HOME > BOOK >

『「利他」――人は人のために生きる』

瀬戸内 寂聴・稲盛 和夫 20111203 小学館,208p.

last update:20140609

■瀬戸内 寂聴・稲盛 和夫 20111203 『「利他」――人は人のために生きる』,小学館,208p. ISBN-10:4093798273 ISBN-13:978-4093798273 \1,200+税 [amazon][kinokuniya]  ※

■内容

内容紹介
震災後をどう生きるか?二人の初の対談集

なぜ、いい人ほど不幸になるのか? 理不尽な世の中を生き抜くヒントは「利他」――誰かの幸せのために尽くす生き方にある。

本書で紹介されている、ある老師の話によれば、「地獄」と「極楽」は、見た目ではそれほど違いはないという。どちらにも、大きな釜に美味しそうな「うどん」が煮えており、みんなが1メートルもある長い箸を持っている。地獄の住人は、われ先にと食べようとするが、箸が長すぎて自分の口にうまく運べず、他人の箸の先のうどんを奪い合うようになり、結局、みんなが飢えて、痩せ衰えていく。一方、極楽では、誰もが箸でんだうどんを、向かい側の人に先に食べさせてあげている。だから全員が満ち足りているのだ……。

生き方しだいで「地獄」は「極楽」に変わる。どんなに生きづらくとも、“誰かのため”なら、きっと生きられる――この挿話は、そんな示唆を与えてくれる。

二人合わせて百七十歳。作家として、経営者として、今も第一線で尽力し続ける二人の仏教者が、両人による対談集としては初となる本書で、震災後の苦難の時代を生きる「知恵」と「覚悟」を語り合う。読めば元気が湧いてくる、全国民必読の書。

■目次

まえがき――稲盛和夫
第1章 震災を経験して 今こそ、勇気を――「千年に一度」の悲しみを乗り越える法
第2章 逆説の人生観 なぜ、いい人ほど不幸になるのか――どんな悪い世の中もいずれ変わる
第3章 震災後の生き方 「利他」のすすめ――人は“誰かの幸せ”のために生きている
第4章 新・日本人論 日本を変えよう、今――「小欲知足」と「慈悲」を忘れた日本人へ
第5章 「利他」の実践 人はなぜ「働く」のか――“誰かのために尽くす”ことが心を高める
第6章 生と死のあいだ 「天寿」と「あの世」の話――「生老病死」の四苦とどう付き合うか
あとがき――瀬戸内寂聴

■引用

◆「なんとしてでも生きぬいていく」「このままでは絶対に終わらない」という強い熱意や意志が、復興には必要だと思います。[2011:20]

◆…とにかく気持ちが萎えていくのが一番良くないと思うんです。…今のような非常時に必要なのは、「蛮勇」と言われるものではないでしょうか。…「なんとしても生きていく」という熱い思いがあったんです。そのバイタリティが、今の日本に欲しいと思うんですね。[2011:52-54]

◆たしかにこの世の中というのは日々流転していくわけで、いわゆる波瀾万丈の変化をしていくということこそが、いつの世も常であって、たとえこれは地獄ではなかろうかと思う時期があったとしても、それはいつまでも続くことはない。また、何も自分だけが苦しいわけじゃないんですよね。そう思えば、力が湧いてくるはずです。[2011:61-62]

◆目に見えるものだけを追い求める一方で…やっぱり人間の心というものを、大事にしてこなかったという、現代の問題があると思います。[2011:80]

◆…利己的な欲深い心と、逆に「真我」と言われる利他的な美しい良心の二つが、人間の心の中には共存しているわけです。/心の手入れをしなかったら、この貪欲で利己的な心のほうが自分の心をすべて覆い尽くしてしまう。…だから、そのような悪しき心を抑えて、思いやりに満ちた真我や良心というようなものが心の中の大半を占めるようにしなければならないんですね。利己の心を少しでも抑えて、利他の心がいつも活き活きと活躍するように心の手入れをしましょう、と提案したいのです。…毎日せめて寝る前ぐらいは…反省をすることによって、多少なりとも心の手入れができるのではないか。そうすると、世の中も少しずつよくなっていくんではないかと思うんです。[2011:81-82]

◆…最初っから好きな仕事なんてないと思うんです。結局、仕事を好きになるように自分で努力しないといけないんじゃないですかね。ほとんどの仕事というのは、最初は嫌々ながら、そういう環境に追い込まれたから働くんですね。でも、嫌々働くのでは長続きしませんから、やっぱり自分がやっている仕事に惚れなきゃいけませんね。[2011:153-154]

◆…この仕事は自分の人間性を高めていくために神様がそう仕向けてくれているんだと、そんなふうにいいほうに考えて、ひたむきに働けば、自分の心も高まってくるし、同時に仕事の成果も上がり、自ずから収入も増えていくんじゃないでしょうかね。/とくに経営者の場合は、自分の会社を本気でよくしようと思ったら、まず自分の心を高めないといけないんです。…経営者の心が高まり、その心の中に、従業員を大事にしたいという「利他」の精神、「愛」というものが目覚めてこなかったら…どんな組織でもうまくいきませんよ。[2011:157-158]

■書評・紹介

■言及




*作成:片岡稔
UP:20140515 REV:20140609
身体×世界:関連書籍  ◇BOOK 
TOP HOME (http://www.arsvi.com)