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『軽度障害の社会学――「異化&統合」をめざして』(質的社会研究シリーズ6)

秋風 千惠 20130303 ハーベスト社,189p.

last update: 20170926

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秋風 千惠 20130303 『軽度障害の社会学――「異化&統合」をめざして』(質的社会研究シリーズ6),ハーベスト社,189p.  ISBN-10: 4863390408 ISBN-13: 978-4863390409 ¥2310  [amazon][kinokuniya] ※ s, ds

■内容

他人からみても障害者とわからず自らもあまり障害者と意識しない「軽度障害者」の意味世界を探る。

■著者略歴

2009年大阪市立大学大学院後期博士課程修了。博士(文学)。現在、大阪市立大学都市文化研究センタードクター研究員、国立病院機構米子医療センター附属看護学校、 松江高等看護学院等非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次

序章 障害の多元的理解にむけて
0-1 問題提起
0-2 研究対象
0-3 「障害見取り図」の提示
0-4 本書の構成

第1章 障害学の歴史と変遷
1-1 はじめに
1-2 障害学の成り立ち(障害学小史)
1-3 障害学の理論
1-4 障害学の争点

第2章 ディスアビリティを可視化する
2-1 「障害見取り図」の目的
2-2 理念型としての「障害見取り図」
2-3 ディスアビリティの可視化から得られる知見
2-4 インペアメントのない人々
2-5 研究枠組み
2-6 調査方法と概要

第3章 軽度障害者の意味世界
3-1 軽度障害者の浮上
3-2 基底にある社会通念
3-3 孤立するから補償努力を
3-4 コストを払う
3-5 証明がもたらす循環
3-6 メビウスの帯

第4章 障害者手帳をめぐるアイデンティティ・ゲーム
4-1 身体障害者手帳というアイデンティティカード
4-2 障害者手帳の取得と利用可能な制度等について
4-3 障害者手帳をめぐるアイデンティティ・ゲーム

第5章 晴眼者か盲人か――「どっちつかず」を生きる
5-1 生育家族のなかで
5-2 反主流
5-3 気づき
5-4 どっちつかず
5-5 晴眼者でもなく盲人でもなく

第6章 ディスアビリティと格闘する
6-1 ディスアビリティは下げられる
6-2 ディスアビリティと格闘する
6-3 統合への願い

第7章 称揚される物語と「自分らしさ」の陥穽
7-1 マスター・ナラティブとモデル・ストーリー
7-2 どのような場所なのか
7-3 称揚される物語
7-4 「自分らしさ」の陥穽

終章 無限ループから下りる方法(「異化&統合」をめざして)
8-1 不可視化された人々
8-2 通奏低音
8-3 グラデーションのなかで
8-4 無限ループから下りる方法(「異化&統合」をめざして)

あとがき
参考文献
索引

■引用

 なお、ここでいう重度/軽度は、インペアメント自体の重さの比較を意味しない。また社会政策として行政のとる障害等級とも対応しない。なにが重い障害であり、どこまでが軽い障害であるかの絶対的な線引きはできない。なぜなら、第2章の障害見取り図でも明らかなように、同じひとりの障害者が状況により、あるいは関係性によって重度とされたり軽度とされたりすることがままあるからである。障害の重度/軽度は環境や他者の視線のなかで相対的に決められるものであると考えている。
 [……]本書は行政の設定を>056>そのまま採用しない。重度の障害者ではなく、かつ健常者でもない、自身をいわば中途半端な位置にあると感じている人のなかには、障害者手帳の区分には該当しないくらい軽微な障害の人や、顔に痣のある人や吃音の人のように、法は障害者として規定していないが、自身を健常者と感じられない人もいる。また重度障害に該当する手帳を持っている人でも、重度障害者にアイデンティファイしていない人もいる。そういったケースも考慮にいれ、彼らの意味世界にせまっていくには、行政による程度設定では充分ではないと考える。障害の重度/軽度は、置かれた環境や他者との相互作用のなかで相対的に決められるものだからである。(pp.55-56)

■合評会

2013/06/15土 『軽度障害の社会学――「異化&統合」をめざして』合評会 於:茨木市市民総合センター
http://shukinoshita.wordpress.com/2013/05/17/sociology_of_disability_0615/

■書評・紹介

市野川 容孝 20160910 「秋風 千恵 著 『軽度障害の社会学――「異化&統合」をめざして』」「ブックガイド」『障害学研究』11:321-323.

■言及

北村 健太郎 20140930  『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』,生活書院,304p.  ISBN-10: 4865000305 ISBN-13: 978-4-86500-030-6 3000+税  [amazon][kinokuniya][Space96][Junkudo][Honyaclub][honto][Rakuten][Yahoo!] ※


*作成:能勢 桂介 *増補:北村 健太郎
UP: 20130418 REV: 20130619, 20170926
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