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『アメリカはイスラム国に勝てない』

宮田 律 20150130 PHP研究所(PHP新書965),277p.

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last update:20161016

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宮田 律(おさむ) 20150130 『アメリカはイスラム国に勝てない』,PHP研究所(PHP新書965),277p.  ISBN-10: 4569823637 ISBN-13: 978-4569823638 820+税  [amazon][kinokuniya]

■内容

2015年1月7日から9日にかけ、フランスで起きた連続テロ事件。ユダヤ教徒向けの食料品店に立てこもった容疑者とみられる人物の映像が動画投稿サイトで公開され、 「自分はイスラム国の戦闘員で、事件はイスラム国が攻撃されていることへの復讐だ」と主張。 フランス連続テロの背後にも、世界を震撼させるこの「国」の存在があるのか?  「イスラム国」は、国家を超えた理想のイスラム共同体の実現をめざし、カリフ(預言者ムハンマドの正統な後継者)宣言、奴隷制の復活、通貨の発行などを行い、 急速に勢力を拡大するイスラム教スンニ派の過激派組織。 インターネットを駆使した戦闘員の募集に対し、世界中から続々と志願兵が集まってきており、近い将来、「イスラム国」が国家として承認される懼れすらある (すでに2014年6月に樹立を宣言。“首都”はシリアのラッカ)。 対するアメリカは、マイノリティを抑圧し、恐怖で人々を支配する「イスラム国」を空爆するも、いっこうに成果は挙がらず、 その“根絶”のための作戦にはまるで出口が見えない。

本書では、イスラム研究の第一人者が、「イスラム国」の正体を解き明かすべく、彼らが台頭した背景や最前線の活動を紹介するとともに、 オバマ政権の中東政策“失敗”の要因を明らかにし、いよいよ混迷を深める中東情勢を平易にかつ鋭く分析する。

■著者略歴

現代イスラム研究センター理事長。1955年、山梨県生まれ。慶應義塾大学文学部史学科東洋史専攻卒。 1983年、同大学大学院文学研究科史学専攻を修了後、米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院修士課程を修了。 1987年、静岡県立大学に勤務し、中東アフリカ論や国際政治学を担当。2012年3月、現代イスラム研究センターを創設した。専門は、イスラム地域の政治および国際関係。 著書に、『現代イスラムの潮流』 (集英社新書)、『イスラムの人はなぜ日本を尊敬するのか』(新潮新書)、 『アメリカ・イラン開戦前夜』(PHP新書)、『イスラム潮流と日本』(イースト新書)ほか多数。

■目次

はじめに
イスラム世界の「パンドラの箱」を開けた米国

第1章 「イスラム国」に翻弄される米国
イスラム世界で深まる「スンニ派」と「シーア派」の亀裂
本音では「イスラム国」根絶に自信がないオバマ大統領
中間選挙の敗北でますます迷走する、対「イスラム国」戦略
米国とは違って、「イスラム国」には戦略がある
アフガニスタン同様のプロセスをたどるイラクやシリア
差別やヘイトクライムが「イスラム国」に対する共感を呼ぶ
「イスラム国」は処刑などの恐怖で人心を掌握
イランとの核交渉が成立しなければ、中東の不安定さは増す
イランはイラクでは米国の味方、シリアでは米国の敵

第2章 世界の脅威となった「イスラム国」
ヨーロッパ植民地主義支配がもたらした中東の混乱
「イスラム国」の台頭と勢力伸長の背景は何か
米軍占領下のイラクの混乱をつくり出したザルカウィ
石油と不動産が「イスラム国」の経済基盤に
オタワの議事堂銃撃事件は移民国家カナダのジレンマ
「イスラム国」支配地域の統治システムとは
米軍による「イスラム国」空爆を疑問視するラッカ市民
「イスラム国」が支配していたアンバル県の悲劇

第3章 「イスラム国」をめぐる国際情勢
イラクからの米軍撤退は誤りだったのか
アラブ諸国がシリア空爆に参加した事情とは
サウジアラビアでは、イスラム過激派が重大な懸念材料に
イスラム世界全体の急進的な潮流に、幅広く目を配れ
シリア情勢がイスラエルやヨルダンに飛び火する日

第4章 米国の足を引っ張る「同盟国」
ヨルダン川西岸の入植地拡大に、ヨーロッパは反発
イスラエルの国益優先の中東政策は、米国の国益にならない
エルサレムは決してユダヤ人だけのものではない
イスラエルのアラブ系市民の不満も、中東地域の不安定要因に
和平と逆行するネタニヤフ政権に苛立つ米国

第5章 「クルド民族」の必死の抵抗
クルド人が信仰するヤズィード派を「イスラム国」が弾圧
ようやく手にした自治を、「イスラム国」から守りたい
女性兵士の戦闘参加は「女たちのジハード」
米国が介入した国は著しく安定を喪失
金銭的動機ではなく民族的感情にかられて戦うクルド人
中東最大の少数民族、クルド人の受難の歴史
アサド政権に抑圧され続けたシリアのクルド人
民族的アイデンティティを取り戻したいクルド人

第6章 「イスラム vs. キリスト教」原理主義
「イスラム国」の台頭を促す米国の戦争経済
世界の武器市場のじつに七五%を占める米国の軍需産業
戦争突入への敷居を低くさせる、ゲーム感覚の「標的殺害」
米国が再び、イラクから手を引く日はくるのか
「キリスト教右派」とはいったい何者か
「アメリカン・ドリームを求める人々を追い出す国ではない」

第7章 中東イスラム世界と「日本」
過激派の活動範囲は広がり、メンバーは増加、より残虐的に
中東ではもはや、従来の国際政治の力学は通用しない
続々と現われはじめた「イスラム国」に忠誠を誓う組織
南ベトナムを見捨てたように、米国はイラクを放棄するのか
宗教活動も行わず、宗教的知識にも乏しい「イスラム国」
中東イスラム世界に対して日本ができることは何か

■関連書籍

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:北村 健太郎
UP:20161016 REV:
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