HOME > BOOK > 医療/病・障害と社会

『住民とともに歩んだ医療――京都・堀川病院の実践から』

西沢 いづみ 20190331 生活書院,352p.

Tweet
last update:20200523

このHP経由で購入すると寄付されます

西沢 いづみ 20190331 『住民とともに歩んだ医療――京都・堀川病院の実践から』,生活書院,352p.  ISBN-10: 4865000933 ISBN-13: 978-4865000931 3200+税  [amazon][kinokuniya]
『住民とともに歩んだ医療――京都・堀川病院の実践から』表紙

■内容

 京都・西陣を舞台に医療者と地域住民が協力してつくりあげた「自分たちの病院」の記録!
 白峯診療所・堀川病院という特定の医療機関の、約五〇年間の歴史を分析し、それぞれの時代において、人びとの暮らしを舞台に、医療者・住民(患者)がどのように医療や介護を捉え対応しているのかを丁寧に描出。今日の新たな社会・経済構造の変化に応じた医療・介護の役割を模索するための大きな示唆を与える書。

■著者略歴

 1982年3月新潟大学理学部生物学科免疫学専攻卒業後、2008年4月立命館大学大学院先端総合学術研究科博士課程(一貫制)入学。2017年3月立命館大学大学院先端総合学術研究科博士課程(一貫制)修了。博士(学術)。
 1983年4月〜京都中央看護保健大学校講師・京都保健衛生専門学校非常勤講師・京都府医師会看護専門学校非常勤講師などを勤める。現在、立命館大学生存学研究センター客員研究員。
 主な著書に、『生物と生命倫理の基本ノート──いのちへの問いかけ』(金芳堂、2018年)、「西陣地域における賃織労働者の住民運動──労働環境と医療保障をめぐって」天田 城介村上 潔山本 崇記『差異の繋争点――現代の差別を読み解く』(共著、ハーベスト社、2012年)、「早川一光の臨床実践と住民の医療運──九五〇年〜一九七〇年代の西陣における地域医療の取り組みを手がかりに」早川 一光・立岩 真也・西沢 いづみ 編『わらじ医者の来た道――民主的医療現代史』(共著、青土社、2015 年)など。

■関連

◆NHK番組 映像ファイル「あの人に会いたい」【早川一光】 [外部リンク]
[放映時間]
NHK総合 2020/05/30, 05:40 - 05:50
NHK教育[Eテレ] 2020/06/05 13:50 - 14:00


◆立岩 真也 2019/03/25 「ここから、ときに別のものを、受けとる」,西沢いづみ『住民とともに歩んだ医療――京都・堀川病院の実践から』,生活書院

■目次

まえがき

序章

第1章 西陣地域における医療の「民主化」運動(一九四五年〜一九五〇年)
はじめに
第1節 戦後の医療民主化運動
1-1 関西医療民主化同盟の発足
1-2 京都の医療民主化運動
1-3 京都府立医科大学の医療者たち──大学から地域へ
第2節 西陣の賃織労働者による医療保障運動への関わり
2-1 西陣機業の零細性と労働基準法の適用
2-2 賃織労働者の実態
2-3 事業税撤廃運動と上京生活を守る会の結成
2-4 納税の民主化運動から医療保障の運動へ
おわりに

第2章 白峯診療所の設立と医療扶助活動(一九五〇年〜一九五七年)
はじめに
第1節 白峯診療所の設立
1-1 住民出資による民主的診療所の設立
1-2 医療供給状況と医療保険
1-3 医療扶助の増大と結核の蔓延
第2節 白峯診療所の医療活動
2-1 医療扶助の獲得運動と医療懇談会
2-2 西陣織物健康保険組合の設立
2-3 医療扶助の引き締め
第3節 一九五〇年代の私的医療機関の拡大と白峯診療所の病院化
3-1 私的医療機関の拡大
3-2 京都の私的医療機関と白峯診療所の拡大
3-3 診療所内の組織作りと一九五〇年代の西陣機業
3-4 病床拡大への過程
3-5 国民皆保険制度に向けて
おわりに

第3章 医療法人西陣健康会堀川病院の医療活動と住民組織「堀川病院助成会」の活動(一九五八年〜一九六九年)
はじめに
第1節 堀川病院の設立と住民組織
1-1 病院の設立と助成会の発足
1-2 助成会組織と病院組織
1-3 助成積立金制度・設備拡充資金制度・出資社員制度の創設
第2節 京都市国保の給付率引き下げをめぐる闘争
2-1 京都市国保財政の引き締め政策と京都の医療機関
2-2 京都市国保による「計画的陰謀」
2-3 京都府政と京都府医師会
第3節 堀川病院の施設拡充と医療内容の向上
3-1 医療内容の向上
3-2 疾病管理と健康管理
3-3 施設の拡充
3-4 分院の開設
3-5 堀川高等看護学院の開設
第4節 地域の中の医療活動
4-1 西陣医学研究会の調査と西陣症
4-2 長寿会の結成
4-3 往診体制の継続問題
4-4 患者会と医療懇談会の存在意義
おわりに

第4章 堀川病院における高齢者医療の取り組み(一九七〇年〜一九七九年)
はじめに
第1節 疾病予防と在宅リハビリ
1-1 健康管理部の新設──疾病予防と健康管理
1-2 脳卒中後遺症患者の在宅リハビリ
第2節 老人医療費無料請願運動と長期入院による看護問題
2-1 助成会による老人医療費無料請願運動
2-2 長期入院による病棟看護の問題
2-3 急性期患者の受け入れ拒否と長期入院患者の退院拒否
第3節 間歇(かんけつ)入院制の導入と訪問看護の確立
3-1 地域医療研究会での長期入院対策
3-2 長期入院患者と居宅療養患者の調査
3-3 間歇入院制の導入と住民の不安
3-4 居宅療養部の発足と活動・展開
第4節 居宅療養と地域支援
4-1 住民の受け入れと訪問看護制度化への要求
4-2 居宅療養患者家族会の発足と助成会による支援
4-3 「高齢者なんでも相談」から「呆け老人をかかえる家族の会」へ
おわりに

第5章 訪問看護のあらたな課題と地域医療の変容(一九八〇年〜一九九四年)
はじめに
第1節 居宅療養支援と地域の福祉活動
1-1 助成会による地域福祉活動
1-2 助成会から西陣健康会へ──組織の強化
1-3 訪問看護のモデル・ケースとして
第2節 家族による介護の変容と病棟の再編成
2-1 老人医療費有料化への反対運動と老人保健法の成立
2-2 家族の「介護力」の減退
2-3 居宅療養と病棟の再編成
第3節 介護の社会化を背景にした地域医療の変容
3-1 一時預かり(ショート・ステイ)とデイ・ホスピタルの開設
3-2 制度の下での居宅療養支援
3-3 変容する西陣地域と病院の体制
3-4 老人保健施設の要請と模索
3-5 出資社員制度の変更と地域資金の返還
おわりに

終章

ここから、ときに別のものを、受けとる 立岩 真也

あとがき
謝辞
付言1 父を想う
付言2 往診の記録
引用文献一覧
年表 京都西陣地域の医療実践50年の歩み

■関連書籍

早川 一光立岩 真也西沢 いづみ 20150910 『わらじ医者の来た道――民主的医療現代史』,青土社,250p. ISBN-10: 4791768795 ISBN-13: 978-4791768790 1850+税 [amazon][kinokuniya] ※

『わらじ医者の来た道――民主的医療現代史』表紙


■引用


■書評・紹介・言及

立岩 真也 「ここから、ときに別のものを、受けとる」

□繰り返すが、まず書かれてよかった
□より広く見る
□違うが隣合わせの部分もある
□地域や全人的はいつもよいか?
□堂々と社会に言ったのはよいと思う
□むしろ黙っている場から、わがまま勝手を通す
□二〇一四年の夏


◆立岩 真也 2019/03/31 「西沢いづみ『住民とともに歩んだ医療――京都・堀川病院の実践から』解題・1――「身体の現代」計画補足・581」
 https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/2278253002441674
◆立岩 真也 2019/04/08 「西沢いづみ堀川病院本・2――「身体の現代」計画補足・584」  https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/2282472655353042
◆立岩 真也 2019/04/12 「西沢いづみ堀川病院本・3――「身体の現代」計画補足・587」
 ……


*作成:北村 健太郎
UP:20190330 REV:20190331, 0416, 20200523
西沢 いづみ  ◇コミュニティ/地域  ◇施設/脱施設  ◇労働  ◇生を辿り道を探る――身体×社会アーカイブの構築  ◇病者障害者運動史研究  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
TOP HOME (http://www.arsvi.com)