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『たかが一内閣の閣議決定ごときで――亡国の解釈改憲と集団的自衛権』

小林 節・山中 光茂 20141020 皓星社,198p.

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last update:20151125

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■小林 節・山中 光茂 20141020 『たかが一内閣の閣議決定ごときで――亡国の解釈改憲と集団的自衛権』,皓星社,198p.  ISBN-10: 4774404969 ISBN-13: 978-4774404967 1600+税  [amazon][kinokuniya]

■内容

憲法を骨抜きにされてたまるか。立ち上がった若き市長と、改憲派の重鎮。慶応大学の「師弟」が、十数年の時を経て、熱く語り合う。 九条が日本の戦後に果たした役割とは?  憲法は誰のものか? 国家というものがつくられ、憲法が制定されたそもそもとは? 集団的自衛権の本質はどこにあるか? 日本が米軍やNATOの「二軍」になるとは?  世界で日本はどんな国として評価されているのか? etc.  憲法問題の大御所として、「右派」の中でも活躍し、世界でも研究・授業をやってきた小林名誉教授。 新宿の夜の街で働きながら医学部の学費を稼ぎ、医者として世界各国で支援もしてきた山中市長。この二人のリアリズム!

小林名誉教授「憲法を変えていいのは、私たち主権者、国民だけなんですよ。つまり国民投票を経ない憲法改正はありえない」 「日本が攻められたときに守ることはできるけど、海外まで行って攻めることなんて、そもそも、まったく許されていない。海外派兵禁止の憲法九条なんですよ」 「九条があったから、これが最後の歯止めになって海外派兵はできなかったんです。だから戦争にならなかった」
山中市長「基地は沖縄に集中していますが、首都・東京にもあります。思いやり予算は、千億円単位ですし。 アメリカとの関係でいえば、国土の提供と国民の汗である税金を供与しながら、地域集団安全保障体制をつくっている。片務的でもなんでもない」 「七〇年間の戦後の歴史の中で、戦前・戦中の反省を踏まえて一人ひとりの幸せや平和が守られてきた現実をしっかりと尊重し、議論のスタートをしていくことが大事です」

■著者略歴

小林節
慶應義塾大学名誉教授、弁護士。法学博士、名誉博士(モンゴル、オトゥゴンテンゲル大学)。1949年、東京都生まれ。1977年、慶大大学院法学研究科博士課程修了。 ハーバード大学ロー・スクール客員研究員などを経て、1989〜2014年、慶大教授。 その間、北京大学招聘教授、ハーバード大学ケネディ・スクール・オヴ・ガヴァメント研究員などを兼務。

山中光茂
松阪市長。1976年、三重県松阪市生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。その後、群馬大学医学部に学士編入学し、卒業。 医師免許取得後、アフリカのケニアを中心に貧困地域におけるエイズ対策などに尽力。2009年、松阪市長選挙に当時全国最年少として当選、現在2期目。 住民参加型市政が評価され、マニフェスト大賞グランプリ。ジュネーブにおける世界市長会議に日本代表として参加。

■目次

まえがきに代えて――世界の中心で「平和」と「立憲主義」を堂々と叫ぼう!  山中 光茂

第一章 亡国の解釈改憲と集団的自衛権
小林先生と樋口先生の教え
たかが閣議決定、されど閣議決定
集団的自衛権は海外派兵権の正当化
政府が使った二枚舌
もはや九条を盾に参戦は断れない
憲法のもとでは「たかが一内閣の総理大臣」
危険な思惑に左右されない九条にすればよい
戦後七〇年間の平和というリアル
一国平和主義は日本のだけの利益だけではない
「価値観を同じにする西洋諸国」とは

第二章 九条精神を守る「護憲的改憲派」
「護憲派的改憲派」という立場
護憲派も改憲派も停止していた
自民党改憲派の体質
侵略国家というレッテルからのスタート
国連憲章における集団的自衛権の記述
恥ずべき武器輸出三原則の緩和
侵略戦争をしない九条にする
国連機関の決議という基準
侵略する口実を与えてはならない

第三章 国民的抵抗としての選挙と裁判
本当の「日本らしさ」とはどんなものか
侵略国家からカワイイ文化の最先端に
戦後は現実的でなかった改憲
戦後最大の危機に直面している
なぜ「ピース・ウイング」を設立したのか
「ピース・ウイング」を通じて提起したいこと
裁判という高いハードルをどうするか
市長は国政に口を出してはいけないのか
憲法訴訟の難しさとは
人権は闘争の中でつくられてきた
政治的な受け皿づくりと選挙で安倍政権を倒すこと

あとがき  小林 節

■関連書籍

◆樋口 陽一 20001122 『個人と国家――今なぜ立憲主義か』,集英社(集英社新書0067A),230p.  ISBN-10: 4087200671 ISBN-13: 978-4087200676 680+税  [amazon][kinokuniya]

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:北村 健太郎
UP:20151125 REV:
哲学/政治哲学  ◇国家/国境  ◇まちづくり  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
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