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『ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼
──巨人たちは経済政策の混迷を解く鍵をすでに知っていた』

松尾 匡 20141128 PHP研究所(PHP新書958),286p.

last update:20141216

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松尾 匡 20141128 『ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼──巨人たちは経済政策の混迷を解く鍵をすでに知っていた』,PHP研究所(PHP新書958), 286p. ISBN-10: 4569821375 ISBN-13: 978-4569821375 \880+税  [amazon][kinokuniya]

■内容

「右」も「左」もそもそも勘違いしていた! 世界の経済史を紐解き、リスクを負わない政府・国家がいかに破綻への道を歩んだのかを検証。公共投資の是非から市場の行方まで、 経済の本質を見抜くロジックがわかる。気鋭の理論経済学者が1970年代から現在までに及ぶ経済論争の潮流と矛盾をとき明かす、あるべき経済政策を提言する論考。 知的興奮と情熱に溢れた1冊。「リスク・決定・責任」一致の新時代へ。

■目次

まえがき

第1章 三十年続いた、経済政策の大誤解
「小さな政府」の二つの路線の行き詰まり
一九七〇年代までの世界の見取り図
国が経済に介入する体制が行き詰まったわけ
「小さな政府」路線の誤解
「資本 vs. 労働」の国家予算をめぐる攻防
転換に抵抗した旧左翼と転換を誤解した「第三の道」
一九七〇年代からの「転換X」への誤解が、現在の混乱を招いている

第2章 ソ連型システム崩壊が教えてくれること――コルナイの理論から
ソ連型システムとはどんなものだったのか
「ソ連では競争がなかったからみんな怠けた」は間違い
ソ連型システムが崩壊した理由は慢性的な不足経済
経営者が責任を取らないシステムが混乱を生んだ
福島第一原発事故の「失敗の本質」
日本型株式会社=無責任経営!?――「そごう問題」の例
リーマンショックはソ連崩壊と同じ原理で起きた
沿岸業者が漁業者の「自己経営」である合理的理由
労働運動や住民運動の必要性
生協・労働者管理企業・医療法人が存在するわけ

第3章 一般的ルールか、さじ加減の判断か――ハイエクが目指した社会とは
ケインズと対立した自由主義の巨匠・ハイエク
ハイエクの「社会主義経済計算論争」の骨子
「事件は現場で起きている!」というハイエクの主張
ハイエク的な国家の役割とは何か
「前もって決まっている形式的ルール」を提唱したハイエク
判決の積み重ねで自然と形成されるルール
ハイエクの望む競争社会の姿
国家の役割は民間人の予想を確定すること
役所を民間企業のようにせよ、という大きな誤解

第4章 反ケインズ派のマクロ経済学者たちの革命――フリードマンとルーカスと「予想」
反ケインズ派革命の旗手・フリードマン
ケインズ派とフリードマン
ケインズ政策批判の要点=インフレ予想を加速させる
フリードマンも「不況下の金融緩和は必要」としていた
ノーベル賞経済学者・ルーカスの「合理的期待」革命とは
経済学に大きな変化をもたらしたルーカスの「島モデル」
モデルが政策無効となるからくり
「合理的期待」と景気対策が効くかどうかは関係ない
合理的期待が説明する「バブル」のメカニズム

第5章 ゲーム理論による制度分析と「予想」――日本型雇用がとられたわけを題材に
画期的手法「ゲーム理論」の起こり
ゲーム理論の発展から導かれた「制度」の研究
青木昌彦らの「比較制度分析」
欧米企業と日本企業で求められるスキルが異なる
「企業特殊的技能」を身につけさせるための仕組み
日米の企業文化の違いは「ゲーム理論」で読みとける
多数者の戦略に合わせると制度は再生産される
「あなたが不幸になったのは自己責任」という論が間違っているわけ
日本型システムはなぜ終わりを迎えているのか
企業別労働組合と「スーパー人事部」の存在理由
日本で株持ち合い・メインバング・行政指導が広まったのはなぜか
マグリブ型システムとジェノア型システムの制度モデル
「男は働き女は家庭を守る」をゲーム理論で説明すると

第6章 なぜベーシックインカムは左右を問わず賛否両論なのか――「転換X」にのっとる政策その1
政府は「人々の予想を確定させる」役割を担うべし
転換Xにのっとった政府の役割とは
右にも左にも賛成者と反対者がいる「ベーシックインカム議論」
労働と所得は切り離さない
ベーシックインカムによって、社会福祉が減らされる?
行政担当者個人の判断が要らないのが本質
ベーシックインカムがあれば安心して企業できる
現行の「措置制度」支持者からのベーシックインカム批判
あまりにもひどい生活保護の判定システムの実情
現行の措置制度では「リスク・決定・責任」がずれる
ベーシックインカム導入で、景気を自動的に安定させる力が作用する
ベーシックインカムがあれば「逃げる」だけで世の中が良くなる?
「何も決めなくていい」のが一番の長所かつ限界

第7章 失業とたたかう「ケインズ復権」と「インフレ目標政策」――「転換X」にのっとる政策その2
ケインズ政策は経済成長が前提だって?
「成長なき社会」をそもそも想定していたケインズ
ケインズ死後の「物価が下がらない」という解釈
「価格」に対する見方が陣営を分けた時代
デフレは不況の悪化を招く
「流動性のわな」が起きると、デフレが人々の予想に組み込まれる
デフレがデフレを呼び、インフレがインフレを呼ぶスパイラル
ノーベル賞経済学者・クルーグマンが提唱した「インフレ目標」
構造改革派vs. リフレ派の時代
「流動性のわな」モデルはみなインフレ目標と両立する
インフレ目標時代の労資の政策抵抗
ナチスの完全雇用実現の教訓を思い出せ

第8章 「新スウェーデンモデル」に見る、あるべき福祉の姿――「転換X」にのっとる政策その3
「第三の道」と呼ばれた、ブレア政権の社会政策
「新スウェーデンモデル」は「第三の道」か?
新スウェーデンモデルは「大きな政府」である
金融緩和で雇用を増やしたスウェーデンの社民時代
NPOや協同組合を公的資金で支えるのが政府の役割
なぜ社会サービスの担い手はNPOや協同組合がふさわしいのか
「効率」の名のもとの非効率とは
新スウェーデンモデルで重要なのは個人の参加
実質的に当事者の様々な意見を汲み上げることが重要
リーダーに決定と責任が集中するフェーズとその終わり
リーダー主導と一般当事者合議の繰り返しを通じて

終章 未来へ希望をつなぐ政策とは
左派の側からの「転換X」にのっとる政策
ルールとしての政策には、世界的なすり合わせが必要
これまでの誤解を解く合理的な政策配置図はこれだ

あとがき

■引用

■書評・紹介

14年11月24日 新著お知らせ+総選挙は無からの資金で福祉充実を訴える最後のチャンスかも
「この本の主張は全く逆で、「政府はリスクのあることに手を出すべきではない」というものですので、どうか誤解のないようにお願いします。」
[外部リンク]http://matsuo-tadasu.ptu.jp/essay__141124.html
今週のオススメ本 / シノドス編集部『ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼』(PHP新書)/松尾匡
[外部リンク]http://synodos.jp/info/11737

■言及

ニュースの社会科学的な裏側
[外部リンク]http://www.anlyznews.com/



*作成:北村 健太郎
UP: 20141216 REV:
経済学  ◇ベーシック・インカム  ◇原子力発電/原子力発電所  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
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