『〈生命〉とは何だろうか――表現する生物学、思考する芸術』
岩崎 秀雄 20130220 講談社現代新書,288p.
■岩崎 秀雄 20130220 『〈生命〉とは何だろうか――表現する生物学、思考する芸術』,講談社現代新書,288p. ISBN-10: 4062881934 ISBN-13: 978-4062881937 800+ [amazon]/[kinokuniya] ※
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内容紹介
最先端の生命科学が扱う自然科学の「生命」と、日常生活の中で我々が思う「いのち」、あるいは人文科学において探究されてきた「生命」。
細胞を人工的につくることが可能になりつつある現在だからこそ、これらを同じ地平で語る必要があるのではないでしょうか? では、どのように語りうるのでしょうか?
著者の岩崎氏は、「生命がリズムやパターンを生じるメカニズム」を研究する生物学者であり、同時にバイオメディアや切り絵を用いた造形作家としても活躍しています。その活動の中ではぐくんだ問題意識から、本書では、生命科学がどのように私たちの生命観と関わっているのか、生命科学自体が生命へのどのようなまなざしを内包しているのか、「生命を理解する」とか「生命について考える」とはどういうことなのかを考えます。
その手がかりとして、「生命そのもの、もしくは生命の何らかの側面をつくる(再構築する・模倣する)」ことに着目し、「つくりながら理解する」合成生物学、その源流となる先達の研究者たちの構想、生命美学と呼ばれる試み、生命をめぐる現代芸術・アートなど、さまざまなアプローチから論じていく、越境する生命論です。
内容(「BOOK」データベースより)
生命科学は、どのように私たちの生命観と関わっているのか。生命科学は、どのような生命への眼差しを内包しているのか。「生命を理解する」「生命について考える」とは、どういうことなのか。つくりながら見えてきた“生命”の本質。
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■目次
第1章 つくりながら理解する生物学―細胞をつくるとは?
第2章 「細胞を創る」研究会をつくる
第3章 合成生物学の源流をめぐって
第4章 表現する生命科学―生命美学という試み
第5章 現代芸術における生命
■書評・紹介・言及
◆立岩 真也 2013 『私的所有論 第2版』,生活書院・文庫版
◆立岩 真也 2022/12/20 『人命の特別を言わず/言う』,筑摩書房
◆立岩 真也 2022/12/25- 『人命の特別を言わず/言う 補註』,Kyoto Books
第4章★32 「私が少し関心があるのは科学批判(→註21・353頁)との関係でどんなことが言われたかだ。人間と人間でないものという境界が問われるなら、あるいはその問いと別に、生物と生物でないものとの境界も問われることになるだろう。そして定義によるが、生物は作ることができるともされるし、実際そんなことが様々に行われている。たくさんの文献があるはずだが、ずっと以前に柴谷篤弘の『生物学の革命』(柴谷[1960]、改訂版が柴谷[1970])があり、その人が『反科学論』(柴谷[1973])以降の一連の著作を発表していくといったことがある。この時期の科学論を検証する作業はまだ十分になされてい△263 ないと思う。柴谷への言及も少し(だけ)ある岩崎秀雄
『〈生命〉とは何だろうか』(岩崎[2013])をあげておく。」
UP:20130222 REV:20230101
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