・審理手続きの簡素化)について
の意見。改正への賛成の立場から。背景として罪に問われる人の激増があっ
たようだ。
★片岡参考人の発言
「自動車事故の九十何%は運転をする人の側に第一の原因がある作為義務の
違反が最も多い。次には酒酔い運転とか居眠り運転とかいうような不作為の
義務の違反、保安整備義務の違反など。いわば運転者の内部的、精神的な問
題に多く帰着する。」(要約)
という内容の前置きの上で、
「運転者自体の問題の中には精神的なもののほかに肉体的な欠陥の問題がご
ざいます。特に潜在的なてんかん性でございますとか、精神病のために重大
な事故を起こすことがございます。これらは将来適切な医学的検査によって
早期に発見してこれを排除することが必要でございます。」(引用)
と主張。

 

(5)1977年3月15日衆議院予算委員会
★このやりとりは、飯田分科員が、八島説明員に、運転免許欠格者を厳格に排
除すべきという立場から、質問し主張している。
以下引用。

○飯田分科員
 臨時適性検査による免許欠格者、それから免許試験のときにおける欠格者、
これはどういうふうなものが該当条件になっておりますか。

○八島説明員 免許試験で通常適性関係におきまして不合格になる人は、視
力とか聴力とかそういうことを含めますと相当数に上るのでございますが、
御指摘の精神病あるいはてんかんその他のアルコール等の中毒者等に限って
申し上げますと、五十一年中には試験のときにそういう人が発見されまして
不合格となった者が三十人でございます。そのほかに、免許を受けた人につ
いて臨時適性検査を行いまして、この種の該当者として免許を取り消しまし
た者が昨年一年間に三百八十九名います。

○飯田分科員 免許を与えるときには余り欠格者が発見されておらないよう
ですね。途中で臨時検査をやったら発見される。道路交通法の規定によりま
すと、欠格者には免許を与えてはいかぬ、こうなっていまね。ところが、実
際には欠格者にどんどん免許が与えられておる、途中で一部の人が発見され
ておるという状況です。こういうようなやり方で、現在の交通事故、ことに
いままで発生しております精神病者とかてんかん病者とかあるいは精神薄弱
者その他の事故は相当ございますが、こういうものが防げるかどうかという
問題です。この点どうでしょう。


○八島説明員 御指摘のとおり、精神病者等が車を運転しますことは大変危
険でございまして、これは他人に危害を加えるということだけではございま
せんで、運転をされる方御自身の危険も十分考えられるわけでございます。
したがいまして、こういう方々を免許時にできるだけ発見いたしまして排除
するのがたてまえでございますが、先ほど私が申し上げましたその三十名で
ございますけれども、受験をします人であらかじめ自分がそういう免許を受
ける資格がないというふうに御理解いただいている方等は試験を受けに来な
いことも考えられますし、そうは申しましても確実にすべて発見、排除がで
きているかということでは、いま先生御指摘のとおりの実態にあると思いま
す。

○飯田分科員 どうもお話を承っておりますと、おざなりな御答弁のような
気がしてしようがないのです。現実にいろいろな事故が発生しておるし、先
般のバンザイ事件なんというものもございます。そうした異常な人たちが野
放しになっておるということ自体がこれは問題で、要は人命尊重という精神
につながるかどうかという問題だと思います。時間がないとか金がかかると
いったようなことはもう言いわけにならない。とにかく免許証を与えるとき
にもっと的確に欠格者を排除する対策がとられませんと、これは大変なこと
だと思います。これを今日まで放置しておかれた原因は、所掌事項が明確で
ないからか、あるいは金がないからか、一体どっちなんでしょうか。

○八島説明員 先ほど私申し上げましたことが正確でございませんでしたが、
受験者を正確に、ことに精神病等は多分に人権にもかかわる問題でございま
すので、慎重に診断する必要がございます。そして間違いなくそういう病気
にかかっているというその確認をする程度に診断をするということになりま
すと、かなりの時間が必要であることは事実でございます。したがいまして、
すべての方にそういう診断をやることは実際問題としてはなかなか困難な面
があるということを御理解いただきたいと思うわけでございます。

○飯田分科員 時間がありませんので次に移ります。
 交通医学研究財団の永富公太郎という人がおられます。この人が、昭和四
十七年以来最近までの間に二万四千名の自動車運転従事者を対象として脳波
の集団検診をした。その結果〇・四%が運転に特に危険な疾患者である、こ
ういうふうに報告しております。二万四千人のうち九十六人ぐらい何だとい
うふうにお考えになるかもしれませんが、この九十六人が大変な凶器になる
わけです。現に、こうした脳波の検査によって事前に発見できる方法がある
ということが証明されておりますのに、こういうものをなぜ採用なさらない
のか。臨時適性検査ばかりではなしに、免許時における検査も、特に自動車
業を行う運転手には少なくともこういう検査をやることが必要じゃないでし
ょうか、この点どうでしょうか。

○八島説明員 先生御指摘の永富先生の研究開発されたそういうものがある
ということも私ども承知してございます。そういうことで、いろいろ採用で
きるものがございますれば、私どもとしてもそういうものを取り入れること
はやぶさかではございません。
 ただ、その問題に限って申しますと、まだ医学界の中でも完全に意見が合
致していないやにも承っておりますし、それからその検査方法についても、
やや大量に検診をやるについてはなおもう少し改善を図らなければ、実際採
用できるかどうか問題があるようにも承っているのが現状でございます。

○飯田分科員 これは研究をしてからゆっくりだとか、あるいはほかの方法
を考えるといったような問題ではなくて、現にこうした方法で欠格者が発見
できるということが事実なんですから、そのことを率直に取り上げて実施す
るということがどうしてできないのかとは思います。予算の点でできないと
いうことであれば、こうした人命に関する問題については予算の面でも慎重
に考慮されなければならぬと思います。いままでのような投げやりな、ある
いはその場限りの態度は改めていただかなければならぬ、こう思います。こ
の点、きょうは国家公安委員長がおいでにならぬのでやむを得ませんが、ど
うかひとつ御考慮願います。

 

(2)125回-参-決算委員会-閉01号 1993/01/21
該当の問答をそのまま抜粋しています。
○下村泰君
 まず、てんかんの方の運転免許についてお伺いしたいんですが、てんかん
の人の自動車運転免許の取得は、現在道路交通法八十八条一項の二号によっ
て禁じられています。一九八四年の日本てんかん協会のてんかんの人を対象
とした免許取得状況の調べによりますと、二二・九%の人が免許を現有して
います。現実に一五・三%の人が運転しています。そして、将来免許証を取
りたいという希望を持っている人は合わせると大体五二・六%、この中には
免許を必要としている人もいるわけです。
 というのは理由を申し上げなくてもおわかりだろうと思いますけれども、
その方の住んでいる場所によっては当然車がなければ動きがとれないという
方々もいらっしゃいます。こういう方々はもう本当に生活上の必要性からそ
ういうふうに望んでいるわけですけれども、既に取得している二二・九%の
人はいわばこれは道交法違反ということになるわけですね。ところが、中に
は自分は免許が取れないということを全然知らないで取得された方もいるわ
けですね。大体そういった方が別の調査によると半分以上を占めているわけ
です。それから一昨年の警察庁の調査によりますと、こういってんかん発作
が原因で事故を起こした件数が五十件あったと聞いております。
 このてんかんの発作というのはいろいろな症状がありますから、皆様方も
よく御存じのごとく、人てんかんというのもあれば水てんかんというのもあ
ります、といったように発作の状態がそれぞれ違います。ただ、医学的にて
んかんはさまざまな原因で起きる慢性脳疾患で、その特徴は脳ニューロンの
過度、脳ニューロンというのは何かこの辺にあるみたいで、私も自分の脳の
中よくわからないんですけれどもこの辺にあるらしい。その脳ニューロンの
過度な放電に由来する反復性発作であり、多種多様な臨床及び検査所見を随
伴すると言われておりまして、現在の臨床てんかん学のレベルでは合理的な
治療を行うと半数以上の方は発作寛解状態がもたらされるという、要するに
完全に治ってはいないけれどもそう簡単には発作が起きない状態になるとい
うふうに今の医学では抑えられるんですね。
 この中で一つ問題があるのは、最近テレビゲームに親しんでいる子供さん
がひっくり返ったりなんかする、あれがどうもこれじゃないかというような
意見も出ているんですね。ですから、本人がてんかんという疾状が全然今ま
で自覚されていなかったのが、たまたまあのテレビゲームに熱中することに
よって今申し上げた脳ニューロンというのが物すごい放電をして、そして発
作が起きたんじゃなかろうかというような説もございます。これはまだはっ
きりしていません。
 ただ、てんかんである人はすべてだめだというのはどうもちょっと私は納
得いかないんで、例えば一定の条件、何年も発作もありません、医者が寛解
したと証明した場合に免許の取得ができるといったような相対的なことにす
るような時期に来ているのではないかと思うんです。てんかんの方は福祉法
の対象から全部外れています。福祉法にもかかわりません。雇用にしてもま
だ劣悪な状況にあるといいます。免許取得でもそうなんですけれども、状況
改善の大きな意義があるということはもう明らかなんで、この要望は何年も
前から出されております。警察庁でもよく御存じのことと思います。そちら
様の言い分も私も十分承知しております。
 そこで、きょう大臣にぜひお願いしたいことがあるんですが、警察庁とし
て問題として考えている点について、日本てんかん学会の専門医やそれから
日本てんかん協会の関係者、実際に事実先進諸国では許可している国もある
んですね。フランス、ドイツ、それからアメリカ、アメリカは州によって違
いますけれども、イギリス、こういった先進諸国では今申し上げたようなこ
との状況を踏まえて免許証の取得を許している国もあるわけで、ですから一
定の条件が整えば認められてもいいんじゃないかというふうに私は考えるん
ですけれども、いかがでございましょうかな。そういうことも含めて具体的
に勉強会というようなものをやって、本格的に検討していただけるというこ
とはどうでしょうか、お約束していただけますでしょうか。ちょっと伺いた
いと思います。

○説明員(関根謙一君) 先生ただいま御指摘になりました道路交通法八十
八条の二号に、運転免許の欠格事由に該当する方ということで、てんかん病
者というのが規定されております。
 具体的な欠格事由としている理由でございますが、これもただいま先生御
指摘になりましたように、年間数十件の方々がその発作で事故を起こされ、
そのうちの数件の場合には死亡事故になっているというようなこともござい
まして、その発作が起こった場合に自動車を運転することが道路上危険を生
じるおそれがあるということから、このような規定を設けているものと理解
しております。
 ところで、その規定の適用の関係でございますが、具体的にこの規定に該
当するてんかん病者に当たる方であるかどうかということにつきましては医
師の判断によるということでございまして、ただいま先生が御指摘になりま
したような、発作が起こらないというような方であればこれに該当するとい
うことはないというように考えますのでございますので、ただいまの問題は、
この規定の適用ないし運用の問題であろうかと存じます。
 てんかん病者、道交法に言ってんかん病者ではなくて病理学上のてんかん
病者の方々で寛解の状態になる方々は、現代の医学の進歩によりましてふえ
てきているように伺っております。そこら辺のことも私どもの方でこの規定
を運用する上で研究をしたいと考えます。そういう趣旨で学界の方々、有識
者の方々の御意見を伺いつつこの規定の運用に努めまして、誤りのないよう
にしたい、このように考える次第でございます。
○下村泰君 よほど難しい答えが返ってくるかと思ったんですけれども、あ
りがとうございます。
 警視庁の交通部長が、かつて私にこういうことでこぼしたことがある。私
らの仕事はもう何が何だかわからなくなる。免許証をどんどん取らせておい
て取り締まらなくちゃいけない。こんなばかな話はない。じゃ最初から取り
締まって、やらない方がいいぐらいなんです。警視庁が免許証を出して、警
視庁が取り締まっているんですからね。
 ところが、今申し上げたように、てんかんというような症状、薬で抑えれ
ば症状の起きない人にもまだ免許証が出せない。ところが健常者で、まとも
で神経もそろって、五体そろっている人の方が事故は多いんですよ、実際の
ことを言って。のべつ幕なし起きているでしょう、事故が。それはまともな
体をしている人の方が多いわけなんです。こういう方々の方が自分はそうい
う症状が出るということをむしろ自覚していますから、薬で医者の指導どお
りきちんとやっていれば意外と事故の件数は少ないわけですね。
 ですから大臣、今のお答えを踏まえまして、大臣はどういうふうなお考え
か、ちょっとひとつ。
○国務大臣(村田敬次郎君) 下村委員の御質問、よく承りました。
 局長からてんかん病者についてはお答え申し上げたとおりになっておるの
でございますが、現在非常に医学が進歩をしてきておりまして、そして専門
家からの御意見もよく承って、また患者の皆様からのお話があればその御意
見を承りながら慎重に検討してまいりたい、このように思います。

 

(1) 144 参 国民福祉委員会 1号 1998年12月03日
該当の問答をそのまま抜粋しています。

○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
  本日は、てんかん患者のノーマライゼーション、医療・福祉施策につき
まして質問させていただきます。
 最初に、警察庁の方にお尋ねいたします。
 道路交通法八十八条は、てんかん病者を自動車運転免許の絶対的欠格事由
としております。しかし、てんかんに対する治療の進歩により、今日、数十
万人とも百万人とも言われるてんかん患者の中で、てんかん発作がコントロ
ールされている人の割合は約八〇%にも達しております。したがって、てん
かん患者を自動車運転免許の絶対的欠格事由とすることは現状に合わなくな
っているのではないかと、そのように考えます。
 政府は、平成五年、障害者対策に関する新長期計画において「障害者の社
会参加を不当に阻む障害要因とならないよう、必要な見直しについて検討を
行う。」と明記し、平成七年の障害者プランにおいても、七カ年計画中に
「各種資格制度等における精神障害者の欠格条項の見直しを推進する。」と
いうふうにしております。現在、総理府の障害者施策推進本部と各省庁が連
携しながら見直しの作業を進めていると聞いております。
 そこでお尋ねしたいんですが、てんかん病者を自動車運転免許の絶対的欠
格事由とすることの見直しの検討はどこまで進んでいるのか、そのことにつ
いてお聞きしたいと思います。

○政府委員(玉造敏夫君)
 お答えいたします。
 てんかん病者に係る運転免許の欠格条項につきましては、医学の発達等を
踏まえまして見直しの御意見があるということを承知しているところでござ
います。
 御指摘のとおり、障害者に係る欠格条項につきましては、現在、障害者施
策推進本部が策定いたしました障害者対策に関する新長期計画及び障害者プ
ランに基づきまして、推進本部を初めといたしまして、障害を欠格事由とす
る制度の所管省庁におきまして必要な見直しを行っているところでございま
すけれども、警察庁におきましても、現在そのような情勢を踏まえまして、
てんかん病に関する専門家等の御意見を承りつつ、調査検討を行っていると
ころでございます。

○渡辺孝男君
 そこでお聞きしたいんですけれども、交通事故でてんかんが事故原因と推
測される頻度というのは実際にどれくらいあるのか、平成九年度のデータを
教えていただきたいと思います。

○政府委員(玉造敏夫君)
 てんかん病者に係る交通事故の件数でございますが、平成九年中の発生件
数は六十一件、そのうちの死亡事故件数は二件でございます。

○渡辺孝男君 母集団の数値が入っておりませんので、そこも教えてくださ
い。

○政府委員(玉造敏夫君)
 全交通事故件数という御趣旨であろうと思いますが、全交通事故件数は七
十八万三百九十九件、全死亡事故件数は九千二百二十件でございます。

○渡辺孝男君
 大体〇・〇一%か、死亡事故に関しては〇・〇二%ぐらいの頻度というこ
とになりますけれども、てんかんのほかに交通事故等に遭う可能性のある疾
患というのはほかにもいろいろあると思います。失神や意識障害を起こす脳
卒中や循環器疾患、そのような症状で交通事故を起こした、あるいは死亡事
故になったという比較データというのは持っていらっしゃいますか。

○政府委員(玉造敏夫君)
 運転免許の欠格事由となっていない疾患を原因とする交通事故につきまし
ては、運転者について言いますと、免許を受けている者がその疾患に係る交
通事故の当事者となったということでございまして、本来運転免許の欠格事
由となっている、そして免許を取得できない、さらに言いますと免許の取り
消しの対象となる、例えばてんかん病者に係る交通事故との比較というのは
なかなか困難かというふうに思います。

○渡辺孝男君
 もちろんてんかんの患者さんという診断がつけば、発作があるうちは運転
免許はないわけですから、単純な比較はできませんが、先ほどの調査ではて
んかんの患者さんの事故との関係というのをちゃんと調べているということ
ですので、直接の比較ではありませんが、参考としましてやはり他疾患での
死亡事故の事故数、そういうものもきちんと調べておくべきではないか、そ
ういうものがなければ客観的なデータがそろわないので、いつまでたっても
欠格事項の見直しにはならないんではないかと、そのように考えるわけです。
 それと関連しまして、諸外国ではこのようなてんかん病患者さんを自動車
免許の欠格事由にしていないという国があったら教えていただきたいと思い
ます。

○政府委員(玉造敏夫君)
 諸外国におけるてんかん病者に係る運転免許の欠格条項については、現在
調査を行っているところでございまして、確定的なことを申し上げる状況に
はございません。しっかり調べたいと思っております。

○渡辺孝男君
 てんかんの発作がコントロールされていれば絶対的な欠格事由にはならな
い、何年か、二、三年発作が起きていない、お薬を飲んでいればそういうて
んかん発作を起こす危険がない、そういう条件とか、脳波でてんかんの波が
出ていないとか、そういうある程度の条件をクリアすれば運転しても安全で
はないかというような、そういう国もあるんではないか。
 僕も調べてないんでちょっとわかりませんが、そういう国がありましたら、
そこでそういう患者さんが運転していての事故の発生頻度、あとほかの疾患
での事故の発生頻度、そういうものを調べていただければ、コントロールさ
れているてんかん患者を特別差別する必要はないというような客観的なデー
タも得られるんではないか。推測ですけれども、そういう国がありましたら
そういうデータをとっていただいて、参考にして見直しの検討をしていただ
きたいと、そのように考えております。
 現代でも、日本では車社会でありまして、そういうてんかんの患者さんも
コントロールされている人は自分で自動車を運転できるということになれば、
日常生活でも非常に便利でありますし、就職の面でも非常に有利ではないか
と、そのように考えております。やはりノーマライゼーションの精神からも
きちんとそこの見直しに真剣に取り組んでいただきたい、そのように考えて
おります。


欠格条項  ◇てんかん epilepsy  ◇バリアフリー/ユニバーサルデザイン/アクセス/まちづくり
TOP HOME (http://www.arsvi.com)