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『アシュリー事件――メディカル・コントロールと新・優生思想の時代』

児玉 真美 20110922 『アシュリー事件――メディカル・コントロールと新・優生思想の時代』,生活書院,264p.


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『アシュリー事件――メディカル・コントロールと新・優生思想の時代』表紙  ■児玉 真美 20110922
 『アシュリー事件――メディカル・コントロールと新・優生思想の時代』
 生活書院,264p. ISBN-10: 4903690814 ISBN-13: 978-4903690810 2300+
 [amazon][kinokuniya] ※ be. eg.

 cf.「Ashley事件から生命倫理を考える」(2007年5月〜)
 [外部リンク]http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara


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http://www.seikatsushoin.com/bk/081%20ashley.html
アシュリー事件を考える2004年、アメリカの6歳になる重症重複障害の女の子に、両親の希望である医療介入が行われた――1、ホルモン大量投与で最終身長を制限する、2、子宮摘出で生理と生理痛を取り除く、3、初期乳房芽の摘出で乳房の生育を制限する──。「重症障害のある人は、その他の人と同じ尊厳には値しない」……新たな優生思想がじわじわと拡がるこの時代を象徴するものとしての「アシュリー・Xのケース」。これは私たちには関係のない海の向こうの事件では決してない。そして何より、アシュリー事件は、まだ終わっていない――。

◇「BOOK」データベースより
2004年、アメリカの6歳になる重症重複障害の女の子に、両親の希望である医療介入が行われた―。1ホルモン大量投与で最終身長を制限する、2子宮摘出で生理と生理痛を取り除く、3初期乳房芽の摘出で乳房の生育を制限する―。「重症障害のある人は、その他の人と同じ尊厳には値しない」…新たな優生思想がじわじわと拡がるこの時代を象徴するものとしての「アシュリー・Xのケース」。これは私たちには関係のない海の向こうの事件では決してない。そして何より、アシュリー事件は、まだ終わっていない―。

■<著者

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
児玉 真美 1956年生まれ。2007年5月21日からブログ「Ashley事件から生命倫理を考える」。2008年2月から英語ブログMysteries and Questions Surrounding the Ashley X Case。2009年6月からウィルソン、ソブセイらのWhat Sorts of Peopleブログに参加(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次 http://www.seikatsushoin.com/bk/081%20ashley.html


【目次】

はじめに

第1部 アシュリー・Xのケース
 1 アシュリー事件とは
          “アシュリー療法”論争
  今なお続く論争
  P・シンガー「犬や猫にだって尊厳認めない」
 2 アシュリーに何が行われたのか
  事実関係の確認
  子宮・乳房芽と盲腸の摘出
  エストロゲン大量投与による身長抑制
  「成長抑制」と“アシュリー療法”
 3 “アシュリー療法”の理由と目的
  主治医論文は「在宅介護のため」
  親のブログは「本人のQOLのため」
  身長抑制の理由と目的
  子宮と乳房芽摘出の理由と目的
  基本は「用がない」それから「グロテスク」
 4 アシュリーとはどのような子どもなのか
  論文が描くアシュリー
  親のブログが描くアシュリー
  「重症障害児」というステレオタイプ
  ディグマのステレオタイプ
  ステレオタイプの背後にあるもの
 5 経緯と、それが意味するもの
  2004年初頭から夏
  異例の厚遇
  隠ぺいと偽装
  隠ぺいと偽装が意味するもの

第2部 アシュリー事件 議論と展開
 6 議論
  効果はあるのか?
  「科学とテクノで簡単解決」文化
  優生思想の歴史とセーフガード
  医療化よりもサービスと支援
 7 WPAS調査報告書
  医療決定における障害者の権利
  病院との合意事項
  WPASの不可解
  未解明の費用 
 8 K.E.J.事件とケイティ・ソープ事件
  1)K.E.J.事件
  2)ケイティ・ソープ事件【英国】
 9 法と倫理の検討
  ある倫理学者の論文
  豪・法律事務所の見解
  アリシア・クウェレットの論文
  エイミー・タンらの論文
  「どうせ」が共有されていく「すべり坂」

第3部 アシュリー事件が意味するもの
 10 その後の展開
  ディクマがカルヴィン大学で講演
  父親のブログ1周年アップデイト・CNNインタビュー
  ピーター・シンガーが再びアシュリー・ケースに言及
  子ども病院の成長抑制シンポジウムとワーキング・グループ
  ディクマとフォストらが成長抑制に関する論文
  ディクマとフォストが論文でアシュリー・ケースへの批判に反論
  親のブログ3周年アップデイト──既に12人に実施
  インターネットで続く“怪現象”
  ディクマ著、小児科学会の栄養と水分停止ガイドライン
  アンジェラ事件(オーストラリア)
  メリーランド大学法学部で障害者に関する医療と倫理を巡るカンファレンス
  成長抑制ワーキング・グループの「妥協点」論文、HCR
  別の存在だと「考えるべきではない」という防波堤
 11 アシュリー事件の周辺 
  ゴンザレス事件とテキサスの“無益な治療”法
  ノーマン・フォストの“無益な治療”論
  シャイボ事件(米 2005)
  ゴラブチャック事件(カナダ 2009)
  リヴェラ事件(米 2008)
  ナヴァロ事件
  ケイリー事件
  フォスト、シンガーらの「死亡者提供ルール」撤廃提案
  臓器提供安楽死の提案 
  「死の自己決定権」議論
 12 アシュリー事件を考える
  記事から“消えた”2行
  親が一番の敵
  親たちの声なきSOS
  ダブル・バインド
  対立の構図を越えるために
  メディカル・コントロールと新・優生思想の世界へ

あとがき

■言及・紹介・書評

◆立岩 真也 20140825 『自閉症連続体の時代』,みすず書房,352p. ISBN-10: 4622078457 ISBN-13: 978-4622078456 3700+ [amazon][kinokuniya] ※


UP: 20111015 REV:20140824
児玉 真美  ◇生命倫理 bioethics  ◇優生学  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK 
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