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『女性の学びを拓く――日本女性学習財団70年のあゆみ』
日本女性学習財団 編 20110303 ドメス出版, 309p.
last update: 20110324
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■日本女性学習財団 編 20110303 『女性の学びを拓く――日本女性学習財団70年のあゆみ』,ドメス出版, 309p. ISBN-10:4810707512 ISBN-13: 978-4810707519 \2500
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■内容
■目次
発刊にあたって
凡例
I 財団史編
第1章 日本女子会館の設立(1930〜1945)
第1節 日本女子会館設立前史
第2節 日本女子会館の設立と事業の展開
第2章 財団活動の再建と家庭教育の推進(1945〜1974)
第1節 戦後の日本の社会と婦人教育政策の展開
第2節 占領期の女子会館
第3節 財団の体制
第4節 「女子社会教育」の意味
第5節 財団事業の展開
第3章 「婦人教育」を中心にすえた財団への転換(1975〜1989)
第1節 「財団法人日本女子社会教育会」への名称変更
第2節 「草の根の女性問題」解決をめざして
第3節 新会館における事業展開と会館運営
第4章 女性のエンパワーメントをめざして(1990〜2010)
第1節 「個としての女性の人権」――北京会議以降
第2節 ジェンダー視点に立った学習事業の拡充
第3節 男女共同参画社会の形成をめざして
第5章 財団70周年を迎えて(2011〜)
コラム
U 論文編
1 社会教育における成人女性の学習をとらえる概念の変遷
2 大日本連合婦人会による花嫁学校――御茶の水家庭寮の展開
3 「わたし」を問う「女性の学習の歩み」レポート――女性の自己学習と自己表現の軌跡
4 女性関連施設の沿革と女性団体
5 自己開発学習の検討――日本女性学習財団と国際女性教育振興会を例に
V 資料編
1 設立趣意書・寄附行為
2 役員名簿
3 事業一覧
4 発行資料一覧
七〇年のあゆみ 年表
付録 CD-ROM 「女性の学習の歩み」実践・研究レポート集成
■引用
「わたし」を問う「女性の学習の歩み」レポート
(6) 「わたし」をみつめ、他者とかかわる――医療・福祉の論理への問い
「自分を語る」ことは「わたし」と他者とのかかわりをみつめなおすことにほかならない。レポートには介護や育児をめぐる経験も多くつづられているが、「わたし」を問う姿勢が強く生まれてくるのは、二〇〇〇(平成十二)年以降ではないかと思われる。
ここでは二つのレポートを取り上げたい。一つは二〇〇七年度奨励作「障害のある子どもを授かって――染色体異常症『18トリソミーの会』患者会活動」(
櫻井 浩子
)である。筆者は「四日間で五〇%が亡くなる」といわれた難病の子を産み、「七五日間懸命に生きた」子を亡くした。ほとんど治療不能とされる病気であったが、親の声は医療担当者には伝わらなかった、と感じた筆者は、同じ難病の患者の親たちと出会い、ともに実態調査や交流、医療機関への要望などの活動を続けることになる。二〇〇七年には立命館大学大学院先端総合学術研究科生命領域の博士後期課程に入学、「障害新生児の治療停止と差し控え――『子どもの最善の利益』」をテーマに研究者としての道を歩き出した。
ここには、子どもを亡くした母親の悲しみや医療不信などの感情をただ吐き出すだけではなく、現実を論理化しようとする姿勢がある。「いのちを産む性」としての女性がいわゆる「母役割」にとどまるのではなく、「専門家」である医療関係者に対し対等に発言できる力を獲得する可能性を示しているといえよう(pp195)。
この二つのレポートは、「障害児」や「高齢者」とかかわる女性の体験を単に「苦労したけどよかった」といった自己充実の語りにとどめるのではなく、悪戦苦闘の末に学習を通じて体験を論理化し、その作業によって「わたし」を問い直す作業と結びついているところに特徴がある(pp196)。
■書評・紹介
■言及
*作成:片岡 稔,
櫻井 浩子
UP: 20110315 REV:20110324
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