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『研究道――学的探求の道案内』

平岡 公一・武川 正吾・山田 昌弘・黒田 浩一郎 監修 須田 木綿子・鎮目 真人・西野 理子・樫田 美雄 編 20130430 東信堂, 320p.

last update:20140401

■平岡 公一・武川 正吾・山田 昌弘・黒田 浩一郎 監修 須田 木綿子・鎮目 真人・西野 理子・樫田 美雄 編 20130430 『研究道――学的探求の道案内』,東信堂,320p. ISBN-10:4798901725 ISBN-13:978-4798901725 \2800+税 [amazon][kinokuniya]  ※

■内容

内容(「BOOK」データベースより)
福祉社会学会、家族社会学会、社会政策学会、保健医療社会学会等々の研究者支援の取り組みを横断的にまとめた、研究者をめざす者および現役研究者のメンテナンス。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
平岡/公一
お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科教授

武川/正吾
東京大学大学院人文社会系研究科教授

山田/昌弘
中央大学文学部教授

黒田/浩一郎
龍谷大学社会学部教授

須田/木綿子
東洋大学社会学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次

本書のねらい
序章 研究者のあり方(山田昌弘
第I部 知の見取り図を描く
第1章 先行研究に取り組む(西野理子)
第2章 論文の完成度を高める文献レビュー(吉田崇)
第3章 先行研究の収集と整理:仮説検証型計量研究のケース(坂本有芳)
第4章 先行研究の「少ない」テーマが生み出す新しい発見と洞察(吉原千賀)
第5章 事例研究・古典研究への取り組み(米村千代)
第6章 英語文献の活用法(黒田浩一郎
第7章 先行研究を構造化する:社会政策・福祉政策研究を題材に(平岡公一
第II部 論文を書く
第8章 インスピレーションから論文執筆まで(後藤広史)
第9章 論文の着想(野田博也)
第10章 フィールドからの発想:調査すること/されること(小磯明)
第11章 量的・質的研究の知のマッピング(筒井淳也)
第12章 量的研究の論文構成(中田知生)
第13章 質的論文の論文構成と研究戦略(井口高志
第14章 論文執筆の舞台裏:質的研究の場合(石川良子)
第15章 問いを限定することの大切さ(亀山俊朗)
第16章 論文投稿から掲載決定まで:査読過程を中心に(河野真)
第17章 量的研究における理論と計量モデルの対応関係の追及(鎮目真人)
第18章 論文投稿のケーススタディ(木下衆)
第19章 海外英文誌への投稿というチャレンジ(須田木綿子)
第III部 学会と研究活動
第20章 学会とは何か(武川正吾
第21章 学会における査読システムの合理性(天田城介
第22章 論文査読の現実(樫田美雄)
第23章 学会発表の仕方(金子雅彦)
第24章 「知的共同作業者」として発表を聴く(河西正博)
索引
執筆者紹介

■引用

◆研究者になる、そこには、二つの意味が含まれている。一つは、ある学問分野において、新しい知見を付け加えることができる能力を身につけることである。もう一つは、職業としての研究職に就く、つまり、研究をすることで生計をたてることができる状態になることである。そして、多くの研究者は、この両者が一致しないことに、生涯悩み続ける。[2013:4]

◆『大学教員採用・人事のカラクリ』を書いた櫻田大造氏によれば、私立文系学部のヒラの教授は、仕事時間を100とすると、研究10、教育40、雑務50という時間配分の感覚だと述べている。専任教員としてそれなりの給与を貰うためには、研究以外の仕事も相当こなす必要がある。[2013:5]

◆マックス・ウェーバーの時代では、就職できるかできないかは、「僥倖」つまり、運の問題として捉えられていた…が、今では、技術の問題にもなっている。つまり、生活がかかっているから運が悪いではすまされなくなっているのだ。/生計のために努力することは必要である。自分のやりたい研究とは別の就職用の論文を書く、就職しやすい分野の研究をする、そうすれば、研究職に就くことに少しは近づくことは確かである。/しかし、マックス・ウェーバーが言うように、研究には「情熱」が不可欠である。[2013:6]

◆特に研究は、試験と違って、努力の成果が確認しにくいものである。これだけの時間をかければこれだけの結果が出るというものではない。時間がかかるものもあれば、間違っていることが分かることもある。…新しいものを生み出すのが、研究者の使命である以上、「どうしてもこの研究をしなければならない」という情熱でもって動機づけなければ、研究は続かないだろう。[2013:7]

◆いくら研究に専心して成果を上げても、それで自己完結して終わりにしてはいけない。…「社会へのお返し」を考えなければならない。…研究に関する問題を解決するヒントを提供することもお返しの1つである。また、学生への教育活動もお返しの1つである。一般の人の知的関心に働きかけ、社会について考えるきっかけを作り出すこともお返しの1つである。[2013:8-9]

◆一般的に先行研究を読む広義の目的は、研究関心の領域について知ることにある。広い意味で、自分の研究関心は幅広い研究領域のどのあたりに位置付けることができるのか、どの範囲をカバーしていることになるのか、また自らの立場をどこに位置付ければいいのかを、他の研究を参考にしながら明確にしておかなければならない。ひとつの研究は、膨大な先行研究の流れのなかでの位置づけを示すことによってその意義を明らかにできるからである。そのために、自分がこれから展開しようとしている領域においてどのように研究が展開されてきたのかという歴史とその内容をまずは知っておかなければならない。どのようなテーマをめぐって既存の研究が展開されてきたのか、鍵となってきた課題は何か、どのような論争があったのかなどを知っておかなければならない。すでに何がどのようにどこまで調べられ明らかにされてきたのかも確認しておきたい。その既存の研究成果を自分が納得して受け入れるのか、そこになんらかの疑問を抱くのかも認識しておく必要があるだろう。/また、専門領域の基礎的な概念や用語の使い方にも慣れ親しんでおかなければならない。…自らの立場を明らかにするために読んだこうした先行研究は、論文執筆の際に言及する範囲のものではない。むしろより基礎的なもので、当該の研究を始める初期に行い、その後は研究動向の進展に目を配りながら随時行うものである。/先行研究は、より狭い意味では、一つの論文なり研究なりの意義を明確にするためにとらえておかなければならない。これまで蓄積されてきた研究との共通点ならびに相違点を明らかにするために、同じテーマの先行研究をまずはできる限り網羅的にみておくことが必要になるだろう。その際、先行研究のそれぞれについて明らかにしておくべき視点は3つあげられる。ひとつには、そのテーマに取り組む分析視角やアプローチの仕方を確認し、もうひとつには、研究の成果がどこまで進んでいるかという知見を確認しておかなければならない。知見の具体的な内容だけでなく、複数の研究で一致した成果が得られているのか、それとも論争が展開されているのか、論争がある場合にはその争点は何かを理解しておかなければならない。そして第3に、研究が取り組まれてきている方法論を確認しておく必要がある。[2013:13-14]

◆先行研究を主にとりあげる節に含むべき研究は、研究テーマや論者の方針によって異なる。雛形として、ひとつには、研究の基礎となる背景を説明し、論者のよってたつ立場ないしはアプローチなどを、それまでに展開されてきた研究の中に位置づけてみせる。ここでは、研究がターゲットとする領域を概観し、指摘しておくべき研究に言及して評価しておくことが必要になる。対象となる領域の主たる理論を理解していること、ならびにその理論がどのように展開・発展してきているか、さらにはその理論がこれまでどのように批判されてきたかも理解していることを示しておく。このことは、読者の理解を助ける上でも、より具体的には読者にその論文を読む意欲を湧かせるためにも有益である。…/2つめに、それまでの研究蓄積と照合するかたちで、本研究のねらいや目的を明らかにする。先行する研究との相違、期待される結果の意味などを指摘することになるだろう。…得られた研究成果の意味や意義を、先行研究の具体的な知見や考察と照合しながら検討していく。あるいは、論文のさいごの結論の部分で、本研究で得られた成果が先行研究の文脈の中でどのような意義、意味を持つのかを明確に論じ主張しなければならない。論文の前半の先行研究の節でとりあげた研究を再度持ち出すことにもなるだろうが、前半では先行研究を展開してからそこに本研究を位置付けて見せるのに対し、論の後半では、本研究の側から先行研究を比較検討するという違いがある。[2013:15-16]

◆この文献リストの目的は、論文で引用した文献の詳細を示すことと、論文作成のために参考にした文献を示しておくことにある。論文の着想を得る上で役に立ったとか、批判対象としているとか、同じ研究分野で知見をふまえたなど、その研究を行う上で直接的に役に立った文献を掲載する。この目的に忠実に従えば、リストに掲載された文献を見渡すと、その論文ひいては研究がどのような背景や研究の流れの中に位置するか、そしてどのような研究領域の影響を受けながら執筆されたのかが読者にわかるはずである…そのため、引用文献を漏らさずに掲載するだけでなく、読者の視線を意識して掲載文献を取捨選択しておくことも必要だろう。[2013:16-17]

◆論文(研究)の意義は、新しい(あるいは面白い)知見の提供ということにある。このとき、何が新しいか、どこが新しいか、は必ずしも自明ではない。したがって、読者一般あるいは査読者に対して、論文の新しさを説明・説得するのは執筆者側の責任となる。/新しさをそれ自体で立証するのは案外難しく、また、しばしば説得力にも欠ける。そこで、もっとも手堅いやり方が、既存研究(先行研究)で分かっていることをはっきりさせることで、コントラストを際立たせるという方法である。…/このように文献レビューは、得られた知見の新しさ(あるいは面白さ)へ読者をいざない、かつその新しさを際立たせる(あるいは補強する)役割をもっている。この意味で、文献レビューは、いかにして新しさを説得的に提示するかという、一種のプレゼンテーションと捉えることもできる。[2013:20-21]

◆…読者を「共同体」の成員に引き込むような(読者が答えを知ろうと思わず身を乗り出すような)、問いの体系を提示できるのが良い文献レビューといえよう。[2013:21]

◆文献検索の基本は何といっても芋づる式で、先行研究が引用している文献を読むことである。この方法がもっとも確実な方法といえる。…もしレビュー論文(review article)があればそれから始めるのが良い。/優れたレビュー論文を読めば、研究動向もつかめるし、読むべき論文も分かるので一石二鳥である。レビュー論文がみつからなければ、複数の先行研究が共通して引用している論文を読むというのが手堅いだろう。[2013:22]

◆先行研究に目を通し、今までになされてきた研究を確認することは、これまでに得られた知見を自らの研究で継承し、発展させるためにある。その第一歩となるのは、自らの論文で鍵となる概念が何であるのか、それがどのように定義されているかを探すこと、概念規定である。一定の水準に達する学術論文であれば、論文が主題とする語…に対して、本文中に定義が書かれているはずである。「自らの論文に適用できそうな定義なのだろうか?」という問をもって、様々な先行研究の定義を集め読み込むことが、学術論文執筆のはじめの一歩である。[2013:28]

◆「マイナーな」研究テーマを扱う場合、そのテーマに関係の深い先行研究が非常に少ない。それ故、文献探しの強力なツールとなるはずのレビュー論文…も無いことが多いだろう。そこで、自らの取り上げようとするテーマとの類似性、関係の深さの度合いを通常(あるいは先行研究の多いテーマを扱う場合)よりも少し緩めてやるといった工夫が必要になる。[2013:41]

◆文献検索の第1の方法は、研究分野を同じくする、先輩の研究者に尋ねるという方法である。…特定ディシプリンの総合的な雑誌、特定の研究分野に特化した学術雑誌にどのようなものがあるかについては、この方法が適している。/第2の方法は、文献の末尾、あるいは書籍の章末などにある、引用・参照文献リストや、推薦文献リストを用いるものである。…/第3に、電子的データベースを用いる方法がある。…/出たばかりの文献や近々出版される文献をキャッチする方法として、雑誌掲載論文については、TOC e-alertを用いる方法がある。TOC e-alertとは、雑誌の新刊号の目次を電子メールで配信するサービスで、その雑誌を発行している出版社のサイトなどで登録すると、このサービスを無料で受けられる。…/この方法を用いるには、最初に、e-alertを配信してもらう雑誌を決めて、登録しなければならないが、…当該ディシプリンの、評価の高い総合的な(つまり、どの研究分野の論文でも掲載される)学術雑誌と、自分の専攻する研究分野に限定された、これも評価の高い学術雑誌をまず把握して、これらの雑誌を発行している出版社のサイトなどでe-alert配信の登録をしなければならない。[2013:74-75]

◆私たちは何のために論文を書くのであろうか?/それは単純にいえば、これまで明らかになっていないことを明らかにし、それを広く社会に届けるためである。それゆえ論文で提示される知見は…オリジナルな知見でなければならない、その意味で論文を書くという作業は、単なる「作業」ではなく「創造的な作業」…であるといえる。/私たち研究者は、オリジナルな知見を論文で提示するために、先行研究を渉猟し、研究会に参加し、時にフィールドワークに出かけテーマや分析概念を探す。その中には、…ひらめきや着想、すなわちインスピレーションを伴うものがある。論文で提示される知見がオリジナルかつ優れたものとなるためには、そのインスピレーションを精査し論文執筆のプロセスに「のせていく」という作業が重要になってくる。[2013:94]

◆また、専攻によって異なるとはいえ、昨今の若手研究者を取り巻く環境は厳しさを増しており、限られたポストを得るために短い期間にともかく論文を量産しなければならないということもある。院生を含めてわれわれ研究者は、こうした現実的なさまざまな条件を勘案しつつ論文を書かなくてはならないわけである。したがって書きたいテーマが、それらの諸条件を踏まえたうえで、「研究としてまとまりそうであること」を見定めることもまた必要であるということである。[2013:98]

◆見取り図を描くこと、つまり「マッピング」をすることは、研究活動において欠かすことのできない作業である。…/研究におけるマッピングのやり方には、いくつかの種類がある。/第一に、研究者ならば必ず意識することになるマッピングがある。それが関連研究のマッピングである…すなわち研究論文を書きはじめるときには、「自分の研究にはどのような関連研究があり、自分の研究はその関連研究においてどのように位置づけられるのだろうか」といったことを意識しておく必要がある。そうでなければその研究が学問の世界に新たな貢献をしているのかどうかが分からないし、研究自体の意味づけも不明確になってしまうからだ。…もう一つは、長期的な研究キャリアに関わる見通しである。自分が身につけている研究のスキルが、研究活動全体においてどのように位置づけできるのかについて知っておくことは、きわめて大事である。…/それに、自分がコミットしようとしている研究分野で主に採用されている研究手法については、最低限の訓練を受けるべきだろう。…/研究スキルは習得するのに時間がかかるので、…ミスマッチが生じないように慎重に研究キャリアを設計すべきだ。それに…少なくとも人文社会科学系については、海外の大学院と違って日本の大学院では研究手法に関するコースが充実していない。その分、自分で意識してスキルを身につけていくしかない。/最後に、実証研究で登場する様々なタイプのデータのマッピングの問題がある。[2013:134-135]

◆査読者は、誤記の修正や形式上の要件、事実誤認、記述の矛盾点や説明不足、倫理的問題点等についても投稿要領に基づき必要に応じて投稿者へ指摘を行うのであるが、ここでは論文掲載の是非を判断する基準として、特に重要であると思われる事項に絞り触れておきたい。/第一に、論文がオリジナリティや学術的価値を有することは何より重要になろう。…審査対象の論文に新しい知見が見出されるか否かは、最初のハードルとなる。…研究論文であるためには情報提供の域を超え、深い考察がなされていなければならない。制限字数の中で、効率的に検討を進めるための設計や課題の設定を慎重に行うことが求められるのである。…論文にとって結論の妥当性が重要であることは当然であるが、そこへ至るまでの論理の一貫性もまた枢要なチェックポイントとなる。[2013:207-208]

◆海外の英文誌に投稿する際に固有の課題として、とりわけ次の5点が重要だろう。
1)英文のチェック
2)雑誌の選択
3)査読過程でのやりとり
4)分析的説明の必要性と理論
5)議論の再構成:How do you frame it?[2013:235-236]

◆周知のように、日本語と英語では文章の構造が異なる。…文章の構造が異なるということは。ものの考え方が異なるということである。したがって、日本語の原稿をそのまま英訳しても、英語の文の連なりはできるが、英語の文章にはならない。英語の文章にするためには、英語による文章の組み立ての感覚を理解しなければならない。[2013:236]

◆国内だけで議論をしていると、経緯をたどることで説明になってしまう場合が往々にしてある。しかし、日本のことをほとんど知らない海外の人たちに向けては、誰もが知っている分析概念を使い、かつ抽象度を高めて説明をしなければ理解を得られない。いいかえれば、国内の議論は記述的になりがちだが、国外に向けては分析的な議論が必要だということになる。[2013:239]

◆同じ主題を扱っていても、国内外の学術誌ではframingの仕方が異なる。海外の学術誌に投稿するにはそのためのframingが必要であり、そうしなければ、海外の査読者には自分の研究の位置づけや、意図や意義も伝わらない。[2013:240]

◆…英文誌に投稿することの意義として、改めて下記の4点を確認したい。/第一に、自分と同じ専門領域で世界水準で活躍しているエキスパートによる指導が受けられる。/第二に、日本から国外の議論に貢献することの重要性は疑いの余地も無く、そのことは海外からも期待されている。/第三に、国外向けに議論を再構成することが、日本国内の議論の進展のためにも重要である。/そして最も強調したい点として第四に、普遍的な学問の構築という営みに、世界中の研究者とともに自分も参加しているという実感を持つ瞬間が、英文誌の投稿過程の中にあることである。[2013:245]

◆若手の人事の場合は、公募によるものが多い。基本的には業績や履歴に関する書類による審査が中心だが、まったく対面したことのない応募者だと書類だけで決めるにはリスクがともなうので…最近は、採用に当って、面接や模擬授業などを課すことが多い。また、学会大会はそうした情報が収集される場でもある。応募者や応募しそうなひとが口頭発表している場合、募集者は当然、書類だけではわからない情報(話術・応対の態度・人柄など)を入手するために、その発表を聞きにいくだろう(もちろん懇親会場もまた、そうした情報の収集場所である)。そこで「手抜き」の報告をしたら、自分では気づかないうちにアウトとなる。[2013:260]

◆学会発表を含めて学会活動を若手研究者が行うことにはどういう意義があるだろうか。東郷(2009:225-6)は3つの意味があると指摘している。第一に、学会は研究発表の場である。…学会発表は研究業績としてカウントされる。第二に、学会は人的ネットワークを形成する場である。特に若手研究者の場合、学会で人と知り合い、自分の名前を知ってもらうチャンスである。その場合、ただ参加するよりも発表した方がやはり自分の名前を覚えてもらいやすい。第三に、学会は情報収集の場である。自分の研究テーマに関する研究関連情報や就職情報、公募情報などを得ることができる。…/学会発表に対してどういう基本姿勢で臨んだらよいか。学会発表は自分の研究知見を聴衆にわかってもらうために行う。他人に理解してもらう必要がなければ、そもそも研究知見を公表しなくてよい。…いちばん大事なことは、その場にいる聴衆がどういう前提知識を持っているかを想定することである。ほとんどの聴衆がすでに知っていることを長々と説明しても意味はなく時間の無駄だし、逆にほとんどの聴衆が知らないことを既知の前提にして発表しても聴衆には興味を持たれない。[2013:300-301]

■書評・紹介

■言及




*作成:片岡稔
UP:20131105 REV: 20140217 0220 0224 0304 0311 0325 0401
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