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『私たちの決断――あの日を境に…』

原発賠償京都訴訟原告団 20170915 耕文社,126p.

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last update: 20190726

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■原発賠償京都訴訟原告団 20170915 『私たちの決断――あの日を境に…』,耕文社,126p.ISBN-10: 4863770480 ISBN-13: 978-4863770485 1200+ [amazon][kinokuniya] ※ npp

■内容

本書:2-3ページより

はじめに――楔を打つ人……原発賠償京都訴訟原告団 福島 敦子

 二〇一七年四月初旬に、みなし仮設住宅の無償提供期間が打ち切られたわが避難住宅の目の前には、四つのため池が広がっています。初夏の今頃から風に乗って鼻につくようなカビ臭がしてきますが、その泥水からすっくとまっすぐ天に向かって伸びた一本の先に、白くて大きな蓮の花が凛と咲き始める季節は、早いかな今年で七回目になろうとしています。
 二〇一一年三月一一日、東日本大震災に伴い福島第一原子力発電所の炉心融解事故が起きました。一号機の外部電源喪失から始まり、翌一二日の三号機の原子炉隔離時冷却系自動停止。一号機の原子炉建屋上部の水素ガス爆発。一四日三号機原子炉建屋において爆発、二号機燃料棒の全露出、一五日の四号機の爆発と遊園地のアトラクションであってほしい悪夢は続き、当時、南相馬市から福島市へ避難していた私たち家族や周りの避難者は、口をそろえて「死ぬ時は死ぬんだな」と言い合っていました。
 あの日あの時から、「原発から拡散してくる放射性物質からの被ばくを避けるために」少ない情報を集め、自分自身で多くのことを考え、さまざまな土地に流れ着き、多くの困難に直面しても、たくさんの悔し涙を流しても、体力の限界の中、経済的な困窮の中、ふるさとへの思いを胸に秘め、体調を崩しながらも、私たちの人生はさまざまな道をたどり、今日までひたすら生きてまいりました。△2
 今まさにその五八世帯一七五名(後に一世帯一名が取り下げ)が、この京都の地で、数奇な運命でもって京都地方裁判所へ集結しています。私たちは、二〇一三年九月十七日に三三世帯九一人で集団提訴をし、二〇一四年三月七日には二〇世帯五三人が二次提訴、二〇一五年七月七日には一一世帯三一人が三次提訴し、事故をなかったことにして、原発の再稼働を推し進める国と東京電力に対し責任を認めさせ、原発事故が起きた原因の究明をするよう求めています。そして、法定被ばく限度量である年間一ミリシーベルトを遵守させ「避難の権利」を認めさせ、原発事故被災者全員への医療保障や雇用対策、放射能健診などの恒久的な対策を求めている原発賠償京都訴訟原告団です。
 日本中で原発事故の放射性物質拡散による汚染の実態は情報統制が敷かれているとしか思えません。福島県を中心に小児甲状腺がんの多発や他臓器の健康被害が増加しています。それでも政府は健康調査を矮小化しようとしています。避難者用住宅の一方的な打ち切り問題や、帰還困難区域の山火事による空間線量および土壌汚染量の濃縮。私たちは、意見陳述や本人尋問において、この許されぬ事実を、裁判官へ訴え、理不尽な仕打ちの数々にまるで蓮の花のように凛としてひるむことなく、大きな「岩」を動かすように「楔」を打ち続けています。
 そして、この京都で出会えたみなさまとのご縁に心から感謝し、みなさまとよりつながって、大きな「うねり」を作るべく「楔」を打ち続けます。この本は、そんな思いを込めて、みなさまのもとへ届けたい気持ちでつくりました、これからも、ともに。

■目次

特別寄稿 弁護団からのメッセージ(原発被災者に対してご支援を!;原発賠償京都訴訟の概要と意義)
原告の思い(原発事故後、私たちに起きたこと;なぜ私は自主避難を選択せざるを得なかったのか ほか)
特別寄稿 支援する会共同代表からのメッセージ(避難者の裁判に教えられ;原発事故賠償訴訟原告の証言はみんなを励まし勇気づける ほか)
原告の思い〜アンケートから(首都圏の放射性物質拡散のこと;取り返しのつかないこと放射能拡散 ほか)

■引用



■書評・紹介



■言及





*作成:岩ア 弘泰
UP: 20190726 REV:
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