HOME > BOOK >

『内山節のローカリズム原論――新しい共同体をデザインする』

内山 節+21世紀社会デザインセンター 20120225 農山漁村文化協会,179p.

Tweet
last update:20160905

このHP経由で購入すると寄付されます


内山 節+21世紀社会デザインセンター  20120225 『内山節のローカリズム原論――新しい共同体をデザインする』,農山漁村文化協会,179p.  ISBN-10: 4540121219 ISBN-13: 978-4540121210 1800+税  [amazon][kinokuniya]

■内容

地域とは何か、コミュニティ、共同体とは何か、これからの社会のかたちをどこに求めるべきなのか、そしてその背景にはどんな哲学、思想をつくりだす必要があるのか。 震災後の復興を考えていく作業でもあり、同時に、いきづまった現代社会をいかに変えていったらよいのかについての考察。

■著者略歴

1950年、東京生まれ。哲学者。1970年代から東京と群馬県上野村を往復して暮らす。NPO法人森づくりフォーラム代表理事。『かがり火』編集長。 東北農家の会、九修農家の会などで講師を務める。2010年4月より、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科教授。

■目次

はしがき

第1講 コミュニティをどうとらえるか
大震災が明らかにした「開かれたコミュニティ」の意味
大津波の後にも海を信じる漁師たち
翻訳語としての「社会」「自然」
国津神と天津神が相克する世界観
精霊信仰と仏教・道教の融合
都市生活から生まれたご利益信仰

第2講 日本と欧米の社会観を比べてみると
上野村の「川下げ」が意味するもの
ユングの集合的無意識から年中行事をみると
建物だけでなく集落の営みすべてを残す
里のご先祖様から家のご先祖様へ
「おのずから」と「みずから」
「おのずから」の世界と自然信仰

第3講 日本人にとって個とは何か
欧米と日本の「個の確立」の違い
関係性による自己形成こそが人間の原点
伝統的共同体での理想の生き方
伝統的な共同体と「祈り」「願い」「信仰」

第4講 共同体は単一でなく多層的なものである
現代コミュニティ論の出発点となったマッキーヴァー
トクヴィルがとらえる「精神の習慣」
上野村の共同体も単一ではない
単一の共同体論の誤り
都市で発達した共同体:講

第5講 日本の近代化は共同体をいかにしてこわしてきたか
鎌倉期までの共同体
為政者は共同体に手を焼いてきた
儒学が「国家あっての民」の世界をつくる
明治の「神仏分離令」と「修験道禁止令」
国民精神の確立と文部省唱歌
日本の色の否定
尋常小学校が村の行事をこわす
共同体の終焉と見直しの動き
個人を基調にした社会がいきづまった
国民国家と共同体

第6講 国民国家・市民社会・市場経済への反撃がはじまった
戦争が国民国家を生んだ
拡大をめざす近代のシステムの劣化と人間の退廃
ラルザック地方に根ざした「反グローバリズム」
ローカリズムとはシステムに管理された社会への反撃

第7講 風土論でローカルな世界をとらえる
和辻哲郎の風土論がとらえた三つの世界
東アジアモンスーン地帯と大東亜共栄圏
三澤勝衛の風土論の先進性

第8講 人間にとって主体とは何か
キリスト教は一神教か
「神なき時代」の主体とは
「主体の非存在」を表現したカミュの『異邦人』
人間は「意味の体系」にしばられている
主体は個のなかに存在しているのか
漂流する主体
私とは「関係の総和」である

第9講 「個としての主体」という牢獄
日本の仏教にみる知性、身体性、霊性=生命性
「社会:構造」と「世間:つながり」
ヴェルレーヌと『源氏物語』にみる「自分」の違い
現代社会が生みだすソフトな牢獄
主体と客体のすり替えと自己撞着
なぜ道はふさがれてしまったか
ヨーロッパローカルの思想をこえて

第10講 復興のグランドデザインと価値の共有――3・11後の社会をデザインする
なぜ脱原発なのか
復興のグランドデザインとは
復興の主体は「関係」にある
外部と結ぶコミュニティと経済活動
価値共有は価値交換から生まれる

【活動紹介】 21世紀社会デザインセンターについて

■関連書籍

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:北村 健太郎
UP:20160905 REV:
コミュニティ/地域  ◇共同体運動・コミューン運動  ◇労働  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
TOP HOME (http://www.arsvi.com)