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『私の夫は高次脳機能障害です 本人・家族がおだやかに暮らすための妻たちの知恵――夫の行動研究から』
奥宮 暁子(おくみや あきこ)監修/薮中 弘美(やぶなか ひろみ)・ポロミナ編集部編著 202009 医歯薬出版,168p.
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last update: 20210325
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■奥宮 暁子監修/薮中 弘美・ポロミナ編集部編著 202009 『私の夫は高次脳機能障害です 本人・家族がおだやかに暮らすための妻たちの知恵――夫の行動研究から』,医歯薬出版,168p. ISBN-10: 4263237455 ISBN-13: 978-4263237458 2200+
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※ ds/ds
■内容
出版社ページより
●障害とともに暮らす日常には,入院中にはみえない困りごとがたくさん!
●妻だからこそ知りえる,高次脳機能障害の夫を背負って走る感じ,共倒れになりそうな感じ,投げ出してしまいたくなる感じ,そんな〈自身の体験〉や〈行動研究から導き出した知恵〉など,家族と医療職・福祉職に知ってほしいことを綴った1冊です.
はじめに
脳損傷友の会コロポックル(以下,家族会)は,1999年2月に札幌で設立された家族会です.交通事故で脳を損傷し,後遺症をもった子どもの親たちが立ち上げました.その頃は高次脳機能障害という言葉はなく,手,足,口が動けば,脳機能が低下しようと,障害者手帳や障害年金の対象にならない時代でした.事故の賠償金もなきに等しいものでした.親たちは,受傷前とすっかり変わってしまったこの子たちを残しては死ねないという思いを原動力に活動を続け,全国の家族会と連合体(現,日本高次脳機能障害友の会)をつくり,国を動かしてきました.
会を立ち上げた1カ月後には,日本ではじめての脳外傷者を対象とした作業所を開設し,おもに若者たちを受け入れていました.当初,男性の若者が作業所に通って来ていましたが,数年のうちに脳疾患の中高年の方々や女性の方々も増えはじめました.家族会では,当事者・家族が障害を理解しようと定期的に例会をもち,学習や体験を語る場となってきました.体験談を聞くうちに,当事者に子どもをもつ場合と,当事者に夫をもつ場合で,家族の背負うものの質や量に違いがあることに気づきました.その気づきが,夫を当事者にもつ妻の会の立ち上げにつながりました.
家族会の会報に発表される「ポロミナ(妻の会)通信」をみて,会員にだけ発せられる情報としては惜しい,もっと多く方々に読んでいただきたい,とくに医療や福祉の専門職の方々に読んでいただきたいと考えました.高次脳機能障害の夫を支える妻たちの奮闘,努力,ユーモアあふれる対応,怒り,悲しみ,苦しみ,覚悟の仕方………
高次脳機能障害者をもたない家族や,第三者の貴方にとってもお役に立つことを願って,この本をお届けします.
脳損傷友の会コロポックル相談役 篠原 節
引用元【
医歯薬出版ページ
】
■目次
第1章 高次脳機能障害のこと
(渡邉 修)
1.「高次脳機能障害」は,さまざまな症状の総称です
2.脳の各部の働きと高次脳機能障害をまとめましょう
3.どのようにして「高次脳機能障害」と診断されるのかを確認しましょう
4.その原因を知りましょう
5.回復に向けたリハビリテーションの内容と手順を知りましょう
6.高次脳機能障害を支える制度をおおまかに知っておきましょう
7.介護保険申請および障害者総合支援法の申請
第2章 夫の受傷からずっと走り続けている妻たち
(ポロミナ編集部)
1 事例1 いっしょに笑いたいのに 夫は別の時間を生きている……寂しいけれど必要だった距離
「また切れたかもしれない」
医師からの説明
後遺症は高次脳機能障害だった
事件発生
どんな仕事ができるのか
生活の安定と自立への一歩
15年を振り返って
・事例1にかかわった専門職から……(原田 圭)
2 事例2 障害は軽いけれど 夫も私も生きにくい……夫と妻それぞれの葛藤
突然の発症
ICUから一般病棟へ リハビリテーション科でも検査
喜びと不安をかかえて自宅に退院
職場復帰,9カ月で解雇
夫の通所開始と私の転職
再就職までの長い道のり
いま,そしてこれから
・事例2にかかわった専門職から……(原田 圭)
3 事例3 やさしかった夫が 怒ってトラブルばかり……転機になったサービス利用
脳腫瘍と放射線治療の後遺症
理解しがたい夫の行動
トラブルを少なくするための工夫
入院が必要になったとき
加齢による変化
・事例3にかかわった専門職から……(原田 圭)
4 事例4 いままでの夫と違う……生活そのものがリハビリテーション
いままでの夫と違う 様子が変……
別人になった夫 不可解な行動
リハビリテーションは何をめざすのか
新たな生活の一歩
親の介護問題
加齢と将来のこと
・事例4にかかわった専門職から……(小池澄子)
5 かかわった専門職から,かかわる専門職へのメッセージ
1.医療機関に向けて(原田 圭)
2.就労を支援するスタッフに向けて(原田 圭)
3.リハビリテーション・スタッフに向けて(小池澄子)
COLUMN 1 高次脳機能障害とコミュニケーション(小池澄子)
第3章 夫とおだやかに暮らす知恵 夫の行動研究から
(ポロミナ編集部・薮中弘美)
1 日常生活編
1.食事に関すること
2.買い物・調理に関すること
3.着替え・洗濯に関すること
4.整理整頓に関すること
5.洗面・入浴に関すること
6.排泄に関すること
7.睡眠リズムに関すること
8.薬の管理に関すること
専門職からのコメント(神島滋子)
2 人とのかかわり編
1.記憶に関すること
2.会話に関すること
3.感情に関すること
専門職からのコメント(神島滋子)
3 社会とのつながり編
1.金銭管理に関すること
2.時間管理に関すること
3.トラブル・危機管理に関すること
4.交通機関の利用に関すること
5.通院・リハビリに関すること
専門職からのコメント(神島滋子)
4 就労・福祉・相談編
1.福祉サービス利用に関すること
2.年金・手帳に関すること
3.就労に関すること
4.相談に関すること
5.対応に苦慮するケース
専門職からのコメント(尾崎 聖)
第4章 ケアする人をケアする 妻の会から「ポロミナ」へ
(薮中弘美)
1 しだいにみえてくる障害と困りごと
1.行動の変化に戸惑う
2.退院後の生活やリハビリテーションの方法がわからない
3.夫の失業と経済的不安
4.夫への対応,子育て,親の介護問題が同時進行
5.わかってもらえない“みえにくい”障害
6.これからの夫との生活
2 ケアする人をケアすること
1.家族は,身近で最大の支援者
2.家族による家族支援
3 お父さんのこと 子どもたちの声
COLUMN 2 脳損傷後の経過記録 パーソナルノート
第5章 家族支援のかたち
1 家族とともに歩んで(渡邉 修)
2 家族を応援して(奥宮暁子)
3 コウジ村を立ち上げて(柴本 礼)
巻末資料
ご家族への介護負担感についての調査結果(渡邉 修)
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:
岩ア 弘泰
UP: 20210325 REV:
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障害学
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