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若年非正規労働者による労働組合のニュースなど  2005年

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製作:橋口昌治* 2007.07-



■1026
□「働けって言うな!!」──若者の人間力を高めない非国民運動活動報告
 http://a.sanpal.co.jp/paff/activity/humynpower2005.html

 去る10月 26日に東京・有楽町の東京国際フォーラム前の路上で『PAFF若者の人間を高めない非国民運動』という有志団体による情宣活動が行われた。これは、行政 主導で現在行われている「若者の人間力を高めるための国民運動」のキャンペーンの一環として当日なされた「若者トークセッション2005」に対抗する力と して出現したものだった。
午前11:00すぎにおもむろに横断幕とトラメガ、ビラ撒きで始められた情宣活動で、我々は該当「国民会議」によって9月15日に発表された「若者の人間 力を高めるための国民宣言」の欺瞞性を暴きだした。この宣言で言われる「人間力」とは「働く意欲」そのものであり、働けない者やある種の無気力が排除さ れ、ただ生きることが徹底的に貶められるという不当な内容のものであること。さらに、雇用の流動化の結果、社会的構造としてもたらされたフリーターや野宿 労働者を個人のやる気や根気の問題にすり替え、我々を「働かない者」として規定し差別・抑圧する醜悪な詐術を明確に指摘した。その上で、我々は低賃金での 就労を強いられる中でやむなく長時間労働に勤しむ現状があるのだから、そんな我々になお「働けって言うな!!」と言ってやった。そして、この国民運動にた だ経済界や教育界、労働界、マスメディアだけでなく、それに取り込まれるかたちで若者自身も動員されていく現状を批判し、それらの体制に「余計なことをす んじゃねー」と怒りをぶつけ力強く抗議活動を行った。
 時間も30分を過ぎ、当該イベントに参加するフリーターと思しき若者たちの注目も集め始めたころ、自転車に乗った制服警官4名が現れた。どうやら会場を 管理する(株)東京国際フォーラムからの110番通報を受け、妨害に来たらしい。私有地ではなく公道で行っており、一般交通に著しい影響を与えているわけ ではないことを抗議したが警察権力による妨害はさらに続いた。このとき通りすがりの女性の方が我々に激励をくれるとともに警察にも「この程度のことを妨害 するのはおかしい」といったことを抗議した。やがて場所を変えさらに時間をかけて情宣活動を行った後、当日の行動を終了した。
 やや不満足な結果に終わったが、我々の主張を打ち出し、力として出現させるという当初の目的は十分に達成されたといえるだろう。ただ、我々の情宣活動の 前で背を向け片手を挙げるナチのような真似をして記念写真を撮ったり、警察権力が現れたことで対応に努める我々の前に集団記念写真のように並んでポーズを し、写真を撮りあっていた支援団体関係者と我々はこれからいかに交わす言葉を見つけ、批判していけるのか、これが我々の置かれた厳しい現状を同時に示して もいるだろう。その他にもイベントのことはおそらく知らず、「働けっていうな!」と書かれた横断幕を見て嫌悪感をあらわす有楽町のサラリーマンもいた。お そらく「非国民運動」という名前も、安直ではあるし好きな人と嫌悪感を示す人とにきれいに二分されることは予想していた。しかしそれは、我々のやること が、なにをするにしても「国民」や「まっとうな人間」への成長過程と見られ扱われる中でなお生きなければならないことへのはっきりとした拒否から始まらな ければいけなかったゆえに、我々が確固として選んだ言葉だったのだ。
 これからもこの「国民運動」は莫大な予算を使って全国でさまざまなキャンペーン活動を展開していくつもりであるらしい。その到る所に我々は対抗する力と して出現するだろう。そして、今回以上の力を見せ付けるであろうことをここに表明してこのレポートを閉じたい。

 PAFF若者の人間力を高めない非国民運動


□若者の人間力を高めない非国民宣言
 http://a.sanpal.co.jp/paff/resource/statement_20051026.html
2005年10月26日

 経営者たちの圧力団体である経団連の会長、奥田碩を議長とし、厚生労働省が主催する「若者の人間力を高めるための国民会議」は先月9月15日、「若者の 人間力を高めるための国民宣言」なるものを発表した。直接的には2003年の「若者自立・挑戦プラン」を契機とするこの宣言のなかには、「意欲」や「力」 という言葉があふれている。やれ、「子供のころから人生を考える力やコミュニケーション能力を高める」、やれ、「意欲ある若者にチャンスを与える」、や れ、「若者が自ら能力向上に励むことのできる環境を」うんぬん。
 まるで働かないことがこの世の極悪であるかのような脅迫にさらされた、なんとしても若者を働かせようという労働中心主義ともいえる執念めいたこの文言 に、我々はうす気味の悪さを感じざるを得ない。ある種の無気力や働けないことが排除され、ただ生きることが徹底的に貶められる。
 そこには、90年代半ばから資本の要請によりなされた雇用の流動化の結果もたらされた構造的な我々若年層の雇用問題を、個人のやる気だとか意欲の問題と してすり替える醜悪な詐術が見え透いている。さらには、ここで宣言されている働く意欲を掻き立てようとする文言の裏面として、社会構造的にもたらされたフ リーターや野宿者、それにニートと呼ばれる人たちを「働く意欲をもてない者」として規定し差別・抑圧する思想があるのだ、と我々は明確に指摘しなければな らない。
 そして今日、この運動の一環として「若者自身」を参加させ、とりこむ形で「若者トークセッション2005」というイベントが開催される。
 このイベントを主催する彼ら経営者や政府が、やる気のない者の仕事とするアルバイトなどの非正規労働は、まさに彼らの利益のために作り出されてきたし、 これからも増えていく傾向にある。彼らは決してそういうものを「立派な」正規労働者に変えてしまおうとしているのではなく、ただそのままの貶められた状況 の中で反省だけをして無理やり生き生きと、がんばって働いてもらうことだけを望んでいるのだ。そうすることで当然彼らの利益も上がるのだから、こんなせこ い集まりまで作って頑張るのもうなずける。
 しかし、人の生とは労働だけではない。友人と談笑したり、映画を見たり、読書をしたり、音楽を聴いたり、旅行をしたり、恋愛をしたり、生とはもっと豊か なもののはずである。しかし、これらは必ずしも労働の対価としてもたらされるものではない。一部の勤労者に労働のほかに余白のない生を強要される覚えなん てさらさらないのだ。それに、我々フリーターは低賃金ゆえに生活を維持するため長時間労働を強いられている。そんな我々になお働けって言うな!
  はっきりしておきたいのは彼らの望みと私たちの望みはまったく別のところにあるということだ。我々が彼らの望むような方法で自分たち自身を「支援」し たりすることはないし、そうする中で無為な競争に喜んで入っていくこともない(日々無理やり入らされるとしても)。我々はもっと働くのではなく、もっと自 由に生きるために集まる。 ここに我々はこの「若者の人間力を高めるための国民宣言」でいわれる「人間力」が「働く意欲」そのものであることを喝破し、 はっきりとこういってやろう。

 「大きなお世話だ! 余計なことすんじゃねー!」

PAFF 若者の人間力を高めない非国民運動


■0620
□ネーミングの共鳴力 実態を隠すか本質をあらわにするか(アエラ)
(…)
逆に昨年、突然表舞台に登場し、定着してしまった言葉といえば「ニート」。もともとイギリス生まれのこの概念を、日本に紹介したのは労働政策研究・研修機 構副統括研究員の小杉礼子さん。
 「若年者の失業対策を、いくらやっても届かない層がいた。高校を中退してしまえば、ヤングハローワークの存在も知らされないし、就職情報も届かない。そ ういう層を意識しないで政策を展開しても意味がないと気付いたんです」
 最新の政府統計によると、ニートは84万7千人。ニートという言葉が登場する前には認識されなかった層だ。言葉の浸透と共に、若者の就職支援をする 「ジョブカフェ」、働く意欲を促す「若者自立塾」などの政策が生まれ、ニートを支援するNPOなども増えてきた。功績は大だ。
 だが、小杉さんにはこんな声も届く。
 「ニートの原因を社会のせいにするから、自助努力をしない言い訳になるのではないか」
 たしかに、「ニート」と命名したことが、当のニート当事者たちに力を与えたかどうかは、小杉さん自身も疑問だという。さらに、存在が顕在化したことで風 当たりも強くなった。
 先輩格の「フリーター」も同じようなジレンマを抱える。87年に命名したのは、リクルートが発行する雑誌「フロム・エー」。それまで「プー太郎」「無 職」と呼ばれた若者のイメージを一新した。現編集長の渡辺一正さんは言う。
 「命名当時はバブル期。あえて正社員にはならず、夢をもって自由に生きる人たちをそう呼んだのですが、バブル崩壊後は正社員の採用が減り、正社員になり たくてもなれない人が増えた。夢を持って頑張っているフリーターも多いのに、社会的にはネガティブなイメージになってしまった」
 
 ○「呆け」は差別じゃない
 フリーターのイメージを一新するためか、リクルートは最近新たにネーミングを考案。単発バイトで働く人は「ショットワーカー」、会社に属さない個人事業 主は「プロワーカー」。いずれもカタカナ語でおしゃれさを前面に出す。
 だが、フリーターなど非正社員のための労組「首都圏青年ユニオン」の名取学委員長は手厳しい。
 「相談にくるフリーターたちは、会社に対して待遇に不満があり、正社員になって安定したい人が多い。かっこいい言葉で『楽しくやっている人たち』という 雰囲気を出すのは、議論の本質が見えなくなる」

■0501
□自由と生存のメーデー「──資本に戦争に殺されるな、生きろ!& 勝手に踊れ!」
 http://a.sanpal.co.jp/paff/activity/mayday2005.html
 http://www.mkimpo.com/diary/2005/may_day_2005_bis.html

■0104
□正社員とまだまだ格差 流通以外では進まず(読売新聞)
 二〇〇五年春闘が幕を開ける。連合が四年連続でベースアップ(ベア)統一要求を見送るなど、産業界横並びの賃上げ交渉の色彩が一段と薄れる一方で、「非 正社員」の待遇改善が焦点になりそうだ。多くの企業がパート社員や派遣社員などを増やし、重要な戦力になってきたのにもかかわらず、正社員との待遇格差は 依然、著しいためで、従来の正社員主体の賃金・人事制度の見直しなどを巡る交渉が活発化していきそうだ。
 □深まるミゾ
 「(パートなど)非典型社員の(正社員との)均等待遇をどう確立させていくかが、大きな労使の対立点になるだろう。最重要課題に位置づけたい」。連合の 笹森清会長は昨年十二月十七日の記者会見で発言し、二〇〇五春闘では非正社員の待遇改善に力を入れる方針を強調した。
 企業は人件費を抑制するため、正社員を減らし、賃金の低いパートなどを増やす姿勢を強めてきた。総務省や厚生労働省などの調査では、非正社員は二〇〇三 年平均で約千五百万人。非正社員が労働者全体に占める割合は約35%で、一九九九年の調査より約7ポイント増えた。一方、パート社員の一時間当たりの賃金 水準は、女性の場合で正社員の七割以下にとどまる。連合は非正社員の増加などを背景に「所得の二極化が進み、国民全体の購買力が低迷している」とし、その 打開策に仕事の内容などが正社員と同じなら、非正社員の賃金を正社員と同じにする「同一価値労働・同一賃金」を基本とする人事・賃金制度作りを主張する。
 一方、日本経団連は「正社員と非正社員は、仕事の内容などが同じでも、期待されている役割や転勤の有無などに違いがある」として、正社員と非正社員の処 遇の違いを肯定した上、その違いが合理的な理由に基づくものであることを明確化するよう企業に呼び掛けている。これに対し、連合は「公正な均等待遇は、や らないという経営側の姿勢を示しており、許せない」(笹森会長)と反発、労使間のミゾは深まっている。
 □流通業界の試み
 だが、「同一価値労働・同一賃金」を目指す動きは、非正社員の割合が高い流通・サービス業の大手などで実際に出始めている。イオンは二〇〇四年二月、正 社員と、全社員の約八割を占めるパート社員を統一基準で評価し、賃金や人事などに反映する新制度を導入した。両者には転勤の有無などで違いがあるため、正 社員との賃金格差は残るが、「すべての社員について、教育や登用の機会に差をつけない」(人事企画部)という。パートでも、正社員と同じ登用試験を受ける ことで店長への道も開ける。ダイエーなどでも、これに似た制度を導入しているが、他業界では進んでいないのが実情だ。
 □労組に新風
 一方で、フリーターや派遣社員らの待遇改善に向けた労働組合の動きも本格化してきた。フリーターの若者たちを対象に二〇〇〇年に結成された「首都圏青年 ユニオン」は先月、静岡県富士市に「静岡青年ユニオン」を結成した。山梨、愛媛、広島に次ぐ四番目の地方組織で、経営側への影響力の強化を目指す。さらに 組織の拡大を図る方針だ。
 一方、昨年五月には、派遣労働者などの待遇改善を目指す「UIゼンセン同盟人材サービスゼネラルユニオン」が結成された。派遣労働者の賃金は、派遣会社 間の競争激化などを背景に、一方的に引き下げられる例も目立つ。
 同ユニオンは「派遣労働者の賃金は、ユーザー(派遣先)と派遣会社との『商取引』の中で決定されるため、春闘方式の交渉にはなじまない」としているが、 連合は「正社員などと同じ職場で働くメンバーとして、派遣社員も経営側との話し合いの対象になれば、処遇改善にもつながるのではないか」(須賀恭孝・総合 局長)として"共闘"を提起している。
 
 写真=スーパーなどでは、パート社員が不可欠な存在だ(千葉県習志野市のジャスコ津田沼店で)
 写真=静岡県富士市で開かれた「静岡青年ユニオン」の結成大会 


UP:20070710
◇労働 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/d/w001.htm
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