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『脱原発「異論」』

市田 良彦,王寺 賢太,小泉 義之,すが 秀実,長原 豊 20111117 作品社,211p.
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last update:20120513

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『脱原発「異論」』


市田 良彦,王寺 賢太,小泉 義之,すが 秀実,長原 豊 20111117 『脱原発「異論」』,作品社,211p. ISBN-10:4861823552 ISBN-13:978-4861823558 1800円+税 [amazon][kinokuniya]

■ 内容紹介

「3・11」以降の思想的・運動的状況を総括して、議論なきまま「脱原発」に流れ行く風潮に異論を呈し、射程はるかな資本主義批判の視座を提示する、5人の論客による、過激にしてまっとうな討論!

本書で出されている諸「異論」は、決して、現在の多様な反原発運動や、それを準備・組織してきた、これまでのさまざまな運動の存在を単純に斥けるものではない。また、今後の運動を、一意的に方向づけようとしているわけでもない。われわれは、運動し組織してきた者を基本的に尊敬しているし、今後もそうであろう。また、われわれ自身、何らかの「現場」に向かうことが、三・一一以前からもあったし、これからもあるだろう。ただ、繰り返せば、小泉も討議で言っているように、議論の「厚み」と「蓄積」が、運動と組織には必要だと考えているということである。そのために、われわれのあいだの討議も、相互の「異論」の交差となっているはずである。 すが秀実(「あとがき」より)

■ 著者について

市田良彦(いちだ・よしひこ)思想史家・神戸大学大学院国際文化学研究科教員。1957年生まれ。著書に、『アルチュセール ある連結の哲学』(平凡社)、『ランシエール 新〈音楽の哲学〉』(白水社)など。訳書にA・ネグリ&M・ハート『マルチチュード』(監訳、NHK出版)、P・ヴィリリオ『速度と政治』(平凡社ライブラリー)など。
王寺賢太(おうじ・けんた)思想史家・京都大学人文科学研究所教員。1970年生まれ。著書に、『政治・権力・公共性』(共著、世界思想社)、『啓蒙の運命』(共著、名古屋大学出版会)など。訳書に、M・フーコー『カントの人間学』(新潮社)、D・ディドロ『運命論者ジャックとその主人』(共訳、白水社)など。
小泉義之(こいずみ・よしゆき)哲学者・立命館大学大学院先端総合学術研究科教員。1954年生まれ。著書に、『デカルトの哲学』(人文書院)、『病いの哲学』(ちくま新書)、『生殖の哲学』(河出書房新社)、『レヴィナス』(NHK出版)、『ドゥルーズの哲学』(講談社現代新書)など。訳書に、G・ドゥルーズ『意味の論理学』(河出文庫)など。
すが秀実(すが・ひでみ、すがは糸偏に圭)文芸評論家・近畿大学国際人文科学研究所教員。1949年生まれ。著書に、『詩的モダニティの舞台』(論創社)、『吉本隆明の時代』(作品社)、『1968年』(ちくま新書)、『革命的な、あまりに革命的な』(作品社)など。編書に『思想読本(11)1968』(作品社)、『ネオリベ化する公共圏』(明石書店、共編)など。
長原豊(ながはら・ゆたか)経済学研究・法政大学経済学部教員。1952年生まれ。著書に、『天皇制国家と農民』(日本経済評論社)、『われら瑕疵ある者たち』(青土社)など。訳書に、A・ネグリ&M・ハート『ディオニュソスの労働』(共訳、人文書院)、A・ネグリ『革命の秋』(共訳、世界書院)、S・ジジェク『迫り来る革命』(岩波書店)など。

*紹介ページ:[外部サイト] http://www.tssplaza.co.jp/sakuhinsha/book/jinbun/tanpin/23558.htm

■目次

はじめに

吶喊と屈託――「座談会」を呼びかけるために
 長原豊

第一部 座談会
基調報告
 市田良彦
座談会  市田良彦×王寺賢太×小泉義之×すが秀実×長原豊
反原発の現在と過去
反原発・脱原発の内実
 反原発という「大きな物語」
 マルチチュードは出現するのか/したのか
 左翼文化は継承されるか
 脱原発はコンセンサスか
 反原発か脱原発か
 反原発はラディカル・デモクラシー?
 原発労働者の組織化
 自己権力による現闘本部の設置

反原発と社会運動
 吉本『「反核」異論』を読む1社会主義の理想化
 吉本『「反核」異論』を読む2第三世界論の欠如
 脱原発とエコロジー
 エコロジーとニューエイジ
 吉本『「反核」異論』を読む3反核と反原発

反原発と復興の展望
 非常事態と戦争機械
 例外状態とガンに対する戦争
 超管理・相互監視・優生思想のスウェーデン・モデル
 災害ユートピアは出現したか
 セキュリティを敵に回した戦い
 リスク社会論・保険概念の失効
 セキュリティvs自由
 人質にとられた命と健康
 絶対的自由と共産主義

反原発から反資本主義へ

第二部 論考

震災、原発、右往左往
 王寺賢太

「どれだけ」に縛られる人生
 小泉義之

「太陽の塔」を廃炉せよ
 すが秀実

ノマドでいるために――原則的な、あまりに原則的な
 長原豊

あとがき
 すが秀実

■引用


■書評・紹介


■言及


UP:20120513 REV:
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