『死別の社会学』
澤井 敦・有末 賢 編 20150523 青弓社,284p.
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■澤井 敦・有末 賢 編 20150523 『死別の社会学』,青弓社,284p. ISBN-10:4787233890 ISBN-13:978-4787233899 3000+ [amazon]/[kinokuniya] ※ d01. et. et-t. t02
■内容
「死別」への社会学的なアプローチ方法を整理したうえで、「闘病記」「配偶者との死別と再婚」「介護と看取り」「いじめ自死」といった具体的な事例をインタビューやテキスト、各種データに基づいて読み解く。そして、個人と社会それぞれが、死別という経験とどう向き合っているのかを照らし出す。
■目次
序章 「死別の社会学」とは何か……澤井 敦
1 「死の社会学」と「死別の社会学」
2 個人の悲嘆、社会の哀悼?
第1部 「死別の社会学」の理論的構図
第1章イギリスにおける「死別の社会学」の展開――トニー・ウォルターの議論を中心に……鷹田 佳典
1 悲嘆の多様化?――『死の復興』を中心に
2 死者の社会統合と悲嘆の統制――『死別について』を中心に
3 イギリスにおける「死別の社会学」の動向
第2章 リキッド・モダン社会のなかの死別……澤井 敦
1 死別と不安
2 リスク管理と死別
3 消費社会と死別
4 個人化される悲嘆
第2部 家族関係のなかの死別
第3章 闘病記に現れる死別――悲嘆とレジリエンス……門林 道子
1 悲嘆研究について
2 レジリエンスについて
3 闘病記に現れる死と死別
4 妻に現れた死
5 夫にみる死
6 死別――どう直面し、乗り越えたか
7 悲嘆とレジリエンス
第4章 配偶者との死別と再婚……有末 賢
1 二重の喪失――配偶者と結婚という地位
2 死別後の再婚意志の条件――ステップファミリーの研究
3 死別と再婚――感情社会学的自己再帰性
4 再婚しないケース――Fさんの事例
5 再婚後のライフヒストリー
6 グリーフと再婚との両立と葛藤
第3部 死別体験の社会的様相
第5章 「人称態」による死の類型化・再考――多様な死・死別のあり方に向き合うために……水津 嘉克
1 「死別」を社会学的に分析する視点
2 「人称(態)」と「死」と「死別」
第6章 死別体験をとらえる視線……米田 朝香
1 心的外傷後の成長に着目した研究
2 死別体験後の悲しみと向き合う大学生の事例と考察
第7章 夢に寄り添う――ある死別の語りとその多声性……鈴木 智之
1 ある(あるふれた)死別体験の語り
2 Bさんの生活史と母親の介護・死別までの経緯
3 〈声〉と〈物語〉――語りの多層性をめぐる分析視点
4 振り返る〈声〉――ケアをめぐる道徳的葛藤の語り
5 持続する〈声〉――母親との日常生活の継続をめぐる語り
6 Bさんの身体的症状とその回復をめぐる語り
7 回帰する〈声〉――夢に寄り添う語り
8 〈物語〉の多層的な継続――不在の人と共にあるために
第4部 社会現象としての死別
第8章 第三人称の死と関わる……中筋 由紀子
1 ある写真をめぐって
2 第三人称の死とは何か?
3 親密圏のなかの違和
4 ニュースのなかの死
5 第三人称の他者とのアイデンティティーをめぐる闘争
6 無関心という鎧の裂け目
7 あなたは私だったかもしれない――ベン・シャーン『ラッキードラゴン』から
8 「遠隔地の苦しみ」から「道徳的関与」へ
9 第三人称の他者との関わりを取り戻す
第9章 子どもの死について語るときに大人たちの語ること――いじめ自死と少年凶悪犯罪をめぐる言説の三十年……小谷 敏
1 「いじめの誕生」
2 「死のタブー化」を超えて?
3 「死別の政治化」のほうへ
4 錯綜する子どもイメージ
5 子どもと社会の死と再生――宮部みゆき『ソロモンの偽証』を読む
あとがき
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:安田 智博