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『安全という幻想――エイズ騒動から学ぶ』

郡司 篤晃 20150707 聖学院大学出版会,273p.

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last update:20160310

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■郡司 篤晃 20150707 『安全という幻想――エイズ騒動から学ぶ』,聖学院大学出版会,273p.  ISBN-10: 4907113153 ISBN-13: 978-4907113155 2000+税  [amazon][kinokuniya]

■内容

このままでは、「薬害」がまた起こる。なぜ日本の血友病患者に感染が広がり、その誤った責任追及が行われたのか。 その真実と全体像は、これまでジャーナリズムが作り上げてきた常識とは全く異なる。 エイズ政策の意思決定にかかわり、日本社会の危うさと病理を実感し続けてきた当事者が30年越しに綴る悲劇を繰り返さないための政策提言。

■著者略歴

1937年茨城県水戸市生まれ。1965年東京大学医学部卒、医学博士。1970年より東京女子医科大学日本心臓血圧研究所助手、講師、助教授を経て、1975年より厚生省医務局総務課、 課長補佐。その後環境庁、鹿児島県衛生部長、薬務局生物製剤課長、保健医療局健康増進栄養課長を経て、1985年より東京大学医学部保健学科保健管理学教室教授。 1998年より2014年まで聖学院大学大学院教授。1987年「医療の質に関する研究会」を立ち上げ、2004年から2014年まで理事長。 医療の質の第三者評価システムの開発、医療におけるクリティカル・パスの研究開発など医療管理・政策の研究に従事した。

■目次

はじめに

第一章 エイズの侵入と初期対応
生物製剤課へ
丸山ワクチン
血液事業
「吸血鬼」日本
世界の合意事項――例外はアメリカと日本
アメリカの営利企業
日本の血液事業の「ねじれ構造」
「入るを量る」――採血基準の作成
「出ずるを制す」――使用の節約
血友病と治療技術の進歩
濃縮製剤の欠点
村上先生からの手紙
エイズ論文を読んでわかってきたこと
アメリカ政府の動き
鹿児島県でのATLの記憶
エイズ研究班の設置
第一回 研究班会議
第二回 研究班会議
第三回 研究班会議
血液製剤小委員会の設置
第四回と第五回研究班会議
民間企業への委託製造
加熱製剤について――加熱よりワクチンだった
病原体の同定

第二章 研究の進歩と知見の変化
その後の急速な研究の進歩
安部医師の裁判
エイズウイルスの同定
抗体陽性は何を意味するか
潜伏期間の推定
証言から――シヌシ博士の証言
ガロ博士の証言
日本人の証言
栗村敬医師の証言
木下忠俊医師の証言
クリオへの転換について
刑事責任の存否

第三章 エイズ訴訟と和解に向けての動き
急いだ政府の対応
集団訴訟へ
NHKの「埋もれたエイズ報告」
ジャーナリズムによる個人攻撃
偽証罪での告発
偽証の悪質性
和解案の提示
和解勧告にあたっての裁判所の所見
菅元厚生大臣の謝罪
和解の成立
身の回りに起こったこと
最終講義での出来事
録音テープが出てきた
総括責任者を偽ったNHK

第四章 国々の対応
アメリカの対応
ドイツ(旧西ドイツ)の対応
フランスの対応
日本の対応
日本の血液行政のその後の動き
C型肝炎訴訟

第五章 より良い社会づくりのために
エイズ騒動の総括はいまだ行われていない
HIV感染症は死の病ではなくなった
医療は「途上技術」である
英語に「薬害」という言葉はない
薬剤は代替不可能で普及しやすい最先端技術
リスクの評価と対応――リスクと便益の比較は困難である
「安心」を評価する合理的な方法はない
有効性の評価の問題――平均値を個人に当てはめるときの問題
コミュニケーションが重要
コミュニケーションを支援する方法
途上技術を使っていくために――行政への大権の授与は安全対策か
医療ビッグ・データを評価するシステムの構築
リスクの判断と決定は分離すべき
リスク判断者の保護が必要
製薬産業と政府の役割
日本の薬事制度のガラパゴス化
企業の研究開発機能の強化と社会環境の整備
裁判の限界――時間がかかる
社会運動化する現代型訴訟
刑事裁判で真相究明はできない
科学と常識――常識となった時点は特定できない
立証責任の問題
医療における責任追及
日本のジャーナリズムはこれでよいのか
政治とポピュリズム

第六章 思うこと
時間感覚という進化
不安と争い
「憎む」ということ
今、世界は
自己犠牲
赦しと祈り

おわりに

エイズ関連年表
参考文献

■関連書籍

■引用

■書評・紹介

■言及

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*作成:北村 健太郎
UP:20160310 REV:
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