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『新印象派のプラグマティズム――労働・衛生・医療』

加藤 有希子 20120330 三元社, 258p.
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last update:20190812

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加藤 有希子 20120330 『新印象派のプラグマティズム――労働・衛生・医療』,三元社, 258p. ISBN-10:4-88303-312-6 ISBN-13:978-4-88303-312-6 \4500+税 [amazon][kinokuniya]  ※

■内容

内容紹介
色彩はつねに機能する神経生理学という19世紀の最新科学を基盤にした新印象派の「分割主義〈ディヴィジョニズム〉」。色彩のの身体的・心理的効果を利用 しようとした彼らの実践は芸術創造にとどまらず、日常生活にまで及んだ。スーラ、ピサロ、シニャックら、新印象派の画家たちの、これまで見落とされてきた 行為論〈プラグマティズム〉を論証する。


■目次

プロローグ「色彩:芸術と生活をつなぐメディア」

第一章「色彩知覚と神経労働:分割主義と一九世紀神経生理学の倫理」
 第一節「能動的な知覚:フェリクス・フェネオンの新印象派批評と神経生理学」
 第二節「『疲労』の管理:補色調和説再考」
 第三節「神経生理学、その生動する『均衡』倫理」

第二章「神経生理学の空間:色彩と運動性」
 第一節「シニャックによる断片表象の戦略的歴史記述(ヒストリオグラフィー)」
 第二節 「神経生理学における色彩表象の優位性」
 第三節「双眼視(バイノキュラーヴィジョン)と色彩片、『未完』の生命を表象す る」

第三章「新印象派の衛生・医療:その色彩論との交点」
 第一節「水浴と水療法」
 第二節「赤と青:色彩による健康管理」
 第三節「同毒療法の理論と実践」

エピローグ 「行為する『均衡』:新印象派のプラグマティズムへ」

■引用

「あなたは色彩を愛さなければならない。そして何ものであっても、それなしにはたいそう美しいものや、完全なものなどありえない、と考えなければならな い。そしてもしあなたが本当に色彩を、色彩そのものとして愛するなら、そして単に線描よりも彩色画のほうがきれいだからという理由で色彩を渇望するのでな ければ、あなたは色彩を上手に使える多少の可能性がある。〔…〕あなたに画家以外の天職があり、その仕事の合間の自由になる時間を使って、あなたは光と影 だけで、完全で、美しい、熟練した線描を生みだせるかもしれない。しかし上手に色彩を使うには、あなたの人生/生活〔life〕を捧げなければならない。 これ以上安くはつかない。うまくやる難しさは、あなたの作品に色彩が加わることによって、二倍、三倍どころか、千倍、いやそれ以上にも増してくる」。 (ジョン・ラスキン『素描の要素』1857年)

■書評・紹介




*作成:加藤 有希子
UP:201203012 REV:0401, 20190812
身体×世界:関連書籍 2010-  ◇BOOK
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