はじめに――本書の刊行にあたって (前田正治)
第I部 メンタルヘルスの諸問題
第1章 原発災害と被災者のメンタルヘルス――いったい何がもたらされたのか? (前田正治)
I はじめに
II 被災住民のメンタルヘルス
III 復興期支援者の問題
IV おわりに
第2章 子どものメンタルヘルスへの影響 (内山登紀夫・川島慶子・鈴木さとみ・柄谷友香)
I 原発事故,避難,そして帰還
II 原発事故の子どもへの影響――初期(2014年頃まで)
III 帰還をめぐる問題の顕在化――2013年以降
IV A市の乳幼児健診の結果を用いた調査について
V 学校における発達の遅れや偏りのある子どもの実態調査から
第3章 福島とフクシマ――社会学的考察 (開沼 博)
I はじめに――社会的リアリティ
II 福島第一原発事故がもたらしたもの
III 福島に残る課題
IV 廃炉への非専門家の向き合い方の確立
V いま何が必要か
第4章 福島第一・第二原子力発電所員へのメンタルヘルス・サポート (重村 淳)
I はじめに
II 支援活動の経緯
III 福島第一・第二原発所員のメンタルヘルスデータ
IV 発電所員への差別・中傷が生じた背景
V 「目に見えない」災害とリスク・コミュニケーション
VI まとめ
第5章 福島におけるあいまいな喪失 (中島聡美・山下和彦)
I はじめに――福島とあいまいな喪失
II あいまいな喪失とは
III 被災者のあいまいな喪失
IV おわりに
第6章 空はつながっている――チェルノブイリ原発事故,スリーマイル島原発事故,そして海外在住者にとっての福島原発事故 (大江美佐里)
I 私的体験
II 海外の原発事故がメンタルヘルスに与えた影響
III おわりに
コラム 専門家の「コミュニケーション」デザインの重要性――チェルノブイリの視察から (松井史郎)
第7章 差別と偏見をどう乗り越えるか (清水修二)
I 「わがこと」として災害に向き合う難しさ
II 原子力事故がもたらした「分断」の諸相
III 医師と患者・受診者の相互理解
IV 「福島差別」という国民的問題
第II部 支援の実践
第8章 発災早期の被災地支援――福島県立医科大学心のケアチームの活動 (矢部博興)
I はじめに
II 福島県立医大心のケアチーム
III 震災時の浜通りの精神科病院
第9章 福島における母子支援 (後藤あや)
I 公衆衛生の指針
II 県レベルの支援――県民健康調査の電話支援
III 自治体レベルの支援――福島市のこんにちは赤ちゃん訪問
IV 支援へのアクセスの向上――大学主催のヘルスリテラシー推進
V まとめ
第10章 南相馬で出会う患者 (堀 有伸)
I はじめに
II 症例提示
III 「図」と「地」――南相馬市におけるトラウマ体験についての考察
IV 震災後の精神医療の状況について
V 現状について(結びにかえて)
第11章 福島におけるアウトリーチ型電話支援――県民健康管理センターの試み (桃井真帆・前田正治・堀越直子)
I はじめに
II 県民健康調査と電話支援について
III 電話支援の役割と課題
IV おわりに
第12章 被災者への「こころのケア」を考える――ふくしま心のケアセンターの活動から (前田正治・渡部育子)
I はじめに
II ケアセンターの沿革と構造
III 実際の活動
IV スタッフの疲弊と対策
V おわりに――ケアセンターの意義とは
第13章 なごみの活動から――震災における心の多職種チームのキセキ (米倉一磨)
I はじめに
II 震災後の福島県相双地区の心のケアについて
III 福島相双地区の心のケアの取り組み――なごみができるまで
IV 新しい訪問サービスを目指して
V おわりに
第14章 被災地へ入り,連携を作る (松井史郎)
I はじめに――2012年当時の状況
II 被災地におけるコミュニケーションへの問題意識
III 実践
IV 考察
V おわりに――将来に向けて
第15章 福島で働くということ
I 全町避難の町での保健師活動 (窪田和子)
II 福島で学んだこと――4年間の歩み (植田由紀子)
III 福島で働くということ (壬生明日香)
終 章 あとがきにかえて――こころのケアを続けるために必要なこと (加藤 寛)
I はじめに
II 創意工夫
III 福島固有の問題
IV 残された問題
V 支援者支援
VI おわりに