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『ろう教育と「ことば」の社会言語学――手話・英語・日本語リテラシー』

中島 武史 20180831 生活書院,304p.

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last update: 20190110

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■中島 武史 20180831 『ろう教育と「ことば」の社会言語学――手話・英語・日本語リテラシー』,生活書院,304p.ISBN-10: 4865000852 ISBN-13: 978-4865000856 3000+ [amazon][kinokuniya] ※ h02. h02rouid. h02b. h02rou. c07.

■内容

ろう教育の過去と現在は「ことば」と常に関連して存在している……。
マイノリティとしてのろう児が抱える不利益構造を新たな角度から抽出し、「ことば」=「日本語(国語)」という言語観や多言語社会への不寛容を批判し、誰もが「ことば」や「情報」から疎外または排除されない社会の形を展望しようとする、障害学的社会言語学の成果!
内容(「BOOK」データベースより)
マイノリティとしてのろう児が抱える不利益構造を新たな角度から抽出し、「ことば」=「日本語(国語)」という言語観と多言語社会への不寛容を批判する中から、誰もが「ことば」や「情報」から疎外または排除されない社会の形を展望しようとする、障害学的社会言語学の成果!
著者について
中島武史(なかしまたけし)
1983年大阪生まれ。CODA(Children of Deaf Adults)。
関西学院大学文学部英文科(学士[文学])、関西学院大学大学院言語コミュニケーション文化研究科(修士[言語科学])、大阪大学大学院言語文化研究科にて学ぶ。大阪大学博士[言語文化学]。
2007年より大阪市立ろう学校(現在の大阪府立中央聴覚支援学校)中学部英語科の教員として勤務。現在は、関西学院大学手話言語研究センターの客員研究員を兼務。
著書に、『ことばの「やさしさ」とは何か――批判的社会言語学からのアプローチ』三元社、2015年(分担執筆)、義永美央子・山下仁(編)、がある。
著者略歴
(「BOOK著者紹介情報」より)
中島/武史
1983年大阪生まれ。CODA(Children of Deaf Adults)。
関西学院大学文学部英文科(学士(文学))、関西学院大学大学院言語コミュニケーション文化研究科(修士(言語科学))、大阪大学大学院言語文化研究科にて学ぶ。大阪大学博士(言語文化学)。2007年より大阪市立ろう学校(現在の、大阪府立中央聴覚支援学校)中学部英語科の教員として勤務。現在は、関西学院大学手話言語研究センターの客員研究員を兼務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次

第1部 序論

第1章 はじめに 
 1.1 本研究の背景
 1.2 本研究における「ろう」の位置づけ
 1.3 本研究の位置づけとめざすもの
 1.4 研究手法と本研究の構成
 1.5 筆者の立ち位置と本研究で用いる「手話」用語の説明

第2章 ろう学校について
 2.1 ろう学校の入学対象者
 2.2 ろう学校数と生徒数の変遷
 2.3 ろう学校の授業形態と学習進度
 2.4 インテグレーションという現象
 2.5 ろう教育の変遷

第2部 現在のろう教育現場で起きている「ことば」の問題

第3章 ろう児と聴者教員の関係性と低学力
 3.1 教育指導法・言語メディアと低学力の関係
 3.2 関係性という切り口と先行研究
 3.3 調査の概要
 3.4 教師のストラテジー
  3.4.1 「弱者」としての「障害者」と想像されるろう児
  3.4.2 「コミュニケーション弱者」としての聴者教員
  3.4.3 「教員の友達化」による「指導をためらう教員」
  3.4.4 「教師のストラテジー」を用いて達成されること
 3.5 教師文化を内面化するろう学校の聴者教員たち
 3.6 ろう児と聴者教員の関係性が「ろう児の低学力問題」へ与える影響
 3.7 まとめ

第4章 ろう児・者への英語リスニング試験
 4.1 ろう教育のなかの英語教育
 4.2 リスニング特別措置を検討する目的
 4.3 リスニング特別措置の内容
  4.3.1 公立高等学校/大学センター試験のリスニング特別措置
  4.3.2 英検のリスニング特別措置
 4.4 「平均聴力レベル」という基準の曖昧さと「特別措置」内容の格差
  4.4.1 「聞こえにくさ」の質
  4.4.2 「特別措置」の判断基準とその中身が抱える問題
 4.5 「(聴覚)障がい者に関する特別措置」の変遷から見る、教育と制度の関係
  4.5.1 変化する「(聴覚)障がい者に関する特別措置」
  4.5.2 「特別措置」制度と教育理念
 4.6 より公平な特別措置について
 4.7 リスニング「免除」にともなう新たな課題
 4.8 おわりに

第3部 ろう教育の変遷のなかで見られる「ことば」の問題

第5章 口話法と近代的言語観
 5.1 ろう教育の学際化
 5.2 口話によるろう児の社会参加という考え方
 5.3 口話主義と「国語」・「近代的言語観」
 5.4 「一国家一言語」思想と「手話言語」・「多言語社会」 
 5.5 インテグレーションに見る「近代的言語観」の現在的影響 
 5.6 おわりに
 
第6章 言語権とバイリンガルろう教育
 6.1 口話法の補助機能としての手話導入
 6.2 「言語」としての手話導入 
 6.3 バイリンガルろう教育の動向について
 6.4 バイリンガルろう教育の直面する課題について
 6.5 バイリンガルろう教育におけるバイリンガルイメージの修正
 6.6 ろう学校の聴者教員が手話技能に関して置かれている困難さ
 6.7 「言語権」について
 6.8 「言語権」がろう学校の聴者教員に与えうるもの
 6.9 おわりに

第4部 ろう教育における「リテラシー(読み書き)」研究がもつ問題

第7章 リテラシー論の現状と射程
 7.1 はじめに
 7.2 リテラシーの多様性
 7.3 機能的リテラシー
 7.4 批判的リテラシー
 7.5 リテラシーのもつ「排除の領域」 
  7.5.1 近代のプロジェクトとしてのリテラシー
  7.5.2 イデオロギー装置としてのリテラシー
  7.5.3 排除の領域を形成するリテラシー 
 7.6 障害学的社会言語学のリテラシー論
 7.7 リテラシーによる「排除」の乗り越えにむけて
 7.8 リテラシー研究における「障害者」排除と研究姿勢

第8章 ろう児のリテラシー論の特徴と課題
 8.1 はじめに
 8.2 ろう児に対するリテラシー教育の歴史的展開
  8.2.1 ろう教育分野でのリテラシー研究
  8.2.2 医学分野でのリテラシー研究
 8.3 ろう児のリテラシー研究に見られるリテラシー観の小括
 8.4 「健常者」基準の諸検査がもつ問題
  8.4.1 J.COSS言語検査の標準化対象者/ALADJINの「聴児」データ対象者
  8.4.2 田中ビネー知能検査・K-ABC・WISCの標準化対象者
  8.4.3 「日本語を第一言語とする健常者」という基準と、排除の領域を形成するリテラシー
 8.5 ろう児のリテラシー研究に見られる日本語擁護の言説
  8.5.1 日本語=(母)国語の必要性と有効性の主張
  8.5.2 「正しく、美しい」日本語像と「国語」の成立
 8.6 「識字者」=「強者」の論理
  8.6.1 書記手話の軽視とリテラシー間の格差
  8.6.2 見えにくい「識字者」の優位性
 8.7 「機能的リテラシー」観の乗り越えにむけて
  8.7.1 言語現象の個人モデルによる同化主義
  8.7.2 言語現象の社会モデルがもつ可能性
 8.8 まとめ
  
第9章 ろう児の日本語リテラシー実践 
 9.1 ろう児の日本語リテラシー研究にエスノグラフィーを適応する意図
 9.2 「リテラシーイベント」という分析ツール
 9.3 調査の概要
 9.4 「リテラシーイベント」のもつ効果
 9.5 「リテラシーイベント」にまつわる困難
  9.5.1 リテラシーイベントを作り出す難しさ・媒介による効率の差・スピーチイベントとの重なり
  9.5.2 ろう児・者が難しいと感じる日本語の領域
   9.5.2.1 言い回し(慣用句など)の難しさ
   9.5.2.2 漢字の読みの難しさ
   9.5.2.3 助詞(て・に・を・は)の難しさ
  9.5.3 聞こえない・聞こえにくいという身体性をもつ人と現状の日本語
  9.5.4 日本語・日本語リテラシーを身につけていくペース
 9.6 「リテラシーイベント」にまつわるストラテジー
  9.6.1 「リテラシーイベントを起こすためのストラテジー」
  9.6.2 「日本語リテラシーを補うストラテジー」
   9.6.2.1 情報資源と人のネットワークの活用 
   9.6.2.2 ネットワークを活用するろう児・者の姿が示す、ろう教育のマスターナラティヴとは異なる生き方
 9.7 日本語リテラシーに対する心理的負荷
  9.7.1 「正しい」日本語、「きれい」なことばという言語観の存在
  9.7.2 日本語の質が人への評価に影響する社会
  9.7.3 ろう児・者自身に見られる日本語の質で人の価値をはかる心理
 9.8 別様な(日本語)リテラシーの存在
  9.8.1 日本語の「間違い」への寛容さ
  9.8.2 わかりやすさを意識した日本語の調整行動
 9.9 ろう児・者の事例から考える「ことばのユニバーサルデザイン」
 9.10 まとめ
 9.11 今後に向けて――アンエンパワメントという考え方の導入

第5部 結論

第10章 本研究のまとめ
 10.1 本研究の結果
 10.2 本研究で残された課題

文献
参考HP
謝辞
初出一覧

■引用



■書評・紹介



■言及





**作成:岩ア 弘泰 更新:安田 智博
UP: 20181115 REV: 20190110
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