『越境する障害者――アフリカ熱帯林に暮らす障害者の民族誌』
戸田 美佳子 20150404 明石書店,224p.
last update: 20180510
◆生存学審査員特別賞受賞作◆
■戸田 美佳子 20150404 『越境する障害者――アフリカ熱帯林に暮らす障害者の民族誌』,明石書店,224p. ISBN-10:4750341762 ISBN-13:978-4750341767 4000+ [amazon]/[kinokuniya] ※ ds. l. 2
■生存学審査員特別賞講評(一部)
カメルーン熱帯雨林に生きる障害者たちの生業やケアに着目し、生態人類学や相互行為論にもとづいた描写と分析をおこなった佳作である。本書は、アフリカに生きる障害者のエスノグラフィーから西欧・日本に見られる「ケアする側の論理に立脚する社会」の再考をうながし、差異をめぐる構築主義的な立場から対等性・平等性をめぐるコミュニケーションを論じる意欲作として評価された。……
※講評の全文は下記リンク先でご覧いただけます。
生存学奨励賞受賞作が決定しました
■内容
内容紹介
アフリカ社会の重層性を、カメルーン熱帯林の障害者の生活実態を調査することから解明しようとする新たな視点による試み。障害者が健常者とは異なる役割をもち、様々な社会的な境界を越えながら生活を営む姿を、フィールドワークを通じ生き生きと描き出す。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
戸田/美佳子
1983年生まれ。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科アフリカ地域研究専攻の博士課程を修了。博士(地域研究)。現在、日本学術振興会特別研究員(PD)。専攻は人類学、アフリカ地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
序章 問題の所在
(障害における医療モデルと社会モデル;アフリカにおける「隠された障害者」 ほか)
第1章 カメルーン熱帯林に暮らす人びと―調査地の概説
(「森の世界(ピグミー)」と「村の世界(農耕民);東部州における社会環境の変容
ほか)
第2章 障害のフォークモデルと西欧的障害観の移入
(病気と障害;アフリカ諸国のける西欧的な障害者の枠組みと政策の移入 ほか)
第3章 障害者と家族―居住形態と婚姻関係
(狩猟採集民バカろ農耕民の居住形態と婚姻関係;障害者の婚姻の選択と同居家族 ほか)
第4章 熱帯林に暮らす障害者の営み―生業活動と生計
(農耕民と狩猟採集民バカの生業;農村に暮らす身体障害者の生計手段―広域調査の結果
より ほか)
終章 結論
(アフリカに「ケア」はあるか?―「ケア」を再考する;障害者の越境 ほか)
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:奥坊 由起子