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若年非正規労働者による労働組合のニュースなど  2006年

2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 200701-06 200707-12

製作:橋口昌治* 2007.07-



■記者の目:06年に一言 フリーター「奴隷ですから…」=東海林智(社会部) (毎日新聞)
 http://www.asyura2.com/07/senkyo29/msg/378.html
 ◇労働の尊厳奪う格差社会−−いじめ、過酷残業も拡大

 「奴隷ですから……」

 この1年、労働現場を取材する中で、派遣労働者や携帯電話で日々の仕事の紹介を受けるフリーターからたびたびこの言葉を聞き、ドキリとした。憤り、恨 み、あきらめ……。ニュアンスこそ違え、そこには「人として扱ってくれ」という強烈な思いが感じられた。

 「格差社会」が注目を集め、正社員と非正社員としての働き方や少子化、教育など、さまざまな角度から「格差」が論じられた。そんな中、「再チャレンジ」 を掲げる安倍晋三首相が登場した。再チャレンジにケチを付ける気はない。そうした制度を整えるのは大事なことだ。だが、気になるのは、格差の底辺に置かれ た人たちが「労働の尊厳」まで奪われているということだ。そして、それは働く者すべてに広がりつつあるように感じる。

 神奈川県内に住む男性(42)は、携帯電話で日々の仕事の紹介を受けて生計を立てている。今年2月、大手人材派遣会社に解体現場での仕事を紹介された。 「マスクを買って行って」と指示があった。もちろん自前だ。100円マスクを手に、着いた現場で派遣先の社員は防毒マスクのようないかめしいマスクをつけ ていた。アスベスト(石綿)を使っていた施設の解体現場だ。作業が始まると、ほこりで1メートル先も見えない。派遣のバイト4人はせき込みながら貧弱なマ スクで作業をした。これで交通費1000円込みの日給は8000円。マスク代や税金などを差し引くと手取りは6000円程度だ。

 日々紹介を受ける仕事。行ってみないと現場の様子は分からない。危ない現場でも断っていたらすぐに干上がる。こんな仕事を月25日しても、手取りは15 万円に満たない。仕事の紹介がない月は月収が5万円以下の時もある。有給休暇も雇用保険もない。自動車工場や公共施設などを転々とした職歴。どこも1年以 上の雇用を約束してくれなかったからだ。「安い命でしょ。僕らには何をしてもいいんですかね」。働く喜びや誇りはどこにもない。

 派遣社員で事務の仕事につく女性(40)は、数カ月ごとの細切れ契約を繰り返しながら働いた。海外留学で鍛えたネーティブ並みの英語力も時給には反映さ れない。契約外の翻訳もこなし、賃上げを求めると「あなたの賃金は物件費で扱われているから無理」と言われた。税金の関係で物件費に回されているのだが、 女性は「働いているのに人件費にさえカウントされないと思うと、情けなくて涙が出た」とこぼした。

 他にもガラガラの社員食堂を使わせてもらえず、プレハブ小屋での食事を強いられた請負会社の社員、牛丼屋のバイトを3年続け、「誰よりもうまく盛りつけ られる」と誇りを持っていた仕事をバイトだからと一方的に解雇された若者……と、切ない話をいくつも聞いた。

 だが、非正社員だけではない。労働の尊厳を奪うような状況は、正社員の間にも広がり始めている。職場での陰湿ないじめがそうだ。「ダメ社員」と決めつけ 「再教育」の名で業務とは関係のない書類の廃棄作業を延々と続けさせたり、倉庫での一人だけの在庫確認を強制して退職に追い込む。こなし切れない業務を負 わされ、終わることのない仕事を強いられる。労働相談を長年続けている日本労働弁護団は「過去に経験したことのない異常事態」と、いじめ相談の多さに驚 く。

 長時間労働もそうだ。厚生労働省の調査でも30代、40代前半の男性労働者の4人に1人は週60時間以上働いている。これは月にすれば80時間以上残業 していることになり、過労死の危険性を指摘されるラインに達する。夫を過労死で亡くした遺族はこう言った。「残された子供は『一生懸命まじめに働いたって お父さんは死んじゃったじゃないか』と言いました」。別の遺族は「人間として生きていけるような労働の在り方を実現してほしい」と訴えた。

 不安定な雇用の下、低賃金で働くか、正社員として死ぬまでこき使われるか。極端な言い方かもしれないが、労働の尊厳を奪うこうした働かせ方が格差の下敷 きになっているように思えてならない。「再チャレンジ」した先にたどりつくのが同じように命を削るような働き方をする正社員であるのだとすれば、そこに希 望は感じられるだろうか。

 繰り返すが、「再チャレンジ」のシステムを作ること自体は否定はしない。だが、そこには「人間らしく働く」という基本的な要求が満たされていなければな らないと思う。それに向き合わない、格差解消、再チャレンジの言葉はあまりにも軽く、空々しい。


■1229
□「個人加入で成果 広がる地域労組」(朝日新聞)
 http://a.sanpal.co.jp/paff/union/media_img/061229_asahi_hosorurouso.jpg

■1218
□「試される憲法 誕生60年 フリーターの生存権危機 作家の雨宮処凛さん」(東京新聞)
 http://a.sanpal.co.jp/paff/union/media_img/061218_tokyo_amamiya.jpg

■1216
□(私の視点ウイークエンド)「すき家」解雇撤回 アルバイトも声あげよう 河添誠(朝日新聞)

 牛丼チェーン「すき家」でアルバイトをする20代の若者たちが、労働組合「首都圏青年ユニオン」に加わって団体交渉した結果、解雇の撤回と未払いの残業 代を支払わせることに成功した。労働の規制緩和が進み、企業が非正社員を使い捨てにする風潮は強まるばかりだ。自らの権利を守るため、もっと積極的に声を 上げていくべきではないか。
 解雇の撤回を勝ち取ったのは、東京都渋谷区内で働いていた6人。2カ月単位の雇用契約を自動更新される形で2〜5年にわたって働き続け、店の中核的な存 在だったにもかかわらず、改装で数日、店を閉めるというだけの理由で7月、解雇を言い渡された。
 1人をのぞいてアルバイト収入で自活しており、妻子がいる人もいた。明日からの暮らしに困ると雇用の継続を求めたが、「改めて応募してみてほしい」と言 われて聞き入れられず、困って私たちのもとを訪れたのだ。
 青年ユニオンは00年12月、フリーターなどの若者の雇用を守るために結成された。現在の組合員は20代と30代を中心に280人。各地の若者からは1 日に数件程度の相談が寄せられる。内容は、違法な解雇や退職勧奨、有給休暇の取得拒否、残業代の不払い、社会保険・雇用保険への加入拒否が目立っている。
 最近では、ひどい事例も増えており、企業による非正社員の「モノ扱い」が進んでいると感じる。
 例えば、コンピューターシステム関係の企業で、1年ほど派遣社員として働いていた28歳の女性は、普段通りに勤務して退社した後で、「明日からは行かな くていい」と派遣元から連絡が入った。
 翌日からは派遣先に顔を出すことさえ禁じられ、仲良くしていた職場の仲間にはあいさつできず、社内の私物も整理できなかった。企業は労働力という「商 品」の契約を解除しただけのつもりだろうが、彼女はモノではない。もう少し配慮があってしかるべきではないか。
 上司と口論をした契約社員の女性は、注意もなく突然、解雇を言い渡された。ハローワークで「正社員」と紹介された企業で、「入社前に現場の雰囲気を知っ て」と請負契約で2年近くも工場で働かされた揚げ句、社員にしてもらえなかった男性もいた。
 こうした企業は労働者の権利など眼中になく、安く便利に使い捨てることしか考えていない。05年の非正社員は1633万人で労働者の3分の1を占める。 代わりはいくらでもいると考えているのだ。
 しかも、経済財政諮問会議などは、解雇のトラブルを金で解決する仕組みや、残業代を払わなくて済む制度を創設し、派遣社員の雇用期間などの制限を撤廃す るなど、さらなる緩和を目指すつもりのようだ。すでに、多くの若者が泥沼に足を取られて苦しんでいるのに、さらに水をまき、泥を深めてどうするのか。
 暮らしと未来を守るため、青年ユニオンのような若者自身が声をあげるネットワークを全国に広げよう。個人の訴えを無視した企業も、労働組合に入って団体 交渉を申し入れれば、少なくとも話し合いの席にはつくはずだ。泣き寝入りはやめ、自らの権利を積極的に主張していこう。
 (かわぞえまこと 首都圏青年ユニオン書記長)

□仕事の悩み、無料で応談 青年ユニオン、あす静岡で /静岡県(朝日新聞)

 アルバイトや派遣社員など、正社員以外でも1人で加入できる労働組合「静岡青年ユニオン」が17日、無料の労働相談会を静岡市で開く。前回の相談会の参 加者には、アドバイスをもとに未払いだった残業代などを受け取った人もいるという。
 同ユニオンは04年12月に設立。組合員は約20人で、20〜30代が中心。9月に初めて開いた相談会には、十数人が相談に訪れた。若者に限らず、「退 職金をもらえない」「待遇がひどい」といった年配の人からの相談もあった。
 同ユニオンによると、残業代を受け取ったのは、接骨院に勤務する30代の女性。有給休暇がもらえず、残業代も未払いだったが、相談会で受けたアドバイス に基づき院長と交渉した。女性に勤め続ける意思がなかったため、消化していない有給休暇分の報酬と未払いの残業代を受け取って退職したという。
 相談会は17日午後1〜4時、静岡市駿河区稲川2丁目の県労働組合評議会会議室で。組合員6人と弁護士1人が相談に乗る。面接形式だけでなく、電話によ る相談も受け付ける。当日のみ有効の臨時電話は054・289・2351。


■1110
□牛丼チェーン「すき家」のバイト6人が労組結成(読売新聞)
首都圏青年ユニオン(伊藤和巳委員長)は9日、牛丼チェーン「すき家」を経営する「ゼンショー」(東京)のアルバイト従業員6人が、「すき家ユニオン」を 結成したと発表した。
 6人は20歳代のアルバイト従業員で、今年7月、「店舗の改装」を理由に解雇を通告されたのをきっかけに、青年ユニオンに加入。同社と団体交渉を行っ て、解雇を撤回させた。
 6人は、他のアルバイト従業員についても、雇用安定をはかるため、青年ユニオン内のグループとして「すき家ユニオン」を結成。今後は、ゼンショーのすべ ての従業員を対象に組織化を進めていくという。

□牛丼店フリーター、「ユニオン」を結成 (朝日新聞)

 20〜30歳代が中心の労働組合「首都圏青年ユニオン」(伊藤和巳委員長、約270人)は9日、牛丼チェーンすき家の東京都内の店舗で働くフリーターら 6人で「すき家ユニオン」を結成したと発表した。すき家を展開する牛丼チェーン大手のゼンショー(東京都港区)に雇われている人すべてを対象に加入を呼び かけ、アルバイトの不当解雇を防いだり、残業代をきちんと払ったりするよう、会社側に求めていくという。


■1104
□大手請負日研総業、ホットライン開設(朝日新聞)


 大手請負会社、日研総業は、同社の派遣社員らが派遣先の正社員らとの待遇格差の是正を求めて企業横断労組「ガテン系連帯」を結成したことを受け、7日か ら社員向けホットラインを開設する。社員の不満の吸い上げや実態の把握を強めるため。近く、約3万6000人の全社員にアンケートも実施、就業環境、キャ リアアップなどの要望を聞く。
 清水真一社長は「業界最大手として今回の事態を前向きに生かしたい。派遣先との賃金格差については研修センターの増設などで希望する社員のスキルを引き 上げ、単価の高い仕事を提供していく形で改善に努力したい」と話している。


■1101
□(元気で働く)派遣・請負、労組で活路 製造業で相次ぎ旗揚げ(朝日新聞)

 「偽装請負」などが問題化する製造業で、労働条件の改善を求める派遣・請負労働者の労組が相次いで生まれている。10月、キヤノンで働く請負労働者が労 組を結成し、製造業の非正社員のための初の全国労組「ガテン系連帯」も旗揚げした。31日に発表された9月の完全失業率は4・2%。前月より0・1ポイン ト上がったが雇用情勢は改善基調という。景気の回復で、こうした働き手の問題は解決されるのか。労組に活路を求めた当事者たちの実情を聞いた。(竹信三恵 子)

 「自分たちは使い捨て可能な便利な道具じゃない。人間として扱ってほしい」。東京・日野市内で開かれた製造業で働く非正社員の労組「ガテン系連帯」の発 足式で、和田義光さん(42)と池田一慶さん(27)は訴えた。
 2人は、請負労働者を多く組織してきた全日本建設運輸連帯労組に相談し、契約する大手請負会社「日研総業」に和田さんを委員長とする労組を結成。同社 と、派遣先の日野自動車の両社に団体交渉を申し入れ、正社員らとの格差の是正などを求めている。
 池田さんと木下武男・昭和女子大教授(労働社会学)が共同代表になったNPOも発足。そのホームページには、立ち上げから3日で約4200件ものアクセ スが殺到した。
 労組結成へ背中を押したのは雇用形態の不透明さや、同じ仕事をする直接雇用の社員との格差だった。
 日研によると、2人は派遣でも請負でもない「出向」。これを東京労働局から不適切と指導され、日研は9月、派遣に転換した。しかし、当事者は打診も受け なかった。
 工場では、半分が正社員、2割が一定期間だけ働く期間工といった直接雇用の働き手で、3割が請負や出向など。直径約60センチ、重さ10〜60キロの円 盤を持ち上げて歯車を刻む機械に取り付け、トラック用のギアをつくる仕事に、多様な立場の働き手が同じように携わる。
 和田さんは郷里の新潟で仕事がみつからず、日研の地元説明会に出て契約した。家族への仕送りが必要だが、深夜業や休日勤務をめいっぱいしても年収は 300万円に満たず、正社員とは数百万円の差がつく。
 期間工も、会社の都合で労働日数が減ると休日補償がある。
 だが、和田さんらは休日補償なし。寮費3万8千円、冷蔵庫などのリース料、光熱費も引かれ、手元に残るのは月十数万円。
 池田さんは05年、大学を卒業、日研と契約した。病気で休んだら、3日目に日研から仕事を打ち切ると言われた。請負会社にとって工場はお客。だれも守っ てくれない、と思った。重い円盤を落とし指をつぶすケガもあるが、先輩は「ケガや病気は隠せ。ばれると契約を切られる」と言う。
 日研は「日野の社員ではないので、待遇の違いは仕方ない」という。だが「国際的には同一労働同一賃金が原則なのでは」と和田さん。「不安定な働き手こそ 割高な賃金や保障が必要。何年働いても1年生。貯金もできず、転職できる技能も身につかず、浮かび上がれない」
 「ガテン系連帯」の発足式に出たルポライター鎌田慧さんは「戦後の製造現場では期間工差別が問題になってきたが、その下にさらに新しい階級ができた」と 衝撃を隠さなかった。

 ○技術の継承に現場で広がる不安
 正社員化を求めてキヤノンで労組を結成した請負男性(31)は、こうした働き方がモノづくりに与える影響を心配する。
 高校卒業後、大手自動車メーカーの正社員などを経て人材会社に入り、00年から請負の形で同社でレンズ製造にかかわってきた。05年から派遣に切り替え られ、今年5月に再び請負に。所属する人材会社にはノウハウが不十分で、事実上、キヤノンの技術者から指示を受けてきたという。
 勤続年数が延びるにつれ、要求は高度化したが、待遇は不安定な請負のまま。「いつ切られるかわからない。将来が不安でやめた仲間も多い。待遇もさること ながら技術の継承はどうなるのかが心配だ」
 キヤノン側は「請負に戻したのは男性が所属する人材会社に仕事を指揮する態勢が整ったからだ。人材会社には対価は払っている。請負社員の待遇は人材会社 側の問題」という。
 理科系の大学を卒業した女性(34)は、体調を崩して自動車部品メーカーを退職後、00年から約5年、別のカメラメーカーなどで請負の形で働いた。3分 の2が非正社員だった。訓練なしに、いきなり作業手順書を渡された。手順書どおりやっても機械が動かない。先輩も請負の男性。聞いてもライバル意識からか 教えてくれない。試行錯誤の末、なんとか動かした。
 経験のない分野も任された。無理だというと、請負会社の担当者は「君の不心得だ」。入門書を読みながら、必死で作業を進めたが、無理がたたって病気がぶ り返し、郷里に戻った。「こんなことで日本の製造業は大丈夫なのか」

 ◇均等待遇で労働者保護を
 派遣問題に詳しい中野麻美弁護士の話 偽装請負などは、雇用者の責任逃れを促し、働き手への最低限の保護まで否定されて労働が買いたたかれる。正規の常 用雇用を駆逐する勢いも強く、職場や社会への影響は深刻だ。これらの間接雇用には、常用雇用に取って代わることを防ぐ措置や、均等待遇の保障を含んだ労働 者保護が不可欠。違法行為があれば受け入れ企業に雇用責任を持たせるルールの適用が必要だ。経済界には「実態に合わせた規制緩和」との声があるようだが、 危険すぎる。

 ◇企業に自覚を促すべきだ
 厚労省請負事業研究会メンバーの佐藤博樹・東大社会科学研究所教授の話 市場環境の不確実性が高まる中、外部の人材も組み合わせて柔軟に生産する仕組み は必要で、人材ビジネスを全否定はできない。問題は、受け入れ企業が人材だけほしいのか、生産業務までなのか考えて業者を選んでいないこと。生産業務も求 めるなら、生産管理も担う人材が必要で、契約単価も高くなる。単価だけを見たことが偽装請負などを招いた一因。放置すればモノ作りの能力が劣化する。受け 入れ企業側に自覚を促すべきだ。

 ◇キーワード
 <派遣と請負> 請負労働者は本来、請負企業の社員として他企業から注文されて製品をつくる。一方、派遣労働者は派遣会社と契約して受け入れ企業に派遣 され、その指揮命令で働くが、受け入れ企業にも、一定期間を過ぎたら直接雇用を申し込む義務が生じるなど、責任や義務がある。これを逃れるため、派遣社員 を請負社員と偽って受け入れるのが「偽装請負」。非正社員を組織する「全国ユニオン」の10月28日のホットラインでは71件の相談中、35件が「偽装請 負」を訴え、広がりをうかがわせた。

 【写真説明】
請負会社に労組結成を申し入れた和田義光さん(左から3人目)と池田一慶さん(同4人目)=東京都大田区で


■1027
□偽装請負・出向、許さない 「企業横断」労組が発足 「ガテン系連帯」100人目指す(朝日新聞)

 請負や派遣、出向などの形で働く製造業現場の非正社員らが27日、企業横断型の労組を発足させる。偽装請負など違法な働かせ方が問題になる中で、格差是 正など労働条件の向上を求めていく。「偽装」請負で働く労働者の全国組織は初めてで、年内に100人規模の参加を見込んでいる。
 労組名は「ガテン系連帯」。業務請負大手「日研総業」(本社・東京都大田区)から送り込まれ日野自動車(本社・東京都日野市)で働いてきた和田義光さん (42)と池田一慶さん(27)が中心になって結成。同日、日研に対し、「日研総業ユニオン」の結成を通告、同社と日野自動車に団体交渉を申し入れる。
 日野自動車の偽装出向の発覚を受け、本人への説明なしで偽装契約を結んだとして、契約内容の開示や謝罪を求める。正社員などとの休日保障や賃金の格差是 正なども要求していく。
 池田さんと木下武男・昭和女子大教授(労働社会学)が共同代表になり、弁護士も加わる支援NPOを併設。他企業で働くフリーターや各地の地域ユニオンの 参加を呼びかける。問い合わせは事務局(03・3861・6210)へ。ホームページはhttp://www.gatenkeirentai.net

■1010
□「中流崩壊時代の(新)[マネープラン]」
年収400万円生涯独身、離婚1回&転職3回、一生フリーターetc.
格差拡大で現実度が増す人生には、何歳までにいくら必要なのか? (週刊SPA!)
 http://a.sanpal.co.jp/paff/union/media_img/061010_spa_freeterlifeplan.jpg

■0917
□若手労働者への労働問題相談会 きょう、富士で=静岡(読売新聞)
若手労働者の組合「静岡青年ユニオン」は17日午後1〜4時、富士市中央町のラ・ホール富士で初めての労働相談会を開く。
 ユニオンは2004年12月に発足し、雇用形態や職種を問わず1人でも加入できる。20歳代を中心に12人が活動し、弁護士から労働法について学んでき た。
 パートやアルバイト、派遣社員など、正社員以外の若手労働者の間では、残業代の未払いや契約違反などのトラブルが増えているといい、相談会ではそうした 問題の相談に応じ、経営者側との交渉も支援する。
 当日はユニオンのメンバーが無料で面談し、電話(0545・51・7851)でも相談を受け付ける。問い合わせは同ユニオン(054・282・ 4060)。

■0912
□「密着ルポ 若年[再チャレンジ不能]世代の反乱」
フリーターなど非正規労働者の労組が乱立、機動隊出動のデモまで−− 広がる格差社会にワーキングプア層は、もはや暴動寸前!?(週刊SPA!)
 http://a.sanpal.co.jp/paff/union/media_img/060912_spa_precaridemo1.jpg
 http://a.sanpal.co.jp/paff/union/media_img/060912_spa_precaridemo2.jpg
 http://a.sanpal.co.jp/paff/union/media_img/060912_spa_precaridemo3.jpg


■0909
□非正社員の悩み、17日無料相談会 静岡青年ユニオン /静岡県(朝日新聞)

 アルバイトや派遣社員など、正社員でなくても1人で加入できる労働組合「静岡青年ユニオン」が17日、初めての無料相談会を富士市で開く。主に20代の 12人の組合員がアドバイスする。労働環境や待遇に疑問を持ちながら、使用者との交渉に乗り出せない非正規労働者に参加を呼びかけている。
 同ユニオンによると、昨年度、県労働組合評議会に寄せられた労働相談は229件。このうち20代が60件、30代が56件で、合わせると過半数を占め た。また、非正規労働者からの相談が118件と、正規労働者(101件)を初めて上回った。
 最近は、20〜30代の派遣社員が、契約と異なる仕事を派遣先でさせられるといった事例が増えているという。
 相談会は17日午後1〜4時、富士市中央町2丁目のラ・ホール富士で。面接のほか、電話(0545・51・7851)での相談も受け付ける。問い合わせ は、同ユニオン(054・282・4060)。

■0902
□光洋シーリング 請負労働者59人 直接雇用かちとった(しんぶん赤旗)

 全日本金属情報機器労働組合(JMIU)は一日、徳島県庁で記者会見し、トヨタ系自動車部品メーカーの光洋シーリングテクノ(徳島県藍住町)で請負の形 で働かされていた五十九人が、同社に直接雇用されることを明らかにしました。会見には、山本善五郎副委員長、同徳島地域支部に加入してたたかってきた同社 で働く矢部浩史さん(41)ら四人が出席しました。

 JMIUは、八月五日に県が提供した協議の場で(1)「偽装請負」の解消のために、対象労働者を「期間契約社員」として直接雇用する(2)別に、経験年 数順に三十人を直接雇用する(3)今回採用する期間契約社員は原則六カ月の雇用契約とし、一定期間と基準により正社員への登用を行う(4)これらにあたっ て、労働組合の所属や活動によって不利益扱いをしない―ことで会社側と合意しました。

 合意に基づき、徳島労働局指導の対象となる労働者二十九人、経験年数の長い労働者三十人が直接雇用に、また正社員が指揮・命令を行う部署の労働者二十九 人が請負から「派遣」契約に切り替わります。

 山本氏は「今回の直接雇用は、勇気を持って立ち上がった若い労働者がかちとった画期的な成果であり、この前進は全国で同じ境遇にある労働者を大いに励ま すものです」と指摘しました。

 矢部さんは「非正規労働者の三分の二、組合内でも半数以上がまだ『請負』労働者のままです。偽装請負がまん延するこんな社会に未来はありません。若い労 働者が『他人の会社のため』じゃなく『自分の会社のため』に働ける環境がつくられるよう引き続き今後もたたかっていきたい」と話しています。
解説
偽装是正の突破口

 光洋での直接雇用の実現は、労働組合をつくり、勇気をもって偽装請負を告発した青年らのたたかいと支援の力が切り開きました。製造現場にまん延する違法 な働かせ方を是正する突破口となるものです。

 松下プラズマディスプレイ、キヤノン大分でも是正の動きとなっています。

 いま偽装請負のような違法労働が製造現場で横行しています。東京労働局の〇四年度の調査では、労働者派遣事業所七百十一事業所のうち、五百七十七事業所 (81・2%)で違法状態がありました。

 光洋で偽装請負として働かされていた青年たちは、正社員と同じ仕事をこなす技術を持ちながら、年収は二百万円前後と半分以下でした。こうした劣悪な労働 条件は「ワーキングプア」の広がりとして社会問題になっています。

 青年たちが直接雇用を求めて労働組合をつくったのは二年前。会社は、団体交渉すら拒みました。労働者を守るべき労働局も、違法派遣であると認定しなが ら、「適正な請負にする」との会社側のいい分にそった指導に終始し、直接雇用に背を向けてきました。

 これに屈しない青年たちと全労連をはじめ広範な労組・団体と、日本共産党国会議員団の現地調査をふまえた度重なる国会質問などの支援が直接雇用の道を開 きました。(酒井慎太郎)

 偽装請負 派遣労働者は派遣会社と契約を結び、実際の労働は派遣先企業でその指揮のもとに行います。製造現場にも派遣労働が解禁され、期間は二〇〇七年 二月末までは一年を超えてはならないとしています(それ以降は三年)。期間を超えた場合、派遣先企業は直接雇用の責任を負います。これを免れようと、実態 は派遣なのに請負という形をとって働かせる脱法行為が偽装請負です。本来の請負は、仕事を請け負った業者がその責任で成し遂げ、納品します。契約の形式が 請負契約であっても、契約者の指揮で働かせれば違法となります。


■0811
□金曜アンテナ(週刊金曜日)
 「プレカリアートらが使い捨て労働にNO(雨宮処凛)」
 http://www.kinyobi.co.jp/KTools/antena_pt?v=vol618#6
 「フリーターの雇用に強力な味方が登場!(雨宮処凛)」
 http://www.kinyobi.co.jp/KTools/antena_pt?v=vol618#7

■0805
□メーデー!メーデー!メーデー! 4.30弾圧を許すな8.5プレカリアート@アキバ
 〜やられたままで黙ってはいないサウンドデモ→集会〜
 http://sounddemo.nobody.jp/


■0803
□松下系尼崎工場 県の雇用補助金受給後 派遣を請負に変更
党議員団、県に調査要求(しんぶん赤旗)

 日本共産党兵庫県議団は二日、井戸敏三県知事にたいし、松下プラズマディスプレイ尼崎工場が県の雇用補助金(二億円超)受給後、派遣労働者を請負に変更 していることについて、県として事実関係を調査し、事実であれば補助金の返還を求めるべきだと申し入れました。
 県の補助制度は常用雇用(正規・派遣など)を対象とし、従業員一人当たり六十万円から百二十万円まで補助するもので、請負雇用は対象としていません。
 松下電器は、各地の工場で法律上の直接雇用義務を逃れるため、請負雇用への変更をすすめており、大きな問題となっています。
 日本共産党県議団は、これまでも二月と六月県議会などで連続してこの問題を取り上げ、松下の他工場での違法な雇用(偽装請負)の実態や、県の税金投入が 不安定雇用を広げることにつながることを指摘し、見直しを強く求めてきました。
 今回の申し入れでは▽尼崎工場での請負への変更の全容調査▽県がいつ把握したのか▽県の補助金のあり方そのものを抜本的に見直し、正規雇用を拡大する方 向に、雇用対策を転換する―ことを求めています。
 つづき研二、毛利りん、宮田しずのり、新町みちよ、ねりき恵子、杉本ちさと各県議が参加し、表具喜治産業労働部長が「真摯(しんし)に対応して、調査を 行い回答する」と答えました。

■0619
□「楽しいデモ許さない」イラク反戦のデモ行進から始まった若者の抗議行動に、強烈な対応が始まった。背景には「自由」への権力の危惧がある。(アエラ)
 http://a.sanpal.co.jp/paff/union/media_img/060619_aera_1.jpg
 http://a.sanpal.co.jp/paff/union/media_img/060619_aera_2.jpg

■0618
□(元気で働く)お金で解雇、残業代なし? 労働契約法・労働時間制見直しへ(朝日新聞)

 わたしたちの働き方が大きく変わるかもしれない。解雇がお金で解決されたり、残業代がなくなる人も出てくるというのだ。こうした内容を含んだ「労働契約 法」と労働時間制度の見直しへ向けた素案が13日、示された。審議会での議論をへて、来年には国会に法案が提出される見込みだ。「元気で働く」職場が本当 に実現できるのだろうか。働く人たちを通して検証していく。(竹信三恵子、足立朋子、川上健)

 ○「解決金」の水準低下も
 東京都の男性(25)は今年1月、勤め先だった中堅出版社の社長にいきなり言われた。「君は今の仕事に向いていない。3月まで働いてやめてほしい」。昨 年11月に就職。それからわずか2カ月後だった。
 4月入社の新卒社員を採用することになり、自分と取り換えたくなった、と後で知った。悩んだ末、若者の雇用問題に取り組む首都圏青年ユニオンに相談。職 場復帰を求めて交渉を始めた。その結果、退職と引き換えに、3カ月分の賃金を解決金として受け取った。
 同ユニオンには、「能力主義」の名の下に、入社数カ月で解雇を言い渡される若い社員の相談が増えている。素案には「解雇の金銭解決」として「労使双方で 金銭で迅速に解決する仕組みの検討」が盛り込まれたが、「金銭解決を法律に明記すればこうした若者はさらに増える」と河添誠・副執行委員長は見る。
 「それなりの解決金がとれるのは職場復帰を前提に交渉するから。解決金を前提に交渉を始めれば、出発点が下がり、安いコストで正社員の若者も取り換えて いける仕組みができかねない」との論理だ。
 金銭解決を擁護する意見として「裁判で闘うのは働く人の負担になり、勝訴しても職場に残る人は少ないはず」という声がある。だが、昨年8月の労働政策研 究・研修機構の調査によると、解雇が無効という判決が確定した事件のうち、原職復帰した比率は、4割前後もある。
 素案には、会社の就業規則を変えるとき過半数の社員でつくる組合の合意があれば個々の従業員の合意もあったと推定できることも盛り込まれた。過半数組合 がない場合は「すべての従業員を適正に代表する者」との合意とする、とある。
 「従業員の代表と労使協定を結び、入社1年たたない育休は認めないことになりました」。都内のIT企業に勤める30代の女性は、先月下旬、会社側にこう 言い渡され、愕然(がくぜん)とした。
 派遣から正社員に転換した。やっと子どもがつくれた。そして育休取得を申し出た1カ月後だった。育休が取れなければ辞めるしかない。「狙い撃ちされた」 と女性はいう。
 経営者の事情に詳しい内田哲也弁護士は、「経営側は安心して労働条件を変更でき、経営が安定する」と見る。だが、働く側によっては、新しい不安要因にも なりかねない。

 ○パート「正社員化」促すか
 もっとも話題を呼んでいるのが、緩やかな管理のもとで働き、労働時間規制から外れる「自律的労働制度」の創設だ。
 仕事の量や時間配分を自ら調節できる人が増えたことに対応する制度で、「高収入で、まとまって働き、まとまって休む」人のイメージだ。
 日本労働弁護団は13日、シンポジウムを都内で開いた。鴨田哲郎弁護士は、要件が会社の業務指示を拒絶できる労働者となっていることに触れ、「仕事を断 る自由がある労働者なんていますか?」というと、会場から失笑が漏れた。
 厚労省は、あくまでも働き手の多様化に対応する選択肢の一つ、とし、対象はごく一部の限られた人になると説明する。ただし、不払い残業の隠れみのになら ないよう、年収は「一定水準以上」(具体額は今後の議論で決定するが、経団連は400万円以上と提案)。書面合意や休日確保などの要件を厳しくし、不適切 な人が紛れ込まないようにするという。
 契約法制では、いまや働く人の3人に1人に上るパートや派遣社員ら、非正社員をめぐるルールの明確化も大きな柱だ。企業は有期で雇用する理由は明示しな ければならないと提案。
 一方、当初、契約更新を繰り返せば正社員化するとしていたことについては、13日の素案では「優先的に応募機会を付与する」と変更。会社の選択にまかせ るという表現に変わった。
 ある経済団体担当者は「正社員化したくない企業は決められた更新回数の前で契約しなくなる方向に進むだろう」と話す。
 (「元気で働く」は随時掲載します)

<労働契約法・時間法制見直し案ポイント>
□就業規則
就業規則の変更の際、過半数の従業員でつくる組合の合意があれば、個別の従業員の合意と推定。ない場合は、すべての労働者を適正に代表する者との合意とす る
□解雇
・整理解雇は判例の4要素(人員削減の必要性、回避措置、対象者の選定方法、手続き)を明確化
・労使双方が金銭で迅速に解決する仕組みを検討
□有期労働契約
・1年や3回を超えて契約更新している場合は、正社員に優先的に応募させる
□時間外労働の削減
・月40時間を超える残業には1日、75時間では2日の「健康確保の休日」を義務づけ
・月30時間を超える残業は割増率を25%から50%に引き上げ
□自律的労働
・緩やかな管理で自律的に働く人を、1日8時間の労働時間規制からはずし、残業代の規定を適用しない

◇民事上の個別労働紛争相談の内訳
解雇          26.1%
労働条件の引き下げ   14.0
退職勧奨         7.2
出向・配置転換      3.4
その他の労働条件    19.6
セクシャルハラスメント  2.3
女性労働問題       1.2
募集・採用        1.5
雇用管理等        1.7
いじめ・嫌がらせ     8.9
その他         14.1

 【写真説明】
労働法制の見直しが話し合われた労政審労働条件分科会=13日午後、東京・霞が関の厚労省で、菊地洋行撮影

■0614
□雇用側、一律の残業代は不公平 社員側、時間内では終わらぬ 労働法制見直し素案(朝日新聞)

 職場が大きく変わろうとしている。厚生労働省が13日示した、会社と従業員の雇用ルールや労働時間制度見直しの中間報告の素案では、残業代の引き上げを 提案する一方で、残業代が支払われない社員の拡大や金銭解決による解雇の仕組みの検討なども盛り込まれた。見直しは職場のトラブル防止や長時間労働の是正 につながるのか――。=1面参照

 「ただでさえ残業の不払いが多いのに……。これではだめだ」。連合の高木剛会長は、厚労省の素案をそう切って捨てる。
 バブル崩壊後のリストラや非正社員の増加、労使紛争の増加などを背景に始まった雇用ルールの見直しの議論だが、労働側には「企業が安く使い捨てできる人 材を増やすことにならないか」という警戒感が根強くある。
 13日夜、都内で開かれた日本労働弁護団のシンポジウムでは、同弁護団会長の宮里邦雄弁護士が「ネーミングにごまかされてはいけない。実態は時間外手当 支払い免脱法だ」と訴えた。
 このため素案では、労働側が「組合の形骸化(けいがいか)になりかねない」と反発していた「労使委員会」の言葉を削り、長時間労働を改めさせるため残業 代の引き上げを盛り込むなど、労働側を話し合いのテーブルにつかせる「配慮」をにじませたが、不信感は消えていない。
 最大の懸念材料が、労働時間や残業代の適用を受けない社員を増やす「自律的労働制度」と呼ばれる仕組みの導入。米国の「ホワイトカラー・エグゼンプショ ン」にならったもので、経済界が強く求めている。素案では「時間管理を受けず、より一層の能力発揮を望む人」などとしているが、日本経団連は「年収400 万円以上」としている。
 使用者側は「漫然と働く人に残業代が支払われるのは不公平」「成果で評価することが職場の士気を高める」と意義を強調する。だが、04年の労働政策研 究・研修機構の調査では、超過労働を行う理由の61%が「所定内の時間では片づかないから」。仕事量が多く、残業に追い込まれる職場の実態が浮かぶ。30 歳代男性で週60時間以上働いている人は4人に1人と増加傾向にある=グラフ参照。
 昨年12月、会社を相手取って訴訟を起こした日本マクドナルドの店長の場合、残業は月100時間を超え、体も壊したが、「店長は管理職。管理職は労基法 の適用外」とされて残業代が払われず収入は下がった、と訴えている。請求した未払い残業代は2年間で780万円を超した。
 素案では、月の残業が30時間を超えた場合、賃金に上乗せされる残業代の割増率を今の25%から50%に引き上げることも提案しているが、厚労省によれ ば、月の残業が30時間を超えるのは1割程度の企業。むしろ「30時間以内ならいいんだという現状追認を招きかねない」という懸念も広がる。
 また、「解雇の金銭的解決」の仕組みの検討も、素案には明記されている。解雇をめぐって裁判などで争いになり、職場への復帰が難しくなった時にお金を支 払うことで解雇を認める仕組みだ。首都圏青年ユニオンの河添誠副執行委員長は、「職場復帰を求めるところから交渉が始まるからこそ解決金の額も上がる。金 銭解決を最初から認めたら解決金の相場は下がり、人の使い捨てが一段と簡単になるのでは」と心配する。

 ●財界、「多様な働き方」歓迎
 経団連は「個人の裁量で時間配分することを考えると、ホワイトカラー・エグゼンプションが最適だ」(労政第二本部)と、労基法改正を求めてきた。日興 コーディアル証券は04年から企画部門などに裁量労働制を導入、全社員の2割弱にあたる約1千人に広がった。「自律的労働制度」にも「働き方は多様化して おり、社員はより自律的に働けるだろう」と歓迎する。
 大手商社の人事担当者も「商社は海外部門と連絡をとるために待機していることも含めて、仕事とそうでない時間の定義があいまい。1日4時間しか働かない こともあれば、20時間働いても仕事が終わらないこともある。ホワイトカラー・エグゼンプションは賛成」と話す。
 疑問もある。リクルートの柏木斉社長は「議論を進めるのは大事。だが、時間的要素を完全に排して、成果だけで評価できる仕事とは何か。働く側の人たちに も納得できるものか。労使関係は信頼だ。雇う側が『こう考えることができる』というだけではいけない」と慎重だ。

 ◆キーワード
 〈ホワイトカラー・エグゼンプション〉 米国では日本のような労働時間規制自体はないが、「公正労働基準法」で週40時間を超えて働かせる場合は、残業 代を支払わなければならないとする残業代の規定がある。ここから一部の労働者を適用除外(エグゼンプション)する制度。管理、運営、学識者などで収入が週 455ドル以上などの要件を満たす人が対象。
 政府の「規制改革・民間開放推進3カ年計画」は05年3月、「米国を参考にした労働時間規制の適用除外を検討」を閣議決定。これを受け同4月から厚労省 内で検討が始まった。

 ■30歳代男性で週60時間以上働いているひと
               93年    05年
週60時間以上        20.3%  23.4%
週35時間以上〜60時間未満 72.6   69.0
週35時間未満         6.5    6.7
 (厚労省による)

 【写真説明】
厚労省の前で労働時間の規制撤廃反対のビラ配りをする労働組合関係者=13日午後、東京・霞が関で、菊地洋行撮影


■0522
□こちら特報部「サウンドデモなぜ摘発」(東京新聞)
 http://a.sanpal.co.jp/paff/union/media_img/060522_tokyo_demo_1.jpg
 http://a.sanpal.co.jp/paff/union/media_img/060522_tokyo_demo_2.jpg

■0501
□メーデー行動

■0430
□自由と生存のメーデー06――「プレカリアートの企みのために」
 http://www.geocities.jp/precari5/main.html
□メーデー救援会
 http://mayday2006.jugem.jp/
   

■0417
□(時時刻刻)若者雇用、進む流動化 フランス・日本の現状(朝日新聞)
(…)
◇日本 非正社員化の流れ看過
 「日本の実態はCPEよりはるかに先を行っている」。非正社員らでつくる東京ユニオンの関根秀一郎委員長は嘆く。
 日本にはCPEのような制度はない。しかし働く人の3割を占めるパートや契約、派遣社員らの有期雇用については、契約期間満了という形で事実上、理由な く「解雇」されている。「1カ月や3カ月の更新のたびに、簡単に首が切れ、期間もどんどん短くなっている。細切れ契約の不安にさらされ、怖くて苦情も言え ないのが実情だ」
 日本でも雇用の規制緩和の底流にはグローバル化があった。不況が本格化する95年、日経連(現日本経団連)が「新時代の日本的経営」で、国際競争に勝ち 抜くため雇用制度の大幅な見直しを提言。終身雇用は基幹社員に絞り、残りは有期雇用に切り替える経営効率化を打ち出した。
 政府もこれに応え、派遣法など労働法制を改正する。当初9カ月間、13業務で始まった派遣労働を99年、業種を原則自由化。04年には有期雇用の期間制 限が1年から3年になり、製造業への派遣も解禁された。
 05年までの10年間で正社員は446万人減り、非正社員は590万人増。非正社員の割合は21%から32%に急上昇した。24歳までの若者の非正社員 は2人に1人に迫る。失業率は欧州に比べて低いが、不安定な職に就く若者が増えているのが日本の特徴だ。
 その結果、非正社員男性の給与は正社員の64%にすぎず、政府の調査でも若者の所得格差は99年以降、急拡大している。
 なぜ日本では激しい抵抗が起きなかったのか。
 まず、非正社員の声を拾う社会的な仕組みが弱いことがあげられる。日本の労働組合は正社員の企業別組合が中心だからだ。「労組は組合員の職場を守る方向 に流れた。フランスのように露骨な制度改正でなかったこともあり、既存の労働運動からこぼれ落ちてしまった」と、自治労・全国一般評議会の田島恵一さんは 自戒を込めて語る。
 抵抗する余裕すらなかったと指摘するのは、20代が中心の首都圏青年ユニオンの菅原良子さんだ。「何十社受けても正社員になれず、目の前にある仕事で生 活していくのに精いっぱい。とても社会構造まで目が向く余裕がなかった」
 昭和女子大の木下武男教授(労働経済学)は「モラトリアムや自由な働き方が喧伝(けんでん)され、社会も若者も自己責任だと思わされてきた」とみる。 「日本型経営が崩れ、企業が手を引いた分の社会保障はどうするのか。自己責任でというのでは、日本でも将来、若者のホームレスが急増しかねない」(足立朋 子、清川卓史)

 ◆「正職員に」訴え3年
 東京都内の高齢者介護施設で働く女性(26)は1年ごとに契約を更新する非常勤職員だ。介護福祉士の国家資格をもつ。正職員として仕事を続けたいと上司 に言い続けているが、かなわないまま3年が過ぎた。
 給与は時給計算。フルタイムで週5日、正職員と変わらず働くが、月収は手取り約13万円。昇給もボーナスもない。
 職場では非常勤の契約職員や派遣会社から来た人が大半。いつ時給が引き下げられるか、いつ契約が打ち切られるか……。不安を抱えながら働いている。
 2年前に結婚したが、子どもを産む決心はつかない。「非常勤で育児休業をとった人はいない。同じ職場に戻れる保証はないですから」と顔を曇らせた。

 ◆キーワード
 〈日本の解雇の仕組みと有期雇用〉 正社員の解雇には長く法規制がなく「客観的に合理的な理由がなければ無効」との判例で対処してきたが、03年の労働 基準法改正でこの判例を取り込んで明文化した。
 有期雇用(パート、アルバイト、契約、派遣社員など)の上限は原則3年。繰り返し更新して実質的に正社員と変わらない人を更新拒否すると解雇とみなす判 例がある。


UP:20070710
◇労働 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/d/w001.htm
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