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『実践の中のジェンダー――法システムの社会学的記述』

小宮 友根,20110920,新曜社,313+xvp.

last update: 20140819

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小宮 友根,20110920,『実践の中のジェンダー――法システムの社会学的記述』新曜社,313+xvp. ISBN-10: 4788512548 ISBN-13: 978-4788512542 \2800+税 [amazon][kinokuniya]※ s s00

■内容(新曜社HPより)

◆作動中のジェンダーを捉える◆

ジェンダーという言葉は、性と社会をめぐる議論では社会的な性差を指す言葉としてすっかり一般的な表現です。しかし性差が〈社会的〉だとはいったい何を意味するのでしょうか。性差の原因が後天的・人為的だということでしょうか?著者はこの一般的理解が陥る危険を示し、より豊かな現実の理解のため、 社会の現場に戻る経験的な研究を促します。私たちの社会生活は、お互いに行 為し理解しあうという〈意味〉をめぐるやりとりであり、「性現象の社会性」 はこの社会生活の実際を適切に記述することでこそ明らかになるというのです。フェミニズムやシステム理論が予示した社会秩序の研究を、ジェンダーと法をめぐるトピックを実際に記述するなかで実現する清新な野心作です。

■著者紹介(本書より)

小宮 友根
略歴:1977年生まれ。東京都立大学大学院社会科学研究科社会学専攻博士課程修了。博士(社会学)。現在、日本学術振興会特別研究員(PD)。
専攻:エスノメソドロジー/会話分析、ジェンダー論、理論社会学。現在は、法的実践を作りあげている「人びとの方法論」により近づいたところで研究をおこなうため、模擬裁判を対象にした相互行為分析などに着手している。
著作:共著書に『ワードマップ エスノメソドロジー』(新曜社、2007年)、『ブリジック社会学』(ナカニシヤ出版、2009年)
共訳書にV.ブライソン『争点・フェミニズム』(勁草書房、2004年)など。

■書評

◆菊地 英明 20121001 「岩永理恵著 『生活保護は最低生活をどう構想したか――保護基準と実施要領の歴史分析』ミネルヴァ書房 2011年」『社会政策』 4(2):132-136.
◆樫村志郎 2013 「書評 小宮友根 著『実践の中のジェンダー』」 『法社会学』 79,日本法社会学会,有斐閣
◆毛利康俊 2013 「書評 法的実践の経験的記述と概念的思考──小宮友根『実践の中のジェンダー』は法律家に何を見せるか」『法の理論』32, 成文堂
◆馬場靖雄 2013 「書評 小宮友根著『実践の中のジェンダー』」『ソシオロジ』57(3),京都大学社会学研究会

■紹介

◆日曜社会学/エスノメソドロジー番外地 HP 「小宮友根著 実践の中のジェンダー──法システムの社会学的記述

◆エスノメソドロジー・会話分析研究会HP 「研究会会員の著作紹介 小宮友根 実践の中のジェンダー──法システムの社会学的記述

◆新曜社HP 「小宮友根著 実践の中のジェンダー──法システムの社会学的記述

■目次

まえがき
1 「規範」としてのジェンダー
2 ジェンダー概念と社会批判
3 法的実践の中のジェンダー
T部 社会秩序の記述
第1章 性現象の「社会」性
1 はじめに
2 パフォーマティヴィティ概念の構成
3 パフォーマティヴィティ概念の困難
4 「構築」主義の「思考上の制約」
5 行為の記述と社会生活の編成
6 おわりに
第1章補論 行為とコンテクストの相互構成的関係
    あるいは間接的言語行為について
1 オースティンの「パフォーマティヴ」
2 デリダのオースティン批判
3 デリダのオースティン批判の問題点
4 コンテクストを作ること
第2章 社会システムの経験的記述
1 はじめに
2 社会秩序の概念化をめぐる問題
3 ルーマンの「社会システム」
4 ルーマンの「相互行為システム」
5 「対面状況」の社会システム論的記述
6 おわりに
第3章 社会秩序の記述と批判
1 はじめに
2 論争: 会話分析 vs. 批判的談話分析
3 ミクロ - マクロ問題
4 「価値判断」と記述の身分
5 おわりに
U部 法的実践の中のジェンダー
第4章 法的推論と常識的知識
1 はじめに
2 「法と社会」という思考法
3 実践としての法的推論
4 判決文の理解可能性
5 おわりに:全体社会のサブシステムとしての
       法システムの作動
第5章 強姦罪における性的自由
1 はじめに
2 強姦罪の正当性をめぐる争い
3 強姦罪の「古い」解釈
4 法的実践のなかの「被害者の意思」
5 おわりに
第6章 被害者の意思を認定する
1 はじめに
2 「判決文を書く」実践
3 「被害者の意思」を推論する方法
4 被害者の意思を認定する
5 おわりに
第7章 ポルノグラフィと「女性の被害」の経験
1 はじめに
2 反ポルノグラフィ公民権条例
3 「行為」か「表現」か
4 ポルノグラフィと「女性の被害」
5 おわりに:革命的カテゴリー
 
あとがき
文献
人名索引
事項索引

■言及


■引用



*作成:中村亮太 UP: 20140819 REV:
生活保護  ◇生活保護・文献  ◇BOOK

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