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『老いる家 崩れる街――住宅過剰社会の末路』

野澤 千絵 20161120 講談社(講談社現代新書2397),222p.

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last update:20170327

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■野澤 千絵 20161120 『老いる家 崩れる街――住宅過剰社会の末路』,講談社(講談社現代新書2397),222p.  ISBN-10: 406288397X ISBN-13: 978-4062883979 760+税  [amazon][kinokuniya]

■内容

現在約800万戸の空き家が15年後には2100万戸を超える……。3戸に1戸が空き家に! 「再自然化」する空き家、スラム化する分譲マンション、漏水・破裂する水道管、不便な立地の「サ高住」住みやすい「まち」に必要なものとは?

■著者略歴

兵庫県生まれ。1996年、大阪大学大学院環境工学専攻修士課程修了後、ゼネコンにて開発計画業務等に従事。 その後、東京大学大学院都市工学専攻博士課程に入学、2002年、博士号(工学)取得。 東京大学先端科学技術研究センター特任助手、同大学大学院都市工学専攻非常勤講師を経て、2007年より東洋大学理工学部建築学科准教授。 2015年より同教授。共著に『白熱講義 これからの日本に都市計画は必要ですか』(学芸出版社)、『都市計画とまちづくりがわかる本』(彰国社)がある。

■目次

はじめに
住宅過剰社会とは何か
「売れるから建てる」流れが止まらない
3戸に1戸が空き家に
住宅業界は反論するが……
居住地の拡大で税金がどんどん使われる
「負動産化」する住宅
活断層の真上でも住宅建築を禁止できない
私たちに残された時間は長くない

第1章 人口減少社会でも止まらぬ住宅の建築
1.つくり続けられる超高層マンションの悲哀
東京五輪の選手村周辺に
「空中族」の増加
眺望の陣取り合戦と値崩れ
小学校整備も人口増に追いつかない
東京圏は相対的に貧しくなる
不良ストック化するリスク
資産価値の下落と管理不全状態
住民同士の希薄な関係性
超高層マンションが林立するカラクリ
「市街地の再開発」とは?
広すぎる緩和可能エリア
「公共貢献」という大義名分
「排他的な雰囲気」を出すために
投入される多額の税金
「市街地の再開発」自体は悪くない
都心居住の推進にゴールはあるのか?

2.郊外に新築住宅がつくり続けられるまち
住宅の建設ラッシュがおきた川越市
旧住民と新住民の軋轢
車とネットがあれば大丈夫?
低密に拡大したまちは暮らしやすいか?
新築住宅が野放図につくり続けられるカラクリ
まちなかの開発意欲を奪う都市計画
市内で人口を奪い合っているだけ
全国で横行する焼畑的都市計画
とにかく人口を増やしたい

3.賃貸アパートのつくりすぎで空き部屋急増のまち
賃貸アパートの建設が止まらない
賃貸アパートの増加を後押しするサブリース
入居者は偽物(さくら)かもしれない
「羽生ショック」とは何だったか
賃貸アパートは増えても人口は減少
農業意欲の低下の果てに

第2章 「老いる」住宅と住環境
1.住宅は「使い捨て」できるのか?
「再自然化」し始める住宅団地
所有者の不在化・不明化問題
隣地買い増しに取り組む地元不動産屋
空き家のタイプ4類型
駅に近いほど空き家率が高いという不思議
ようやく掲げられた空き家増加の抑制目標

2.空き家予備軍の老いた住宅
神戸市鶴甲団地の取り組み
世代交代の進まぬ町田市の住宅地
老いた住宅地に老いた居住者が
急増する実家の相続放棄と「負動産」
住宅の終末期にババ抜きが始まる

3.分譲マンションの終末期問題
1年で約13万戸ずつ増える
老いたマンションの賃貸化
スラム化した福岡の分譲マンション
「限界マンション」の大量発生
実家の被災マンションの経験から

4.住環境も老いている――公共施設・インフラの老朽化問題
毎日、市内で水道管の漏水や破裂が起きる
人の命も奪いかねない
すべては更新できない
習志野市の公共施設再生計画
選挙の票につながらないから……
増分主義から減分主義へ

第3章 住宅の立地を誘導できない都市計画・住宅政策
1.活断層の上でも住宅の新築を「禁止」できない日本
災害の危険性が想定される区域でも……
徳島県の特定活断層調査区域から
津波想定浸水区域に住宅が新築される浜松市

2.住宅のバラ建ちが止まらない
群馬県みどり市の事例
まとまりのないまちの末路
開発規制がないに等しい非線引き区
なぜ、非線引き区が存在するのか?

3.都市計画の規制緩和合戦による人口の奪い合い
人口増加を目指す前橋市周辺の町村
規制緩和合戦という悪循環
地方分権化の副作用
勝ち組を目指した市町村の論理

4.住宅の立地は問わない住宅政策
住生活基本計画から見る
ストック社会への転換を目指した長期優良住宅
危険な立地の長期優良住宅
住み続けられる高齢者向け賃貸住宅「サ高住」
不便な立地に「サ高住」

5.住宅過剰社会とコンパクトシティ
スプロール現象との戦い
都市計画は骨抜き化の一途を辿った
それでも見直されない都市計画
立地適正化計画の誕生
居住誘導区域から外れた区域はどうなる?
棚上げされる規制緩和の見直し

第4章 住宅過剰社会から脱却するための7つの方策
日本の病巣からの脱却
方策1 自分たちのまちへの無関心・無意識をやめる
方策2 住宅総量と居住地面積をこれ以上増やさない
方策3 「それなりの」暮らしが成り立つ「まちのまとまり」をつくる
方策4 住宅の立地誘導のための実効性ある仕組みをつくる
方策5 今ある住宅・居住地の再生や更新を重視する
方策6 住宅の終末期への対応策を早急に構築する
方策7 もう一歩先の将来リスクを見極める
将来世代にツケを残さないために

おわりに
参考文献

■関連書籍

◆小嶋 光信・森 彰英 20140815 『地方交通を救え!――再生請負人・小嶋光信の処方箋』,交通新聞社(交通新聞社新書070),222p.  ISBN-10: 4330489147 ISBN-13: 978-4330489148 \800+税 [amazon][kinokuniya]

■引用

住宅過剰社会とは何か
 私たちは、「人口減少社会」なのに「住宅過剰社会」という不思議な国に住んでいます。
 住宅過剰社会とは、世帯数を大幅に超えた住宅がすでにあり、空き家が右肩上がりに増えているにもかかわらず、 将来世代への深刻な影響を見過ごし、居住地を焼畑的に広げながら、住宅を大量につくり続ける社会のことです。(p.3)

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■書評・紹介

■言及



*作成:北村 健太郎
UP:20170327 REV:
老い  ◇居住/住居  ◇都市・空間・場所  ◇アクセス/まちづくり  ◇生活・生存  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
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