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『昭和後期の科学思想史』

金森 修 編 20160430 勁草書房,547p.

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last update:20180119

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金森 修 編 20160626 『昭和後期の科学思想史』,勁草書房,547p. ISBN-10:4326102527 ISBN-13:978-4326102525 7000+ [amazon][kinokuniya] ※ ss

■内容

『昭和前期の科学思想史』に続き、1940年代後半〜80年代前半まで、わが国の科学思想史を語る上で欠かせない重要人物の思想と論点を跡付けるとともに、医療問題の大前提となるインフォームド・コンセント論の発生と成熟、戦後に成立した“原爆文学”の意味までを問う。わが国の科学思想史の過去から現状を俯瞰する基礎資料。

■目次

第一部 第一章 武谷三男論――科学主義の淵源……金山 浩司
第二章 生物学者・柴谷篤弘の科学思想……斎藤 光
第三章 下村寅太郎という謎――「精神史」としての科学思想史と「自己否定の自覚」……板橋 勇仁

第二部
第四章 科学論の展開――武谷三男から廣重徹へ……岡本 拓司
第五章 生命としての科学/機械としての科学――科学の意味をめぐる問い……瀬戸口 明久
第六章 不完全な死体――脳死と臓器移植の淵源……美馬 達也
第七章 核文明と文学……金森 修

■引用

■書評・紹介・言及

◆立岩 真也 2017/02/01 「二〇一六年読書アンケート」,『みすず』59-1(2017-1・2):http://www.msz.co.jp

 「金森修編『昭和後期の科学思想史』(勁草書房、二〇一六)。こうした本が出ることを長いこと待っていた。かつて科学批判というものがあったはずであり、科学技術論、科学史というものは今でもある。しかし後者においてとくに日本の過去の科学論、科学批判が言及されることはとても少ない。それはよくないと思っていたのだ。かつての科学論、反科学論がなにかとても素晴らしいものだと思っていたからではない。いくらか私も読んだことはあるが、おおまかにはうまくないなと思った。だから自身であまり読み込むこともなかったのだ。ただ、それにしても無視してよいというものではない。この本では、武谷三男、柴谷篤弘、下村寅太郎、廣重徹といった人たちがとりあげられる。やはりうまくないと再度思うところと、廣重徹などやはり忘れないようにと思うところとあった。そして柴谷篤弘とも関係のあったはずの池田清彦の「構造主義生物学」というのはどうなったのだろうなどと思った。他に美馬達哉が日本での脳死臓器移植に関わる言論の歴史を追い、金森修が「核文明と文学」という章を書いている。編者でもある金森は二〇一六年五月二六日に亡くなってしまった。この本の再校締切日の前日だったという。
 […]」


*作成:安田 智博
UP:20160727 REV:20180120
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