『知の訓練――日本にとって政治とは何か』
原 武史 20140720 新潮社(新潮新書578),222p.
last update:20180226
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原 武史 20140720 『知の訓練――日本にとって政治とは何か』,新潮社(新潮新書578),222p.
ISBN-10: 4106105780 ISBN-13: 978-4106105784 740+税
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■内容
こんな授業が受けたかった!天皇から性まで――。「日本の根源」に迫る白熱講義!
“知”を鍛えれば、「この国のかたち」がはっきりと見えてくる。西洋から輸入した国会中心の「政治」と、天皇中心の「政事」。二つの「まつりごと」がせめぎ合い、日本という国は形作られてきた。「なぜ皇居前でデモが起こらないのか」「だれが日本の時間を支配しているのか」「伊勢神宮vs.出雲大社」「アメリカ化する地方」など、都市や宗教、時間、性といった私たちの日常に隠れた「政治」の重要性を説き明かす。第一級の政治学者が長年の研究成果を惜しみなく盛り込んだ“学び”の喜び溢れるぜいたくな白熱講義!
■著者略歴
日本政治思想史。早稲田大学卒業、東京大学大学院博士課程中退。著書に『〈出雲〉という思想』『「民都」大阪対「帝都」東京』『大正天皇』『滝山コミューン一九七四』『昭和天皇』『レッドアローとスターハウス』など。
■目次
はじめに 二つの「まつりごと」
第一章 だれが日本の時間を支配しているのか――時間と政治
政治はすべてに関係する
政府が時間を管理する
人々はなぜ玉音放送を聞くことができたのか
なぜ日本人は太陽暦的時間に適応できたのか
日本の究極的な支配者はだれか
第二章 なぜ日本では「広場の政治」が根付かないのか――広場と政治
世界一広い広場
デモと軍事パレード――戦後の皇居前広場
明治神宮外苑と国会議事堂前
新宿西口地下広場
「広場の政治」が根付かない国
第三章 日本でもっとも政治的な神社――神社と政治
あなたは神社をいくつ知っていますか?
もっとも政治的な神社
神社には何がまつられているか
「死ねばみな平等」という思想
死にまつわる「ある逆転」
靖国神社の特異な歴史解釈
現代的な課題としての「神社と政治」
第四章 なぜ「神道は宗教に非ず」とされたのか――宗教と政治1
神としてまつられる天皇
神道は“宗教”ではない
戦後の神社と政治
日本最大の宗教政党
第五章 二つの神〈伊勢神宮 vs. 出雲大社〉――宗教と政治2
ふしぎな宗教
『日本書紀』をよむ
“顕”と“幽”――神道の宗教化
幽冥界の逆襲
伊勢神宮 vs. 出雲大社
靖国神社の「宗教性」
キリスト教と政治
第六章 なぜ東京には政治の“中核”がないのか――都市と政治1[東京編]
抜き打ちテスト「皇居はどこにあるか」
「空虚な中心」
都心の歴史的変遷
敗戦とオリンピック
第七章 いかにして民都・大阪は生まれたのか――都市と政治2[大阪編]
大阪城はどこにあるか
「私鉄大国」大阪
民都・大阪の心意気
阪急の革命
第八章 アメリカ化する地方と親心の政治――地方と政治
団地の出現と革新都政
石原慎太郎と三島由紀夫
アメリカ化する地方
田中角栄の「改造」
理念より大事なもの
田中角栄の罪
行幸啓の政治的意味
第九章 元始、日本の女性は政治的存在だった――女性と政治
女性はいつ参政権が認められたのか
セックスと国土
女性神アマテラス
神功(じんぐう)皇后と光明皇后
聞得(きこえ)大君とナカツスメラミコト
近代の皇后
最高の政治家としての現皇后
主要参考文献一覧
■関連書籍
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:北村 健太郎