『生権力の歴史――脳死・尊厳死・人間の尊厳をめぐって』
小松美彦 青土社,438p.
■小松 美彦 20121127 『生権力の歴史――脳死・尊厳死・人間の尊厳をめぐって』,青土社,438p. ISBN-10: 4791766784 ISBN-13: 978-4791766789 2520 [amazon]/[kinokuniya] ※ be. bp.
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「BOOK」データベースより
なぜ脳死が人の死とされるのか、なぜ尊厳死が推進されるのか。「人間の尊厳」の系譜を、ギリシア哲学やキリスト教神学からたどり直し、生権力の淵源に迫る画期的な著作。
■著者
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
小松/美彦
1955年東京生まれ。1989年、東京大学大学院理学系研究科・科学史科学基礎論博士課程単位取得。玉川大学文学部助教授などを経て、東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科教授。専攻は、科学史・科学論、生命倫理学。人間の生や死をめぐる問題を主に歴史的な視座から研究し、脳死や尊厳死の問題に対しては、はやい時期から積極的に取り組み、発言を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
第1章 尊厳死法制化の歴史構造―その多面的検討
安楽死と尊厳死の諸相
尊厳死法制化の思想と制度的背景
自己決定権という罠、尊厳死推進真意
おわりに
第2章 「人体革命」の時代―「人間の尊厳」概念と「自己決定権」への批判的視座
「人間の尊厳」概念の再構築へ
自己決定権の現実的・歴史的な問題
自己決定権の原理的な問題と「共鳴する死」
おわりに
第3章 爛熟する生権力社会―「臓器移植法」改定の歴史的意味
「脳死=人の死(の基準)」の展開史
日本の医療・福祉の縮減化の沿革―尊厳死法制定へ
臓器移植法改定の思想―コント・スポンヴィルの諸説を通じて
臓器移植法改定と生権力
おわりに
第4章 フーコーとアガンベンの終わりなく遠ざかる消失点―生権力論を錬磨する
フーコーの忘れ物 cf.Foucault, Michel
アガンベンの骨格―『ホモ・サケル‐主権権力と剥き出しの生』
「ホモ・サケル」プロジェクトと『開かれ―人間と動物』 cf.Agamben, Giorgio
アガンベンの世界変革の理路―「空虚」・「無為」・「潜勢力」
アガンベン生権力論の異彩と撞着
おわりに
第5章 生権力の厳かな発動源―「人間の尊厳」概念の歴史的検討
「人間の尊厳」概念の系譜1―ピコとその後裔たち
「人間の尊厳」概念の系譜2―ハイデガーの蹉跌
「人間の尊厳」概念の爆裂―強制安楽死・ユダヤ人大量殺戮の思想構造
戦後世界への浸透―世界人権宣言・フレッチャー・生命倫理 cf.
Fletcher, Joseph
おわりに