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『文化を翻訳する――知里真志保のアイヌ神謡訳における創造』

佐藤=ロスベアグ・ナナ 20110311 サッポロ堂, 292p.
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佐藤=ロスベアグ・ナナ 20110311 『文化を翻訳する――知里真志保のアイヌ神謡訳における創造』,サッポロ堂,292p. ISBN: 9784915881206 \2100 [kinokuniya]

■内容

推薦文:藤井貞和(詩人、言語態分析)
 本書の特色を、1)真志保そのひとの神謡研究への照射、2)札幌の詩人たちとの交流、現代詩との接点、3)神謡の「原作」とは、その起源とは、4)「厚い翻訳」、5)金田一、折口……、とあえて分けてみる。真志保が何に熱くなり、何を苦しみ、どう伝えようとし、いかに闘ったか。これまで真志保の評伝はあった。原点である真志保の学術研究者としての真の評価はこれから、いま。
 国際環境下の現代に、世界に冠たるアイヌ語文化、アイヌ語文学研究の本格的な出現が待たれていた。真志保は詩人たちと交流し、神謡「翻訳」の着手も詩の雑誌において始める。『ユーカラ鑑賞』を詩人小田邦雄との共著で世に問う。
 それはなぜなのか。それから「原作」とは何か。姉・幸恵の『アイヌ神謡集』を見ても、「原作」とは何かを考えることが緊要である。翻訳不可能性? 真志保を襲う学の隘路は、師・金田一との格闘をへながら、光のとどかぬ奥での、翻訳パフォーマンスとでも言うべき形相で、われわれに近代主義の根底を衝く研究の突破口へと導いてくれる。
 論者は「厚い翻訳」論をここへ持ってくる。そうか、本書じたいが真志保の、学的機微にふれて一つ一つ厚くしなければならない研究の務めを追尋する。

■著者略歴

佐藤=ロスベアグ・ナナ(イースト・アングリア大学)
2007年3月立命館大学先端総合学術研究科博士課程修了(学術博士)。
北京清華大学外国語学部契約講師、立命館大学衣笠研究機構ポストドクトラル研究員を経て、現在イースト・アングリア大学(UK)Film and Television Studies助手。
2008年、2009年、2010年、ロンドン大学ユニヴァーシティ・カレッジ(UCL)の異文化間研究所客員研究員・講師。
2010年Translation Research Summer School(UCL開催)教員スタッフ。
現在の研究関心は非母語による記述、口頭伝承の翻訳、文化の翻訳または翻訳と権力の関係など。
◆主要業績
編著に『トランスレーション・スタディーズ』(みすず書房・2011年夏刊行予定)、共編(with 若林ジュディ)にTranslation and Translation Studies in the Japanese Context [in English](The Continuum International Publishing, 2012年春刊行予定)、共編(with 渡辺公三)に『生存学センター報告第15号 日本における翻訳学の行方』(生存学・2010年12月)主要論文に``La Loi sur la promotion de la culture des Ainous, sur la diffusion et la mise en valeur des connaissances relatives a leurs traditions releve-t-elle d'une politique multiculturelle?'', in Paul Dumouchel (ed.), Multiculturalisme et Nationalisme en Asie (translated by Yukiko Chiche), Paris: L'Harmattan [in French] (2010年2月) 、"Chiri Mashiho's Performative Translations of Aynu Oral Narratives", Japanese Studies, Journal of the Japanese Association of Australia: Routledge [in English](2008年9月)他多数。

■目次

第一章 知里真志保という人
 第一節 知里真志保
 第二節 アイヌ語の地名と空間
第二章 詩人との対話
 第一節 その時代背景
 第二節 更科源蔵
 第三節 枯木虎夫
 第四節 小田邦雄
第三章 アイヌ神謡の「原作」としての起源
 第一節 アイヌ神謡とは
 第二節 アイヌ神謡の原作
 第三節 アイヌのシャーマニズム
 第四節 語源を遡る―― 折口信夫「国文学の発生」
 第五節 アイヌ神謡と歴史
第四章 知里真志保と翻訳者との対話
 第一節 「厚い翻訳」とは
 第二節 金田一京助
 第三節 ブロニスワフ・ピウスツキ訳との比較
 第四節 知里幸恵訳との比較
第五章 翻訳者としての知里真志保―― 未来へ紡ぐ

■引用

■書評・紹介

◆江別市情報図書館 201105 「生誕100年を前に記念碑的著作=小田邦夫の功績と評価=」『情報図書館便り』,通巻254号 [PDF]
◆佐藤 知己 20110619 「ほっかいどうの本――佐藤=ロスベアグ・ナナ著『文化を翻訳する』」,北海道新聞,朝刊12面 [PDF]
◆池澤 夏樹 20110713 「私の読書日記 浸水範囲、『降れ降れ』、江戸人の自由人」『週刊文春』,2011年7月21日号 [PDF]

■言及



◆書籍問い合わせ:サッポロ堂 :sapporodo[at]jeans.ocn.ne.jp

UP:20110325 REV:20110524, 0526, 0721, 0806
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